JPH0952155A - 連続鋳造設備におけるタンディッシュ用スライディングゲート部の加熱保持方法及びその装置 - Google Patents

連続鋳造設備におけるタンディッシュ用スライディングゲート部の加熱保持方法及びその装置

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JPH0952155A
JPH0952155A JP22480295A JP22480295A JPH0952155A JP H0952155 A JPH0952155 A JP H0952155A JP 22480295 A JP22480295 A JP 22480295A JP 22480295 A JP22480295 A JP 22480295A JP H0952155 A JPH0952155 A JP H0952155A
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JP
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tundish
nozzle
heating
sliding gate
preheating
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Application number
JP22480295A
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English (en)
Inventor
Masakazu Koide
優和 小出
Toshihiko Murakami
敏彦 村上
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄鋳片の高速鋳造による初期のタンディッシ
ュから鋳型へ溶融金属を給湯する際のノズル詰りの防
止。 【解決手段】 タンディッシュノズル開閉用ストッパー
ロッドに加熱バーナを内装し、該ロッド先端より噴出す
る燃焼ガスにてタンディッシュノズルとスライディング
ゲートおよび浸漬ノズルの溶融金属流路を所定の温度に
加熱保持する。また、スライディングゲート部に加熱ヒ
ータを埋設し、必要に応じて前記加熱バーナと併用もし
くは単独に使用して前記溶融金属流路を所定の温度に加
熱保持する。 【効果】 アルゴンガス等を使用せずに地金付着を防止
できるので、鋳片表皮下欠陥のない高品質の薄鋳片を高
速で鋳造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造技術
に係り、より詳しくは、特に薄鋳片の高速鋳造による初
期のタンディッシュから鋳型へ溶鋼を給湯する際のノズ
ル詰りを防止するためのタンディッシュ用スライディン
グゲート部の加熱保持手段に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造においては、レードルからタン
ディッシュに溶鋼を流し込み、さらにタンディッシュよ
りモールドに注入し、2次冷却体、ピンチロール等を介
して切断装置に送り込み、所定長さの鋳片を得る方法が
一般的である。この連続鋳造設備において、モールドに
溶鋼を流し込むタンディッシュには、底部ノズル部上に
ストッパーロッドを設けるか、または底部ノズルにスラ
イディングゲートが接続され、該ゲートに装着された浸
漬ノズルを介して溶鋼がモールドへ注入されるが、その
溶鋼流量の制御はタンディッシュ内のストッパーロッド
またはスライディングゲートが用いられる。タンディッ
シュはまた台車やタレットに載置され、予熱位置、鋳造
位置、準備位置間を迅速に移動し正確に位置決めできる
装置を備えている。
【0003】ところで、タンディッシュ本体の予熱は、
周知の通り溶鋼の温度低下およびノズル閉塞を防止する
ために行われるが、その予熱手段としては、予熱位置に
配置されたタンディッシュバーナスタンドに昇降可能に
設置されたアームに予熱バーナを取付けて加熱する方式
が一般的である。このような方式にてタンディッシュ本
体を予熱する際は、ストッパーロッドを上昇させて該タ
ンディッシュノズルを開口した状態にし、予熱バーナの
燃焼ガスの一部を該ノズル口より、全開されているスラ
イドゲートおよび浸漬ノズルを通って外部へ放出させる
が、この燃焼排ガスのみではタンディッシュノズル、ス
ライドゲートおよび浸漬ノズルの溶融金属流路が十分に
加熱されないため、浸漬ノズル自体を別の加熱バーナに
て加熱する方法がとられる。この浸漬バーナの加熱手段
としては、例えば特開平5−318055号公報に記載
されているような浸漬ノズル予熱装置が知られている。
この予熱装置は、浸漬ノズルを予熱炉で覆い、この予熱
炉に設けられたバーナと前記タンディッシュ予熱バーナ
とを用いて浸漬ノズルを予熱する方式である。
【0004】しかし、このような浸漬ノズル予熱装置の
場合は、タンディッシュ本体予熱ガスと浸漬ノズル予熱
ガス分圧により、スライドゲートを含むノズル口部分で
排ガスが滞留し、当該部分の加熱が不十分となり易い。
このような加熱不十分の時に、スライドゲート閉の状態
でタンディッシュへ溶鋼が注入されると、ノズル口で溶
鋼が凝固しスライドゲートからの溶鋼の流出が停止す
る。かかる対策として、例えば特公昭55−29788
号公報には、エア噴出パイプを用いてタンディッシュ予
熱ガスを浸漬ノズル吐出口から強制的に排出させること
によってタンディッシュノズルおよび浸漬ノズル内を加
熱する方法も提案されている。
【0005】上記のごとく、連続鋳造に際しては事前に
タンディッシュ、スライドゲートおよび浸漬ノズル部を
予熱するが、この予熱作業はタンディッシュ予熱位置で
行われるため、予熱後タンディッシュを鋳造位置まで移
動させ、所定の位置にセットした後レードルから溶鋼を
給湯するまでには通常4〜6分間要し、その間に予熱温
度が低下し、溶鋼の付着凝固を余儀なくされるという問
題があった。
【0006】そこで、ノズル詰りの対応策として、スラ
イドゲートのスライドプレートが閉の状態でノズル口に
位置する部分のプレート部に多孔性の挿入部材(多孔質
プラグ)を埋込み、該プラグにアルゴンガスまたは酸素
含有ガス等を供給してノズル詰りを防止する方法(特開
平5−185194号公報、特公平4−55777号公
報等参照)や、タンディッシュノズルあるいはタンディ
ッシュ内のストッパヘッド先端からアルゴンガスを溶鋼
中に吹込んで初期のノズル詰りを防止する方法等が実用
化されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ノズル詰り防止方法は、ブルームやスラブのように比較
的大断面でかつ鋳造速度が0.8〜2.5m/分程度の
連続鋳造においては、ノズル詰りを防止するために吹込
まれたアルゴンガスは、モールド内に溶鋼と共に持ち込
まれてもモールド内に浮上分離するので問題とはならな
いが、120mm厚以下の薄鋳片でかつ鋳造速度が3〜
5m/分の高速連続鋳造においては、そのアルゴンガス
気泡は浮上分離することなく鋳片表皮下に付着した状態
で引抜かれ表皮下欠陥として問題となる。つまり、薄鋳
片の高速連続鋳造において、タンディッシュノズルやス
ライディングゲート部からアルゴンガスを吹込んでノズ
ル詰りを防止することは、鋳片品質上好ましくなかっ
た。そのため、薄鋳片の高速連続鋳造におけるノズル詰
りの対応策は、前記した予熱位置でのタンディッシュや
浸漬ノズルの予熱による方法しかなかったのである。
【0008】しかし、予熱位置でのタンディッシュや浸
漬ノズルの予熱方法のみでは、前記したごとく、予熱完
了からモールドへ溶鋼を注入するまでの間にノズル周辺
の温度が低下しノズル詰りの原因となり、操業に支障を
きたす。
【0009】図6は薄鋳片の高速鋳造におけるノズル詰
りを例示した説明図で、1はタンディッシュ、2はタン
ディッシュノズル、3はスライディングゲート、3−1
はスライド板、3−2は上固定板、3−3は下固定板、
4は浸漬ノズルである。
【0010】すなわち、薄鋳片の高速鋳造では、スライ
ディングゲート3のスライド板3−1の開度を全開に近
い状態にして溶鋼をモールドへ注入し、数秒後に10数
%まで開度を絞り、ダミーバーヘッドを引抜いてもモー
ルド内の凝固シェルがダミーバーヘッドから縁切れしな
いだけの強度を確保すべく少なくとも30秒程度モール
ド内で溶鋼を保持する必要がある。このため、スライド
板3−1と、上下固定板3−2、3−3の直接加熱され
ない部分が露出し溶鋼と接することにより凝固シェル1
0が形成され、また、スライド板3−1上で溶鋼滞留が
生じ、ノズル孔周辺にAlも析出し溶鋼と凝固
し、鋳片の引抜き開始とともにスライド板3−1を開い
ても凝固シェル10の再溶解が生じにくくなり、鋳造速
度を高めても所定の開度以上の開度にしなければ目標速
度に達し得ない事態が生じる。したがって、かかる事態
を回避するためには、操業初期にスライディングゲート
部を所定の温度に保持し、凝固シェルの生成を抑制する
ことが望まれる。
【0011】本発明は、従来のこのような実状よりみ
て、薄鋳片の高速鋳造において操業初期のノズル詰りを
防止する有効な手段、すなわちタンディッシュ用スライ
ディングゲート部を予熱後も所定の温度に加熱保持し得
る手段を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンディッシ
ュからモールドへの注入量制御にストッパーロッドとス
ライドゲートを併用する場合において、ストッパーロッ
ドに加熱バーナ機能を持たせることにより、タンディッ
シュ予熱完了後もスライドゲート部のノズル口を加熱保
持することが可能で、ノズル口の温度低下による操業初
期のノズル詰りを防止するもので、その要旨は、タンデ
ィッシュとタンディッシュノズル及び該ノズル開閉用ス
トッパーロッドと、前記タンディッシュノズルに接続さ
れたスライディングゲート及び該ゲートに接続された浸
漬ノズルを備えた連続鋳造設備において、前記ストッパ
ーロッドに内装された加熱ガスバーナにて前記タンディ
ッシュノズルとスライディングゲート及び浸漬ノズルの
溶融金属流路を900〜1000℃に加熱保持すること
を特徴とし、また、本発明の別の方法として、前記スト
ッパーロッドに内装された加熱ガスバーナにて前記タン
ディッシュノズルとスライディングゲート及び浸漬ノズ
ルの溶融金属流路を900〜1000℃に加熱保持する
とともに、さらに、前記スライディングゲート部を加熱
ヒータにて加熱することを特徴とするものである。
【0013】また、本発明方法を実施するための装置と
しては、前記ストッパーロッドに可燃ガスと空気または
酸素富化空気流路を有する二重管構造の加熱ガスバーナ
を内装し、該ロッド先端より噴出する前記可燃ガスと空
気または酸素富化空気をタンディッシュ予熱ガスの燃焼
熱にて着火燃焼させる構造となしたことを特徴とし、ま
た、他の装置として、前記二重管構造の加熱ガスバーナ
に加えて、さらに前記スライディングゲートのスライド
板または固定板に加熱ヒータを内蔵したことを特徴とす
るものである。
【0014】本発明では、タンディッシュ予熱位置でタ
ンディッシュの予熱完了前に、ストッパーロッドに内装
した加熱ガスバーナに可燃ガス(燃焼用ガス)と空気ま
たは酸素富化空気を送りバーナの先端からこの混合ガス
を噴出させると、タンディッシュ予熱ガスの燃焼熱(温
度1000〜1300℃)にて着火燃焼し、タンディッ
シュノズルが内部がより加熱される。その後、タンディ
ッシュ予熱バーナの消火直前に、加熱ガスバーナを内装
したストッパーロッドを下げてタンディッシュノズルを
閉じると、タンディッシュノズルの内部は勿論、その下
のスライディングゲート及び浸漬ノズルの溶融金属流路
まで加熱される。
【0015】タンディッシュ本体の加熱が完了すると、
ストッパーロッドに内装された加熱ガスバーナによる予
熱を続行したまま、タンディッシュをこの予熱位置から
鋳造位置まで移動させ、鋳造位置にてタンディッシュ及
び浸漬ノズルを下降して鋳型(モールド)とセットする
直前に前記ストッパーロッドに内装された加熱ガスバー
ナの消火を行うことにより、タンディッシュノズルとス
ライディングゲート及び浸漬ノズルの溶融金属流路の温
度低下を抑制できる。なお、タンディッシュノズルとス
ライディングゲート及び浸漬ノズルの溶融金属流路の加
熱保持温度を900〜1000℃と規定したのは、90
0℃未満では温度低下の抑制効果が小さく、他方、10
00℃を超えると温度低下の抑制効果は大きいが、10
00℃程度で十分温度低下を抑制できることと、経済性
を考慮したためである。
【0016】レードルよりタンディッシュへ溶融金属を
給湯し、所定量の溶融金属がタンディッシュ内に給湯さ
れると、ストッパーロッドを開いて溶融金属をモールド
へ注入する。ストッパーロッドに内装された加熱ガスバ
ーナの消火からタンディッシュノズル開口まで通常2〜
3分要するため、この間にタンディッシュノズルとスラ
イディングゲート及び浸漬ノズルの溶融金属流路の温度
が下がるが、本発明ではこの温度降下も考慮して加熱保
持温度を900〜1000℃としているので、この溶融
金属流路内に凝固シェルが形成されることはない。
【0017】また、本発明では、ストッパーロッドに内
装された加熱ガスバーナに加えて、スライディングゲー
ト部を当該部分に内蔵した加熱ヒータにて加熱すること
ができるので、仮に、ストッパーロッドに内装された加
熱ガスバーナの消火からタンディッシュノズル開口まで
の時間が何等かの事情により長くかかり、タンディッシ
ュノズルとスライディングゲート及び浸漬ノズルの溶融
金属流路の温度が過度に低下するおそれが生じても、ス
ライディングゲート部に内蔵した加熱ヒータにて加熱す
ることにより当該溶融金属流路の温度低下を防止するこ
とができる。
【0018】本発明装置における二重管構造の加熱ガス
バーナは、内管を通る燃焼用ガスと、外管を通る空気ま
たは酸素富化空気が先端部で合流して混合される構造と
なっている。この加熱ガスバーナは、タンディッシュの
側壁に取付けた昇降装置によりストッパーロッドの中空
部に昇降可能に装入支持する。これは、ストッパーロッ
ドを上昇させてタンディッシュノズルを開いた際に溶融
金属のロッド内侵入により加熱ガスバーナが損傷される
のを防止するためである。
【0019】一方、スライディングゲートはスライド板
と該スライド板を支持する上固定板と下固定板とから構
成されているが、最近ではスライド板と上固定板は再利
用するためそれぞれノズル口(溶融金属流路)の部分を
取替えできる構造となっている。従って、本発明装置で
は、スライド板または上固定板の各ノズル口を組込む部
分に例えば凹形溝を形成してこの部分に加熱ヒータを装
着することができる。このように加熱ヒータを装着する
ことにより、スライド板または上固定板の各ノズル口を
容易に加熱することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例装置の全
体構成を一部断面して示す概略図、図2は同上装置にお
けるタンディッシュ内ストッパーロッドの一部を拡大し
て示す断面図、図3は同上装置におけるスライディング
ゲート部を拡大して示す断面図であり、5はストッパー
ロッド、6はストッパー昇降装置、7は加熱ガスバー
ナ、8はバーナ昇降装置、9は加熱ヒータである。
【0021】ストッパーロッド5は、タンディッシュ1
の側壁に設置したストッパー昇降装置6のアーム6−1
にその頂部を支持され、昇降用シリンダー6−2により
タンディッシュノズル2を開閉する仕組みとなってい
る。
【0022】加熱ガスバーナ7は、内管7−1と外管7
−2とからなる二重管構造で、内管7−1と外管7−2
の間には間隙を一定に保持するための羽根板7−3が取
付けられ、かつ先端部は燃焼ガス混合を良くするために
絞り形状にしてある。内管7−1には、配管7−1aよ
り可燃ガスが、外管7−2には配管7−2aより空気ま
たは酸素富化空気が、それぞれ供給されるように構成さ
れている。この加熱ガスバーナ7は、ストッパーロッド
支持アーム6−1上に設置したバーナ昇降装置8のアー
ム8−1にその上端部を支持され、昇降用シリンダー8
−2によりストッパーロッド5の中空部5−1内を昇降
可能となしている。
【0023】加熱ヒータ9は、図3に拡大して示すごと
く、スライディングゲート3のスライド板3−1と該ス
ライド板を支持する上固定板3−2に取付ける。スライ
ド板3−1と上固定板3−2は、それぞれ本体3−1
a、3−2aとノズル部3−1b、3−2bとで構成さ
れ、ノズル部3−1b、3−2bのみを交換できる構造
となっているので、本発明ではスライド板3−1と上固
定板3−2の各本体3−1a、3−2aの内周に凹溝3
−1c、3−2cを形成し、この部分に加熱ヒータ9を
装着し、各本体に穿設したリード線取出孔より各リード
線3−1d、3−2dを取出して通電する方法をとっ
た。なお、加熱ヒータには例えばニクロム線を用いる。
【0024】すなわち、上記構成のタンディッシュ用ス
ライディングゲート部の加熱保持装置は、ストッパーロ
ッド5の中空部5−1に装入された二重管構造の加熱ガ
スバーナ7に、可燃ガスと空気または酸富化空気をそれ
ぞれ内管7−1と外管7−2に供給することにより、そ
の可燃ガスと空気または酸富化空気がバーナ先端で混合
されて噴出し、その混合ガスをタンディッシュ予熱ガス
の燃焼熱により着火燃焼させることによってタンディッ
シュノズル2およびスライディングゲート3の溶融金属
流路が加熱される構造となっている。また、スライディ
ングゲート3のスライド板3−1と該スライド板を支持
する上固定板3−2に埋設した加熱ヒータ9に通電する
ことによっても、スライディングゲートの溶融金属流路
を加熱することができる構造となっている。
【0025】上記加熱保持装置を備えたタンディッシュ
用スライディングゲート部の加熱方法を以下に説明す
る。まず、タンディッシュの予熱位置において該タンデ
ィッシュ本体の予熱完了前に、本発明装置の加熱ガスバ
ーナ7に可燃ガスと空気または酸富化空気を送込み、ス
トッパーロッド5の先端部から噴出する混合ガスを燃焼
させることにより、その燃焼ガスでタンディッシュノズ
ル2およびスライディングゲート3の溶融金属流路が加
熱される。その際、溶融金属流路が900〜1000℃
の温度になるまで加熱する。
【0026】タンディッシュ本体の予熱が完了すると、
加熱ガスバーナ7による加熱を続行した状態でタンディ
ッシュ本体の予熱バーナの消火を行い該バーナを上昇退
避させた後タンディッシュの開蓋およびシール作業を行
い、タンディッシュ1を鋳造位置に移動させる。ここ
で、タンディッシュ1および浸漬ノズル4を下降してモ
ールド内にセットを行う直前に、加熱ガスバーナ7の消
火を行うことにより、タンディッシュノズル2およびス
ライディングゲート3の溶融金属流路の温度低下を抑制
できる。
【0027】タンディッシュ1および浸漬ノズル4のセ
ットが完了すると、ストッパーロッド5を下降させてタ
ンディッシュノズル2を閉じた状態でレードル(図面省
略)から溶融金属をタンディッシュ1に注入する。この
時、ストッパーロッド5内の加熱ガスバーナ7は、該ロ
ッド内に侵入する溶融金属による損傷を避けるため事前
に昇降装置8によりタンディッシュ1内の溶融金属に浸
漬されないレベルまで上昇させておく。
【0028】タンディッシュ1内に所定量の溶融金属が
給湯されると、ストッパーロッド5を該昇降装置6にて
上昇させてタンディッシュノズル2を開きモールドへの
注入を開始する。加熱ガスバーナ7の消火からタンディ
ッシュノズル2の開までには2〜3分要するため、この
間にスライディングゲート部の溶融金属流路の温度が若
干低下するが、溶融金属流路はこの温度降下も考慮して
900〜1000℃の温度に加熱されているため特に問
題とはならない。必要ならば、スライディングゲート3
のスライド板3−1と該スライド板を支持する上固定板
3−2に埋設した加熱ヒータ9に通電して溶融金属流路
の温度降下を抑制する。スライディングゲート部の温度
は、スライド板または固定板に例えば熱電対を埋め込ん
で計測し、その温度に応じて加熱ヒータ9の電流値をコ
ントロールすればよい。
【0029】なお、タンディッシュ予熱位置でスライデ
ィングゲート部の溶融金属流路を加熱する場合に、加熱
ガスバーナ7と加熱ヒータ9を併用することは可能であ
るが、タンディッシュノズル2やスライディングゲート
3の耐火物を急速加熱するとクラックが発生するおそれ
があるため、加熱ヒータ9による加熱は鋳造位置で行う
のが好ましい。
【0030】
【実施例】厚さ90mmの薄鋳片でかつ鋳造速度が4m
/分の高速連続鋳造に本発明法を適用し、図1に示す加
熱保持装置を設置してスライディングゲート部の地金付
着率を調べた結果を以下に示す。本実施例では、タンデ
ィッシュノズル開閉用ストッパーロッドに内装した加熱
ガスバーナ7の先端は、燃焼用ガスと空気比1:5.5
〜6に対し段面積比で1:4にした。この加熱ガスバー
ナへは、燃焼用ガス5.5Nm/Hr(4600〜4
800kcal/Nm)と燃焼用空気30Nm/H
rを供給し、タンディッシュ本体予熱ガスの燃焼熱(1
100℃)で着火し燃焼させた。また、スライディング
ゲート3部には、電気容量300Wの電気抵抗発熱線と
してニクロム線を埋設し、該ニクロム線への通電はタン
ディッシュノズル2とスライディングゲート3の温度が
それぞれ800〜900℃耐火物表面温度に達してから
行い、鋳片引抜開始後、目標鋳造速度(4m/分)に達
するまでにニクロム線近傍の温度が1000℃以上にな
った時点で通電をOFFした。
【0031】本実施例におけるタンディッシュノズルお
よびスライディングゲート部のノズルの温度推移を従来
法と比較して図4に、タンディッシュノズルとスライデ
ィングゲート及び浸漬ノズルの溶融金属流路の地金付着
率を従来法と比較して図5に、それぞれ示す。なお、図
5は上記溶融金属流路の温度が500℃の時の地金付着
率を100%とした比較である。従来法はタンディッシ
ュノズルおよびスライディングゲート部を本発明の加熱
ガスバーナや加熱ヒータ等にて加熱せずに、Arガスを
吹込んだ場合である。
【0032】図4の結果より、本発明により鋳造開始時
におけるスライディングゲート部の溶融金属流路の温度
を900〜1000℃に保持することができるので、図
5の結果より明らかなごとく、スライディングゲート部
の溶融金属流路における地金付着率を大幅に低くするこ
とができた。その結果、アルゴンガスや酸素含有ガスを
吹込まなくても鋳造初期のノズル詰りをほぼ完全に防止
することができ、高品質の薄鋳片を高速で連続鋳造する
ことができた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明によれば、
薄鋳片の高速連続鋳造を行うに際し、鋳造初期の段階に
おけるノズル詰りをほぼ完全に防止することができるの
で、操業の安定化がはかられ、かつアルゴンガスや酸素
含有ガスを一切吹込まないためアルゴンガス気泡等によ
る鋳片表皮下欠陥の問題も解消し、高品質の薄鋳片を高
速鋳造することができるという優れた効果を奏する。ま
た、本発明装置は構成が比較的簡単であるため既設設備
に容易に適用でき、かつ設備費が高くつくこともないと
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置の全体構成を一部断面し
て示す概略図である。
【図2】同上装置におけるタンディッシュ内ストッパー
ロッドの一部を拡大して示す断面図である。
【図3】同上装置におけるスライディングゲート部を拡
大して示す断面図である。
【図4】本発明の実施例におけるタンディッシュノズル
およびスライディングゲート部のノズルの温度推移を従
来法と比較して示す図である。
【図5】同上実施例におけるタンディッシュノズルとス
ライディングゲート及び浸漬ノズルの溶融金属流路の地
金付着率を従来法と比較して示す図である。
【図6】本発明の対象とする鋳片の高速鋳造におけるノ
ズル詰りを例示した説明図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ 2 タンディッシュノズル 3 スライディングゲート 3−1 スライド板 3−2 上固定板 3−3 下固定板 4 浸漬ノズル 5 ストッパーロッド 6 ストッパー昇降装置 7 加熱ガスバーナ 8 バーナ昇降装置 9 加熱ヒータ 10 凝固シェル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュとタンディッシュノズル
    及び該ノズル開閉用ストッパーロッドと、前記タンディ
    ッシュノズルに接続されたスライディングゲート及び該
    ゲートに接続された浸漬ノズルを備えた連続鋳造設備に
    おいて、前記ストッパーロッドに内装された加熱ガスバ
    ーナにて前記タンディッシュノズルとスライディングゲ
    ート及び浸漬ノズルの溶融金属流路を900〜1000
    ℃に加熱保持することを特徴とする連続鋳造設備におけ
    るタンディッシュ用スライディングゲート部の加熱保持
    方法。
  2. 【請求項2】 タンディッシュとタンディッシュノズル
    及び該ノズル開閉用ストッパーロッドと、前記タンディ
    ッシュノズルに接続されたスライディングゲート及び該
    ゲートに接続された浸漬ノズルを備えた連続鋳造設備に
    おいて、前記ストッパーロッドに内装された加熱ガスバ
    ーナにて前記タンディッシュノズルとスライディングゲ
    ート及び浸漬ノズルの溶融金属流路を900〜1000
    ℃に加熱保持し、さらに前記スライディングゲート部を
    加熱ヒータにて加熱することを特徴とする連続鋳造設備
    におけるタンディッシュ用スライディングゲート部の加
    熱保持方法。
  3. 【請求項3】 タンディッシュとタンディッシュノズル
    及び該ノズル開閉用ストッパーロッドと、前記タンディ
    ッシュノズルに接続されたスライディングゲート及び該
    ゲートに接続された浸漬ノズルを備えた連続鋳造設備に
    おいて、前記ストッパーロッドに可燃ガスと空気または
    酸素富化空気流路を有する二重管構造の加熱ガスバーナ
    を内装し、該ロッド先端より噴出する前記可燃ガスと空
    気または酸素富化空気をタンディッシュ予熱ガスの燃焼
    熱にて着火燃焼させる構造となしたことを特徴とする連
    続鋳造設備におけるタンディッシュ用スライディングゲ
    ート部の加熱保持装置。
  4. 【請求項4】 タンディッシュとタンディッシュノズル
    及び該ノズル開閉用ストッパーロッドと、前記タンディ
    ッシュノズルに接続されたスライディングゲート及び該
    ゲートに接続された浸漬ノズルを備えた連続鋳造設備に
    おいて、前記ストッパーロッドに可燃ガスと空気または
    酸素富化空気流路を有する二重管構造の加熱ガスバーナ
    を内装し、該ロッド先端より噴出する前記可燃ガスと空
    気または酸素富化空気をタンディッシュ予熱ガスの燃焼
    熱にて着火燃焼させる構造となし、さらに前記スライデ
    ィングゲートのスライド板または固定板に加熱ヒータを
    内蔵したことを特徴とする連続鋳造設備におけるタンデ
    ィッシュ用スライディングゲート部の加熱保持装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100032455A1 (en) * 2008-08-08 2010-02-11 Timothy James Cooper Control pin and spout system for heating metal casting distribution spout configurations
CN103567429A (zh) * 2012-07-28 2014-02-12 泰州市旺鑫耐火材料有限公司 一种快换机构的导板
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CN109732071A (zh) * 2019-01-24 2019-05-10 北京利尔高温材料股份有限公司 一种具有防结壳保温功能的塞棒
KR20190125785A (ko) * 2018-04-30 2019-11-07 한국수력원자력 주식회사 용융로 배출구 가열장치

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