JP2002088584A - 分割複合繊維および植毛加工品 - Google Patents

分割複合繊維および植毛加工品

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JP2002088584A
JP2002088584A JP2000283186A JP2000283186A JP2002088584A JP 2002088584 A JP2002088584 A JP 2002088584A JP 2000283186 A JP2000283186 A JP 2000283186A JP 2000283186 A JP2000283186 A JP 2000283186A JP 2002088584 A JP2002088584 A JP 2002088584A
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JP
Japan
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fiber
split
conjugate fiber
flocking
polymer
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JP2000283186A
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English (en)
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Misao Omori
美佐男 大森
Tetsuhiro Yoshida
哲弘 吉田
Tomoji Saeki
知司 佐伯
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来方法では得られなかった極細繊維を得るこ
とを可能にし不織布、紡績、植毛用途において非常に風
合いの良好で、発色性に優れた製品を提供すること。 【解決手段】ポリアミド重合体からなる構成成分とポリ
エステル重合体からなる構成成分からなり、前記ポリア
ミド重合体に0.1%以上0.5%以下の添加剤が含ま
れてなる分割複合繊維。および前記分割複合繊維を植毛
前あるいは植毛後に分割してなる植毛加工品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風合いが非常に良
好で、かつ発色性に優れた分割複合繊維および該繊維を
用いてなる植毛加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりナイロン、ポリエステル、アク
リル等の合成繊維は不織布、編物、織物、植毛等家庭用
品、産業用品に広く利用されており、その中でも例えば
不織布、紡績用途に使用する場合には、カードを通過さ
せることが必須条件である。
【0003】また、最近ではよりソフトな風合いが要望
されてきていることから繊維をより細くしていくことが
必要となってきている。しかしながら、通常の方法で得
られる細繊度の繊維は1.1dtex程度であり、さら
に極細の繊維を得る必要性が増してきている。
【0004】また風合いの観点から使用する合成繊維と
しては、風合いの柔らかいナイロンを用いることが好ま
しいが、ナイロンの場合、上述のような細繊度の紡糸は
他の合成繊維に比べ非常に難しい。
【0005】しかしながら、相反する問題として繊度が
細くなればなるほどカードでの通過性は悪くなる傾向に
あり、通常は繊度1.3dtexまでが限界と考えられ
ている。繊度が1.1dtex以下になるとカードでの
通過性は急激に低下し、0.56dtexまでいくと実
質的にカードを通過させることができなくなるという問
題がある。
【0006】さらに植毛用途に関して、最もポピュラー
な素材としては、その染色性、接着性、立毛特性として
の耐摩耗性、耐圧縮特性のすぐれた点から、ナイロンを
用いることが好ましいが、植毛用途に関しても近年のソ
フト化指向によりそのタッチが重要視されてきている。
【0007】しかしながら、植毛用繊維は一般的に、ト
ウ状の繊維を短くカットし、短繊維とした後に染浴中で
移動させながら染色するか、あるいは被染物を固定し染
液を循環させて染色を行っている。しかしナイロン繊維
の場合、染色あるいはその後の乾燥工程などにおいて熱
履歴を受けるとカールが発生するという問題があり、こ
の結果、植毛密度を上げると植毛斑ができたり、上端面
が不揃いとなり易く商品価値を低減するという問題が発
生しやすかった。特にこの傾向は繊維の繊度が細くなる
ほど強くなり、繊度を細くすることが難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は解決のできなかった問題を解決すべく、植毛用途にお
いて、染色後に繊維を分割することでカールを発生せ
ず、発色性が優れた分割複合繊維および該繊維を用いて
なる植毛加工品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために下記の構成を有する。すなわち、
ポリアミド重合体からなる構成成分とポリエステル重合
体からなる構成成分からなり、前記ポリアミド重合体に
0.1%以上0.5%以下の添加剤が含まれてなる分割
複合繊維である。
【0010】また、本発明は、前記分割複合繊維を植毛
前あるいは植毛後に分割してなる植毛加工品である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の分割複合繊維は、ポリア
ミド重合体からなる構成成分とポリエステル重合体から
なる構成成分とからなる。ポリアミド重合体としては、
例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン46、ナイロン11、ナイロン12等を用いること
ができるが、なかでもナイロン6が好ましい。
【0012】一方、ポリエステル重合体としては、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモポリ
マーあるいはこれらを主体とするイソフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、アジピン酸等のジカルボン酸成分や種々のグリコー
ル成分との共重合体やこれらのポリエステル混合物を用
いることができるが、なかでもポリエチレンテレフタレ
ートと5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合体が
好ましい。
【0013】本発明の分割複合繊維を構成するポリアミ
ド重合体には、0.1%以上0.5%以下の添加剤が含
まれていることが必要である。好ましくは0.2%以上
0.3%以下がよい。ポリアミド重合体に含まれる添加
剤が0.1%未満であると染色しても色彩が明確になら
ないために好ましくない。また添加剤が0.5%を越え
ると植毛にする際のカット刃の寿命が短くなり好ましく
ない。
【0014】本発明の分割複合繊維を構成するポリエス
テル重合体には、添加剤が含まれていても含まれていな
くてもよい。
【0015】本発明において添加剤として、例えば艶消
し剤、着色剤、安定剤、制電材、難燃材、耐熱材等を用
いることができ、なかでも艶消し剤の二酸化チタンを用
いると、発色性が優れたものになるため好ましい。
【0016】本発明は、不織布、紡績用途においてはカ
ード通過時、植毛用途においては染色時に繊維繊度が大
きいままで(例えば1.7dtex以上として)カード
通過後及び染色後に物理的または化学的方法により繊維
を分割させ複数本の極細繊維となることを特徴としてい
る。
【0017】すなわち、本発明における分割複合繊維を
得るにあたって、例えば原綿の生産工程、カーディング
工程、カット工程や染色工程では分割せずにこれらの工
程後に物理的あるいは化学的な方法によって分割するこ
とが好ましい。ポリエステルを残存させたい場合には、
その方法として例えば物理的方法であればウオーターパ
ンチ、ニップローラー等による揉み作用を用いることが
でき、化学的方法であれば強アルカリ処理(水酸化ナト
リウム水溶液等)によりポリエステルを加水分解して一
部除去する方法を用いることができる。ポリエステルを
完全に除去させたい場合、強アルカリ処理(水酸化ナト
リウム水溶液等)によりポリエステルを加水分解するか
あるいは、前記揉み作用のあと、前記強アルカリ処理し
てポリエステルを加水分解する方法を用いることができ
る。
【0018】このように目的にあった場所で分割するに
は、ポリマー組合せ、ポリマー種類、断面形状等の組合
せ等が重要となる。
【0019】さらには、分割後の繊維の繊度が0.1d
tex以上0.5dtex以下であることが好ましい。
0.1dtexより細いと実質的にカードを通過させる
ことができなくなるので好ましくない。また0.5dt
exより太いとソフトな風合いを得られなくなるので好
ましくない。
【0020】本発明における分割複合繊維は、分割され
る成分と分断する成分とからなるが、分断する成分の隔
壁は物理的な方法で分割する場合、そのままの形で残存
するため分割される成分よりも繊維の繊度が大きくな
る。そこで、製品の風合い等を考慮して分割後の繊維の
風合いをより良好なものとするために全構成成分の50
%以上99%以下をポリアミド重合体が占めるようにす
ることが好ましい。より好ましくは70%以上99%以
下がよい。ポリアミド重合体が全構成成分の50%未満
となると製品(不織布、植毛パイル)の風合いが著しく
低下するので好ましくない。
【0021】さらに、そのポリマーの組合せとして通
常、ポリアミドのモノポリマー及び共重合ポリマーの組
合せによる複合繊維では互いのポリマーが比較的相溶性
が高いために上述したような物理的方法においても容易
に分割することができず、他方ポリエステルについても
同様の結果となるため、本発明の分割複合繊維を構成す
る成分として、互いに非相溶性であるポリアミドとポリ
エステルとし、その構成成分の50%以上99%以下を
ポリアミド重合体とすることで分割することを可能に
し、極細の繊維を得ることを可能にした。
【0022】本発明において、分割複合繊維の分割形状
としては、4分割、6分割、8分割、12分割にされた
ものが好ましい。
【0023】本発明の分割複合繊維は、製造工程および
カーディング工程では、分割されずに、物理的および化
学的な方法によって分割せしめ、分割後の繊維が極細と
なりきわめて良好な風合いを有することで、植毛加工品
を構成する繊維として良好に使用することができる。
【0024】本発明の分割複合繊維のカット長は、カー
ディング工程でのカード通過性の観点から38mm〜51
mmであることが好ましい。
【0025】本発明の植毛加工品は、基材にパイルを植
毛し、(この場合のパイルは極細化前の複合繊維)、植
毛前あるいは植毛後に溶剤、膨張剤、分解剤などで処理
することでパイルを極細化することにより風合いの良好
なパイル糸を得た後、本発明の分割複合繊維を該パイル
糸に用いてなるものであり、表面のタッチが非常に柔ら
かくざらつき感のない植毛加工品である。また本発明の
分割複合繊維は植毛の他、不織布、紡績のような様々な
分野に適用することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。 実施例1〜3 ポリアミド重合体としてポリカプラミドに二酸化チタン
を0.30%含有したもの、ポリエステル重合体として
ポリエチレンテレフタレート96%に対し共重合成分と
して5−ナトリウムスルホイソフタル酸の誘導体を4%
含有したものを使用し、ポリアミドの重合体を70%、
ポリエステルの重合体を30%使用した複合繊維(単繊
維繊度1.56dtex、分割後のポリアミド単繊維繊
度0.20dtex)をカット長0.1mm、1.0mm、
5.0mmに切断しパイル繊維を得た。このパイル繊維を
分散染料で染色後、苛性ソーダにてポリエステル成分を
加水分解することで複合繊維を分割し、基材に植毛し
た。 比較例1〜3 ポリアミド重合体としてポリカプラミドに二酸化チタン
を0.03%含有したもの、ポリエステル重合体として
ポリエチレンテレフタレート96%に対し共重合成分と
して5−ナトリウムスルホイソフタル酸の誘導体を4%
含有したものを使用し、ポリアミドの重合体を70%、
ポリエステルの重合体を30%使用した複合繊維(単繊
維繊度1.56dtex、分割後のポリアミド単繊維繊
度0.20dtex)をカット長0.1mm、1.0mm、
5.0mmに切断しパイル繊維を得た。 比較例4〜6 ポリカブラミドに二酸化チタンを0.30%含有したも
のを単一成分使用とし、実施例1〜3と同様にカット
し、パイル繊維を得た。 比較例7〜9 ポリアミド重合体に二酸化チタンを0.03%含有した
以外は、実施例1〜3と同等とし、ポリアミド重合体を
30%、ポリエステル重合体を70%使用し、繊維を
(単繊維繊度1.56dtex、分割後のポリアミド単
繊維繊度0.09dtex)同様に切断し、パイル繊維
を得た。
【0027】上記の結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、不織布、紡績用途及び
植毛用途においてそれぞれカード通過後、染色後に繊維
を分割することで従来の方法では得られなかった極細の
繊維を得ることが可能になり非常に風合いの良好で、発
色性に優れた繊維を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21 AH04 AK42A AK48A AT00B CA00A DG08A EJ15 EJ30 GB08 GB81 JK13 JK14 4L041 AA07 BA04 BA05 BA49 BD11 CA06 CA19 CB05 DD01 DD19 EE06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド重合体からなる構成成分とポリ
    エステル重合体からなる構成成分からなり、前記ポリア
    ミド重合体に0.1%以上0.5%以下の添加剤が含ま
    れてなることを特徴とする分割複合繊維。
  2. 【請求項2】ポリアミド重合体が全構成成分の50%以
    上99%以下を占めてなることを特徴とする請求項1に
    記載の分割複合繊維。
  3. 【請求項3】分割された繊維繊度が0.1dtex以上
    0.5dtex以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の分割複合繊維。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の分割複合
    繊維を植毛前あるいは植毛後に分割してなることを特徴
    とする植毛加工品。
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