JP2002087959A - 易吸収性ニルバジピン錠の製造法 - Google Patents

易吸収性ニルバジピン錠の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 易吸収性のニルバジピン錠剤を提供する。 【解決手段】 ヒドロキシプロピルセルロースおよび/
またはポリビニルピロリドンの有機溶媒溶液よりなる結
合剤溶液にニルバジピンを溶解し、この溶液を用いて賦
形成分を含む顆粒を造粒し、乾燥した後打錠する。必要
に応じて水溶性のフィルムコーティングを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野及び背景技術】本発明は、易吸収性のニルバ
ジピン錠の製造法に関する。
【0002】ニルバジピン(化学名5−イソプロピル−
3−メチル−2−シアノ−1,4−ジヒドロ−4−(m
−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボキシレ
ート)は、本態性高血圧症、脳梗塞後遺症などの治療薬
である。
【0003】この薬物は水に殆ど溶けないため、その経
口投与によるバイオアベイラビリティを高めるためいく
つかの工夫が知られている。
【0004】特開平4−12245号はニルバジピンお
よびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)
を含む固溶体を開示し、特開平5−139974号はニ
ルバジピンと水溶性高分子化合物(HPMC)と場合に
より他の添加剤とを加熱下混合し、冷却して得られる固
体分散体を開示する。これらはいずれも粉体であり、最
終投与形態である錠剤に製剤化するためには顆粒化の工
程が必要である。
【0005】特開平5−262642号は、ニルバジピ
ンと水溶性高分子基剤(HPMC)との混合物を例えば
高速攪拌造粒機中で高温(150℃以上)に加熱しなが
ら混練して得られる固体分散体を開示する。
【0006】最終投与形態である錠剤に加工するため
に、もっと簡単な製剤技術を使用し、高温への加熱を必
要としない易吸収性のニルバジピン固形製剤の提供が望
まれる。
【0007】
【本発明の開示】製剤技術の一つに、薬物と賦形剤の混
合物を結合剤を用いて顆粒に造粒し、これに滑沢剤を加
えて打錠する方法がある。結合剤は水溶性の高分子化合
物である。従って結合剤は通常水溶液の形で使用される
が、例えば薬物が水の存在下では不安定な場合には有機
溶媒に溶かした結合剤が造粒に使用される。
【0008】ニルバジピンの結晶性粉末をこの方法によ
って錠剤とした場合、当然消化管からの吸収率は低い。
そこで本発明は、結合剤の有機溶媒溶液へニルバジピン
を溶解し、この溶液をもって薬物を含まない賦形成分を
練合、噴霧等の方法によって造粒し、得られた顆粒を常
法により打錠することにより、易吸収性のニルバジピン
錠を製造する。
【0009】この場合、使用する有機溶媒は必要量のニ
ルバジピンおよび結合剤が可溶な溶媒でなければならな
い。さらに環境上および衛生上無害であることも必要で
ある。無水および低含水エタノールがこの目的に適して
いることがわかった。
【0010】また結合剤溶液は、造粒に適した粘度にお
いて必要量のニルバジピンを溶解し、溶媒が揮発した後
両成分が相分離したりまたは結晶の成長によりニルバジ
ピンのミクロな分散状態が維持できなくなってはならな
い。このような性質を備えた結合剤溶液は、多数の結合
剤についてテストした結果、ヒドロキシプロピルセルロ
ース(HPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)およ
びその混合物の溶液であった。
【0011】この溶液によって賦形成分を処理して造粒
する。ここでいう賦形成分とは、薬物および結合剤と打
錠時に添加される滑沢剤および崩壊剤等を除いた錠剤
(顆錠)のすべての成分をいう。このような賦形成分は
この分野で周知であり、例えば乳糖、デンプン、微結晶
セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
(L−HPC)などである。造粒方法は任意であるが、
流動層造粒法が好ましい。この方法は、賦形成分の流動
層へ結合剤溶液を噴霧し、流動する粒子が打錠に適した
粒径に達するまでこれを継続する方法である。この方法
に使用する装置は、流動層造粒装置と呼ばれる。
【0012】このようにして造粒された顆粒はステアリ
ン酸マグネシウムなどの滑沢剤と混和され、打錠され
る。所望により、顆錠には水溶性のフィルムコーティン
グを施すことができる。このフィルムは、例えばヒドロ
キシプロピルメチルセルロース(HPMC)のようなフ
ィルム形成性水溶性高分子のほか、着色顔料その他の慣
用の添加剤を含むことができる。
【0013】本発明によって製造されたニルバジピン錠
の薬物溶出率は、常法すなわちニルバジピンを結合剤溶
液側ではなく反対の賦形成分側へ添加して造粒し、打錠
して得られた錠剤に比較して約2倍またはそれ以上高
い。加えて従来法より製剤技術面で一層簡単である。
【0014】
【実施例】以下の実施例は例証であって限定ではない。
【0015】 1.製剤方法 実施例1 1錠あたりの処方 素錠部: ニルバジピン 4.0mg ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L) 16.0mg 乳糖 98.0mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC) 59.0mg 軽質無水ケイ酸 2.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg ───────────────────────── ───────── 小計 180.0mg フィルム部: ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 5.0mg ポリエチレングリコール 0.5mg タルク 1.0mg 酸化チタン 1.5mg 黄色三二酸化鉄 微量 ───────────────────────── ───────── 小計 8.0mg 合計 188.0mg
【0016】ニルバジピンとHPC−Lとを、ニルバジ
ピン100gあたり約5Lの95%エタノールに溶解し
て結合剤溶液とした。乳糖とL−HPCの混合物をこの
溶液により流動層造粒装置中で造粒した。乾燥後得られ
た顆粒を軽質無水ケイ酸およびステアリン酸マグネシウ
ムと混和し、打錠した。
【0017】フィルムコーティングは、各成分を40%
エタノールに加え、溶解、分散して得られたコーティン
グ液を素錠に被覆することによって行なった。
【0018】比較例1 実施例1において、ニルバジピンをHPC−L溶液へ溶
解せず、乳糖とL−HPCの混合物へ混合したことを除
いて、実施例1と同じ操作によってフィルムコートした
ニルバジピン錠を製造した。
【0019】 実施例2 1錠あたりの処方 素錠部: ニルバジピン 4.0mg ポリビニルピロリドン(PVP K30) 16.0mg 乳糖 98.0mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC) 59.0mg 軽質無水ケイ酸 2.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg ───────────────────────── ───────── 小計 180.0mg フィルム部: 実施例1に同じ ───────────────────────── ───────── 小計 8.0mg 合計 188.0mg
【0020】結合剤をPVP K30に変更した以外は
実施例1と同じ操作によってフィルムコートニルバジピ
ン錠を製造した。
【0021】比較例2 実施例2において、ニルバジピンを結合剤溶液へ溶解せ
ず、賦形成分へ加えたことを除き実施例2に同じ。
【0022】2.溶出試験 実施例1,2および比較例1,2のニルバジピン錠につ
いて、試験液として水を用い、第13改正日本薬局方記
載の溶出試験第2法(パトル法、50rpm)に従って
溶出試験を行い、溶出率を測定した。結果を表1および
2のグラフに示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1および比較例1の錠剤の溶出パター
ンを示すグラフ。
【図2】 実施例2および比較例2の錠剤の溶出パター
ンを示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/38 A61K 47/38 A61P 9/12 A61P 9/12 25/28 25/28 Fターム(参考) 4B048 PE02 PE03 PE09 PN04 PS01 PS17 4C076 AA36 AA44 BB01 CC11 DD27 DD28 DD29 DD41 DD67 EE16F EE23 EE32F FF03 FF16 FF27 4C086 AA01 AA02 BC24 MA01 MA05 NA11 ZA15 ZA42 ZC50

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシプロピルセルロースおよび/ま
    たはポリビニルピロリドンの有機溶媒溶液よりなる結合
    剤溶液にニルバジピンを溶解し、この溶液を用いて賦形
    成分を含む顆粒を造粒し、乾燥した後打錠することを特
    徴とする易吸収性ニルバジピン錠の製造法。
  2. 【請求項2】打錠後錠剤に水溶性フィルムコーティング
    を施す工程をさらに含む請求項1の易吸収性ニルバジピ
    ン錠の製造法。
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US8236347B2 (en) 2007-10-05 2012-08-07 Alzheimer's Institute Of America, Inc. Pharmaceutical compositions for reducing amyloid deposition, amyloid neurotoxicity, and microgliosis

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