JP2002094323A - 円偏波アンテナ装置 - Google Patents

円偏波アンテナ装置

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JP2002094323A
JP2002094323A JP2000285318A JP2000285318A JP2002094323A JP 2002094323 A JP2002094323 A JP 2002094323A JP 2000285318 A JP2000285318 A JP 2000285318A JP 2000285318 A JP2000285318 A JP 2000285318A JP 2002094323 A JP2002094323 A JP 2002094323A
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circularly polarized
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radiation
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JP2000285318A
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Hisashi Akiyama
恒 秋山
Kazuya Kawabata
一也 川端
Moichi Ito
茂一 伊藤
Atsushi Yuasa
敦之 湯浅
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q9/00Electrically-short antennas having dimensions not more than twice the operating wavelength and consisting of conductive active radiating elements
    • H01Q9/04Resonant antennas
    • H01Q9/0407Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna
    • H01Q9/0428Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna radiating a circular polarised wave
    • HELECTRICITY
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    • H01Q9/0435Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna radiating a circular polarised wave using two feed points

Abstract

(57)【要約】 【課題】 縮退分離したモードの2つの電界の直交性を
向上させた円偏波アンテナ装置を提供する。 【解決手段】 誘電材料からなる基体11の一方主面1
2に放射導体18を形成し、この放射導体18と対向す
る基体11の他方主面13に接地導体19を形成する。
基体11の側面14には他方主面側から一方主面側に向
け伸張して給電導体20を形成する。放射導体18は正
方形または電気的な正方形の形状に作り、また、基体1
1には、接地導体19と放射導体18の間に、放射導体
18の2つの対角線の延長方向に、一方の対角線方向と
他方の対角線方向において互いに形状の異なる容量装荷
導体21,22,23,24を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、移動体の
通信装置に用いる円偏波アンテナ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】人口衛星を用いた衛星通信は航空機や自
動車などで利用されているが、送受信する地球上の地域
差を除くために、円偏波の電波が用いられている。特
に、小型の円偏波アンテナ装置は、GPS(Global Posi
tioning System)、S帯を用いたDAB(Digital Audio
Broadcast)、ETC(Electric Toll Collection)などの
円偏波を用いた無線機器のアンテナとして要求されてい
る。この要求満たすために、出願人は、特願平10−3
25028号において、表面実装型円偏波アンテナおよ
びそれを用いた無線装置を提案した。図11は前記特許
出願の中で提案した円偏波アンテナである。
【0003】図11において、円偏波アンテナは、誘電
体からなる平板状の基体1を備え、この基体1の一方主
面には、対角となる2つの角部を切り除いた略矩形状の
放射導体2が形成され、基体1の他方主面には、後述す
る給電導体の回り込み部分を除き、ほぼ全面に亙って接
地導体3が形成されている。また、基体1の1つの側面
には、接地導体3を形成した主面側から放射導体2を形
成した主面側に延びるストリップ状の給電導体4が設け
られ、その両端は夫々主面側に回り込んで形成されてい
る。給電導体4の両側には、給電導体4との絶縁を確保
しながら残りの側面のほぼ全面に亙って容量装荷導体
5,6が形成され、これらの容量装荷導体5,6は接地
導体3に接続されている。
【0004】この構成の円偏波アンテナにおいて、給電
導体4と放射導体2の間に浮遊容量が形成され、また、
2つの容量装荷導体5,6と放射導体2の間に装荷容量
または静電容量が形成されている。この場合、容量装荷
導体6側の放射導体2の角部が切欠されているので、容
量装荷導体6と放射導体2の間の装荷容量または静電容
量は、容量装荷導体5と放射導体2の間の装荷容量また
は静電容量よりも小さくなっている。
【0005】したがって、給電導体4に送信信号の電力
を給電すると、放射導体2には、直線偏波モードの共振
電流が流れることなく、放射導体2と容量装荷導体5で
形成される高周波の共振回路と放射導体2と容量装荷導
体6で形成される高周波の共振回路に分離された、すな
わち、縮退分離したモードの共振電流が流れる。この縮
退分離したモードの2つの共振電流は、所定の位相差θ
1を持ち、周波数(f1,f2)の異なる2つの放射電
界を発生させ、放射導体2から法線方向へ円偏波の電磁
波を放射する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の円偏波アンテナは、放射導体2の端縁2aに対する
容量装荷導体5,6の幅Lが広く、縮退分離したモード
の2つの共振電流が流れる経路が、放射導体2と容量装
荷導体5,6間の装荷容量または静電容量を決める容量
装荷導体5,6の幅Lに左右され、縮退分離したモード
による2つの放射電界は、90°位相とならず、また、
空間的に直交しないために楕円偏波となって、アンテナ
特性を劣化させていた。
【0007】また、給電導体4と容量装荷導体5,6が
接近しているため、給電導体4と容量装荷導体5,6間
の電磁界結合が大きくなり、放射導体2を用いた送受信
信号の電力が小さくなるので、その分、給電導体4に供
給する送信信号の電力を大きくする必要がある。
【0008】さらに、基体1の比誘電率を同一にした場
合には、容量装荷導体5,6の面積を大きくすると、放
射導体2と容量装荷導体5,6間の装荷容量または静電
容量が大きくなり、縮退分離したモードの共振周波数が
低下して所望の周波数の電磁波が得られないという課題
が有った。
【0009】本発明は、上記課題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、縮退分離したモードによ
る2つの放射電界の直交性を向上させた円偏波アンテナ
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。すなわち、第1の発明の円偏波アン
テナ装置は、誘電材料からなる基体と、該基体の一方主
面に形成した四角形状の放射導体と、該放射導体と対向
する前記基体の他方主面に形成した接地導体と、前記基
体に前記他方主面側から前記一方主面側に向けて伸張し
て形成した給電導体とを備え、前記放射導体は、該放射
導体における直交する2方向の電気長が等しい形状に形
成すると共に、前記基体には、前記放射導体の対角線方
向の位置に、前記放射導体に流れる2つの共振電流の周
波数差を定める装荷容量を前記放射導体との間に生じる
容量装荷導体を設けたことを特徴として構成されてい
る。
【0011】また、第2の発明の円偏波アンテナ装置
は、誘電材料からなる基体と、該基体の一方主面に形成
した放射導体と、該放射導体と対向する前記基体の他方
主面に形成した接地導体と、前記基体の側面に前記他方
主面側から一方主面側に向け伸張して形成した給電導体
とを備える円偏波アンテナ装置において、前記放射導体
を正方形または略正方形に形成すると共に、前記基体に
は、前記放射導体における2つの対角線の延長位置また
はその近傍に前記接地導体と前記放射導体の間に形成さ
れ前記一方の対角線方向と前記他方の対角線方向におい
て互いに形態の異なる容量装荷導体を設けたことを特徴
として構成されている。
【0012】さらに、第3の発明の円偏波アンテナ装置
では、前記基体は、2つの主面および4つの側面を有す
る六面体に形成し、前記容量装荷導体は、前記給電導体
を設けた側面に、隣接する側面間の夫々の縁に沿って配
置すると共に一端を前記接地導体に接続した前記一方の
容量装荷導体の長さを前記他方の容量装荷導体の長さよ
りも短く形成し、前記給電導体を設けた側面と対向する
側面には、隣接する側面間の夫々の縁に沿って前記主面
の対角線方向の前記容量装荷導体と同じ長さの容量装荷
導体を設けたことを特徴として構成されている。
【0013】さらに、第4の発明の円偏波アンテナ装置
では、前記容量装荷導体は、間隙幅を設けて複数の容量
装荷導体片に分割して構成したことを特徴としている。
【0014】さらに、第5の発明の円偏波アンテナ装置
では、前記放射導体には、前記放射導体の角部から伸張
し隣接する側面間の縁に沿って降下する放射導体延長片
を設け、該放射導体延長片と前記容量装荷導体との間に
異なる対角線方向において異なる間隙幅を設けて構成し
たことを特徴としている。
【0015】さらに、第6の発明の円偏波アンテナ装置
では、前記容量装荷導体の少なくとも1つは、前記放射
導体が形成された主面まで伸張して形成したことを特徴
として構成されている。
【0016】さらに、第7の発明の円偏波アンテナ装置
では、前記容量装荷導体は、ミアンダ状に形成したこと
を特徴として構成されている。
【0017】さらに、第8の発明の円偏波アンテナ装置
では、前記基体は、直方体に形成したことを特徴として
構成されている。
【0018】上記構成の第1の発明において、放射導体
の形状は、放射導体における電気長が直交する2方向で
等しくなる形状であるから、目視による正方形または2
辺の電気長が等しい電気的な正方形に構成される。目視
による正方形の対角線方向は互いに直交し、また、電気
的な正方形は目視では長方形であっても、この長方形の
目視による対角線方向は電気的には互いに直交するもの
となる。
【0019】この放射導体を用いることにより、給電導
体から放射導体に送信電力を入力したとき発生する縮退
分離したモードの発生は、放射導体と容量装荷導体の形
態および相関位置を条件として定まる。すなわち、放射
導体の対角線方向に容量装荷導体を設置すると共に対角
線方向の装荷容量に差を設けることにより、夫々の対角
線方向に共振電流が流れる等価的な共振回路を形成し、
また、放射導体における共振電流が流れる方向を定め、
換言すれば、共振電流を励振源とする2つの電界(偏
波)が空間的に直交する度合いを定めるものとなる。
【0020】また、容量装荷導体の形態および放射導体
と容量装荷導体間の相関位置を選定することにより、対
角線方向毎に容量値の異なる装荷容量が定まる。この装
荷容量は、2つの共振電流の周波数差、換言すれば、2
つの電界(偏波)の周波数差を決める回路要素となる。
そして、対角線方向が直交し且つ電気長が等しい形状の
放射導体においては、縮退分離したモードの2つの共振
電流は、ほぼ90度の位相差となり、偏波の位相差もほ
ぼ90度となる。
【0021】上述のように、この発明では、縮退分離し
たモードにおける2つの偏波の位相差をほぼ90度とす
ると共に、偏波を空間的にほぼ直交させることができる
ので、放射導体から円偏波の電磁波を放射するアンテナ
を得ることができる。
【0022】ここで、放射導体における電気長とは、実
効波長の二分の一の長さをいい、換言すれば、アンテナ
から放射される電磁波の波長の二分の一を基体の比誘電
率の平方根で除した長さをいう。また、縮退分離したモ
ードとは、放射導体上に、1つの給電で、位相および周
波数の異なる2つの共振電流を励起することをいう。
【0023】また、第2の発明では、放射導体を正方形
または電気的な正方形の形状とし、その2つの対角線方
向に装荷容量が異なる如く容量装荷導体が設けられるの
で、放射導体に対し、2つの対角線方向を除く1個所か
らの給電で、縮退分離したモードの2つの共振電流を励
起させると共に2つの共振電流が流れる方向が定まり、
この共振電流に基いて発生する偏波は空間的にほぼ直交
するものとなる。また、2つの共振電流は、共振周波数
の異なるほぼ90°の位相差となっており、これによ
り、周波数の異なる2つの偏波の位相はほぼ90°とな
る。
【0024】上述の共振周波数、すなわち、偏波の周波
数は、放射導体と容量装荷導体間の装荷容量、特に、放
射導体と容量装荷導体間の間隙幅(ギャップ)の影響を
受けるので、放射導体と容量装荷導体間の間隙幅および
容量装荷導体の形状、特に、長さと幅を所望に定めるこ
とにより、偏波の周波数を要求されるアンテナの特性に
合わせて設定し、放射導体から放射される電磁波の周波
数を選定することができる。
【0025】また、基体を六面体に構成し、基体の側面
の縁に主面の同じ対角線方向において同じ長さの容量装
荷導体を設けた発明では、縮退分離したモードの動作は
アンテナの構造上定まり、容量装荷導体を可能な限り基
体側面の縁に沿わせることにより、90°近似の位相差
を持つ2つの偏波を空間的にほぼ直交させることができ
る。また、基体を六面体としたことにより、基体を放射
導体の形状に合わせて構成することができ、この内、主
面を正方形とした基体を採用した場合には、放射導体と
主面の形状が同じとなり、基体を最小の形状に構成でき
る。この発明によれば、円偏波アンテナ装置の全体が小
型の構成になる。
【0026】さらに、基体に形成する容量装荷導体の構
成は、要求されるアンテナ特性、すなわち、放射導体か
ら放射される電磁波の周波数に応じた装荷容量を考慮し
て決めることができ、容量装荷導体を分割して間隙幅を
設けた複数の容量装荷導体片で構成した場合には、装荷
容量が小さくなるので、アンテナから放射される電磁波
の周波数を高く設定できる。
【0027】また、放射導体の角部を伸張して放射導体
延長片を形成し基体の側面縁まで延長した構成では、装
荷容量は、主に放射導体延長片と容量装荷導体片との間
に形成され、間隙幅を定めることにより所望の装荷容量
を設定できる。
【0028】そして、容量装荷導体を放射導体が形成さ
れた主面まで伸張した構成では、放射導体と容量装荷導
体間の装荷容量または静電容量が大きくなるので、放射
導体から放射される電磁波の周波数を低下させることが
できる。また、ミアンダ状に形成した容量装荷導体を採
用した構成では、縮退分離したモードの2つの共振電流
の共振周波数、換言すれば、2つの偏波の周波数を決定
するに際して、容量成分の他にインダクタンス成分を付
加することができる。上記いずれの場合でも、基体を直
方体に構成し、容量装荷導体の幅を狭く形成すれば、ほ
ぼ90°の位相差をもって空間的にほぼ直交する縮退分
離したモードの円偏波とすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基いて説明する。図1において、(A)は円
偏波アンテナ装置を表面側から見た斜視図、(B)は円
偏波アンテナ装置を裏面側から見た斜視図である。円偏
波アンテナ装置10の基体11は六面体に構成されてお
り、その一方主面12には正方形の放射導体18が形成
され、この一方主面12と対向する他方主面13には、
ほぼ全面に接地導体19が形成されている。基体11の
両主面12,13は正方形となっており、その2つの対
角線は放射導体18の2つの対角線と重なっている。
【0030】基体11の第一側面14には、接地導体1
9を設けた主面13側から放射導体18を設けた主面1
2方向に伸張してストリップ状の給電導体20が形成さ
れている。この給電導体20は、その延長線が放射導体
18における2つの対角線の交点を通り、その先端が放
射導体18の一つの辺と直交する如く配置されている。
給電導体20の接地導体19側の端部(下端)は、接地
導体19を設けた他方主面13に回り込んで延長され、
図示しない無線機器の回路基板に接続する給電端子電極
20aとなる。この端子電極20aの周囲には、接地導
体19が一定の幅で除去された切欠部19aが設けら
れ、基体11の他方主面13を露出して給電端子電極2
0aと接地導体19間を電気絶縁している。
【0031】また、基体11の給電導体20を設けた第
一側面14は、長方形の側面となっており、給電導体2
0の両側に位置する両短辺部分には、縁に沿って夫々ス
トリップ状の容量装荷導体21,22が形成されてい
る。この容量装荷導体21,22を設けた位置は、第一
側面14において、放射導体18の対角線を延長した位
置またはその近傍に相当する。容量装荷導体21,22
は、他方主面13に設けた接地導体19とその下端にお
いて接続されており、容量装荷導体21と22の幅は等
しく且つ給電導体20の幅よりも狭く形成され、また、
容量装荷導体21の長さは、第一側面14の短辺の長
さ、すなわち、基体11の高さと等しく、容量装荷導体
22の長さは、容量装荷導体21の長さよりも短くなっ
ている。
【0032】基体11の第一側面14と向き合った第二
側面15には、上記同様に、ストリップ状の容量装荷導
体23,24が設けられている。容量装荷導体21に対
し放射導体18の対角線方向に位置する容量装荷導体2
3は、容量装荷導体21と同様の幅と長さを備えて第二
側面15の短辺の縁に沿って設けられ、その下端は接地
導体19に接続されている。同様に、容量装荷導体24
は、容量装荷導体22に対して放射導体18の対角線方
向に位置しており、一端が接地導体19に接続されると
共にその長さと幅は容量装荷導体22と同様である。な
お、基体11の第一側面14に対し左側の第三側面16
および右側の第四側面17には容量装荷導体は設けられ
ていない。
【0033】上記構成の円偏波アンテナ装置10は、無
線機器の図示しない回路基板に表面実装で装着される
が、この場合には、接地導体19側が回路基板の接地配
線にハンダ付けされ、また、給電導体20が回路基板に
形成した送受信回路のアンテナ端子に接続される。
【0034】また、円偏波アンテナ装置10の放射導体
18は、その直交する2辺の長さが、放射導体18から
放射される円偏波の中心周波数の波長をλ、基体11の
比誘電率をεとしたとき、ほぼλ/2 √ε に設定され
ている。したがって、基体11として比誘電率の高い誘
電材料を用いれば、放射導体18の形状を小さくするこ
とができる。
【0035】上記円偏波アンテナ装置10の基体11
は、例えば、比誘電率εが38〜89の誘電材料で形成
される。セラミックスでは、酸化バリウム、酸化アルミ
ニウム、シリカを主成分とする誘電材料、または、酸化
ニッケル、酸化コバルト、酸化鉄を主成分とする磁性材
料が用いられる。
【0036】さらに、上記円偏波アンテナ装置10の放
射導体18と給電導体20の間には、放射導体18と給
電導体20間の間隙幅および基体11の比誘電率εを要
素として浮遊容量が形成され、放射導体18と給電導体
20は容量結合をしている。
【0037】同様に、放射導体18と容量装荷導体2
1,22,23,24の間も夫々容量結合するが、容量
装荷導体21,23と22,24は長さが異なるため装
荷容量または静電容量は異なっている。放射導体18と
容量装荷導体21,22,23,24間の装荷容量また
は静電容量を集中定数として考察した場合には、放射導
体18の角部と容量装荷導体の先端(上端)との間隙幅
が短い放射導体18と容量装荷導体21,23間の静電
容量C1は、放射導体18の角部と容量装荷導体22,
24の上端間の静電容量C2よりも大きくなる。この構
成では、放射導体18から放射される円偏波は、右旋円
偏波となる。上述とは逆に、放射導体18と容量装荷導
体21,23間の静電容量C1を放射導体18の角部と
容量装荷導体22,24の上端間の静電容量C2よりも
小さくすると左旋円偏波となる。
【0038】なお、放射導体18と接地導体19間の静
電容量は固定容量であり、放射導体18のどの位置でも
均質な電気力線になっていると考えることができる。ま
た、容量装荷導体21,22は、接地導体19に接続さ
れて接地電位となるが、給電導体20との間の間隙幅が
広く、給電導体20と容量装荷導体21,22間の静電
容量は、放射導体18と容量装荷導体21,22,2
3,24間の装荷容量または静電容量よりも小さくな
り、また、電磁結合も小さくなるので、給電導体20に
供給された送信信号の接地導体への漏れは少なくなって
いる。
【0039】上記円偏波アンテナ装置10の動作を説明
する。給電導体20に送信信号を供給すると、放射導体
18に入力された送信信号は、放射導体18において、
2つの対角線方向を経路とする縮退分離したモードの2
つの共振電流に分かれる。すなわち、給電導体20は、
放射導体18の2つの対角線25,26を等分する如く
配置されているので、送信信号の電力は等分されて2つ
の対角線方向の共振回路に供給される。
【0040】詳述すると、給電導体20に給電された送
信信号は、放射導体18の角部18a,18bと容量装
荷導体21,23の先端間の静電容量C1を一つの回路
要素とした高周波の第一共振回路を励振するので、第一
対角線方向(角部18aと角部18bを結ぶ方向)25
に周波数F1の共振電流が流れ、また、送信信号は、放
射導体18の角部18c,18dと容量装荷導体22,
24間の静電容量C2を一つの回路要素とした第二共振
回路を励振するので、第二対角線方向(角部18cと角
部18dを結ぶ方向)26に周波数F2の共振電流が流
れる。
【0041】この2つの共振電流の周波数F1とF2
は、周波数が相違し且つ位相θがほぼ90°異なってい
る。2つの共振電流に基いて発生した電界の位相差は、
ほぼ90°となる。また、上述のように、共振電流の流
れる方向が対角線方向となるので、2つの電界は空間的
にほぼ直交したものとなる。そして、これら2つの電界
が合成されて円偏波の電磁波となる。この電磁波の合成
電界ベクトルは、共振周波数F1とF2の中間の周波数
Foを中心として回転しながら放射導体18の法線方向
の空間に放射される。周波数Foの位相は、周波数F1
とF2に対しほぼ45°相違している。
【0042】このときの軸比帯域幅の周波数特性を図2
に示す。この図2は、放射する周波数Foに対し、放射
導体18の法線方向から円偏波を平面的に見たときの長
軸の電界強度と短軸の電界強度の比を現したもので、実
線aが上記実施形態例の周波数特性を示し、点線bが図
11の実施形態例の周波数特性を示しており、上記実施
形態例の如く構成することにより、図11の実施形態例
の場合よりも帯域幅が広くなる。
【0043】上記実施形態例において、放射導体18に
対する給電導体20からの給電電力は、給電導体20と
放射導体18間の間隙幅を変えることにより所望に設定
することができる。また、容量装荷導体21,23と2
2,24の長さと幅は、円偏波アンテナ装置の周波数特
性を考慮して決められる。
【0044】しかし、容量装荷導体21と22および容
量装荷導体23と24は、夫々同じ側面14,15に形
成されているため、2つの共振周波数F1とF2間の位
相差は、厳密には90°にならない。このため、容量装
荷導体21,22,23,24の幅は、アンテナの特性
を考慮して、2つの共振周波数F1とF2間の位相差θ
を90°としたときの誤差が5°以内(85°≦θ≦9
5°)に入るように設定される。
【0045】また、2つの電界の空間における直交度合
いを高めると共に2つの電界の位相差θを90°に近づ
けるために、図1における容量装荷導体21,22,2
3,24は、隣接の側面をも利用して2つの側面が作る
縁に沿ってストリップ状に形成することができる。例え
ば、第一側面14に形成した容量装荷導体21は、第四
側面17側に跨って設けられる。すなわち、第一側面1
4と第四側面17が形成する縁に沿って、夫々の側面に
おける容量装荷導体21の幅と長さが等しく形成され
る。他の容量装荷導体22,23,24の形成も同様で
ある。この構成により、2つの電界の位相差θは90°
となり、また、2つの電界は空間的に直交して円偏波と
なる。
【0046】さらにまた、図1では、容量装荷導体2
1,22,23,24を、基体11の第一側面14と第
二側面15に設けたが、第一側面14と第二側面15の
何れか一方にのみ2つの容量装荷導体21,22または
容量装荷導体23,24を設けても良い。この場合で
も、放射導体18には縮退分離したモードの2つの共振
電流が流れるが、放射導体18と容量装荷導体21,2
2または容量装荷導体23,24間の装荷容量または静
電容量が小さくなり、円偏波として放射される電磁波の
周波数が高くなる。図1のように、4本の容量装荷導体
21,22,23,24を設けた場合と同じ周波数とす
るには、容量装荷導体21,22または容量装荷導体2
3,24の長さを長く構成して、放射導体18と容量装
荷導体21,22または容量装荷導体23,24間の装
荷容量または静電容量を大きくする。
【0047】さらに、容量装荷導体は、基体11の第一
側面14と第二側面15において、同じ対角とならない
位置に2つの容量装荷導体21,24または容量装荷導
体22,23を設けても良い。この場合にも、上記同様
に、給電導体18から供給された信号により縮退分離し
たモードの2つの共振電流が流れる。
【0048】図1に示した容量装荷導体21,22,2
3,24は、第一側面14および第二側面15に形成す
る変わりに、第三側面16および第四側面17に設ける
ことができる。この場合でも、アンテナとしての機能は
上記と全く同じである。
【0049】図3は、円偏波アンテナ装置の第2実施形
態例を示す。なお、図1と同一構成部分には同一符号を
付し、その共通部分の重複説明は省略する。この第2実
施形態例は、図1の第1実施形態例と容量装荷導体の構
成が相違している。第一側面14の短辺の縁に沿って配
置されているストリップ状の容量装荷導体31,32
は、容量装荷導体の上片31a,32aと容量装荷導体
の下片31b,32bの2つに夫々分断して形成され、
間隙を介して上下に位置されている。
【0050】すなわち、容量装荷導体下片31b,32
bの下端は接地導体19に接続され、容量装荷導体上片
31a,32aの上端は一方主面12と同じ高さに位置
している。そして、容量装荷導体上片31a,32aと
容量装荷導体下片31b,32bの間には間隙が形成さ
れており、容量装荷導体上片31aと容量装荷導体下片
31b間の間隙幅d1は、容量装荷導体上片32aと容
量装荷導体下片32b間の間隙幅d2よりも狭く形成さ
れている。
【0051】第二側面15の短辺の縁に沿って配置され
ている容量装荷導体33,34も上記同様であり、放射
導体18の対角線方向に位置する容量装荷導体の上下片
33a,33bは、容量装荷導体の上下片31a,31
bと同じ構成であり、同様に、対角線方向に位置する容
量装荷導体の上下片34a,34bは、容量装荷導体の
上下片32a,32bと同じ構成で、間隙幅d2を介し
て上下に位置している。容量装荷導体上片31a,32
a,33a,34aと放射導体18との間の間隙幅は夫
々等しくなっている。
【0052】第2実施形態例において、給電導体20に
供給された信号により縮退分離したモードの2つの共振
電流が流れ、ほぼ90°の位相差を持ち空間的にほぼ直
交する電界が発生する。放射導体18の対角線方向に流
れる2つの共振電流の周波数差は、容量装荷導体の上片
31a,32a,33a,34aと容量装荷導体の下片
31b,32b,33b,34bの間の静電容量により
決まり、容量装荷導体31と33を結ぶ方向の共振電流
の周波数は、容量装荷導体32と34方向の共振電流の
周波数よりも低くなる。2つの共振周波数間の位相は第
1実施形態例と同様にほぼ90°となる。
【0053】図4は、円偏波アンテナ装置の第3実施形
態例を示す。なお、図1と同一構成部分には同一符号を
付し、その共通部分の重複説明は省略する。第3実施形
態例の特徴は、正方形状の放射導体28の角部に放射導
体延長片28a,28b,28c,28dを設け、間隙
を介して接地導体19に接続された容量装荷導体41,
42,43,44を形成したことである。
【0054】放射導体延長片28a,28b,28c,
28dは、放射導体28の角部を夫々基体11の一方主
面12の角部に向けて伸張し且つ第一側面14および第
二側面15の短辺の縁に沿って下方に延ばして形成され
ており、その幅は容量装荷導体41,42,43,44
と同じ形状である。放射導体延長片28aと容量装荷導
体41間の間隙幅d3は、放射導体延長片28bと容量
装荷導体42間の間隙幅d4よりも狭く形成されてい
る。放射導体28の対角線方向の放射導体延長片28a
と28cは同じ構成であり、放射導体延長片28bと2
8dも同様に構成されている。また、容量装荷導体41
と図示しない容量装荷導体43は同じ構成であり、容量
装荷導体42と44も同じ構成である。
【0055】上記第3実施形態例の場合でも、第1実施
形態例と同様に、縮退分離したモードの共振電流は、空
間的にほぼ直交する2つの電界を発生させ、円偏波の電
磁波を放射するアンテナとなる。2つの電界の位相差は
ほぼ90°であり、2つの電界の周波数は、第1実施形
態例と同様に、放射導体延長片28a,28cと容量装
荷導体41,43間の静電容量および放射導体延長片2
8b,28dと容量装荷導体42,44間の静電容量で
決まる。
【0056】図5は、円偏波アンテナ装置の第4実施形
態例を示す。なお、図1と同一構成部分には同一符号を
付し、その共通部分の重複説明は省略する。第4実施形
態例は、容量装荷導体51,52,53,54を直線状
に形成するのではなく、ミアンダ状、すなわち、同じ平
面で折れ曲がって形成する点で、第1実施形態例と相違
している。容量装荷導体51,52は、第一側面14の
長手方向の両端縁に沿って形成され、また、容量装荷導
体53,54は第二側面15に同様に形成されており、
その位置は放射導体18の対角線の延長位置に相当して
いる。
【0057】容量装荷導体51,53の先端と放射導体
18間の間隙幅は、容量装荷導体52,54と放射導体
18間の間隙幅よりも狭くなっている。容量装荷導体5
1,52,53,54をミアンダ状に形成すると、容量
装荷導体51,52,53,54の面積が増大し放射導
体18との間の装荷容量または静電容量が大きくなるの
で、容量装荷導体51,52,53,54の幅は、第1
実施形態例の容量装荷導体21,22,23,24に比
べて狭く形成される。
【0058】この第4実施形態例によると、容量装荷導
体51,52,53,54は、それ自身でインダクタン
ス成分を有することになり、放射導体18と容量装荷導
体51,52,53,54間の容量成分(装荷容量また
は静電容量)と協働して縮退分離したモードの2つの共
振電流の共振周波数を低下させる。したがって、放射導
体18から放射される円偏波の電磁波の周波数を低下さ
せることができる。
【0059】図6は、円偏波アンテナ装置の第5実施形
態例を示す。なお、図1と同一構成部分には同一符号を
付し、その共通部分の重複説明は省略する。この第5実
施形態例の特徴は、少なくとも1つの容量装荷導体が基
体11の第一側面14および第二側面15から放射導体
18を形成した一方主面12まで伸びていることであ
る。
【0060】すなわち、第一側面14の短辺に沿って設
けられた容量装荷導体61は、下端が接地導体19に接
続されると共に上端は第一側面14と一方主面12が形
成する縁を越えて一方主面12まで伸張し、一方主面1
2において二股に枝分かれして分枝部61a、61bが
形成されている。この分枝部61a,61bは、一方主
面12の縁に沿って一定の長さを有し、放射導体18の
角部に面する側は放射導体18の縁と平行になってい
る。
【0061】容量装荷導体61対し放射導体18の対角
線方向に位置する第二側面15の容量装荷導体63にも
分枝部63a,63bが設けられ、その構成は容量装荷
導体61と同様である。また、第一側面14のもう一つ
の短辺に沿って設けられた容量装荷導体62およびこの
容量装荷導体62と対角線の位置にある第二側面15の
容量装荷導体64は、夫々下端が接地導体19に接続さ
れ、その長さは側面の短辺の長さと同じになっている。
【0062】上記第5実施形態例では、容量装荷導体6
1,62,63,64と放射導体18間の静電容量が第
1実施形態例の容量装荷導体21,22,23,24の
場合に比べて大きくなり、したがって、縮退分離した2
つの共振電流の共振周波数は第1実施形態例のアンテナ
よりも低くなる。
【0063】図7は、円偏波アンテナ装置の第6実施形
態例を示す。この円偏波アンテナ装置では、直方体の基
体71が用いられる。基体71の一方主面72には、正
方形の放射導体78が形成されており、放射導体78の
対向する2辺78a,78bと基体71の長辺(第一側
面74、第二側面75)間の間隙幅は、放射導体78の
他の2辺78c,78dと基体71の短辺(第三側面7
6、第四側面77)間の間隙幅より狭く、放射導体78
の対向する2辺78a,78bは、夫々第一側面74お
よび第二側面75に近接している。
【0064】また、基体71の他方主面73には、第一
側面74に設けた給電導体30の下端部分を除き、ほぼ
全面に接地導体79が形成されている。基体71の第一
側面74には、第1実施形態例の給電導体20と同様の
構成で給電導体30が形成されており、また、放射導体
78の対角線を延長した側面位置には、容量装荷導体8
1,82が形成されている。容量装荷導体82の長さは
容量装荷導体81の長さよりも短く形成されており、第
二側面75に形成される容量装荷導体83および図示し
ない容量装荷導体84についても同様に形成される。
【0065】この第6実施形態例の円偏波アンテナ装置
の場合でも、放射導体78は直交方向の電気長が等しく
形成されているので、第1実施形態例のアンテナの場合
と同様に機能し、給電導体30に供給された信号により
90度に近い位相角を持って縮退分離されたモードの2
つの共振電流が流れ、円偏波の電磁波を放射することが
できる。
【0066】図8は、円偏波アンテナ装置の第7実施形
態例を示す。なお、図1と同一構成部分には同一符号を
付し、その共通部分の重複説明は省略する。この第7実
施形態例は、基体35に導体形成面35a,35b,3
5c,35dが設けられ、この導体形成面35a,35
b,35c,35dに容量装荷導体47,48,49,
50が形成されている点で第1実施形態例と相違してい
る。
【0067】すなわち、基体35は、略正方形状の主面
36の角部で放射導体18の対角線の延長線と直交する
平面で削れ取られ、隣接する側面37,38,39,4
0間に導体形成面35a,35b,35c,35dが形
成される。この導体形成面35a,35b,35c,3
5dには、ストリップ状の容量装荷導体47,48,4
9,50が設けられている。容量装荷導体48,50の
長さは容量装荷導体47,49よりも短いが、幅は同じ
である。
【0068】この第7実施形態例では、容量装荷導体4
7,48,49,50は、正確に放射導体18の対角線
の延長線上に位置しているので、給電導体20から放射
導体18に供給された信号は、位相角が正確に90°と
なる縮退分離したモードになる。また、放射導体18の
対角線方向に励起された2つの共振電流の共振周波数差
は、第1実施形態例の場合と同様に、放射導体18と容
量装荷導体47,48,49,50間の装荷容量または
静電容量の値により決まる。2つの共振電流を励振源と
して放射導体18から円偏波の電磁波が放射されるが、
この中心周波数は共振電流の共振周波数と45°の位相
差となって、軸比帯域幅特性が向上する。
【0069】図9は、円偏波アンテナ装置の第8実施形
態例を示す。円偏波アンテナ装置は、誘電体からなる円
盤状の基体55を用いて構成されている。基体55の上
主面56には、第1実施形態例と同様に、正方形の放射
導体18が形成されている。基体55の周側面58に
は、基体の厚み方向に伸張し且つ上主面56に回り込ん
でストリップ状の給電導体60が形成されている。ま
た、基体55の下主面57には、給電導体60の下端部
分を除き、全面に接地導体59が形成されると共に、放
射導体18の対角線方向における周側面58の位置に
は、下端を接地導体59に接続した容量装荷導体66,
67,68,69が形成されている。容量装荷導体6
7,69は容量装荷導体66,68よりも短く形成され
ている。
【0070】この第8実施形態例も上記第7実施形態例
と同様に、給電導体60から給電された信号は放射導体
18において縮退分離したモードとなり、2つの電界は
正確に90°位相を持ち、空間的に直交するものとな
る。したがって、放射導体18から放射される円偏波
は、放射方向から平面的にみると、ほぼ真円となる。ま
た、2つの電界の周波数は、放射導体18の角部と容量
装荷導体66,68間の装荷容量または静電容量および
放射導体18の角部と容量装荷導体67,69間の装荷
容量または静電容量の影響を受ける。
【0071】なお、上記第1実施形態例乃至第8実施形
態例では、ストリップ状の容量装荷導体を4本用いる例
について説明したが、放射導体の2つの対角線方向にお
いて、放射導体に対するインピーダンスが異なる構成で
あれば、容量装荷導体は2本であっても良い。これらは
要求されるアンテナ特性を考慮して決められる。
【0072】また、放射導体は正方形として説明した
が、直交方向の電気長が等しければ、図10に示すよう
な電気的正方形の形状に構成しても良い。図10におい
て、放射導体88は、平行する2辺88c,88dから
凹形に切り取りとって凹形部88e,88fを作り、全
体が長方形の糸巻の形状となっているが、直交する2辺
88a,88cの縁に沿った電気長L1,L2を等しく
(L1=L2)構成している。
【0073】この放射導体88では、図示しない給電導
体は、辺88a,88b側でも凹形部88e,88fを
設けた辺88c,88d側のいずれでも良く、位置は限
定されない。放射導体88が給電導体から信号の供給を
受けると、上記実施形態例に示した構成および配置の容
量装荷導体を設けることにより、放射導体88の2つの
対角線方向に縮退分離したモードの共振電流が流れる。
放射導体88は、直交する2辺の電気長L1,L2を等
しく構成しているので、電気的には正方形となってお
り、目視による2つの対角線は電気的に直交する対角線
となるので、縮退分離したモードの2つの共振電流の位
相差は90°となる。また、2つの共振電流の流れる方
向は、電気的に直交する方向となるので、空間的に直交
する2つの電界を励起することが可能となる。
【0074】
【発明の効果】本発明の円偏波アンテナ装置によれば、
放射導体の対角線方向に、放射導体との間に異なる値の
装荷容量を生じる容量装荷導体を形成するので、給電導
体から放射導体に入力される送信信号により縮退分離し
たモードの2つの共振電流が励振され、この共振電流を
励振源する2つの電界(偏波)はほぼ90度の位相差と
なり、また、2つの電界は空間的にほぼ直交するものと
なる。したがって、2つの電界は相互に干渉すことな
く、電界間の分離特性が向上し、アンテナの利得や帯域
幅が良好となり、さらには、軸比帯域幅が著しく向上す
る。
【0075】また、本発明の円偏波アンテナ装置によれ
ば、放射導体の形状を正方形または電気的な正方形の形
状に構成し、放射導体における2つの対角線の延長線を
基準にした位置で放射導体に接近して形状の異なる容量
装荷導体を配置するので、構造的に、縮退分離したモー
ドのほぼ90度の位相差を持つ2つの電界が励起され、
且つ縮退分離したモードの2つの電界は空間的に互いに
ほぼ直交したものとすることができ、円偏波のアンテナ
特性を向上させることができる。
【0076】さらに、本発明の円偏波アンテナ装置によ
れば、放射導体の同じ対角線方向の両側に同じ長さの容
量装荷導体を配置すると共に、異なる対角線方向におい
て容量装荷導体の長さ寸法を異ならせることにより、縮
退分離したモードの2つの電界の周波数を変えることが
できる。すなわち、容量装荷導体の形態を選択すること
により装荷容量を変えることができるから、アンテナ特
性を劣化させることなく円偏波アンテナ装置から放射さ
れる円偏波の中心周波数を高くまたは低く設計すること
ができ、設計の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円偏波アンテナ装置の斜視図で、
(A)は表面斜視図、(B)は裏面斜視図である。
【図2】図1の円偏波アンテナ装置における軸比帯域幅
の周波数特性図を示す。
【図3】本発明に係る円偏波アンテナ装置の第2実施形
態例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る円偏波アンテナ装置の第3実施形
態例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る円偏波アンテナ装置の第4実施形
態例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る円偏波アンテナ装置の第5実施形
態例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る円偏波アンテナ装置の第6実施形
態例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る円偏波アンテナ装置の第7実施形
態例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る円偏波アンテナ装置の第8実施形
態例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る円偏波アンテナ装置に用いられ
る放射導体の第2実施形態例を示す平面図である。
【図11】円偏波アンテナ装置の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 円偏波アンテナ装置 11,35,55,71 基体 12 一方主面 13 他方主面 14,15,16,17 側面 18,28,88 放射導体 18a,18b,18c,18d 角部 19,59,79 接地導体 20,30,60 給電導体 21,22,23,24,31,32,33,34,4
1,42,43,44,47,48,49,50,5
1,52,53,54,61,62,63,64,6
6,67,68,69,81,82,83,84 容量
装荷導体 25,26 対角線方向 28a,28b,28c,28d 放射導体延長片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 茂一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 湯浅 敦之 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J045 AA15 AA21 CA04 DA10 EA07 HA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電材料からなる基体と、該基体の一方
    主面に形成した四角形状の放射導体と、該放射導体と対
    向する前記基体の他方主面に形成した接地導体と、前記
    基体に前記他方主面側から前記一方主面側に向けて伸張
    して形成した給電導体とを備え、前記放射導体は、該放
    射導体における直交する2方向の電気長が等しい形状に
    形成すると共に、前記基体には、前記放射導体の対角線
    方向の位置に、前記放射導体に流れる2つの共振電流の
    周波数差を定める装荷容量を前記放射導体との間に生じ
    る容量装荷導体を設けたことを特徴とする円偏波アンテ
    ナ装置。
  2. 【請求項2】 誘電材料からなる基体と、該基体の一方
    主面に形成した放射導体と、該放射導体と対向する前記
    基体の他方主面に形成した接地導体と、前記基体の側面
    に前記他方主面側から一方主面側に向け伸張して形成し
    た給電導体とを備える円偏波アンテナ装置において、前
    記放射導体を正方形または電気的な正方形の形状に形成
    すると共に、前記基体には、前記放射導体における2つ
    の対角線の延長位置またはその近傍に、前記接地導体と
    前記放射導体の間に形成され前記一方の対角線方向と前
    記他方の対角線方向において互いに形態の異なる容量装
    荷導体を設けたことを特徴とする円偏波アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 前記基体は、2つの主面および4つの側
    面を有する六面体に形成し、前記容量装荷導体は、前記
    給電導体を設けた側面に、隣接する側面間の夫々の縁に
    沿って配置すると共に一端を前記接地導体に接続した前
    記一方の容量装荷導体の長さを前記他方の容量装荷導体
    の長さよりも短く形成し、前記給電導体を設けた側面と
    対向する側面には、隣接する側面間の夫々の縁に沿って
    前記主面の対角線方向の前記容量装荷導体と同じ長さの
    容量装荷導体を設けたことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の円偏波アンテナ装置。
  4. 【請求項4】 前記容量装荷導体は、間隙幅を設けて複
    数の容量装荷導体片に分割して構成したことを特徴とす
    る請求項1または請求項2または請求項3に記載の円偏
    波アンテナ装置。
  5. 【請求項5】 前記放射導体には、前記放射導体の角部
    から伸張し隣接する側面間の縁に沿って降下する放射導
    体延長片を設け、該放射導体延長片と前記容量装荷導体
    との間に異なる対角線方向において異なる間隙幅を設け
    て構成したことを特徴とする請求項1または請求項2ま
    たは請求項3に記載の円偏波アンテナ装置。
  6. 【請求項6】 前記容量装荷導体の少なくとも1つは、
    前記放射導体が形成された主面まで伸張して形成したこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3
    に記載の円偏波アンテナ装置。
  7. 【請求項7】 前記容量装荷導体は、ミアンダ状に形成
    したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか
    1つに記載の円偏波アンテナ装置。
  8. 【請求項8】 前記基体は、直方体に形成したことを特
    徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の
    円偏波アンテナ装置。
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