JP2002087885A - 成形用セラミックス顆粒、それを用いた焼結用セラミックス成形体及びそれを用いて得られるセラミックス焼結体 - Google Patents
成形用セラミックス顆粒、それを用いた焼結用セラミックス成形体及びそれを用いて得られるセラミックス焼結体Info
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Abstract
なくとも2.5MPaの抗折強度をもつ成形体を与え得
る成形用セラミックス顆粒を提供する。 【解決手段】 セラミックス原料粉末とバインダーとの
混合物を造粒してなる顆粒において、バインダーがラジ
カル重合可能なエチレン性単量体と反応性界面活性剤と
の乳化共重合生成物からなる成形用セラミックス顆粒と
する。
Description
品の製造に用いることができる、高強度の成形体や、欠
け、ひび割れ、折れなどの外観不良が少ない焼結体を与
える優れた品質の成形用セラミックス顆粒、それを用い
て得られる焼結用セラミックス成形体及びそれを用いて
得られるセラミックス焼結体に関するものである。
バインダーを加え、これから顆粒を調製し、この顆粒を
加圧成形してセラミックス成形体を作り、これを焼結す
ることによって製造される。
はポリビニルアルコール、ポリアクリル系樹脂、セルロ
ース系樹脂などが用いられ、これを原料粉末100質量
部に対し、1〜10質量部の範囲内で添加し、造粒され
る。
ポリビニルアルコールを用いて、スプレードライヤーで
噴霧造粒した顆粒を成形して得られる成形体は、成形直
後の3点曲げによる抗折強度が1.0〜2.0MPa程
度であるが、厚み2mm程度の薄型成形体を取り扱う場
合、この程度の抗折強度では不十分であり、取り扱い中
に破損したり、加工中にクラックを発生するというトラ
ブルを生じやすいため、実用上、この抗折強度を少なく
とも2.5MPaに高めることが要望されている。
るには、顆粒形成時のバインダーの量を多くすることが
有効であるが、バインダーの量を多くすると、脱脂時間
の延長、焼成後の製品密度の低下、焼成収縮の増大に伴
う寸法制御の困難などの不都合を生じるため、その添加
量にはおのずから限度がある。
として、バインダーを含む顆粒の水分を調整する方法が
考えられる。このような顆粒の水分調整は、これまで主
として成形性の向上すなわち造粒粉の加圧時の変形を容
易にし、変形に伴う成形体内の欠陥を除去するために行
われており、造粒粉末100質量部に対し1.5〜7質
量部の範囲内に調整することが提案されている(特公平
6−8201号公報)。
を1.0質量%以上にすると、成形用金型にセラミック
スの微粉末が付着する、いわゆるスティッキングが発生
しやすくなり、得られる成形体の外観不良や連続成形の
際のトラブル発生の原因になることが知られている。し
たがって、これまで成形用セラミックス顆粒について、
バインダー量や水分を調整して、抗折強度の高い成形体
を与えるように改善することは成功していなかった。
事情のもとで、バインダーや水の含有量が少なく、しか
も少なくとも2.5MPaの抗折強度をもつ成形体を与
え得る成形用セラミックス顆粒を提供することを目的と
してなされたものである。
成形体を与えるセラミックス顆粒を開発するために鋭意
研究を重ねた結果、顆粒造粒の際に用いるバインダーと
して、ラジカル重合可能なエチレン性単量体と反応性界
面活性剤との乳化共重合生成物を用いることにより、そ
の目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて
本発明をなすに至った。
末とバインダーとの混合物を造粒してなる顆粒におい
て、バインダーがラジカル重合可能なエチレン性単量体
と反応性界面活性剤との乳化共重合生成物からなること
を特徴とする成形用セラミックス顆粒、それを加圧型成
形してなる焼結用セラミックス成形体及びそれを焼結し
て得られるセラミックス焼結体を提供するものである。
ここで反応性界面活性剤とは、一分子中に通常の界面活
性剤と同様に親水性基と疎水性基を有し、さらにラジカ
ル重合可能な二重結合を有している物質を意味する。
は、セラミックス原料粉末とバインダーとの混合物を造
粒することにより得られるが、このセラミックスの種類
は、従来の成形用セラミックス顆粒の場合と同様、最終
的に成形される成形体の用途に応じて適宜選択すること
ができる。このようなセラミックスとしては、例えばフ
ェライト、アルミナ、ジルコニアのような金属酸化物系
セラミックス、炭化ケイ素、窒化ケイ素のような非酸化
物系セラミックス、チタン酸バリウム、チタン・ジルコ
ン酸のような複合金属酸化物系セラミックスなどを挙げ
ることができる。これらのセラミックスは、単独で用い
てもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。こ
れらのセラミックスは粉末として用いられるが、この粒
径も最終製品であるセラミックス成形体の原料としてこ
れまで使用されてきたものと同じ範囲、通常0.5〜5
μm、好ましくは0.7〜3μmの範囲内で選ばれる。
おいては、バインダーとしてラジカル重合可能なエチレ
ン性単量体と反応性界面活性剤との乳化共重合生成物を
用いることが必要である。この際に使用するラジカル重
合可能なエチレン性単量体としては、(A)アクリル系
単量体、(B)スチレン系単量体、(C)ニトリル系単
量体などがあるが、これらの例としては以下に示すもの
がある。
タクリル酸及びこれらの酸とメチルアルコール、エチル
アルコール、n‐プロピルアルコール、n‐ブチルアル
コール、sec‐ブチルアルコール、tert‐ブチル
アルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、
2‐エチルヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、
オクチルアルコール、ノニルアルコール、ドデシルアル
コール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコ
ールのようなアルカノール又はメトキシエチルアルコー
ル、エトキシエチルアルコール、エトキシエトキシエチ
ルアルコール、メトキシプロピルアルコール、エトキシ
プロピルアルコールのようなアルコキシアルカノール又
はベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェニ
ルアルコールのようなアラルキルアルコール又はアリル
アルコール、クロトニルアルコールのようなアルケニル
アルコール及びこれらのハロゲン化物とのエステル類。
‐メチルスチレン、β‐エチルスチレンのような側鎖ア
ルキル置換スチレン及び4‐メチルスチレン、2‐エチ
ルスチレン、4‐ヘキシルスチレンのような核アルキル
置換スチレン及びクロロスチレン、ジクロロスチレン、
フルオロスチレン、ブロモスチレンのような核ハロゲン
化スチレン及びメトキシスチレン、アセチルスチレン、
ニトロスチレンのような核置換スチレン。
ル及びメタクリロニトリル及びα‐エチルアクリロニト
リル、α‐クロロアクリロニトリル、α‐ブロモアクリ
ロニトリルのようなα‐置換アクリロニトリル及びシア
ン化ビニリデン。
量体は、単独で用いてもよいし、また2種以上組み合わ
せて用いてもよい。特に好ましいのは、アクリル系単量
体の2種以上の組み合せ、アクリル系単量体とスチレン
系単量体との組み合せ、又はこれらにさらにニトリル系
単量体を50質量%を超えない割合で組み合わせたもの
である。この際の混合比には特に制限はなく任意に選択
することができる。
量体又は単量体混合物には、所望に応じさらに架橋形成
能を有する単量体を、単量体全量に基づき20質量%を
超えない割合で含ませることができる。
チレン性二重結合を複数個有する単量体、エポキシ基を
もつエチレン性単量体、ヒドロキシル基、アミノ基、イ
ミノ基、カルボキシル基、β‐ジケト基、シリル基など
の官能基をもつエチレン性単量体などであり、例えば以
下に示す化合物がある。
テル又はエーテル、好ましくはグリシジル(メタ)アク
リレート、ジグリシジルイタコネート、ジグリシジルマ
レート又はフマレート、グリシジルアルキルイタコネー
ト、グリシジルアルキルマレート又はフマレート(ここ
でアルキル基は炭素数1〜6個のもの)、アリルグリシ
ジルフタレート、アリルグリシジルスクシネートビスフ
ェノールAの混合グリシジルアリルアリルエーテル、ア
リルグリシジルエーテルのようなエポキシ基含有エチレ
ン性単量体、エチレングリコールのジ(メタ)アクリレ
ート、ブタンジオールのジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンのジ‐、トリ‐(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリトリトールのジ‐、トリ‐、テトラ‐、
(メタ)アクリレート、ポリメチレングリコールのジ
(メタ)アクリレート、ポリアルキレンエーテルグリコ
ールのジ(メタ)アクリレート、エリスリトール、マニ
トール、ソルビトールなどのポリアクリレート又はポリ
メタクリレートのような多価アルコール及び糖類などの
エチレン性不飽和酸ポリエステル類、エチレングリコー
ルジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテ
ル、トリメチロールプロパンのジ‐又はトリ‐ビニルエ
ーテル、ペンタエリトリトールのジ‐、トリ‐又はテト
ラ‐ビニルエーテル、ソルビトール、エリトリトール、
マニトールなどのポリビニルエーテルのような多価アル
コール及び糖類などのポリビニルエーテル類、ジアリル
フマレート又はマレート、トリアリルトリメート、ジア
リルフマレート、ジアリルイソフタレート、ジメタリル
フタレート、ジメタリルイソフタレート、ジアリルモノ
ハドロゼンホスフェート、トリアリルホスフェート、ジ
アリルモノメチルホスフェート、ジアリルモノエチルホ
スフェート、ジアリルモノフェニルホスフェート、ジア
リルモノベンジルホスフェート、ジアリルモノハイドロ
ゼンホスファイト、トリアリルホスファイト、ジアリル
モノメチルホスファイト、ジアリルモノフェニルホスフ
ァイト、ジアリルモノベンジルホスファイト、トリメチ
ロールプロパンのジ‐又はトリアリルエーテル、ペンタ
エリトリトールのジ‐、トリ‐又はテトラ‐アリルエー
テル、エリトリトールポリアリルエーテル、エリトリト
ールポリメタリルエーテル、アラビノースポリアリルエ
ーテル、アラビトールポリアリルエーテル、キシロース
ポリアリルエーテル、グリコースポリアリルエーテル、
マンノースポリアリルエーテル、マニトールポリアリル
エーテル、ソルビトールポリアリルエーテル、イソシト
ールポリアリルエーテル、ショ糖のポリアリルエーテル
のような多価アルコール及び糖類などのポリアリル又は
ポリメタリルエーテル類、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレート、メチレンビスアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリル
アミド、ジヒドロキシエチレンビスアクリルアミド、ト
リス(アクリロイル)ヘキサヒドロ‐s‐トリアジンの
ようなポリ不飽和酸アミド類、ジビニルケトン、ジアリ
ルクロレンデート、ジアリリデンペンタエリトリトー
ル、ジアリルシアナミド、ジビニルベンゼン、テトラア
リロキシエタンのような2個以上のエチレン性二重結合
をもつ化合物、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2‐ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、3‐ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、4‐ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、5‐ヒドロキシペンチル(メ
タ)アクリレート、6‐ヒドロキシヘキシル(メタ)ア
クリレート、3‐ブトキシ‐2‐ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐1‐フェニル
エチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)
アクリレート、N‐メトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N‐エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N
‐n‐プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐
イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐n
‐ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐sec
‐ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐イソブ
トキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのα,β‐モ
ノエチレン性不飽和カルボン酸アミドのN‐メチロール
化物のようなヒドロキシル基含有単量体、ジアセトンア
クリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N,N‐ジメ
チルアクリルアミド、N‐n‐ブトキシメチルアクリル
アミド、N‐ビニルピロリドン、N‐ビニルイミダゾー
ル、2‐メチル‐N‐ビニルイミダゾール、2‐ビニル
ピリジン、3‐ビニルピリジン、4‐ビニルピリジン、
2‐ジニル‐5‐エチルピリジン、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチ
ルアミノエチルアクリレート(メタクリレート),ジメ
チルアリルアミン、ジアリルアミン、7‐アミノ‐3,
7‐ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、2‐メチ
ル‐5‐ビニルピリジン、3‐メチル‐5‐ビニルピリ
ジン、2‐ブチル‐5‐ビニルピリジンのような塩基性
単量体、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸などのα、β‐モノエチレン性不飽和カルボン酸類の
ようなカルボキシル基含有単量体、アリルアセトアセテ
ート、アクリルアセトアセテート、メタクリルアセトア
セテート、(メタ)アクリルエチルアセトアセテート、
(メタ)アクリルプロピルアセトアセテートのようなβ
‐ジケト基含有単量体、ビニルトリクロルシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシメトキシシラン、ビニルトリスアセト
キシシラン、γ‐メタクリルオキシプロピルトリメトキ
シシランのようなケイ素含有単量体。
単量体は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて
用いてもよい。この場合の使用量は、共重合体中20質
量%以下、通常10質量%以下とする必要がある。この
量が20質量%を超えると乳化重合安定性が低下し、さ
らに耐湿性や耐久性が低下するなどの不都合を生じる。
移温度(Tg)の調節や接着性の向上などのために、全
体の50質量%を超えない割合で、他の単量体やオリゴ
マーを必要に応じて併用することができる。このような
単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルのような脂肪酸ビニルエステル類やエチレン、プロピ
レン、ブチレン、ブタジエンのようなオレフィン類や塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデンのようなハロゲ
ン化オレフィン類やアクリルアミド、メタクリルアミド
などのアミド類などがある。これらは、共重合体とブレ
ンドして含有されていてもよいし、また共重合体中に構
成成分として含有されていてもよい。
ン性単量体の共単量体及び乳化剤とを兼用するために用
いられる反応性界面活性剤は公知であり、その一部は市
販品として入手することができる。この反応性界面活性
剤は、アクリル系、アルリル系、マレイン酸系及びイタ
コン酸系に大別することができ、それぞれにアニオン
型、ノニオン型及び場合によりカチオン型のものが含ま
れる。このような反応性界面活性剤の例を以下に示す。
性剤 (イ)一般式
基、Aはアルキレン基、Mはアルカリ金属原子又は第四
級アンモニウム残基、m及びnは0又は1以上の整数)
で表わされる化合物(特公平5−75002号公報) (ロ)一般式
は長鎖状アルキル基又はアルケニル基)で表わされる化
合物(特開昭54−144317号公報) (ハ)一般式
ち、R4〜R7はアルキル基である)で表わされる化合物
(特開昭62−15202号公報) (ニ)一般式
で表わされる化合物(特開昭62−34947号公
報)。
性剤 (ホ)一般式
つ)で表わされる化合物(特公平5−75002号公
報) (ヘ)一般式
Eはエチレン結合、Pはプロピレン結合、lは0又は1
以上の整数)で表わされる化合物(特開昭56−282
08号公報)。
性剤 (ト)一般式
Yは第四級アンモニウム残基)で表わされる化合物(特
公平5−75002号公報) (チ)一般式
わされる化合物(特開昭55−98201号公報)。
性剤 (リ)一般式
をもつ)で表わされる化合物(特公平5−75001号
公報) (ヌ)一般式
合物(特開昭58−203960号公報) (ヲ)一般式
つ)で表わされる化合物(特開平4−53802号公
報)。
性剤 (ワ)一般式
つ)で表わされる化合物(特公平5−75001号公
報) (カ)一般式
で表わされる化合物(特開平4−50204号公報)。
性剤 (ヨ)一般式
つ)で表わされる化合物(特公平5−75001号公
報) (タ)一般式
合物(特開昭60−78047号公報)。
活性剤 (レ)一般式
ち、Rはアルキレン基である)で表わされる化合物(特
開昭62−22803号公報) (ソ)一般式
つ)で表わされる化合物(特開昭62−22803号公
報) (ツ)一般式
れる化合物(特開昭49−40388号公報) (ネ)一般式
で表わされる化合物(特開昭52−134658号公
報)。
活性剤 (ナ)一般式
つ)で表わされる化合物(特開昭50−98484号公
報)。
活性剤 (ラ)一般式
で表わされる化合物(特公昭46−34874号公報) (ム)一般式
れる化合物(特開昭49−40388号公報)。
面活性剤 (ウ)一般式
で表わされる化合物(特開昭50−98484号公
報)。
てもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよく、
その使用量は、前記したラジカル重合可能なエチレン性
単量体に対し0.5〜10質量%、好ましくは1〜5質
量%の範囲内で選ばれる。この使用量が0.5質量%未
満では乳化重合が困難になるし、また10質量%を超え
ると得られる共重合体の吸湿性が高くなり、顆粒用バイ
ンダーとして不適当になる。
水、メチルアルコール、エチルアルコール又はイソプロ
ピルアルコールあるいはこれらの混合物を用い、前記し
たラジカル重合可能なエチレン性単量体と反応性界面活
性剤とを所定割合で乳化重合させることによって調製す
ることができる。
法、シード重合法、多段式重合法など従来知られている
方法に従い、水溶性のラジカル重合開始剤、例えば過酸
化水素、α‐クミルヒドロペルオキシド、過酸化アセチ
ル、ペルオクソ二硫酸カリウムなどの存在下で行うこと
ができる。この乳化重合により反応性界面活性剤は、ラ
ジカル重合可能なエチレン性単量体と共重合し、エマル
ション中に遊離した状態で存在することがないので、通
常の乳化剤を使用した合成樹脂エマルションのときにも
たらされる欠点、例えば硬化時の耐水性、接着性の低下
などが抑制され、かつ強度が向上する。
は、粒子径0.01〜1μm、好ましくは0.02〜1
μm程度の合成樹脂を5〜60質量%の濃度で含有する
エマルションが好適である。また、このエマルション中
の合成樹脂のガラス転移温度Tgは、130℃以下が好
ましい。
の表面での樹脂被覆の形成をより均一にするために、所
望に応じエマルション中の造膜助剤を添加することがで
きる。この造膜助剤としては、例えばジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート、ブチルカルビトー
ルアセテート、セロソルブ、セロソルブアセテート、ジ
ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、フェ
ニルセロソルブ、カルビトール、カルビトールアセテー
ト、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジブ
チルカルビトール、ヘキシレングリコール、ヘキサノー
ル、3‐メトキシブチルアセテート、エチレングリコー
ルアセテート、ベンジルアルコール、フルフリルアルコ
ールなどの一価ないし多価のアルコールやその誘導体及
びトルエン、キシレンのような芳香族炭化水素が用いら
れる。これらの造膜助剤の使用量は、1〜20質量%の
範囲で選ばれる。このような造膜助剤の使用により、エ
マルション中の樹脂分が膨潤し、高ガラス転移温度の合
成樹脂の使用が可能になる。
たバインダーに対し、80質量%を超えない範囲で水溶
性重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル部分けん化物、カルボキシメチルセルロース、アクリ
ルアミド類を配合して用いることもできる。これらの水
溶性重合体は単独で用いてもよいし、また2種以上混合
して用いてもよい。
を造粒する際には、本発明の目的、効果を損なわない範
囲で所望により従来公知の各種添加物を添加することが
できる。このような添加物の例としては、ポリカルボン
酸塩、縮合ナフタレンスルホン酸などの分散剤、グリセ
リン、グリコール類、トリオール類のような可塑剤、ワ
ックス、ステアリン酸又はその塩のような滑剤、ポリエ
ーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系、ポリアクリル
酸系、変性アクリル酸系高分子のような有機系高分子凝
集剤、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アル
ミニウムのような無機系凝集剤を挙げることができる。
は、これまで知られている噴霧乾燥造粒法又はオシレー
ティング押出し造粒法により行うことができる。すなわ
ち、前記のセラミックス粒子、バインダー及び所望に応
じて用いられる各種添加剤を水に分散させてスラリーを
調製し、このスラリーをスプレードライヤーを用いて噴
霧乾燥することにより、あるいはセラミックス粒子、バ
インダー及び所望に応じて用いる各種添加剤を撹拌造粒
機により混合造粒して造粒粉を作製し、この造粒粉をオ
シレーティング造粒機により押出し造粒と乾燥を繰り返
すことによって行うことができる。このようにして造粒
された顆粒の形状、粒径は造粒方法や、後続工程で得ら
れる成形体の形状などに左右されるが、噴霧乾燥により
造粒された成形用セラミックス顆粒としては通常30〜
250μm、好ましくは60〜200μm、より好まし
くは80〜150μmの球形が、またオシレーティング
押出しにより造粒される顆粒は、通常80〜500μ
m、好ましくは100〜300μm、より好ましくは1
25〜200μmである。
て、焼結用セラミックス成形体を製造するには、成形用
セラミックス顆粒を金型に充てんし、乾式加圧成形す
る。この際、プレス圧力は、通常40〜500MPa、
好ましくは80〜400MPaの範囲で選ばれる。
セラミックス成形体は、次いで熱処理を施すことが好ま
しい。熱処理温度としては、合成樹脂のガラス転移温度
以上、好ましくは100〜180℃、より好ましくは1
10〜160℃の範囲が用いられ、熱処理時間としては
5〜90分程度が用いられる。
器、連続乾燥炉、ロータリーキルンなどを用いて行うこ
とができる。このような熱処理により、セラミックス成
形体の強度を向上させることができる。このセラミック
ス成形体は、常法に従い、1000〜1300℃の温度
で焼結すれば、欠け、ひび割れ、折れなどの外観不良の
ない電子部品を与える。
明する。
ル‐1‐アリル‐3‐アルキルフェニル‐2‐ポリオキ
シエチレン硫酸エステル塩型反応性界面活性剤[旭電化
(株)製,商品名「アデカリアソープSE−10N」]
1.5質量部を加え、窒素ガスを30分間激しく通じた
のち、過硫酸アンモニウム0.01質量部を加え、窒素
気流下60℃に加熱して2時間重合を行った。次いで、
空気を吹き込んで重合を停止させることによりバインダ
ー(A)を調製した。
rt‐ブチルメタクリレートを用いたこと以外は、参考
例1と全く同様にしてバインダー(B)を調製した。
代りに、メチルメタクリレート80質量部とスチレン2
0質量部との混合物を用いたこと以外は、参考例1と全
く同様にしてバインダー(C)を調製した。
質量部、グリシジルメタクリレート1.5質量部及び参
考例1で用いたのと同じ反応性界面活性剤1.5質量部
を加え、窒素ガスを30分間激しく通じたのち、過硫酸
アンモニウム0.01質量部を加え、窒素気流下、60
℃に加熱して2時間重合を行った。次いで、空気を吹き
込んで重合を停止させることによりバインダー(D)を
調製した。
スチレン20質量部の代りに、エチルメタクリレート7
0質量部、スチレン20質量部及びアクリロニトリル1
0質量部を用いた以外は、参考例4と全く同様にしてバ
インダー(E)を調製した。
スチレン20質量部の代りに、エチルメタクリレート1
00質量部を用いた以外は、参考例4と全く同様にして
バインダー(F)を調製した。
メタクリレート1.5質量部とアルキルスルホコハク酸
アルケニルエステル塩型反応性界面活性剤[(株)三洋
化成製,商品名「エレミノールJS−2」,有効濃度3
8質量%]3.0質量部を加え、窒素ガスを30分間激
しく通じたのち、過硫酸アンモニウム0.01質量部を
加え、窒素気流下60℃に加熱して2時間重合を行っ
た。次いで、空気を吹き込んで重合を停止させることに
よりバインダー(G)を調製した。
クリレートを用いた以外は、参考例6と全く同様にして
バインダー(H)を調製した。
部の代りに、エチルメタクリレート60質量部及びスチ
レン40質量部を用いた以外は、参考例4と全く同様に
してバインダー(I)を調製した。
ライト粉末(平均粒径1μm)66質量部に、参考例1
〜5で得たバインダー溶液(A)〜(E)34質量部に
分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩0.3質量
部を加え、湿式混合してフェライトスラリーを調製し
た。この場合のバインダーの添加比率はフェライト粉末
の1質量%であった。次に、このスラリーをスプレード
ライヤーを用いて噴霧造粒することにより、平均粒径1
25μm、含有水分0.4質量%の成形用セラミックス
球形顆粒を製造した。
(D)、(F)〜(I)に表1に示す副バインダーを表
1に示す割合で配合し、実施例1〜5と同様にして、成
形用セラミックス球状顆粒を製造した。
(濃度12質量%)6質量部を用いた以外は、実施例1
と同様にして成形用セラミックス顆粒を製造した。
(けん化率88%、濃度12質量%)6質量部を用いた
以外は、実施例1と同様にして成形用セラミックス顆粒
を製造した。
クス顆粒を40〜150MPaの範囲でプレス圧力を調
整しながら乾式加圧成形し、密度3.0g/cm3の直
方体ブロック成形体(55×12×3mm)及び密度
3.2g/cm3の直方体ブロック成形体(55×12
×2.8mm)を作製した。次いで、これらのブロック
成形体を箱型乾燥器を用いて130℃において、30分
間熱処理した。熱処理後、常温に1時間放置し、常温ま
で冷却を行った。
荷重試験機(アイコーエンジニアリング社製)を用いて
JIS R1601に規定されている方法に従い測定し
た。表2に測定結果を示す。本発明の実施例11〜20
によって作製されたブロック成形体は2.5MPa以上
の高い抗折強度を示した。また、熱処理前のブロック成
形体の抗折強度も同様に測定を行ったところ、1.2〜
1.6MPaと比較的低い成形体抗折強度を示したもの
が、副バインダーとしてポリビニルアルコール及びポリ
酢酸ビニルの添加により1.4〜1.9MPaと向上し
ていることが分った。
粒を、直径1.8mm、長さ2.0mmの円柱コア形状
に連続成形し、10000個の成形体を製造した。この
ようにして得た成形体を箱型乾燥器を用いて130℃、
30分の熱処理を行った。熱処理した成形体を常温まで
冷却後、ダイヤモンドホイルにより芯径0.8mmに切
削加工してコイル用のドラム型コアを作製し、さらに1
050℃で焼結を行い、焼結体を得た。表3に成形体及
び焼結体の評価結果を示す。
ラミックス顆粒から製造された成形体及び焼結体は、欠
け、ひび、折れの発生が非常に少ない。
をバインダーとして反応性界面活性剤を用い、ラジカル
重合可能なエチレン性単量体を乳化重合して得られた乳
化重合生成物を用いて造粒することにより、抗折強度が
高く、欠け、ひび、折れの少ない良好なセラミックス成
形体及び焼結体を与える成形用セラミックス顆粒が得ら
れる。
1)
性剤 (イ)一般式
基、Aはアルキレン基、Mはアルカリ金属原子又は第四
級アンモニウム残基、m及びnは0又は1以上の整数)
で表わされる化合物(特公平5−75002号公報) (ロ)一般式
は長鎖状アルキル基又はアルケニル基)で表わされる化
合物(特開昭54−144317号公報) (ハ)一般式
ち、R4〜R7はアルキル基である)で表わされる化合物
(特開昭62−15202号公報) (ニ)一般式
で表わされる化合物(特開昭62−34947号公
報)。
性剤 (ト)一般式
Yは第四級アンモニウム残基)で表わされる化合物(特
公平5−75002号公報) (チ)一般式
わされる化合物(特開昭55−98201号公報)。
性剤 (リ)一般式
をもつ)で表わされる化合物(特公平5−75001号
公報) (ヌ)一般式
合物(特開昭58−203960号公報) (ヲ)一般式
つ)で表わされる化合物(特開平4−53802号公
報)。
性剤 (ヨ)一般式
つ)で表わされる化合物(特公平5−75001号公
報) (タ)一般式
合物(特開昭60−78047号公報)。
Claims (7)
- 【請求項1】 セラミックス原料粉末とバインダーとの
混合物を造粒してなる顆粒において、バインダーがラジ
カル重合可能なエチレン性単量体と反応性界面活性剤と
の乳化共重合生成物からなることを特徴とする成形用セ
ラミックス顆粒。 - 【請求項2】 セラミックス原料粉末とバインダーとの
混合物を造粒してなる顆粒において、バインダーがラジ
カル重合可能なエチレン性単量体と反応性界面活性剤と
の乳化共重合生成物及び水溶性重合体からなることを特
徴とする成形用セラミックス顆粒。 - 【請求項3】 水溶性重合体が、ポリビニルアルコー
ル、ポリ酢酸ビニル部分けん化物、カルボキシメチルセ
ルロース及び水溶性ポリアクリルアミド誘導体の中から
選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の成形用セ
ラミックス顆粒。 - 【請求項4】 乳化共重合体中の反応性界面活性剤の含
有割合が1〜5質量%の範囲にある請求項1、2又は3
記載の成形用セラミックス顆粒。 - 【請求項5】 ラジカル重合可能なエチレン性単量体
が、アクリル系単量体、スチレン系単量体及びニトリル
系単量体の中から選ばれた少なくとも1種である請求項
1ないし4のいずれかに記載の成形用セラミックス顆
粒。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の成
形用セラミックス顆粒を加圧型成形してなる焼結用セラ
ミックス成形体。 - 【請求項7】 請求項6の焼結用セラミックス成形体を
焼結して得られるセラミックス焼結体。
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JP2000276883A JP3560330B2 (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | 成形用セラミックス顆粒、それを用いた焼結用セラミックス成形体及びそれを用いて得られるセラミックス焼結体 |
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JP2006315943A (ja) * | 2005-04-14 | 2006-11-24 | Sumitomo Chemical Co Ltd | セラミックス焼結体の製造方法 |
CN113603379A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-11-05 | Oppo广东移动通信有限公司 | 陶瓷复合材料、壳体及其制备方法和电子设备 |
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