JP2002097890A - シールド掘削機の方向制御方法及び方向制御装置 - Google Patents

シールド掘削機の方向制御方法及び方向制御装置

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JP2002097890A
JP2002097890A JP2000292414A JP2000292414A JP2002097890A JP 2002097890 A JP2002097890 A JP 2002097890A JP 2000292414 A JP2000292414 A JP 2000292414A JP 2000292414 A JP2000292414 A JP 2000292414A JP 2002097890 A JP2002097890 A JP 2002097890A
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shield
excavator
controlling
injection
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Toru Watanabe
徹 渡辺
Yoichi Takasuka
洋一 高須賀
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟弱地盤などにおけるシールド掘削機のノー
ズダウンを防止すると共に、方向制御についての微調整
を可能とするシールド掘削機の方向制御装置及び方向制
御方法を提供する。 【解決手段】 シールド掘削機の方向制御装置(10)
が、シールド掘削機(100)の周囲の土砂に対して薬
剤を加圧注入するための注入手段(40)と、薬剤を注
入するための注入ノズル(43)とを備える。そして、
注入手段が、シールド掘削機の掘進作業中に注入ノズル
から薬剤を加圧注入することでシールド掘削機には薬剤
の注入方向と反対方向に反力が働く。この反力を利用す
ることでシールド掘削機の姿勢を制御し、掘進方向を制
御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟弱地盤などにお
けるシールド掘削機のノーズダウンを防止すると共に、
方向制御についての微調整を可能とするシールド掘削機
の方向制御装置及び方向制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるトンネル工法は、掘削する
地山を弛めることが少なく、周辺に及ぼす影響が少ない
シールドトンネル掘削工法(以下、「シールド工法」と
いう。)が一般的となっている。シールド工法に用いら
れるシールド掘削機は、例えば、特開平9−23598
5号公報に示されているように、先端面にカッターディ
スクを備えた筒状の外殻体からなり、この外殻体の内部
において、トンネルの内壁面を覆う覆工体としての、例
えばセグメントリングを組み立てる。そして、シールド
掘削機が備えるシールドジャッキをセグメントの先端面
に押しつけ、このセグメントから掘進反力を得て、これ
を外殻体の後方に押し出すようにしながら順次掘進作業
を行う機械である。
【0003】そして、上述のシールド工法においては、
シールド掘削機を、方向制御を行いながら計画路線に沿
って精度良く前進させてゆく必要があるが、かかるシー
ルド掘削機の方向制御方法としては、例えば、シールド
掘削機の現在位置に関する測量データをもとに、コンピ
ュータが計画路線からのずれ量を計算する。そして、こ
の計算結果から、シールド掘削機の掘進進路をスムーズ
に計画路線に乗せるための予想曲線を算出する。そし
て、この予想曲線に沿ってシールド掘削機のピッチング
値及びストローク値(方位角)を算定し、この算定値に
基づいて、シールド掘削機が備えるシールドジャッキの
駆動を制御することにより、シールド掘削機の方向制御
を行う方法がある。また、急曲線となるトンネル坑を施
工する場合に、シールド本体が前胴と後胴の間で中折れ
する機構(中折れ機構)を備えるシールド掘削機を用い
る場合がある。この場合は、急曲線部分において前胴と
後胴とが形成すべき角度(中折角度)を、施工曲率に基
づいて算出し、シールド掘削機が備える中折れ用ジャッ
キを駆動させ、適切な中折角度を保持した状態で掘進し
ていくという方向制御方法が採られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のコンピ
ュータによる予想曲線の算出は、掘削する地盤の土質や
シールド掘削機の曲がりぐせ等の影響を受けるため、正
確な予想曲線の算出は難しい。従って、実際の掘削作業
においては、シールド掘削機の掘削方向について微調整
を行なう必要がたびたび生じるが、シールドジャッキの
伸縮による方向制御は手間がかかり、また、軟弱地盤に
おいては微調整は難しい。また、中折れ機構を備えるシ
ールド掘削機においても、シールド掘削機が周囲の地山
から受ける拘束により、掘進開始時に指示通りの中折角
度が得られない場合や、掘進中に中折ジャッキの内部リ
ーク等により中折角度が変化してしまう場合もある。
【0005】また、一般的に、シールド掘削機はカッタ
ーディスクを備えた側、つまり前方側に重心が位置して
いるため、上述のような掘進作業を軟弱地盤において行
なう際に、シールド掘削機の前方側がその重みにより後
方側に比べて沈下(ノーズダウン)してしまう場合があ
る。このようなシールド掘削機のノーズダウンを防止す
るためには、地盤の強度を予め高めておく必要があり、
例えば、地上から地盤改良装置を軟弱地盤に垂直に貫入
し、地盤の掘削を行なった後、該掘削部分の土砂の一部
を地上に排出する。そして、排出した土砂と略同量の凝
固剤を掘削部分に注入して、土砂と凝固剤を攪拌混合し
つつ地盤改良装置を引き上げる。その後、凝固剤が徐々
に凝固していくことで、地盤の強度を高めるという工法
が知られている。
【0006】このような地盤改良方法としては、他に
も、盛土による載荷重工法、矢板工法、掘削したトンネ
ル坑の内面部分に薬液を注入する工法等がある。しか
し、一般的に地盤改良工法はいずれも施工に多くの時間
と費用がかかる。また、上述のように、土砂と薬液を攪
拌混合して地盤全体の強度を高める工法を採用する場合
は、シールド掘削機による掘削断面内の地盤の強度まで
が高められることになるため、掘進スピードが低下して
しまうおそれがある。また、トンネル坑の内部から薬液
を注入する工法では、シールド掘削機を一旦停止させる
必要があるため、掘進スピードが低下し、工期が長くな
るという問題があった。
【0007】本発明の課題は、上述の問題を考慮し、軟
弱地盤などにおけるシールド掘削機のノーズダウンを防
止すると共に、方向制御についての微調整を可能とする
シールド掘削機の方向制御方法及び方向制御装置を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1記載のシールド掘削機の方向制御方法は、
シールド工法によりトンネル坑を設けるために用いられ
るシールド掘削機の方向制御方法であって、シールド掘
削機(100)の掘進作業中に、該シールド掘削機の側
方から、該シールド掘削機の周囲の土砂に対して薬剤を
加圧注入することで該シールド掘削機の掘進方向を制御
することを特徴とする。
【0009】請求項1記載のシールド掘削機の方向制御
方法によれば、シールド掘削機の周囲の土砂に対して所
定量の薬剤を加圧注入することで、この薬剤による注入
圧の反作用として、シールド掘削機には薬剤の注入方向
と反対方向に力(反力)が働く。従って、この反力を利
用することによって、シールド掘削機の掘進方向の制御
を行なうことができる。また、シールド掘削機の掘進方
向の制御を行ないながら掘進作業を進めていくことがで
きるので、掘進方向の制御のためにシールド掘削機を停
止させる必要が無くなり、施工性が向上し、工期を短縮
することができる。
【0010】請求項2記載のシールド掘削機の方向制御
方法は、請求項1記載のシールド掘削機の方向制御方法
であって、前記薬剤の加圧注入が、前記シールド掘削機
の下面側であって前記シールド掘削機の重心位置より前
方側において行なわれることを特徴とする。
【0011】請求項2記載のシールド掘削機の方向制御
方法によれば、請求項1と同様の効果を得られると共
に、薬剤の加圧注入がシールド掘削機の重心位置より前
方において行なわれる。従って、加圧注入による反力を
利用することによって、シールド掘削機の前方側を持ち
上げる、つまりピッチに関する微調整を行なうことがで
きる。また、シールド掘削機の前方側を持ち上げること
ができるので、シールド掘削機の前方側が、後方側に比
べて沈下してしまう、いわゆるノーズダウンを防止でき
る。
【0012】請求項3記載のシールド掘削機の方向制御
方法は、請求項1または2記載のシールド掘削機の方向
制御方法であって、前記薬剤が、前記シールド掘削機の
周囲の土砂に注入されることで塑性流動性を備える粘性
体となることを特徴とする。
【0013】請求項3記載のシールド掘削機の方向制御
方法によれば、請求項1または2と同様の効果を得られ
ると共に、シールド掘削機の下面側において、前記薬剤
をシールド掘削機の周囲の土砂に加圧注入しながら掘進
していくものとすれば、土砂と混ざりあった薬剤が凝固
し、シールド掘削機の下面側の地盤の強度を高めること
ができる。従って、シールド掘削機のノーズダウンを防
止する効果をより高めることができる。
【0014】請求項4記載のシールド掘削機の方向制御
装置(10)は、シールド工法によりトンネル坑を設け
るために用いられるシールド掘削機の方向制御装置にお
いて、シールド掘削機(100)の周囲の土砂に対して
薬剤を加圧注入するための注入手段(40)を備え、前
記シールド掘削機の側方に前記薬剤を注入するための注
入ノズル(43)が設けられ、前記注入手段が、前記シ
ールド掘削機の掘進作業中に前記注入ノズルから薬剤を
加圧注入することで前記シールド掘削機の掘進方向を制
御することを特徴とする。
【0015】請求項4記載のシールド掘削機のシールド
掘削機の方向制御装置によれば、シールド掘削機の周囲
の土砂に対して所定量の薬剤を加圧注入することで、こ
の薬剤の注入圧の反作用として、シールド掘削機には薬
剤の注入方向と反対方向に力(反力)が働く。従って、
この反力を利用することによって、例えば、シールド掘
削機の前方側を持ち上げる、つまりピッチに関する微調
整を行なうことができる。また、左右対称に配置されて
いる複数個の注入ノズルのうち、どちらか一方の側(例
えば左側)に位置している複数の注入ノズルのみから薬
剤を加圧注入することでシールド掘削機の前方側を右方
向に向けるような反力が働くので、シールド掘削機の左
右方向(ヨー)に関する微調整を行なうことができる。
また、シールド掘削機の掘進方向の制御を行ないながら
掘進作業を進めていくことができるので、掘進方向の制
御のためにシールド掘削機を停止させる必要が無くな
り、施工性が向上し、工期を短縮することができる。ま
た、シールド掘削機の下面側において、前記薬剤を加圧
注入しながら掘進していくものとすれば、土砂と混ざり
あった薬剤が凝固していき、シールド掘削機の下面側の
地盤の強度が高められる。従って、掘進作業を軟弱地盤
において行なう際に、カッターディスク(101)等の
存在により重たくなっているシールド掘削機の前方側
が、後方側に比べて沈下してしまう、いわゆるノーズダ
ウンを防止できる。
【0016】請求項5記載のシールド掘削機の方向制御
装置は、請求項4記載のシールド掘削機の方向制御装置
において、前記シールド掘削機の姿勢を計測し、姿勢デ
ータとして出力する姿勢計測手段(20)と、前記姿勢
データに基づいて、前記シールド掘削機の姿勢を制御す
る姿勢制御手段(30)とを備え、前記姿勢制御手段
が、前記注入手段による薬剤の注入圧を調節し、前記シ
ールド掘削機の姿勢を制御することで前記シールド掘削
機の掘進方向を制御することを特徴とする。
【0017】請求項5記載のシールド掘削機のシールド
掘削機の方向制御装置によれば、請求項4と同様の効果
を得られると共に、シールド掘削機の方向制御を姿勢制
御手段が自動的に行なうので、施工性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を使用して、本発明にか
かるシールド掘削機の方向制御装置について説明する。
なお、本実施の形態においては、シールド掘削機の方向
制御は通常用いられるシールドジャッキによる制御と、
本発明にかかるシールド掘削機の方向制御装置による制
御とを併用するものとする。即ち、シールド掘削機の停
止時において、該シールド掘削機の駆動を制御する図示
しない駆動制御手段が、シールド掘削機の掘進進路を計
画路線に乗せるための予想曲線を算出すると共に、この
予想曲線に沿って掘進を行なうべく複数のシールドジャ
ッキそれぞれの駆動量(伸縮量)を制御し、掘進作業を
開始する。そして、シールド掘削機の掘進作業中におい
て、本発明にかかるシールド掘削機の方向制御装置が備
える姿勢制御手段が該シールド掘削機の周囲の土砂に薬
剤を加圧注入する。そして、この加圧注入の反作用とし
てシールド掘削機に生ずる反力を利用して、掘進方向の
微調整を行ない、前記予想曲線に沿った掘進作業を行な
うものとする。以下の説明においては、上述したような
通常用いられるシールドジャッキによる掘進方向の制御
については詳しい説明を省略し、本発明にかかるシール
ド掘削機の方向制御装置についておもに説明する。
【0019】図1に示すように、シールド掘削機の方向
制御装置10は、姿勢計測手段20、姿勢制御手段3
0、注入手段40等を備える。
【0020】姿勢計測手段20は、トンネル坑内におい
て掘進作業中のシールド掘削機100(図2を参照。)
の姿勢(ロール値、ピッチ値、ヘディング角度等)を計
測するために設けられる。なお、姿勢計測に用いる装置
としては、例えば、振動ジャイロセンサや磁気センサ等
の周知のセンサを用いるものとする。姿勢計測手段20
が計測したシールド掘削機100の姿勢は、姿勢データ
として後述する姿勢制御手段30に送信される。
【0021】姿勢制御手段30は、前記姿勢データに基
づいて、シールド掘削機100の周囲の土砂に注入する
薬剤の注入圧、注入量及び注入方向(以下、「注入圧等」
という。)を算出すると共に、注入手段40を稼働さ
せ、所定量の薬剤を加圧注入させることでシールド掘削
機100の姿勢を制御し、ひいては、シールド掘削機1
00の掘進方向を制御するために設けられる。
【0022】姿勢制御手段30はRAM31、ROM3
2、CPU33等を備える。RAM31は、前記姿勢計
測手段20から送信される姿勢データを記憶すると共
に、予め入力される掘削地盤の土質に関する情報等を記
憶し、CPU33に出力するために設けられる。ROM
32は、CPU33に薬剤の注入圧等を算出させるため
の姿勢制御プログラムを格納するために設けられる。C
PU33は、前記姿勢制御プログラムに基づいて、前記
姿勢データ及び掘削地盤の土質に関する情報等から、シ
ールド掘削機100の掘進方向を前記予想曲線に沿うよ
うに微調整すべく、必要となる薬剤の注入圧等を算出す
ると共に、後述する注入手段40を稼働させ、該注入手
段40が備える注入ノズル43から所定量の薬剤を加圧
注入させる。
【0023】注入手段40は、シールド掘削機100の
周囲の土砂に対して後述する注入ノズル43から薬剤を
加圧注入するために設けられる。注入手段40は、薬剤
用タンク41、注入ポンプ42、注入ノズル43を備え
る。薬剤用タンク41は、薬剤を貯蔵するために設けら
れ、後述する注入ポンプ42に連結している。薬剤に
は、シールド掘削機100の周囲の土砂に加圧注入さ
れ、土砂と混ざり合うことで塑性流動性を備える粘性体
となる性質を備える薬剤、具体的には、TACスルー
(商品名:タック社製)等を用いる。注入ポンプ42は、
前記姿勢制御手段30によりその稼働が制御され、所定
量の薬剤を加圧し注入ノズル43から排出するために設
けられる。注入ノズル43は、図2(a)、(b)に示
すように、シールド掘削機100の側面側全周であっ
て、シールド掘削機の重心位置Gより前方側(掘進方向
側)に複数設けられる。本実施の形態においては、側面
視した場合に二列の注入ノズル43が前後して配置され
るものとする。そして、注入ノズル43からの薬剤の注
入圧の反作用として、シールド掘削機100には薬剤の
注入方向と反対方向に力(反力)が働く。そして、この
反力を利用することによって、シールド掘削機100の
方向制御を行なう。
【0024】本実施の形態にかかるシールド掘削機の方
向制御装置10によれば、上述のように、シールド掘削
機100の周囲の土砂に対して注入ノズル43から所定
量の薬剤を加圧注入することで、この薬剤の注入圧の反
作用として、シールド掘削機100には薬剤の注入方向
と反対方向に力(反力)が働く。ここで、注入ノズル4
3はシールド掘削機100の重心位置Gより前方に位置
している。従って、この反力を利用することによって、
例えば、シールド掘削機100の下面側に配置されてい
る注入ノズル43から薬剤を加圧注入することでシール
ド掘削機100の前方側を持ち上げる、つまりピッチに
関する微調整を行なうことができる。また、左右対称に
配置されている複数個の注入ノズル43のうち、どちら
か一方の側(例えば左側)に位置している複数の注入ノ
ズル43のみから薬剤を加圧注入することでシールド掘
削機100の前方側を右方向に向けるような反力が働く
ので、シールド掘削機100の左右方向(ヨー)に関す
る微調整を行なうことができる。
【0025】また、シールド掘削機100の下面側か
ら、前記薬剤をシールド掘削機100の周囲の土砂に加
圧注入しながら掘進していくので、土砂と混ざりあった
薬剤が凝固していき、シールド掘削機100の下面側の
地盤の強度が高められる。従って、掘進作業を軟弱地盤
において行なう際に、カッターディスク101等の存在
により重たくなっているシールド掘削機100の前方側
が、後方側に比べて沈下してしまう、いわゆるノーズダ
ウンを防止できる。
【0026】なお、本実施の形態においては、シールド
掘削機100の断面形状が略円形であり、該シールド掘
削機周囲であって、シールド掘削機100の重心位置G
より前方側(掘進方向側)に複数個の注入ノズル43が
設けられるものとしたが、他にも、例えば図3(a)、
(b)に示すように、断面形状が四角形などの多角形
や、馬蹄形のシールド掘削機を用いても良く、また、注
入ノズル43をシールド掘削機100の下面側のみに設
けるものとしても良い。この場合は、シールド掘削機1
00のロールに関する微調整を容易に行なうことができ
ると共に、シールド掘削機100の方向制御装置10を
製作するためのコストを抑えることができる。
【0027】また、本実施の形態においては、図2
(a)に示すように、側面視した場合に二列の注入ノズ
ル43を前後に配置することで、地盤の強度を向上させ
る効果と、掘進方向を制御する効果を高めているが、シ
ールド掘削機の周囲に注入ノズル43を一列のみ配置
し、シールド掘削機の方向制御装置10を製作するため
のコストを抑えることとしても良い。また、注入ノズル
43の位置は、シールド掘削機100の重心位置Gより
後方側に設けても良く、また、前方側と後方側に設ける
ものとしても良い。
【0028】また、薬剤として、複数種類の薬剤が混合
されることで凝固する性質を備えるもの、具体的には、
粘土系材料であるTAC−β溶液(商品名:タック社製)
と水ガラス系凝集材であるTAC−3S(商品名:タッ
ク社製)との混合物等を用いることとしても良い。この
場合は、薬剤用タンク41を複数個設け、各薬剤用タン
ク41に貯蔵される薬剤を、加圧注入する直前に混合す
るものとする。また、前記予想曲線の算出やシールドジ
ャッキの駆動制御を図示しない駆動制御手段が行ない、
薬剤の注入量等の算出と加圧注入を姿勢制御手段30が
行なう、即ち、駆動制御手段と姿勢制御手段30を別体
として設けるものとしたが、これに限らず、駆動制御手
段と姿勢制御手段30とを一体にして設けるものとして
も良い。また、姿勢制御手段30を設けずに、姿勢計測
手段20から得られる姿勢データをもとにオペレータが
注入手段40を稼働させ、薬剤を加圧注入するものとし
ても良い。この場合には、方向制御装置10の製作にか
かるコストを抑えることができる。
【0029】次に、本実施の形態にかかるシールド掘削
機の方向制御方法を説明する。まず、シールド掘削機1
00による掘進中に、姿勢計測手段20が備えるセンサ
がトンネル坑内における該シールド掘削機100の姿勢
(ロール値、ピッチ値、ヘディング角度等)を計測し、
姿勢データとして姿勢制御手段30に送信する。そし
て、姿勢制御手段30が備えるCPU33が、ROM3
2に格納されている姿勢制御プログラムに基づいて、前
記姿勢データ及び掘削地盤の土質に関する情報等から、
シールド掘削機100の掘進方向を微調整するために必
要となる薬剤の注入圧等を算出すると共に、注入手段4
0を稼働させ、注入手段40)が備える注入ノズル43
から所定量の薬剤を加圧注入させる。薬剤の加圧注入に
より、シールド掘削機100には、薬剤の注入方向と反
対方向に反力が働く。そして、この反力を利用すること
によって、シールド掘削機100のピッチやロールに関
する微調整をおこない、シールド掘削機100の掘進方
向の制御を行なう。
【0030】本実施の形態にかかるシールド掘削機の方
向制御方法によれば、シールド掘削機100の掘進方向
の微調整を行ないながら掘進作業を進めていくことがで
きるので、掘進方向の微調整のためにシールド掘削機1
00を停止させる必要が無くなり、施工性が向上し、工
期を短縮することができる。
【0031】また、上述のような、シールドジャッキの
みによる方向制御方法を用いる場合は、軟弱地盤におい
て、掘進方向を変更するために必要となる十分な反力を
確保できないため、掘進方向に対して左右方向又は上下
方向のどちらか一方向の制御しか行なえない場合があ
る。しかし、本実施の形態で示したような、シールドジ
ャッキによる方向制御方法と、薬剤の加圧注入によりシ
ールド掘削機100に生じる反力を利用する方向制御方
法とを併用することで、一工程(シールド掘削機が停止
状態から掘進作業を行ない、再び停止するまでの工程)
において上下方向及び左右方向の両方向についての制御
を行うことができるので作業性が向上する。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載のシールド掘削機の方向制
御方法によれば、薬剤の注入圧に対する反力を利用する
ことによって、シールド掘削機の掘進方向の制御を行な
うことができる。また、掘進方向の制御のためにシール
ド掘削機を停止させる必要が無くなり、施工性が向上
し、工期を短縮することができる。
【0033】請求項2記載のシールド掘削機の方向制御
方法によれば、請求項1と同様の効果を得られると共
に、加圧注入による反力を利用することによって、シー
ルド掘削機の前方側を持ち上げる、つまりピッチに関す
る微調整を行なうことができる。また、シールド掘削機
の前方側が、後方側に比べて沈下してしまう、いわゆる
ノーズダウンを防止できる。
【0034】請求項3記載のシールド掘削機の方向制御
方法によれば、請求項1または2と同様の効果を得られ
ると共に、シールド掘削機のノーズダウンを防止する効
果をより高めることができる。
【0035】請求項4記載のシールド掘削機のシールド
掘削機の方向制御装置によれば、シールド掘削機の前方
側を持ち上げる、つまりピッチに関する微調整を行なう
ことができる。また、シールド掘削機の左右方向(ヨ
ー)に関する微調整を行なうことができる。また、掘進
方向の制御のためにシールド掘削機を停止させる必要が
無くなり、施工性が向上し、工期を短縮することができ
る。また、ノーズダウンを防止できる。
【0036】請求項5記載のシールド掘削機のシールド
掘削機の方向制御装置によれば、請求項4と同様の効果
を得られると共に、施工性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるシールド掘削機の方向制
御装置を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかるシールド掘削機を示す要
部縦断面図(a)及び要部横断面図(b)である。
【図3】他のシールド掘削機の一例を示す要部横断面図
(a)、(b)である。
【符号の説明】
10 シールド掘削機の方向制御装置 20 姿勢計測手段 30 姿勢制御手段 40 注入手段 43 注入ノズル 100 シールド掘削機 101 カッターディスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド工法によりトンネル坑を設ける
    ために用いられるシールド掘削機の方向制御方法であっ
    て、 該シールド掘削機の掘進作業中に、該シールド掘削機の
    側方から、該シールド掘削機の周囲の土砂に対して薬剤
    を加圧注入することで該シールド掘削機の掘進方向を制
    御することを特徴とするシールド掘削機の方向制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシールド掘削機の方向制
    御方法であって、 前記薬剤の加圧注入が、前記シールド掘削機の下面側で
    あって前記シールド掘削機の重心位置より前方側におい
    て行なわれることを特徴とするシールド掘削機の方向制
    御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のシールド掘削機
    の方向制御方法であって、 前記薬剤が、前記シールド掘削機の周囲の土砂に注入さ
    れることで塑性流動性を備える粘性体となることを特徴
    とするシールド掘削機の方向制御方法。
  4. 【請求項4】 シールド工法によりトンネル坑を設ける
    ために用いられるシールド掘削機の方向制御装置におい
    て、 シールド掘削機の周囲の土砂に対して薬剤を加圧注入す
    るための注入手段を備え、 前記シールド掘削機の側方に前記薬剤を注入するための
    注入ノズルが設けられ、前記注入手段が、前記シールド
    掘削機の掘進作業中に前記注入ノズルから薬剤を加圧注
    入することで前記シールド掘削機の掘進方向を制御する
    ことを特徴とするシールド掘削機の方向制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシールド掘削機の方向制
    御装置において、 前記シールド掘削機の姿勢を計測し、姿勢データとして
    出力する姿勢計測手段と、 前記姿勢データに基づいて、前記シールド掘削機の姿勢
    を制御する姿勢制御手段とを備え、 前記姿勢制御手段が、前記注入手段による薬剤の注入圧
    を調節し、前記シールド掘削機の姿勢を制御することで
    前記シールド掘削機の掘進方向を制御することを特徴と
    するシールド掘削機の方向制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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