JP2002092833A - 磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録装置

Info

Publication number
JP2002092833A
JP2002092833A JP2000280102A JP2000280102A JP2002092833A JP 2002092833 A JP2002092833 A JP 2002092833A JP 2000280102 A JP2000280102 A JP 2000280102A JP 2000280102 A JP2000280102 A JP 2000280102A JP 2002092833 A JP2002092833 A JP 2002092833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
slider
pad
recording medium
length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000280102A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Sato
毅志 佐藤
Kenji Hayashi
健児 林
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2000280102A priority Critical patent/JP2002092833A/ja
Publication of JP2002092833A publication Critical patent/JP2002092833A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライダーが磁気記録媒体に吸着する現象を
抑えようとすると、スライダーの突起の耐久性が損なわ
れるという問題があった。そこで、突起の耐久性を得る
とともに吸着現象を防止したスライダーと磁気記録媒体
を用いた磁気記録装置を提供する。 【解決手段】 浮上面よりも突出したパッドを有するス
ライダーと磁気記録媒体を備える磁気記録装置であっ
て、パッドのスライダー長手方向に沿った長さをLp
l、スライダー短手方向に沿った長さをLpsとし、磁
気記録媒体上における凸部の円周方向の長さをDbc、
半径方向に沿った長さをDbr、前記凹凸形状における
凸部の円周方向の間隔をLbc、半径方向の間隔をLb
rとすると、Lpl>(Lbc+Lbr1/2
Dbc 且つ Lps>(Lbc+Lbr1/2
−Dbr の関係にある磁気記録装置を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,磁気記録装置に使
用されるコンタクト・スタート・ストップ(以下CSS
と記す)方式の磁気ヘッドスライダーを用いる磁気記録
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録装置においては、浮上型ヘッド
を用いるCSS方式が採用されることが一般的である。
CSS方式は磁気記録装置の停止時および起動時には磁
気ヘッドを磁気記録媒体(磁気ディスク)の面に接触さ
せ、情報の記録再生時には高速回転する磁気ディスク表
面に発生する空気流によって、磁気ヘッドが磁気ディス
ク表面と微小間隔を保持しながら浮上するものである。
また、磁気ヘッドのスライダーはサスペンションによっ
て支持されており、スライダーの流出端側近傍には一般
的に電磁トランスデューサー(磁気ヘッドの素子)が具備
される。そのため、浮上したスライダーに具備された電
磁トランスデューサーはサスペンションによって支持さ
れながら磁気ディスク面上を移動し、所定のトラックへ
の情報の記録再生をおこなう。従来、浮上型の磁気ヘッ
ドスライダーを採用した磁気記録装置では、磁気ヘッド
スライダーのディスク対向面側の左右両端に一対のレー
ルが設けられている。さらに、各レールの空気流入端側
にはテーパー面が設けられており、磁気ディスクの高速
回転により発生した空気流を空気軸受け表面(浮上面)
で受けてスライダーが浮上し、磁気ディスク表面と電磁
トランスデューサーとの間の微小間隔を安定に維持して
いる。また、最近では前記テーパー面の代わりに浅い段
差を用いたスライダーや、左右レールに代わり種々の考
え方に基づいたパッドを数カ所に配した浮上面形状が主
流となりつつある。これらの方式では高い浮上安定性と
微小な浮上量を確保できる反面、ディスク回転停止時に
はディスクにスライダーの浮上面が接触し、磁気記録装
置の起動停止時にディスクと浮上面の摺動が発生する。
【0003】このため、磁気ディスクの記録層上にはカ
ーボン等の硬い材料からなる保護膜と、保護膜の摩擦・
磨耗を低減してディスクの耐久性を向上させるための潤
滑層が形成されている。潤滑層の存在により保護膜の摩
擦・磨耗は低減するが、一方で停止時にディスクとスラ
イダーとの吸着(スティクション)が発生して起動でき
ないことがある。この吸着問題に対処するため、現在で
はスライダー浮上面を長手方向全長にわたって円筒形状
に加工(クラウン加工)し、スライダーとディスクとの
接触面積を低減する技術が一般的である。しかしなが
ら、近年の情報量の増大にともない、磁気記録装置の高
密度・大容量化および小型化の進展は著しい。この小型
化にともないスピンドルモーターの起動トルクの減少や
高密度化に係るディスク表面の平滑化により、クラウン
加工したスライダーにおいても吸着問題の発生を完全に
回避することは困難となっているのが現状である。
【0004】接触や吸着に対する技術として次のものが
挙げられている。 (従来例1)レーザーによるバンプテクスチャーを施し
た磁気ディスク上に、ABS面で接触・摺動する磁気ヘ
ッドスライダーを用いた磁気記録装置は一般的に使われ
ている。
【0005】(従来例2)平滑性または面粗さを規定し
た磁気ディスク上において、パッドを有する磁気ヘッド
スライダーを搭載した磁気記録装置が特開平11−02
5630号公報に開示されている。
【0006】(従来例3)特許第2975220号公報
には、磁気ヘッドスライダー、および/またはディスク
にパッドを設け、パッドの間隔を数式で規定した技術が
開示されている。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】従来例1の構成を用い
る場合、低浮上量の領域ではバンプ高さが下がってきて
おり、ABS面で接触・摺動する磁気ヘッドスライダー
が磁気ディスクに吸着する現象が顕著になってしまう。
従来例2の構成を用いる場合、スライダー側にパッドを
設け吸着現象の抑制を狙っているが、長時間停止させる
と吸着現象が発生していた。従来例3の構成を用いる場
合、パッド同士の干渉が発生することがある。すなわ
ち、同じような形状のパッドをスライダーと媒体の双方
に形成するとお互いに噛み合い、かえって衝突と振動が
大きくなり耐久性に悪影響をおよぼしている。パッドが
スライダーと媒体のいずれか一方のみに形成された場
合、従来例2と同様に吸着の問題が生じる。いずれの場
合でも耐久性・吸着現象に依然として問題があった。そ
こで、本発明の目的は、ヘッドスライダー側に設けるパ
ッドの形状と、磁気記録媒体上に設けられる凹凸形状の
配置を検討し、上述の問題点を解決する磁気記録装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録装置
は、浮上面より突出したパッドを有する磁気ヘッドスラ
イダーと、前記磁気ヘッドスライダーに対向し情報の記
録・再生を行う磁気記録媒体を備える磁気記録装置であ
って、前記磁気ヘッドスライダーのパッドはスライダー
長手方向に沿った長さをLplとし、スライダー短手方
向に沿った長さをLpsとし、少なくとも磁気ヘッドス
ライダーと接触・摺動する領域に形成された前記磁気記
録媒体上の凹凸形状の凸部について、磁気記録媒体の円
周方向の長さをDbcとし、磁気記録媒体の半径方向に
沿った長さをDbrとし、前記凸部の円周方向の間隔を
Lbcとし、半径方向の間隔をLbrにするとともに、
Lpl>(Lbc+Lbr1/2−Dbc 且つ
Lps>(Lbc+Lbr1/2−Dbr の不
等式の関係を満たすことを特徴とする。ここで、パッド
の長さとはパッドが磁気記録媒体と接触する面における
長さをいう。凸部の長さとは凸部がパッドと接触する面
における長さをいう。凹凸形状の凸部とは、スライダー
上にある凹凸径形状のうち、スライダーと接触すべく突
出している部分に相当する。凸部より凹んでいる箇所は
凹凸形状の凹部に相当する。
【0009】前記の不等式の関係を満たすと、CSSで
スライダーの良好な耐久性が得られた。スライダー上に
配置されたパッドが、常に磁気記録媒体上の複数の凸部
で支えられることにより、スライダーのパッドが凹部に
落ち込んだり引っかかったりすることが無くなり、スム
ーズな摺動が実現できる。なお、パッドが浮上面より突
出するとは、スライダーを基準にしたときのパッドの高
さが浮上面の高さより高いことをいう。
【0010】パッドが3個以上あると、各々のパッドが
前記凸部で支えられて、浮上面は磁気記録媒体から浮い
ている状態になる。従って、パッド以外の部分でスライ
ダーが磁気ディスクに接触する面積は低減され、より良
いCSS耐久性が得られる。特に、空気流入端側に2個
以上のパッドを有し、空気流出端側に1個以上のパッド
を有する構成が好ましい。
【0011】上記本発明の磁気記録装置において、前記
パッドは、スライダー長手方向に沿った長さLplが2
5μm以上且つ75μm以下であり、スライダー短手方
向に沿った長さLpsが25μm以上且つ75μm以下
であることが望ましい。また、磁気記録媒体上におい
て、前記凸部は磁気記録媒体の円周方向の長さDbcが
4μm以上且つ15μm以下であり、磁気記録媒体の半
径方向に沿った長さDbrが4μm以上且つ15μm以
下であり、前記凸部は、磁気記録媒体円周方向の間隔L
bcが10μm以上且つ50μm以下であり、半径方向
の間隔Lbrが10μm以上50μm以下であり、上記
の不等式を満たすことが望ましい。磁気ヘッドのパッ
ド、磁気記録媒体側の凸部を上記範囲内にすると、吸着
と摩耗を抑制した摺動特性を得ることができる。
【0012】パッドや凸部の寸法範囲を規定した理由を
説明する。パッドの長さが大き過ぎるとスライダーが磁
気ディスクに吸着し易くなる。そこで、パッドの長さL
pl及びLpsの上限値を75μmとした。パッドの形
状はフォトリソグラフィー技術で加工する。この際、レ
ジストパターンで精度良く形成するために、パッドの長
さLpl及びLpsの下限値を25μmにした。磁気デ
ィスク側の凸部の長さDbcやDbrは、下限を4μm
とした。下限値より凸部長さが小さくなると摩耗し易く
なる。また、凸部の長さの上限値をパッド長さに近づけ
ると、パッドと干渉してかえって摺動性を低下させる。
干渉が起こらない上限値として15μmを見出した。磁
気ディスク側の凸部の間隔Lbc、Lbrは、パッドと
凸部が上記不等式を満たすように設定した。
【0013】また、上記本発明において前記磁気記録媒
体の前記凸部はレーザービームで基板の溶融・凝固を行
って形成されることを特徴とする。磁気記録媒体の凹凸
形状の凸部を形成する際には、レーザービームを用いる
ことが他の手法に比べて製造工程の短縮・コストの点で
優れている。レーザービームで形成された凹凸形状の凸
部は、前述のスライダーのパッドと組み合せることで良
好な摺動特性を示した。即ち、この磁気記録媒体を用い
ることで生産性も良く良質な磁気記録装置を得ることが
できた。
【0014】また、上記本発明において、前記磁気記録
媒体上にフッ素系潤滑剤を塗布し、前記フッ素系潤滑剤
の膜厚を1.0nm以上且つ2.8nm以下にすること
を特徴とする。膜厚が2.8nmより大きくなると、潤
滑剤が媒体−突起−浮上面の間でつながりやすく、スラ
イダーが媒体に吸着するので好ましくない。膜厚が1n
mより小さくなると、突起と凸部の間を潤滑させる効果
が低下してしまう。さらに、耐久性・粘着性に問題無く
使用でき、両特性のバランスを得るためには上限値を下
げて、フッ素系潤滑剤の膜厚を1.2nm以上且つ2.
5nm以下にすることがより好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の詳細について図面で説明
する。図1〜3において、パッドあるいは凸部の構成を
示す。図4及び5おいて、磁気ディスク上でスライダー
の再生動作を行わせ、スライダーのパッドと磁気ディス
クの凸部がどのような関係になるかを説明する。図1
は、本発明の一実施形態のスライダーを説明する斜視図
である。図2は、他の実施形態に係るスライダーのパッ
ド配置を説明する平面図である。図3は、磁気ディスク
上の凸部の配列を示す平面図である。図4は、比較例の
磁気ディスク凸部とスライダーのパッドの関係を説明す
る模式図である。図5は、媒体の凸部とスライダーのパ
ッドの関係を説明する本発明の模式図である。
【0016】図1は、本発明に係るパッドを有するスラ
イダーの斜視図である。セラミック基板の一方の面に浮
上面などを形成し、個々の基体に切り分けてスライダー
1を得る。スライダー1は、流入端側に設けた浅い段差
3と、一対の浮上面2と、浅い段差3の上に設けた一対
のパッド7と、浮上面2と浅い段差3に囲まれた深い段
差6と、磁気ヘッドの記録再生素子の先端を配置した浮
上面4を備える。パッド7の先端の面(突起面)は、浮
上面より高くなるようにスライダーから突出させた。こ
こで、突出とは深い段差6からパッド7までの高さが、
深い段差6から浮上面2までの高さよりも高いことをい
う。高さは浮上面に垂直な向きの高さである。基体の空
気流出端側の側面には、磁気ディスクの記録・再生を行
う記録再生素子4bとその電極4cを有する。
【0017】図2は、本発明に係るパッドを有する他の
スライダーの平面図である。図2(a)は図1の構成の
深い段差8に一対のパッド8を加えたスライダー10で
ある。パッド8の面は浮上面4よりもスライダーから突
出させた。図2の(b)の拡大図にパッドの寸法の定義
を示す。スライダー長手方向に沿った長さをLpl=6
0μmとし、スライダー短手方向に沿った長さをLps
=45μmとした。
【0018】図3は、磁気ディスク上に配列した凸部の
一例である。各々の凸部17はレーザー照射で形成し
た。まず、磁気記録媒体のベースとして円盤状の基板を
用意した。基板の面内一個所にレーザービームをパルス
照射すると、基板表面が溶融・凝固して凸部となった。
続けて、磁気記録媒体(基板)の円周方向に沿って距離
Lbc離した箇所について、同様のレーザー照射を行っ
て隣の凸部を形成した。磁気記録媒体を一周したら磁気
記録媒体の半径方向に距離Lbrずらした位置につい
て、同様にレーザー照射を繰り返し行い、磁気記録媒体
(基板)に凸部の配列を形成した。最後に、基板上に磁
性層や保護層などをスパッタリングで積層し、その上に
フッ素系潤滑剤を塗布して磁気ディスクを作製した。レ
ーザービームを用いたため、磁気ディスクを回転させな
がら短時間の内に必要な数の凸部を形成することができ
た。フォトリソグラフィーやエッチング等を用いる方法
に比べて製造工程を短くすることができた。
【0019】(比較例1)図4は、磁気ディスクの凸部
とスライダーのパッドの配置に係る比較例である。凸部
27に対してスライダーのパッド8bの位置を大きな楕
円で表す。スライダーのパッドはLpl=60μmと
し、Lps=45μmとした。磁気ディスクの凸部は、
その長さをDbc=12μm且つDbr=8μmとし
た。また、格子状に配列した凸部同士の間隔はLbc=
60μm且つLbr=45μmとした。磁気ディスク上
の潤滑剤厚さは1.5nmとした。まず、磁気ディスク
上にスライダーを配置し、磁気ディスクを停止・起動さ
せるCSS動作を1000回行った。1時間静止させた
後に、再び起動させて吸着の有無を検討した。パッド8
bを凸部27bから隣の凸部27cの上に移動させた場
合、パッド長さが凸部の間隔に比べて大きくないため
に、パッド8bが凸部の端に当たって摩耗した。また、
パッド8bを凸部27bから斜め方向にある凸部27d
の上に移動させた場合、パッド8bは凸部27bから外
れて、凸部27b′には乗らず凸部27dの前の凹部に
接触した後、凸部27dに乗り上げた。この斜め方向の
動作では、突起の摩耗と振動という問題が生じた。移動
方向を変えて実験したのは、凸部とパッドの相対運動の
向きが磁気ディスクのトラックの内周/外周で変化する
ためである。
【0020】(実施例1)図5は、磁気ディスクの凸部
とスライダーのパッドの配置に係る実施例である。凸部
37は磁気ディスク上で格子状に配列されている。スラ
イダーのパッドの寸法は、Lpl=72μm且つLps
=56μmとした。スライダーの基本構成は図1と同様
とした。図5(b)は、スライダー1と磁気ディスク4
0の関係を示す斜視図である。図5(a)はパッドと凸
部の配置関係を示す模式図である。スライダーのパッド
7は、2個以上の凸部の上に乗っている。凸部の寸法
は、磁気ディスクの円周方向の長さDbc=12μmと
して、磁気ディスクの半径方向に沿った長さDbr=8
μmとした。磁気ディスク上の潤滑剤の膜厚は1.5n
mとした。格子状に配列させた凸部の間隔は、磁気ディ
スクの円周方向に沿った間隔をLbc=40μmとし
て、磁気ディスクの半径方向に沿った間隔をLbr=3
0μmとした。パッド8を凸部37bから凸部37cの
方に移動させたところ、パッドは常に複数の凸部の上に
乗った状態で移動した。パッドが凹部に落ち込むことが
なく、パッドの摩耗は抑制された。また、パッドを斜め
方向に移動させても、凹部がパッドに与える影響は低下
しパッドの摩耗や振動は問題にならなかった。同様に、
凸部を千鳥状に配列させた磁気ディスクを用いても、パ
ッドの摩耗を抑制することができた。同様に磁気ディス
クの内周及び外周においてもパッドの摩耗及び振動を抑
制できることがわかった。なお、比較例1に比べてパッ
ドの面と凸部の接触面積は増加しているが、吸着問題は
生じなかった。
【0021】次に、パッドと凸部を円形とした組合せと
して比較例2と実施例2を説明する。比較例2は、パッ
ドの直径を25μmとし、凸部の直径を10μmとし、
格子状に配列させた凸部同士の間隔を40μmとした。
実施例2は、パッド長さ(直径)Lpl=Lps=40
μmとし、磁気ディスクの凸部の長さ(直径)Dbc=
Dbr=10μmとし、格子状に配列させた凸部同士の
間隔をLbc=Lbr=20μmとした。双方とも磁気
ディスク上の潤滑剤の膜厚を1.5nmにした。比較例
2と実施例2について、比較例1及び実施例1と同様の
CSS試験を行って吸着や摩耗の有無を確認した。その
結果、比較例1では突起の摩耗が生じた。これに対して
実施例2では突起の摩耗・振動が起こらず、吸着問題も
生じなかった。さらに、実施例2と同様の構成で方形の
パッドを用いたスライダーについても実験した。すると
吸着性の点で実施例2と同様の効果を得ることができ
た。しかしながら、方形のパッドは外周の直線部でディ
スク上に発生したダストを集め易いということがわかっ
た。従って、長期間の使用と対摩耗性を考慮すると、パ
ッドの形状は円あるいを楕円にすることが好ましい。
【0022】次に、磁気ディスク上に塗布する潤滑剤の
膜厚dを変えて実施例1と同様のCSS試験を行った。
潤滑剤は磁気ディスク表面に一様の厚さで塗布した。膜
厚dの条件以外は図4の構成と同じにした。その結果を
表1に示す。突起の耐摩耗性を検討したところ、d≦
0.7nmでは突起が摩耗した。d≧1.0nm以上で
は実用的に問題なかったが長時間使用すると摩耗し始め
た。長時間使用しても全く摩耗しないようにするにはd
≧1.2nmにすれば良いことがわかった。次に、媒体
とスライダー間の吸着を検討した。d≦2.8nmでは
問題なかったが、d=3.0nmでは吸着現象が発生し
た。これらの結果から膜厚は1.0nm≦d≦2.8n
mにすべきことがわかった。さらに、磁気ディスクを量
産する場合、潤滑剤膜厚のディスク面内均一性を保持す
ることが必要になった。膜厚のズレを±10%以内に収
められる条件を捜したところ、d≦2.5nmで膜厚の
ズレを範囲内に収めることができた。従って、長期信頼
性や量産性まで考慮すると、潤滑剤の膜厚dの範囲を
1.2nm≦d≦2.5nmにすることが望ましい。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上で説明したように、スライダー長手
方向に沿ったパッド長さLpl、スライダー短手方向に
沿ったパッド長さLps、磁気記録媒体円周方向の凸部
長さDbc、半径方向に沿った凸部長さDbr、円周方
向の凸部間隔Lbc、半径方向の凸部間隔Lbrについ
て、Lpl>(Lbc+Lbr1/2−Dbc
且つLps>(Lbc+Lbr1/2−Dbr
の不等式の関係に規定する本発明の構成を用いること
で、スライダーと磁気記録媒体間で吸着や摩耗を抑制す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパッドを設けたスライダーを説明
する斜視図である。
【図2】本発明に係る他の実施形態のスライダーを説明
する平面図である。
【図3】本発明に係る磁気ディスク上の凸部の一例を示
す平面図である。
【図4】比較例に係る媒体の凸部とスライダーのパッド
の関係を説明する模式図である。
【図5】本発明に係る媒体の凸部とスライダーのパッド
の関係を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 スライダー、2 浮上面、3 浅い段差、4 浮上
面、4b 磁気ヘッドの記録再生素子、4c 電極、6
深い段差、7 流入端側のパッド、8 流出端側のパ
ッド、8b パッド、10 スライダー、17 凸部、
27 比較例の凸部、27b 凸部、27b′ 凸部、
27c 凸部、27d 凸部、37 本発明の凸部、3
7b 凸部、37c 凸部、40 磁気ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 21/21 101 G11B 21/21 101P Fターム(参考) 5D006 AA01 DA03 DA04 5D042 AA07 NA02 PA01 QA02 QA03 SA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮上面より突出したパッドを有する磁気
    ヘッドスライダーと、前記磁気ヘッドスライダーに対向
    し情報の記録・再生を行う磁気記録媒体を備える磁気記
    録装置であって、 前記磁気ヘッドスライダーのパッドはスライダー長手方
    向に沿った長さをLplとし、スライダー短手方向に沿
    った長さをLpsとし、 少なくとも磁気ヘッドスライダーと接触・摺動する領域
    に形成された前記磁気記録媒体上の凹凸形状の凸部につ
    いて、磁気記録媒体円周方向の長さをDbcとし、磁気
    記録媒体の半径方向に沿った長さをDbrとし、前記凸
    部の円周方向の間隔をLbcとし、半径方向の間隔をL
    brにするとともに、 Lpl>(Lbc+Lbr1/2−Dbc 且
    つ、 Lps>(Lbc+Lbr1/2−Dbr の不
    等式の関係を満たすことを特徴とする磁気記録装置。
  2. 【請求項2】 前記パッドは、スライダー長手方向に沿
    った長さLplが25μm以上且つ75μm以下であ
    り、スライダー短手方向に沿った長さLpsが25μm
    以上且つ75μm以下であり、 磁気記録媒体上において、前記凸部は磁気記録媒体円周
    方向の長さDbcが4μm以上且つ15μm以下であ
    り、半径方向に沿った長さDbrが4μm以上且つ15
    μm以下であり、 前記凸部は、磁気記録媒体円周方向の間隔Lbcが10
    μm以上且つ50μm以下であり、半径方向の間隔Lb
    rが10μm以上50μm以下であり、請求項1の不等
    式を満たすことを特徴とする請求項1または2のいずれ
    かに記載の磁気記録装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気記録媒体の前記凸部はレーザー
    ビームで基板の溶融・凝固を行って形成されることを特
    徴とする請求項1または2のいずれかに記載の磁気記録
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の磁
    気記録装置であって、前記磁気記録媒体上にフッ素系潤
    滑剤を塗布し、前記フッ素系潤滑剤の膜厚が1.0nm
    以上且つ2.8nm以下であることを特徴とする磁気記
    録装置。
JP2000280102A 2000-09-14 2000-09-14 磁気記録装置 Withdrawn JP2002092833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000280102A JP2002092833A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 磁気記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000280102A JP2002092833A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 磁気記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002092833A true JP2002092833A (ja) 2002-03-29

Family

ID=18765001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000280102A Withdrawn JP2002092833A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 磁気記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002092833A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010092532A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Tdk Corp 磁気特性検査方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010092532A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Tdk Corp 磁気特性検査方法及び装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6212042B1 (en) Slider having air bearing surface which includes pads for disk storage system
US7690100B2 (en) Techniques for certifying a head-gimbal assembly
JP3962241B2 (ja) 平滑面磁気ディスク対応ヘッドスライダ、ヘッドスライダアッセンブリ、および磁気ディスク装置、ならびに磁気ディスクの検査・製造方法、および磁気ディスク装置の組み立て方法
JPH0817155A (ja) 磁気ディスク
JP2002092833A (ja) 磁気記録装置
JP3050998B2 (ja) 磁気ディスク
JP2975220B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気ヘッド及び磁気記録装置
JP2000067430A (ja) 磁気ディスク装置
JPH06267047A (ja) 磁気記録装置
JP2901437B2 (ja) 磁気ディスク及び磁気ヘッド
JPH03127327A (ja) 磁気デイスクとその製造法及び磁気デイスク装置
JP2798833B2 (ja) 磁気ディスクおよび磁気ヘッド
JP2902839B2 (ja) 磁気ディスクと磁気ヘッドおよびそれらの製造方法
JPS6244371A (ja) バニツシユヘツドの構造
JP2000099942A (ja) 磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板
JPH1040540A (ja) 磁気ディスク及び磁気ディスク装置
JP2930060B2 (ja) 磁気ディスク、磁気ディスク用基板および磁気ディスクの製造方法
JP2738394B2 (ja) 磁気ディスク
JPH09282645A (ja) 記録媒体及びディスク装置
JPH10283632A (ja) 磁気ディスク、磁気ディスク装置及び磁気ディスク用基板の成形用スタンパの作成方法
JP3240717B2 (ja) 摺動型磁気ヘッド支持装置
JPH09204653A (ja) 磁気ディスク及び磁気ディスク装置
JPH06111292A (ja) 磁気ディスクおよび磁気記録装置
JPH11191216A (ja) 磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板
JPH071541B2 (ja) 磁気デイスク

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040225

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060407