JP4612165B2 - ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性、耐衝撃性、エンボス加工性に優れ、クレジットカード、キャッシュカード等各種カードに好適なポリエステル樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレジットカードやキャッシュカード等の各種カードにおいては、所有者の識別を行うために個人名や登録番号がエンボス加工により打ち出されている。従来はこれらのカードには塩化ビニル樹脂が用いられていたが、塩化ビニル樹脂はカードを焼却処分する際、有毒なダイオキシンや塩素ガスを発生するため環境への悪影響が指摘されている。
【0003】
燃焼時に有毒なガスの発生しない組成物として、特開2000−153594号公報にポリエステル樹脂製ICカードが提案されている。このカードは、有毒ガスの発生がなく、リサイクル性、機械的強度、エンボス加工性に優れているが、自動車内などの高温環境下で使用される場合には、耐熱性が不足して、カードの変形、エンボス加工のもどりなどが生じるため使用が制限されている。特に高速料金自動収受システム(ETC)など、車中でカードが機器に挿入したままの状態で使用される場合には、常に80〜90℃という高温に晒されるために、上記のような原因による読み取りエラーが生じやすい。
【0004】
これに対して特開平1−130994号公報ではポリカーボネート樹脂製カードが提案されている。ポリカーボネート樹脂製のカードは、燃焼時に有毒なガスを発生せず、リサイクル性、機械的強度、耐衝撃性、耐熱性に優れている。しかしエンボス加工を施した場合に、カードにそりが生じやすいという問題点があった。
【0005】
このように、耐熱性、エンボス加工性、耐衝撃性をいずれも満足し、車載可能で、特にETC用としても好適なプラスチックカード用材料はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐熱性、エンボス加工性、耐衝撃性に優れたポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂、PETを主体とするポリエステル樹脂にポリアリレート樹脂及び少量の有機リン化合物を配合してなるポリエステル樹脂組成物が耐熱性、エンボス加工性に優れることを見出し、本発明に至ったものである。すなわち本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂10〜70質量%、PETを主体とするポリエステル樹脂10〜70質量%、ポリアリレート樹脂5〜40質量%からなり合計100質量%とした混合ポリエステルと、有機リン化合物とからなり、リン含有量が10〜3000ppm、ガラス転移温度が100〜160℃であるポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)とポリアリレート樹脂(C)とのアロイ化樹脂、あるいはPETを主体とするポリエステル樹脂(B)とポリアリレート樹脂(C)とのアロイ化樹脂のうち、少なくとも一方のアロイ化樹脂を用いることを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は芳香族ポリカーボネート樹脂10〜70質量%、PETを主体とするポリエステル樹脂10〜70質量%、ポリアリレート樹脂5〜40質量%からなり合計100質量%とした混合ポリエステルをその主成分とする。
【0009】
芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、「PC樹脂」と略す)の配合量は10〜70質量%であることが必要で、20〜50質量%であることがより好ましい。10質量%未満であると耐熱性、耐衝撃性が低下し、また70質量%を超えるとエンボス加工性が著しく低下する。
【0010】
PETを主体とするポリエステル樹脂(以下、「PET系樹脂」と略す)の配合量は10〜70質量%であることが必要で、20〜50質量%であることがより好ましい。10質量%未満であるとエンボス加工性が低下し、また70質量%を超えると耐熱性が著しく低下する。
【0011】
ポリアリレート樹脂(以下、PAR樹脂と略す)の配合量は5〜40質量%であることが必要で、10〜40質量%であることがより好ましい。5質量%未満であると、耐熱性が低下するほか、ポリエステル樹脂組成物を用いてプラスチックカードを製作する際に発泡し、押出安定性が低下する。また40質量%を超えると残留応力が大きくなりエンボス加工性が低下する。
【0012】
また本発明におけるポリエステル樹脂組成物には、リン含有量が10〜3000ppmとなるように有機リン化合物を配合することが必要であり、10〜2000ppmとすることが好ましい。上記特定量のリン含有量となるようにリン化合物を配合することで、ポリエステル樹脂組成物の熱安定性が高まり、シート化等の加熱溶融を伴なう工程において色調低下が抑制される他、詳細な理由は不明であるが、本発明に特有の顕著な効果としてPC樹脂と他の2種のポリエステル樹脂間のエステル交換反応が適度に抑制される。その結果、3種の樹脂間の相溶性を損なうことなしに、PC樹脂のカーボネート成分に由来する炭酸ガスの発生が効果的に抑えられ、混練時の発泡を顕著に防止できるという効果を奏する。
リン含有量が10ppm未満であると、混練時に色調が悪化したり発泡が生じやすく、また3000ppmを超えると、各構成樹脂間の相溶性が悪化してバラス効果が発現し、それぞれ押出安定性が低下する。
【0013】
本発明のポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度は100〜160℃の範囲であることが必要であり、115〜150℃であることが好ましい。100℃未満の場合には、耐熱性が不十分となり加熱時の変形量が大きくなる。また、160℃を超えるとエンボス加工時のそりが大きくなる。
【0014】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、後述する方法で測定した引張試験において、伸度が60%以上あり、かつ伸度60%における残留応力値が60MPa以下であることが好ましく、48〜60MPaの範囲であることがより好ましい。伸度60%未満で破断する場合には、エンボス加工性時に割れなどが発生しやすい。
残留応力値が60MPaを超えると、エンボス加工時にそりが大きくなり実用に供することが困難となる。
なお、ポリエステル樹脂組成物の残留応力とカードのエンボス加工時のそりや割れが対応することについて詳細な理由は不明であるが、エンボス加工時にカードに与えられた歪みが残留応力を発生させ、それによってそりが引き起こされるためと考えられる。
【0015】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、後述の方法で測定した50%破壊エネルギーが25J以上であることが好ましく、40J以上であることがより好ましい。
【0016】
本発明で使用されるPC樹脂とは、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融法により反応させて得られる。
二価フェノ−ル類としては、ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビスフェノールS[4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン]、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられるが、ビスフェノールAが特に好ましい。また、これらは単独で使用してもよいし、2種類以上混合して使用してもよい。さらに、前記のビスフェノール類はパラ体であるが、オルソ体もしくはメタ体のビスフェノール類を使用してもよく、これらビスフェノール類にエチレングリコール、プロピレングリコール等の共重合成分を含んでもよい。
【0017】
カーボネート前駆体とはカーボネートハライド、カルボニルエステルまたはハロホルメート等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート及びそれらの混合物である。また、これらは単独で使用してもよいし、2種類以上混合して使用してもよい。また、適当な分子量調節剤、分岐剤、反応を促進するための触媒等も使用できる。芳香族ポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.40〜1.00dl/gにあるものが望ましい。極限粘度は0.40未満の芳香族ポリカーボネート樹脂では実用に供することのできる強度を有したシ−トを得ることができない。
【0018】
本発明において、PETを主成分とするポリエステル樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主成分とした共重合ポリエステルを意味する。実用に供することのできる強度を有したシ−トを得るためには、極限粘度は0.60dl/g以上であることが好ましく、0.70〜1.20dl/gであることがより好ましい。
【0019】
上記のPET系樹脂として共重合ポリエステルを用いる場合には、耐熱性等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート成分が80モル%以上、好ましくは95モル%以上であることが好ましい。
テレフタル酸成分以外の酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、p−オキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のオキシカルボン酸成分のほか、2,5−ジブロムテレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を共重合することができ、またエチレングリコール以外のアルコ−ル成分として、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル成分、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサンジエタノ−ル等の脂環式ジオ−ル成分、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6−ナフタレンジオ−ル、ハイドロキノン、レゾルシン等の芳香族ジオ−ル成分、ビスフェノ−ルAやビスフェノ−ルSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族環を有するジオ−ル成分を共重合することができる。
【0020】
本発明で使用されるPAR樹脂は、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と二価フェノ−ル類との重合により得られる芳香族ポリエステルであり、その極限粘度は0.40〜1.00dl/gの範囲にあるものが好ましい。
【0021】
芳香族ジカルボン酸の好ましい例としては、テレフタル酸成分及び/又はイソフタル酸成分が挙げられるが、特にテレフタル酸成分とイソフタル酸成分の混合物を用いると、得られるPARの溶融加工性の面で好ましい。かかる混合物においては、任意にその混合比を選ぶことができるが、テレフタル酸成分/イソフタル酸成分=9/1〜1/9(モル比)が好ましく、特に溶融加工性及び性能面から7/3〜3/7(モル比)、さらに5/5(モル比)がより好ましい。
【0022】
二価フェノ−ル類としては、ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビスフェノールS[4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン]、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられるが、ビスフェノールAが特に好ましい。また、これらは単独で使用してもよいし、2種類以上混合して使用してもよい。さらに、前記のビスフェノール類はパラ体であるが、オルソ体もしくはメタ体のビスフェノール類を使用してもよく、これらビスフェノール類にエチレングリコール、プロピレングリコール等の共重合成分を含んでもよい。
【0023】
PAR樹脂の好ましい例としては、テレフタル酸クロリド/イソフタル酸クロリド=1/1(モル比)とビスフェノールAとの界面重合法により得られるポリマーが挙げられる。
【0024】
本発明で使用される有機リン化合物は、亜リン酸又はリン酸のエステル化合物が好ましい。
好ましい亜リン酸エステルとしては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルオレイルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチルー4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(モノ、ジノニルフェニル)ホスファイト、4,4−ブチリデンービス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシルホスファイト)、1,1,3−ブチリヂン−トリス(3−メチルー6−t−ブチル−ジトリデシルホスファイト)、ビス(2,4−ジキュメルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトなどが挙げられる。
【0025】
また好ましいリン酸エステルとしては、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェートなどが挙げられる。
【0026】
上記した亜リン酸又はリン酸のエステル化合物の中で、ブチルアシッドホスフェート、トリフェニルホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトが、シート化時の操業安定性の改善効果が高く、特に好ましい。
【0027】
本発明におけるポリエステル樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、PC樹脂、PET系樹脂、PAR樹脂及び有機リン化合物と触媒とをタンブラーブレンダー等のブレンダーを用いて混合した後、溶融混練し、一軸押出機もしくは二軸押出機を用いてペレット状にする方法が挙げられる。
【0028】
本発明におけるポリエステル樹脂組成物の製造にあたっては、PAR樹脂成分の一部又は全部を、予めPC樹脂又はPET系樹脂とアロイ化しておき、これを原料として他の単体樹脂と溶融混練する方法であることを必要とする。すなわち、PC樹脂とPAR樹脂を各種のブレンダーを用いて混合した後、一軸押出し機もしくは二軸押出機を用いて280〜330℃でアロイ化し、一方、PET系樹脂とPAR樹脂を各種のブレンダーを用いて混合した後、一軸押出し機もしくは二軸押出機を用いて260〜300℃でアロイ化する。これら2種のアロイ化樹脂のうち、少なくとも一方のアロイ化樹脂と残りの単体樹脂を配合するという方法である。本発明においては、上記2種のアロイ化樹脂の両方を用いることが、押出安定性を得るためにより好ましく、このとき、PAR樹脂の全成分をアロイ化して配合することが特に好ましい。上記のような方法を用いると、アロイ化された樹脂が仲立ちとなって、押出機等の内部において短時間で3種類の樹脂成分の混合が進行し、結果としてバラス効果が低減され、生産性を一段と高めることができる。
【0029】
有機リン化合物は、アロイ化樹脂にあらかじめ添加しておいてもよく、また単体樹脂を配合する工程で添加してもよい。
【0030】
なお、上記の製造において、エステル交換度を制御するために、交換反応を促進する触媒を使用することもできる。こうした例として、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の化合物が挙げられ、中でも、酢酸ナトリウムが好ましい。
【0031】
本発明のポリエステル樹脂組成物には、その効果を損なわない範囲において、各種無機充填材を配合することもできる。このような充填剤としては、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の板状又は粒状の無機充填材、ガラス繊維、炭素繊維、ワラストナイト、ウィスカーなどの繊維状充填材が挙げられる。
【0032】
さらに、本発明においては、昨今の環境問題を配慮して、リサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂、PETを主体とするポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂を用いてもよい。
【0033】
本発明のポリエステル組成物をシート化する方法は特に限定されないが、例えば、所定の質量比に調整しながら、Tダイを備えた押出シート成形装置で250〜280℃にて溶融押出し、冷却ローラーで冷却することによりシートを得ることができる。さらに、同種又は異種のシートと積層化することもでき、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ビニル系、アミド系等の接着剤による接着積層法や、温度100〜200℃の条件で熱融着する方法などが挙げられる。
【0034】
本発明のプラスチックカードは、上記のように得られたシートを従来公知の方法を用いて打ち抜き、カッティング、裁断等の工程により得られる。本発明のシートの平均厚みは、特に限定されないが、カードとして使用するにあたっては0.3〜1.5mmの範囲が好適であり、さらに好ましくは0.4〜1.2mmである。
【0035】
また、厚みを50〜300μmとすることで、カードのオーバーレイフィルムにも使用することができる。この場合、光線透過率が85%以上であることが好ましい。
【0036】
【実施例】
次に、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお実施例における各種物性値の測定は、以下の方法により実施した。
(1)極限粘度
フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン混合溶媒(質量比6/4)を用い、温度20℃で測定した。
(2)衝撃強度
原料を射出成形機(東芝機械社製IS−100)に供給し、温度260℃で縦7cm、横5cm、厚み1mmのプレートを成形した。このプレートを用いて落錘衝撃試験機(東洋精機社製H−100、荷重1〜2kg)により落錘衝撃試験を行い、50%破壊エネルギーを求めた。
(3)残留応力
原料を射出成形機(東芝機械社製IS−100)に供給し、温度260℃で1号ダンベル片を成形した。このダンベル片について島津製作所社製オートグラフAG−200を用いて引張試験を行ない、図1に示した応力−伸度曲線を得、これによって引張伸度60%における残留応力値を求めた。なお、以下の実施例、比較例においては、いずれも伸度は60%以上であった。
(4)ガラス転移温度[Tg](℃)
前記(3)で作成した1号ダンベル片から樹脂を採取し、示差走査型熱量計(島津製作所社製、DT−40)を用いて、昇温速度20℃/分で測定し、2nd scanの値を求めた。
(5)押出安定性
原料をシート押出装置(日本製鋼所社製)に供給し、シリンダーからTダイまでの押出温度を260℃として、押出しを行い、幅50cm、平均厚み0.8mmのシートを得る工程において、発泡及びバラス効果の有無により押出安定性を評価した。
×:バラス効果、又は発泡が激しく、シートを安定生産できなかった。
△:バラス効果が若干発生したが、シートを得ることができた。
○:バラス効果も発泡も生じず、シートを安定生産できた。
(6)エンボス割れ
得られたシートをJISX9001に準拠し、縦5.0cm、横8.0cmにカード状に裁断した。クスダ機械社製エンボッサーを用いて、このカード状シート基材の左端から10mm、下端から10mmの位置から右に向かって「12345678900987654321」という特定の数字をエンボスした。20個エンボス加工した際に、割れの発生した個数で評価した。
(7)エンボスそり
上記(6)記載のようにエンボス加工を施したカードのそりをダイヤルゲージ(ミツトヨ社製)にて測定し、20個の平均値で表した。
(8)熱変形量
上記(6)記載のようにエンボス加工を施したカードを90℃に調整した熱風乾燥機で10時間処理し、カードの変形量をダイヤルゲージ(ミツトヨ社製)にて測定し、20個の平均値で表した。
【0037】
使用した樹脂原料を記載する。
(1)ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す)
・ユニチカ社製NEH−2031(極限粘度0.70dl/g)
(2)ポリアリレート(以下、PARと記す)
・ユニチカ社製Uポリマー(極限粘度0.57dl/g)
(3)ポリカーボネート
・住友ダウ社製カリバーK200−30(極限粘度0.44dl/g)
以下、PC(1)と記す。
・住友ダウ社製カリバーK200−13(極限粘度0.50dl/g)
以下、PC(2)と記す。
上記の樹脂原料を用いて、アロイ化樹脂を製造した。
【0038】
アロイ化樹脂の製造例1
PET60質量部とPAR40質量部に酢酸ナトリウム0.1質量部を添加して、二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)を用いて、押出温度280℃で溶融ブレンドした後、ストランド状に押し出し、ガラス転移点95℃を有するポリエステル(以下、A(1)と記す)を得た。
【0039】
アロイ化樹脂の製造例2
PC(2)70質量部とPAR30質量部とを二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)を用いて、押出温度290℃で溶融ブレンドした後、ストランド状に押し出し、ガラス転移点165℃を有するポリエステル(以下、B(1)と記す)を得た。
【0040】
アロイ化樹脂の製造例3
PC(2)50質量部とPAR50質量部とを二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)を用いて、押出温度310℃で溶融ブレンドした後、ストランド状に押し出し、ガラス転移点175℃を有するポリエステル(以下、B(2)と記す)を得た。
【0041】
表1にアロイ化樹脂の組成を示す。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例1
Tダイを備えた押出シート成形装置(日本製鋼所社製)のシリンダーに、A(1)13質量部、B(1)50質量部、PET32質量部、PC(1)5質量部、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製アデカスタブPEP−4)0.4質量部(リン含有量392ppmに相当する)を供給し、シリンダーからTダイまでの押出温度を260℃で押し出し、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、エンボス割れの評価を行ったところ、割れは生じなかった。エンボスそりは1.4mm、熱変形量は1.4mmであった。
また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて260℃で射出成形を行い、縦7cm、横5cm、厚み1mmのプレート、及び1号ダンベル片を得、衝撃強度、残留応力、Tgを測定した。
【0044】
実施例2
原料として、A(1)75質量部、B(2)10質量部、PET5質量部、PC(1)10質量部、ブチルアシッドホスフェート(城北化学製JP−504)0.06質量部(リン含有量102ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0045】
実施例3
原料として、A(1)10質量部、B(1)53質量部、PET24質量部、PC(1)13質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.4質量部(リン含有量400ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0046】
実施例4
原料として、A(1)50質量部、B(2)20質量部、PET10質量部、PC(1)20質量部、2,2−メチレンビス(4,6−ジーt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(旭電化製アデカスタブHP−10)0.2質量部(リン含有量106ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0047】
実施例5
原料として、A(1)10質量部、B(1)70質量部、PET9質量部、PC(1)11質量部、テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト(旭電化製アデカスタブ1500)1.2質量部(リン含有量669ppmに相当する)を供給した他は実施例1同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0048】
実施例6
原料として、A(1)60質量部、B(2)12質量部、PET19質量部、PC(1)9質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.03質量部(リン含有量30ppmに相当する)を供給した他は実施例1同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0049】
実施例7
原料として、A(1)5質量部、B(1)33質量部、PET25質量部、PC(1)37質量部、4,4−ブチリデンービス(3−メチルー6−t−ブチルフェニルージトリデシルホスファイト)(旭電化製アデカスタブ260)1.8質量部(リン含有量900ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0050】
実施例8
原料として、A(1)3質量部、B(1)20質量部、PET31質量部、PC(1)46質量部、1,1,3−ブチリヂンートリス(3−メチルー6−t−ブチルフェニルージトリデシルホスファイト)(旭電化製アデカスタブ522A)2.6質量部(リン含有量1321ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0051】
実施例9
原料として、B(1)50質量部、PET40質量部、PC(1)5質量部、PAR5質量部、酢酸ナトリウム0.1質量部、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製アデカスタブPEP−4)0.4質量部(リン含有量392ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては、バラス効果のため若干不安定になるところもあった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0052】
実施例10
原料として、A(1)40質量部、PET16質量部、PC(1)40質量部、PAR4質量部、酢酸ナトリウム0.1質量部、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製アデカスタブPEP−8)0.6質量部(リン含有量508ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては、バラス効果のため若干不安定になるところもあった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0053】
参考例1
原料として、PET40質量部、PC(1)40質量部、PAR20質量部、酢酸ナトリウム0.1質量部、テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト(旭電化製アデカスタブ1500)1.2質量部(リン含有量669ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては、バラス効果のため若干不安定であった。このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0054】
比較例1
原料として、PC(1)100質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.1質量部(リン含有量100ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0055】
比較例2
原料として、A(1)3質量部、B(1)20質量部、PET11質量部、PC(1)66質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)2.0質量部(リン含有量2000ppmに相当する)を供給した他は実施例1同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においてはバラス効果が若干現れたが、ほぼ安定していた。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0056】
比較例3
原料として、A(1)75質量部、B(2)10質量部、PET15質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.03質量部(リン含有量30ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0057】
比較例4
原料として、PET100質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.02質量部(リン含有量20ppmに相当する)を供給した他は実施例1同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0058】
比較例5
原料として、A(1)10質量部、B(1)10質量部、PET74質量部、PC(1)6質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.06質量部(リン含有量60ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0059】
比較例6
原料として、A(1)8質量部、B(2)64質量部、PC(1)28質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)1.2質量部(リン含有量1200ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行い、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得た。シート化においては発泡もバラス効果も生じなかった。
このシートを用いてカードを作成し、また、シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成して、各種評価を行った。
【0060】
比較例7
原料として、B(1)7質量部、PET38質量部、PC(1)55質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)1.8質量部(リン含有量1800ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行ったが、バラス効果が激しく、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得ることができなかった。
シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成し、各種評価を行った。
【0061】
比較例8
原料として、A(1)5質量部、PET57質量部、PC(1)38質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)0.4質量部(リン含有量400ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行ったが、バラス効果が激しく、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得ることができなかった。
シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成し、各種評価を行った。
【0062】
比較例9
原料として、A(1)10質量部、B(1)53質量部、PET24質量部、PC(1)13質量部を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行ったが、発泡したため、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得ることができなかった。また、Tダイから吐出された樹脂は、他の実施例、比較例と比べて黄色味が強く、色調において劣るものであった。
シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成し、各種評価を行った。
【0063】
比較例10
原料として、A(1)10質量部、B(1)53質量部、PET24質量部、PC(1)13質量部、トリフェニルホスファイト(旭電化製アデカスタブTPP)10質量部(リン含有量10000ppmに相当する)を供給した他は実施例1と同様にしてシート化を行ったが、バラス効果のため、幅50cm、平均厚み0.80mmのシートを得ることができなかった。
シート化に用いたものと同一配合比の原料を用いて成形品を作成し、各種評価を行った。
【0064】
実施例1〜11及び比較例1〜10のポリエステル樹脂組成物の配合組成を表1に、また各種評価結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂、PETを主体とするポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂に少量の有機リン化合物を配合することにより、耐熱性、エンボス加工性に優れたシートを得ることができ、さらにこのシートを用いて、耐熱性、エンボス加工性に優れたプラスチックカードを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 残留応力の算出において使用した応力―伸度曲線の1例である。
【符号の説明】
T 伸度60%における残留応力

Claims (2)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂10〜70質量%、(B)PETを主体とするポリエステル樹脂10〜70質量%、(C)ポリアリレート樹脂5〜40質量%とからなり合計100質量%とした混合ポリエステルと、(D)有機リン化合物とからなり、組成物全体に対するリン含有量が10〜3000ppmであり、ガラス転移温度が100〜160℃であるポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)とポリアリレート樹脂(C)とのアロイ化樹脂、あるいはPETを主体とするポリエステル樹脂(B)とポリアリレート樹脂(C)とのアロイ化樹脂のうち、少なくとも一方のアロイ化樹脂を用いることを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  2. ポリエステル樹脂組成物の引張伸度が60%以上であり、かつ引張伸度60%における残留応力が60MPa以下である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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