JP2002087294A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2002087294A
JP2002087294A JP2000275103A JP2000275103A JP2002087294A JP 2002087294 A JP2002087294 A JP 2002087294A JP 2000275103 A JP2000275103 A JP 2000275103A JP 2000275103 A JP2000275103 A JP 2000275103A JP 2002087294 A JP2002087294 A JP 2002087294A
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gear
peripheral surface
power transmission
torque limiter
transmission shaft
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JP2000275103A
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Manabu Abe
学 阿部
Kazuo Chikaraishi
一穂 力石
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力伝達軸と歯車の芯金との間にトルクリミ
ッターを介在させた電動パワーステアリング装置におい
て、歯車の噛み合い不良を防止でき、かつ無駄や機能不
備が生じることをなくすこと。 【解決手段】 トルクリミッター1は、周方向に複数の
突起1bを有するリング状で、突起1bが弾性変形した
量に対応する径方向力が動力伝達軸2と歯車4の芯金4
aに作用する。トルクリミッター1は、突起1bの硬度
が歯車4の芯金4a又は動力伝達軸2の硬度よりも大き
く設定され、リング1aの一部には軸方向に切り離され
た切離部1cを有している。歯車4は、切離部1cにお
いて動力伝達軸2の外周面と歯車4の芯金4aの内周面
とが当接した状態での、動力伝達軸2の軸中心10をピ
ッチ円9の中心として形成されていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウォームホイール
と動力伝達軸との間にトルクリミッターが介在させられ
た歯車機構を有する電動式パワーステアリング装置に関
し、特に、トルクリミッターを介装させることによる歯
車の偏心の改良を図った電動パワーステアリング装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電動パワーステアリング装置
においては、偏心による噛み合い不良を防ぐ技術がいく
つか提案されている。
【0003】例えば、特開平11−59441号公報に
開示されているものにおいて、歯車は、動力伝達軸と共
にハウジングに軸受を介して回転自在に支持され、前記
動力伝達軸は歯車にトルクリミッターを介して固定され
た構成とすることにより、偏心が歯車側に生じないよう
にしている。
【0004】また、特開平9−20256号公報に開示
されているトルクリミッター機構は、ステアリングシャ
フトの外周とギヤとの間に介装されていて、そのステア
リングシャフトの外周とギヤの内周とに挟まれることで
径方向に変形するトルク設定部材を有し、このトルク設
定部材の径方向変形量に対応してステアリングシャフト
とギヤとに径方向力を作用させる構成である。
【0005】また、特開平11−34889号公報に開
示されているトルクリミッターは、それを構成するリン
グ部材には軸方向に延びる突条が周方向に等間隔に複数
個、径方向外方若しくは内方に向けて突出形成され、リ
ング部材を周方向に展開可能に、且つリング部材が弾性
変形した時にリング部材の軸心に関し点対称の位置での
径方向力の発生を許容するように形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記電動パワーステアリング装置の内、特開平11−5
9441号公報に開示されているものは、歯車の芯金形
状が複雑であるため、加工コストアップにつながる。ま
た、軸受に支持される芯金のボス外径は、シャフトとの
嵌合により寸法が増加し、軸受との嵌め合いの管理が困
難になる可能性があるという問題点があった。
【0007】また、特開平9−20256号公報に開示
されているものは、トルクリミッターを圧入により取り
付けると、加工公差による締め代の違いからトルクリミ
ッター作動トルクが安定しない可能性があるため、これ
を考慮して加工精度を上げるとコストアップにつながっ
てしまうという問題点があった。
【0008】さらに、特開平11−34889号公報に
開示されているトルクリミッターは、斜面から成る突条
を全周にわたって構成しているが、これは各突条が中間
で切断されることになる。リングが圧縮されたときにス
リットが軸方向に延びているものでは、突条の両縁には
リムがあるため圧縮力に耐えることができるが、前記ス
リットが突条を全周にわたって跨いでいるものはリムが
片側にしかないため、圧縮力に耐え切れずにつぶれてし
まい、十分な径方向力を確保できない恐れがある。ま
た、同トルクリミッターは、突条が軸方向で二分され、
スリットがその二分された突条間である軸方向中央部に
周方向に形成された第1のスリットと、この第1のスリ
ットの両端から、同スリットとは直交する方向(軸方
向)に形成された2つの第2スリットを有しているが、
第1のスリットを形成するためには、長方形の平板状態
において必要な形状に切断する際に、不要な部分ができ
てしまって材料的に無駄があるという問題点があった。
【0009】本発明は、かかる従来例の有する不都合を
改善し、動力伝達軸と歯車の芯金内周面との間にトルク
リミッターを介在させたものにおいて、歯車が動力伝達
軸に対して偏心し、歯車の噛み合い不良が生じるのを防
止することができ、しかも無駄や機能不備を生じさせる
ことのない、低コストで簡単な構成の電動パワーステア
リング装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、請求項1の発明は、駆動モータの駆動力を操舵補助
力として車輪に伝達するためのウォームギヤ減速機構中
の少なくとも一つの歯車と、この歯車が取り付けられた
動力伝達軸との間に、トルクリミッターが介在する構成
の動力伝達機構を備えており、前記トルクリミッター
は、周方向に離隔して複数の突起を有するリング状で、
当該突起が弾性変形した量に対応する径方向力が前記動
力伝達軸と前記歯車の芯金に作用する、電動式パワース
テアリング装置において、前記トルクリミッターは、前
記突起の硬度が前記歯車の芯金又は前記動力伝達軸の硬
度よりも大きく設定され、且つ、そのリングの一部には
軸方向に切り離された切離部を有しており、この切離部
において前記動力伝達軸の外周面と前記歯車の芯金の内
周面とが当接することを特徴としている。
【0011】この構成により、歯車を動力伝達軸に嵌合
させた時に、突起によって歯車の芯金内周面(又は動力
伝達軸外周面)が塑性変形して当該突起が芯金内周面
(又は動力伝達軸外周面)側にやや埋め込まれるように
なり、リングと芯金(又は動力伝達軸)はピン止めされ
るため、過大トルク入力時の相対滑りは、リングの内周
面(又は外周面)側で確実に発生する。また、リングの
切離部において動力伝達軸の外周面と歯車の芯金の内周
面とが当接することにより、動力伝達軸に対する芯金の
位置が安定する。
【0012】請求項2の発明は、駆動モータの駆動力を
操舵補助力として車輪に伝達するための歯車機構中の少
なくとも一つの歯車と、この歯車が取り付けられた動力
伝達軸との間に、トルクリミッターが介在する構成の動
力伝達機構を備えており、前記トルクリミッターは、周
方向に離隔して複数の突起を有するリング状で、当該突
起が弾性変形した量に対応する径方向力が前記動力伝達
軸と前記歯車の芯金に作用する、電動式パワーステアリ
ング装置において、前記トルクリミッターは、そのリン
グの一部が軸方向に切り離された切離部を有し、この切
離部において前記動力伝達軸の外周面と前記歯車の芯金
の内周面とが当接可能なように、当該切離部に嵌合する
と共に、前記歯車の芯金の内周面側に設けたストッパー
溝に隙間なしで嵌合するストッパー部材を設けているこ
とを特徴としている。
【0013】この構成により、トルクリミッターの切離
部に嵌合したストッパー部材は歯車のストッパー溝にも
隙間なしで嵌合しているため、トルクリミッターに対し
て歯車の芯金は回転方向にずれることなく、過大トルク
入力時の相対滑りは、リングの内周面側で確実に発生す
る。また、リングの切離部において動力伝達軸の外周面
と歯車の芯金の内周面とが当接することにより、動力伝
達軸に対する芯金の位置が安定する。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、前記歯車はウォームホイールであり、
当該ウォームホイールの歯は、前記切離部にて前記動力
伝達軸の外周面と前記歯車の芯金の内周面とが当接した
状態における、当該動力伝達軸の軸中心をピッチ円の中
心として形成されていることを特徴としている。
【0015】この構成により、ウォームホイールの歯
は、芯金4a軸心に対していくらか偏心した動力伝達軸
の軸心をピッチ円の中心として歯切りされているため、
トルクリミッターの作動に伴ってウォームホイールが動
力伝達軸に対し回転した時に、ウォームホイールのピッ
チ円が偏心することはない。これにより、ウォームホイ
ールと他の歯車との噛み合い不良が防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の実施形態を示す電動式パ
ワーステアリング装置の断面図、図2は図1のウォーム
ホイール及びトルクリミッターを示す断面図、図3は図
2のトルクリミッターを示す斜視図、図4は図3のトル
クリミッターを動力伝達軸に装着した状態を示す斜視
図、図5は図4の動力伝達軸にウォームホイールブラン
クを圧入した状態を示す側面図、図6は動力伝達軸とウ
ォームホイールの当接部分を示す拡大図、図7は図5の
状態を歯切りしたウォームホイールを示す側面図であ
る。
【0017】図1において、本発明の電動式パワーステ
アリング装置は、ステアリングホイール(図示しない)
がステアリングギヤボックス(ギヤハウジング)12内
の入力軸13に連動連結されている。ステアリングギヤ
ボックス12と一体で車幅方向(図1において紙面の前
後方向)に延びたラックハウジング内のラック15はタ
イロッド(図示しない)を介して前輪(図示しない)に
連結されている。前記ステアリングホイールの操作で、
入力軸13が左または右回りに回転されると、ラック1
5が対応して移動して、前輪が左または右に旋回される
ようになっている。
【0018】ステアリングギヤボックス12内では、入
力軸13と同一軸線上に位置した出力軸(動力伝達軸又
はピ二オン軸)2が、その一端(図中左端側)におい
て、ボール軸受16を介して、又その他端近傍において
ボール軸受18を介して、それぞれステアリングギヤボ
ックス12に回転自在に支持されている。これら入力軸
13及び出力軸2はトーションバー(図示しない)を介
して相対的に捩じり可能に連結されていて、それぞれ、
操舵軸における操舵力の入力部及び出力部を形成してい
る。
【0019】ウォームホイール4は、トルクリミッター
1を介して出力軸2の他端に嵌着されており、駆動モー
タ(図示しない)の駆動軸20に固定されたウォーム1
9と噛み合うことによりウォームギヤ減速機構を構成し
ている。駆動モータが回転すると、ウォームギヤ減速機
構を介して操舵補助力が出力軸2に伝達され、出力軸2
が減速されて回転駆動されるようになっている。前記駆
動モータ、ウォームホイール4、ウォーム19により動
力伝達機構が構成されている。
【0020】ウォームホイール4は、図2にも示すよう
に、芯金4aと、この芯金4aの外周部に嵌合・固着さ
れた歯車である樹脂部4bとから成っており、芯金4a
の軸孔の内周面は、動力伝達軸2のリング装着用溝2a
に装着されたトルクリミッター1に圧入で外嵌してい
る。
【0021】トルクリミッター1は、図3に示すよう
に、リング部1aと、リング部1aの全周にわたって外
側を向いて形成された突起1bとから成っており、トレ
ランスリングのSVタイプのような形状である。この突
起1bは、軸方向に延在した径方向の突起であって、リ
ング部1aの外周全体にわたって等間隔で複数個形成さ
れており、リング部1aの一部には、軸方向に切り離さ
れた切離部1cが設けられ、リング部1aを周方向に展
開可能にしている。トルクリミッター1を介装するにあ
たって、ウォームホイール4の芯金4aの軸孔内周面
(以後、ウォームホイール4の内周面と言う)と出力軸
2外周面は隙間嵌めになっている。
【0022】このトルクリミッター1を、図4に示すよ
うに、出力軸2のリング装着用円周溝2aに装着する
と、切離部1cは図3のフリーの場合よりその間隔がや
や広がる。出力軸2の円周溝2aの両側に形成されてい
るウォームホイールガイド部2bがウォームホイール4
の内周面に内嵌されている。
【0023】本実施の形態においてウォームホイール4
は次の手順で作られる。すなわち、図5に示すように、
未歯切りの歯車元部材であるウォームホイールブランク
3の芯金4aの軸孔に出力軸2を挿入する。ウォームホ
イールブランク3は芯金4aとその外周部の樹脂部3a
とから成っている。この時、図6にも示すように、切離
部1cの部分は突起1bがないため、トルクリミッター
1が出力軸2と芯金4aとの間で圧接されて弾性変形す
る際、この弾性変形に基づく径方向力は、その周方向の
分布が不均一なものとなり、切離部1cの部分において
径方向力は0となる。したがって、ウォームホイールブ
ランク3に対して出力軸2は偏心し、この部分の出力軸
2外周面は芯金4a内周面に当接する。
【0024】この状態で、ウォームホイールブランク3
の外周部を歯切りすると、図7に示すような歯車のウォ
ームホイール4になる。この時、ウォームホイール4の
円形中心11に対して出力軸2の軸中心10は偏心して
いる。ウォームホイール4の歯切りは、この実施形態で
は、出力軸2と嵌合後に、出力軸2の軸中心10を歯の
ピッチ円の中心として(軸基準で)行い、その後、歯の
仕上げ加工も行う。
【0025】また、本実施形態においては、上記のよう
に形成されるウォームホイール4内周面部の硬度はリン
グ部1aの突起1bの硬度より低く設定されており、図
2及び図6に示すように、ウォームホイールブランク3
を出力軸2に嵌合させた時に、突起1bによってホイー
ル3内周面が塑性変形して(図2の4c部分)当該突起
1bがホイール3内周面側にやや埋め込まれるようにな
っている。これにより、リング1aと芯金4aはピン止
めされ、過大トルク入力時の相対滑りは、リング1aの
内周面側で確実に発生するように構成されている。
【0026】ウォームホイール4の内周面と出力軸2の
外周面の隙間は偏心によって両面が接触するように寸法
設定を行っている。つまり、出力軸2のウォームホイー
ルガイド部2bがないフリーの状態でのウォームホイー
ル4の偏心量よりも、ホイール4の内周面と出力軸2の
外周面の隙間が小さくなるように設定している。
【0027】上記構成において、過大トルク入力時のト
ルクリミッター1のトルクリミッター動作に伴って、ウ
ォームホイール4が出力軸2に対し回転した時、リング
1aと芯金4aはピン止めされているので、出力軸2の
外周面とリング1aの内周面とで相対滑りが生じる。そ
れと共に、図6に示したように、リング部1aの切離部
1cの部分で、出力軸2の外周面とウォームホイール4
内周面とは当接しているので、出力軸2に対するウォー
ムホイール4位置は安定したものとなり、出力軸2の軸
心に対するウォームホイール4のピッチ円が偏心するこ
とはない。これにより、ウォームホイール4とウォーム
ギヤ4の噛み合い不良を防止することができる。
【0028】尚、リング部1aの両サイドはリム1dで
あって、このリム1dが出力軸2のリング装着用円周溝
2aの側面と接触している。したがって、トルクリミッ
ター1は、過大トルク入力時には、リング部1aの円周
内周面とリング装着用円周溝2aの底面、及びリム1d
とリング装着用円周溝2aの側面において相対滑り(負
荷摺動)が生じ、トルクリミッターとしての機能を果た
す。
【0029】次に第2の実施形態について図8〜図13
を参照して説明する。この第2の実施形態は上記第1の
実施形態と略同様であり、同一部材には同一番号を付し
ている。異なっているのは、第1の実施形態のように、
ウォームホイール4の内周面部の硬度をリング部1aの
突起1bの硬度より低く設定して、ウォームホイール4
を出力軸2に嵌合させた時に、突起1bによってホイー
ル4の内周面を塑性変形させるという構成に代わって、
図8〜図10に示すように、ウォームホイール4の内周
面の一部に方形のストッパー溝4dを設け、且つ、図8
に示すように、出力軸2のリング装着円周用溝2aに装
着したトルクリミッター1の切離部1cの部分に直方形
のストッパー20を嵌合させておき、このトルクリミッ
ター1にウォームホイール4内周面を外嵌させると共
に、ストッパー溝4dにストッパー20を嵌合させてい
る点である。
【0030】この構成により、トルクリミッター1の切
離部1cに嵌合したストッパー20はウォームホイール
4のストッパー溝4dにも嵌合しているため、トルクリ
ミッター1に対してウォームホイール4は回転方向にず
れることなく、前述した過大トルク入力時の相対滑り
は、リング1aの内周面側で確実に発生する。
【0031】この第2の実施形態においても、第1の実
施形態と同様に、図8〜図10に示すように、出力軸2
のウォームホイールガイド部2bが芯金4aに内嵌する
ようにウォームホイールブランク3の軸孔に出力軸2を
挿入する。この時、図10及び図11に示すように、切
離部1cの部分は突起1bがないため、トルクリミッタ
ー1が出力軸2と芯金4aとの間で圧接されて弾性変形
する際、この弾性変形に基づく径方向力は、その周方向
の分布が不均一なものとなり、ウォームホイールブラン
ク3の円形中心に対して出力軸2の軸中心は偏心して、
この部分の出力軸2外周面とウォームホイールブランク
3内周面は当接する。この状態で、ウォームホイールブ
ランク3の外周部を、出力軸2の軸中心10をピッチ円
の中心として(軸基準で)歯切りすると、図12及び図
13に示すような歯車のウォームホイール4になる。
【0032】尚、図11に示すように、ストッパー20
の径方向長さhは、出力軸2の外周面とウォームホイー
ル4の内周面が当接した状態で、ストッパー20がウォ
ームホイール4側のストッパー溝4c及び出力軸2側の
リング装着用円周溝2aに隙間なしで当接可能な大きさ
に設定されている必要がある。
【0033】次に、第3の実施形態について図14〜図
18を参照して説明する。この第3の実施形態は上記第
2の実施形態と略同様であり、同一部材には同一番号を
付している。異なっているのは、第2の実施形態のよう
に、トルクリミッター1を出力軸2のリング装着用円周
溝2aに装着するのではなく、ウォームホイール4の内
周面にリング装着用円周溝4eを設けて、図14に示す
ように、HVタイプのトレランスリングのような、内径
側を向いた突起10bを有するリング部10aから成る
トルクリミッター10(図18も参照)を、このリング
装着用円周溝4eに内嵌させ、その切離部10c部分に
ストッパー20を隙間なしで嵌めこんでいる点である。
【0034】この構成によっても、トルクリミッター1
0の切離部10cに嵌合したストッパー20はウォーム
ホイール4のストッパー溝4dにも嵌合しているため、
トルクリミッター10に対してウォームホイール4は回
転方向にずれることなく、前述した過大トルク入力時の
相対滑りは、リング10aの内周面側で、トルクリミッ
ター10が出力軸2に対して摺動回転する形で確実に発
生する。
【0035】この第3の実施形態においても、第2の実
施形態と同様に、図15〜図17に示すように、先ず、
ウォームホイールブランク3の軸孔(芯金4aの軸孔)
に出力軸2を挿入する。この時、トルクリミッター10
の切離部10cの部分は突起10bがないため、トルク
リミッター10が出力軸2とウォームホイールブランク
3内周面との間で圧接されて弾性変形する際、この弾性
変形に基づく径方向力は、その周方向の分布が不均一な
ものとなり、ウォームホイールブランク3の円形中心に
対して出力軸2の軸中心は偏心し、この部分の出力軸2
の外周面とウォームホイールブランク3の内周面は当接
する。この状態で、ウォームホイールブランク3の外周
部を、出力軸2の軸中心10を歯のピッチ円の中心とし
て(軸基準で)歯切りすると、図16及び図17に示す
ような歯車のウォームホイール4になる。
【0036】尚、図17に示すように、ストッパー20
の径方向長さhは、出力軸2の外周面とウォームホイー
ル4の内周面が接触した状態で、ストッパー20がウォ
ームホイール4側のストッパー溝4d及び出力軸2側の
外周面に隙間なしで当接可能な大きさに設定されている
必要がある。また、この第3の実施形態の場合、トルク
リミッター10(突起10b)の硬度よりも出力軸2の
硬度の方が小さいと、出力軸2をトルクリミッター10
に圧入させた時に、突起10bにより出力軸2が塑性変
形してピン止めされ、出力軸2に対してトルクリミッタ
ー10が摺動回転しなくなってしまうので、(出力軸2
の硬度)>(トルクリミッター10の硬度)の条件が必
要である。
【0037】尚、上記第1〜第3の実施形態において
は、ウォームホイールブランク3の軸孔(芯金4aの軸
孔)に出力軸2を挿入した後、ウォームホイールブラン
ク3の円形中心に対して出力軸2の軸中心が偏心した状
態で、ウォームホイールブランク3の外周部を、出力軸
2の軸中心をピッチ円の中心として歯切りしたが、この
方法に限らず、ウォームホイールブランク3の円形中心
に対する出力軸2の偏心量を算出しておき、この値を基
にして、前もって、ウォームホイールブランク3単品で
歯切りする方法も考えられる。要するに、ウォームホイ
ール4の歯は、切離部1cにおいて出力軸2の外周面と
ウォームホイール4の内周面とが当接した状態におけ
る、出力軸2の軸中心をピッチ円の中心として形成され
ていれば良い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、トルクリミッターは、突起の硬度が歯車の芯金
又は動力伝達軸の硬度よりも大きく設定され、且つ、そ
のリングの一部には切り離された切離部を有しており、
この切離部において動力伝達軸の外周面と前記歯車の芯
金の内周面とが当接するので、歯車を動力伝達軸に嵌合
させた時に、突起によって歯車の芯金内周面が塑性変形
して当該突起が芯金内周面側にやや埋め込まれ、リング
と芯金はピン止めされるため、過大トルク入力時の相対
滑りは、リングの内周面と動力伝達軸との間で確実に発
生させることができる。また、リングの切離部において
動力伝達軸の外周面と歯車の芯金の内周面とが当接する
ことにより、動力伝達軸に対する歯車の位置が安定す
る。
【0039】請求項2の発明によれば、トルクリミッタ
ーは、そのリングの一部が切り離された切離部を有し、
この切離部において動力伝達軸の外周面と歯車の芯金の
内周面とが当接可能なように、当該切離部に嵌合すると
共に、前記歯車の芯金の内周面側に設けたストッパー溝
に嵌合するストッパー部材を設けているので、トルクリ
ミッターに対して歯車の芯金は回転方向にずれることな
く、過大トルク入力時の相対滑りは、リングの内周面と
動力伝達軸との間で確実に発生させることができる。ま
た、リングの切離部において動力伝達軸の外周面と歯車
の芯金の内周面とが当接することにより、動力伝達軸に
対する芯金の位置が安定する。
【0040】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
において、歯車はウォームホイールであり、当該ウォー
ムホイールの歯は、前記切離部において動力伝達軸の外
周面と前記歯車の芯金の内周面とが当接した時の、当該
動力伝達軸の軸中心をピッチ円の中心として形成されて
いるので、トルクリミッターの作動に伴ってウォームホ
イールが動力伝達軸に対し回転した時に、ウォームホイ
ールのピッチ円が動力伝達軸の軸中心に対して偏心する
ことはない。これにより、ウォームホイールと他の歯車
との噛み合い不良を完全に防止することができる。従
来、ウォームホイールの偏心を防止するための工夫にお
いて発生していた無駄や機能不備な点も、例えば、ウォ
ームホイールの製作工程を変更するだけで、解消するこ
とができ、低コストで簡単な構成にてウォームホイール
の偏心を防止することができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す電動式パワーステアリ
ング装置の断面図。
【図2】図1のウォームホイール及びトルクリミッター
を示す断面図。
【図3】図2のトルクリミッターを示す斜視図。
【図4】図3のトルクリミッターを出力軸に装着した状
態を示す斜視図。
【図5】図4の出力軸にウォームホイールブランクを圧
入した状態を示す側面図。
【図6】出力軸とウォームホイールの当接部分を示す拡
大図。
【図7】図5の状態からウォームホイールを形成した状
態を示す側面図。
【図8】ストッパー部材を切離部に嵌合させた状態を示
す斜視図。
【図9】図8の出力軸にウォームホイールブランクを圧
入した状態を示す斜視図。
【図10】図8の出力軸にウォームホイールブランクを
圧入した状態を示す側面図。
【図11】ストッパー部材を切離部及びストッパー溝に
嵌合させた状態を示す拡大図。
【図12】図9のウォームホイールブランクを歯切りし
たウォームホイールを示す斜視図。
【図13】図12のウォームホイールを示す側面図。
【図14】突起が内側を向くタイプのトルクリミッター
を示す斜視図。
【図15】ウォームホイールブランクに図14のトルク
リミッターとストッパー部材を装着した状態を示す斜視
図。
【図16】図15のウォームホイールブランクを歯切り
したウォームホイールを示す斜視図。
【図17】図16のウォームホイールを示す側面図。
【図18】図16のウォームホイールを示す部分断面
図。
【符号の説明】
1 トルクリミッター 1a リング部 1b 突起 2 出力軸(動力伝達軸) 2a リング装着用溝 3 ウォームホイールブランク 4 ウォームホイール 4a 芯金 4b 樹脂部(歯) 4d ストッパー溝 4e リング装着用溝 9 ピッチ円 10 出力軸の軸中心 20 ストッパー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動モータの駆動力を操舵補助力として
    車輪に伝達するためのウォームギヤ減速機構中の少なく
    とも一つの歯車と、この歯車が取り付けられた動力伝達
    軸との間に、トルクリミッターが介在する構成の動力伝
    達機構を備えており、前記トルクリミッターは、周方向
    に離隔して複数の突起を有するリング状で、当該突起が
    弾性変形した量に対応する径方向力が前記動力伝達軸と
    前記歯車の芯金に作用する、電動式パワーステアリング
    装置において、 前記トルクリミッターは、前記突起の硬度が前記歯車の
    芯金又は前記動力伝達軸の硬度よりも大きく設定され、
    且つ、そのリングの一部には軸方向に切り離された切離
    部を有しており、この切離部において前記動力伝達軸の
    外周面と前記歯車の芯金の内周面とが当接することを特
    徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 駆動モータの駆動力を操舵補助力として
    車輪に伝達するための歯車機構中の少なくとも一つの歯
    車と、この歯車が取り付けられた動力伝達軸との間に、
    トルクリミッターが介在する構成の動力伝達機構を備え
    ており、前記トルクリミッターは、周方向に離隔して複
    数の突起を有するリング状で、当該突起が弾性変形した
    量に対応する径方向力が前記動力伝達軸と前記歯車の芯
    金に作用する、電動式パワーステアリング装置におい
    て、 前記トルクリミッターは、そのリングの一部が軸方向に
    切り離された切離部を有し、この切離部において前記動
    力伝達軸の外周面と前記歯車の芯金の内周面とが当接可
    能なように、当該切離部に嵌合すると共に、前記歯車の
    芯金の内周面側に設けたストッパー溝に嵌合するストッ
    パー部材を設けていることを特徴とする電動式パワース
    テアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記歯車はウォームホイールであり、当
    該ウォームホイールの歯は、前記切離部にて前記動力伝
    達軸の外周面と前記歯車の芯金の内周面とが当接した状
    態における、当該動力伝達軸の軸中心をピッチ円の中心
    として形成されていることを特徴とする請求項1、又は
    2記載の電動式パワーステアリング装置。
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