JP2002089616A - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

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JP2002089616A
JP2002089616A JP2000281133A JP2000281133A JP2002089616A JP 2002089616 A JP2002089616 A JP 2002089616A JP 2000281133 A JP2000281133 A JP 2000281133A JP 2000281133 A JP2000281133 A JP 2000281133A JP 2002089616 A JP2002089616 A JP 2002089616A
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憲弘 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動体の両側に2つの防振ユニットを設ける
とともに、これらをそれぞれ別の切換手段にて個別に作
動させる。 【解決手段】 振動体4の両側に液体封入式の防振ユニ
ット1A、1Bを設置する。これら防振ユニット1A、
1Bのうち、いずれか一方のもの(1A)の平衡室13
にエンジン爆発1次振動に同期させた状態で負圧または
大気圧を交互に導入させる。残りの一方のもの(1B)
の平衡室13内にエンジン爆発2次振動に同期させた状
態で負圧または大気圧を交互に導入させる。防振ユニッ
ト1Bの切換作動を担う切換手段3と負圧源6との間に
絞り機構21を設ける。一組の切換手段3の切換作動を
制御する制御手段5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、エンジン等、振
動体の両側に一組の液体封入式防振ユニットを有する防
振支持装置に関するものであり、特に、上記一組の液体
封入式防振ユニットを形成するそれぞれの平衡室に、負
圧または大気圧を適宜振動数にて交互に導入させるに際
して、それぞれの振動数を左右で異ならせるようにした
負圧導入型の液体封入式防振支持装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】防振装置のうち、特に、自動車用のエン
ジンマウント等にあっては、動力源であるところのエン
ジンがアイドリング運転の状態から最大回転速度までの
間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い範
囲の周波数に対応できるものでなければならない。従っ
て、このような複数の条件に対応させるために、内部に
液室を設けるとともに、当該液室内に特定の周波数にて
容積変化をする流体袋を設けるようにしたもの、あるい
はダイヤフラム等を介して区画形成される負圧室(平衡
室)を設けるようにした液体封入式防振装置が案出され
ており、例えば、特公平6−29634号公報等によ
り、すでに公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の一般
的な防振支持装置は、例えば図4に示す如く、エンジン
吸気系610につながる負圧源60から負圧の導入され
る平衡室を有する液体封入式防振装置(防振ユニット)
10がエンジン40等の振動体のいずれか一方側に設け
られるようになっているものである。そして、残りの一
方側には、通常の液体封入式防振装置100等が設けら
れるようになっているものである。このようなエンジン
マウンティングシステム(防振機構)を有するものにお
いて、例えばエンジンアイドリング振動の遮断に関して
は、エンジン40側からの振動をセンサ等を介して制御
手段50に入力させるとともに、この入力信号に応じて
制御手段50が切換手段30を作動させ、これによっ
て、上記防振ユニット10の平衡室に負圧または大気圧
を交互に導入させるようにしているものである。従っ
て、このような従来のものにおいては、上記防振ユニッ
ト10をある特定の状態(特定周波数)においてでしか
作動させることができない。その結果、エンジンアイド
リング運転時の入力振動が、例えば図5の(A)に示す
如く、エンジン爆発振動の2次成分を含んでいるような
場合、図5の(B)に示すような振動状態で切換手段3
0及び防振ユニット10の平衡室を作動させたとして
も、最終的には、図5の(C)に示すような2次成分の
振動が除去されずに残ってしまうこととなる。この残存
成分の振動が車体側に伝播され、車室内に不快な振動・
騒音を生じさせることとなる。このような問題を解決す
るために、エンジン等振動体の両側に二つの液体封入式
防振ユニットを配置するとともに、一方のものをエンジ
ンアイドリング運転時のエンジン爆発振動の1次振動に
同期させた状態で作動させるとともに、残りの一方のも
のを1次振動以外の高次の振動、例えば2次振動数に同
期させた状態で作動させ、これによって、エンジンアイ
ドリング振動の吸収・遮断を効果的に行なわせるように
した防振支持装置を提供しようとするのが、本発明の目
的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、請求項1記載の発明においては、エンジ
ン等の振動体を支持する防振支持装置に関して、振動体
に取り付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバに
取り付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部
材と第二の連結部材との間にあって上記振動体からの振
動を吸収及び遮断するインシュレータと、当該インシュ
レータの一部にてその室壁が形成されるものであって液
体の封入される主室と、当該主室に第一オリフィスを介
して連結されるとともに第一ダイヤフラムにて室壁の一
部が区画形成される副室と、上記主室に対して第二ダイ
ヤフラムを介して区画形成される平衡室と、からなる液
体封入式防振ユニットを基礎に、当該液体封入式防振ユ
ニットを振動体の両側にそれぞれ一個ずつ設け、このよ
うな二つの液体封入式防振ユニットのそれぞれの平衡室
に、負圧または大気圧のうち、いずれか一方のものを連
続的に導入させるか、あるいは特定周波数のエンジン振
動に同期させた状態で交互に導入させるように切換作動
をする一組の切換手段を設け、上記各平衡室のうちのい
ずれか一方のものへはエンジンアイドリング運転時にお
けるエンジン爆発振動の1次振動数に同期させた状態で
負圧及び大気圧を交互に導入させるようにするととも
に、残りの一方のものへは、エンジンアイドリング運転
時におけるエンジン爆発振動の1次振動数以外の振動数
に同期させた状態で負圧及び大気圧を交互に導入させる
ようにした構成を採ることとした。
【0005】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては、エンジン爆発振動の1次振動数以外
の振動成分についても吸収及び遮断をすることができる
ようになり、エンジンアイドリング振動に関する、その
吸収及び遮断機能を高めさせることができるようになる
(図3参照)。すなわち、本発明のものにおいては、い
ずれか一方側の防振ユニットをエンジン爆発振動の1次
振動数に同期させた状態で作動させるとともに、残りの
もう一方側のものを、例えばエンジン爆発振動の2次振
動数に同期させた状態で作動させることによって、1次
振動のみならず、2次振動を初めとした1次振動以外の
振動成分についても、その入力振動を吸収・遮断するこ
とができるようになる。従って、アイドリング運転時の
車体側への振動伝達を効率良く抑制することができるよ
うになる。
【0006】次に、請求項2記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は上記請求項1記載の
ものと同じである。すなわち、本発明においては、請求
項1記載の防振支持装置に関して、上記平衡室のうち、
エンジン爆発振動の1次振動数以外の振動数に同期した
状態で負圧または大気圧が交互に導入される平衡室側の
切換制御を行なう切換手段と負圧源との間に、絞り機構
を設けるようにした構成を採ることとした。このような
構成を採ることにより、本発明のものにおいては、一般
に、振動エネルギーが小さな値のものとなる高次成分の
振動遮断を目的とした側の防振ユニットの平衡室へは、
絞りを経由した少ないエネルギーの負圧が導入されるよ
うになる。これに対して、他方の1次振動の遮断を目的
とした側の防振ユニットの平衡室へは、上記絞り機構に
て絞られた負圧エネルギー分が付加された状態の高負圧
エネルギーが供給されるようになり、1次振動成分の吸
収及び遮断を効率良く行なうことができるようになる。
これによって、全振動エネルギーが効率良く吸収及び遮
断されることとなる。
【0007】次に、請求項3記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は上記請求項1または
請求項2記載のものと同じである。すなわち、本発明に
おいては、請求項1または請求項2記載の防振支持装置
に関して、上記平衡室の一部を形成する第二ダイヤフラ
ムにて隔てられた主室側に、当該主室側の液体が流入す
る第三液室を設けるとともに、当該第三液室と上記主室
との間に、上記主室側の液体が流動する第二オリフィス
を設けるようにした構成を採ることとした。このような
構成を採ることにより、本発明のものにおいては、二つ
の防振ユニットの基本仕様を共通化することができるよ
うになり、部品の共通化による防振ユニットのコストダ
ウン、延いては本防振支持装置全体の製造コストの低減
化を図ることができるようになる。すなわち、二つの防
振ユニットにおいて、第二オリフィスを除いた他の部分
(部品)を共通化しておき、第二オリフィスの機能のみ
を、それぞれ変えることによって、一方のものは1次振
動数に対応させた高出力用に調整(チューニング)する
ことができるとともに、他方のものを高次振動数に対応
させた低出力用に調整(チューニング)することができ
るようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図3を基に説明する。本発明の実施の形態に関
するものの、その構成は、図1に示す如く、エンジン等
の振動体4の前後、あるいは、左右のいずれかに、対の
状態で設けられる液体封入式の防振ユニット(防振ユニ
ット)1A、1Bと、これら一組の防振ユニット1A、
1Bのそれぞれに、負圧または大気圧を連続的に、ある
いはエンジンアイドリング振動に同期させた状態で交互
に供給するように切換作動をする一組の切換手段3と、
所定の負圧源6からの負圧を上記切換手段3を介して上
記各防振ユニット1A、1Bに供給するものであってホ
ース等からなる負圧径路2、2’と、これら負圧径路
2、2’のうち、エンジン爆発振動に関する1次振動以
外の高次の振動遮断を目的に設けられる防振ユニット
(本実施の形態においては1B側)へ負圧を供給するも
の(2)の途中に設けられる絞り(絞り機構)21と、
上記一組の切換手段3の切換作動を制御する制御手段5
と、からなることを基本とするものである。
【0009】このような基本構成からなるものにおい
て、上記切換手段3は、図2に示す如く、三方弁等から
なる切換バルブ31と、当該切換バルブ31を駆動する
ソレノイド32と、からなるものである。そして、この
ような構成からなる上記切換バルブ31の大気圧導入側
は大気開放状態になっており、大気圧が自由に導入され
るようになっているものである。また、負圧導入側は、
図1に示す如く、エンジン吸気系62につながる負圧源
(負圧タンク)6に、所定の負圧径路2、2’を介して
連結されるようになっているものである。なお、このよ
うな負圧径路2、2’のうち、エンジン爆発振動の高次
の振動成分(本実施の形態においては爆発2次振動)の
吸収・遮断を目的に調整(チューニング)される防振ユ
ニット1B側の切換作動を担う切換手段3に連結される
もの(2)の途中には、所定の絞り(絞り機構)21が
設けられるようになっている。爆発2次振動を初めとし
た高次の振動成分は、その振動エネルギーが爆発1次振
動よりも小さな値からなるものであり、供給する負圧エ
ネルギーも少なくてすむので、上記のような絞り21を
設けることとしている。そして、その分、防振ユニット
1A側への供給負圧エネルギー量を増加させるようにし
ている。
【0010】 次に、このような構成からなる各負圧径
路2、2’を介して負圧の導入される一組の切換手段3
の切換作動を制御する制御手段5は、マイクロプロセッ
サユニット(MPU)等の演算手段を基礎に形成される
マイクロコンピュータ等からなるものであり、エンジン
等の振動体4からの振動、具体的には、各種センサにて
検出される動弁機構44を形成するバルブの開度、ある
いはクランクシャフト41の回転角度等の信号を入力す
るとともに、当該入力信号に応じて上記一組の切換手段
3の切換作動を制御するようになっているものである。
【0011】次に、このような構成からなる一組の切換
手段3、負圧径路2、2’等を経由して所定の負圧等が
導入されるとともに上記エンジン等の振動体4を支持す
る役目を担う防振ユニット1A、1Bは、図2に示すよ
うな液体封入式の防振装置(防振ユニット)1からなる
ものである。そして、この液体封入式防振ユニット(防
振ユニット)1が、図1に示す如く、エンジン等振動体
4の両側に、一個ずつ、対の状態で装着され、これらに
よって、本防振支持装置がシステムとして形成されるよ
うになっているものである。このような防振ユニット1
の、その具体的構成について、以下に説明する。すなわ
ち、本防振ユニット1は、図2に示す如く、エンジン等
の振動体4側に取付けられる第一の連結部材9と、車体
側に取付けられる第二の連結部材99と、これら第一の
連結部材9と第二の連結部材99との間にあって上記振
動体4からの振動を吸収及び遮断するインシュレータ7
と、当該インシュレータ7に対して直列に設けられるも
のであって非圧縮性流体である液体の封入される主室1
2と、当該主室12に第一オリフィス15を介して連結
されるとともに第一ダイヤフラム17にて室壁の一部が
区画形成される副室16と、当該副室16に対して上記
第一ダイヤフラム17を隔てて設けられる空気室18
と、上記主室12に対して別のダイヤフラム(第二ダイ
ヤフラム)11を介して区画形成される平衡室13と、
からなることを基本とするものである。
【0012】なお、このような基本構成において、上記
インシュレータ7は、防振ゴム材からなるものであり、
上記第一の連結部材9に加硫接着手段等により一体的に
結合されるようになっているものである。そして、この
ような構成からなるインシュレータ7の下方部には、当
該インシュレータ7の一部にて、その室壁が形成される
主室12が設けられるようになっているものである。そ
して更に、このような主室12の、その下方部等には、
負圧または大気圧が所定のサイクルをもって交互に導入
される平衡室13が設けられるようになっているもので
ある。なお、このような構成からなる平衡室13と上記
主室12との間には、図2に示す如く、第二ダイヤフラ
ム11、第二オリフィス125、及び第三液室123等
からなる液体共振機構が設けられるようになっている。
これによって、上記平衡室13にもたらされた圧力変動
は、上記第二ダイヤフラム11の振動を介して、更には
第三液室123内の液体振動及び第二オリフィス125
内の液体共振を介して、主室12の液体へと伝播される
こととなる。その結果、主室12内に伝播される力波
(発生波)は、正規の正弦波に近い状態に調整されるこ
ととなる。なお、このような構成からなる防振ユニット
1A、1Bに関して、本実施の形態においては、上記第
二オリフィス125及び第三液室123を形成する部材
を除いた他の部分(部品)は、両防振ユニット1A、1
B共に同じ構造を採るようにしている。すなわち、パー
ツ(部品)の共通化及び共用化を図るようにしているも
のである。そして、上記第二オリフィス125及び第三
液室123の仕様(諸元)を、それぞれの担う振動数に
合せて設定するようにする。すなわち、防振ユニット1
A側はエンジン爆発振動のうち1次振動成分の遮断を担
うように設定し、一方、防振ユニット1B側はエンジン
爆発振動のうちの2次振動成分の遮断を担うように設定
(調整)することとする。これによって、部品(パー
ツ)の共用化を図ったうえで、2種類の振動を効率良く
吸収及び遮断することができるようになる。
【0013】次に、このような構成からなる本実施の形
態のものについての、その作動態様等について説明す
る。まず、振動体4からの振動は、図2において、第一
の連結部材9を介してゴム材等からなるインシュレータ
7のところへと伝播されてくる。このインシュレータ7
のところに伝播されてきた振動のうちの大半のものは、
当該インシュレータ7の変形等によって吸収あるいは遮
断されることとなる。しかしながら、一部のものは、こ
のインシュレータ7のところでは遮断されず、次の平衡
室13等からなる加振機構部のところで遮断されること
となる。この具体的な作用等について以下に説明する。
すなわち、アイドリング振動に対しては、上記切換手段
3を作動させることによって、上記液体封入式防振ユニ
ット(防振ユニット)1に、負圧または大気圧が特定の
周波数をもって交互に導入されるようにする。このよう
な作動によって、エンジンアイドリング振動の吸収及び
遮断が図られることとなる。
【0014】ところで、このようなエンジンアイドリン
グ振動は、一つの周波数の振動からなるものではなく、
多くの場合、エンジン爆発振動の1次振動成分を基礎
に、ここに2次振動を初めとした高次の振動成分が付加
された状態のものとなっている。すなわち、防振ユニッ
ト1A、1Bのところに伝播されて来る入力振動は、図
3の(A)に示す如く、高次成分を含んだ状態となって
いる。このような入力振動の吸収及び遮断を図るため
に、本実施の形態においては、図1に示す一方の防振ユ
ニット1A側には、爆発1次振動に同期させた状態の加
振力を生じさせるようにする。具体的には、図3の
(B)に示すような正弦波からなる発生波(力波)を、
上記第三液室123、更には第二オリフィス125から
発生させるように、上記切換手段3を作動させる。すな
わち、防振ユニット1Aの平衡室13側へは、大気圧並
びに負圧源6からの負圧が、図3の(B)に示すような
爆発1次振動に同期したサイクルをもって交互に導入さ
れるようにする。これに対して、もう一方の防振ユニッ
ト1B側の平衡室13には、爆発2次振動に同期させた
状態の加振力を生じさせるようにする。具体的には、図
3の(C)に示すような正弦波からなる発生波(力波)
を、上記防振ユニット1B側の第三液室123、更には
第二オリフィス125から発生させるように上記切換手
段3を作動させる。すなわち、防振ユニット1Bの平衡
室13側へは、大気圧並びに負圧源6からの負圧が、図
3の(C)に示すような爆発2次振動に同期したサイク
ルをもって交互に導入されるようにする。このように、
二つの防振ユニット1A、1Bを、それぞれ異なった状
態で作動させることによって、エンジン爆発振動におい
て、高次の振動成分を含むエンジンアイドリング振動
を、効率良く吸収及び遮断することができるようにな
る。
【0015】なお、このようなエンジンアイドリング振
動の吸収及び遮断行程において、高次の振動成分の吸収
及び遮断を目的に調整(設定)された側の防振ユニット
1Bへの負圧供給路(負圧径路)2中には、図1に示す
如く、所定の絞り(絞り機構)21が設けられるように
なっていることより、高次の振動成分の吸収及び遮断を
目的とした防振ユニット1Bの平衡室13内へは、供給
される負圧エネルギーが削減化されることとなる。これ
に反して、もう一方側の防振ユニットである1次振動成
分の吸収及び遮断を目的としたもの(1A)の平衡室1
3内へは、上記絞り21にて削減された負圧エネルギー
分が付加された量の負圧エネルギーが導入(供給)され
ることとなる。これによって、入力振動エネルギー量の
多い1次振動成分の吸収及び遮断を目的とした防振ユニ
ット1A側には、大きな値の負圧エネルギーが供給され
ることとなり、本防振ユニット1Aによる発生波(力
波)も大きな値を有することとなる。その結果、エンジ
ン等振動体4からの振動は本防振ユニット1A、1Bに
て効率良く吸収及び遮断されることとなる。
【0016】次に、上記アイドリング振動よりも更に低
周波数の振動であるエンジンシェークに対しては、図2
における主室12と副室16との間を連結する第一オリ
フィス15内を、上記液体が流動するようにし、これに
よって、エンジンシェークの吸収及び遮断を図るように
する。すなわち、本実施の形態においては、まず、一組
の切換手段3を作動させ、図1における一組の防振ユニ
ット1A、1Bを形成するそれぞれの平衡室13に負圧
が連続して供給されるようにする。その結果、各平衡室
13は共に容積がゼロの状態に保持されることとなる。
従って、各防振ユニット1A、1Bにおいては、それぞ
れの主室12と副室16との間に形成された第一オリフ
ィス15内を液体が流動するようになり、この液体の流
動に伴なう粘性抵抗によって、所定の減衰力が生ずるこ
ととなる。そして、この減衰力(高減衰特性)によっ
て、上記エンジンシェークの減衰(抑え込み)が行なわ
れることとなる。このように、本実施の形態のものにお
いては、一組の切換手段3を作動させることによって、
アイドリング振動及びエンジンシェークを、効率良く、
吸収及び遮断することができるようになる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、エンジン等の振動体を
支持する防振支持装置に関して、振動体に取り付けられ
る第一の連結部材と、車体側のメンバに取り付けられる
第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結
部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮
断するインシュレータと、当該インシュレータの一部に
てその室壁が形成されるものであって液体の封入される
主室と、当該主室に第一オリフィスを介して連結される
とともに第一ダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成さ
れる副室と、上記主室に対して第二ダイヤフラムを介し
て区画形成される平衡室と、からなる液体封入式防振ユ
ニットを基礎に、当該液体封入式防振ユニットを振動体
の両側にそれぞれ一個ずつ設け、このような二つの液体
封入式防振ユニットのそれぞれの平衡室に、負圧または
大気圧のうち、いずれか一方のものを連続的に導入させ
るか、あるいは特定周波数のエンジン振動に同期させた
状態で交互に導入させるように切換作動をする一組の切
換手段を設け、上記各平衡室のうちのいずれか一方のも
のへはエンジンアイドリング運転時におけるエンジン爆
発振動の1次振動数に同期させた状態で負圧及び大気圧
を交互に導入させるようにするとともに、残りの一方の
ものへは、エンジンアイドリング運転時におけるエンジ
ン爆発振動の1次振動数以外の振動数に同期させた状態
で負圧及び大気圧を交互に導入させるようにした構成を
採ることとしたので、エンジン爆発振動の1次振動数以
外の振動成分についても吸収及び遮断を図ることができ
るようになった。すなわち、本発明のものにおいては、
いずれか一方側の防振ユニットをエンジン爆発振動の1
次振動数に同期させた状態で作動させるとともに、残り
のもう一方側のものを、例えばエンジン爆発振動の2次
振動数に同期させた状態で作動させることによって、1
次振動のみならず、2次振動を初めとした高次の振動成
分についても、その入力振動の吸収及び遮断を図ること
ができるようになった。その結果、アイドリング運転時
の車体側への振動伝達を効率良く抑制することができる
ようになった。
【0018】また、各防振ユニットを形成する上記平衡
室のうち、エンジン爆発振動の1次振動数以外の高次の
振動数に同期した状態で負圧及び大気圧が交互に導入さ
れる平衡室側の切換制御を行なう切換手段と負圧源との
間に、絞り機構を設けるようにした構成を採ることとし
たものにおいては、一般に振動エネルギーが小さな値の
ものとなる高次成分の振動遮断を目的とした側の防振ユ
ニットの平衡室へは、少ない負圧エネルギーが導入され
るようにするとともに、他方の1次振動の遮断を目的と
した側の防振ユニットの平衡室へは、上記絞り機構にて
絞られた負圧エネルギー分が付加された状態の高負圧エ
ネルギーが供給されるようになり、1次振動成分の吸収
及び遮断が効率良く行なわれるようになった。その結
果、全振動エネルギーを効率良く吸収及び遮断すること
ができるようになった。
【0019】また、防振ユニットの平衡室の一部を形成
する第二ダイヤフラムの設けられる側に、上記主室側の
液体が流入する第三液室を設けるとともに、当該第三液
室と上記主室との間に、当該主室側の液体が流動する第
二オリフィスを設けるようにした構成を採ることとした
ものにおいては、二つの防振ユニットの基本仕様を共通
化することができるようになり、部品の共通化による防
振ユニットのコストダウン、延いては本防振支持装置全
体の製造コストの低減化を図ることができるようになっ
た。すなわち、二つの防振ユニットにおいて、第二オリ
フィスを除いた他の部分(部品)を共通化しておき、第
二オリフィスの機能のみを、それぞれ変えることによっ
て、一方のものは1次振動数に対応させた高出力用に調
整(チューニング)することができるようになるととも
に、他方のものを高次の振動数に対応させた低出力用に
調整(チューニング)することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の主要部を成す液体封入式防振ユニット
の全体構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の防振特性(機能)を示す図(グラフ)
である。
【図4】従来例の全体構成を示すスケルトン図である。
【図5】従来例の防振特性(機能)を示す図(グラフ)
である。
【符号の説明】
1 液体封入式防振ユニット(防振ユニット) 1A 一方の防振ユニット 1B 他方の防振ユニット 11 第二ダイヤフラム 12 主室 123 第三液室 125 第二オリフィス 13 平衡室 15 第一オリフィス 16 副室 17 第一ダイヤフラム 18 空気室 2 負圧径路 2’ 負圧径路 21 絞り機構(絞り) 3 切換手段 31 切換バルブ 32 ソレノイド 4 振動体(エンジン) 41 クランクシャフト 44 動弁機構 5 制御手段 6 負圧源(負圧タンク) 62 吸気系 7 インシュレータ 9 第一の連結部材 99 第二の連結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三吉 啓司 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 3D035 CA05 CA43 3J047 AA03 CA06 CB09 CD12 DA02 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に取り付けられる第一の連結部材
    と、車体側のメンバに取り付けられる第二の連結部材
    と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあ
    って上記振動体からの振動を吸収及び遮断するインシュ
    レータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形
    成されるものであって液体の封入される主室と、当該主
    室に第一オリフィスを介して連結されるとともに第一ダ
    イヤフラムにて室壁の一部が区画形成される副室と、上
    記主室に対して第二ダイヤフラムを介して区画形成され
    る平衡室と、からなる液体封入式防振ユニットを基礎
    に、当該液体封入式防振ユニットを振動体の両側にそれ
    ぞれ一個ずつ設け、このような二つの液体封入式防振ユ
    ニットのそれぞれの平衡室に、負圧または大気圧のう
    ち、いずれか一方のものを連続的に導入させるか、ある
    いは特定周波数のエンジン振動に同期させた状態で交互
    に導入させるように切換作動をする一組の切換手段を設
    け、上記各平衡室のうちのいずれか一方のものへはエン
    ジンアイドリング運転時におけるエンジン爆発振動の1
    次振動数に同期させた状態で負圧及び大気圧を交互に導
    入させるようにするとともに、残りの一方のものへは、
    エンジンアイドリング運転時におけるエンジン爆発振動
    の1次振動数以外の振動数に同期させた状態で負圧及び
    大気圧を交互に導入させるようにしたことを特徴とする
    防振支持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防振支持装置において、
    上記平衡室のうち、エンジン爆発振動の1次振動数以外
    の振動数に同期した状態で負圧または大気圧が交互に導
    入される平衡室側の切換制御を行なう切換手段と負圧源
    との間に絞り機構を設けるようにしたことを特徴とする
    防振支持装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の防振支持
    装置において、上記平衡室の一部を形成する第二ダイヤ
    フラムにて隔てられた主室側に、当該主室側の液体が流
    入する第三液室を設けるとともに、当該第三液室と上記
    主室との間に、上記主室側の液体が流動する第二オリフ
    ィスを設けるようにした液体封入式防振ユニットを有す
    る構成からなることを特徴とする防振支持装置。
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