JP2002090503A - 反射防止フィルム、その製造方法、それを被覆したプラスチック成形物及びその製造方法 - Google Patents

反射防止フィルム、その製造方法、それを被覆したプラスチック成形物及びその製造方法

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JP2002090503A
JP2002090503A JP2000275271A JP2000275271A JP2002090503A JP 2002090503 A JP2002090503 A JP 2002090503A JP 2000275271 A JP2000275271 A JP 2000275271A JP 2000275271 A JP2000275271 A JP 2000275271A JP 2002090503 A JP2002090503 A JP 2002090503A
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antireflection film
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Mamoru Hino
守 日野
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面を有する製品や材料に貼り付け可能な反
射防止フィルムとその製造方法の提供。 【解決手段】 メルトフローレートが0.5〜15g/
10minである熱可塑性樹脂で成形された基材フィル
ムに反射防止膜が積層されてなることを特徴とする反射
防止フィルム及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止フィルム
に関し、特に眼鏡、コンタクトレンズ、カメラ等のレン
ズ、曲面部分を有するCRT等、ディスプレイ及び表面
がフラットでない異形成形されたものに好適に用いられ
る反射防止フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、眼鏡、カメラレンズ等は、外
光の表面反射が問題となっている。特に、近年、プラス
チックコンタクトレンズが薄型化し、高屈折率化、非球
面化によるレンズ曲率からの反射像が目立つようになっ
てきた。こうした問題に対して、表面反射を抑えるため
に、スパッタリングや蒸着法により多層反射防止層をコ
ーティングすることが提案されている(例えば特開平9
−211203号公報)。しかしながら、このプロセス
は、バッチ処理であり、改良が加えられてはいるが、ま
だまだ生産性が低いという問題があった。
【0003】一方、塗工法(特開平11−174971
号公報)や、常圧プラズマ法(特開平11−25324
7号公報)では基材フィルム上に多層反射防止層を連続
コーティングすることが可能であり、反射防止フィルム
の高い生産性を達成できるが、該反射防止フィルムは、
平面製品へ貼り付ける用途が主になり、曲面を有する製
品への貼り付けは困難であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、曲面を有する製品や材料に貼り付け可能な反射防
止フィルムとその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、特定のメルトフローレー
トを有する熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより曲
面を有する製品等にも好適に反射防止層を設けることが
できることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明の第1(請求項1の発
明)は、メルトフローレートが0.5〜15g/10m
inである熱可塑性樹脂で成形された基材フィルムに反
射防止膜が積層されてなることを特徴とする反射防止フ
ィルムである。
【0007】また、本発明の第2(請求項2の発明)
は、反射防止膜がSiO2層及びTiO2層の積層体によ
って構成されていることを特徴とする第1の発明に記載
の反射防止フィルムである。
【0008】また、本発明の第3(請求項3の発明)
は、大気圧近傍の圧力下、金属化合物を含むガス雰囲気
中で、一対の対向電極間に、放電電流密度が0.2〜3
00mA/cm2となるように電界を印加することによ
り、放電プラズマを発生させ、反射防止膜を積層するこ
とを特徴とする第1又は2の発明に記載の反射防止フィ
ルムの製造方法である。
【0009】また、本発明の第4(請求項4の発明)
は、上記一対の対向電極間にパルス化された電界を印加
することを特徴とする第3の発明に記載の反射防止フィ
ルムの製造方法である。
【0010】また、本発明の第5(請求項5の発明)
は、上記パルス化された電界の印加における電圧立ち上
がり時間が100μs以下で、かつ、パルス電界の強さ
が1〜100kV/cmの範囲にあることを特徴とする
第4の発明に記載の反射防止フィルムの製造方法であ
る。
【0011】また、本発明の第6(請求項6の発明)
は、上記パルス化された電界の周波数が0.5〜100
kHzであり、かつ、そのパルス継続時間が1〜100
0μsであることを特徴とする第4又は5の発明に記載
の反射防止フィルムの製造方法である。
【0012】また、本発明の第7(請求項7の発明)
は、第1又は2の発明に記載の反射防止フィルムを異形
成形品に積層したプラスチック成形物である。
【0013】また、本発明の第8(請求項8の発明)
は、第1又は2の発明に記載の反射防止フィルムと異形
成形品とを真空下に熱融着させる第7の発明に記載のプ
ラスチック成形物の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明において使用される基材フィルムの
材質は、メルトフローレートが0.5〜15g/min
の熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。熱可塑性樹
脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニルコポリマー
(以下、EVAと略す)、ケン化処理したEVA、エチ
レン−エチルアクリレートコポリマー、ポリエチレン
(以下、PEと略す)、メタロセン系触媒によるポリエ
チレン、ポリビニルブチラール、エチレン−メチルメタ
クリレート、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー(メタルで疑
似金属架橋したポリマーであって、以下、Et−MAア
イオノマーと略す)、ポリエチレンテレフタレート、テ
トラアセチルセルロース等が挙げられる。
【0016】上記熱可塑性樹脂のメルトフローレート
は、0.5〜15g/minであり、特に1.0〜12
g/minが好ましい。メルトフローレートが0.5g
/min未満では流動性が低く、レンズのような球面を
有する異形成形品の型に合わない。また、15g/mi
nを超えると成型品上から樹脂が流れ出してしまい、形
が定まらず問題となる。
【0017】本発明の反射防止フィルムは、レンズのよ
うなプラスチック材料でできた異形成形品の表面に積
層、特に熱融着成形して用いられ、この熱融着成形温度
は、特に限定されるものではないが、異形成形品の溶融
温度以下であることが好ましい。したがって、反射防止
フィルムの基材フィルムの材料として用いられる熱可塑
性樹脂は、熱融着成形温度以下で溶融することが好まし
く、より好ましくは成形温度の5℃以下から20℃以下
で溶融する樹脂である。
【0018】本発明の反射防止フィルムにおける反射防
止層としては、TiO2層とSiO2層との積層体を用い
ることが好ましい。上記積層体は、基材フィルム上に屈
折率の高いTiO2層(屈折率:約1.8〜2.2)が
形成され、該TiO2層上に屈折率の低いSiO2層(屈
折率:約1.4〜1.5)が形成された2層積層体が好
ましく、さらに、この2層積層体上に、TiO2層及び
SiO2層がこの順序で形成された4層積層体が好まし
い。このような2層積層体又は4層積層体の反射防止層
を設けることにより、特定波長の光の反射率を低くする
ことができる。上記反射防止層の厚みは、反射防止の性
能が発現される厚みであれば特に限定されず、透明素材
の場合は、透過率の点から膜厚は薄い方が好ましい。通
常は、100〜3000Åである。
【0019】反射防止効果を期待する可視光線の波長領
域は、380〜780nmであり、特に視感度の高い4
50〜650nmの範囲にあるので、反射防止層の膜厚
が波長550nmに対応できる膜厚を中心に±30%の
範囲に設定されれば、可視光線に対する反射防止効果が
十分に期待される。
【0020】2層以上の薄膜で反射防止層を形成する場
合は、入射光の波長をλとすると、最上層(表面層)を
低屈折率材料のλ/4膜近辺となるようにし、基材上か
ら高屈折率材料と低屈折率材料が交互に配置されること
が好ましい。ここで、表面から2層目以降の膜厚は、波
長450〜650nmでの反射率が小さくなるように設
定され、屈折率との兼ね合いになるが、一般にλ/2膜
以下の厚さとなる。これにより、単層の反射防止層より
も低反射の波長領域を広げることができる。
【0021】上記反射防止層の積層方法は特に限定され
ず、スパッタリング法、蒸着法、プラズマ化学蒸着法
(以下、CVD)、塗工法等が挙げられる。好ましく
は、常圧プラズマCVD法によって成膜されるものであ
る。
【0022】上記TiO2層は、Ti原料を気化させ、
キャリアガス(Ar単独ガス又はO2ガスとの混合ガ
ス)と混合した後、常圧プラズマCVD法により基材フ
ィルム上又はすでに積層されたSiO2層上に成膜する
ことによって形成される。上記SiO2層は、Si原料
を気化させ、キャリアガス(ArもしくはN2の単独ガ
ス又はこれらの混合ガス;これらのガスとO2ガスとの
混合ガス)と混合した後、常圧プラズマCVD法により
すでに積層されたTiO2層上に成膜することによって
形成される。
【0023】本発明において、基材フィルムの表面に反
射防止層を製造する方法は、大気圧近傍の圧力下、金属
化合物を含むガス雰囲気中で、対向電極間に放電電流密
度が0.2〜300mA/cm2となるように電界を印
加することにより、放電プラズマを発生させ、反射防止
層を形成することを特徴とする。
【0024】以下に、常圧プラズマCVD法による反射
防止層について詳述する。下記条件で反射防止層を成膜
した時、スパッタリング同等の膜質が得られるのに加
え、塗工法同等の連続成膜が可能になるため、生産性も
非常に高い。
【0025】上記反射防止層の形成方法において、大気
圧近傍の圧力とは、1.333×104〜10.664
×104Paの圧力を言い、中でも、圧力調整が容易で
装置構成が容易となる9.331×104〜10.39
7×104Paの圧力範囲とすることが好ましい。
【0026】また、本発明における電極間の放電電流密
度とは、放電により電極間に流れる電流値を、放電空間
における電流の流れ方向と直交する方向の面積で除した
値を言い、電極として平行平板型のものを用いた場合に
は、その対向面積で上記電流値を除した値に相当する。
【0027】また、電極間にパルス電界を形成する場合
には、パルス化された電流が流れるが、この場合にはそ
のパルス電流の最大値、つまりピーク−ピーク値を、上
記の面積で除した値をいう。
【0028】本発明における上記反射防止層の形成方法
(以下、薄膜形成方法という場合がある)においては、
上記対向電極の少なくともいずれか一方の対向面に固体
誘電体を設置し、一方の電極の対向面に設置された固体
誘電体と他方の電極との間、又は、対向電極の双方の対
向面に設置された固体誘電体の間に、基材を配置して処
理を行うようにすることが好ましい。
【0029】大気圧近傍の圧力下でのグロー放電では、
下記の理由により、放電電流密度がプラズマ密度を反映
する。金属化合物を含むガス雰囲気の大気圧近傍の圧力
下においては、電極間の放電電流密度を前記した0.2
〜300mA/cm2の範囲とすることにより、金属化
合物をプラズマ励起させ、かつ、そのプラズマをグロー
放電状態に保ち、反射防止層の形成に至らせることが可
能となる。
【0030】一般にプラズマ中の電子密度、いわゆる、
プラズマ密度は、プローブ法や電磁波法によって測定さ
れるが、大気圧近傍の圧力では、電極間の放電は、元
来、アーク放電に移行し易いので、探針をプラズマ中に
挿入するプローブ法では、探針にアーク電流が流れてし
まい、正確な測定はできない。また、発光分光分析やレ
ーザ吸光分析などによる電磁波法は、ガスの種類によっ
て得られる情報が異なるので分析が困難である。
【0031】一方、大気圧近傍の圧力下におけるグロー
放電においては、低ガス圧放電に比して、ガス分子密度
が大きいので、電離後、再結合までの寿命が短く、電子
の平均自由行程も短い。そのため、グロー放電空間が電
極に挟まれた空間に限定されるという特徴があるため、
プラズマ中の電子はそのまま電極を通して電流値に変換
され、電子密度(プラズマ密度)は放電電流密度を反映
した値であると考えられ、本発明者等の実験によると、
この放電電流密度により、薄膜形成制御が可能であるこ
とが判明している。
【0032】図1に、本発明者らが用いた放電プラズマ
発生装置と、その放電電圧および放電電流の測定に用い
た測定回路図を示す。
【0033】この放電プラズマ発生装置においては、平
行平板型の一対の電極1、2間にパルス電源3からkV
オーダーのパルス化された電界を印加することにより、
電極1、2間にパルス電界を形成するとともに、その一
方の電極2の対向面には固体誘電体4を設置した。
【0034】そして、一方の電極2とアース電位間に抵
抗5を直列接続し、その抵抗5の両端をBNC端子6を
介してオシロスコープ7に接続することにより、抵抗5
の両端の電圧値を測定して、その抵抗5の抵抗値を用い
て放電電流に換算した。
【0035】また、放電電圧は、電極1の電位を高圧プ
ローブ8により1/1000に減衰させた上で、BNC
端子9〜オシロスコープ7によってアース電位との電位
差を計測することによって測定した。
【0036】この測定回路においては、パルス電界によ
る放電電流が高速に通電・遮断を繰り返しているので、
測定に供したオシロスコープ7は、そのパルスの立ち上
がり速度に対応したナノ秒オーダーの測定が可能な高周
波オシロスコープ、具体的には、岩崎通信社製オシロス
コープDS−9122とした。
【0037】また、放電電圧の減衰に用いた高圧プロー
ブ8は、岩崎通信社製高圧プローブSK−301HVと
した。
【0038】測定結果を図2に例示する。図2において
波形1が放電電圧であり、波形2が放電電流を表す波形
である。パルス電界の形成による放電電流密度は、この
波形2のピーク−ピーク値の電流換算値を電極対向面の
面積で除した値である。
【0039】さて、本発明の薄膜形成方法において、金
属化合物を含むガス雰囲気中で、且つ、大気圧近傍の圧
力下で、電極間における放電電流密度が、0.2〜30
0mA/cm2である範囲を比較的に容易に実現するに
は、対向電極間にパルス化された電界を印加する方法を
挙げることができる。
【0040】大気圧近傍の圧力下においては、通常の交
流電界を印加する方法では、上記放電電流密度が0.1
mA/cm2以下の低い範囲しか達成されず、金属元素
含有薄膜が形成されるような金属化合物のプラズマを維
持することは難しい。実際に大気圧近傍の圧力下では、
ヘリウム、ケトン等の特定のガス以外のガスでは、安定
してグロー放電状態が継続されず、瞬時にアーク放電に
移行してしまうことが知られている。
【0041】そこで、本発明においては、電極間にパル
ス化された電圧を印加することにより、電極間の放電を
グロー放電からアーク放電に移行する前に停止させる。
電極間にこのような周期的なパルス電界を形成すること
により、微視的にパルス的なグロー放電が繰り返し発生
し、結果としてグロー放電状態が継続することになる。
【0042】以上のように、大気圧近傍の圧力下で、し
かも、金属化合物を含有する雰囲気中では、電極間にパ
ルス化した電界を印加することにより、安定したグロー
放電状態で放電電流密度が0.2〜300mA/cm2
である放電プラズマを長期に渡って発生させ、反射防止
層の形成に至らせることができるのである。
【0043】本発明において、反射防止層に使用される
金属化合物は、特に限定されないが、グロー放電におい
て、電子密度を大きくして、効率的にガスを分解させ、
薄膜形成能力を高めるという観点から、ジメチルシラ
ン;Si(CH322、テトラメチルシラン;Si
(CH34、テトラジメチルアミノチタン;Ti〔N
(CH324などの有機金属化合物、モノシラン;S
iH4、ジシラン;Si26などの金属水素化合物、二
塩化シラン;SiH2Cl2、三塩化シラン;SiHCl
3、塩化チタン;TiCl4などの金属ハロゲン化合物、
テトラメトキシシラン;Si(OCH34、テトラエト
キシシラン;Si(OC254、テトラエトキシチタ
ン;Ti(OC254、テトライソプロポキシチタ
ン;Ti(OC374などの金属アルコキシドなどを
用いることが好ましい。安全性を考慮すると、これらの
中でも、金属水素化合物、金属アルコキシドが、常温、
大気中で、発火、爆発の危険性がないことから好まし
く、腐食性、有害ガスの発生がないことから、金属アル
コキシドが更に好ましい。
【0044】金属化合物を放電空間へ導入するには、金
属化合物は、常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状
態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空
間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧等
の手段により気化させて使用される。
【0045】金属化合物を加熱により気化して用いる場
合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタ
ンなどの常温で液体で、沸点が200℃以下である金属
アルコキシドが本発明の薄膜形成方法に好適である。上
記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用され
ても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキ
サンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用されて
も構わない。上記の希釈溶媒は、グロー放電において、
分子状、原子状に分解されるため、形成される薄膜に対
する影響は無視できる。
【0046】上述のように、「金属化合物を含むガス雰
囲気」とは、金属化合物がプラズマ放電するガス雰囲気
に濃度の如何を問わず、一つの成分として含まれている
ことを意味し、ガス雰囲気が金属化合物単独で占有され
ていても構わない。
【0047】しかし、経済性、安全性の観点から、上述
の金属化合物は、単独雰囲気ではなく、以下に例示され
るような希釈ガスによって希釈されていることが好まし
い。
【0048】上記希釈ガスとしては、例えば、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン、キセノン、窒素などが挙げら
れ、これらの少なくとも1種の混合物が使用される。
【0049】更に、高密度プラズマを得るには、多くの
電子を有する化合物(分子量の大きい化合物)の存在下
で、ガスを分解することが有効であり、それは、上記希
釈ガスにも適用できる。
【0050】したがって、本発明に使用する希釈ガス
は、分子量が10以上であることが好ましい。分子量が
10未満であるヘリウムのような気体を希釈剤として使
用した場合は、グロー放電が継続しても、電子密度の低
い放電状態しか達成できず、薄膜の形成には至らないか
又は、形成速度が遅すぎて不経済な結果となる。
【0051】よって、プラズマ放電を行う雰囲気ガスの
組成は、金属化合物0.0001〜10体積%とアルゴ
ン及び/又は窒素99.9999〜90体積%からなる
混合ガスであることが好ましい。金属化合物が0.00
01体積%未満の場合は、高密度プラズマが得られ難
く、薄膜形成効率が悪くなり、10体積%を超えても、
薄膜形成速度に著しい向上が現れる訳ではなく、経済的
に不利になるからである。
【0052】上記薄膜形成方法において、放電プラズマ
を発生させるために使用する電極の材質としては、例え
ば、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮
等の合金、あるいは金属間化合物等を挙げることができ
る。
【0053】また、上記電極は電界集中によるアーク放
電の発生を避けるために、電極間の距離がほぼ一定とな
る構造であることが好ましく、この条件を満たす電極構
造としては、例えば、平行平板型、円筒対向平板型、球
対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造等を挙
げることができる。
【0054】また、本発明においては、上記電極の対向
面の一方または双方に固体誘電体を設置することが好ま
しい。また、固定誘電体によって覆われずに電極どうし
が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が生
じやすくなるため、固体誘電体はこれを設置する側の電
極に密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うよ
うにすることが好ましい。
【0055】上記固体誘電体の形状は、シート状でもフ
ィルム状でもよいが、厚みが0.5〜5mm程度である
ことが好ましく、厚すぎると放電プラズマを発生するの
に高電圧を要し、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起
こりアーク放電が発生しやすい。
【0056】この固体誘電体の材質は、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレンやポリエチレンテレフタレート等
のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタニウム等の金属酸
化物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0057】ただし、上記固体誘電体は、比誘電率が2
以上(25℃環境下、以下同)であることが好ましい。
このような誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ガラス、金属酸化膜等を挙げることができる。
【0058】また、放電電流密度が0.2〜300mA
/cm2である放電プラズマを安定して発生させるため
には、比誘電率が10以上の固定誘電体を用いると有利
である。
【0059】比誘電率の上限は特に限定されるものでは
ないが、現実の材料では18,500程度のものが知ら
れている。比誘電率が10以上の固体誘電体としては、
酸化チタニウム5〜50重量%、酸化アルミニウム50
〜95重量%で混合された金属酸化物被膜、又は、酸化
ジルコニウムを含有する金属酸化物被膜からなり、その
被膜の厚みが10〜1000μmであるものを用いるこ
とが好ましい。
【0060】本発明における一対の電極間の距離は、固
体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマの利用目
的等を考慮して適宜決定されるが、1〜50mmとする
ことが好ましい。1mm未満ではその間に発生するプラ
ズマを表面処理等に利用する際の基材の配置のための空
隙を設けるのに不充分なことがあり、50mmを越える
と均一な放電プラズマを発生させにくい。
【0061】本発明において、電極間にパルス電圧を印
加する場合、そのパルス波形は特に限定されるものでは
ないが、図3の(A),(B)に例示するようなインパ
ルス型や、(C)に例示するような方形波型、(D)に
例示するような変調型等を用いることができる。この図
3には印加電圧が正負の繰り返しであるものを例示した
が、正、又は、負のいずれかの極性のみのパルス電圧、
所謂、片波状のパルス電圧を印加してもよい。
【0062】本発明において、電極間に印加するパルス
電圧は、そのパルスの立ち上がり時間及び立ち下がり時
間が短い程、プラズマ発生の際のガスの電離が、効率よ
く行われる。
【0063】特に、電極間に印加するパルス電圧の立ち
上がりは、100μs以下とすることが好ましい。10
0μsを超えると、放電状態がアーク放電に移行し易
く、不安定なものとなる。また、このような高速立上が
り時間のパルス電界によって電子密度の高い放電状態を
実現する効果がある。
【0064】パルス電圧の立ち下がり時間は、特に規定
されないが、立ち上がり時間と同程度に高速であること
が好ましく、より好ましくは100μs以下である。
【0065】また、立ち上がり/立ち下がり時間の下限
は、特に限定されないが、電源装置等を勘案すると40
ns以上が現実的である。
【0066】なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電
圧変化の向きが連続して正である時間をいい、立ち下が
り時間とは、電圧変化の向きが連続して負である時間を
指すものとする。
【0067】また、電極間に形成するパルス電界は、そ
のパルス波形、立ち上がり及び立ち下がり時間、及び、
周波数が適宜変調されていてもよい。また、パルス電界
は、周波数が高く、パルス幅が短い方が、高速連続薄膜
形成には適している。
【0068】本発明において電極間に印加するパルス電
界の周波数は、0.5〜100kHzの範囲とすること
が好ましい。0.5kHz未満であると、薄膜形成速度
が遅すぎて現実的ではなく、100kHzを超えると、
アーク放電が発生し易くなる。パルス電界の周波数は、
より好ましくは1kHzである。
【0069】また、パルス電界におけるパルス継続時間
は、1〜1000μsであることが好ましく、より好ま
しくは3〜200μsである。1μs未満であると放電
が不安定なものとなり、1000μsを越えるとアーク
放電に移行し易くなる。
【0070】ここで、パルス継続時間とは、図4に例示
するように、ON・OFFが繰り返されるパルス電界に
おける、1つのパルス波形の連続持続時間を言い、図4
(a)の波形ではパルス継続時間=パルスデューティ時
間であるが、図4(b)の波形では複数のパルスを含ん
だ、オンが継続する時間を言う。
【0071】さらに、本発明において、パルス電界の強
さは、放電プラズマの利用目的等によって適宜に選択さ
れるが、1〜100kV/cmとすることが望ましい。
1kV/cm未満であると、薄膜形成速度が遅くなり、
100kVを超えると、アーク放電が発生しやすくなる
ために好ましくない。
【0072】なお、本発明における薄膜形成方法におい
て用いられるパルス電界は、直流電界を重畳することを
妨げない。
【0073】本発明における薄膜形成方法は、以上説明
した本発明に固有の放電プラズマの発生方法により対向
電極間に発生させたプラズマを利用するものであり、対
向電極間、又は、一方の電極の対向面に固体誘電体を設
置する場合には、その固体誘電体と他方の電極との間、
もしくは双方の電極の対向面に固体誘電体を設置する場
合には、その固体誘電体同士の間に、処理すべき基材を
配置する。
【0074】本発明の方法においては、薄膜形成処理す
べき基材を加熱したり冷却してもよいが、室温でも充分
に処理できる。
【0075】本発明の反射射防止フィルムは、反射防止
層の表面に、更に防汚層を形成することができる。上記
防汚層としては、フッ素系シランカップリング剤を、ス
ピンコーター、ディッピング装置、マイクログラビアコ
ーター等の塗工装置によって、上記反射防止層上に塗
工、乾燥することにより形成される。なお、スピンコー
ター、ディッピング装置では連続処理が行えずバッチ処
理になる。
【0076】上記フッ素系シランカップリング剤の市販
品としては、例えば、信越化学社製コート剤「KP−8
01M」(CF3(CF2n24Si(NH23)、
東芝シリコン社製〔CF3(CF2724Si(OC
33の100%溶液〕等が挙げられる。上記コート剤
「KP−801M」は溶剤TFB〔成分:1,3−ビス
(トリフロロメチル)ベンゼン、セントラル硝子社製〕
で希釈して使用される。
【0077】上記防汚層は、例えば、防汚剤を溶剤によ
って希釈したものを、スピンコーター、ディッピング装
置、マイクログラビアコーター等によって塗工すること
により形成することができる。上記スピンコーター、デ
ィッピング装置を使用する場合は、連続処理ができずバ
ッチ処理となる。
【0078】本発明の反射防止フィルムは、眼鏡、コン
タクトレンズ、カメラ等のレンズ、曲面を有するCRT
等のディスプレイ及び表面がフラットでない異形成形さ
れた成形物に積層して用いられ、プラスチック成形物を
得ることができる。積層方法としては、反射防止フィル
ムの基材フィルムを溶融させて成形物に溶融接着して積
層する方法が好ましい。溶融接着成形をする方法は、特
に限定されないが、真空状態で溶融成形する方法が製品
への密着性が高く好ましい。
【0079】また、熱融着成形温度は、特に限定される
ものではないが、異形成形品の溶融温度以下であるのが
好ましく、また、基材フィルムの熱可塑性樹脂の融解点
より5〜20℃上の温度が好ましい。
【0080】反射防止フィルムと異形成形品との密着性
が悪い場合は、異形成形品側に予め、コロナ処理、また
はプライマー塗工を施しておくのが好ましい。また、反
射防止フィルム側にホットメルト性の粘着剤を塗工する
方法も用いることができる。
【0081】本発明の反射防止フィルムにおいて、基材
のもう一方の面(反射防止層の非積層側)に粘着剤層が
設けられてもよい。上記粘着剤としては、基材や偏光板
等の光学部品を強固に固定でき、しかも高温、高湿の条
件下におかれても発泡しないものが好ましく、例えば、
アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
【0082】上記アクリル系粘着剤としては、例えば、
アクリル(メタ)アクリレートを主成分とする、重量平
均分子量(Mw)50万以下、 Mw/Mn(数平均分
子量)=4以下であるアクリル系ポリマー100重量
部、ジメチルシリコーンオイル又は側鎖の一部を他の有
機基に置換した変性シリコーンオイルからなる消泡剤
0.01〜5重量部、メチルハイドロジェンシリコーン
オイルからなる再剥離剤0.01〜5重量部、及び、架
橋剤0.001〜5重量部からなるものが好ましい。ま
た、アクリル系粘着剤の市販品としては、例えば綜研化
学社製「SKダイン2902」が使用可能である。
【0083】上記粘着剤層は、例えば、上記アクリル系
粘着剤を基材に直接塗工して形成してもよく、予め粘着
剤層を離型紙上に設けた後、ラミネータ等によって基材
に積層して形成してもよい。
【0084】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明を詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、実施例で用いた評価方法は、次の通り
である。 (1)メルトフローレート:JIS K6760−19
81に準拠して測定した。 (2)融解温度:JIS K7121−1987に準拠
して測定した。 (3)密着性(テープ剥離試験):JIS D202に
準拠して測定した。 (4)製品外観評価:異形成形品(レンズ)と熱融着さ
せた反射防止フィルムが目視にて隙間なく、密着してい
るかどうかを次の基準で判断した。 良好:レンズとフィルムとが一体化し、目視上問題な
し。 不良:フィルムの一部が、レンズに密着していないか、
フィルム表面が溶融し、外観ムラが発生している。
【0085】実施例1 (1)反射防止層の形成 図5に示されるような放電プラズマ処理装置を使用し
た。図5において、処理装置は、容量10リッターのス
テンレス製の容器12からなり、直流電源10、交流電
源11、上部電極14、下部電極15、固体誘電体16
(上部電極にも装着してあるが、図8には記載されてい
ない)、基材17、ガス導入管18、希釈ガス導入管1
9、ガス排気口20、排気口21から構成されている。
【0086】TiO2層及びSiO2層の形成において、
下部電極15は直径140mmで、表面を比誘電率16
の二酸化ジルコニウム(以下、ZrO2と記す)誘電体
16で被覆し、その上に処理する基材17として、厚さ
100μmのEVAフィルム(住友化学工業社製;エバ
テートD3021)を配置した。
【0087】上部電極14は、直径80mmで、直径1
mmの穴が5mm間隔で配設されており、表面は比誘電
率16のZrO2誘電体16が被覆してあり、基材フィ
ルム表面から2mm上方に配置した。
【0088】油回転ポンプ(図5に記載されていない)
で、容器内が13.33Paになるまで、ガス排出口2
1から排気した後、希釈ガス導入管19を通じてアルゴ
ン(Ar)ガスを導入し、容器の圧力を10.13×1
4Paとした。
【0089】しかる後に、上部電極14に接続した(反
応)ガス導入管18から気化したテトライソプロポキシ
チタン、アルゴンの混合気体を導入し、該混合気体導入
後の容器内のガス圧力比(体積比)が、テトライソプロ
ポキシチタン:アルゴン=0.00075:99.99
925となるように調整した。
【0090】上記混合気体を1分間導入した後に、上部
電極14と下部電極15との間に、波高値4kV、周波
数6kHzのパルス電界を印加し、放電プラズマ発生空
間13に3秒間放電して二酸化チタン(TiO2)薄膜
180ÅをEVAフィルム表面に形成した。
【0091】引き続いて、上記上部電極14に接続した
(反応)ガス導入管18から気化したテトラエトキシシ
ラン、アルゴン、酸素の混合気体を導入し、該混合気体
導入後の容器内のガス圧力比(体積比)が、テトラエト
キシシラン:アルゴン:酸素=0.0006:83.9
994:16となるように調整した。
【0092】上記混合気体を1分間導入した後に、上部
電極14と下部電極15との間に、波高値16kV、周
波数8kHzのパルス電界を印加し、放電プラズマ発生
空間13に3秒間放電して二酸化珪素(SiO2)薄膜
260Åを上記TiO2薄膜表面に積層した。
【0093】さらに、上記同様の方法にて、TiO2
膜1410Å(放電時間20秒)を積層し、さらにSi
2薄膜880Å(放電時間10秒)を積層し、4層の
反射防止フィルムを得た。
【0094】(2)反射防止フィルムと異形成形品との
熱融着成形 異形成形品として、ガラス製のレンズ成形用型と合成樹
脂製ガスケットを組み合わせて作った成形型とを使用し
て成形したウレタンビニル系レンズを用いた。ウレタン
ビニル系レンズを真空チャンバー内に固定し、レンズの
上から(1)で得られた反射防止フィルムを可能な限り
密着させた。さらに、真空チャンバー内を1.333×
10-3Paに真空引きし、115℃に昇温後、20分間
静置した。静置後、レンズをチャンバーより取り出し、
レンズ端のバリを取り除き、反射防止フィルム被覆レン
ズを得た。得られた反射防止フィルム被覆レンズの外
観、密着性を評価し、その結果を表1に示した。
【0095】実施例2 基材フィルムの熱可塑性樹脂として、PE(東ソー社
製;ペトロセン183)を用い、熱融着成形温度を12
5℃にした以外は、実施例1と同様にして反射防止フィ
ルム被覆レンズを得た。得られた反射防止フィルム被覆
レンズの外観、密着性を評価し、その結果を表1に示し
た。
【0096】実施例3 基材フィルムの熱可塑性樹脂として、Et−MAアイオ
ノマーZn(三井デュポンケミカル社製;ハイミラン1
557)を用い、熱融着成形温度を110℃にした以外
は、実施例1と同様にして反射防止フィルム被覆レンズ
を得た。得られた反射防止フィルム被覆レンズの外観、
密着性を評価し、その結果を表1に示した。
【0097】実施例4 熱融着成形温度を90℃にした以外は、実施例1と同様
にして反射防止フィルム被覆レンズを得た。得られた反
射防止フィルム被覆レンズの外観、密着性を評価し、そ
の結果を表1に示した。
【0098】実施例5 熱融着成形時に真空引きを行わず、熱融着成形を行った
以外は、実施例1と同様にして反射防止フィルム被覆レ
ンズを得た。得られた反射防止フィルム被覆レンズの外
観、密着性を評価し、その結果を表1に示した。
【0099】比較例1 基材フィルムの熱可塑性樹脂として、EVA(住友化学
工業社製;エバテートD5020)を用い、熱融着成形
温度を110℃にした以外は、実施例1と同様にして反
射防止フィルム被覆レンズを得た。得られた反射防止フ
ィルム被覆レンズの外観、密着性を評価し、その結果を
表1に示した。
【0100】比較例2 基材フィルムの熱可塑性樹脂として、EVA(三井デュ
ポンケミカル社製;エバフレックスEV290)を用
い、熱融着成形温度を85℃にした以外は、実施例1と
同様にして反射防止フィルム被覆レンズを得た。得られ
た反射防止フィルム被覆レンズの外観、密着性を評価
し、その結果を表1に示した。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】本発明の反射防止フィルムは、メルトフ
ローレートが0.5〜15g/10minの熱可塑性樹
脂の基材フィルムに、常圧プラズマ法を用いてSiO2
層及びTiO2層の積層体を形成させたものであるた
め、表面がフラットでない異形成形品への貼り付けが密
着性よくでき、成形品の外観を良好に保つことができ
る。特に、眼鏡、コンタクトレンズ、曲面を有するCR
T等の反射防止フィルムとして好適に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた放電プラズマ発生装置とその放
電電圧及び放電電流の測定に用いた測定回路図の一例を
示す説明図である。
【図2】図1の装置により得られた放電電圧(波形1)
と放電電流(波形2)の測定結果を示す説明図である。
【図3】本発明において一対の電極間に印加するパルス
電圧の波形の例を示す説明図である。
【図4】本発明で言うパルス電界継続時間の説明図であ
る。
【図5】本発明の実施例で用いた放電プラズマ発生装置
の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1、2 電極 3 パルス電源 4 固体誘電体 5 抵抗 6、9 BNC端子 7 オシロスコープ 8 高圧プローブ 10 直流電源 11 交流電源(高電圧パルス電源) 12 ステンレス容器 13 放電プラズマ容器 14 上部電極 15 下部電極 16 固体誘電体 17 基材 18 ガス導入管 19 希釈ガス導入管 20 ガス排出口 21 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/72 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2K009 AA05 AA07 BB11 CC02 CC03 CC42 DD01 DD03 DD04 DD06 DD17 4F100 AA20B AA21B AK01A AK68 AT00A BA02 EH66B EJ61 GB41 GB51 GB71 JB16A JK17 JL05 JM02B JN06B 4K030 BA44 BA46 BB12 CA07 CA12 DA08 FA03 JA11 JA17 JA18 JA20 LA11 5C058 AA01 BA05 BA08 DA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが0.5〜15g/
    10minである熱可塑性樹脂で成形された基材フィル
    ムに反射防止膜が積層されてなることを特徴とする反射
    防止フィルム。
  2. 【請求項2】 反射防止膜がSiO2層及びTiO2層の
    積層体によって構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の反射防止フィルム。
  3. 【請求項3】 大気圧近傍の圧力下、金属化合物を含む
    ガス雰囲気中で、一対の対向電極間に、放電電流密度が
    0.2〜300mA/cm2となるように電界を印加す
    ることにより、放電プラズマを発生させ、反射防止膜を
    積層することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射
    防止フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記一対の対向電極間にパルス化された
    電界を印加することを特徴とする請求項3に記載の反射
    防止フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記パルス化された電界の印加における
    電圧立ち上がり時間が100μs以下で、かつ、パルス
    電界の強さが1〜100kV/cmの範囲であることを
    特徴とする請求項4に記載の反射防止フィルムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記パルス化された電界の周波数が0.
    5〜100kHzであり、かつ、そのパルス継続時間が
    1〜1000μsであることを特徴とする請求項4又は
    5に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2に記載の反射防止フィル
    ムを異形成形品に積層したことを特徴とするプラスチッ
    ク成形物。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2に記載の反射防止フィル
    ムと異形成形品とを真空下に熱融着させることを特徴と
    する請求項7に記載のプラスチック成形物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018987A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Nidek Co Ltd 光学薄膜形成方法及び該方法にて得られる光学薄膜付透明基板
GB2417461A (en) * 2004-08-17 2006-03-01 Set Europ Ltd Moulding plastics components with anti-reflective and anti-glare properties
KR101005989B1 (ko) * 2002-06-11 2011-01-05 코니카 미놀타 홀딩스 가부시키가이샤 표면 처리 방법 및 광학 부품
JP2018010958A (ja) * 2016-07-13 2018-01-18 日亜化学工業株式会社 発光装置およびその製造方法、ならびに表示装置

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