JP2002102745A - 磁気分離装置 - Google Patents

磁気分離装置

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JP2002102745A
JP2002102745A JP2000299835A JP2000299835A JP2002102745A JP 2002102745 A JP2002102745 A JP 2002102745A JP 2000299835 A JP2000299835 A JP 2000299835A JP 2000299835 A JP2000299835 A JP 2000299835A JP 2002102745 A JP2002102745 A JP 2002102745A
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Japan
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magnetic
oxide superconductor
base
adhering substance
rotating disk
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JP2000299835A
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Hidehiko Okada
秀彦 岡田
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Japan Science and Technology Agency
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転盤により大きな磁場勾配を作ることがで
きるようにし、小さな磁着性物質の粒子を確実に付着さ
せることができるようにして処理液の分離性能を良くし
て回収効率の向上を図る。 【解決手段】 磁着性物質が混合した処理液Wを収容す
る処理槽10と、回転時に一部が処理槽10内の処理液
Wに浸漬され処理液Wに浸漬した浸漬部20aに磁着性
物質を磁気力によって付着させる回転盤20と、回転盤
20に付着させられた磁着性物質を回収する回収機構4
0とを備え、回転盤20を、非磁性の非磁性部22及び
酸化物超伝導体で形成された酸化物超伝導体部23のい
ずれか一方をいずれか他方に対して複数配置して形成し
た基盤24と、基盤24を覆い表面に磁着性物質が付着
させられる非磁性体で形成された被覆盤27とを備えて
構成し、酸化物超伝導体をその臨界温度以下に保持する
温度保持手段を備え、処理槽10に基盤24に磁力線を
供給するマグネット28を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁着性物質が混合
した処理液から磁着性物質を分離する磁気分離装置に関
し、特に、処理液の磁着性物質を磁気力によって回転盤
に付着させて回収する磁気分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の磁気分離装置としては、
例えば、実開昭55−137942号公報掲載のものが
知られている。これは、図8に示すように、磁着性物質
が混合した処理液Wを収容する処理槽1と、回転可能に
設けられ回転時に一部が処理槽1内の処理液Wに浸漬さ
れ処理液に浸漬した浸漬部2aに処理液Wの磁着性物質
を磁気力によって付着させるディスク状の回転盤2とを
備えている。回転盤2は、非磁性体で形成された本体3
に永久磁石からなる磁性体4を多数配置して構成されて
いる。そして、回転盤2を処理槽1中で回転させ、回転
盤2の磁性体4としての永久磁石によって形成される局
所的な磁場勾配により磁着性物質の粒子を磁気力によっ
て回転盤2の表面に付着させて処理液Wから分離すると
ともに、回転盤2に付着させられた磁着性物質をスクレ
ーパ5で掻取って回転盤2から回収するようにしてい
る。尚、従来においては、回転盤2として、磁性体を本
体3としこれに非磁性体を配置して構成する装置も知ら
れている。また、従来においては、永久磁石を用いない
場合には、外部から磁気力を与える外部磁場によって磁
性体を磁化して局所的な磁場勾配をつくり、この磁場勾
配と外部磁場によって生じる磁気力によって磁着性物質
の粒子を分離する装置も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の磁気分離装置にあっては、回転盤2において永久磁
石からなる磁性体を用いて磁着性物質の粒子を分離した
り、磁性体を磁化し局所的な磁場勾配をつくり、その磁
場勾配と外部磁場による粒子の磁化によって生じる磁気
力によって磁着性物質の粒子を分離したりしても、磁性
体の飽和磁場によって、装置の分離性能の上限が決まっ
てしまい、磁場強度が通常は1T(テスラ)程度しか得
られていない。そのため、処理液W中の磁着性物質の粒
子が微小な場合等処理液の条件によっては十分に磁着性
物質を回転盤2に付着させることができないことがあ
り、磁着性物質の分離性能を良くして回収効率を向上さ
せたいという要請がある。本発明は、上記の点に鑑みて
なされたもので、回転盤により大きな磁場勾配を作るこ
とができるようにし、小さな磁着性物質の粒子を確実に
付着させることができるようにして処理液の分離性能を
良くして回収効率の向上を図った磁気分離装置を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の磁気分離装置は、磁着性物質が混合し
た処理液を収容する処理槽と、回転可能に設けられ回転
時に一部が上記処理槽内の処理液に浸漬され該処理液に
浸漬した浸漬部に該処理液の磁着性物質を磁気力によっ
て付着させる回転盤と、該回転盤に付着させられた磁着
性物質を該回転盤から回収する回収機構とを備えた磁気
分離装置において、上記回転盤を、非磁性の非磁性部及
び酸化物超伝導体で形成された酸化物超伝導体部のいず
れか一方をいずれか他方に対して複数配置して形成した
基盤を備えて構成し、該基盤に磁力線を供給するマグネ
ットを設けた構成としている。ここで、非磁性部とし
て、固体,液体,気体のどのような非磁性体で構成して
も良く、また、空間であっても差支えない。
【0005】これにより、回転盤の基盤にはマグネット
の磁力線が作用するが、この磁場中においては、酸化物
超伝導体からなる酸化物超伝導体部が反磁性を呈するこ
とから、マグネットから供給される磁束が酸化物超伝導
体部を避けて非磁性部に集中し、磁場勾配が生じる。そ
のため、非磁性部に対応する回転盤に、処理液の磁着性
物質が付着させられる。この場合、酸化物超伝導体の臨
界電流によって磁場の侵入しにくさが決まるので、臨界
電流密度が高い酸化物超伝導体ほど高い磁場まで侵入さ
れず、大きな磁場勾配を作ることができる。即ち、従来
の装置においては磁性体の磁化を使い磁場強度を通常1
T程度で磁着性物質を付着させていたが、超伝導体の反
磁性の性質を使うことにより、1T以上の磁場強度を有
効に用いて大きな磁場勾配を作ることができる。例え
ば、10T以上の磁場を供給することができるようにな
る。その結果、この大きな磁場勾配により、磁着性物質
を回転盤に強力に付着させることができるようになり、
特に、小さな磁着性物質の粒子を確実に付着させること
ができるようになり、このため、処理液の分離性能を良
くすることができ、回収効率を大幅に向上させることが
できる。
【0006】そして、必要に応じ、上記非磁性部を非磁
性体で形成するとともに多数の貫通孔を有した板状に形
成し、上記酸化物超伝導体部を上記の貫通孔に設けた構
成としている。酸化物超伝導体部を貫通孔に設けるの
で、製造が容易になる。また、必要に応じ、上記酸化物
超伝導体部を多数の貫通孔を有した板状に形成し、上記
非磁性部を非磁性体で形成するとともに上記貫通孔に設
けた構成としている。非磁性体を貫通孔に設けるので、
製造が容易になる。更に、必要に応じ、上記酸化物超伝
導体部を多数の貫通孔を有した板状に形成し、上記非磁
性部を上記貫通孔で区画される空間で構成している。非
磁性部を空間で構成したので貫通孔に非磁性体を設けな
くても良く、より一層製造が容易になる。
【0007】また、必要に応じ、上記貫通孔を上記基盤
の回転中心を中心にして対称配置した構成としている。
回転盤に磁着性物質を均等に付着させることができ、回
収を均一に行なうことができる。更に、必要に応じ、上
記酸化物超伝導体部をこれを構成する酸化物超伝導体の
臨界温度以下に保持する温度保持手段を備えた構成とし
ている。逐一、酸化物超伝導体をその臨界温度以下にす
る作業をしなくても良く、自動化を図ることができる。
更にまた、必要に応じ、上記回転盤を、上記基盤を覆う
とともに該基盤と同動し表面に磁着性物質が付着させら
れる非磁性体で形成された被覆盤を備えて構成してい
る。基盤と処理液とを隔離でき、基盤に被覆盤を介して
間接的に磁着性物質を付着させるので、酸化物超伝導体
に悪影響を及ぼす事態が防止される。
【0008】また、必要に応じ、上記回転盤を上記基盤
を真空に密封して覆うとともに該基盤と同動し表面に磁
着性物質が付着させられる非磁性体で形成された被覆盤
を備えて構成し、上記酸化物超伝導体部をこれを構成す
る酸化物超伝導体の臨界温度以下に保持する温度保持手
段を備え、該温度保持手段を上記回転盤の回転軸を冷却
して該回転軸を介して上記酸化物超伝導体部を冷却する
冷却器を備えて構成している。回転軸を冷却するだけで
酸化物超伝導体をその臨界温度以下に保持することがで
き、構造を簡単にして装置を作成することができる。更
に、上記回転盤を上記基盤を密封して覆うとともに該基
盤と同動し表面に磁着性物質が付着させられる非磁性体
で形成された被覆盤を備えて構成し、上記酸化物超伝導
体部をこれを構成する酸化物超伝導体の臨界温度以下に
保持する温度保持手段を備え、該温度保持手段を上記基
盤と被覆盤とで形成される空間に冷媒を供給して上記酸
化物超伝導体部を冷却する冷却器を備えて構成してい
る。冷媒を循環させて酸化物超伝導体をその臨界温度以
下に保持することができ、構造を簡単にして装置を作成
することができる。
【0009】また、必要に応じ、上記酸化物超伝導体部
を形成する酸化物超伝導体をREBa2 Cu37-δ
(ここでREはYまたはSm)で構成している。この酸
化物超伝導体は臨界電流密度が比較的高く、高い磁場ま
で侵入されず、大きな磁場勾配を作ることができる。ま
た、容易に得られる物質なので、取扱を容易にすること
ができ、装置の製造を容易にすることができる。更に、
必要に応じ、上記回収機構を、上記回転盤に付着させら
れた磁着性物質を掻取るスクレーパを備えて構成してい
る。機械的に掻取るので確実に磁着性物質を回収するこ
とができる。また、回転動作を止めることなく連続的に
付着させられた磁着性物質を回収することができ、装置
の回収効率を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係る磁気分離装置について説明する。図
1乃至図3に示すように、実施の形態に係る磁気分離装
置は、磁着性物質が混合した処理液Wを収容する処理槽
10と、回転可能に設けられ回転時に一部が処理槽10
内の処理液Wに浸漬され処理液Wに浸漬した浸漬部20
aに処理液Wの磁着性物質を磁気力によって付着させる
回転盤20とを備えている。処理槽10は非磁性体で形
成され、処理液Wを流入させる流入口11と処理液Wを
排出する排出口12とを備えている。流入口11は回転
盤20の回転軸21の軸線に直交する方向の一方側の側
部に設けられ、排出口12は回転盤20の回転軸21の
軸線に直交する方向の他方側の側部に設けられている。
これにより、流入口11から流入させられ排出口12か
ら排出される処理液Wは、回転盤20の面方向に沿って
流れる。
【0011】回転盤20は、非磁性の非磁性部22及び
酸化物超伝導体で形成された酸化物超伝導体部23のい
ずれか一方を他方に対して複数配置して形成した基盤2
4を備えて構成されている。実施の形態では、非磁性の
非磁性部22に対して酸化物超伝導体部23を多数点在
配置している。詳しくは、非磁性部22は、非磁性体で
形成され、多数の貫通孔25を有したディスク板状に形
成され、回転軸21に固定されている。貫通孔25は基
盤24の回転中心を中心にして対称配置されている。実
施の形態では、図2に示すように、貫通孔25は基盤2
4の回転中心を中心にした複数の同心円S上に等角度関
係で配置されている。回転軸21は処理槽10に設けた
軸受部26に軸支されており、図示外の回転駆動機構に
より回転させられる。酸化物超伝導体部23は、この貫
通孔25に嵌合する形状に形成され、貫通孔25に嵌合
して設けられている。この場合、酸化物超伝導体部23
を貫通孔25に嵌合するので、製造が容易になる。酸化
物超伝導体部23を構成する酸化物超伝導体としては、
種々のものが用いられる。例えば、REBa2 Cu3
7-δ(ここでREはYまたはSm)で構成されている。
また、回転盤20は、基盤24と同動するように回転軸
21に固定され基盤24を真空に密封して覆う被覆盤2
7を備えている。この被覆盤27は非磁性体で形成され
ており、表面に磁着性物質が付着させられる。この被覆
盤27により、基盤24と処理液Wとが隔離され、基盤
24に被覆盤27を介して間接的に磁着性物質が付着す
るので、酸化物超伝導体に悪影響を及ぼす事態が防止さ
れる。
【0012】更に、処理槽10には、回転盤20の少な
くとも浸漬部20aに磁力線を供給するマグネット28
が設けられている。マグネット28は回転盤20を挟ん
でその両側に設けられている。対峙する各マグネット2
8の極性は回転盤20の少なくとも浸漬部20aに磁力
線を供給し得るように定められている。図4に示すよう
に、このマグネット28により、回転盤20の基盤24
にはマグネット28の磁力線が作用するが、この磁場中
においては、酸化物超伝導体からなる酸化物超伝導体部
23が反磁性を呈することから、マグネット28から供
給される磁束が酸化物超伝導体部23を避けて非磁性部
22に集中し、磁場勾配が生じる。これにより、非磁性
部22に対応する被覆盤27の表面に、処理液Wの磁着
性物質が付着させられる。この場合、酸化物超伝導体の
臨界電流によって磁場の侵入しにくさが決まるので、臨
界電流密度が高い酸化物超伝導体ほど高い磁場まで侵入
されず、大きな磁場勾配を作ることができる。これによ
り、例えば、10T以上の磁場を供給することができる
ようになる。
【0013】また、磁気分離装置は、酸化物超伝導体部
23をこれを構成する酸化物超伝導体の臨界温度以下に
保持する温度保持手段30を備えている。これにより、
逐一、酸化物超伝導体をその臨界温度以下にする作業を
しなくても良く、自動化を図ることができる。この温度
保持手段30は、図3に示すように、基盤24の回転軸
21を冷却して、この回転軸21を介して酸化物超伝導
体部23を冷却する冷却器31を備えて構成されてい
る。冷却器31は処理槽10の外側に設けられている。
この冷却器31は、回転軸21を冷却するだけで酸化物
超伝導体をその臨界温度以下に保持することができ、構
造を簡単にして装置を作成することができる。
【0014】更にまた、磁気分離装置は、回転盤20の
被覆盤27に付着させられた磁着性物質を回収する回収
機構40を備えている。回収機構40は、例えば、回転
盤20の被覆盤27の表面上に付着させられた磁着性物
質を掻取るスクレーパ41で構成されている。スクレー
パ41は、弧状のレールで構成され、回転軸21付近か
ら回転盤20の外側に向かって処理液Wに浸漬しないよ
うに傾斜して回転盤20表面に沿って設けられている。
回転盤20の外側に向かったスクレーパ41の端部に
は、図示しないが回収した磁着性物質を溜める回収箱が
設けられている。このスクレーパ41のある部分は、マ
グネット28による磁束線の供給が少ないので、磁着性
物質の付着力が弱く、そのため、磁着性物質は離れ易く
なっている。
【0015】従って、この実施の形態に係る磁気分離装
置を用いて磁着性物質が混合した処理液Wから磁着性物
質を分離する場合には、冷却器31を作動させ回転軸2
1を冷却させ回転盤20の基盤24を冷却する。基盤2
4は被覆盤27に真空状態で被覆されており、酸化物超
伝導体部23はこれを形成する酸化物超伝導体の臨界温
度以下に保持される。この状態で、処理槽10にその流
入口11から処理液Wを流入させるとともに、回転軸2
1を回転させ回転盤20を回転させる。このとき、図4
に示すように、酸化物超伝導体が反磁性になるため、マ
グネット28から供給される磁束は非磁性部22を通過
し、この非磁性部22に磁束が集中して大きな磁場勾配
が生じる。この磁場勾配により、磁着性物質が回転盤2
0の非磁性部22に対応する被覆盤27の表面に付着す
る。この場合、10T以上の磁場を供給することができ
るようになるので、小さな磁着性物質の粒子を確実に付
着させることができるようになり、そのため、処理液W
の分離性能が良くなり、回収効率が大幅に向上させられ
る。また、貫通孔25は基盤24の回転中心を中心にし
て対称配置した構成なので、回転盤20に磁着性物質を
均等に付着させることができ、回収が均一に行なわれ
る。そして、回転盤20の被覆盤27の表面上に付着さ
せられた磁着性物質は回収機構40のスクレーパ41で
掻取られ、回収されていく。また、磁着性物質が分離さ
れた処理液Wは処理槽10の排出口12から排出されて
いく。
【0016】図5には、温度保持手段30の別の例を示
している。これは、基盤24と被覆盤27とで形成され
る空間に冷媒を循環供給して酸化物超伝導体部23を冷
却する冷却器32を備えて構成されている。33は回転
軸21に設けられた冷媒の供給通路であり、34は冷媒
の排出通路である。冷却器32は処理槽10の外側に設
けられ、供給通路33及び排出通路34に接続されて冷
媒を冷却して循環させる。この温度保持手段30によれ
ば、冷媒を循環させて酸化物超伝導体をその臨界温度以
下に保持することができ、構造を簡単にして装置を作成
することができる。そして、この温度保持手段30によ
っても、酸化物超伝導体部23はこれを構成する酸化物
超伝導体の臨界温度以下に保持される。
【0017】図6には、回転盤20の基盤24の別の例
を示している。この基盤24は、酸化物超伝導体で構成
された酸化物超伝導体部23を多数の貫通孔25を有し
たディスク板状に形成し、非磁性部22を非磁性体で形
成するとともに貫通孔25に嵌合する形状に形成し、こ
の貫通孔25に嵌合して設けている。非磁性体を貫通孔
25に嵌合するので、製造が容易になる。これによって
も、酸化物超伝導体が反磁性になるため、マグネット2
8から供給される磁束は非磁性部22を通過し、この非
磁性部22に磁束が集中して大きな磁場勾配が生じる。
この磁場勾配により、磁着性物質が回転盤20の非磁性
部22に対応する被覆盤27の表面に付着する。
【0018】図7には、回転盤20の基盤24のまた別
の例を示している。この基盤24は、酸化物超伝導体で
構成された酸化物超伝導体部23を多数の貫通孔25を
有したディスク板状に形成し、非磁性部22を貫通孔2
5で区画される空間で構成している。この場合、非磁性
部22を空間で構成したので貫通孔25に非磁性体を設
けなくても良く、より一層製造が容易になる。これによ
っても、酸化物超伝導体が反磁性になるため、マグネッ
ト28から供給される磁束は非磁性部22を通過し、こ
の非磁性部22に磁束が集中して大きな磁場勾配が生じ
る。この磁場勾配により、磁着性物質が回転盤20の非
磁性部22に対応する被覆盤27の表面に付着する。
【0019】尚、上記実施の形態では、酸化物超伝導体
部23を形成する酸化物超伝導体をREBa2 Cu3
7-δ(ここでREはYまたはSm)で構成したが、必ず
しもこれに限定されるものではなく、適宜変更して差支
えない。また、上記実施の形態では、非磁性部22を、
固体からなる非磁性体,貫通孔25の空間(真空や冷
媒)で構成したが、種々の気体や液体で構成しても良
く、適宜変更して差支えない。更に、回収機構40もス
クレーパ41に限定されずどのように作成しても良い。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気分離
装置によれば、回転盤を非磁性の非磁性部及び酸化物超
伝導体で形成された酸化物超伝導体部のいずれか一方を
他方に対して複数配置して形成した基盤を備えて構成
し、この基盤に磁力線を供給するマグネットを設けたの
で、処理液の処理中においては、酸化物超伝導体が反磁
性になるため、マグネットから供給される磁束は非磁性
部を通過し、この非磁性部に磁束が集中して大きな磁場
勾配が生じることになり、10T以上の磁場を供給する
ことができるようになる。即ち、従来の装置において磁
性体の磁化を使い磁場強度を通常1T程度で磁着性物質
を付着させていたが、超伝導体の反磁性の性質を使うこ
とにより、1T以上の磁場強度でも使うことが可能とな
り、1T以上の磁場強度を有効に用いて大きな磁場勾配
を作ることができる。そのため、この大きな磁場勾配に
より、磁着性物質を回転盤に強力に付着させることがで
きるようになり、特に、小さな磁着性物質の粒子を確実
に付着させることができるようになり、このため、処理
液の分離性能を良くすることができ、回収効率を大幅に
向上させることができる。
【0021】また、非磁性部を非磁性体で形成するとと
もに多数の貫通孔を有した板状に形成し、酸化物超伝導
体部を貫通孔に設けた場合には、酸化物超伝導体部を貫
通孔に設けるので、製造が容易になる。更に、酸化物超
伝導体部を多数の貫通孔を有した板状に形成し、非磁性
部を非磁性体で形成するとともに貫通孔に設けた場合に
は、非磁性体を貫通孔に設けるので、製造が容易にな
る。更にまた、酸化物超伝導体部を多数の貫通孔を有し
た板状に形成し、非磁性部を貫通孔で区画される空間で
構成した場合には、非磁性部を空間で構成したので貫通
孔に非磁性体を設けなくても良く、より一層製造が容易
になる。
【0022】また、貫通孔を基盤の回転中心を中心にし
て対称配置した場合には、回転盤に磁着性物質を均等に
付着させることができ、回収を均一に行なうことができ
る。更に、酸化物超伝導体部をこれを構成する酸化物超
伝導体の臨界温度以下に保持する温度保持手段を備えた
場合には、逐一、酸化物超伝導体をその臨界温度以下に
する作業をしなくても良く、自動化を図ることができ
る。更にまた、回転盤を、基盤を覆うとともに基盤と同
動し表面に磁着性物質が付着させられる非磁性体で形成
された被覆盤を備えて構成した場合には、基盤と処理液
とを隔離でき、基盤に被覆盤を介して間接的に磁着性物
質を付着させるので、酸化物超伝導体に悪影響を及ぼす
事態が防止される。
【0023】また、回転盤を基盤を真空に密封して覆う
とともに基盤と同動し表面に磁着性物質が付着させられ
る非磁性体で形成された被覆盤を備えて構成し、酸化物
超伝導体部をこれを構成する酸化物超伝導体の臨界温度
以下に保持する温度保持手段を備え、温度保持手段を回
転盤の回転軸を冷却して回転軸を介して酸化物超伝導体
部を冷却する冷却器を備えて構成した場合には、回転軸
を冷却するだけで酸化物超伝導体をその臨界温度以下に
保持することができ、構造を簡単にして装置を作成する
ことができる。更に、回転盤を基盤を密封して覆うとと
もに基盤と同動し表面に磁着性物質が付着させられる非
磁性体で形成された被覆盤を備えて構成し、酸化物超伝
導体部をこれを構成する酸化物超伝導体の臨界温度以下
に保持する温度保持手段を備え、温度保持手段を基盤と
被覆盤とで形成される空間に冷媒を供給して酸化物超伝
導体部を冷却する冷却器を備えて構成した場合には、冷
媒を循環させて酸化物超伝導体をその臨界温度以下に保
持することができ、構造を簡単にして装置を作成するこ
とができる。更にまた、酸化物超伝導体部を形成する酸
化物超伝導体をREBa2 Cu3 7-δ(ここでREは
YまたはSm)で構成した場合には、この酸化物超伝導
体は臨界電流密度が比較的高く、高い磁場まで侵入され
ず、大きな磁場勾配を作ることができる。また、容易に
得られる物質なので、取扱を容易にすることができ、装
置の製造を容易にすることができる。また、回収機構
を、回転盤に付着させられた磁着性物質を掻取るスクレ
ーパを備えて構成した場合には、機械的に掻取るので確
実に磁着性物質を回収することができる。また、回転動
作を止めることなく連続的に付着させられた磁着性物質
を回収することができ、装置の回収効率を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気分離装置を示す
斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る磁気分離装置を示す
正面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る磁気分離装置を示す
側面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る磁気分離装置の基盤
の作用の原理を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る磁気分離装置におい
て温度保持手段の別の例を示す側面断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る磁気分離装置の回転
盤において基盤の別の例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る磁気分離装置の回転
盤において基盤のまた別の例を示す斜視図である。
【図8】従来の磁気分離装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
W 処理液 10 処理槽 11 流入口 12 排出口 20 回転盤 20a 浸漬部 21 回転軸 22 非磁性部 23 酸化物超伝導体部 24 基盤 25 貫通孔 26 軸受部 27 被覆盤 28 マグネット 30 温度保持手段 31 冷却器 32 冷却器 40 回収機構 41 スクレーパ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁着性物質が混合した処理液を収容する
    処理槽と、回転可能に設けられ回転時に一部が上記処理
    槽内の処理液に浸漬され該処理液に浸漬した浸漬部に該
    処理液の磁着性物質を磁気力によって付着させる回転盤
    と、該回転盤に付着させられた磁着性物質を該回転盤か
    ら回収する回収機構とを備えた磁気分離装置において、 上記回転盤を、非磁性の非磁性部及び酸化物超伝導体で
    形成された酸化物超伝導体部のいずれか一方をいずれか
    他方に対して複数配置して形成した基盤を備えて構成
    し、 該基盤に磁力線を供給するマグネットを設けたことを特
    徴とする磁気分離装置。
  2. 【請求項2】 上記非磁性部を非磁性体で形成するとと
    もに多数の貫通孔を有した板状に形成し、上記酸化物超
    伝導体部を上記の貫通孔に設けたことを特徴とする請求
    項1記載の磁気分離装置。
  3. 【請求項3】 上記酸化物超伝導体部を多数の貫通孔を
    有した板状に形成し、上記非磁性部を非磁性体で形成す
    るとともに上記貫通孔に設けたことを特徴とする請求項
    1記載の磁気分離装置。
  4. 【請求項4】 上記酸化物超伝導体部を多数の貫通孔を
    有した板状に形成し、上記非磁性部を上記貫通孔で区画
    される空間で構成したことを特徴とする請求項1記載の
    磁気分離装置。
  5. 【請求項5】 上記貫通孔を上記基盤の回転中心を中心
    にして対称配置したことを特徴とする請求項2,3また
    は4記載の磁気分離装置。
  6. 【請求項6】 上記酸化物超伝導体部をこれを構成する
    酸化物超伝導体の臨界温度以下に保持する温度保持手段
    を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4または
    5記載の磁気分離装置。
  7. 【請求項7】 上記回転盤を、上記基盤を覆うとともに
    該基盤と同動し表面に磁着性物質が付着させられる非磁
    性体で形成された被覆盤を備えて構成したことを特徴と
    する請求項1,2,3,4,5または6記載の磁気分離
    装置。
  8. 【請求項8】 上記回転盤を上記基盤を真空に密封して
    覆うとともに該基盤と同動し表面に磁着性物質が付着さ
    せられる非磁性体で形成された被覆盤を備えて構成し、
    上記酸化物超伝導体部をこれを構成する酸化物超伝導体
    の臨界温度以下に保持する温度保持手段を備え、該温度
    保持手段を上記回転盤の回転軸を冷却して該回転軸を介
    して上記酸化物超伝導体部を冷却する冷却器を備えて構
    成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5また
    は6記載の磁気分離装置。
  9. 【請求項9】 上記回転盤を上記基盤を密封して覆うと
    ともに該基盤と同動し表面に磁着性物質が付着させられ
    る非磁性体で形成された被覆盤を備えて構成し、上記酸
    化物超伝導体部をこれを構成する酸化物超伝導体の臨界
    温度以下に保持する温度保持手段を備え、該温度保持手
    段を上記基盤と被覆盤とで形成される空間に冷媒を供給
    して上記酸化物超伝導体部を冷却する冷却器を備えて構
    成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5また
    は6記載の磁気分離装置。
  10. 【請求項10】 上記酸化物超伝導体部を形成する酸化
    物超伝導体をREBa2 Cu37-δ(ここでREはY
    またはSm)で構成したことを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5,6,7,8または9記載の磁気分離装
    置。
  11. 【請求項11】 上記回収機構を、上記回転盤に付着さ
    せられた磁着性物質を掻取るスクレーパを備えて構成し
    たことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,
    7,8,9または10記載の磁気分離装置。
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