JP2002089641A - 摩擦式差動遊星動力伝達装置 - Google Patents

摩擦式差動遊星動力伝達装置

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JP2002089641A
JP2002089641A JP2000314465A JP2000314465A JP2002089641A JP 2002089641 A JP2002089641 A JP 2002089641A JP 2000314465 A JP2000314465 A JP 2000314465A JP 2000314465 A JP2000314465 A JP 2000314465A JP 2002089641 A JP2002089641 A JP 2002089641A
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axis
peripheral surface
planetary
ring
friction
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Application number
JP2000314465A
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Inventor
Tetsuo Mori
哲雄 森
Takakatsu Isozumi
隆勝 五十棲
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Kawada Industries Inc
Original Assignee
Kawada Industries Inc
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H2001/2872Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion comprising three central gears, i.e. ring or sun gear, engaged by at least one common orbital gear mounted on an idling carrier

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  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大減速比または大増速比の動力伝達装
置を小型化、簡易化、低騒音化するとともにそこにトル
クリミッタの機能を持たせることにある。 【解決手段】 中心軸線が所定回転軸線Cと一致する
ように配置される円筒状の外周面を有する太陽部材1
と、太陽部材1の外周面に外接して摩擦により動力伝達
する円筒状の外周面を各々有する複数個の遊星駆動部材
2と、複数個の遊星駆動部材2を自転の回転軸線が回転
軸線Cと平行になるようにそれぞれ自転可能に支持する
とともに一緒に回転軸線C周りに公転可能に支持するキ
ャリア3と、中心軸線が回転軸線Cと一致するように配
置され複数個の遊星駆動部材2の外周面に外接して摩擦
により動力伝達する円筒状の内周面を有する剛性リング
4と、中心軸線が回転軸線Cと一致するように配置され
る、剛性リング4の内周面の周長よりも僅かに小さい周
長の内周面を有し、その内周面が当該可撓性リングの部
分的な弾性的拡径変形によって複数個の遊星駆動部材2
の外周面に外接して摩擦により動力伝達する可撓性リン
グ6と、を具えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、大減速比または
大増速比によって回転を減速または増速させる差動遊星
動力伝達装置に関し、特には、例えば、ヒューマノイド
型ロボットや一般事務機器や軽作業機、あるいは産業用
ロボットマニピュレータ等に用いて好適な摩擦式の差動
遊星動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】入力軸から出力軸に回転数を変えて動力
を伝達する動力伝達装置の増減速機構としては、太陽歯
車とその外側を囲む内歯歯車の間を複数個の遊星歯車が
自転しながら公転する遊星歯車機構が多く用いられてい
る。また、これよりもさらに大減速比が得られる機構と
して、転位加工した内歯歯車を遊星歯車機構に付加して
遊星歯車機構の元々の内歯歯車との差動を取り出すいわ
ゆる不思議歯車機構が知られている。さらに、内歯歯車
よりも僅かに歯数が少ない外歯歯車を持つ可撓性リング
を弾性変形させてそれら内歯歯車と外歯歯車とを噛み合
わせることで差動減速させるハーモニックドライブ機構
も一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の機構では、多数の歯車相互の噛み合いを用いて、高減
速比により高速小トルクの入力回転を低速高トルク化し
ているため、高回転入力系による歯車の噛み合い騒音を
避けることができず、また振動も多く、これらの点は、
人間と共存する環境での使用頻度が高いような動力伝達
装置にとっては、解決を要する大きな問題であった。
【0004】さらに、歯車の歯の折損が生じ易い等の不
具合もあるため、これらを解消すべく高精度の歯切り加
工等を施した部品を用いて高精度の組立てを行っている
が、結果として、動力伝達装置全体の小型化・簡易化が
難しく、高価格になってしまうという問題があった。
【0005】これがため近年、歯車の歯の代わりに2つ
の回転体の間に油膜を介在させて駆動側回転体を被駆動
側回転体へ加圧しつつ回転させ、被駆動側回転体に回転
とトルクとを油膜を介しての摩擦により低騒音で効率よ
く伝達し得るようにした摩擦式(トラクションドライブ
式)遊星増減速機構も用いられている。
【0006】しかしながら、上記従来の摩擦式遊星増減
速機構では、その増減速比は従来の遊星歯車機構におけ
る増減速比を超えるものではなく、ヒューマノイドロボ
ット等に好適な高増減速比を得ることはできない。そし
て上記従来の摩擦式遊星増減速機構において高増減速比
を求める場合には、それぞれの遊星駆動部材を入力部材
である太陽部材に対し複数段駆動連結しなければならな
いため、動力伝達装置全体が大型化してしまうという問
題があった。
【0007】この発明は、上述のような従来技術の問題
点に鑑みてなされたものであり、高精度の歯切り加工を
施した歯車が不要であり、従来の摩擦式遊星増減速機構
では実現し得なかった高増減速比を単一装置の中で得る
ことができ、しかも、高精度に加工したケーシング等を
用いることなく遊星駆動部材への押圧力を得ることがで
き、さらに、一定以上のトルクを伝達しないようにして
トルクリミッタの機能も果たす摩擦式差動遊星動力伝達
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、この発明の摩擦式差動遊星動力
伝達装置は、中心軸線が所定回転軸線と一致するように
配置される円筒状の外周面を有する太陽部材と、前記太
陽部材の外周面に外接して摩擦により動力伝達する円筒
状の外周面を各々有する複数個の遊星駆動部材と、前記
複数個の遊星駆動部材を自転の回転軸線が前記所定回転
軸線と平行になるようにそれぞれ自転可能に支持すると
ともに一緒に前記所定回転軸線周りに公転可能に支持す
るキャリアと、中心軸線が前記所定回転軸線と一致する
ように配置され前記複数個の遊星駆動部材の外周面に外
接して摩擦により動力伝達する円筒状の内周面を有する
剛性リングと、中心軸線が前記所定回転軸線と一致する
ように配置される、前記剛性リングの内周面の周長より
も僅かに小さい周長の内周面を有し、その内周面が当該
可撓性リングの部分的な弾性的拡径変形によって前記複
数個の遊星駆動部材の外周面に外接して摩擦により動力
伝達する可撓性リングと、を具えてなる。
【0009】かかるこの発明の摩擦式差動遊星動力伝達
装置にあっては、太陽部材を入力部材とするとともに、
可撓性リングを出力部材とし、さらに剛性リングを固定
部材として、太陽部材に入力回転を与えると、その入力
回転が、太陽部材の外周面に外接する円筒状の外周面を
各々有する複数個の遊星駆動部材に摩擦によって伝達さ
れ、それらの遊星駆動部材からさらに、それらの遊星駆
動部材の円筒状の外周面に外接する内周面をそれぞれ有
する剛性リングおよび可撓性リングに伝達されるので、
それらの部材が摩擦式(トラクションドライブ式)遊星
増減速機構と同様に機能する。
【0010】しかもここでは、剛性リングの内周面の周
長に対し、可撓性リングの内周面の周長が僅かに小さく
なっているため、不思議歯車機構に用いられている転位
加工した内歯歯車のような高精度加工の歯車を用いるこ
となしに、その周長差に応じた減速比が得られる。
【0011】従って、この発明の摩擦式差動遊星動力伝
達装置によれば、先の摩擦式遊星増減速機構と同様の機
能による減速比と、上記剛性リングと可撓性リングとの
内周面の周長差に応じた減速比との相乗効果によって、
大減速比での出力回転を得ることができる。
【0012】また、この摩擦式差動遊星動力伝達装置に
あっては、太陽部材の円筒状の外周面に外接している複
数個の遊星駆動部材と、部分的な弾性的拡径変形によっ
てそれらの遊星駆動部材の外周面に内周面が外接してい
る可撓性リングとの間に発生する摩擦による駆動伝達力
が、可撓性リングの材質および断面形状に基づく可撓性
リングの弾性力による、可撓性リングから遊星駆動部材
への加圧力に応じて定まる。
【0013】従って、この発明の摩擦式差動遊星動力伝
達装置によれば、可撓性リングの材質および断面形状の
設定によって所望の大きさの加圧力を得ることで、所望
の大きさの駆動力を伝達するように設定することができ
る。また、適正な加圧力の設定により、過負荷時にすべ
りを生じさせて、機構自体に損傷を与えないトルクリミ
ッタとしても利用することができる。
【0014】上述のようにこの発明の摩擦式差動遊星動
力伝達装置は、摩擦式遊星増減速機構に近似した構造を
持ちながら、不思議歯車機構と同様の減速比を得ること
ができるものであるが、ここで、この発明の摩擦式差動
遊星動力伝達装置の減速比について、より詳細に説明す
る。
【0015】通常の不思議歯車機構においては、太陽歯
車歯数をA、遊星歯車歯数をB、リングギヤ歯数をC、
出力歯車歯数をDとし、Dを転位歯車としてD=C+α
とする場合の減速比iは、 i=(1+C/A)/(1−C/D) となり、C/Dを1に近づけることにより大減速比を獲
得することができる。そして、不思議歯車機構を摩擦式
遊星増減速機構で置き換えることとすれば、不思議歯車
機構の歯数A〜Dを各部材の周長と考えることができる
ので、C/Dを1に近づける代わりに、リングギヤの歯
数に対するリングギヤと転位歯車との歯数差の比に等し
い撓みを出力側の可撓性リングに与えることで、不思議
歯車と同様の高減速比を摩擦式遊星増減速機構で得るこ
とができる。さらに、可撓性部材の撓み量δは一般に、 δ∝1/EI で示されるので、材質に起因する縦弾性係数Eと、形状
に起因する断面二次モーメントIとの少なくとも一方を
適宜に変更することで、可撓性リングが所定の駆動力と
差動量とを持つようにすることができる。
【0016】すなわちこの発明では、所定回転軸線と一
致する中心軸線を持つ円筒状の外周面を有する太陽部材
(外周面周長A)を入力部材とすると、その太陽部材の
回転は、キャリアで支持されて上記所定回転軸線と平行
な回転軸線周りに自転し得るとともに上記所定回転軸線
周りに公転し得る複数個の遊星駆動部材に伝達され、そ
れらの遊星駆動部材からさらに、上記所定回転軸線と一
致する中心軸線を持つ円筒状の内周面でそれらの遊星駆
動部材に外接する剛性リング(内周面周長C)に伝達さ
れるので、それらの部材は遊星動力伝達機構を構成す
る。剛性リングを固定して遊星駆動部材を出力部材とし
たときの減速比は、 i=(1+C/A)/(1−C/B) で表され、遊星駆動部材は太陽部材と逆方向に減速回転
する。
【0017】ここで、内周面の周長が剛性リングより僅
かに小さい可撓性リング(内周面周長D=C−α)を部
分的に撓ませて遊星駆動部材付近で弾性的に拡径させ、
その可撓性リングの内周面を遊星駆動部材の外周面に外
接させれば、上記所定回転軸線周りの遊星駆動部材の回
転は可撓性リングに伝えられ、可撓性リングは遊星駆動
部材の一回転について周長差αだけ太陽部材と逆方向に
動く。このときの減速比iは、 i=(1+C/A)/(1−C/D) となり不思議歯車機構と同一の式で表すことができる。
【0018】なお、この発明の摩擦式差動遊星動力伝達
装置においては、前記剛性リングが固定部材とされる一
方で、上述のように前記太陽部材が入力部材とされると
ともに前記可撓性リングが出力部材とされる代わりに、
前記可撓性リングが入力部材とされるとともに前記太陽
部材が出力部材とされても良く、かかる入出力差動によ
れば、低速高トルクの入力回転を高速低トルクの出力回
転として取り出すことができる。
【0019】またこの発明の摩擦式差動遊星動力伝達装
置においては、前記剛性リングが、当該摩擦式差動遊星
動力伝達装置を固設するフレームと一体化して配置され
ていても良く、かかるフレーム一体型剛性リングを有し
ていれば、機構自体の小型化および簡略化を計ることが
できる。
【0020】さらに、この発明の摩擦式差動遊星動力伝
達装置においては、前記所定回転軸線上に、前記太陽部
材と前記複数個の遊星駆動部材と前記キャリアと前記剛
性リングと前記可撓性リングとの組が複数組設けられて
いても良く、かかる複数組の機構によれば、それぞれの
組に設定した入出力部材を駆動結合することで、より大
きな増減速比出力を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ
に、図1は、この発明の摩擦式差動遊星動力伝達装置の
一実施例を示す縦断面図、また図2は、その実施例の摩
擦式差動遊星動力伝達装置の、図1のA−A線に沿う横
断面図である。
【0022】この実施例の摩擦式差動遊星動力伝達装置
は図1および図2に示すように、中心軸線が所定回転軸
線Cと一致するように配置される円筒状の外周面1aを
有する、太陽部材としての入力軸1と、その入力軸の外
周面1aに外接して摩擦により動力伝達する円筒状の外
周面2aを各々有する複数個(図示例では3個)の、遊
星駆動部材としての遊星駆動円筒2と、それら複数個の
遊星駆動円筒2をそれらの自転の回転軸線が上記所定回
転軸線Cと平行になるようにそれぞれ自転可能に支持す
るとともに一緒に上記所定回転軸線C周りに公転可能に
支持するキャリア3と、中心軸線が上記所定回転軸線C
と一致するように配置され上記複数個の遊星駆動円筒2
の外周面2aに外接して摩擦により動力伝達する円筒状
の内周面4aを有する剛性リング4と、その剛性リング
4と一体化してその剛性リング4を支持するフレーム5
と、中心軸線が上記所定回転軸線Cと一致するように配
置され上記複数個の遊星駆動円筒2の外周面2aに外接
して摩擦により動力伝達する内周面6aを有する可撓性
リング6と、その可撓性リング6の軸線方向端部に一体
化された出力軸7と、を具えてなる。
【0023】ここで、上記フレーム5は、当該実施例の
動力伝達装置を用いた図示しない作動装置(例えば、ヒ
ューマノイド型ロボットや一般事務機器や軽作業機、あ
るいは産業用ロボットマニピュレータ等)に固定される
とともに、ボールベアリング8,9を介して上記入力軸
1および出力軸7をそれぞれ上記所定回転軸線C周りに
回転自在に支持しており、その出力軸7も、ボールベア
リング10を介して上記入力軸1を上記所定回転軸線C
周りに回転自在に支持している。また、上記可撓性リン
グ6の内周面6aの周長は、剛性リング4の内周面4a
の周長よりも僅かに小さくされており、それゆえその内
周面6aは、図2に示す如く、当該可撓性リング6が、
上記各遊星駆動円筒2に隣接する部分で弾性的に拡径変
形されることによって、上記複数個の遊星駆動円筒2の
外周面2aに外接する。
【0024】さらに、上記各遊星駆動円筒2は、ローラ
ーベアリング11を介して遊星支軸12に支承され、こ
の遊星支軸12を介してキャリア3に支持されること
で、入力軸1の円筒状の外周面1aに外接し、その外周
面1a上に周方向に相互に離間して位置している。ま
た、フレーム5に一体化されて入力軸1と同一軸線上に
固定配置されている剛性リング4の内周面4aが各遊星
駆動円筒2の外周面2aに外接しているため、各遊星駆
動円筒2には入力軸1の回転力が摩擦によって伝達さ
れ、各遊星駆動円筒2は入力軸1の外周面1a上を自転
しながら公転する。なお、剛性リング4の内周面4aと
各遊星駆動円筒2の外周面2aとは、例えば剛性リング
4側を加熱して熱膨張により拡径する一方、遊星駆動円
筒2側を冷却して熱収縮により縮径しておいて、それら
を嵌め合わせることで接触させることができる。
【0025】従って、この実施例の摩擦式差動遊星動力
伝達装置では、入力軸1の周囲を自転しながら公転する
各遊星駆動円筒2の回転力が、剛性リング4の内周円4
aの周長よりも内周円6aの周長が僅かに小さい可撓性
リング6に、摩擦による駆動伝達力として伝えられる。
すなわちここでは、入力軸1の外周面1a上を自転しな
がら公転する各遊星駆動円筒2の、入力軸外周面1a上
での一回転に対して、可撓性リング6が、上記の周長の
差分だけ入力軸1と逆方向に回転することになり、それ
によって高減速比を得ることができる。
【0026】そして、この実施例の摩擦式差動遊星動力
伝達装置では、入力軸1の外周面1a上を自転しながら
公転する各遊星駆動円筒2と、それらの遊星駆動円筒2
の外周面2aに外接するよう弾性的に変形された可撓性
リング6との間に発生する摩擦による駆動伝達力を、可
撓性リング6の材質および断面形状の設定に基づいて定
まる加圧力に応じて得ることができるので、適正な加圧
力の設定により、過負荷時に、上記接触部分に滑りを生
じさせて、該装置に損傷を与えないようにするトルクリ
ミッタとして機能させることができる。
【0027】さらに、この実施例の摩擦式差動遊星動力
伝達装置では、可撓性リング6に一体化された出力軸7
に入力回転を与え、入力軸1の回転力を出力としても良
く、かかる入出力差動によれば、低速高トルクの入力回
転を、高速低トルクの出力回転として取り出すことがで
きる。
【0028】この実施例の摩擦式差動遊星動力伝達装置
を、例えばヒューマノイド型ロボットの関節の駆動に使
用するため、定格出力トルクを24Nm、減速比を1/
120、入力トルクを0.5Nm(2000rpm時)
とする時の設計例を、以下に示す。
【0029】(機構の設定)人間の関節部位に相応する
ものとして、外径70mm、長さ40mm以内に納める
ことを目標とし、太陽部材の外周面径20mm、遊星駆
動円筒の外周面径20mm、固定リング(剛性リング)
内周面径60mmとすると、差動リング(可撓性リン
グ)の周長Dは、 −120=(1+60π/20π)/(1−60π/
D) −120(1−60π/D)=(1+60π/20π) D=60×120π×124=58π 従って、内周面径58mmの差動リング(可撓性リン
グ)を遊星駆動円筒との外接する3点で内径60mmま
で拡径することにより、減速比1/120を達成するこ
とができる。
【0030】(力の伝達)固定リング内周面での接線力
(遊星駆動円筒3個として)Tは、 T=(24/9.8)/0.03/3=27.2kgf トラクション係数φ=0.04として、法線力Wは、 W=T/φ=27.2/0.04=680kgf
【0031】(リングの断面形状)固定リング(剛性リ
ング)に発生する最大曲げモーメントMは、 M=(WR/2)K K=0.3183(1+secα)−(1−0.318
3α)tanα・co sαで表され、計算の結果、M=386kgf・cmと
なる。固定リング(剛性リング)の断面形状をb×h=
1cm×1cmとすると、その断面係数Z=(b・
)/6=0.167cmで、応力σ=2316k
g/cmとなり、十分実現可能である。差動リング
(可撓性リング)は、固定リングに対し、3個の遊星駆
動円筒間の撓みを持たせることで、僅かに短い周長を実
現する。撓みδと、材料縦弾性係数Eと、断面二次モー
メントIとの間の関係は、δ∝1/EIであり、ここで
形状変化により撓みを増加させるとすれば、I=(b・
)/12から、差動リングの厚みhを固定リングに
比べて僅かに薄くすることで実現させることができる。
【0032】なお、ロボットの関節を駆動する際には、
高減速比を持つ波動歯車機構と高速低トルクモータとを
組み合せ、位置制御はモータにロータリ・エンコーダを
取り付けて行うのが一般的であるが、ロータリ・エンコ
ーダは応答速度が遅く、高減速巻末までの遊びや低剛性
から発生する誤差には対応し得ない。一方、ロボットの
関節の駆動に上記実施例の装置を用いる場合には、摩擦
式差動遊星動力伝達装置の出力端にポテンショメータを
取り付けることで、その応答速度の速さを生かして指定
角度への素早い接近を行うとともに、摩擦駆動による滑
りやその他の機構誤差も折り込んだ位置決めを行うこと
ができるという利点がある。
【0033】図3は、この発明の摩擦式差動遊星動力伝
達装置の他の一実施例を示す縦断面図であり、この実施
例では、所定回転軸線C上に、入力軸1と、複数個の遊
星駆動部材2と、キャリア3と、剛性リング4と、可撓
性リング6と、出力軸7との組が2組設けられていて、
左側の組の入力軸1と右側の組の出力軸7とが一体化さ
れるとともに、左側の組の入力軸1が右側の組の入力軸
1にローラーベアリング13を介して回転自在に支承さ
れており、かかる実施例によれば、より大きな増減速比
出力を得ることができる。
【0034】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範
囲の記載の範囲内で当業者が適宜変更し得るものであ
り、例えば、摩擦式差動遊星動力伝達装置を構成する太
陽部材やキャリアや剛性リングや可撓性リングの形状
を、所要に応じて上記実施例と異なるように適宜変更し
ても良く、またそれらの部材のうちで入力部材と出力部
材と固定部材とにするものを適宜変更することで、上記
実施例と異なる変速比や異なる出力回転方向を得るよう
にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の摩擦式差動遊星動力伝達装置の一
実施例を示す縦断面図である。
【図2】 上記実施例の摩擦式差動遊星動力伝達装置
の、図1中のA−A線に沿う横断面図である。
【図3】 この発明の摩擦式差動遊星動力伝達装置の他
の一実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸 1a 外周面 2 遊星駆動円筒 2a 外周面 3 キャリア 4 剛性リング 4a 内周面 5 フレーム 6 可撓性リング 6a 内周面 7 出力軸 8,9,10 ボールベアリング 11,13 ローラーベアリング 12 遊星支軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸線が所定回転軸線(C)と一致す
    るように配置される円筒状の外周面を有する太陽部材
    (1)と、 前記太陽部材の外周面に外接して摩擦により動力伝達す
    る円筒状の外周面を各々有する複数個の遊星駆動部材
    (2)と、 前記複数個の遊星駆動部材を自転の回転軸線が前記所定
    回転軸線と平行になるようにそれぞれ自転可能に支持す
    るとともに一緒に前記所定回転軸線周りに公転可能に支
    持するキャリア(3)と、 中心軸線が前記所定回転軸線と一致するように配置され
    前記複数個の遊星駆動部材の外周面に外接して摩擦によ
    り動力伝達する円筒状の内周面を有する剛性リング
    (4)と、 中心軸線が前記所定回転軸線と一致するように配置され
    る、前記剛性リングの内周面の周長よりも僅かに小さい
    周長の内周面を有し、その内周面が当該可撓性リングの
    部分的な弾性的拡径変形によって前記複数個の遊星駆動
    部材の外周面に外接して摩擦により動力伝達する可撓性
    リング(6)と、を具えてなる、摩擦式差動遊星動力伝
    達装置。
  2. 【請求項2】 前記太陽部材(1)と前記可撓性リング
    (6)との何れか一方が入力部材であるとともに他方が
    出力部材であり、前記剛性リング(4)が固定部材であ
    ることを特徴とする、請求項1記載の摩擦式差動遊星動
    力伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記剛性リング(4)が、当該摩擦式差
    動遊星動力伝達装置を固設するフレーム(5)と一体化
    して配置されていることを特徴とする、請求項1または
    2記載の摩擦式差動遊星動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記所定回転軸線(C)上に、前記太陽
    部材(1)と前記複数個の遊星駆動部材(2)と前記キ
    ャリア(3)と前記剛性リング(4)と前記可撓性リン
    グ(6)との組が複数組設けられていることを特徴とす
    る、請求項1から3までの何れか記載の摩擦式差動遊星
    動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009063124A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Toyota Central R&D Labs Inc 摩擦型遊星動力伝達機構及びその設計方法
JP2016152917A (ja) * 2011-07-27 2016-08-25 オリンパス株式会社 回転前進式カテーテル挿入システム

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