JP2002103019A - 金属の鋳造方法、金属の鋳造装置および鋳塊 - Google Patents

金属の鋳造方法、金属の鋳造装置および鋳塊

Info

Publication number
JP2002103019A
JP2002103019A JP2000297636A JP2000297636A JP2002103019A JP 2002103019 A JP2002103019 A JP 2002103019A JP 2000297636 A JP2000297636 A JP 2000297636A JP 2000297636 A JP2000297636 A JP 2000297636A JP 2002103019 A JP2002103019 A JP 2002103019A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
mold
opening
temperature
closing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000297636A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Yanagimoto
茂 柳本
Masashi Fukuda
政志 福田
Takafumi Nakahara
隆文 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2000297636A priority Critical patent/JP2002103019A/ja
Priority to AU2001282589A priority patent/AU2001282589A1/en
Priority to US10/111,845 priority patent/US20020170700A1/en
Priority to PCT/JP2001/007553 priority patent/WO2002018072A1/en
Priority to EP01961268A priority patent/EP1317327A4/en
Publication of JP2002103019A publication Critical patent/JP2002103019A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産効率が良く、品質の良好な鋳塊を得られ
る金属の鋳造装置を提供する。 【解決手段】 鋳造制御手段19が開閉栓昇降機構9へ
指令することにより、注入口7を開いて鋳型4内に金属
溶湯5を注入開始させ、注入された金属溶湯5が冷却板
2の鋳型内表面を覆ったことを冷却板2の温度や温度勾
配の変化等に基づき判定し、電磁弁17をオンさせて開
閉弁16を開いてスプレーノズル12から冷却水を冷却
板2へ噴射させ、注湯開始から所定時間が経過すると注
入口7の近傍まで凝固が進んだものとして注入口7を閉
じさせ、その後に冷却終了条件が達成されると冷却水の
噴射を止め、鋳塊取出条件が達成されると冷却板昇降機
構14を作動させて冷却板2を下降させ、鋳塊5′を取
り出した後、冷却板2を上昇させて鋳型本体3の下部に
装着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、「開閉栓で開閉可
能な注湯口を上部に有すると共に冷却部材が底部を兼ね
る鋳型を用い、注湯口より供給した金属溶湯を冷却部材
により冷却して鋳塊を得る金属の鋳造方法」、「開閉栓
で開閉可能な注湯口を上部に有すると共に冷却部材が底
部を兼ねる鋳型と、該鋳型の冷却部材を冷却する冷却手
段と、開閉栓による注湯口の開閉制御と冷却手段による
冷却制御と冷却部材と鋳型本体との着脱制御を統括的に
行う鋳造制御手段と、を備える金属の鋳造装置」および
「開閉栓で開閉可能な注湯口を上部に有すると共に冷却
部材が底部を兼ねる鋳型を用い、注湯口より供給した金
属溶湯を冷却部材により冷却して鋳造する鋳塊」に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている金型鋳造、ダイカ
スト鋳造、低圧あるいは高圧鋳造等の鋳造法は、金属溶
湯を鋳造機に注湯して鋳造体とした後、湯口、押湯等を
切断する工程を経て素材を得る方法であり、工程が単純
であるため製造コストが安いという利点を有するが、内
部に鋳巣、ピンホール、引け巣、酸化物の巻込み等の欠
陥を持っている。
【0003】これに対し、一方向凝固による鋳造は、内
部の品質は良好な鋳造体が得られるが、金属溶湯の上面
が開放自由面であると、鋳型の側壁と接触するメニスカ
ス部は大きな曲面となり、鋳造体は外周面に直角な面を
形成することができなかった。さらに注湯量を一定に制
御することが難しく、できあがった素材の重量のバラツ
キが大きく、鍛造時に過負荷がかかって鍛造機が停止し
たり、あるいは鍛造製品の寸法形状のバラツキが大きく
なるなどの欠点があった。
【0004】上記のような一方向凝固による鋳造の欠点
を解消するべく、本発明者らは、特開平8−15562
7号公報に開示されるような一方向凝固による鋳造方法
および装置を提案した。
【0005】その鋳造装置の概略構成を示す図7に基づ
いて説明すると、冷却部材である冷却板101上に鋳型
本体102を配置して鋳型を構成し、金属溶湯106を
鋳型本体102の上部に設けた溶湯受槽103から鋳型
内に注湯口104を通して空隙を残すことなく充満さ
せ、次いで注湯口104を開閉栓105により遮断して
鋳型102内を閉塞した状態で、冷却部材101を冷却
して金属溶湯106を一方向凝固させるものである。
尚、図中、107は溶湯受槽内の金属溶湯、108は上
蓋、109は溶湯を所定の温度に維持すると共に鋳型に
注入された溶湯の鋳型側壁からの冷却を防止するための
電気炉、110は冷却板101の温度を検出するために
熱電対を用いた温度検出手段110である。
【0006】そして、冷却部材101を強制冷却するた
めの冷却水を噴霧するノズル111が、冷却部材101
を支持する筒状ケース132内に収納固定され、冷却板
昇降機構113によって、冷却部材101と共に上下動
するようになっている。なお、図中、112′はノズル
110から噴霧された冷却水の排水口である。
【0007】また、上記ノズル11に冷却水を供給する
給水管114の適所には開閉バルブ115が介挿されて
おり、この開閉バルブ115を開閉させる電磁弁116
は、鋳造制御手段117によって制御される。さらに、
この鋳造制御手段117は、開閉栓105を昇降させて
注湯口104を開閉する開閉栓昇降機構118への制御
も行うようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような一方向凝固を行う鋳造装置を用いて以下に述べる
ような鋳造手順で鋳塊を製造した場合、諸々の不十分な
点があることを発明者らは見い出した。まず、上記のよ
うな鋳造装置による鋳造工程の概略を図8に基づき説明
する。なお、この鋳造工程は、以下のような条件下の例
である。金属溶湯としては、溶解炉で溶解したアルミニ
ウム合金(JIS22218合金)を用い、冷却板は銅
板製、鋳型,溶湯受槽,開閉栓は市販の耐火断熱材(イ
ソライト工業(株)製、商品名:ルミボート)を使用し
た。他の条件は、以下の通りである。溶湯受槽内温度:
720℃、溶湯受け槽内の湯面高さ:50mm、冷却水
量:5〔リットル/min〕、素材形状:外形62.5
φ×厚さ9mm、注湯口の径:8mm、冷却板の板厚:
12mm、熱伝対はアルメル:クロメル製のシースカッ
プルで直径1φ,注湯口の直下に当たる冷却板表面から
6mm下に先端を位置させた。また、鋳造サイクルは約
16秒である。
【0009】鋳造1サイクルの開始に当たって、鋳造制
御手段117は、先ず開閉栓昇降機構118へ開栓指令
を送出し、開閉栓昇降機構118により開閉栓105が
上昇して、注湯口104が開き、注湯が開始される。こ
のサイクル開始時における冷却板101の温度をT0
すると、このT0は概ね150℃で、許容下限温度TC
ある100℃よりも十分高い温度に保たれている。な
お、許容下限温度とは、金属溶湯が鋳型内で凝固すると
きに鋳造欠陥であるキラワレ欠陥が生じないで済む鋳型
の温度のことであり、鋳型内の温度が許容下限温度より
も低いとキラワレ欠陥が生じてしまうのである。そし
て、鋳型内で温度が低いのは、冷却板101であるか
ら、冷却板101の温度が許容下限値よりも高くなって
いることが確認できれば、キラワレ欠陥の発生防止には
十分なのである。
【0010】上記のようにして、冷却板101と鋳型本
体102により構成される鋳型へ金属溶湯107を注入
開始してから約5秒が経過すると鋳型への注湯が完了す
るので、鋳造制御手段117は、開栓指令の送出から5
秒を計時するタイマがタイムアップすると開閉栓昇降機
構118へ閉栓指令を送出し、開閉栓昇降機構118に
より開閉栓105が下降して注湯口104が閉じる。そ
の後に冷却板101の温度がT1=500℃に達したこ
とを温度検出手段110により検出すると、鋳造制御手
段117は電磁弁116を開かせてノズル111による
冷却水の噴霧が開始され、冷却板101の温度がT2
30℃に達したことを温度検出手段110により検出す
ると、鋳造制御手段117は電磁弁116を開かせてノ
ズル11による冷却水の噴霧を中止させる。
【0011】冷却水による強制冷却が完了した後には、
金属溶湯106による冷却板101の加熱と金属溶湯1
06の更なる冷却が進行し、冷却板101が適正な温度
3=160℃に達したことを温度検出手段110によ
り検出すると、鋳造制御手段117は冷却板昇降機構1
13へ下降指令を送出し、冷却板昇降機構113により
冷却板101が筒状ケース132と共に下降する。下降
した冷却板101の上面には鋳造物が載っているから、
この鋳塊を鋳塊取り出し装置(図示省略)により取り出
し、その後、再び冷却板101が上昇して鋳型本体10
2の底部に装着されると、次の鋳造サイクルを開始でき
る。
【0012】なお、冷却板101を上昇させるように冷
却板昇降機構113へ鋳造制御手段117が指令するタ
イミングは特に限定されず、鋳塊取り出し装置と連携さ
せて鋳塊の取り出し完了直後に冷却板101を上昇させ
るようにしても良いし、サイクル時間に応じて設定した
タイマにより所定時間経過後に冷却板101を上昇させ
るようにしても良い。但し、冷却板101は鋳塊取り出
し後に空中に晒されることとなるため、適宜冷却されて
ゆくことから、次の鋳造サイクル開始時点で冷却板10
1の温度が許容下限温度TCよりも低くならないように
配慮する必要がある。そこで、冷却板101の温度がT
0=150℃に下がった時には、冷却板101を鋳型本
体102の下部に装着して冷却板101の温度を上昇さ
せ、直ぐに次の鋳造サイクルへ移行できるようになって
いる。
【0013】しかしながら、上記のような鋳造サイクル
で鋳造工程を行う鋳造装置を用いた場合、鋳型へ注がれ
た溶湯は、冷水による冷却板の冷却が開始されるまで、
主に冷却板本体によって熱が奪われるだけなので、冷却
速度の遅さに起因して鋳造組織が粗くなってしまうため
に、より緻密な組織を得ることが困難である。しかも、
注湯完了後に冷却を開始するため、鋳造に要するサイク
ルタイムを短くできず、鋳造の効率が悪い。
【0014】上述した鋳造装置により鋳造した直径63
mm,厚さ10mmの短円筒状の鋳塊を、軸を含む面で
縦に切断したときの切断面に対してエッチング処理をし
た状態を模式的に示したのが図9である。除冷によって
溶質が濃度偏析を起こし、それによるエッチング模様が
厚さ方向に幅広く発生している。なお、エッチングのた
めの化学処理液として20%苛性ソーダ水溶液を用い、
50℃の液温で浸せき時間を3分間とした。
【0015】上記の鋳塊のミクロ組織を観察したとこ
ろ、注湯口付近に発生した欠陥は、200μm以上のミ
クロポロシティーが100mm2に1ヶ以内(図10参
照)、50〜200μmの大きさのものが10ヶ以内で
あった。
【0016】このように、従来の鋳造方法や該方法によ
る鋳造装置では、必ずしも品質の良好な鋳塊を効率良く
得られるとは言えなかった。そこで、本発明は、生産効
率が良く、品質の良好な鋳塊を得られる金属の鋳造方
法、およびその装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、開閉栓で開閉可能な注湯口
を上部に有すると共に冷却部材が底部を兼ねる鋳型を用
い、注湯口より供給した金属溶湯を冷却部材により冷却
して鋳塊を得る金属の鋳造方法において、鋳型の冷却部
材が予め定めた許容下限温度以上であることを条件に開
閉栓を開いて鋳型への注湯を開始し、鋳型へ注入された
金属溶湯が冷却部材の鋳型内表面に接触する際の温度が
上記許容下限温度よりも低くならないという初期冷却条
件を満たすように冷却部材の冷却を開始し、鋳型内に金
属溶湯が充満した後も開閉栓を閉じることなく鋳型内へ
の押し湯を継続し、鋳型内の溶湯凝固が注湯口近傍に達
して開閉栓による注湯口の開閉が不可能となる閉栓不能
状態となる前に、開閉栓で注湯口を閉じ、閉栓後に予め
定めた冷却終了条件が達成された時点で冷却部材への冷
却を停止し、冷却停止後に予め定めた鋳塊取出条件が達
成されることに基づき、冷却部材を鋳型本体から外して
鋳塊を取り出すようにしたことを特徴とする。
【0018】また、請求項2に係る発明は、開閉栓で開
閉可能な注湯口を上部に有すると共に冷却部材が底部を
兼ねる鋳型と、該鋳型の冷却部材を冷却する冷却手段
と、開閉栓による注湯口の開閉制御と冷却手段による冷
却制御と冷却部材と鋳型本体との着脱制御を統括的に行
う鋳造制御手段と、を備える金属の鋳造装置において、
上記鋳造制御手段は、冷却部材が予め定めた許容下限温
度以上であることを必要条件として、開閉栓を開いて鋳
型への注湯を開始させる開栓制御手段と、上記開栓制御
手段による注湯開始後に、鋳型へ注入された金属溶湯が
冷却部材の鋳型内表面に接触する際の温度が上記許容下
限温度よりも低くならないという初期冷却条件を満たす
ように冷却手段を制御する初期冷却制御手段と、鋳型へ
注入された金属溶湯が冷却部材の鋳型内表面を全て覆っ
た後に冷却手段を制御して冷却部材に対する通常の冷却
を行う通常冷却制御手段と、鋳型内の溶湯凝固が注湯口
近傍に達して開閉栓による注湯口の開閉が不可能となる
閉栓不能状態となる前に、開閉栓で注湯口を閉じて鋳型
内への押し湯を停止する閉栓制御手段と、上記閉栓制御
手段による閉栓後に予め定めた冷却終了条件が達成され
ることに基づき、上記通常冷却制御手段による冷却手段
への制御を止めさせて冷却部材への冷却を停止する冷却
停止制御手段と、冷却停止後に予め定めた鋳塊取出条件
が達成されることに基づき、鋳型から鋳塊を取り出せる
ように冷却部材を鋳型本体から外し、鋳塊を取り出した
後に再び冷却部材を鋳型本体に装着して鋳型とする着脱
制御手段と、を備えるものとしたことを特徴とする。
【0019】また、請求項3に係る発明は、開閉栓で開
閉可能な注湯口を上部に有すると共に冷却部材が底部を
兼ねる鋳型を用い、注湯口より供給した金属溶湯を冷却
部材により冷却して鋳造する鋳塊において、鋳型の冷却
部材が予め定めた許容下限温度以上であることを条件に
開閉栓を開いて鋳型への注湯を開始し、鋳型へ注入され
た金属溶湯が冷却部材の鋳型内表面に接触する際の温度
が上記許容下限温度よりも低くならないという初期冷却
条件を満たすように冷却部材の冷却を開始し、鋳型内に
金属溶湯が充満した後も開閉栓を閉じることなく鋳型内
への押し湯を継続し、鋳型内の溶湯凝固が注湯口近傍に
達して開閉栓による注湯口の開閉が不可能となる閉栓不
能状態となる前に、開閉栓で注湯口を閉じ、閉栓後に予
め定めた冷却終了条件が達成された時点で冷却部材への
冷却を停止し、冷却停止後に予め定めた鋳塊取出条件が
達成されることに基づき、冷却部材を鋳型本体から外
し、鋳造物として取り出すようにしたことを特徴とす
る。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発
明に係る金属の鋳造方法および鋳造装置の実施形態を説
明する。
【0021】図1に示すのは、鋳造装置1の概略構成図
であり、板状の冷却部材たる冷却板2と鋳型本体3によ
って閉塞性の鋳型4が構成され、鋳型本体3の上部には
溶解炉等からの金属溶湯5を貯めておく溶湯受槽6を設
け、該溶湯受槽6と上記鋳型本体3の型内とに連通する
注入口7を開閉栓8によって開閉することで、溶湯受槽
6内の金属溶湯5を鋳型4へ供給したり供給を停止した
りするのである。なお、開閉栓8は開閉栓昇降機構9に
より上下動することで、注入口7を閉じたり注入口7を
開いたりするものとしてある。
【0022】上記のような溶湯受槽6の上方部には上蓋
10を配置して金属溶湯5の上面からの冷却を防ぐと共
に、電気炉11によって溶湯受槽6の側面から加熱して
溶湯を所定の温度に維持する。
【0023】また、上記冷却板2の下部には、スプレー
ノズル12を収納固定する冷却ケース13を取り付けて
あり、冷却板昇降機構14によって冷却ケース13およ
び冷却板2が上昇したときに冷却板2が鋳型本体3の下
部開口を閉塞して閉塞性の鋳型4が構成され、逆に冷却
ケース13が下降すると、鋳造物である鋳塊5′が載っ
たままの冷却板2が鋳型本体3から離隔し、鋳塊5′を
取り出すことができるのである。
【0024】上記スプレーノズル12からは、水、塩化
ナトリウムを0.5%以上含んだ0℃以下の過冷水、エ
チレングリコールを含んだ0℃以下の過冷混合水、油な
どの冷却媒体が噴出されて冷却板2の下面に吹き付けら
れ、冷却板2が強制的に冷却されることとなる。なお、
以下の説明では、スプレーノズル12から噴射される冷
却媒体を単に冷却水と呼ぶこととする。スプレーノズル
12へ冷却水を供給する給水管15の途中には開閉バル
ブ16を設けてあり、この開閉バルブ16の電磁弁17
がオン・オフすることで、冷却水をスプレーノズル12
へ供給したり停止させたりする。
【0025】また、冷却板2には、その温度を検出する
ための温度検出手段18として熱伝対を設けて、冷却板
の温度情報を取得し、鋳造工程における種々の条件判定
に用いるものとしてある。なお、熱伝対の先端が冷却板
2に挿入される位置や熱電対の数は、鋳造工程の工程制
御で必要な判定条件に応じて適宜定めれば良いが、本実
施形態においては、鋳型4内に注がれた溶湯5が冷却板
2の表面を覆い尽くす最後の場所(1箇所)の温度を冷
却板2の代表温度として検出できるようにしてある。本
実施形態のように、鋳型本体3の中央上部に注入口7を
設けて円筒状の鋳塊を作る場合、冷却板2の上面がほぼ
水平であれば、注湯口7から注がれて冷却板2上へ落ち
た溶湯5は周囲へ満遍なく広がって行くので、鋳型4内
の最外縁となる円周上ならどこでも良く(図1参照)、
熱電対先端部の埋設位置も適宜に定めれば良い。
【0026】しかして、本実施形態に係る鋳造装置1
は、鋳造制御手段19により、溶湯注入・冷却・鋳塊取
出の全工程を自動制御するものとしてある。この鋳造工
程制御は、上記温度検出手段18による冷却板2の温度
情報やタイマのタイムアップを基準として行うもので、
具体的には、図2に示すようなタイミングで鋳造工程の
1サイクルを行う。なお、鋳造方法としては、鋳造制御
手段19による自動制御に限定されるものではなく、適
宜な制御タイミングに応じて人為的な装置制御を行うよ
うにしても良い。
【0027】本実施形態で示す鋳造工程は、以下のよう
な条件下で行った場合のものである。金属溶湯として
は、溶解炉で溶解したアルミニウム合金(JIS222
18合金)を用い、冷却板は銅板製、鋳型,溶湯受槽,
開閉栓は市販の耐火断熱材(イソライト工業(株)製、
商品名:ルミボート)を使用した。溶湯受槽内温度は7
20℃、溶湯受け槽内の湯面高さは50mm、冷却水量
は5〔リットル/min〕、注湯口の径は8mm、冷却
板の板厚は12mmである。熱伝対はアルメル:クロメ
ル製のシースカップルで直径1φのものを鋳型内面とな
る円形領域の円周上における冷却板表面から2mm下に
先端を位置させた。鋳造される素材形状は外形63φ×
厚さ10mmで、鋳造サイクルは約12秒である。
【0028】鋳造サイクルの開始に際して、先ず、鋳造
制御手段19は、鋳塊取出装置による鋳塊の取出が終了
したことを条件として、冷却板昇降機構14へ冷却板上
昇指令を送出して、冷却板2を鋳型本体3の下部に装着
させ、鋳型4を構成させる。そして、冷却板2が上昇状
態(鋳型4が構成された状態)にあるという第1条件に
加えて、冷却板2の温度が許容下限温度TC以上である
という第2条件も満たされていれば、鋳造制御手段19
は、開閉栓昇降機構9へ開栓指令を送出し、該指令を受
けた開閉栓昇降機構9が開閉栓8を上昇させて注入口7
を開かせ、金属溶湯5を鋳型4へ注入開始する。なお、
この開栓指令の送出に伴って、鋳造制御手段19は、閉
栓条件判定用タイマ(例えば、TM1=5秒)をセット
する。
【0029】このように、注湯開始の必要条件として、
冷却板2の温度が許容下限温度TC(例えば、TC=10
0℃ なお、鋳造時の環境条件や溶湯成分等によってT
Cは変化する可能性がある。)以上になっていることを
採用したのは、この許容下限温度TCよりも低温の冷却
板2に注湯すると、金属溶湯5が冷却板2に触れて凝固
する際にキラワレ欠陥が生じてしまうからである。な
お、本実施形態のように、冷却板昇降機構14へ冷却板
上昇指令を送ることにより鋳造サイクルが開始された
後、開閉栓8が実際に開いて金属溶湯5が鋳型4内へ供
給されるまでに若干のタイムラグ(1〜2秒程度)が有
る場合、その間にも冷却板2の温度が更に低下してゆく
可能性もあるので、許容下限温度TCよりも十分に高い
温度(例えば、TCよりも10℃〜20℃以上高いこと
が好ましく、本実施形態においてはT0=150℃に設
定)としておくことが望ましい。
【0030】上記のようにして鋳型4への注湯が開始さ
れた後、冷却板2の温度がT1(例えば、T1=155
℃)になったことを温度検出手段18からの温度情報に
基づいて鋳造制御手段19が検知すると、電磁弁17を
オンにして開閉バルブ16を開かせ、給水管15よりス
プレーノズル12へ冷却水が供給されるようにする。
【0031】冷却開始のタイミングは特に限定されるも
のではないが、少なくとも、鋳型4へ注入された金属溶
湯5が冷却板2の鋳型内表面に接触する際の温度が許容
下限温度TCよりも低くならないという初期冷却条件を
満たしていれば良い。すなわち、冷却開始のタイミング
(開閉バルブ16の開制御を行うタイミング)が早すぎ
ると、鋳型4内へ注入された金属溶湯5が到達していな
い冷却板2の鋳型内表面の部位の温度が許容下限温度よ
りも低くなってしまう可能性があり、許容下限温度TC
よりも低温になった部位に金属溶湯5が接触すると、キ
ラワレ欠陥が生じてしまうからである。
【0032】なお、本実施形態で示す程度のサイズの鋳
塊5′を得る場合には、冷却板2の鋳型内表面へ速やか
に金属溶湯5が広がるので、温度検出手段18により検
出される部位の温度がT1℃に上昇すれば、金属溶湯5
が当該箇所へ到達していると看做すことができるため、
これを冷却開始のタイミングとして採用することによ
り、初期冷却条件が満たされるようにし、キラワレ欠陥
の発生を防止するものとした。また、実際の装置構造に
基づいて経験的に得られた適切な冷却開始タイミングを
設定し、例えば、開閉栓8の開栓制御から所定時間経過
後に冷却を開始させることで、初期冷却条件が満たされ
るようにしても良い。
【0033】初期冷却条件を満たす冷却開始タイミング
判定は、上記のものに限定されず、例えば、「開閉栓8
が開栓状態」という第1条件と、「冷却板2の温度がT
C以上」という第2条件と、「冷却板2の温度の増分が
零もしくは正」という第3条件が全て満たされた時に冷
却開始するようにしても良い。この第3条件は、短周期
で冷却板2の温度を検出して得られる冷却板2の温度変
化特性曲線の傾きが零もしくは正であることを判定する
もので、例えば温度データの微分値を演算して判定に供
することができる。そして、温度データの微分値が零も
しくは正であれば、冷却板2が鋳型4内に注がれた金属
溶湯2から受熱して温度上昇に転じたものと推定でき
る。従って、この第3条件を以てすれば、温度検出部位
に金属溶湯が接触したか、若しくは極く短時間のうちに
金属溶湯が接触する状態であることを判定できる。ま
た、温度変化が不安定な場合(例えば、確実に温度が上
昇に転じたと判定できないような微動が続く場合など)
には、制御動作を確実にするため、増分に閾値を設けて
おき、温度の増分が当該閾値を越えた場合に第3条件が
満たされたものと判定するようにしても良い。なお、第
1条件(開閉栓8が開栓状態)と第2条件(冷却板2の
温度がTC以上)とを併せて判定するものとしたのは、
制御の信頼性を向上させるためであり、通常は判定条件
から除外しても問題はない。
【0034】また、鋳型のサイズが大きな場合には、金
属溶湯が冷却板表面全域に広がるまでに比較的長時間を
要する可能性があり、その間は鋳型内へ注がれた金属溶
湯の冷却を行わせない制御を採用して初期冷却条件を満
たすようにした場合、冷却速度が遅くなってしまう可能
性もある。そのうようなケースでは、鋳型サイズに応じ
てスプレーノズルを複数箇所に分けて設けるものとし、
注湯口から注がれた金属溶湯が触れる箇所のみ冷却し
て、未だ金属溶湯に覆われていない箇所(冷却板表面)
の温度が許容下限温度よりも低くならないようにしなが
ら、金属溶湯で覆われた箇所へ順次冷却領域を広げて行
くような制御を行なうと、上記初期冷却条件を満たしつ
つ冷却板を冷却することができる。このような制御を採
用した場合の初期冷却条件を満たす冷却制御として、各
部の冷却開始タイミング判定は、上述したような各部位
の温度が所定温度に達することとしても良いし、温度変
化の傾きが零または正であることを採用しても良い。無
論、実際の装置構造に基づいて得られた適切な冷却開始
タイミングを設定して、タイマ等により制御しても良
い。
【0035】更に、厚さがほぼ一定の冷却板2ではな
く、冷却水が当たる底面から鋳型内表面までの厚さが均
一でない複雑な形状の冷却部材を用いる場合には、注湯
口の開設位置や冷却部材の形状に応じて金属溶湯の流れ
が異なるし、冷却部材の鋳型内表面の各部位が金属溶湯
で覆われるまでに要する時間も異なるので、このような
場合にも金属溶湯に覆われた箇所から冷却し、金属溶湯
が未だ達していない箇所の温度が許容下限温度よりも低
くならないという初期冷却条件を満たすように冷却制御
をすれば良い。何れにしても、冷却板(もしくは冷却部
材)の鋳型内表面が全て金属溶湯で覆われると初期冷却
条件の枷がなくなるので、通常の冷却を行うことができ
る。
【0036】上記のようにして冷却板2の冷却が開始さ
れた後、閉栓条件判定用タイマ(TM1)が所定時間
(例えば5秒)を計時してタイムアップすると、鋳造制
御手段19は開閉栓昇降機構9へ閉栓指令を送出し、開
閉栓8によって注入口4が塞がれる。なお閉栓条件の判
定基準は、タイマによる計時に限らないが、少なくと
も、鋳型4内の金属溶湯5の凝固が注入口7の近傍に達
して開閉栓8による注湯口の開閉が不可能となる閉栓不
能状態となる前に閉栓できれば良い。とはいえ、鋳型4
内が金属溶湯5で満たされてすぐに閉栓してしまうと、
押し湯効果(溶湯受槽6内の金属溶湯5によって鋳型4
内へ圧力が作用し、鋳型4内で金属溶湯5が凝固して収
縮した不足容積分を補充する効果)を期せなくなるの
で、可能な限り閉栓不能状態となる直前まで注入口7を
開いておくことが望ましい。そこで、本実施形態の如く
タイマ制御により閉栓させるものに限らず、鋳型4の注
入口近傍に設けた温度検出手段が金属溶湯の凝固温度に
近づいた所定温度に達することを、閉栓不能状態となる
前段階の状態として検出し、開閉栓8を閉じるような制
御にしても良い。
【0037】一方、冷却板2の温度が予め定めた所定温
度であるT2(例えば、T2=70℃)になると、鋳造制
御手段19は、冷却終了条件判定用タイマ(TM2)を
セットし、冷却終了条件判定用タイマが所定時間(例え
ば、4秒)を計時してタイムアップすると、鋳造制御手
段19は電磁弁17をオフにして開閉バルブ16を閉じ
させ、給水管15よりスプレーノズル12への冷却水供
給を停止する。なお、冷却板2の温度がT2になるの
は、開閉栓8の制御に用いる閉栓条件判定用タイマがタ
イムアップするよりも前とは限らず、タイマセット条件
判定用の検出温度T2が比較的低温度に設定されていた
場合には、開閉栓8が閉じた後に冷却板2がT2となる
ことも起こり得る。また、何らかの予期せぬエラーによ
ってタイマセット条件判定用の温度T2が早期に検出さ
れてしまい、開閉栓8が開いている時に冷却終了条件判
定用タイマがタイムアップしてしまう可能性を考慮し、
開閉栓8が既に閉栓されていることも冷却終了条件の判
定に加えることが望ましい。
【0038】上述したように、冷却終了条件の判定に冷
却板2の温度情報とタイマによる計時とを併用したの
は、冷却水を直接受けている冷却板2はある程度まで温
度が下がると温度変化が緩慢となり(図2参照)、微妙
な温度変化を検出するのが難しくなるため、冷却終了条
件判定の誤差が大きく、冷却が足りない状態で冷却が終
了してしまったり、逆に過冷却で無駄にサイクル時間を
長くしたりしてしまう可能性があるからである。従っ
て、温度低下勾配が緩慢になって検出誤差が大きくなる
前の時点で冷却板2の温度を検出し、その後は、現実の
装置の構造に応じて定まる一定時間の経過後に冷却水の
供給を停止させるものとしたのである。なお、冷却終了
条件判定用の温度検出手段が極めて高精度に冷却板2の
温度変化を検出できるものであれば、冷却板2の温度が
所定温度に達することを冷却終了条件として設定しても
良いし、現実の装置構造に最適な冷却時間を予め求めて
おいて、冷却開始から所定時間経過後を冷却終了条件と
するようなタイマのみの制御にしても良い。
【0039】冷却水による強制冷却が終了すると、鋳塊
5′の保有熱によって冷却板2の温度が再び上昇し始
め、例えば、冷却板2の温度がT3(例えば、T3=16
0℃)になったことを温度検出手段18からの温度情報
に基づいて鋳造制御手段19が検知すると、鋳塊取出条
件が達成されたものとして冷却板昇降機構14へ冷却板
降下指令を送出して、鋳塊5′が載った状態の冷却板2
が鋳型本体3から外れて降下し、図示省略の鋳塊取出装
置が作動することにより鋳塊5′が取り出される。な
お、鋳塊取出条件は冷却板2の検出温度がT3に達する
場合に限らず、冷却水の停止から所定時間経過後に鋳塊
取出条件が達成されるようにしても良い。上記のように
して、鋳塊5′が取り出されて鋳塊取出装置が停止する
と、その旨の信号を受けた鋳造制御手段19が直ちに冷
却板昇降機構14へ冷却板上昇指令を送出して、新たな
鋳造サイクルが開始される。
【0040】上述したように、本実施形態に係る金属の
鋳造方法によれば、鋳型内が金属溶湯で満たされるのを
待つことなく、初期冷却条件を満たすように冷却板2に
対する冷却制御を行うので、鋳造物にキラワレ欠陥が生
ずることを防いだ上で鋳造サイクルを短縮できるという
利点がある。たとえば、従来方法では16秒を要した鋳
造サイクルを12秒に短縮できるのである。
【0041】しかも、初期冷却条件による枷が無くなっ
た後は通常の冷却を行うので、鋳型内へ金属溶湯を注ぎ
つつ凝固が順次進んで行き、鋳塊5′内における各部位
の冷却速度は、従来法による冷却に比べて遙かに速くな
り、溶質の偏析が減少する。加えて、閉栓不能状態とな
る直前まで開閉栓8を閉じないので、押し湯効果によっ
て鋳塊5′は緻密な組織の構造となり、鋳造欠陥の発生
量を抑制できる。
【0042】上述した鋳造工程を行う鋳造装置1により
鋳造した直径63mm,厚さ10mmの短円筒状の鋳塊
を、軸を含む面で縦に切断したときの切断面に対してエ
ッチング処理をした状態の写真を示したのが図3であ
る。前述した従来法による鋳造に見られたような溶質の
濃度偏析は起きておらず、それによるエッチング模様は
認められない。なお、エッチングのための化学処理液と
して20%苛性ソーダ水溶液を用い、50℃の液温で浸
せき時間を3分間とした。
【0043】上記の鋳塊のミクロ組織を観察したとこ
ろ、注湯口付近に発生した欠陥は、200μm以上のミ
クロポロシティーが100mm2に0.5ヶ以内(図4
参照)、50〜200μmの大きさのものが5ヶ以内で
あった。
【0044】このように、本実施形態で示した鋳造工程
により鋳造した鋳塊の品質は、従来方法により鋳造した
鋳塊の品質よりも大幅に向上しているのである。
【0045】次に、上述した鋳造工程を実現するための
統括的な制御を行う鋳造制御手段18が備える詳細な制
御機能を図5に示す機能ブロック図に基づいて説明す
る。
【0046】上記鋳造制御手段19は、温度検出手段1
8からの温度情報に基づいて、開閉栓8を昇降させる開
閉栓昇降機構9,冷却板2を冷却するための冷却水をス
プレーノズル12へ供給する給水管15の開閉を行う開
閉バルブ16を開閉させる電磁弁17,冷却ケース13
と一緒に冷却板2を昇降させる冷却板昇降機構14に対
する制御を行うものである。なお、鋳造装置1の構成に
おいては、スプレーノズル12へ,給水管15,開閉バ
ルブ16が協働して冷却手段としての機能を実現するの
であるが、冷却水の供給・停止は電磁弁17の制御によ
って行うことから、本実施形態における鋳造制御手段1
9においては、冷却手段の能動化・不能動化は電磁弁1
7に対する制御のみによって実現するものとしてある。
また、鋳塊取出装置20から鋳塊取出完了信号を受ける
ことで、鋳造制御手段19は冷却板昇降機構14に対す
る上昇制御を行う。
【0047】温度検出手段18の温度情報を受ける開栓
制御手段21は、冷却板2の温度T 0が許容下限温度TC
以上であるという第1条件と冷却板昇降機構14が冷却
板2を上昇させた状態にあるという第2条件の両方が達
成されていることを注湯開始可能条件とし、この注湯開
始可能条件が達成されると、開閉栓昇降機構9へ開栓指
令を送出して開閉栓8を上昇させ、開いた注入口7から
金属溶湯5を鋳型4へ注入させる。なお、本実施形態の
ように冷却板上昇開始から実際に金属溶湯5が鋳型4内
へ注がれるまでにタイムラグがある装置構造とした場
合、冷却板2の温度T0が単にTC以上であるだけでは不
十分で、実際に金属溶湯5が鋳型4内へ注がれて冷却板
2の温度が上昇し始める迄に、冷却板2の鋳型内表面の
全部位がT 0よりも低温にならないように、TCよりも十
分に高い温度(例えば、T0≧150℃)に判定条件を
設定しておくことが望ましい。
【0048】上記のようにして、開栓制御手段21によ
る注湯が開始された後には、鋳型4へ注入された金属溶
湯5が冷却板2の鋳型内表面に接触する際の温度が許容
下限温度TCよりも低くならないという初期冷却条件を
満たすように、初期冷却制御手段21が通常冷却手段2
3が作動して電磁弁17を開くことのないように制御す
る。すなわち、鋳造制御手段19が備える初期冷却制御
手段22は、初期冷却条件を満たすように冷却手段を直
接制御するのではなく、通常冷却制御手段23が冷却制
御を開始しないように制御することで、許容下限温度よ
りも低い温度となった冷却板2に金属溶湯5が触れてキ
ラワレ欠陥が生ずることの無いようにするのである。
【0049】そして、鋳型4へ注入された金属溶湯5が
冷却板2の鋳型内表面を全て覆ったと想定される状態
を、温度検出手段18の温度情報がT1=500℃に達
することとして初期冷却制御手段22が判定すると、通
常冷却手段23に通常冷却の開始を指示し、該指示を受
けた通常冷却制御手段23により電磁弁17がオンされ
て開閉弁16が開き、スプレーノズル12から冷却水が
射出され、冷却板2への冷却が開始されるのである。な
お、初期冷却制御手段22が初期冷却条件を満たすため
に通常冷却制御手段23による冷却開始を抑制している
状態において、初期冷却条件の枷が外れたことを判定す
る条件は、前述したように、冷却板2の温度が所定温度
に達した場合に限らず、冷却板2の温度変化の増分が零
または正に変わったこととしても良いし、実際の装置構
造に基づき設定した所定タイミング(例えば、開栓から
所定時間の経過)に基づいて通常冷却へ移行させるよう
にしても良い。
【0050】一方、上記開栓制御手段21は、開閉栓昇
降機構9への開栓指令を送出すると同時に閉栓制御手段
24へも開栓させた旨の信号を送出し、これを受けた閉
栓制御手段24は予め定められた所定時間(例えば5
秒)の閉栓制御用タイマ(TM1)をセットしており、
この閉栓制御タイマにより計時する時間は、鋳型4内の
溶湯凝固が注湯口7近傍に達して開閉栓8による注湯口
7の開閉が不可能となる閉栓不能状態となる直前を報ら
せるものである。従って、閉栓制御用タイマがタイムア
ップすると、閉栓制御手段24は開閉栓昇降機構9へ閉
栓指令を送出し、開閉栓8で注湯口7を閉じて鋳型4内
への押し湯を停止する。
【0051】上記のようにして開閉栓8が閉じられてか
ら程なく、鋳型4内での凝固が完了して鋳塊5′が形成
されるが、冷却水による冷却板2の冷却は予め定めた冷
却終了条件が達成されるまで続ける。この冷却終了条件
としては、前述したように、冷却板2の温度が予め定め
た所定温度T2(例えば、T2=70℃)に達してから、
予め定めた所定時間が経過したこととしてある。従っ
て、冷却板2の温度がT 2に達したことを検知した冷却
停止制御手段25は、冷却終了条件判定用タイマ(TM
2)をセットし、冷却終了条件判定用タイマが所定時間
(例えば、4秒)を計時してタイムアップすると、通常
冷却制御手段23に冷却停止を指示し、通常冷却制御手
段23が電磁弁17を閉じて冷却板2への強制冷却を停
止する。
【0052】上記のように、通常冷却制御手段23へ冷
却停止を指示した冷却停止制御手段25は、着脱制御手
段26へも冷却を停止させた旨の信号を送出し、これを
受けた着脱制御手段26は、鋳塊取出条件として予め定
めた冷却板2の温度がT3(例えば、T3=160℃)に
なったことを温度検出手段18からの温度情報に基づき
検知すると、冷却板昇降機構14に下降指令を送出し、
該指令を受けた冷却板昇降機構14が鋳型4から鋳塊
5′を取り出せるように冷却板2を下降させて鋳型本体
3から外し、鋳塊取出装置20によって鋳塊5′が取り
出される。
【0053】また、鋳塊5′の取出が終わると、鋳塊取
出装置20は鋳塊取出終了の旨を示す信号を制御手段2
6へ送出し、該信号を受けた着脱制御手段26が冷却板
昇降機構14に上昇指令を送出し、冷却板2が鋳型本体
3の下部に装着されるようにして、新たな鋳造サイクル
へ移行するのである。なお、新たな鋳造サイクルの開始
に伴って、着脱制御手段26は、冷却板昇降機構14か
ら冷却板上昇完了信号を受けて、開栓制御手段21へ冷
却板が上昇状態である旨の信号を送信するものとした
が、冷却板昇降機構14からの完了信号を受けることな
く、着脱制御手段26が冷却板昇降機構14に上昇指令
を送出してから冷却板2が鋳型本体3の底部に装着され
るのに必要十分な時間が経過した後に、開栓制御手段2
1へ冷却板2が上昇状態である旨の信号を送るようにし
ても良い。
【0054】上述した鋳造制御手段19の実施形態にお
いては、初期冷却制御手段22が初期冷却条件を満たす
ように冷却板2への冷却を行わせないような制御を行う
ものであったが、初期冷却制御手段による制御は、これ
に限定されるものではない。図6に示す他の実施形態で
ある鋳造制御手段19′は、冷却板2に3つの温度検出
手段と3つの冷却手段を設けたものである。
【0055】冷却板2における鋳型内で注入口7から注
がれた金属溶湯5が最も到達し難い部位に第1温度検出
手段18aを、この第1温度検出手段18aを設けた部
位よりは金属溶湯5が到達し易い部位に第2温度検出手
段18bを、注入口7の直下のように最も金属溶湯が到
達し易い部位に第3温度検出手段18cを、各々設け
る。また、第1温度検出手段18aにより代表温度を検
出できる領域を第1冷却手段17aにより冷却し、第2
温度検出手段18bにより代表温度を検出できる領域を
第2冷却手段17bにより冷却し、第3温度検出手段1
8cにより代表温度を検出できる領域を第3冷却手段1
7cにより冷却する。
【0056】上記のように複数の温度検出手段と複数の
冷却手段を備える鋳造装置における鋳造工程を制御する
のが鋳造制御手段19′である。なお、図6に示す鋳造
制御手段19′において、図5に示した鋳造制御手段1
9と同一の構成については同一符号を付して説明を省略
し、以下には、初期冷却制御手段22′の機能について
のみ説明する。
【0057】第1温度検出手段18aによって検出され
た冷却板2の温度情報がT0が予め定めた所定温度(例
えば、許容下限温度TCよりも十分高い150℃)以上
になっていることに基づいて、開栓制御手段21が開閉
栓昇降機構9へ指令し、開閉栓8が上昇し、注入口7が
開き、金属溶湯5が鋳型4内へ注がれると、先ずは第3
温度検出手段18cによる検出温度が上昇してゆく。そ
して、第3温度検出手段18cによる温度情報に基づい
て冷却開始条件(例えば、検出温度が予め定めたT1c
に達するか、又は温度変化の増分が零または正になる
か)が達成されると、初期冷却手段22′は第3冷却手
段17cのみを機能させて局部的な冷却を開始する。な
お、上記の冷却開始条件の判定に第3温度検出手段18
cの温度情報を用いないで、実際の装置構造に基づき定
めた所定時間の経過を冷却開始条件として用いても良
い。また、この第3冷却手段17cによる冷却によっ
て、未だ金属溶湯5に覆われていない部位の冷却板表面
温度が許容下限温度よりも低下することのないように、
冷却領域を制限したり冷却能力を低く抑える等の制御を
行うようにしても良い。
【0058】続いて、第2温度検出手段18bによる温
度情報に基づいて冷却開始条件(例えば、検出温度が予
め定めたT1b℃に達するか、又は温度変化の増分が零又
は正になるか)が達成されると、初期冷却手段22′は
第3冷却手段17cに加えて第2冷却手段17bを機能
させる。このときにも、第2温度検出手段18bの温度
情報を用いないで、実際の装置構造に基づき定めた所定
時間の経過を冷却開始条件として用いても良いし、未だ
金属溶湯5によって覆われていない部位の冷却板表面温
度が許容下限温度よりも低下することのないように、第
2,第3冷却手段17b,17cによる冷却領域を制限
したり冷却能力を低く抑えるなどの制御を行うようにし
ても良い。
【0059】更に続いて、第1温度検出手段18aによ
る温度情報に基づいて冷却開始条件(例えば、検出温度
が予め定めたT1aに達するか、又は温度変化の増分が零
又は正になるか)が達成されると、初期冷却手段22′
は第2,第3冷却手段17b,17cに加えて第1冷却
手段17aを機能させる。このときにも、第1温度検出
手段18aの温度情報を用いないで、実際の装置構造に
基づき定めた所定時間の経過を冷却開始条件として用い
ても良いし、未だ金属溶湯5によって覆われていない部
位の冷却板表面温度が許容下限温度よりも低下すること
のないように、第1〜第3冷却手段17a〜17cによ
る冷却領域を制限したり冷却能力を低く抑えるなどの制
御を行うようにしても良い。
【0060】なお、第1,第2温度検出手段18a,1
8bによって検出される温度は、鋳型内へ注がれた金属
溶湯5による加熱と第3冷却手段17cもしくは第2,
第3冷却手段17b,17cにより冷却とが同時進行し
ているときの温度であり、しかも第1〜第3温度検出手
段18a〜18cによって検出できるのは、冷却板2に
おける特定部位の代表温度あるから、上述した実施形態
の如く単純な厚板状の冷却板2よりも複雑な形状の冷却
部材を採用した場合、各部位の細かな温度分布を把握し
た上で冷却制御しようとすると、自ずと温度検出部位が
増えてコスト増に直結してしまうので、鋳造物に応じた
鋳型の大きさや形状等に基づく適切な冷却開始タイミン
グをタイマにより制御するのも有効な方法である。タイ
マ制御により部分冷却を開始させるような場合、未だ金
属溶湯が到達していない領域に対する冷却が開始される
可能性もあるが、当該領域の温度が許容下限温度TC
りも下がる前に金属溶湯5が到達してれば、キラワレ欠
陥の発生を防げるので、ある程度のタイミング誤差は吸
収することが可能である。
【0061】上記のようにして、初期冷却制御手段2
2′による初期冷却制御を行い、冷却板2の鋳型内表面
が全て金属溶湯5に覆われたと判定できる状態、すなわ
ち、初期冷却条件による枷を外して通常の冷却を行って
良い通常冷却可能状態になったと判定(例えば、第1温
度検出手段18aによる検出温度がT1aに達するか、温
度変化の増分が零又は正になるか、若しくは実際の装置
構造に基づき定めた所定時間の経過、の何れかの冷却開
始条件が達成されてから更に所定時間が経過)すると、
初期冷却制御手段22′は、通常冷却制御手段23へ通
常冷却を開始する旨を指令すると共に第1〜第3冷却手
段17a〜17cへの直接制御を中止し、通常冷却開始
の指令を受けた通常冷却制御手段23によって、第1〜
第3冷却手段17a〜17cの冷却能力をフルに活かし
た冷却が行われる。
【0062】なお、第1〜第3冷却手段17a〜17c
が冷却領域や冷却能力の調整を行えない構造となってい
る場合、第1〜第3冷却手段17a〜17cの全てを用
いて冷却することは、実質的に通常冷却制御を意味する
ので、そのような場合に初期冷却制御手段22′が初期
冷却制御に用いるのは第2,第3冷却手段17b,17
cのみとし、第1温度検出手段18aよりの温度情報に
基づく冷却開始条件(検出温度がT1aに達するか、温度
変化の増分が零又は正になるか)の達成を初期冷却制御
手段22′は通常冷却可能状態と判定するようにしてお
き、該通常冷却可能状態となったことを初期冷却制御手
段22′が判定すると、そのまま通常冷却制御手段23
に通常冷却の開始を指示し、通常冷却制御手段23によ
って第1〜第3冷却手段17a〜17cに対する制御を
行わせるようにしても良い。また、初期冷却制御手段2
2′が第1〜第3冷却手段17a〜17cを直接制御す
るものとせずに、逐次通常冷却制御手段へ指令して第1
〜第3冷却手段17a〜17cへの制御を行わせるよう
にしても良い。とにかく、冷却板2の鋳型内表面が金属
溶湯5で完全に覆われるまで初期冷却条件を満たすよう
な冷却制御を行うことができれば、初期冷却制御手段2
2′と通常冷却制御手段23との連携は特に限定される
ものではない。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る金
属の鋳造方法によれば、鋳型内が金属溶湯で満たされる
のを待つことなく、初期冷却条件を満たすように冷却部
材の冷却を行うので、鋳造物にキラワレ欠陥が生ずるこ
とを防いだ上で鋳造サイクルを短縮できる。しかも、初
期冷却条件による枷が無くなった後は通常の冷却を行う
ので、鋳型内へ金属溶湯を注ぎつつ鋳型内での凝固が順
次進んで行くこととなり、鋳塊内における各部位の冷却
速度は、従来法による冷却に比べて遙かに速くなり、溶
質の偏析が減少する。加えて、閉栓不能状態となる直前
まで開閉栓を閉じないので、押し湯効果によって鋳塊は
緻密な組織の構造となり、鋳造欠陥の発生量を抑制でき
る。
【0064】また、請求項2に係る金属の鋳造装置によ
れば、鋳型内が金属溶湯で満たされるのを待つことな
く、初期冷却制御手段が初期冷却条件を満たすように冷
却条件を制御し、初期冷却条件の枷が無くなった後は注
湯をしながら通常冷却制御手段による通常の冷却を行う
ので、鋳造物にキラワレ欠陥が生ずることを防いだ上で
鋳造サイクルを短縮できる。しかも、初期冷却条件によ
る枷が無くなった後には通常冷却制御手段による通常の
冷却を行うことで、鋳型内へ金属溶湯を注ぎつつ鋳型内
での凝固が順次進んで行くこととなり、鋳塊内における
各部位の冷却速度は、従来装置による冷却に比べて遙か
に速くなり、溶質の偏析が減少する。加えて、鋳型内の
金属溶湯がほとんど凝固して閉栓不能状態となる直前ま
で閉栓制御手段が開閉栓を閉じさせないので、押し湯効
果によって鋳塊は緻密な組織の構造となり、鋳造欠陥の
発生量を抑制できる。
【0065】また、請求項3に係る鋳塊は、鋳型内が金
属溶湯で満たされるのを待つことなく、初期冷却条件を
満たすように冷却部材の冷却を行うので、鋳造物にキラ
ワレ欠陥が生ずることを防いだ上で鋳造サイクルを短縮
して鋳造することができる。しかも、初期冷却条件によ
る枷が無くなった後は通常の冷却を行うので、鋳型内へ
金属溶湯を注ぎつつ鋳型内での凝固が順次進んで行くこ
ととなり、鋳塊内における各部位の冷却速度は、従来法
による冷却に比べて遙かに速くなり、溶質の偏析が減少
した良質の鋳塊となる。加えて、閉栓不能状態となる直
前まで開閉栓を閉じないので、押し湯効果による緻密な
組織の構造を実現し、鋳造欠陥の発生量を抑制した良質
の鋳塊となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳造装置の概略構成図である。
【図2】鋳造工程の流れを冷却板の温度と関連させて示
したタイムチャートである。
【図3】本発明に係る鋳塊の縦断面にエッチング処理を
施した鋳塊縦断面の写真である。
【図4】本発明に係る鋳塊の縦断面におけるミクロ組織
の顕微鏡写真である。
【図5】鋳造制御装置の一例を示す機能ブロック図であ
る。
【図6】鋳造制御装置の他の例を示す機能ブロック図で
ある。
【図7】従来の鋳造装置の概略構成図である。
【図8】従来の鋳造工程の流れを冷却板の温度と関連さ
せて示したタイムチャートである。
【図9】従来方法により鋳造した鋳塊の縦断面にエッチ
ング処理を施した鋳塊縦断面の写真である。
【図10】従来方法により鋳造した鋳塊の縦断面におけ
るミクロ組織の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 鋳造装置 2 冷却板 3 鋳型本体 4 鋳型 5 金属溶湯 5′ 鋳塊 7 注入口 8 開閉栓 9 開閉栓昇降機構 12 スプレーノズル 16 開閉バルブ 17 電磁弁 18 温度検出手段 19 鋳造制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉栓で開閉可能な注湯口を上部に有す
    ると共に冷却部材が底部を兼ねる鋳型を用い、注湯口よ
    り供給した金属溶湯を冷却部材により冷却して鋳塊を得
    る金属の鋳造方法において、 鋳型の冷却部材が予め定めた許容下限温度以上であるこ
    とを条件に開閉栓を開いて鋳型への注湯を開始し、 鋳型へ注入された金属溶湯が冷却部材の鋳型内表面に接
    触する際の温度が上記許容下限温度よりも低くならない
    という初期冷却条件を満たすように冷却部材の冷却を開
    始し、 鋳型内に金属溶湯が充満した後も開閉栓を閉じることな
    く鋳型内への押し湯を継続し、 鋳型内の溶湯凝固が注湯口近傍に達して開閉栓による注
    湯口の開閉が不可能となる閉栓不能状態となる前に、開
    閉栓で注湯口を閉じ、 閉栓後に予め定めた冷却終了条件が達成された時点で冷
    却部材への冷却を停止し、 冷却停止後に予め定めた鋳塊取出条件が達成されること
    に基づき、冷却部材を鋳型本体から外して鋳塊を取り出
    すようにしたことを特徴とする金属の鋳造方法。
  2. 【請求項2】 開閉栓で開閉可能な注湯口を上部に有す
    ると共に冷却部材が底部を兼ねる鋳型と、該鋳型の冷却
    部材を冷却する冷却手段と、開閉栓による注湯口の開閉
    制御と冷却手段による冷却制御と冷却部材と鋳型本体と
    の着脱制御を統括的に行う鋳造制御手段と、を備える金
    属の鋳造装置において、 上記鋳造制御手段は、 冷却部材が予め定めた許容下限温度以上であることを必
    要条件として、開閉栓を開いて鋳型への注湯を開始させ
    る開栓制御手段と、 上記開栓制御手段による注湯開始後に、鋳型へ注入され
    た金属溶湯が冷却部材の鋳型内表面に接触する際の温度
    が上記許容下限温度よりも低くならないという初期冷却
    条件を満たすように冷却手段を制御する初期冷却制御手
    段と、 鋳型へ注入された金属溶湯が冷却部材の鋳型内表面を全
    て覆った後に冷却手段を制御して冷却部材に対する通常
    の冷却を行う通常冷却制御手段と、 鋳型内の溶湯凝固が注湯口近傍に達して開閉栓による注
    湯口の開閉が不可能となる閉栓不能状態となる前に、開
    閉栓で注湯口を閉じて鋳型内への押し湯を停止する閉栓
    制御手段と、 上記閉栓制御手段による閉栓後に予め定めた冷却終了条
    件が達成されることに基づき、上記通常冷却制御手段に
    よる冷却手段への制御を止めさせて冷却部材への冷却を
    停止する冷却停止制御手段と、 冷却停止後に予め定めた鋳塊取出条件が達成されること
    に基づき、鋳型から鋳塊を取り出せるように冷却部材を
    鋳型本体から外し、鋳塊を取り出した後に再び冷却部材
    を鋳型本体に装着して鋳型とする着脱制御手段と、 を備えるものとしたことを特徴とする金属の鋳造装置。
  3. 【請求項3】 開閉栓で開閉可能な注湯口を上部に有す
    ると共に冷却部材が底部を兼ねる鋳型を用い、注湯口よ
    り供給した金属溶湯を冷却部材により冷却して鋳造する
    鋳塊において、 鋳型の冷却部材が予め定めた許容下限温度以上であるこ
    とを条件に開閉栓を開いて鋳型への注湯を開始し、鋳型
    へ注入された金属溶湯が冷却部材の鋳型内表面に接触す
    る際の温度が上記許容下限温度よりも低くならないとい
    う初期冷却条件を満たすように冷却部材の冷却を開始
    し、鋳型内に金属溶湯が充満した後も開閉栓を閉じるこ
    となく鋳型内への押し湯を継続し、鋳型内の溶湯凝固が
    注湯口近傍に達して開閉栓による注湯口の開閉が不可能
    となる閉栓不能状態となる前に、開閉栓で注湯口を閉
    じ、閉栓後に予め定めた冷却終了条件が達成された時点
    で冷却部材への冷却を停止し、冷却停止後に予め定めた
    鋳塊取出条件が達成されることに基づき、冷却部材を鋳
    型本体から外し、鋳造物として取り出すようにしたこと
    を特徴とする鋳塊。
JP2000297636A 2000-09-01 2000-09-28 金属の鋳造方法、金属の鋳造装置および鋳塊 Pending JP2002103019A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000297636A JP2002103019A (ja) 2000-09-28 2000-09-28 金属の鋳造方法、金属の鋳造装置および鋳塊
AU2001282589A AU2001282589A1 (en) 2000-09-01 2001-08-31 Metal-casting method and apparatus, casting system and cast-forging system
US10/111,845 US20020170700A1 (en) 2000-09-01 2001-08-31 Metal-casting method and apparatus, casting system and cast-forging system
PCT/JP2001/007553 WO2002018072A1 (en) 2000-09-01 2001-08-31 Metal-casting method and apparatus, casting system and cast-forging system
EP01961268A EP1317327A4 (en) 2000-09-01 2001-08-31 METAL GAS METHOD AND DEVICE, SYSTEM AND FOUNDRY FORGED SYSTEM

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000297636A JP2002103019A (ja) 2000-09-28 2000-09-28 金属の鋳造方法、金属の鋳造装置および鋳塊

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002103019A true JP2002103019A (ja) 2002-04-09

Family

ID=18779724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000297636A Pending JP2002103019A (ja) 2000-09-01 2000-09-28 金属の鋳造方法、金属の鋳造装置および鋳塊

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002103019A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101367119A (zh) * 2008-09-11 2009-02-18 首钢总公司 一种模拟连铸机二冷喷嘴冷却效果的仿真装置
JP2009226428A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Toyota Central R&D Labs Inc 金属鋳造方法および金属鋳造装置
CN117300093A (zh) * 2023-10-13 2023-12-29 广州市型腔模具制造有限公司 一种大型5g通讯散热器零件的压铸模具的新型浇铸系统

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226428A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Toyota Central R&D Labs Inc 金属鋳造方法および金属鋳造装置
JP4591528B2 (ja) * 2008-03-21 2010-12-01 株式会社豊田中央研究所 金属鋳造方法および金属鋳造装置
CN101367119A (zh) * 2008-09-11 2009-02-18 首钢总公司 一种模拟连铸机二冷喷嘴冷却效果的仿真装置
CN117300093A (zh) * 2023-10-13 2023-12-29 广州市型腔模具制造有限公司 一种大型5g通讯散热器零件的压铸模具的新型浇铸系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2654990B1 (en) Elimination of shrinkage cavity in cast ingots
KR100749024B1 (ko) 용융 몰드 플럭스를 이용한 연속 주조 방법
KR101403764B1 (ko) 동일 또는 유사한 수축계수를 갖는 금속의 순차 주조
EP0355705B1 (en) Countergravity casting method and apparatus
RU2141883C1 (ru) Устройство для горизонтального прямого литья в кокиль или постоянную форму металла, постоянная форма или кокиль
JPH08155627A (ja) 金属の鋳造法及びその装置
JP2002103019A (ja) 金属の鋳造方法、金属の鋳造装置および鋳塊
JP4591528B2 (ja) 金属鋳造方法および金属鋳造装置
WO2002018072A1 (en) Metal-casting method and apparatus, casting system and cast-forging system
JP2004066302A (ja) マグネシウム合金材の製造装置、マグネシウム合金材の製造方法、およびマグネシウム合金材
JP3932893B2 (ja) 銅電解用アノードの表面膨れ防止方法
JPS6333153A (ja) 多連装電磁鋳造における鋳込開始方法
JPS60191640A (ja) 加熱鋳型式連続鋳造法における鋳塊鋳造法
JPH0938756A (ja) 連続鋳造における鋳込開始方法
JPH0952155A (ja) 連続鋳造設備におけるタンディッシュ用スライディングゲート部の加熱保持方法及びその装置
JP3908341B2 (ja) 鋳造方法
JPH03165961A (ja) 加圧付加鋳造方法および装置
JP2006181643A (ja) 塑性加工用金属鋳塊
JP2002079366A (ja) 金属の鋳造方法、鋳造装置、及び鋳塊
KR200337464Y1 (ko) 비와류 금형주조장치
KR870001849B1 (ko) 수평 연속 주조에 있어서 최종 주편(鑄片)의 처리 방법
JPH04127950A (ja) 鋳造方法および鋳造装置
JPH0341256B2 (ja)
JP2005000966A (ja) アルミニウム合金の製造方法及びその装置
JPH10175050A (ja) 定湯面溶解保持炉

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080415