JP2002102110A - 使い捨て排泄用容器 - Google Patents

使い捨て排泄用容器

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JP2002102110A
JP2002102110A JP2000295296A JP2000295296A JP2002102110A JP 2002102110 A JP2002102110 A JP 2002102110A JP 2000295296 A JP2000295296 A JP 2000295296A JP 2000295296 A JP2000295296 A JP 2000295296A JP 2002102110 A JP2002102110 A JP 2002102110A
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container
slurry
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disposable
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JP2000295296A
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Yoshiaki Kumamoto
吉晃 熊本
Kenichi Otani
憲一 大谷
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用後に処分しやすい使い捨て排泄用容器を
提供すること。 【解決手段】 紙繊維を主体とした使い捨て排泄用容器
である。耐水性を有する外層2A,3A、及び外層2
A,3Aの内側の全面に吸液性を有する内層2B,3B
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプモールド成
形法で形成された使い捨て排泄用容器に関わり、特に、
吸液性に優れる使い捨て排泄用容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプ
モールド成形法で形成された使い捨て排泄用容器に関す
る従来技術としては、例えば、特開昭61−28100
号公報に記載の容器が知られている。この容器は、パル
プスラリーを抄紙して成形したものであり、使用後に排
泄物とともに湿式の粉砕器で粉砕して下水に排出する、
使い捨ての使い捨て排泄用容器である。
【0003】ところで、前記従来の使い捨て排泄用容器
は、耐水化剤を含む単一の紙繊維層で形成されており、
容器自体が高い吸液性を有するものではないため、使用
後に排泄物のみをトイレで流し、その後に容器は可燃ゴ
ミとして処分しなければならず、面倒であった。また、
容器自体が高い吸液性を有するものでないため、持ち運
びの最中に排泄物がこぼれやすく、取り扱いも面倒であ
った。一方、板紙をミルクカートンのように折り曲げて
容器を形成した場合にも、板紙自身の吸液によりある程
度の吸液性能は得られるが、排泄用容器として好ましい
容器は得られるものではなかった。
【0004】従って、本発明の目的は、使用後に処分し
やすい使い捨て排泄用容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙繊維を主体
として形成された使い捨て排泄用容器であって、その内
側の全面又は所定部位に吸液性を有する部分を備えてい
る使い捨て排泄用容器を提供することにより、前記目的
を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。
【0007】本発明の使い捨て排泄用容器は、紙繊維を
主体として形成されたものであり、その内側の全面又は
所定部位に吸液性を有する部分を備えているものであ
る。
【0008】本発明の使い捨て排泄用容器は、耐水性を
有する外層と、該外層の内側の全面又は所定部位に吸液
性を有する内層とを備えていることが好ましい。該外層
は、紙繊維層の外面に耐水化剤をコートするか又は外層
の抄紙時に耐水化剤を配合することにより形成すること
ができる。
【0009】前記外層に用いられる紙繊維には、古紙パ
ルプ、バージンパルプ等のパルプ繊維、アシ、バガス、
ケナフ、ミツマタ等の非木材パルプ繊維が挙げられる。
そして、これらの中でも、入手の容易性・安定性、着色
性、製造コストの点から、漂白古紙パルプが好ましく用
いられる。紙繊維には、ポリ乳酸などの生分解性樹脂の
繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート等の合成樹脂繊維、炭素繊維等を適宜の割
合で混合することができる。さらに、該紙繊維には、必
要に応じて、成形助剤、界面活性剤、防黴剤、顔料、填
料、紙力強化剤、耐水化剤、撥水化剤、離解促進剤等の
他の添加成分を適宜の割合で配合することができる。
【0010】前記外層に用いられる耐水化剤としては、
ロジン、柿渋等の天然樹脂、アルキルケテンダイマー
系、フッ素系、シリコーン系、アクリル系等の合成樹
脂、ポリ乳酸等を主成分とした生分解性樹脂、天然又は
合成ワックス等が挙げられ、これらの中でも、取り扱い
性、生分解性の点において、特に天然系の生分解性樹脂
が好ましく用いられる。
【0011】前記内層は、排泄物をすばやく完全に吸収
させ、保水性を高めるの点から、密度が0.01〜1.
0g/cm3であることが好ましく、0.03〜0.6
g/cm3であることがより好ましい。該内層は、その
抄紙時に所定量の嵩高剤、発泡剤等の低密度化剤を配合
したり、嵩高繊維を配合することにより低密度に形成す
ることができる。該嵩高剤としては、多価アルコールと
脂肪酸とのエステル化合物等が挙げられる。また、該発
泡剤としては、熱膨張型マイクロカプセルや熱分解型の
化学発泡剤等が挙げられる。また、嵩高繊維としては、
コイルクリンプ状の合成繊維や乾式解繊したパルプ繊維
が挙げられる。
【0012】また、前記内層は、吸水速度を向上させる
点において、界面活性剤を含んでいることが好ましい。
内層に含ませる該界面活性剤としては、ポリオキシエチ
レン誘導体、アルキルアミン塩、脂肪酸塩等が挙げら
れ、これらの中でも、吸液性、取り扱い性の点から非イ
オン性界面活性剤が好ましく用いられる。その中でも特
にHLB10以上の非イオン性界面活性剤が更に好まし
く用いられる。内層への界面活性剤の配合割合は、内層
の紙繊維重量に対し0.1〜20であることが好まし
く、0.5〜10%であることがより好ましい。
【0013】前記内層の吸液性は高いほど好ましいが、
取り扱いやすいこと、減容廃棄が容易なこと、生産性が
高いことの点において、500〜10000g/m2
あることが好ましく、1000〜8000g/m2であ
ることがより好ましい。また、排泄容器において、人の
排尿量から、20gの尿の吸水量、好ましくは50g、
さらに好ましくは100gの吸水量があれば1,2回分
の排尿を吸収できる点でよい。
【0014】前記内層に用いられる紙繊維には、前記外
層に用いられると同様の紙繊維を用いることができる。
また、内層に用いられる紙繊維には、前記他の添加成分
を適宜の割合で配合することができる。また、前記内層
には、前記界面活性剤の他、吸水量を多くし、排尿を確
実に保持させる観点から、吸水剤、ゲル化剤等を適宜の
量で含ませることが好ましい。該吸水剤や該ゲル化剤と
しては、吸水ポリマー、ゼラチン、寒天、コラーゲン等
が挙げられ、こららの中でも特に吸水ポリマーが好まし
く用いられる。また、同様の観点から、容器内に別部材
として、使い捨ておむつ等に用いられる通常のシート状
の吸液性材料を配設することもできる。また、臭いを抑
える点から、ゼオライト、活性炭等の消臭剤や、衛生面
の点から、酸化チタン等の無機系抗菌剤やキチンキトサ
ン等の天然有機系抗菌剤等を適宜の量で含ませることが
できる。
【0015】本発明における使い捨て排泄用容器は、そ
の内側の全面又は所定部位に吸液性を有する部分を備え
たものであるが、所定部位に備えたものとする場合に
は、使い捨て排泄用容器内に排出された排尿の速やかに
吸水できる部位に形成することが好ましい。具体的に
は、例えば、少なくとも使用時における底面部、内側面
部及び後面部に前記内層を形成することが好ましい。
【0016】本発明の使い捨て排泄用容器は、排泄物が
外に漏れ出さないようにする点において、耐水性が0〜
50g/m2であることが好ましく、0〜25g/m2
ることがより好ましい。ここで耐水性とは、コブ吸水度
試験(JIS P 8140)に基づき測定された値を
いい、後述の実施例で測定される値である。
【0017】また、本発明の使い捨て排泄用容器は、使
用時に排泄者の肌に触れて不快感を与えないこと、衛生
的で、清潔感があり、美粧性に優れている等の観点か
ら、その表面の中心線平均粗さRa及び最大高さRmax
が、Raが0.1〜20μm(JIS B 0601に
準拠して測定された値。以下同じ。)、Rmaxが1〜5
00μm、Smが1〜500μm(JIS B 060
1に準拠して測定された値。以下同じ。)であることが
好ましく、Raが1.0〜10μm、Rmaxが5〜25
0μm、Smが5〜100μmであることがより好まし
い。
【0018】本発明の使い捨て排泄用容器は、1〜3回
以上の使用が可能で使いやすい大きさであることから、
内容積が400〜1500mlであることが好ましく、
800〜1200mlであることがより好ましい。
【0019】本発明の使い捨て排泄用容器は、具体的に
は、例えば、図1〜図3に示す第1実施形態の男性用使
い捨て排泄用容器として提供することができる。これら
の図において、符号1は使い捨て排泄用容器を示してい
る。
【0020】図1〜図3に示すように、使い捨て排泄用
容器1は、使用時の使いやすさを考慮し、角が丸みを帯
びた正三角形状断面の中空の本体部2と、本体部2に一
体的に形成され、その前方部から上方に傾斜して突出す
る先細の筒状の口部3を有する中空容器である。本体部
2の両側面部20,21には、平面視長円形状の凹部か
らなる把持部20a,21aが形成されている。また、
両側面部20,21は逆台形(逆直角台形)状に形成さ
れており、本体部2の背面部22が傾斜してわずか尻上
がりになっている。このように本体部2を尻上がりに形
成することで、口部3の突出による重心移動を相殺し、
使い捨て排泄用容器1を安定的に載置できるように設け
てあり、また、未使用時(使用していないとき)に口部
3を上方に向けて背面部22を接地面として正立状態に
載置(縦置き)可能で、使用状態において口部3を水平
方向に向けて底面部23を接地面として横置き可能に設
けられている。排泄用容器1は、このように縦置き、横
置きが可能であるので、横置き状態で排泄物を一旦収容
した後、再度使用するまでの間に縦置きにすることがで
き、その分設置スペースが狭くて済むようになってい
る。排泄用容器1では、縦置き横置き状態における重心
位置が低くなるように、容器の全長、背面部22及び底
面部23接地面積等を適宜設定することで、縦置き、横
置きにしたときの容器の安定性を確保することができ
る。
【0021】図2(a)及び(c)に示すように、本体
部2及び口部3は、耐水性を有する外層2A,3Aの内
側の全面に吸液性を有する内層2B,3Bを備えてい
る。
【0022】使い捨て排泄用容器1は、従来の溲瓶と同
様に、仰向けの状態の病人等の股間に配し、口部3から
性器を挿入して使用することができる。容器内に排出さ
れた尿は、内層において吸収されてそのまま保持され漏
れることがないため、使用後はそのまま可燃ゴミとして
処分することができる。もちろん、湿式の粉砕器等で粉
砕し、下水に排出して処分することもできる。
【0023】次に、上記実施形態の使い捨て排泄用容器
1の製造方法について図4を参照しながら説明する。
【0024】図4(a)に示すように、先ず、2個で一
組をなす割型11,12を突き合わせることにより、成
形すべき使い捨て排泄用容器の外形に対応した形状のキ
ャビティ13が内部に形成される金型の上部開口部から
キャビティ13内に所定量の外層用スラリーを加圧注入
する。これにより、キャビティ13内を所定圧力に加圧
する。各割型には、その外側面とキャビティ13とを連
通する複数の連通孔14がそれぞれ設けられている。ま
た、各割型の内面は、所定の大きさの網目を有するネッ
ト(図示せず)によってそれぞれ被覆されている。外層
用スラリーの加圧注入には例えば圧送ポンプが用いられ
る。外層用スラリーの加圧注入の圧力は好ましくは0.
01〜5MPa、更に好ましくは0.01〜3MPaと
する。
【0025】外層用スラリーは、水に、紙繊維を0.1
〜3.0重量%含むスラリーであることが好ましく、水
に、紙繊維を0.5〜1.5重量%含むスラリーである
ことがより好ましい。外層用スラリーに含まれる紙繊維
には、前記本発明の使い捨て排泄用容器における前記外
層に用いられる前記紙繊維を用いることができる。外層
用スラリー中の耐水化剤の配合割合は、外層スラリー中
の紙繊維重量に対して、0.1〜10%であることが好
ましく、0.5〜5%であることがより好ましい。ま
た、該外層用スラリーには、前記添加剤成分の適量を適
宜配合することができる。
【0026】上述の通り、キャビティ13内は所定圧力
に加圧されているので、外層用スラリー中の水分は金型
の外へ排出されると共に紙繊維がキャビティ13を被覆
するネットに堆積されて、該ネットに外層Aが形成され
る。また、キャビティ13内が所定圧力に加圧されるこ
とで、本発明のような立体的な使い捨て排泄用容器を成
形する場合でも、スラリーがキャビティ13内で対流し
てスラリーの撹拌作用が発現する。そのため、スラリー
濃度はキャビティ13内の上下方向で均一化され、ネッ
トに紙繊維が均一に堆積する。
【0027】キャビティ13内への外層用スラリーの注
入が完了し、キャビティ13内の水分が全て排出される
と、図3(b)に示すように、金型の上部開口部からキ
ャビティ13内に、内層用スラリーを加圧注入する。内
層用スラリーの加圧注入の圧力は、外層用スラリーの加
圧注入の圧力と同程度とすることができる。内層用スラ
リーの加圧注入によって、キャビティ13内の加圧状態
は維持される。
【0028】内層用スラリー中の紙繊維の配合量は、当
該内層の密度を前記の範囲とする観点から0.1〜3.
0重量%であることが好ましく、0.5〜1.5重量%
であることがより好ましい。内層用スラリーに用いられ
る紙繊維には、前記外層に用いられる紙繊維と同様の紙
繊維が用いられる。また、内層用スラリー中の嵩高剤や
発泡剤等の低密度化剤の配合割合は、空孔部形成性、安
定生産性、コストの点から、内層用スラリー中の紙繊維
重量に対して0.1〜10%であることが好ましく、
0.5〜5.0%であることがより好ましい。嵩高繊維
の配合割合は、空孔部形成性、安定生産性、コストの点
から、内層用スラリー中の紙繊維重量に対して10〜1
00%であることが好ましく、30〜100%であるこ
とがより好ましい。
【0029】前記内層用スラリーには、前記紙繊維、前
記低密度化剤の他、分散剤、成形助剤、消臭剤、抗菌
剤、芳香剤等の他の添加成分を適宜の配合量で配合する
ことができる。
【0030】内層用スラリーの加圧注入と共にキャビテ
ィ13内の脱水を引き続き行うと、内層用スラリーの固
形成分からなる内層Bが、外層A上(外層Aの内側)に
形成される。キャビティ13内は加圧状態下にあるの
で、内層Bは均一な厚みで形成される。詳細には、スラ
リーをキャビティ13内に加圧注入することで、本発明
のような立体的な多層容器を成形する場合でも、スラリ
ーがキャビティ13内で対流してスラリーの撹拌作用が
発現する。そのため、スラリー濃度はキャビティ13内
の上下方向で均一化され、外層A及び内層Bの各層の肉
厚が均一化される。
【0031】所定厚みの内層が形成されたら、内層用ス
ラリーの加圧注入を停止し、キャビティ内に空気を圧入
して加圧・脱水する。引き続き空気の圧入を停止し、キ
ャビティ内を吸引・減圧すると共に、図4(c)に示す
ように、弾性を有し伸縮自在で且つ中空状をなす中子1
5をキャビティ13内に挿入させる。中子15は、キャ
ビティ13内において風船のように膨らませて、外層A
及び内層Bからなる積層体(以下、多層繊維積層体とい
う)16をキャビティ13の内面に押圧させることによ
り、キャビティ13の内面形状を付与するのに使用され
る。従って、中子15は引張強度、反発弾性及び伸縮性
等に優れたウレタン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム
又はエラストマー等によって形成されている。
【0032】次に、図4(d)に示すように、中子15
内に加圧流体を供給して中子を膨張させ、膨張した中子
15により前記多層繊維積層体16をキャビティ13の
内面に押圧させる。すると、前記多層繊維積層体16
は、膨張した中子15によってキャビティ13の内面に
押し付けられ、前記多層繊維積層体16にキャビティ1
3の内面形状が転写されると共に脱水が更に進行する。
このように、キャビティ13の内部から前記多層繊維積
層体16がキャビティ13の内面に押し付けられるため
に、キャビティ13の内面の形状が複雑であっても、精
度良くキャビティ13の内面の形状が前記多層繊維積層
体16の表面に転写されることになる。また、この方法
では、貼り合わせ工程を用いる必要が無いので、得られ
る成形体には貼り合わせによるつなぎ目及び肉厚部は存
在しない。その結果、得られる成形体の強度が高まると
共にもれ等の心配もなく、また外観の印象が良好とな
る。中子15を膨張させるために用いられる加圧流体と
しては、例えば圧縮空気(加熱空気)、油(加熱油)、
その他各種の液が使用される。また、加圧流体を供給す
る圧力は、0.01〜5MPa、特に0.1〜3MPa
となすことが好ましい。
【0033】多層繊維積層体にキャビティの内面の形状
が十分に転写され且つ多層繊維積層体を所定の含水率ま
で脱水できたら、中子15内の加圧流体を抜く。する
と、図4(e)に示すように、中子15が自動的に縮ん
で元の大きさに戻る。次いで、縮んだ中子15をキャビ
ティ13内より取出し、更に金型を開いて所定の含水率
を有する湿潤した状態の多層繊維積層体16を取り出す
(図4(f))。
【0034】取り出された多層繊維積層体16は次に加
熱・乾燥工程に付される。加熱・乾燥工程では、抄紙・
脱水を行わない以外は、上述の抄紙工程と同様の操作が
行われる。即ち、先ず、一組の割型を突き合わせること
により成形すべき成形体の外形に対応した形状のキャビ
ティが形成される金型を所定温度に加熱し、該金型内に
湿潤した状態の前記多層繊維積層体を装填する。
【0035】次に、前記抄紙工程で用いた中子と同様の
中子を前記多層繊維積層体内に挿入させ、該中子内に加
圧流体を供給して該中子を膨張させ、膨張した該中子に
より前記多層繊維積層体を前記キャビティの内面に押圧
させる。中子は、抄紙・脱水工程において用いた材質の
ものを用いる。加圧流体の供給圧力は、前記抄紙工程と
同様とすることができる。この状態下に、前記多層繊維
積層体を加熱乾燥させる。
【0036】金型の設定加熱温度は、乾燥効率、外観の
コゲ、焼け付け防止、表面平滑性の点から、150〜3
00℃であることが好ましく、180〜250℃である
ことがより好ましい。
【0037】前記多層繊維積層体が、十分に乾燥した
ら、前記中子内の加圧流体を抜き、該中子を縮ませて取
り出す。更に前記金型を開いて、成形された多層繊維積
層体を取り出す。 (別紙挿入)
【0038】本実施形態の多層繊維積層体は、内層用ス
ラリーの加圧注入によりキャビティ内を加圧状態下にさ
せ外層Aの上に内層Bの肉厚を均一に成形したものであ
るが、キャビテイ内の加圧制御により、底部と側部のみ
内層Aを積層させることも可能である。また、乾式解繊
した乾燥パルプの積層により、内層を形成させることも
できる。この場合のバインダーはパルプと同時に噴霧し
ても良いし、乾燥パルプを積層した後に噴霧しても良
い。
【0039】このように、本実施形態の使い捨て排泄用
容器1は、耐水性を有する外層の内側の全面又は所定部
位に吸収性を有する内層を備えており、容器に排泄され
た尿は、内層に吸水されるため、使用後に処分する場合
にも容器と排尿とを別途処分する必要がなく、使用後に
そのまま可燃ゴミとして処分できる。また、外表面を平
滑とした場合には、使用時に外表面が肌に触れたりして
も、排泄者に不快感を与えることがない。また、製造さ
れた使い捨て排泄用容器は、つなぎ目が無く一体的に形
成されているので、外観性に優れたものである。
【0040】図5〜図7は、本発明の第2実施形態を示
すものであり、本第2実施形態の使い捨て排泄用容器
は、主に女性や子供に用いられる使い捨て排泄用容器で
ある。これらの図において、第1実施形態と共通する部
分については、同一符号を付し、その説明は省略する。
したがって、特に説明の内部分については、前記第1実
施形態の説明が適宜適用される。
【0041】第2実施形態の使い捨て排泄用容器1’
は、使用時の使いやすさを考慮して、本体部2と、本体
部2に一体的に形成された角が丸みを帯びた正三角形状
断面の中空の口部4とを有している。口部4は、本体部
2の底面部23に連なる先細りの底面部43と、底面部
43の両縁部及び本体部2の両側面部20,21にそれ
ぞれ連なる側面部40,41と、底面部43の前方から
起立する前面部44とから形成され、さらに、側面部4
0,41により形成される陵部並びに側面部40,41
及び前面部44で形成される角部が切り欠かれて開口部
45が形成されている。
【0042】使い捨て排泄用容器1’は、第1実施形態
の容器1と同様に、仰向けの状態の病人等の股間に配
し、排尿部に口部を宛って使用することができる。容器
内に排出された尿は、吸液性を有する内層において吸収
されて保持され、漏れることがないため、使用後はその
まま可燃ゴミとして処分することができる。もちろん、
湿式の粉砕器等で粉砕し、下水に排出して処分すること
もできる。
【0043】本発明は、前記実施形態に限定されず、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更するこ
とができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。実施例1〜4及について、下記の配合組成の
外層用スラリーを用いるとともにそれぞれ下記の配合組
成の内層用スラリーを調製し、それぞれ下記の成形条件
において、図1の形態の使い捨て排泄用容器(総重量約
45g(内容量:水平入目量840ml、直立入目量1
300ml))を作製した。そして、得られた使い捨て
排泄用容器及び比較例の容器について下記のように密
度、吸水性、吸水率、耐水性、及び表面粗さを測定し
た。その結果を表1に示す。
【0045】<外層用スラリーの配合組成> 紙繊維:模造脱墨古紙/NBKP=70/30(重量
比) 長さ加重平均繊維長:0.92mm スラリー濃度:1重量%(紙繊維/水=1/99) 耐水化剤:ロジン系サイズ剤、対紙繊維重量1.0% 着色剤:銅フタロシアニン系アニオン顔料、対紙繊維重
量0.3% 定着剤:硫酸バンド、対紙繊維重量0.4重量% フリーネス:400ml
【0046】〔実施例1〕 <内層用スラリーの配合組成> 紙繊維:コートボール古紙 長さ加重平均繊維長:0.92mm スラリー濃度:1重量%(紙繊維/水=1/99) フリーネス:400ml
【0047】<抄紙・脱水> 外層用スラリー注入圧力:0.05MPa 内層用スラリー注入圧力:0.05MPa 中子押圧:0.5MPa下30秒 <乾燥>下記条件で含水率10以下になるように乾燥し
た。 金型温度:230℃ 中子押圧:1.0MPa下30秒
【0048】〔実施例2〕 <内層用スラリーの配合組成> 紙繊維:コートボール古紙 長さ加重平均繊維長:0.92mm スラリー濃度:1重量%(紙繊維/水=1/99) 界面活性剤:エステルアミド 対紙繊維重量2% その他:香料 フリーネス:350ml
【0049】<抄紙・脱水> 外層用スラリー注入圧力:0.05MPa 内層用スラリー注入圧力:0.05MPa 中子押圧:1.0MPa下30秒 <乾燥> 金型温度:230℃ 中子押圧:1.0MPa下30秒
【0050】〔実施例3〕 <内層用スラリーの配合組成> 紙繊維:コートボール古紙 長さ加重平均繊維長:0.92mm スラリー濃度:1重量%(紙繊維/水=1/99) 低密度化剤:合成繊維N790(クラレ株製)、対紙繊
維重量50% フリーネス:570ml
【0051】<抄紙・脱水> 外層用スラリー注入圧力:0.05MPa 内層用スラリー注入圧力:0.05MPa 中子押圧:1.0MPa下30秒 <乾燥> 金型温度:230℃ 中子押圧:1.0MPa下30秒
【0052】〔実施例4〕 <内層用スラリーの配合組成> 紙繊維:コートボール古紙 長さ加重平均繊維長:2.03mm スラリー濃度:1重量%(紙繊維/水=1/99) 低密度化剤:合成繊維N790(クラレ株製) 対パル
プ50% フリーネス:680ml
【0053】<抄紙・脱水> 外層用スラリー注入圧力:0.05MPa 内層用スラリー注入圧力:0.05MPa 中子押圧:1.0MPa下30秒 <乾燥> 金型温度:230℃ 中子押圧:1.0MPa下30秒
【0054】〔比較例〕 市販紙製尿ビン:ベルナケア社製(イギリス)
【0055】〔耐水性の測定〕コブ吸水度試験(JIS
P 8140)に準じて、各容器の本体部底面を直径
70mmに打ち抜いたサンプルを用いて測定した。
【0056】〔内層の密度の測定〕外層を削り取り、2
3℃、相対湿度50%環境下における内層の厚みと重量
から換算した。
【0057】〔吸液性の測定〕前記同様に打ち抜いたサ
ンプルを水中に浸漬させ、1分後の重量から坪量当たり
の水の吸水量を測定した。また、各容器に100gの人
工尿を入れ、5分後に逆さにして排出した時の実排出量
から実吸水率を求めた。
【0058】〔表面粗さ測定〕表面粗さの測定にはサー
フコム120A〔(株)東京精密社製〕を用い、測定条
件は、カットオフ:Raが10μm以下は0.80m
m、Raが10μm以上は2.5mm、測定長さ:1
0.00mm、フィルタ:2CR、測定倍率:500、
傾斜補正:直線、極性:標準とした。
【0059】
【表1】
【0060】〔表1〕に示すように、実施例1〜4の容
器(本発明品)は、比較例の容器に比べて、吸収量、吸
収率も高く、耐水性にも優れていることが確認された。
また、外面の平滑性にも優れているため、使用時に何等
違和感がない。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、使用後に処分しやすい
使い捨て排泄用容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使い捨て排泄用容器の第1実施形態を
示す斜視図である。
【図2】同実施形態を示す図であり、(a)は正面図、
(b)は背面図、(c)は図1のA−A矢視断面図であ
る。
【図3】同実施形態を示す図であり(a)は平面図、
(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図4】同実施形態の使い捨て排泄用容器の製造方法に
おける抄紙・脱水工程を順次示す概略工程図であり、
(a)は外層の抄紙工程、(b)は内層の抄紙工程、
(c)は中子挿入工程、(d)は加圧・脱水工程、
(e)は脱型工程である。(f)は抄紙・脱水後におけ
る使い捨て排泄用容器の概略断面図である。
【図5】本発明の使い捨て排泄用容器の第2実施形態を
示す斜視図である。
【図6】同実施形態を示す図であり、(a)は正面図、
(b)は背面図、(c)は図4のB−B矢視断面図であ
る。
【図7】同実施形態を示す図であり、(a)は平面図、
(b)は側面図、(c)は底面図である。
【符号の説明】
1、1’ 使い捨て排泄用容器 A(2A,3A) 外層 B(2B,3B) 内層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 5/455 A61G 9/00 L 4L055 D21J 3/10 B65D 1/00 C Fターム(参考) 2D036 HA53 HA77 3E033 AA20 BA10 CA09 CA10 EA10 EA11 FA10 4C098 AA09 CC31 CC36 CC37 CC38 CD01 DD03 DD05 DD06 DD10 DD25 4C341 JJ01 JK02 JK04 JK08 4F100 AJ03B AJ08B AK01B AK01C AK25B AK41C AR00B AR00C BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA18B DG02A DG10A DG10B EH41A GB16 JB07C JC00C JD14B JD15B 4L055 AA02 AA11 AC06 AC09 AF13 AF44 AF46 AG35 AG50 AH11 AH29 BF07 BF08 FA20 GA05 GA50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙繊維を主体とした使い捨て排泄用容器
    であって、その内側の全面又は所定部位に吸液性を有す
    る部分を備えている使い捨て排泄用容器。
  2. 【請求項2】 パルプモールド成形法で形成された請求
    項1に記載の使い捨て排泄用容器。
  3. 【請求項3】 耐水性を有する外層と、該外層の内側の
    全面又は所定部位に吸液性を有する内層とを備えている
    請求項1又は2に記載の使い捨て排泄用容器。
  4. 【請求項4】 前記内層に界面活性剤を含む請求項1〜
    3の何れかに記載の使い捨て排泄用容器。
  5. 【請求項5】 口部を備えており、未使用時に該口部を
    上方に向けて載置可能で、且つ該開口を水平方向に向け
    て載置可能に設けられている請求項1〜4の何れかに記
    載の排泄用容器。
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