JP2002097361A - ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いてなるシート、プラスチックカード - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いてなるシート、プラスチックカード

Info

Publication number
JP2002097361A
JP2002097361A JP2000292265A JP2000292265A JP2002097361A JP 2002097361 A JP2002097361 A JP 2002097361A JP 2000292265 A JP2000292265 A JP 2000292265A JP 2000292265 A JP2000292265 A JP 2000292265A JP 2002097361 A JP2002097361 A JP 2002097361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
sheet
parts
polyester resin
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000292265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4612165B2 (ja
Inventor
Masahiko Yoshimura
政彦 吉村
Akira Yamamoto
山本  明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2000292265A priority Critical patent/JP4612165B2/ja
Publication of JP2002097361A publication Critical patent/JP2002097361A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4612165B2 publication Critical patent/JP4612165B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、エンボス加工性、耐衝撃性に優れ、
車載可能な、特にETCに好適なクレジットカード、キ
ャッシュカード等各種カードに好適なポリエステル樹脂
組成物及びこれを用いてなるシート、プラスチックカー
ドを提供する。 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂10〜70
質量%、PETを主体とするポリエステル樹脂10〜7
0質量%、ポリアリレート樹脂5〜40質量%からなり
合計100質量%とした混合ポリエステルと有機リン化
合物とからなり、リン含有量が10〜3000ppm、
ガラス転移温度が100〜160℃であるポリエステル
樹脂組成物及びこれを用いてなるシート、プラスチック
カード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、耐衝撃性、
エンボス加工性に優れ、クレジットカード、キャッシュ
カード等各種カードに好適なポリエステル樹脂組成物、
及びこれを用いてなるシート、プラスチックカードに関
する。
【0002】
【従来の技術】クレジットカードやキャッシュカード等
の各種カードにおいては、所有者の識別を行うために個
人名や登録番号がエンボス加工により打ち出されてい
る。従来はこれらのカードには塩化ビニル樹脂が用いら
れていたが、塩化ビニル樹脂はカードを焼却処分する
際、有毒なダイオキシンや塩素ガスを発生するため環境
への悪影響が指摘されている。
【0003】燃焼時に有毒なガスの発生しない組成物と
して、特開2000−153594号公報にポリエステ
ル樹脂製ICカードが提案されている。このカードは、
有毒ガスの発生がなく、リサイクル性、機械的強度、エ
ンボス加工性に優れているが、自動車内などの高温環境
下で使用される場合には、耐熱性が不足して、カードの
変形、エンボス加工のもどりなどが生じるため使用が制
限されている。特に高速料金自動収受システム(ET
C)など、車中でカードが機器に挿入したままの状態で
使用される場合には、常に80〜90℃という高温に晒
されるために、上記のような原因による読み取りエラー
が生じやすい。
【0004】これに対して特開平1−130994号公
報ではポリカーボネート樹脂製カードが提案されてい
る。ポリカーボネート樹脂製のカードは、燃焼時に有毒
なガスを発生せず、リサイクル性、機械的強度、耐衝撃
性、耐熱性に優れている。しかしエンボス加工を施した
場合に、カードにそりが生じやすいという問題点があっ
た。
【0005】このように、耐熱性、エンボス加工性、耐
衝撃性をいずれも満足し、車載可能で、特にETC用と
しても好適なプラスチックカード用材料はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐熱
性、エンボス加工性、耐衝撃性に優れたポリエステル樹
脂組成物及びこれを用いてなるシート、プラスチックカ
ードを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂、PETを主体
とするポリエステル樹脂にポリアリレート樹脂及び少量
の有機リン化合物を配合してなるポリエステル樹脂組成
物が耐熱性、エンボス加工性に優れることを見出し、本
発明に至ったものである。すなわち本発明は、芳香族ポ
リカーボネート樹脂10〜70質量%、PETを主体と
するポリエステル樹脂10〜70質量%、ポリアリレー
ト樹脂5〜40質量%からなり合計100質量%とした
混合ポリエステルと、有機リン化合物とからなり、リン
含有量が10〜3000ppm、ガラス転移温度が10
0〜160℃であるポリエステル樹脂組成物を要旨とす
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステル樹脂
組成物は芳香族ポリカーボネート樹脂10〜70質量
%、PETを主体とするポリエステル樹脂10〜70質
量%、ポリアリレート樹脂5〜40質量%からなり合計
100質量%とした混合ポリエステルをその主成分とす
る。
【0009】芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、「P
C樹脂」と略す)の配合量は10〜70質量%であるこ
とが必要で、20〜50質量%であることがより好まし
い。10質量%未満であると耐熱性、耐衝撃性が低下
し、また70質量%を超えるとエンボス加工性が著しく
低下する。
【0010】PETを主体とするポリエステル樹脂(以
下、「PET系樹脂」と略す)の配合量は10〜70質
量%であることが必要で、20〜50質量%であること
がより好ましい。10質量%未満であるとエンボス加工
性が低下し、また70質量%を超えると耐熱性が著しく
低下する。
【0011】ポリアリレート樹脂(以下、PAR樹脂と
略す)の配合量は5〜40質量%であることが必要で、
10〜40質量%であることがより好ましい。5質量%
未満であると、耐熱性が低下するほか、ポリエステル樹
脂組成物を用いてプラスチックカードを製作する際に発
泡し、押出安定性が低下する。また40質量%を超える
と残留応力が大きくなりエンボス加工性が低下する。
【0012】また本発明におけるポリエステル樹脂組成
物には、リン含有量が10〜3000ppmとなるよう
に有機リン化合物を配合することが必要であり、10〜
2000ppmとすることが好ましい。上記特定量のリ
ン含有量となるようにリン化合物を配合することで、ポ
リエステル樹脂組成物の熱安定性が高まり、シート化等
の加熱溶融を伴なう工程において色調低下が抑制される
他、詳細な理由は不明であるが、本発明に特有の顕著な
効果としてPC樹脂と他の2種のポリエステル樹脂間の
エステル交換反応が適度に抑制される。その結果、3種
の樹脂間の相溶性を損なうことなしに、PC樹脂のカー
ボネート成分に由来する炭酸ガスの発生が効果的に抑え
られ、混練時の発泡を顕著に防止できるという効果を奏
する。リン含有量が10ppm未満であると、混練時に
色調が悪化したり発泡が生じやすく、また3000pp
mを超えると、各構成樹脂間の相溶性が悪化してバラス
効果が発現し、それぞれ押出安定性が低下する。
【0013】本発明のポリエステル樹脂組成物のガラス
転移温度は100〜160℃の範囲であることが必要で
あり、115〜150℃であることが好ましい。100
℃未満の場合には、耐熱性が不十分となり加熱時の変形
量が大きくなる。また、160℃を超えるとエンボス加
工時のそりが大きくなる。
【0014】本発明のポリエステル樹脂組成物は、後述
する方法で測定した引張試験において、伸度が60%以
上あり、かつ伸度60%における残留応力値が60MP
a以下であることが好ましく、48〜60MPaの範囲
であることがより好ましい。伸度60%未満で破断する
場合には、エンボス加工性時に割れなどが発生しやす
い。残留応力値が60MPaを超えると、エンボス加工
時にそりが大きくなり実用に供することが困難となる。
なお、ポリエステル樹脂組成物の残留応力とカードのエ
ンボス加工時のそりや割れが対応することについて詳細
な理由は不明であるが、エンボス加工時にカードに与え
られた歪みが残留応力を発生させ、それによってそりが
引き起こされるためと考えられる。
【0015】本発明のポリエステル樹脂組成物は、後述
の方法で測定した50%破壊エネルギーが25J以上で
あることが好ましく、40J以上であることがより好ま
しい。
【0016】本発明で使用されるPC樹脂とは、二価フ
ェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融
法により反応させて得られる。二価フェノ−ル類として
は、ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、ビスフェノールS[4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン]、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
ケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等
が挙げられるが、ビスフェノールAが特に好ましい。ま
た、これらは単独で使用してもよいし、2種類以上混合
して使用してもよい。さらに、前記のビスフェノール類
はパラ体であるが、オルソ体もしくはメタ体のビスフェ
ノール類を使用してもよく、これらビスフェノール類に
エチレングリコール、プロピレングリコール等の共重合
成分を含んでもよい。
【0017】カーボネート前駆体とはカーボネートハラ
イド、カルボニルエステルまたはハロホルメート等が挙
げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネー
ト、二価フェノールのジハロホルメート及びそれらの混
合物である。また、これらは単独で使用してもよいし、
2種類以上混合して使用してもよい。また、適当な分子
量調節剤、分岐剤、反応を促進するための触媒等も使用
できる。芳香族ポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.
40〜1.00dl/gにあるものが望ましい。極限粘
度は0.40未満の芳香族ポリカーボネート樹脂では実
用に供することのできる強度を有したシ−トを得ること
ができない。
【0018】本発明において、PETを主成分とするポ
リエステル樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート又は
これを主成分とした共重合ポリエステルを意味する。実
用に供することのできる強度を有したシ−トを得るため
には、極限粘度は0.60dl/g以上であることが好
ましく、0.70〜1.20dl/gであることがより
好ましい。
【0019】上記のPET系樹脂として共重合ポリエス
テルを用いる場合には、耐熱性等を考慮すると、ポリエ
チレンテレフタレート成分が80モル%以上、好ましく
は95モル%以上であることが好ましい。テレフタル酸
成分以外の酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタレンジ
カルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
成分、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等
の脂肪族ジカルボン酸成分、p−オキシ安息香酸、ε−
カプロラクトン等のオキシカルボン酸成分のほか、2,
5−ジブロムテレフタル酸、トリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸等を共重合することができ、また
エチレングリコール以外のアルコ−ル成分として、ジエ
チレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、プロピレ
ングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プ
ロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペ
ンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル成分、1,4−シク
ロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサンジエ
タノ−ル等の脂環式ジオ−ル成分、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6−ナフタレンジ
オ−ル、ハイドロキノン、レゾルシン等の芳香族ジオ−
ル成分、ビスフェノ−ルAやビスフェノ−ルSのエチレ
ンオキサイド付加物等の芳香族環を有するジオ−ル成分
を共重合することができる。
【0020】本発明で使用されるPAR樹脂は、芳香族
ジカルボン酸またはその誘導体と二価フェノ−ル類との
重合により得られる芳香族ポリエステルであり、その極
限粘度は0.40〜1.00dl/gの範囲にあるもの
が好ましい。
【0021】芳香族ジカルボン酸の好ましい例として
は、テレフタル酸成分及び/又はイソフタル酸成分が挙
げられるが、特にテレフタル酸成分とイソフタル酸成分
の混合物を用いると、得られるPARの溶融加工性の面
で好ましい。かかる混合物においては、任意にその混合
比を選ぶことができるが、テレフタル酸成分/イソフタ
ル酸成分=9/1〜1/9(モル比)が好ましく、特に
溶融加工性及び性能面から7/3〜3/7(モル比)、
さらに5/5(モル比)がより好ましい。
【0022】二価フェノ−ル類としては、ビスフェノー
ルA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、ビスフェノールS[4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン]、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる
が、ビスフェノールAが特に好ましい。また、これらは
単独で使用してもよいし、2種類以上混合して使用して
もよい。さらに、前記のビスフェノール類はパラ体であ
るが、オルソ体もしくはメタ体のビスフェノール類を使
用してもよく、これらビスフェノール類にエチレングリ
コール、プロピレングリコール等の共重合成分を含んで
もよい。
【0023】PAR樹脂の好ましい例としては、テレフ
タル酸クロリド/イソフタル酸クロリド=1/1(モル
比)とビスフェノールAとの界面重合法により得られる
ポリマーが挙げられる。
【0024】本発明で使用される有機リン化合物は、亜
リン酸又はリン酸のエステル化合物が好ましい。好まし
い亜リン酸エステルとしては、トリフェニルホスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリエチ
ルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(ト
リデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチル
ヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスフ
ァイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、
ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルオレ
イルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲ
ンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコー
ルジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ
(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニル
ジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、
ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリ
ルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビス
フェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマ
ー、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー、ビス
(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチルー
4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)オクチルホスファイト、トリス(モノ、ジノ
ニルフェニル)ホスファイト、4,4−ブチリデンービ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシ
ルホスファイト)、1,1,3−ブチリヂン−トリス
(3−メチルー6−t−ブチル−ジトリデシルホスファ
イト)、ビス(2,4−ジキュメルフェニル)ペンタエ
リスリトール−ジ−ホスファイトなどが挙げられる。
【0025】また好ましいリン酸エステルとしては、エ
チルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェー
ト、ブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッド
ホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェー
ト、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシ
ッドホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ート、エチレングリコールアシッドホスフェート、(2
−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェ
ートなどが挙げられる。
【0026】上記した亜リン酸又はリン酸のエステル化
合物の中で、ブチルアシッドホスフェート、トリフェニ
ルホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−イソ
プロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(ノニル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジス
テアリルペンタエリスリトールジホスファイトが、シー
ト化時の操業安定性の改善効果が高く、特に好ましい。
【0027】本発明におけるポリエステル樹脂組成物を
製造する方法としては、例えば、PC樹脂、PET系樹
脂、PAR樹脂及び有機リン化合物と触媒とをタンブラ
ーブレンダー等のブレンダーを用いて混合した後、溶融
混練し、一軸押出機もしくは二軸押出機を用いてペレッ
ト状にする方法が挙げられる。
【0028】本発明におけるポリエステル樹脂組成物の
製造にあたっては、PAR樹脂成分の一部又は全部を、
予めPC樹脂又はPET系樹脂とアロイ化しておき、こ
れを原料として他の単体樹脂と溶融混練する方法が挙げ
られる。すなわち、PC樹脂とPAR樹脂を各種のブレ
ンダーを用いて混合した後、一軸押出し機もしくは二軸
押出機を用いて280〜330℃でアロイ化し、一方、
PET系樹脂とPAR樹脂を各種のブレンダーを用いて
混合した後、一軸押出し機もしくは二軸押出機を用いて
260〜300℃でアロイ化する。これら2種のアロイ
化樹脂のうち、少なくとも一方のアロイ化樹脂と残りの
単体樹脂を配合するという方法である。本発明において
は、上記2種のアロイ化樹脂の両方を用いることが、押
出安定性を得るためにより好ましく、このとき、PAR
樹脂の全成分をアロイ化して配合することが特に好まし
い。上記のような方法を用いると、アロイ化された樹脂
が仲立ちとなって、押出機等の内部において短時間で3
種類の樹脂成分の混合が進行し、結果としてバラス効果
が低減され、生産性を一段と高めることができる。
【0029】有機リン化合物は、アロイ化樹脂にあらか
じめ添加しておいてもよく、また単体樹脂を配合する工
程で添加してもよい。
【0030】なお、上記の製造において、エステル交換
度を制御するために、交換反応を促進する触媒を使用す
ることもできる。こうした例として、酢酸ナトリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の
化合物が挙げられ、中でも、酢酸ナトリウムが好まし
い。
【0031】本発明のポリエステル樹脂組成物には、そ
の効果を損なわない範囲において、各種無機充填材を配
合することもできる。このような充填剤としては、タル
ク、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭酸カル
シウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の板状又は粒状の
無機充填材、ガラス繊維、炭素繊維、ワラストナイト、
ウィスカーなどの繊維状充填材が挙げられる。
【0032】さらに、本発明においては、昨今の環境問
題を配慮して、リサイクルされた芳香族ポリカーボネー
ト樹脂、PETを主体とするポリエステル樹脂、ポリア
リレート樹脂を用いてもよい。
【0033】本発明のポリエステル組成物をシート化す
る方法は特に限定されないが、例えば、所定の質量比に
調整しながら、Tダイを備えた押出シート成形装置で2
50〜280℃にて溶融押出し、冷却ローラーで冷却す
ることによりシートを得ることができる。さらに、同種
又は異種のシートと積層化することもでき、ウレタン
系、エポキシ系、アクリル系、ビニル系、アミド系等の
接着剤による接着積層法や、温度100〜200℃の条
件で熱融着する方法などが挙げられる。
【0034】本発明のプラスチックカードは、上記のよ
うに得られたシートを従来公知の方法を用いて打ち抜
き、カッティング、裁断等の工程により得られる。本発
明のシートの平均厚みは、特に限定されないが、カード
として使用するにあたっては0.3〜1.5mmの範囲
が好適であり、さらに好ましくは0.4〜1.2mmで
ある。
【0035】また、厚みを50〜300μmとすること
で、カードのオーバーレイフィルムにも使用することが
できる。この場合、光線透過率が85%以上であること
が好ましい。
【0036】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。なお実施例における各種物性値の測定
は、以下の方法により実施した。 (1)極限粘度 フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン混合溶媒(質
量比6/4)を用い、温度20℃で測定した。 (2)衝撃強度 原料を射出成形機(東芝機械社製IS−100)に供給
し、温度260℃で縦7cm、横5cm、厚み1mmの
プレートを成形した。このプレートを用いて落錘衝撃試
験機(東洋精機社製H−100、荷重1〜2kg)によ
り落錘衝撃試験を行い、50%破壊エネルギーを求め
た。 (3)残留応力 原料を射出成形機(東芝機械社製IS−100)に供給
し、温度260℃で1号ダンベル片を成形した。このダ
ンベル片について島津製作所社製オートグラフAG−2
00を用いて引張試験を行ない、図1に示した応力−伸
度曲線を得、これによって引張伸度60%における残留
応力値を求めた。なお、以下の実施例、比較例において
は、いずれも伸度は60%以上であった。 (4)ガラス転移温度[Tg](℃) 前記(3)で作成した1号ダンベル片から樹脂を採取
し、示差走査型熱量計(島津製作所社製、DT−40)を
用いて、昇温速度20℃/分で測定し、2ndscan
の値を求めた。 (5)押出安定性 原料をシート押出装置(日本製鋼所社製)に供給し、シ
リンダーからTダイまでの押出温度を260℃として、
押出しを行い、幅50cm、平均厚み0.8mmのシー
トを得る工程において、発泡及びバラス効果の有無によ
り押出安定性を評価した。 ×:バラス効果、又は発泡が激しく、シートを安定生産
できなかった。 △:バラス効果が若干発生したが、シートを得ることが
できた。 ○:バラス効果も発泡も生じず、シートを安定生産でき
た。 (6)エンボス割れ 得られたシートをJISX9001に準拠し、縦5.0
cm、横8.0cmにカード状に裁断した。クスダ機械
社製エンボッサーを用いて、このカード状シート基材の
左端から10mm、下端から10mmの位置から右に向
かって「12345678900987654321」
という特定の数字をエンボスした。20個エンボス加工
した際に、割れの発生した個数で評価した。 (7)エンボスそり 上記(6)記載のようにエンボス加工を施したカードの
そりをダイヤルゲージ(ミツトヨ社製)にて測定し、2
0個の平均値で表した。 (8)熱変形量 上記(6)記載のようにエンボス加工を施したカードを
90℃に調整した熱風乾燥機で10時間処理し、カード
の変形量をダイヤルゲージ(ミツトヨ社製)にて測定
し、20個の平均値で表した。
【0037】使用した樹脂原料を記載する。 (1)ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記
す) ・ユニチカ社製NEH−2031(極限粘度0.70d
l/g) (2)ポリアリレート(以下、PARと記す) ・ユニチカ社製Uポリマー(極限粘度0.57dl/
g) (3)ポリカーボネート ・住友ダウ社製カリバーK200−30(極限粘度0.
44dl/g) 以下、PC(1)と記す。 ・住友ダウ社製カリバーK200−13(極限粘度0.
50dl/g) 以下、PC(2)と記す。上記の樹脂原料を用いて、ア
ロイ化樹脂を製造した。
【0038】アロイ化樹脂の製造例1 PET60質量部とPAR40質量部に酢酸ナトリウム
0.1質量部を添加して、二軸押出機(東芝機械社製T
EM−37BS)を用いて、押出温度280℃で溶融ブ
レンドした後、ストランド状に押し出し、ガラス転移点
95℃を有するポリエステル(以下、A(1)と記す)
を得た。
【0039】アロイ化樹脂の製造例2 PC(2)70質量部とPAR30質量部とを二軸押出
機(東芝機械社製TEM−37BS)を用いて、押出温度
290℃で溶融ブレンドした後、ストランド状に押し出
し、ガラス転移点165℃を有するポリエステル(以
下、B(1)と記す)を得た。
【0040】アロイ化樹脂の製造例3 PC(2)50質量部とPAR50質量部とを二軸押出
機(東芝機械社製TEM−37BS)を用いて、押出温度
310℃で溶融ブレンドした後、ストランド状に押し出
し、ガラス転移点175℃を有するポリエステル(以
下、B(2)と記す)を得た。
【0041】表1にアロイ化樹脂の組成を示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1 Tダイを備えた押出シート成形装置(日本製鋼所社製)
のシリンダーに、A(1)13質量部、B(1)50質
量部、PET32質量部、PC(1)5質量部、ビス
(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト(旭電化製アデカスタブPEP−4)0.4質量部
(リン含有量392ppmに相当する)を供給し、シリ
ンダーからTダイまでの押出温度を260℃で押し出
し、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得
た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかっ
た。このシートを用いてカードを作成し、エンボス割れ
の評価を行ったところ、割れは生じなかった。エンボス
そりは1.4mm、熱変形量は1.4mmであった。ま
た、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて
260℃で射出成形を行い、縦7cm、横5cm、厚み
1mmのプレート、及び1号ダンベル片を得、衝撃強
度、残留応力、Tgを測定した。
【0044】実施例2 原料として、A(1)75質量部、B(2)10質量
部、PET5質量部、PC(1)10質量部、ブチルア
シッドホスフェート(城北化学製JP−504)0.0
6質量部(リン含有量102ppmに相当する)を供給
した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50
cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化
においては発泡もバラス効果も生じなかった。このシー
トを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたも
のと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種
評価を行った。
【0045】実施例3 原料として、A(1)10質量部、B(1)53質量
部、PET24質量部、PC(1)13質量部、トリフ
ェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)
0.4質量部(リン含有量400ppmに相当する)を
供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅
50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シー
ト化においては発泡もバラス効果も生じなかった。この
シートを用いてカードを作成し、また、シート化に用い
たものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、
各種評価を行った。
【0046】実施例4 原料として、A(1)50質量部、B(2)20質量
部、PET10質量部、PC(1)20質量部、2,2
−メチレンビス(4,6−ジーt−ブチルフェニル)オ
クチルホスファイト(旭電化製アデカスタブHP−1
0)0.2質量部(リン含有量106ppmに相当す
る)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行
い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得
た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかっ
た。このシートを用いてカードを作成し、また、シート
化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作
成して、各種評価を行った。
【0047】実施例5 原料として、A(1)10質量部、B(1)70質量
部、PET9質量部、PC(1)11質量部、テトラ
(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニル
ジホスファイト(旭電化製アデカスタブ1500)1.
2質量部(リン含有量669ppmに相当する)を供給
した他は実施例1同様にしてシート化を行い、幅50c
m、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化に
おいては発泡もバラス効果も生じなかった。このシート
を用いてカードを作成し、また、シート化に用いたもの
と同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評
価を行った。
【0048】実施例6 原料として、A(1)60質量部、B(2)12質量
部、PET19質量部、PC(1)9質量部、トリフェ
ニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.
03質量部(リン含有量30ppmに相当する)を供給
した他は実施例1同様にしてシート化を行い、幅50c
m、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化に
おいては発泡もバラス効果も生じなかった。このシート
を用いてカードを作成し、また、シート化に用いたもの
と同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評
価を行った。
【0049】実施例7 原料として、A(1)5質量部、B(1)33質量部、
PET25質量部、PC(1)37質量部、4,4−ブ
チリデンービス(3−メチルー6−t−ブチルフェニル
ージトリデシルホスファイト)(旭電化製アデカスタブ
260)1.8質量部(リン含有量900ppmに相当
する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を
行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得
た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかっ
た。このシートを用いてカードを作成し、また、シート
化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作
成して、各種評価を行った。
【0050】実施例8 原料として、A(1)3質量部、B(1)20質量部、
PET31質量部、PC(1)46質量部、1,1,3
−ブチリヂンートリス(3−メチルー6−t−ブチルフ
ェニルージトリデシルホスファイト)(旭電化製アデカ
スタブ522A)2.6質量部(リン含有量1321p
pmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にして
シート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmの
シートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も
生じなかった。このシートを用いてカードを作成し、ま
た、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて
成形品を作成して、各種評価を行った。
【0051】実施例9 原料として、B(1)50質量部、PET40質量部、
PC(1)5質量部、PAR5質量部、酢酸ナトリウム
0.1質量部、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト(旭電化製アデカスタブPEP−
4)0.4質量部(リン含有量392ppmに相当す
る)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行
い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得
た。シート化においては、バラス効果のため若干不安定
になるところもあった。このシートを用いてカードを作
成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料
を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0052】実施例10 原料として、A(1)40質量部、PET16質量部、
PC(1)40質量部、PAR4質量部、酢酸ナトリウ
ム0.1質量部、ジステアリルペンタエリスリトールジ
ホスファイト(旭電化製アデカスタブPEP−8)0.
6質量部(リン含有量508ppmに相当する)を供給
した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50
cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化
においては、バラス効果のため若干不安定になるところ
もあった。このシートを用いてカードを作成し、また、
シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形
品を作成して、各種評価を行った。
【0053】実施例11 原料として、PET40質量部、PC(1)40質量
部、PAR20質量部、酢酸ナトリウム0.1質量部、
テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフ
ェニルジホスファイト(旭電化製アデカスタブ150
0)1.2質量部(リン含有量669ppmに相当す
る)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行
い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得
た。シート化においては、バラス効果のため若干不安定
であった。このシートを用いてカードを作成し、また、
シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形
品を作成して、各種評価を行った。
【0054】比較例1 原料として、PC(1)100質量部、トリフェニルホ
スファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.1質量
部(リン含有量100ppmに相当する)を供給した他
は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、
平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化におい
ては発泡もバラス効果も生じなかった。このシートを用
いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同
一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を
行った。
【0055】比較例2 原料として、A(1)3質量部、B(1)20質量部、
PET11質量部、PC(1)66質量部、トリフェニ
ルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)2.0
質量部(リン含有量2000ppmに相当する)を供給
した他は実施例1同様にしてシート化を行い、幅50c
m、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化に
おいてはバラス効果が若干現れたが、ほぼ安定してい
た。このシートを用いてカードを作成し、また、シート
化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作
成して、各種評価を行った。
【0056】比較例3 原料として、A(1)75質量部、B(2)10質量
部、PET15質量部、トリフェニルホスファイト(旭
電化製アデカスタブTPP)0.03質量部(リン含有
量30ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同
様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.8
0mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラ
ス効果も生じなかった。このシートを用いてカードを作
成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料
を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0057】比較例4 原料として、PET100質量部、トリフェニルホスフ
ァイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.02質量部
(リン含有量20ppmに相当する)を供給した他は実
施例1同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚
み0.80mmのシートを得た。シート化においては発
泡もバラス効果も生じなかった。このシートを用いてカ
ードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合
比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行っ
た。
【0058】比較例5 原料として、A(1)10質量部、B(1)10質量
部、PET74質量部、PC(1)6質量部、トリフェ
ニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.
06質量部(リン含有量60ppmに相当する)を供給
した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50
cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化
においては発泡もバラス効果も生じなかった。このシー
トを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたも
のと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種
評価を行った。
【0059】比較例6 原料として、A(1)8質量部、B(2)64質量部、
PC(1)28質量部、トリフェニルホスファイト(旭
電化製アデカスタブTPP)1.2質量部(リン含有量
1200ppmに相当する)を供給した他は実施例1と
同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.
80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバ
ラス効果も生じなかった。このシートを用いてカードを
作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原
料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0060】比較例7 原料として、B(1)7質量部、PET38質量部、P
C(1)55質量部、トリフェニルホスファイト(旭電
化製アデカスタブTPP)1.8質量部(リン含有量1
800ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同
様にしてシート化を行ったが、バラス効果が激しく、幅
50cm、平均厚み0.80mmのシートを得ることが
できなかった。シート化に用いたものと同一配合比の原
料を用いて成形品を作成し、各種評価を行った。
【0061】比較例8 原料として、A(1)5質量部、PET57質量部、P
C(1)38質量部、トリフェニルホスファイト(旭電
化製アデカスタブTPP)0.4質量部(リン含有量4
00ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様
にしてシート化を行ったが、バラス効果が激しく、幅5
0cm、平均厚み0.80mmのシートを得ることがで
きなかった。シート化に用いたものと同一配合比の原料
を用いて成形品を作成し、各種評価を行った。
【0062】比較例9 原料として、A(1)10質量部、B(1)53質量
部、PET24質量部、PC(1)13質量部を供給し
た他は実施例1と同様にしてシート化を行ったが、発泡
したため、幅50cm、平均厚み0.80mmのシート
を得ることができなかった。また、Tダイから吐出され
た樹脂は、他の実施例、比較例と比べて黄色味が強く、
色調において劣るものであった。シート化に用いたもの
と同一配合比の原料を用いて成形品を作成し、各種評価
を行った。
【0063】比較例10 原料として、A(1)10質量部、B(1)53質量
部、PET24質量部、PC(1)13質量部、トリフ
ェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)1
0質量部(リン含有量10000ppmに相当する)を
供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行った
が、バラス効果のため、幅50cm、平均厚み0.80
mmのシートを得ることができなかった。シート化に用
いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成し、
各種評価を行った。
【0064】実施例1〜11及び比較例1〜10のポリ
エステル樹脂組成物の配合組成を表1に、また各種評価
結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂、PETを主体とするポリエステル樹脂、ポリア
リレート樹脂に少量の有機リン化合物を配合することに
より、耐熱性、エンボス加工性に優れたシートを得るこ
とができ、さらにこのシートを用いて、耐熱性、エンボ
ス加工性に優れたプラスチックカードを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 残留応力の算出において使用した応力―伸度
曲線の1例である。
【符号の説明】
T 伸度60%における残留応力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/49 C08K 5/49 C08L 67/02 C08L 67/02 67/03 67/03 G06K 19/077 G06K 19/00 K Fターム(参考) 2C005 HA10 HA17 HB09 JA08 KA02 KA03 LA06 MA11 MA19 MB07 NA08 NA09 PA03 PA04 RA07 4F071 AA46 AA48 AA50 AC15 AE05 AF23 AF45 AF53 AH19 BC01 4J002 CF06X CF16Y CG00W EW046 EW066 FD036 GC00 5B035 AA04 AA07 BA05 BB09 CA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂10〜
    70質量%、(B)PETを主体とするポリエステル樹
    脂10〜70質量%、(C)ポリアリレート樹脂5〜4
    0質量%とからなり合計100質量%とした混合ポリエ
    ステルと、(D)有機リン化合物とからなり、組成物全
    体に対するリン含有量が10〜3000ppmであり、
    ガラス転移温度が100〜160℃であることを特徴と
    するポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 引張伸度が60%以上であり、かつ引張
    伸度60%における残留応力が60MPa以下である請
    求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリエステル樹
    脂組成物を用いてなるシート。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のシートを用いてなるプラ
    スチックカード。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)とポ
    リアリレート樹脂(C)とのアロイ化樹脂、あるいはP
    ETを主体とするポリエステル樹脂(B)とポリアリレ
    ート樹脂(C)とのアロイ化樹脂のうち、少なくとも一
    方のアロイ化樹脂を用いることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
JP2000292265A 2000-09-26 2000-09-26 ポリエステル樹脂組成物の製造方法 Expired - Fee Related JP4612165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000292265A JP4612165B2 (ja) 2000-09-26 2000-09-26 ポリエステル樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000292265A JP4612165B2 (ja) 2000-09-26 2000-09-26 ポリエステル樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002097361A true JP2002097361A (ja) 2002-04-02
JP4612165B2 JP4612165B2 (ja) 2011-01-12

Family

ID=18775228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000292265A Expired - Fee Related JP4612165B2 (ja) 2000-09-26 2000-09-26 ポリエステル樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4612165B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004175823A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Takiron Co Ltd 熱可塑性樹脂成形品
JP2005097342A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Toppan Printing Co Ltd カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート
US7118800B2 (en) * 2001-11-21 2006-10-10 Kyodo Printing Co., Ltd. Laminates and packaging containers
WO2018074480A1 (ja) 2016-10-18 2018-04-26 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、樹脂組成物を含むカード用樹脂シート、及び多層シート
WO2018163889A1 (ja) 2017-03-06 2018-09-13 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂積層体、及び樹脂積層体を含むカード
WO2020241671A1 (ja) * 2019-05-29 2020-12-03 三菱瓦斯化学株式会社 フィルムおよびフィルムの製造方法
WO2020241674A1 (ja) * 2019-05-29 2020-12-03 三菱瓦斯化学株式会社 組成物、平板状成形体、および、平板状成形体の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110564116B (zh) * 2019-09-16 2021-12-07 上海金发科技发展有限公司 高耐热耐溶剂聚碳酸酯组合物及其制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327887A (ja) * 1999-05-19 2000-11-28 Polyplastics Co 難燃性樹脂組成物

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327887A (ja) * 1999-05-19 2000-11-28 Polyplastics Co 難燃性樹脂組成物

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7118800B2 (en) * 2001-11-21 2006-10-10 Kyodo Printing Co., Ltd. Laminates and packaging containers
US7371455B2 (en) * 2001-11-21 2008-05-13 Kydo Printing Co., Ltd. Laminates and packaging containers
JP2004175823A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Takiron Co Ltd 熱可塑性樹脂成形品
JP2005097342A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Toppan Printing Co Ltd カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート
JP4547884B2 (ja) * 2003-09-22 2010-09-22 凸版印刷株式会社 カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート
WO2018074480A1 (ja) 2016-10-18 2018-04-26 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、樹脂組成物を含むカード用樹脂シート、及び多層シート
EP3778775A1 (en) 2016-10-18 2021-02-17 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Resin composition, resin sheet for card containing resin composition, and multilayer sheet
WO2018163889A1 (ja) 2017-03-06 2018-09-13 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂積層体、及び樹脂積層体を含むカード
WO2020241671A1 (ja) * 2019-05-29 2020-12-03 三菱瓦斯化学株式会社 フィルムおよびフィルムの製造方法
WO2020241674A1 (ja) * 2019-05-29 2020-12-03 三菱瓦斯化学株式会社 組成物、平板状成形体、および、平板状成形体の製造方法
JP6835298B1 (ja) * 2019-05-29 2021-02-24 三菱瓦斯化学株式会社 フィルムおよびフィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4612165B2 (ja) 2011-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2005293789B2 (en) Free-flowing thermoplastics with halogen flameproofing
US7256228B2 (en) Stabilized polycarbonate polyester composition
JP4378130B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
US20040127653A1 (en) Polycarbonate/polyester copolymer blends and process for making thereof
JP5111458B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の真珠光沢を低減させる方法
JP2006335909A (ja) 電子機器用部材
JP2005133070A (ja) ポリカーボネート−ポリエステル成形組成物
JP2002097361A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いてなるシート、プラスチックカード
EP3383952B1 (en) Heat resistant, weatherable polyester - polycarbonate composition
JP5927883B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
TWI664234B (zh) 熱塑性樹脂組成物及使用此組成物之成形體
JP2011099110A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2007231200A (ja) 熱可塑性樹脂シート
JP5111456B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物をoa機器若しくは家電製品の外装材に使用する方法
CN116964149A (zh) 聚酯树脂组合物及利用热烫印箔实施装饰后的成型品
US4840995A (en) Aromatic polyester/aromatic polycarbonate/alpha-olefin unsaturated carboxylic acid reaction product compositions
KR100583064B1 (ko) 향상된 충격강도와 내화학성을 가지는 투명폴리카보네이트/폴리에스테르 수지 조성물
KR102311477B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
JP4683734B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物からなる成形品
CN114144472B (zh) 在0.6mm下具有v0的透明超低卤素阻燃聚碳酸酯组合物
JPH07133412A (ja) 難燃性ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物およびその製造方法
JP5111457B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法
JPH03236935A (ja) ポリブチレンテレフタレート樹脂製透明フィルム及びその製造方法
JP3866866B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4329199B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100811

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100928

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101015

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees