JP2002086478A - キャスティングフィルムの製造方法 - Google Patents

キャスティングフィルムの製造方法

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JP2002086478A
JP2002086478A JP2000276675A JP2000276675A JP2002086478A JP 2002086478 A JP2002086478 A JP 2002086478A JP 2000276675 A JP2000276675 A JP 2000276675A JP 2000276675 A JP2000276675 A JP 2000276675A JP 2002086478 A JP2002086478 A JP 2002086478A
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JP
Japan
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support
film
casting
resin
solution
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JP2000276675A
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Masakatsu Tagami
昌克 田上
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面にスジやシワがなく、光学的性能に優れ
たキャスティングフィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 溶剤に樹脂成分を溶解した溶液を熱可塑
性樹脂よりなる支持体上に流延し、加熱乾燥して膜状物
とし、該膜状物を支持体から剥離することにより樹脂フ
ィルムを得る溶液流延法において、加熱乾燥中に支持体
の表面温度が該支持体のTgを超え始めたところで、そ
のTgよりも低い温度領域を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に光学用途に用
いられるキャスティングフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶剤に樹脂成分を溶解した溶液を支持体
上に流延し、加熱乾燥することにより溶剤を除いて膜状
物とし、該膜状物を支持体より剥離して樹脂フィルムを
得る溶液流延法は多くの分野で用いられてきた。
【0003】例えば、特開平2−111511号公報に
開示されているように、コンマコーター、ドクターブレ
ードコーター、バーコーター、ロールコーター等を用い
て、合成樹脂シートやステンレスベルト等の支持体上に
流延し乾燥工程で溶剤を蒸発させてフィルムを成形し、
支持体からフィルムを剥離する方法が一般的である。
【0004】一般的には合成樹脂シートを支持体とする
流延方法を「フィルムキャスト法」、金属ベルトを支持
体とする方法は「ベルトコーティング法」と呼ばれる。
平滑性や取扱い性などの面からフィルムキャスト法が多
く採用され、その場合の支持体としては表面平滑性、価
格等の点から主としてポリエチレンテレフタレート(P
ET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリ
エステル系のシートが好適に用いられる。
【0005】液晶表示装置等の光学用途に用いられる位
相差補償用の透明フィルムには、発泡やスジ等の表面異
常に対して非常に厳しい性能が要求されてきた。このよ
うな位相差補償フィルムはキャスト法で製造され、延伸
によりレターデーション値を得て液晶表示装置に搭載さ
れる。ところがキャスティング中に発生したスジやハジ
キといわれる微細な表面異常が延伸工程で強調される結
果、歩留りを大きく低下させることになっていた。
【0006】一方、これらスジやハジキとは異なり、フ
ィルムがシワ状の変形を起こして平滑性に劣る場合も後
工程に悪影響を及ぼす欠点がある。この原因を検討する
中で、キャスティング中にシワが発生する原因は、上記
支持体のTgが決して高いものではなく、乾燥温度がT
gを超えると支持体の幅方向に波形の変形が起こり、そ
の影響でキャスティングフィルムにシワが発生するため
であることが判った。
【0007】このような表面状態の悪化を防ぐ手段とし
て、特開平6−279598号公報には、表面調整剤を
添加することが提案されている。しかし、アクリル系、
フッ素系、シリコーン系等の表面調整剤を添加すること
による光学的物性への影響が懸念される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解消し、表面にスジやシワがなく、光学的性能に優れ
たキャスティングフィルムの製造方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のキャスティング
フィルムの製造方法は、溶剤に樹脂成分を溶解した溶液
を熱可塑性樹脂よりなる支持体上に流延し、加熱乾燥し
て膜状物とし、該膜状物を支持体から剥離することによ
り樹脂フィルムを得る溶液流延法において、加熱乾燥中
に支持体の表面温度が該支持体のTgを超え始めたとこ
ろで、そのTgよりも低い温度領域を設けることを特徴
とする。
【0010】本発明で製造するキャスティングフィルム
は主として光学用途に用いられるので、樹脂成分として
はポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリノルボルネン、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフ
タレート、トリアセチルセルロース等、透明性に優れた
ものが好適である。
【0011】溶剤としては、塩化メチレン、シクロヘキ
サン、トルエン、キシレン、アニソール等の有機溶剤が
単独又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0012】本発明で用いる支持体は表面が平滑なもの
が好ましく、樹脂溶液の乾燥手段である遠赤外線や熱風
に対して一定以上の耐熱性があり、安価であるPETや
PENのシートが好適である。
【0013】上記樹脂溶液を支持体となるシート上に平
滑な状態でキャスティングする。キャスティングの方法
は、流延された溶液表面の平滑性が保たれれば、溶液の
粘度に応じて、従来より用いられている装置を用いるこ
とができる。
【0014】フィルムキャスト法においては、支持体上
に樹脂溶液を流延した後、支持体を乾燥炉中で搬送する
ために、搬送方向へ一定以上の張力を与えなければなら
ない。このとき乾燥温度が支持体のTgを超えると、そ
の張力によって支持体の幅方向に波形の変形が生じる。
このとき、キャスティングフィルムは乾燥が不充分であ
るため、支持体の変形の影響を受けてキャスティングフ
ィルムにスジやシワが生じる。
【0015】本発明では、乾燥中に支持体の表面温度が
Tgを超え始めたところで、このTgよりも低い温度領
域(以下「低温領域」という)を設ける。支持体である
合成樹脂の種類によりTgは異なり、樹脂溶媒の沸点及
び乾燥炉内での搬送速度により表面温度がTgに達する
位置は異なる。従って、これらの条件により表面温度が
Tgを超え始める位置を選定する必要がある。一般的に
上記低温領域は、支持体のTg−(10℃〜40℃)付
近が好ましい。
【0016】上記の低温領域を設け、これを通過させる
ことにより支持体の変形タイミングを遅らせ、その間に
キャスティング樹脂の乾燥・固化を進行させる。キャス
ティング樹脂の固形濃度が90重量%以上に乾燥される
と、支持体が変形したとしてもキャスティングフィルム
はその影響を受けず、変形が発生しない。従って、その
後は低温領域の設置は必要ない。即ち、キャスティング
樹脂の固形分が約90重量%になるまでは支持体をTg
よりも低温に維持すればよい。
【0017】低温領域は1カ所でもよいが、間隔を開け
て複数カ所設けることにより、支持体の波状変形は著し
く減少する。この低温領域の設定方法は特に限定され
ず、例えば、孔もしくはスリット状の吹き出し口を設け
た管を支持体の下方で幅方向に設置し、支持体のTgよ
りも低い温度に設定された空気を送り込み、支持体の幅
方向に向けて均一に当たるように吹き出すことにより行
うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】(実施例1、2、比較例1、2) 1)キャスト溶液の準備 樹脂成分として6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンの開環重合、水素添加反応により得られた熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を溶剤(トルエン,沸点
110.6℃)に40重量%となるように溶解した。 2)支持体へのキャスト 市販のPETフィルム(厚み125μm)上に上記樹脂
溶液をコンマロールコーターを用いて、乾燥後の厚みが
80μmとなるようにキャスティングした。PETフィ
ルムのTgを動的粘弾性法で減衰率が極大になる温度を
測定し、95.0℃であることを確認した。 3)乾燥 上記樹脂溶液をキャスティングしたPETフィルムを、
加熱温度が3ゾーンに分かれた熱風乾燥炉を搬送速度1
m/分で通過させて乾燥した。乾燥炉の各ゾーンの温度
は100℃、120℃、160℃であり、各ゾーンの長
さはいずれも5mである。熱電対をPETフィルム表面
に取り付けて表面温度を測定したところ、PETフィル
ム表面温度がTg(95.0℃)を超えるのは100℃
の加熱炉の入口から4m付近であることを確認した。 4)低温領域の設置 ステンレスパイプに等間隔で吹き出し口を設け、一端部
から送風機で冷風を送り込めるようにした筒を準備し
た。支持体の表面温度がそのTgを超え始める位置(1
00℃のゾーンの入口から4m付近)1カ所に上記筒を
PETフィルムの下方、幅方向に設置した。筒に送り込
んだ冷風を熱線により、95℃、80℃、60℃に設定
し、それぞれの温度領域を通過させた。
【0019】評価 暗室内で、キャスティングフィルムを透過させた光を白
板に投影し、その影を目視で観察し、フィルムの表面状
態(スジ、シワの発生状況)を確認した。その結果を表
1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明のキャスティングフィルムの製造
方法によると、表面にシワがなく、光学的性能に優れ、
特に液晶表示装置等の光学的用途に好適に使用できるフ
ィルムを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤に樹脂成分を溶解した溶液を熱可塑
    性樹脂よりなる支持体上に流延し、加熱乾燥して膜状物
    とし、該膜状物を支持体から剥離することにより樹脂フ
    ィルムを得る溶液流延法において、加熱乾燥中に支持体
    の表面温度が該支持体のTgを超え始めたところで、そ
    のTgよりも低い温度領域を設けることを特徴とするキ
    ャスティングフィルムの製造方法。
JP2000276675A 2000-09-12 2000-09-12 キャスティングフィルムの製造方法 Pending JP2002086478A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103395153A (zh) * 2013-07-26 2013-11-20 常州大学 一种低温制备硬弹性聚丙烯流延膜的方法

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