JP2002098215A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2002098215A
JP2002098215A JP2000286061A JP2000286061A JP2002098215A JP 2002098215 A JP2002098215 A JP 2002098215A JP 2000286061 A JP2000286061 A JP 2000286061A JP 2000286061 A JP2000286061 A JP 2000286061A JP 2002098215 A JP2002098215 A JP 2002098215A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中に副変速機構の切り換えを可能にす
る。 【解決手段】 トランスミッション装置と、その後段に
配置された動力分配装置と、原動機201と動力分配装
置との間に配置された副変速機構と、その上流で駆動力
を遮断するクラッチ機構203と、副変速機構の切り換
えを事前に検知する検知手段269と、検知手段269
が切り換えを検知すると、この切り換えに先立ってクラ
ッチ機構203に駆動力を遮断させるコントローラ25
5とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスミッショ
ン装置と動力分配装置と副変速機構とを備えた動力伝達
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−21503号公報に図7のよ
うなトロイダル式無段変速機301(トランスミッショ
ン装置)が記載されており、特開平8−268098号
公報に図8のような動力分配装置401が記載されてい
る。
【0003】トロイダル式無段変速機301は2輪駆動
車に用いられているもので、トルクコンバータ303、
前後切り換え機構305、無段変速部307,309、
出力部311などから構成されている。
【0004】エンジンの駆動力はトルクコンバータ30
3から前後切り換え機構305に伝達される。前後切り
換え機構305は、プラネタリーギヤ機構と多板クラッ
チなどから構成されており、伝達された駆動力の回転方
向を車両の前進と後進に応じて切り換え、無段変速部3
07,309に伝達する。
【0005】無段変速部307は、一対の入力ディスク
313と出力ディスク315、摩擦ローラ317、入力
軸319と出力軸321などから構成されており、無段
変速部309は、一対の入力ディスク323と出力ディ
スク325、摩擦ローラ327、無段変速部307と共
用の入力軸319と出力軸321などから構成されてい
る。
【0006】入力軸319は前後切り換え機構305側
に連結されており、出力軸321は入力軸319の外周
に配置されている。
【0007】入力ディスク313と出力ディスク31
5、入力ディスク323と出力ディスク325は、それ
ぞれの摩擦面のプロフィールが対向して円を形成するよ
うに互いに向き合って配置されており、各入力ディスク
313,323は入力軸319に固定され、各出力ディ
スク315,325は出力軸321に固定されている。
【0008】また、摩擦ローラ317,327は、入力
ディスク313と出力ディスク315の各摩擦面、入力
ディスク323と出力ディスク325の各摩擦面にそれ
ぞれ押圧されており、前後切り換え機構305から入力
軸319に伝達された駆動力は、各摩擦面に発生する摩
擦力によって入力ディスク313,323から摩擦ロー
ラ317,327を介して出力ディスク315,325
に伝達され出力軸321を回転させる。
【0009】このとき、摩擦ローラ317,327を揺
動操作して傾斜角を変えると各ディスクとの接触円径が
変わり、例えば、摩擦ローラ317,327を入力ディ
スク313,323との接触円径が大きくなり、出力デ
ィスク315,325との接触円径が小さくなる方向に
傾斜させれば出力軸321の回転は増速され、反対方向
に傾斜させれば減速される。
【0010】出力部311は、ギヤ組329,331、
副軸333、アイドラ(図示されていない)、出力軸3
35などから構成されている。
【0011】ギヤ組329は上記の出力軸321と副軸
333とを連結している。また、ギヤ組331は副軸3
33上のギヤ337、出力軸335上のギヤ339、こ
れらのギヤ337,339を連結する上記のアイドラに
よって構成され、副軸333と出力軸335とを連結し
ている。
【0012】出力軸335はトルクコンバータ303、
前後切り換え機構305、無段変速部307,309と
同軸配置されており、副軸333はこれらと平行に配置
されている。
【0013】無段変速部307,309から出力軸32
1に出力された駆動力は、ギヤ組329から副軸33
3、ギヤ組331、出力軸335を介して車輪側に送ら
れる。
【0014】また、図8の動力分配装置401は、例え
ば、上記のトロイダル式無段変速機301のようなトラ
ンスミッション装置の後段に組み付けられて4輪駆動車
用の動力伝達装置を構成する。
【0015】この動力分配装置401は、トランスミッ
ション装置の出力軸に連結された入力軸403、主軸4
05、前輪側動力伝達系の一部を構成するチェーン伝動
機構407、High−Low切換機構(以下、Hi−
Lo切換機構)409、その後段に配置されて前輪側の
動力伝達系を断続し2輪駆動状態と4輪駆動状態との切
り換えを行うコーンクラッチ411及び噛み合いクラッ
チ413(2−4切換機構)、Hi−Lo切換機構40
9とコーンクラッチ411と噛み合いクラッチ413を
操作する操作機構415、前輪側動力伝達系に伝達する
駆動力の大きさを制御する多板クラッチ417とそのア
クチュエータ419などから構成されている。
【0016】入力軸403と主軸405は同軸配置され
ており、主軸405は後輪のプロペラシャフト側に連結
されている。また、コーンクラッチ411と噛み合いク
ラッチ413と多板クラッチ417は、それぞれHi−
Lo切換機構409と前輪側動力伝達系の間で並列に配
置されている。
【0017】チェーン伝動機構407は駆動側と被駆動
側の各スプロケット421,423とこれらを連結する
チェーン425からなり、駆動側のスプロケット421
は主軸405上に回転自在に配置され、被駆動側のスプ
ロケット423は前輪のプロペラシャフト側に連結され
ている。
【0018】Hi−Lo切換機構409は、プラネタリ
ーギヤ組427と、切り換え操作用のシフトスリーブ4
29などから構成されている。
【0019】プラネタリーギヤ組427は、インターナ
ルギヤ431、プラネタリーギヤのシャフトを支持する
プラネタリーキャリヤ433、サンギヤ435などから
構成されている。インターナルギヤ431はトランスフ
ァーケース437側に連結されており、プラネタリーキ
ャリヤ433は回転自在な状態で配置され、サンギヤ4
35は入力軸403に形成されている。
【0020】サンギヤ435とシフトスリーブ429と
キャリヤ433には、それぞれ噛み合い歯439,44
1,443が形成されている。シフトスリーブ429は
操作機構415によって軸方向に移動操作され、その噛
み合い歯441がサンギヤ435の歯439とだけ噛み
合うHiポジションと、図8のようにいずれの歯43
9,443とも噛み合わないニュートラルポジション
と、キャリヤ433の歯443とだけ噛み合うLowポ
ジションに移動する。
【0021】エンジンからトランスミッション装置を介
して入力軸403に入力する駆動力は、シフトスリーブ
429をHiポジションにシフトすると、プラネタリー
ギヤ組427をバイパスし、シフトスリーブ429を介
して高速(等速)で主軸405に伝達される。また、シフ
トスリーブ429をLowポジションにシフトすると、
入力軸403の回転はサンギヤ435とプラネタリーギ
ヤとプラネタリーキャリヤ433とを介して減速され、
低速でシフトスリーブ429から主軸405に伝達され
る。
【0022】主軸405の回転はプロペラシャフトなど
の後輪側動力伝達系を介してリヤデフに伝達され、左右
の後輪に配分される。
【0023】また、シフトスリーブ429をニュートラ
ルポジションにシフトすると、Hi−Lo切換機構40
9以降の動力伝達系がエンジンから切り離される。
【0024】このようなHi−Lo切換機構409の切
り換え操作は、各噛み合い歯439,441,443に
掛かる駆動負荷(トルク)を軽減し、切り換えを円滑に
行うために、車両を停止させて行われる。
【0025】コーンクラッチ411は、チェーン伝動機
構407の駆動側スプロケット421とクラッチ部材4
45との間に形成されており、このクラッチ部材445
は出力軸405に軸方向移動自在に連結されている。
【0026】また、噛み合いクラッチ413は、クラッ
チ部材445に軸方向移動自在に連結されたクラッチカ
ラー447とスプロケット421との間に形成されてい
る。
【0027】クラッチカラー447にはシフトカラー4
49が連結されており、操作機構415はこのシフトカ
ラー449を介してクラッチ部材445とクラッチカラ
ー447を図8の右方へ押圧し、コーンクラッチ411
を締結し、噛み合いクラッチ413を噛み合わせる。
【0028】これらのクラッチ411,413が連結さ
れると、Hi−Lo切換機構409からの駆動力は出力
軸405とクラッチ411,413からチェーン伝動機
構407などの前輪側動力伝達系を介してフロントデフ
に伝達され、左右の前輪に配分され、車両は4輪駆動状
態になる。
【0029】また、クラッチ411,413の連結が解
除されると、これらを通って前輪側に伝達される駆動力
は遮断される。
【0030】操作機構415は、電動モータ451、電
動モータ451によって回転するシャフト453、シャ
フト453との間にねじ部が形成され、シャフト453
の回転に伴ってシャフト453上を移動するカム部材4
55,457、各カム部材455,457をそれぞれシ
フトスリーブ429とシフトカラー449に連結するリ
ンク459,461などからなり、シフトスリーブ42
9とシフトカラー449を移動操作して、Hi−Lo切
換機構409を切り換え操作し、また、コーンクラッチ
411と噛み合いクラッチ413を断続操作する。
【0031】また、シャフト453上のカム部材45
5,457の間隔を調整することによって、これらを同
時に操作し、あるいは、相前後して操作できる。
【0032】多板クラッチ417は、スプロケット42
1に連結されたクラッチハウジング463と出力軸40
5に連結されたクラッチハブ465との間に配置されて
いる。
【0033】また、アクチュエータ419は、トランス
ファーケース437に固定された電磁石467、アーマ
チャ469、カム部材471,473の間に設けられた
ボールカム475、カム部材471に固定された押圧部
材477などから構成されており、このカム部材471
は出力軸405上に移動自在に連結されている。
【0034】電磁石467を励磁するとアーマチャ46
9がトランスファーケース437側に吸引されて回転が
拘束され、出力軸405のトルクがボールカム475に
掛かり、そのカムスラスト力によって押圧部材477が
多板クラッチ417を押圧して締結させる。
【0035】多板クラッチ417が締結されると、駆動
力は出力軸405と多板クラッチ417からチェーン伝
動機構407などの前輪側動力伝達系を介してフロント
デフに伝達され、車両は4輪駆動状態になる。
【0036】また、電磁石467の励磁電流を調整し、
アーマチャ469の許容回転を変えると、カムスラスト
力が変化し、多板クラッチ417から前輪側に伝達され
る駆動力の大きさが制御される。
【0037】多板クラッチ417は、上記のコーンクラ
ッチ411と噛み合いクラッチ413の連結が解除され
ているときに締結され、4輪駆動状態で前輪の駆動力を
調整し、車両の走行性、悪路走破性、旋回性などを向上
させる。
【0038】また、電磁石467の励磁を停止すると、
アーマチャ469の回転が許容されてカムスラスト力が
消失し、多板クラッチ417の連結が解除されて、車両
は2輪駆動状態になる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】ところが、動力分配装
置401は、Hi−Lo切換機構409を切り換えるに
当たって、この切り換えを円滑に行うために、上記のよ
うに、車両を停止する必要がある。
【0040】従って、例えば、車両が悪路などでスタッ
クした場合、重量物を牽引しながら登坂し、降坂する場
合は、車両を停止させることによって、車輪のグリップ
力、トラクションなどが失われてしまう。
【0041】また、このような場合、走行しながらHi
−Lo切換機構409(副変速機構)の切り換えを行う
ことができないのは極めて不便であると共に、停車させ
た後に切り換え操作し再び発車させる手順はドライバー
にとって極めて面倒であり、改善が望まれている。
【0042】また、Hi−Lo切換機構409のような
副変速機構の切り換え操作は、従来、シンクロ機構を用
いて行われるが、このような大トルクを扱う場合、シン
クロ機構には大きな容量が必要であり、動力伝達装置が
それだけ大型で重くなり、車載性が低下する。
【0043】さらに、回転速度が大きく異なった部材間
でこの速度差を吸収するシンクロ機構には大きな負担が
掛かるから、耐久性が低下し易い。
【0044】また、トロイダル式無段変速機301は、
2輪駆動車に用いられているが、変速時にトルクの途切
れが発生せず、変速ショックのない滑らかな走行が可能
であり、アクセル操作に対するリニアな変速レスポンス
が得られ、原動機の効率が最も高い条件下で走行できる
ことによって燃費が大きく向上するなど多くの利点を持
っており、4輪駆動車への適用が望まれている。
【0045】そこで、本発明は、トランスミッション装
置と動力分配装置と副変速機構とを備え、走行中に副変
速機構の切り換えが可能な動力伝達装置の提供を目的と
する。
【0046】
【課題を解決するための手段】請求項1の動力伝達装置
は、原動機の駆動力を変速するトランスミッション装置
と、その後段に配置され、入力した駆動力を前輪側と後
輪側に分配する動力分配装置と、原動機と動力分配装置
の間の駆動力伝達経路上に配置され、2段以上の変速段
を有する副変速機構と、この副変速機構より駆動力伝達
系路の上流側に配置され、駆動力を遮断するクラッチ機
構と、副変速機構の切り換えを事前に検知する検知手段
と、検知手段により副変速機の切り換えを事前に検知す
ると、該副変速機構の切り換えに先立ってクラッチ機構
に駆動力を遮断させるコントローラとを備えていること
を特徴とする。
【0047】このように、請求項1の動力伝達装置は、
原動機とトランスミッション装置との間、あるいは、ト
ランスミッション装置と動力分配装置との間に配置され
た副変速機構の駆動力伝達系路の上流にクラッチ機構を
配置し、検知手段によって副変速機構の切り換えを事前
に検知すると、このクラッチ機構によって駆動力を遮断
するように構成されている。
【0048】クラッチ機構で駆動力を遮断すると、その
後しばらくの間は、副変速機構の入力側部材は自身の慣
性により、また、出力側の部材は車両の慣性走行による
回転によってほぼ等速度で回転を続けると共に、駆動力
を遮断したことによって副変速機構に掛かるトルクが消
失し、無理な力が掛からない状態になるから、副変速機
構の切り換え動作は極めて円滑に行われる。
【0049】こうして、従来例と異なり、副変速機構の
切り換えのために車両を停止する必要がなくなる。
【0050】従って、スタック時や、重量物を牽引しな
がらの登坂時と降坂時などでも、車両を停止させずに副
変速機構を切り換えることができるから、停車による車
輪のグリップ力、トラクションなどの途切れが防止さ
れ、車体の安定性が高く保たれる。
【0051】また、このように、走行しながら副変速機
構の切り換えを行えるから、停車させた後に切り換え操
作し再び発車させる従来の手順に較べて、ドライバーの
負担が大きく軽減される。
【0052】また、上記のように、基本的にシンクロ機
構を用いないでも副変速機構の切り換えが可能であるか
ら、大容量のシンクロ機構を用いる必要がなくなり、そ
れに伴う動力伝達装置の大型化、重量化、車載性の低
下、耐久性の低下などが避けられる。
【0053】また、請求項1の構成では、駆動力の断続
機能だけを備えた既存の発進クラッチを上記のクラッチ
機構に利用することができるから、このようにすれば、
重量化、大型化、コストの上昇などを伴わずに動力伝達
装置を成立させることができる。
【0054】なお、原動機とは、内燃機関によるエンジ
ンや電気エネルギーを回転力に変換するモータなどの動
力源を意味する。
【0055】請求項2の発明は、請求項1に記載の動力
伝達装置であって、クラッチ機構が、インターナルギヤ
とプラネタリーギヤキャリヤとサンギヤを有するプラネ
タリーギヤ組と、一対の多板クラッチと、多板クラッチ
を選択的に操作し、連結を解除するコントローラとを備
え、前記プラネタリーギヤ組の1つのギヤに原動機の駆
動力を入力し、他の1つのギヤを出力側に連結して、こ
の出力側と残りのギヤが多板クラッチによって静止側に
選択的に連結されることにより、出力側部材に車両の前
進方向の駆動力が出力される前進モードと、後進方向の
駆動力が出力される後進モードとの切り換えを行うと共
に、多板クラッチの連結解除して、駆動力を遮断するニ
ュートラルモードを設けたことを特徴としており、請求
項1の構成と同等の作用・効果が得られる。
【0056】また、この構成では、クラッチ機構が前進
モードと後進モードとニュートラルモードを備えた前後
切り換え機構であり、さらに、駆動力の遮断機能が、こ
のニュートラルモードとして組み込まれている。
【0057】従って、駆動力遮断専用のクラッチ機構を
別途追加する必要がなくなり、それだけ少ない部品点数
で、軽量、コンパクト、低コストに実施することができ
る。
【0058】また、クラッチ機構に多板クラッチを用い
たことにより、駆動力の断続に伴うショックが軽減され
る。
【0059】また、多板クラッチを用いたことによっ
て、クラッチ機構は小型で充分なトルク容量が得られる
と共に、小さいスペースに配置することができる。
【0060】請求項3の動力伝達装置は、原動機の駆動
力を変速するトランスミッション装置と、ニュートラル
位置とニュートラル位置以外に2段以上の変速段を備
え、トランスミッション装置からの駆動力を変速する副
変速機構とを備えた動力伝達装置において、前記トラン
スミッション装置を、原動機の駆動力を無段階に変速可
能な無段変速装置とすると共に、副変速機構からの駆動
力を前輪側と後輪側に分配する動力分配装置と、副変速
機構の入力側と出力側の各回転速度をそれぞれ検知する
第1と第2の検知手段と、副変速機構の切り換え時に、
前記入力側と出力側の各回転速度が同調するようにトラ
ンスミッション装置を変速操作するコントローラとを備
えていることを特徴とする。
【0061】このように、請求項3の動力伝達装置は、
トランスミッション装置が、原動機の駆動力を無段階に
変速可能な無段変速装置であるため、走行中等、トルク
の掛かった状態で副変速機構の切り換えが行われても、
副変速機構の入力側と出力側の各回転速度が同調するよ
うな変速段を選択することが可能となり、副変速機構は
極めて短時間でしかも正確に切り換えることができる。
【0062】従って、副変速機構の切り換えの開始から
完了までを短時間で円滑に切り換えることができる。
【0063】また、この構成では、駆動力遮断用のクラ
ッチ機構が必要ないから、それだけ少ない部品点数で、
軽量、コンパクト、低コストに実施できる。
【0064】請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか
一項に記載の動力伝達系であって、副変速機構が、互い
に噛み合う部材間の回転速度を同期させるシンクロ機構
を備えていることを特徴としており、請求項1〜3の構
成と同等の作用・効果が得られる。
【0065】また、請求項1の構成で、副変速機構に僅
かなトルクが掛かり、あるいは、請求項3の構成で、副
変速機構の入力側と出力側の間に僅かな同調誤差が生じ
ても、このシンクロ機構によってこれらが吸収されるか
ら、副変速機構の切り換え動作は極めて円滑に行われ
る。
【0066】また、上記のように、副変速機構に掛かる
トルクは僅かであり、また、副変速機構の入力側と出力
側の回転速度は殆ど同調しているから、このシンクロ機
構に掛かる負荷は極めて小さい。
【0067】従って、小型で容量の小さいシンクロ機構
を用いても充分な同期機能が得られるから、大型化、重
量化、車載性の低下、コストの上昇などが避けられる。
【0068】請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか
一項に記載の動力伝達装置であって、トランスミッショ
ン装置が、入力軸に連結された入力ディスクと、出力側
の伝達部材に連結された出力ディスクと、各ディスクと
接触する摩擦ローラの揺動操作により入力ディスクの回
転を変速して出力ディスクに伝達するトロイダル式無段
変速機であることを特徴としており、請求項1〜4の構
成と同等の作用・効果が得られる。
【0069】また、トランスミッション装置にトロイダ
ル式無段変速機を用いたこの構成は、無段変速機によっ
て副変速機構の入力側と出力側の回転速度を同調させる
請求項3の動力伝達装置に最適である。
【0070】また、クラッチ機構によって副変速機構の
切り換えを円滑にする請求項1の動力伝達装置にも適し
ている。
【0071】また、トロイダル式無段変速機を用いたこ
とによって、変速時にトルクの途切れが発生せず、変速
ショックのない滑らかな走行が可能であり、アクセル操
作に対するリニアな変速レスポンスが得られ、原動機の
効率が最も高い条件下で走行できることによって燃費が
大きく向上するなど、トロイダル式無段変速機による多
くの利点を享受できる。
【0072】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1,2,3,
4,6によって動力伝達装置1(本発明の第1実施形
態)の説明をする。
【0073】動力伝達装置1は請求項1,2,4,5の
特徴を備えている。図3のように、動力伝達装置1はダ
ブルキャビティ方式のトロイダル式無段変速機3(トラ
ンスミッション装置)に動力分配装置4を組み付けて構
成されている。図1はトロイダル式無段変速機3の一部
と動力分配装置4とを示し、図6は動力伝達装置1が用
いられた4輪駆動車の動力系200と制御系250とを
示す。
【0074】なお、図1,3の左方はこの車両の前方
(原動機側201)に相当し、符号を与えていない部材
等は図示されていない。
【0075】図6のように、この動力系200は、原動
機201、クラッチ機構203、動力伝達装置1、前輪
側のプロペラシャフト205、フロントデフ207(原
動機の駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル
装置)、前車軸209,211、左右の前輪213,2
15、後輪側のプロペラシャフト217、リヤデフ21
9(原動機の駆動力を左右の後輪に配分するデファレン
シャル装置)、後車軸221,223、左右の後輪22
5,227などから構成されている。
【0076】また、原動機201、クラッチ機構20
3、動力伝達装置1はそれぞれ縦置きに配置されてい
る。
【0077】クラッチ機構203は、プラネタリーギヤ
組と第1と第2の多板クラッチから構成されている。
【0078】プラネタリーギヤ組は、インターナルギ
ヤ、互いに噛み合った外側と内側のプラネタリーギヤ、
各プラネタリーギヤを支承するプラネタリーギヤシャフ
ト、このシャフトを前後から支持するプラネタリーキャ
リヤ、サンギヤなどから構成されており、外側のプラネ
タリーギヤはインターナルギヤと噛み合い、内側のプラ
ネタリーギヤはサンギヤと噛み合っている。
【0079】例えば、第1の多板クラッチはインターナ
ルギヤとケーシング43との間に配置されており、第2
の多板クラッチはインターナルギヤとプラネタリーキャ
リヤとの間に配置されている。また、サンギヤは原動機
201のクランクシャフト側に連結されており、プラネ
タリーキャリヤは動力伝達装置1側(入力軸15)に連
結されている。
【0080】第1多板クラッチを開放してインターナル
ギヤを回転自在にし、第2多板クラッチを締結してイン
ターナルギヤとプラネタリーキャリヤを連結すると(前
進モード)、サンギヤに入力する原動機の駆動力は同一
の回転方向で動力伝達装置1に伝達され、車両を前進走
行させる。
【0081】また、第1多板クラッチを締結してインタ
ーナルギヤをケーシング43に連結し、第2多板クラッ
チの連結を解除してインターナルギヤとプラネタリーキ
ャリヤとの連結を解除すると(後進モード)、サンギヤ
の回転は反対方向に変換されて動力伝達装置1に伝達さ
れ、車両を後進走行させる。
【0082】また、第1多板クラッチと第2多板クラッ
チの連結を解除すると(ニュートラルモード)、両プラ
ネタリーギヤの自転と公転及びインターナルギヤの公転
によってサンギヤが空転し、動力伝達装置1以下の動力
伝達系が原動機201から切り離される。
【0083】クラッチ機構203は、原動機201を起
動するときには、ニュートラルモードにして動力伝達装
置1以下を切り離し、次いで、前進モード、あるいは、
後進モードにし、締結されている多板クラッチを適度に
滑らせて車両を発進させる。
【0084】原動機201の駆動力は、クラッチ機構2
03が前進モードか後進モードにある場合、クラッチ機
構203から動力伝達装置1に伝達され、前輪側と後輪
側に配分される。
【0085】前輪側に配分された駆動力はプロペラシャ
フト205からフロントデフ207に伝達され、フロン
トデフ207から前車軸209,211を介して左右の
前輪213,215に配分される。また、後輪側の駆動
力はプロペラシャフト217からリヤデフ219に伝達
され、リヤデフ219から後車軸221,223を介し
て左右の後輪225,227に配分される。
【0086】図1のように、トロイダル式無段変速機3
は、無段変速部5,7、出力部9などから構成されてい
る。
【0087】無段変速部5は、一対の入力ディスク11
と出力ディスク13、摩擦ローラ14、入力軸15と出
力軸17(出力側の伝達部材)などから構成されてお
り、無段変速部7は、一対の入力ディスク19と出力デ
ィスク21、摩擦ローラ22、無段変速部5と共用の入
力軸15と出力軸17などから構成されている。
【0088】入力軸15は前後切り換え機構の出力軸に
連結されており、出力軸17は入力軸15の外周に相対
回転自在に配置されている。
【0089】入力ディスク11と出力ディスク13、入
力ディスク19と出力ディスク21は、それぞれの摩擦
面のプロフィールが対向して円を形成するように、互い
に向き合って配置されている。また、各入力ディスク1
1,19は各出力ディスク13,21の軸方向外側で入
力軸15に固定されており、各出力ディスク13,21
は互いに背中合わせに出力軸17に固定されている。
【0090】各摩擦ローラ14,22は、入力ディスク
11と出力ディスク13の各摩擦面、入力ディスク19
と出力ディスク21の各摩擦面にそれぞれ押圧されてお
り、前後切り換え機構から入力軸15に伝達された駆動
力は、各摩擦面で発生する摩擦力によって入力ディスク
11,19から各摩擦ローラ14,22を介して出力デ
ィスク13,21に伝達され出力軸17を回転させる。
【0091】このとき、下記のように、CVTコントロ
ーラ253がCVTソレノイドによって摩擦ローラ1
4,22の回転軸を各ディスクの回転軸から僅かに偏芯
させると、ディスクの回転力によって摩擦ローラ14,
22の接触点を外側に押し出す力が生じる。各ディスク
は高速で回転し大きな押し出し力が得られるから、摩擦
ローラ14,22の傾斜角は極めて速いレスポンスで変
化する。
【0092】摩擦ローラ14,22の傾斜角が変わると
各ディスクとの接触円径が変わり、例えば、図3のよう
に、入力ディスク11,19との接触円径が大きくなり
出力ディスク13,21との接触円径が小さくなる方向
に摩擦ローラ14,22を傾斜させれば出力軸17の回
転は増速され、これと反対方向に傾斜させれば減速され
る。
【0093】また、上記のように入力ディスク11,1
9が入力軸15上で互いに向き合って固定され、出力デ
ィスク13,21が出力軸17上で互いに向き合って固
定されているから、摩擦ローラ14,22に押圧されて
各ディスクに生じるスラスト力は、それぞれ入力軸15
と出力軸17で相殺され、外部には影響を与えない。
【0094】出力部9は、ギヤ組23、副軸25などか
ら構成されている。
【0095】副軸25は、入力軸15及び出力軸17と
平行に配置されている。
【0096】ギヤ組23は、出力軸17に固定されたギ
ヤ27と副軸25に固定されたギヤ29からなり、出力
軸17と副軸25とを連結している。
【0097】無段変速部5,7から出力軸17に取り出
された駆動力は、ギヤ組23を介して副軸25を回転さ
せる。
【0098】図1のように、動力分配装置4は、Hig
h−Low切換機構31(以下、Hi−Lo切換機構3
1:副変速機構)、ベベルギヤ式のセンターデフ33、
出力ギヤ組35,37、噛み合いクラッチ39、油圧ア
クチュエータ41などから構成されている。
【0099】トロイダル式無段変速機3の副軸25は前
方からケーシング43に貫入し、中央部をボールベアリ
ング45により、また、後端部をボールベアリング47
によってそれぞれケーシング43に支承されている。
【0100】Hi−Lo切換機構31は、互いにギヤ比
の異なった一対のギヤ組49,51、シンクロ機構5
3、アクチュエータ54などから構成されている。
【0101】ギヤ組49は、互いに噛み合ったギヤ5
5,57から構成され、ギヤ組51は互いに噛み合った
ギヤ59,61から構成されている。
【0102】ギヤ55,59は副軸25上に同軸配置さ
れており、それぞれニードルベアリング63,65によ
って副軸25上に支承されている。また、ギヤ57はセ
ンターデフ33のデフケース67に形成され、ギヤ61
はデフケース67にスプライン連結されている。
【0103】シンクロ機構53は副軸25上に配置され
ており、図1,3のように、カップリングスリーブ6
9、シンクロナイザリング68,70、ギヤ72,74
などから構成されており、ギヤ72,74はギヤ55,
59にそれぞれ連結されている。
【0104】図3のように、カップリングスリーブ69
はアクチュエータ54(例えば、電動ステッピングモー
タ)によりシフトロッド56とシフトフォーク58を介
して移動操作され、ギヤ72と噛み合って副軸25をギ
ヤ組49と連結させるLowポジションと、ギヤ74と
噛み合って副軸25をギヤ組51と連結させるHiポジ
ションを選択する。
【0105】アクチュエータ54、シフトロッド56、
シフトフォーク58、カップリングスリーブ69、シン
クロ機構53、ギヤ組49,51によってHi−Lo切
換機構31の操作手段が構成されている。なお、アクチ
ュエータ54は、図2のように、副軸25の斜め下方に
同軸方向に配置されている。
【0106】ギヤ組49(Lowポジション)が選択さ
れると、副軸25の回転(原動機201の駆動力)は減
速されてデフケース67(センターデフ33)に伝達さ
れ、ギヤ組51(Hiポジション)が選択されると、副
軸25の回転はほぼ等速でデフケース67に伝達され
る。
【0107】なお、Hi−Lo切換機構31のこのよう
な切り換えに先立って、下記のように、クラッチ機構2
03により原動機201と動力伝達装置1とが切り離さ
れ、Hi−Lo切換機構31に駆動負荷の掛からない状
態で円滑な切り換えが行えるようにされる。
【0108】センターデフ33は、デフケース67、ピ
ニオンシャフト71、ピニオンギヤ73、前後のサイド
ギヤ75,77などから構成されている。
【0109】デフケース67はボールベアリング79,
81によってケーシング43に支承されている。ピニオ
ンシャフト71はデフケース67に固定され、ピニオン
ギヤ73はピニオンシャフト71上に支承されている。
また、サイドギヤ75,77はそれぞれピニオンギヤ7
3と噛み合っており、サイドギヤ75は前輪側のドライ
ブシャフト83にスプライン連結され、サイドギヤ77
は後輪側のドライブシャフト85にスプライン連結され
ている。
【0110】ドライブシャフト83はボールベアリング
87,87によってケーシング43に支承され、ドライ
ブシャフト85はニードルベアリング89によってデフ
ケース67に支承され、ボールベアリング91によって
ケーシング43に支承されている。
【0111】デフケース67を回転させる原動機201
の駆動力は、ピニオンシャフト71からピニオンギヤ7
3に伝達されてサイドギヤ75,77に配分され、各ド
ライブシャフト83,85を回転させる。
【0112】出力ギヤ組35は、互いに噛み合ったギヤ
93,95から構成され、出力ギヤ組37は、互いに噛
み合ったギヤ97,99から構成されている。
【0113】ギヤ93はドライブシャフト83に形成さ
れており、ギヤ95は前輪側の連結軸101に形成され
ている。また、ギヤ97はドライブシャフト85に形成
されており、ギヤ99は後輪側の連結軸103に形成さ
れている。図1,3のように、連結軸101,103は
互いに軸方向の反対側に配置され、トロイダル式無段変
速機3と同軸に配置されている。
【0114】連結軸101はケーシング43から前方に
突き出しており、ボールベアリング105,107によ
ってケーシング43に支承されている。連結軸101に
はフランジ109(トルク取り出し部)がスプライン連
結されており、フランジ109とケーシング43との間
には、オイル漏れと異物の侵入を防止するシール111
が配置されている。
【0115】このフランジ109は前輪側のプロペラシ
ャフト205からフロントデフ207に連結されてい
る。
【0116】また、連結軸103はケーシング43から
後方に突き出しており、ボールベアリング113,11
5によってケーシング43に支承されている。連結軸1
03にはフランジ117(トルク取り出し部)がスプラ
イン連結されており、フランジ117とケーシング43
との間には、オイル漏れと異物の侵入を防止するシール
119が配置されている。
【0117】このフランジ117は後輪側のプロペラシ
ャフト217からリヤデフ219に連結されている。
【0118】図2のように、出力ギヤ組35,37は互
いに径方向の反対側に配置されており、ギヤ95と連結
軸101の連結と、ギヤ99と連結軸103の連結は径
方向の反対位置で行われている。なお、図3ではこれら
が径方向の同一位置に描かれている。
【0119】上記のように、センターデフ33からドラ
イブシャフト83に配分された原動機201の駆動力
は、出力ギヤ組35、連結軸101、フランジ109、
プロペラシャフト205からフロントデフ207に伝達
され、左右の前輪213,215に配分される。また、
ドライブシャフト85に配分された駆動力は、出力ギヤ
組37、連結軸103、フランジ117、プロペラシャ
フト217からリヤデフ219に伝達され、左右の後輪
225,227に配分される。
【0120】また、原動機201の駆動力は、トロイダ
ル式無段変速機3の入力ディスク11,19と摩擦ロー
ラ14,22と出力ディスク13,21の間で逆転し、
出力部9で逆転し、Hi−Lo切換機構31とセンター
デフ33との間で逆転し、さらに、出力ギヤ組35,3
7で逆転して各連結軸101,103を正転方向に回転
させる。
【0121】このように、これらの中間回転部材は、各
連結軸101,103を正転方向に回転させるためのア
イドラでもある。
【0122】なお、前輪側サイドギヤ75と後輪側サイ
ドギヤ77を異なった歯数にすると、あるいは、出力ギ
ヤ組35,37を異なったギヤ比にすると、前後輪に伝
達される駆動力の配分比を変えることができる。
【0123】また、悪路などで前後輪の間に駆動抵抗差
が生じると、センターデフ33のピニオンギヤ73が自
転し、駆動力は前輪と後輪に差動配分される。
【0124】噛み合いクラッチ39は、クラッチ部材1
21と前輪側サイドギヤ75との間に設けられている。
クラッチ部材121はデフケース67に移動自在に連結
されており、クラッチ部材121とデフケース67との
間には、クラッチ部材121を噛み合いクラッチ39の
噛み合い解除側に付勢するリターンスプリング123が
配置されている。
【0125】油圧アクチュエータ41は、ケーシング4
3に形成されたシリンダ125とピストン127からな
り、静止側のピストン127と回転側のクラッチ部材1
21との間には、これらの相対回転を吸収するスラスト
ベアリング129とワッシャ131が配置されている。
【0126】シリンダ125はケーシング43に設けら
れたオイル流路133を介してオイルポンプに接続され
ている。
【0127】このオイルポンプからシリンダ125に加
圧オイルが送られると、ピストン127、スラストベア
リング129とワッシャ131を介してクラッチ部材1
21が押圧され、噛み合いクラッチ39が噛み合って、
センターデフ33の差動回転がロックされる。
【0128】また、シリンダ125へのオイル供給を停
止すると、リターンスプリング123によりクラッチ部
材121が移動して噛み合いクラッチ39の噛み合いが
解除され、差動ロックが解除される。
【0129】センターデフ33の差動をロックすると、
悪路や低μ路のように車輪が空転し易い条件でも、前輪
と後輪の空転が防止され、悪路走破性、発進性、加速
性、車体の安定性、直進性などが向上する。
【0130】また、差動ロックを解除すると前後輪の差
動回転がフリーになり、車両の回頭性、旋回性などが向
上すると共に、原動機201の燃費が向上する。
【0131】また、副軸25、ギヤ93、ギヤ97、連
結軸103、連結軸101の軸芯には、それぞれ軸方向
のオイル流路a,b,c,d,eが設けられており、オ
イル流路aは径方向のオイル流路a1,a2と連通し、
オイル流路bは径方向のオイル流路b1,b2と連通
し、オイル流路cは径方向のオイル流路c1,c2と連
通し、オイル流路dは径方向のオイル流路d1と連通
し、オイル流路eは径方向のオイル流路e1,e2と連
通している。
【0132】各オイル流路a2,b2,c2,e2はそ
れぞれ副軸25、ギヤ93、ギヤ97、連結軸101の
端部側に設けられている。
【0133】図2のように、ケーシング43の下方には
オイルが溜められており、そのオイルに下部を浸された
各回転部材によってオイルが掻き上げられる。掻き上げ
られたオイルはオイル流路a2,b2,c2,e2から
それぞれオイル流路a,b,c,eに供給され、オイル
流路a1,b1,c1,e1から遠心力によって周辺に
飛散し、各ギヤの噛み合い部、支承部、摺動部などに与
えられてこれらを充分に潤滑・冷却し、耐久性を向上さ
せる。
【0134】また、トロイダル式無段変速機3の入力軸
15上には、入力軸15によって回転駆動されるオイル
ポンプが配置されており、その吐出オイルはオイルパイ
プd2(図1)からオイル流路dに送られてオイル流路
d1から吹き出され、その周辺部を強制的に潤滑し、冷
却する。
【0135】また、連結軸103にはスピードメータ用
のパルスギヤ102が形成されており、連結軸103の
外周には、ギヤ99と隣接して、パーキングロック用の
ギヤ100が固定されている。
【0136】図6のように、車両の制御系250は、A
BSコントローラ251、CVTコントローラ253、
Hi−Loコントローラ255、車輪速センサ(第2の
検知手段)257,259,261,263、エンジン
回転数センサ265、トロイダル式無段変速機3の入力
ディスク11,19の回転数を検知する入力ディスク回
転数センサ(第1の検知手段)270、シフトポジショ
ンセンサ267、シフトアクチュエータ54、Hi−L
oスイッチ269(検知手段)などから構成されてい
る。
【0137】車輪速センサ257,259はそれぞれ左
右の前輪213,215の回転速度を示す信号をABS
コントローラ251に送り、車輪速センサ261,26
3はそれぞれ左右の後輪225,227の回転速度をA
BSコントローラ251に送る。
【0138】ABSコントローラ251は、これらの信
号に基づいて各車輪の回転速度を算出し、制動時に各車
輪がロックしないように各車輪の制動力を制御する。
【0139】エンジン回転数センサ265は原動機20
1の回転数を示す信号をCVTコントローラ253に送
る。
【0140】CVTコントローラ253は、電動スロッ
トルバルブの開度を制御すると共に、上記のように、C
VTソレノイドによってトロイダル式無段変速機3を変
換操作する。
【0141】Hi−Loコントローラ255は、シフト
ポジションセンサ267からの信号によってHi−Lo
切換機構31が現在HiポジションであるかLowポジ
ションであるかを認識すると共に、運転者が操作するH
i−Loスイッチ269からHi−Lo切り換え信号を
受けると、この信号に従ってシフトアクチュエータ54
に操作信号を送りHi−Lo切換機構31のポジション
を切り換える。
【0142】また、Hi−Loコントローラ255は、
Hi−Lo切換機構31の切り換えに先立って、クラッ
チ機構203の連結を解除し、切り換えが終了するとク
ラッチ機構203を再び連結する。
【0143】図4のフローチャートはこのような制御の
手順を示しており、以下、フローチャートの各ステップ
に従ってこの制御手順を説明する。
【0144】ステップ1では、Hi−Loコントローラ
255が、Hi−Loスイッチ269からの信号によっ
て、運転者がHiからLoまたはLoからHiへの操作
をしたか否かを検知する。
【0145】操作が行われなければ、操作が行われるま
でステップ1を繰り返す。
【0146】また、操作が行われた場合は、ステップ2
へ移行する。
【0147】ステップ2では、CVTコントローラ25
3が電動スロットルバルブを全開にする。
【0148】スロットルバルブを全開にすると、原動機
201の回転数が安定して制御安定性が向上し、また、
原動機トルクがなくなってシンクロ機構の負荷が低減さ
れる。
【0149】ステップ3では、Hi−Loコントローラ
255がクラッチ機構203の連結を解除し、これを検
知する。
【0150】クラッチ機構203の連結を解除すると、
原動機201と動力伝達装置1とが切り離され、Hi−
Lo切換機構31に掛かるトルクが消失して無理な力が
掛からなくなり、切り換えを円滑に行える状態になる。
【0151】ステップ4では、Hi−Loコントローラ
255はHi−Lo切換機構31HiからLoまたはL
oからHiへ切り換え、シフトアクチュエータ54に差
動信号を送る。
【0152】また、このときHi−Lo切換機構31に
僅かな回転差が残っても、シンクロ機構53がこの回転
差を吸収するから、Hi−Lo切換機構31の切り換え
動作は極めて円滑に行われる。
【0153】ステップ5では、Hi−Loコントローラ
255がシフトポジションセンサ267の信号変化を検
知し、Hi−Lo切換機構31の上記の切換が終了した
か否かを判定する。
【0154】信号変化がなければ、Hi−Lo切換機構
31の切換が終了していないと判定し、ステップ4に戻
る。
【0155】また、信号変化があれば、Hi−Lo切換
機構31の切換が終了したと判定してステップ6に移行
する。
【0156】ステップ6では、Hi−Loコントローラ
255がクラッチ機構203を連結し、ステップ1に戻
る。
【0157】こうして、動力伝達装置1が構成されてい
る。
【0158】動力伝達装置1は、上記のように、トロイ
ダル式無段変速機3と動力分配装置4の間に配置された
Hi−Lo切換機構31に対するトルクフローの上流に
クラッチ機構203を配置し、Hi−Loスイッチ26
9によってその切り換えを検知し、切り換えに先立って
クラッチ機構203により原動機201と動力伝達装置
1とを切り離すように構成されている。
【0159】駆動力を遮断するとHi−Lo切換機構3
1に掛かる駆動負荷(トルク)が消失し、切り換え動作
が極めて円滑に行われるから、従来例と異なって、走行
しながらHi−Lo切換機構31を切り換えることがで
きる。
【0160】従って、スタック時、重量物を牽引しなが
らの登坂時と降坂時などでも、車両を停止させる必要が
ないから、停車によって車輪のグリップ力、トラクショ
ンなどが途切れることが防止され、車体を安定に保つこ
とができる。
【0161】また、停車させた後に切り換え操作し再び
発車させる従来の手順に較べて、Hi−Lo切換機構3
1の切り換えに対するドライバーの負担が大きく軽減さ
れる。
【0162】また、Hi−Lo切換機構31を切り換え
る際に僅かな駆動負荷による回転差が残っても、上記の
ように、シンクロ機構53がこの回転差を吸収するか
ら、円滑な切り換え動作に影響を与えない。
【0163】また、このように、シンクロ機構53は僅
かな回転差を吸収するだけであり、負荷が極めて小さい
から、シンクロ機構53に小型で容量の小さいものを用
いても、充分な同期機能が得られる。
【0164】従って、Hi−Lo切換機構31を切り換
えるときの負荷を全て負担する大容量のシンクロ機構を
用いる必要がないから、それに伴う動力伝達装置1の大
型化、重量化、車載性低下、耐久性低下などが避けられ
る。
【0165】また、クラッチ機構203は、上記のよう
に、前後切り換え機構であり、そのニュートラルモード
の機能が、Hi−Lo切換機構31の切り換えに先立っ
て駆動力を遮断するクラッチ機能である。
【0166】このように、クラッチ機能がクラッチ機構
203(前後切り換え機構)に組み込まれているから、
駆動力遮断専用のクラッチ機構を新しく設ける必要がな
くなり、それだけ、動力伝達装置1は少ない部品点数
で、軽量、コンパクトに構成され、低コストで実施でき
る。
【0167】また、クラッチ機構203に多板クラッチ
を用いたことによって、駆動力の断続に伴うショックが
軽減されると共に、クラッチ機構203は小型で充分な
トルク容量が得られ、小さいスペースに配置できる。
【0168】また、トロイダル式無段変速機3を用いた
ことによって、変速時にトルクの途切れが発生せず、変
速ショックのない滑らかな走行が可能であり、アクセル
操作に対するリニアな変速レスポンスが得られ、原動機
201の効率が最も高い条件下で走行できることによっ
て燃費が大きく向上するなど、トロイダル式無段変速機
による多くの利点を享受できる。
【0169】なお、動力伝達装置1では、前後進モード
とニュートラルモードを備えたクラッチ機構203では
なく、駆動力の断続機能だけを備えた既存の発進クラッ
チを駆動力の断続機能(クラッチ機構)に利用すること
ができるから、このように構成すれば、重量化、大型
化、コストの上昇などを伴わずに実施可能になる。
【0170】[第2実施形態]図5,6によって本発明
の第2実施形態を説明する。
【0171】第2実施形態の動力伝達装置は請求項3,
4,5の特徴を備えている。この動力伝達装置は、第1
実施形態の動力伝達装置1において、Hi−Lo切換機
構31の円滑な切り換えを、異なった構成で行うもので
ある。
【0172】第2実施形態の動力伝達装置では、下記の
ように、Hi−Lo切換機構31の切り換え時に、トロ
イダル式無段変速機3を変速操作してHi−Lo切換機
構31の入力側と出力側との回転を同調させ、この状態
でHi−Lo切換機構31の切り換えを完了する。
【0173】図5のフローチャートはこのような制御手
順を示しており、以下、フローチャートの各ステップに
従ってこの制御手順を説明する。
【0174】ステップ1では、CVTコントローラ25
3に、ABSコントローラ251を経由して車輪速セン
サ257,259,261,263(第2の検知手段)
が検知した車速が入力され、また、入力ディスク回転数
センサ270(第1の検知手段)が検知した入力ディス
クの回転数Niが入力される。
【0175】ステップ2では、Hi−Loコントローラ
255が、Hi−Loスイッチ269からの信号によっ
て、運転者がHiからLoまたはLoからHiへの操作
をしたか否かを検知する。
【0176】操作が行われなければステップ1に戻り、
操作が行われた場合はステップ3へ移行する。
【0177】ステップ3では、CVTコントローラ25
3によって電動スロットルバルブが全閉にされ、上記の
ように、原動機201の回転数を安定させると共に、シ
ンクロ機構の負担を低減させる。
【0178】ステップ4では、Hi−Loコントローラ
255がシフトアクチュエータ54にHiまたはLoか
らニュートラル位置への切り換え信号を送る。
【0179】ステップ5では、CVTコントローラ25
3が、車速とHi−Lo切換機構のギヤ比とからHi−
Lo切り換え完了時における出力ディスクの回転数No
を演算する。
【0180】ステップ6では、CVTコントローラ25
3が、現在の入力ディスクの回転数Niとステップ5に
て算出された出力ディスクの回転数Noとからトロイダ
ル式無段変速機3の変速比icvtを、icvt=Ni
/Noによって演算する。
【0181】ステップ7では、CVTコントローラ25
3が、トロイダル式無段変速機3を変速比icvtに変
速する。
【0182】また、トロイダル式無段変速機3を、Hi
−Lo切換機構31の入出力回転数の比(Ni/No)
である目標変速比icvtに変速したことにより、トロ
イダル式無段変速機3の出力ディスク側であってHi−
Lo切換機構31の入力側の回転数と、Hi−Lo切換
機構31の出力側の回転数が同調して、ニュートラル位
置からHiまたはLoへの切り換えを円滑に行える状態
になる。
【0183】ステップ8では、Hi−Loコントローラ
255がシフトアクチュエータ54にニュートラル位置
からHiまたはLoへ切り換えるように信号を送る。
【0184】また、このときHi−Lo切換機構31に
僅かな同調差による回転差が残っても、シンクロ機構5
3がこの回転差を吸収するから、Hi−Lo切換機構3
1の切り換え動作は極めて円滑に行われる。
【0185】ステップ9では、Hi−Loコントローラ
255がシフトポジションセンサ267の信号変化を検
知し、Hi−Lo切換機構31の上記の切換が終了した
か否かを判定する。
【0186】信号変化がなければ、Hi−Lo切換機構
31の切換が終了していないと判定してステップ8に戻
る。
【0187】また、信号変化があれば、Hi−Lo切換
機構31の切換が終了したと判定してステップ1に戻
る。
【0188】このように、第2実施形態の動力伝達装置
では、トランスミッション装置が無段変速可能なトロイ
ダル式無段変速機3であるため、走行中等、トルクの掛
かった状態でHi−Lo切り換え操作が行われても、H
i−Lo切換機構31の入力側と出力側との回転数が同
調するような変速比icvtを選択することが可能とな
る。従って、走行中に運転者がHi−Loスイッチ26
9を操作しても、車両を停止することなく、現在のポジ
ションから選択されたポジションへHi−Lo切換機構
31を変速することが可能になる。
【0189】さらに、Hi−Lo切換機構31の入力側
と出力側との回転数が同調するように変速比をトロイダ
ル式無段変速機3で制御するため、短時間でしかも正確
に入力側回転数と出力側回転数とを制御することができ
る。
【0190】従って、Hi−Lo切り換えの開始から完
了までのを短時間で円滑に行うことができる。
【0191】また、この動力伝達装置は、駆動力遮断用
のクラッチ機構を用いないでも構成できるから、それだ
け少ない部品点数で、軽量、コンパクトに構成され、低
コストで実施できる。
【0192】これに加えて、クラッチ機構203を用い
ずに、トロイダル式無段変速機3の変速操作によりHi
−Lo切換機構31の切り換えを円滑にする効果を除い
て、第2実施形態の動力伝達装置は、第1実施形態の動
力伝達装置1と同等の効果が得られる。
【0193】なお、この第2実施形態では、Hi−Lo
切換機構31がニュートラルになった時点で目標変速比
icvtを演算しているが、運転者がHi−Loスイッ
チ269の操作を行った時点で目標変速比icvtを演
算しても良い。
【0194】また、本発明の請求項1において、クラッ
チ機構の配置箇所は、トルクフロー上で副変速機構の上
流であれば、原動機とトランスミッション装置の間に限
らず、トランスミッション装置と動力分配装置の間に配
置してもよい。
【0195】例えば、各実施形態では、トロイダル式無
段変速機3とHi−Lo切換機構31の間にクラッチ機
構を配置してもよく、これらは各実施形態の変形例にな
る。
【0196】また、上記の両実施形態は、動力伝達装置
を車両に縦置き配置した例であるが、本発明の動力伝達
装置は配置方向の影響を受けないから、横置きに配置し
てもよい。
【0197】また、本発明は、4輪駆動車の動力伝達装
置に限らず、操舵輪側と駆動輪側に駆動力を分配するも
のであればすべての用途に適用可能であり、例えば、6
輪車やクローラを用いた車両にでも適用できる。
【0198】
【発明の効果】請求項1の動力伝達装置は、副変速機構
の切り換えに先立って、その上流に配置したクラッチ機
構で駆動力を遮断することにより、車両を停止させずに
副変速機構の切り換えを円滑に行うことができる。
【0199】従って、スタック時、重量物を牽引しなが
らの登坂時と降坂時などでも、走行しながら副変速機構
を切り換えられるから、停車による車輪のグリップ力、
トラクションなどの途切れなどが防止され、車体の安定
性が高く保たれると共に、停車させた後に切り換え操作
し再び発車させる従来の手順に較べて、ドライバーの負
担が大きく軽減される。
【0200】また、副変速機構が基本的にシンクロ機構
を用いないでも切り換え可能であるから、大容量のシン
クロ機構を用いる必要がなくなり、それに伴う動力伝達
装置の大型化、重量化、車載性低下、耐久性低下などが
避けられる。
【0201】また、駆動力の断続機能を備えた既存の発
進クラッチをクラッチ機構に利用すれば、重量化、大型
化、コスト上昇などを伴わずに動力伝達装置が成立す
る。
【0202】請求項2の動力伝達装置は、請求項1の構
成と同等の効果が得られる。
【0203】また、前後切り換え機構にクラッチ機構
(駆動力の遮断機能)を組み込んだことにより、専用の
クラッチ機構を用いる必要がなくなり、それだけ部品点
数が減少し、軽量、コンパクト、低コストに実施でき
る。
【0204】また、多板クラッチを用いたことにより、
駆動力の断続に伴うショックが軽減されると共に、クラ
ッチ機構は小型で充分なトルク容量が得られ、小さいス
ペースに配置できる。
【0205】請求項3の動力伝達装置は、トランスミッ
ション装置が、原動機の駆動力を無段階に変速可能な無
段変速装置であるため、走行中等、トルクの掛かった状
態で副変速機構の切り換えが行われても、副変速機構の
入力側と出力側の各回転速度が同調するような変速段を
選択することが可能となり、副変速機構は極めて短時間
でしかも正確に切り換えることができ、副変速機構の切
り換えの開始から完了までを短時間で円滑に切り換える
ことができる。
【0206】また、この構成では、駆動力遮断用のクラ
ッチ機構が必要ないから、それだけ少ない部品点数で、
軽量、コンパクト、低コストに実施できる。
【0207】請求項4の動力伝達装置は、請求項1〜3
の構成と同等の効果が得られる。
【0208】また、副変速機構に掛かる僅かなトルク
や、入出力側の間に生じる僅かな同調誤差がシンクロ機
構によって吸収され、副変速機構の切り換えがさらに円
滑になる。
【0209】また、このシンクロ機構に掛かる負荷は極
めて小さく、容量の小さいシンクロ機構で充分な同期機
能が得られ、大型化、重量化、車載性低下、コスト上昇
などが避けられる。
【0210】請求項5の動力伝達装置は、請求項1〜4
の構成と同等の効果が得られる。
【0211】また、トロイダル式無段変速機を用いたこ
の構成は、請求項3の動力伝達装置に最適であり、ま
た、請求項1の動力伝達装置にも適している。
【0212】また、トロイダル式無段変速機による多く
の利点を享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の一部を構成する動力分配装置の
断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】第1実施形態を示すスケルトン機構図である。
【図4】第1実施形態において副変速機構の切り換え前
に駆動力を遮断する制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】第2実施形態において副変速機構の切り換え前
にトロイダル式無段変速機を変速操作する制御手順を示
すフローチャートである。
【図6】各実施形態を用いた4輪駆動車の動力系と制御
系を示すスケルトン機構図である。
【図7】従来例の断面図である。
【図8】他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 動力伝達装置 3 トロイダル式無段変速機(トランスミッション装
置) 4 動力分配装置 11,19 入力ディスク 13,21 出力ディスク 14,22 摩擦ローラ 15 トロイダル式無段変速機の入力軸 17 トロイダル式無段変速機の出力軸(出力側の伝達
部材) 31 Hi−Lo切換機構(副変速機構) 53 シンクロ機構 203 クラッチ機構(前後切り換え機構) 253 CVTコントローラ 255 Hi−Loコントローラ 257,259,261,263 車輪速センサ(第2
の検知手段) 269 Hi−Loスイッチ(検知手段) 270 入力ディスク回転数センサ(第1の検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 政之 静岡県富士市吉原宝町1番1号 ジヤト コ・トランステクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 3D043 AA08 AB17 EA02 EA22 EA35 EA38 EA42 EB03 EB07 EB14 EE02 EE03 EE07 EF02 EF09 EF16 3J051 AA04 AA08 BA03 BB02 BD02 BE09 CB06 ED05 FA01 3J552 MA02 MA09 MA24 NA02 NB01 PA02 PA65 PA67 SA03 SB37 VA22Z VA32W VA32Y VA37W VA62W VA65W VA70W VA74Y VB01Z VB02Z VC03W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機の駆動力を変速するトランスミッ
    ション装置と、その後段に配置され、入力した駆動力を
    前輪側と後輪側に分配する動力分配装置と、原動機と動
    力分配装置の間の駆動力伝達経路上に配置され、2段以
    上の変速段を有する副変速機構と、この副変速機構より
    駆動力伝達系路の上流側に配置され、駆動力を遮断する
    クラッチ機構と、副変速機構の切り換えを事前に検知す
    る検知手段と、検知手段により副変速機の切り換えを事
    前に検知すると、該副変速機構の切り換えに先立ってク
    ラッチ機構に駆動力を遮断させるコントローラとを備え
    ていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明であって、クラッ
    チ機構が、インターナルギヤとプラネタリーギヤキャリ
    ヤとサンギヤを有するプラネタリーギヤ組と、一対の多
    板クラッチと、多板クラッチを選択的に操作し、連結を
    解除するコントローラとを備え、 前記プラネタリーギヤ組の1つのギヤに原動機の駆動力
    を入力し、他の1つのギヤを出力側に連結して、この出
    力側と残りのギヤが多板クラッチによって静止側に選択
    的に連結されることにより、出力側部材に車両の前進方
    向の駆動力が出力される前進モードと、後進方向の駆動
    力が出力される後進モードとの切り換えを行うと共に、
    多板クラッチの連結解除して、駆動力を遮断するニュー
    トラルモードを設けたことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 原動機の駆動力を変速するトランスミッ
    ション装置と、ニュートラル位置とニュートラル位置以
    外に2段以上の変速段を備え、トランスミッション装置
    からの駆動力を変速する副変速機構とを備えた動力伝達
    装置において、前記トランスミッション装置を、原動機
    の駆動力を無段階に変速可能な無段変速装置とすると共
    に、副変速機構からの駆動力を前輪側と後輪側に分配す
    る動力分配装置と、副変速機構の入力側と出力側の各回
    転速度をそれぞれ検知する第1と第2の検知手段と、副
    変速機構の切り換え時に、前記入力側と出力側の各回転
    速度が同調するようにトランスミッション装置を変速操
    作するコントローラとを備えていることを特徴とする動
    力伝達装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載の発明
    であって、副変速機構が、互いに噛み合う部材間の回転
    速度を同期させるシンクロ機構を備えていることを特徴
    とする動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項に記載の発明
    であって、トランスミッション装置が、入力軸に連結さ
    れた入力ディスクと、出力側の伝達部材に連結された出
    力ディスクと、各ディスクと接触する摩擦ローラの揺動
    操作により入力ディスクの回転を変速して出力ディスク
    に伝達するトロイダル式無段変速機であることを特徴と
    する動力伝達装置。
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