JP2002087723A - エレベータ管制装置の点検装置およびその点検方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続コードをホールドア部分を経由すること
なく簡単に行なうことができるようにしたエレベータ管
制装置の点検装置および点検方法を提供する。 【解決手段】 乗かご３下部にかご下点検灯４を取り付
けてこれを点灯すると共に、管制運転の起動信号入力用
ターミナル８にかご下点検灯４が消灯したのを検出して
起動信号を出力する点検装置９を昇降路底部２に配置
し、かご下点検灯４を点灯した状態で乗かご３を最下階
に停止し、その後、上昇運転させると共にかご下点検灯
４を消灯するようにし、これを検出した点検装置から起
動信号を起動信号入力用ターミナル８を介して管制運転
に与える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータ管制装
置の点検装置およびその点検方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】地震や火災等が発生した場合、エレベー
タはかご内の乗客を救出するための管制運転を行なうよ
うに構成しているが、この管制運転が正常に行なわれる
か否かの確認をするためにエレベータ管制装置の点検が
行なわれている。従来のこの点検は、１人の保守員がエ
レベータ機械室で人為的に地震もしくは火災等の非常状
態を模擬的に発生させ、他の１人の保守員がかごに乗り
込んで管制運転が正常に行なわれるか否かを確認するよ
うにし、例えば、地震の発生の模擬による管制運転の場
合、かごが最寄階に停止することを確認するようにして
いた。

【０００３】しかし、このような従来のエレベータ管制
装置の点検では少なくとも２人の保守員を必要としてい
たため、必要とする保守員の人員を減らすために特開昭
５８−１５７６８５号公報に記載のエレベータ管制装置
の点検装置では、地震や火災等の非常状態を模擬した信
号を発生させる模擬装置と、管制運転が正常に動作して
いるかどうかを自動的に診断する故障診断装置を付設し
たものが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エレベータ管制装置の点検装置は、故障診断装置やその
入出装置を新たに必要とするので装置全体が複雑となる
と共に、設備コストが高くなってしまう。また最近、巻
上機や管制装置を含む制御装置等を収納した機械室を設
けずに巻上機や制御装置を昇降路内に設置するタイプの
エレベータが増えており、このタイプのエレベータでは
各種の操作を乗場側で行なうことが多く、操作装置の接
続コードを制御装置の接続ターミナルに接続するには乗
場のホールドア部分を通過させなければならず、その接
続コードが乗場ドアの開閉に悪影響を与えないように配
慮しなければならない。

【０００５】本発明の目的は、接続コードをホールドア
部分を経由することなく簡単に行なうことができるよう
にしたエレベータ管制装置の点検装置およびその点検方
法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、非常状態の検出時に作動させて乗かごの所
定の管制運転を行なう管制装置を有し、この管制装置に
設けた起動信号入力用ターミナルに信号を与えて点検運
転を行なうようにしたエレベータ管制装置の点検装置に
おいて、上記乗かごの下部に設けたかご下点検灯と、こ
のかご下点検灯によって作動する光センサと、この光セ
ンサが作動したときに動作して起動信号を上記起動信号
入力用ターミナルに入力する接点とを設けたことを特徴
とする。

【０００７】本発明によるエレベータ管制装置の点検装
置は、かごの下部にかご下点検灯を設けると共に、この
かご下点検灯の光を感知する光センサをもつ点検装置を
設け、この光センサの作動によってかごが管制運転とな
るようにしたため、管制運転を行なうための機器の接続
コードがホールドア部分を経由することもなく、簡単に
管制運転の確認を行なうことができる。

【０００８】また本発明は上記目的を達成するために、
非常状態の検出時に作動させて乗かごの所定の管制運転
を行なう管制装置を有し、この管制装置に設けた起動信
号入力用ターミナルに起動信号を与えて点検運転を行な
うようにしたエレベータ管制装置の点検方法において、
上記かご下にかご下点検灯を取り付けてこれを点灯する
と共に、上記管制運転の上記起動信号入力用ターミナル
に上記かご下点検灯が消灯したのを検出して起動信号を
出力する点検装置を昇降路底部に配置し、上記かご下点
検灯を点灯した状態で上記乗かごを最下階に停止し、そ
の後、上昇運転させると共に上記かご下点検灯を消灯す
るようにしたことを特徴とする。

【０００９】本発明によるエレベータ管制装置の点検方
法は、乗かごの下部にかご下点検灯を取り付けてこれを
点灯すると共に、管制運転の起動信号入力用ターミナル
にかご下点検灯が消灯したのを検出して起動信号を出力
する点検装置を昇降路底部に配置し、かご下点検灯を点
灯した状態で乗かごを最下階に停止し、その後、上昇運
転させると共にかご下点検灯を消灯するようにしたた
め、管制運転を行なうための機器の接続コードがホール
ドア部分を経由することもなく、乗かごに乗り込んだ一
人の保守員が乗かごを上昇運転させると共に、かご下点
検灯を消灯すれば、点検装置から起動信号を起動信号入
力用ターミナルを介して管制運転に与えることができ、
一人の保守員で管制運転による点検を行なうことができ
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。

【００１１】図１は、本発明の一実施の形態によるエレ
ベータ管制装置の点検装置を設けた状態の昇降路の断面
図で、図２は、かごが異なる位置にあるときの昇降路の
断面図である。

【００１２】昇降路１内を昇降する乗かご３の下部に
は、かご下および昇降路底部２を点検するために使用す
る照明装置であるかご下点検灯４が設けられている。各
ホール床面５，５Ａには、乗かご３のかごドアに連動し
て開閉される乗場側ドア６，６Ａがそれぞれ設置されて
いる。また、昇降路１の下部付近の側壁面には、図１に
示すようにエレベータの制御装置および管制装置を含む
制御盤７が設けられており、この制御盤７には管制装置
への起動信号を入力する起動信号入力用ターミナル８が
設けられている。一方、昇降路底部２にはエレベータ管
制装置の点検装置９が配置され、この点検装置９はコー
ド１２によって起動信号入力用ターミナル８に接続され
ており、この点検装置９から起動信号を与えて管制装置
による乗かご３の管制運転を行なうように構成してい
る。

【００１３】点検装置９は、図３に示すように光センサ
１０と、この光センサ１０が非受光を検知したときに閉
成する接点１１と、この接点１１の起動信号として起動
信号入力用ターミナル８に入力する接続コード１２を有
している。

【００１４】このようにエレベータ管制装置の点検装置
は、昇降路底部２に点検装置９が配置され、この点検装
置９を昇降路１内に配置した制御盤７に接続しているた
め、従来のように接続コードが乗場のホールドア部分を
通過することがなく、従って、その接続コードが乗場ド
アの開閉に悪影響を与えることもない。

【００１５】次に、エレベータ管制装置の点検方法につ
いて説明する。

【００１６】先ず、保守員は図１に示すように乗かご３
を昇降路１の最下階以外の階に停止させて、かご下点検
灯４を点灯する。その後、乗かご３から降りた保守員は
最下階のホールド側ドア６を開扉して昇降路１内に入
り、昇降路底部２に点検装置９を設置すると共に、この
点検装置９の接続コード１２を昇降路１内の側壁に固定
して配置された制御盤７の起動信号入力用ターミナル８
に接続する。

【００１７】その後、昇降路底部２で作業していた保守
員は、ホール床面５に戻りホール側ドア６を閉扉する。
次いで、保守員は乗かご３内に乗り込み、図２に示すよ
うに乗かご３を最下階に降ろし、そこから乗かご３を昇
降路１の最上階に向け起動させると共に、かご下点検灯
４を消灯させる。

【００１８】かご下点検灯４が消灯することで、点検装
置９の光センサ１０は非受光となって光センサ１０が作
動し、これによって接点１１が閉成し、この閉成信号が
起動信号としてコード１２を介して制御盤７の管制装置
の起動信号入力用ターミナル８に入力される。このた
め、乗かご３は管制運転となるので、保守員は乗かご３
が最寄階に停止する等、管制運転が正常に動作している
かどうかを確認する。

【００１９】その後、保守員は、乗かご３の管制運転終
了後に最下階のホール側ドア６を開扉して昇降路１内に
再び入り、点検装置９の接続コード１２を制御盤７の起
動信号入力用ターミナル８から取り出し、昇降路１の底
部２から点検装置９を持ち出して作業を終了する。

【００２０】このようにかご３の下部にかご下点検灯４
を設けると共に、このかご下点検灯４によって作動して
起動信号を出力する光センサ１０をもつ点検装置９を設
け、この光センサ１０の起動信号によって乗かご３が管
制運転となるようにしたため、従来のように管制運転を
行なうための機器の接続コードがホールドア部分を経由
することもなく、簡単な構成で、また保守員一人でも管
制運転の確認ができるので人件費をおさえることができ
る。また、点検装置９は光センサ１０と接点１１をもつ
簡単な構成であるため、安価な装置とすることができ
る。

【００２１】またエレベータ管制装置の点検方法は、乗
かご３下部にかご下点検灯４を取り付けてこれを点灯す
ると共に、管制運転の起動信号入力用ターミナル８にか
ご下点検灯４が消灯したのを検出して起動信号を出力す
る点検装置９を昇降路底部２に配置し、かご下点検灯４
を点灯した状態で乗かご３を最下階に停止し、その後、
上昇運転させると共にかご下点検灯４を消灯するように
したため、管制運転を行なうための機器の接続コードが
ホールドア部分を経由することもなく、乗かご３に乗り
込んだ一人の保守員が乗かご３を上昇運転させると共
に、かご下点検灯４を消灯するだけで、点検装置９から
の起動信号を起動信号入力用ターミナル８を介して管制
運転に与えることができ、一人の保守員で管制運転によ
る点検を行なうことができるようになる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によるエレベ
ータ管制装置の点検装置は、乗かごの下部にかご下点検
灯を設け、このかご下点検灯の光によって作動する光セ
ンサをもつ点検装置を設け、この光センサの作動信号を
管制運転用信号として乗かごを管制運転するように構成
したため、管制運転を行なうための機器の接続コードが
従来のようにホールドア部分を経由することもなく、簡
単な構成で管制運転の確認をすることができ、保守員一
人でも管制運転の確認ができるので人件費をおさえるこ
とができる。

【００２３】また本発明によるエレベータ管制装置の点
検方法は、乗かごの下部にかご下点検灯を取り付けてこ
れを点灯すると共に、管制運転の起動信号入力用ターミ
ナルにかご下点検灯が消灯したのを検出して起動信号を
出力する点検装置を昇降路底部に配置し、かご下点検灯
を点灯した状態で乗かごを最下階に停止し、その後、上
昇運転させると共にかご下点検灯を消灯するようにした
ため、管制運転を行なうための機器の接続コードがホー
ルドア部分を経由することもなく、乗かごに乗り込んだ
一人の保守員が乗かごを上昇運転させると共に、かご下
点検灯を消灯すれば、点検装置から起動信号を起動信号
入力用ターミナルを介して管制運転に与えることがで
き、一人の保守員で管制運転による点検を行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態によるエレベータ管制装
置の点検装置を示す昇降路の断面図である。

【図２】図１に示したエレベータ管制装置の点検装置を
示す昇降路の他の状態を示す断面図である。

【図３】図１に示したエレベータ管制装置の点検装置の
側面図である。

【符号の説明】

１ 昇降路 ２ 底部 ３ 乗かご ４ かご下点検灯 ８ 起動信号入力用ターミナル ９ 点検装置 １０ 光センサ １１ 接点 １２ 接続コード

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 非常状態の検出時に作動させて乗かごの
   所定の管制運転を行なう管制装置を有し、この管制装置
   に設けた起動信号入力用ターミナルに信号を与えて点検
   運転を行なうようにしたエレベータ管制装置の点検装置
   において、上記乗かごの下部に設けたかご下点検灯と、
   このかご下点検灯によって作動する光センサと、この光
   センサが作動したときに動作して起動信号を上記起動信
   号入力用ターミナルに入力する接点とを設けたことを特
   徴とするエレベータ管制装置の点検装置。
2. 【請求項２】 非常状態の検出時に作動させて乗かごの
   所定の管制運転を行なう管制装置を有し、この管制装置
   に設けた起動信号入力用ターミナルに起動信号を与えて
   点検運転を行なうようにしたエレベータ管制装置の点検
   方法において、上記乗かごの下部にかご下点検灯を取り
   付けてこれを点灯すると共に、上記管制運転の上記起動
   信号入力用ターミナルに上記かご下点検灯が消灯したの
   を検出して起動信号を出力する点検装置を昇降路底部に
   配置し、上記かご下点検灯を点灯した状態で上記乗かご
   を最下階に停止し、その後、上昇運転させると共に上記
   かご下点検灯を消灯するようにしたことを特徴とするエ
   レベータ管制装置の点検方法。