JP2002086203A - 圧延用ワークロール及び圧延方法 - Google Patents

圧延用ワークロール及び圧延方法

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JP2002086203A
JP2002086203A JP2000278146A JP2000278146A JP2002086203A JP 2002086203 A JP2002086203 A JP 2002086203A JP 2000278146 A JP2000278146 A JP 2000278146A JP 2000278146 A JP2000278146 A JP 2000278146A JP 2002086203 A JP2002086203 A JP 2002086203A
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Kimihiko Iwasaki
公彦 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム板又はアルミニウム合金板の熱
間仕上げ圧延及び/又は冷間圧延において滑りを原因と
する被圧延材の咬み込み不良等を防止しつつ圧延荷重を
低下して所要圧延動力を低減できる圧延用ワークロール
及び圧延方法を提供する。 【解決手段】 被圧延材の板幅の10〜50%の部分と
当接する表面部分の表面粗さRaが1.5〜5.0μm
で、かつ前記板幅の50%以上の部分と当接する表面部
分の表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴と
する圧延用ワークロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板又
はアルミニウム合金板の熱間仕上げ圧延方法及び/又は
冷間圧延方法の改良に関するものであり、特に、そのよ
うな熱間仕上げ圧延操作及び/又は冷間圧延操作に用い
られるワークロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種厚さのアルミニウム板又はアルミニ
ウム合金板は、アルミニウム鋳塊又はアルミニウム合金
鋳塊を熱間粗圧延した後、熱間仕上げ圧延し、用途によ
っては、更に中間焼鈍をはさんで、冷間圧延することに
よって製造されている。そして、このようにして得られ
た板材は、それぞれの用途に応じて更に各種の加工や処
理等が施されて目的とする製品となる。上述の圧延操作
における熱間仕上げ圧延工程及び/又は冷間圧延工程に
おいては、通常、複数パスの連続圧延方式、例えば図2
に示すような4台の圧延機を直列に配置した四スタンド
タンデム圧延システムが採用され、その各圧延機(圧延
スタンド)には、被圧延材に直接接触して圧延するワー
クロールと、ワークロールを支え圧延荷重を受けるパッ
クアップロールからなる四段圧延機が用いられる。
【0003】ところで、近年、圧延板の製造コストを一
層低減させるため、上記熱間仕上げ圧延工程及び/又は
冷間圧延工程において、圧延機の圧延荷重を低下させて
所要圧延動力を低減し電力コストを削減する要請が強
い。しかしながら、圧延荷重を低下させるために、単に
ワークロールの表面粗さを細かくしたり、潤滑剤の潤滑
性能を上げると、ワークロールとバックアップロール間
でスリップが生じてワークロール自体に疵を付けてしま
ったり、ワークロールへの被圧延材の咬み込み時に滑り
が生じて被圧延材が咬み込めず圧延そのものが行なえな
いという問題が生じる。従来、アルミニウム板又はアル
ミニウム合金板の熱間仕上げ圧延及び冷間圧延の工程に
限らず、上記と同様の滑りの問題を防止することを目的
として種々の提案がなされている。例えば、特許第25
43932号においては、複数パスの連続圧延により金
属箔を製造する方法において、最終パスより上流側のパ
スでは表面粗さが通常より粗いRaが0.1μm以上の
ワークロールにより圧延して上記滑りを防止し、最終パ
スでのみ表面粗さRaが0.1μm未満のワークロール
で仕上げ圧延する方法が提案されている。また、特許第
2925449号においては、平均粒径20μm以下の
膨潤性を有する雲母をこの雲母と水の合計量を基準とし
て1重量%以上10重量%未満の濃度で水に混合した液
体の中に、粉末状の固体潤滑剤を混合することにより、
潤滑剤自身の摩擦係数を高めて上記滑りを防止する熱間
圧延用潤滑剤が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術は上記滑りを防止する効果は期待できるもの
の、圧延荷重を低下させることはできず所要圧延動力の
低減を伴うものではなかった。
【0005】そこで、本発明はアルミニウム板又はアル
ミニウム合金板の熱間仕上げ圧延及び/又は冷間圧延に
おいて上記滑りを防止しつつ圧延荷重を低下して所要圧
延動力を低減できる圧延用ワークロール及び圧延方法を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、アル
ミニウム板又はアルミニウム合金板の圧延に用いられる
ワークロールであって、被圧延材の板幅の10〜50%
の部分と当接する表面部分の表面粗さRaが1.5〜
5.0μmで、かつ前記板幅の50%以上の部分と当接
する表面部分の表面粗さRaが0.2μm以下であるこ
とを特徴とする圧延用ワークロールである。ここに、表
面粗さRaはJIS−B−0601による中心線平均粗
さであり、以下、当該JISの表記法にしたがって「○
○μmRa」と表記する。
【0007】このように、被圧延材に接触するワークロ
ールの表面部分のうち必要な比率分だけ表面粗さを従来
法より粗くして上記滑りを防止するとともに、前記表面
部分のうち一定以上の比率分の表面粗さを従来法より細
かくすることによりワークロール全体にかかる圧延荷重
を従来法より低下させて必要な動力を低減するものであ
る。従来法より粗くする部分の表面粗さは、前記滑りを
有効に防止するためには1.5μmRa以上にすること
が好ましい(後述の実施例参照)。前記滑りを防止する
観点からは粗さの上限値はないが、あまり粗くすると被
圧延材の表面性状が悪化すること及び通常のロール表面
の研削又は研磨方法を用いる場合の制約より5.0μm
Ra以下とすること好ましい。また、従来法より細かく
する部分の表面粗さは、圧延荷重を十分低下させるため
には0.2μmRa以下とすることが好ましい(後述の
実施例参照)。
【0008】請求項2の発明は、複数パスによりアルミ
ニウム板又はアルミニウム合金板を圧延する方法におい
て、最終パスより上流側の少なくとも1パスで請求項1
に記載の圧延用ワークロールで圧延し、かつ少なくとも
最終パスで被圧延材と当接する部分全体の表面粗さが
0.2〜1.5μmRaであるワークロールで圧延する
ことを特徴とする圧延方法である。
【0009】このように、複数パスからなる圧延工程に
おいて、最終パスより上流側の少なくとも1つのパスで
請求項1の発明のワークロールを用いて圧延することに
より当該パスにおいて上記滑りを発生することなく所要
圧延動力が低下して前記圧延工程全体における所要圧延
動力が低減でき、かつ少なくとも最終パスで従来法で用
いられている、一様な表面粗さ(0.2〜1.5μmR
a)のワークロールで圧延することにより、従来法と同
じ均一な表面性状(表面粗さ、光沢など)をもつ圧延板
が得られるものである。なお、「一様な表面粗さ」と
は、被圧延材と接触するワークロール表面部分の全幅に
わたって測定された表面粗さRaの値をxとし、前記全
幅から任意に選択された3点についてJIS−B−06
51にしたがってワークロール軸方向に測定された表面
粗さRaの平均値をyとしたとき、0.9x≦y≦1.
1x(10%以内の誤差範囲)を常に満足していること
をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば以下のように実
施される。本発明にしたがってアルミニウム板又はアル
ミニウム合金板を圧延して目的とする板厚の製品を製造
するに際し、対応するアルミニウム鋳塊又はアルミニウ
ム合金鋳塊を通常の方法にしたがって熱間粗圧延後、熱
間仕上げ圧延し、さらにそれを冷間圧延するのである
が、この熱間仕上げ圧延及び/又は冷間圧延における圧
延ロールであるワークロールとして、従来法の一様な表
面粗さを有するワークロールに替えて、表面粗さをワー
クロールの軸方向で2段階以上に変更したワークロール
を用いる。すなわち、被圧延材に当接するワークロール
の表面部分のうち、ワークロール軸方向10〜50%の
部分の表面粗さを従来法より粗い1.5〜5.0μmR
aとし(この部分をCとする)、前記軸方向50%以上
の部分の表面粗さを従来法より細かい0.2〜1.5μ
mRaとする(この部分をFとする)。ワークロール表
面に従来法より粗い表面粗さの部分が一定割合存在する
ことにより、例えそれ以外の表面部分が従来法より細か
い表面粗さであっても、ワークロールとバックアップロ
ール間の滑り及びワークロールへの被圧延材の咬み込み
時の滑りを効果的に防止でき、しかも従来法より細かい
表面粗さの表面部分が一定割合以上存在することにより
圧延荷重を低下できる。なお、被圧延材と当接するワー
クロールの表面部分のうち、従来法より粗い部分Cと従
来法より細かい部分Fが上記の範囲(C=10〜50
%、F≧50%)で存在すればよいのであって、前記表
面部分がCとFの2段階のみで構成されてもよいし、C
およびFと異なる表面粗さの部分、例えば従来法の表面
粗さ0.2〜1.5μmRaの部分(Nとする)が別に
存在してもよい。したがって、例えば、(1) C=10
%、F=90%、(2) C=10%、F=50%、N=4
0%は、ともに本発明の技術範囲に含まれる。また、
C、F(及びN)を板幅方向に配置する方法は、特に制
限されるものではないが、板幅の中心線に対して対称の
位置に同じ表面粗さの部分が存在するように配置するの
が好ましい。このように配置することにより板幅の中心
線両側の摩擦力が等しくなり被圧延材の蛇行を防止でき
るからである。なお、ワークロール表面の表面粗さを板
幅方向で2段階以上に変更することは、例えば円筒研削
盤等、通常の研削及び研磨方法によって容易になしうる
ものである。
【0011】複数パスからなる熱間仕上げ圧延工程(又
は冷間圧延工程)、例えば、図2に示す4台の圧延機
(圧延スタンドNo.1〜4)を直列に配置した四スタ
ンドタンデム圧延システムにおいて、最終パスであるN
o.4圧延スタンドより上流側のパスであるNo.1〜
3スタンドすべてに上記ワークロールを用い、かつ最終
パスであるNo.4圧延スタンドに従来法で用いられて
いる一様な表面粗さ0.2〜1.5μmRaのワークロ
ールを用いることが望ましい。これにより、熱間仕上げ
圧延冷間圧延工程(又は冷間圧延工程)全体における所
要動力を低減できることに加え、従来法と同じ均一な表
面性状をもつ製品圧延板を得ることができる。なお、所
要動力の低減よりも製品圧延板の表面性状が重視される
場合には、例えば、No.1、2圧延スタンドに本発明
のワークロールを用い、No.3、4圧延スタンドに従
来法のワークロールを用いること、あるいはNo.1圧
延スタンドのみに本発明のワークロールを用い、No.
2〜4圧延スタンドに従来法のワークロールを用いるこ
ともよい。また、後述の実施例で示すように、四スタン
ドタンデム圧延システム+単スタンド圧延機で熱間仕上
げ圧延(又は冷間圧延)を行なう場合、四スタンドタン
デム圧延システムのワークロールはすべて本発明のワー
クロールとし、単スタンド圧延機のワークロールのみ従
来法のワークロールとすることもよい。要するに、熱間
仕上げ圧延工程(又は冷間工程)における総圧延パス
(総圧延スタンド)のうち、最終パス(最終スタンド)
より上流側の少なくとも1パス(1スタンド)のワーク
ロールに本発明のワークロールを用い、かつ少なくとも
最終パス(最終スタンド)に従来法のワークロールを用
いる熱間仕上げ圧延方法(及び/又は冷間圧延方法)
は、本発明の技術範囲に属するものである。
【0012】
【実施例】実機熱間仕上げ圧延工程において、従来法の
ワークロール、本発明のワークロール等、表面粗さの異
なる種々のワークロールを使用してアルミニウム板の圧
延実験を行い、本発明の効果の確認を行なった。圧延実
験を行なった実機熱間仕上げ圧延工程は、四スタンドタ
ンデム圧延システム+単スタンド圧延機からなり、四ス
タンドタンデム圧延システムは、一対のワークロール
(径:725mm、バレル長:2900mm)および一
対のバックアップロール(径:1530mm、バレル
長:2900mm)からなる四段圧延機を4機直列に連
ねたものである(図2参照)。実験に際し、単スタンド
圧延機には常に従来法のワークロールを使用し、表面粗
さの異なるワークロールへの交換は、四スタンドタンデ
ム圧延システムのワークロール全部について同時に行な
った。なお、ワークロールの表面粗さの調整は円筒研削
盤を用いて行なった。四スタンドタンデム圧延システム
の圧延条件は、被圧延板:純Al系アルミニウムコイル
(JIS1000系材)、入り側板厚:29mm、入り
側板幅:比較例1および2のとき1300mm;実施例
1〜3および比較例3〜6のとき1000mm、圧延速
度:300m/min、圧下率:40%、材料温度:3
00℃、圧延油:エマルジョン系熱延油とし、入り側板
幅を除いて一定とした。表面粗さの異なる各ワークロー
ルごとに50コイルずつ圧延を行ない、その結果を表1
にまとめた。
【0013】表1において、部位Aはワークロール表面
のうち被圧延材の幅方向中央部分と接触する部位、部位
Bは部位A以外のワークロール表面部位を表し、板幅に
対する比率は、部位AについてはWA/WP×100%、
部位Bについては(WP−WA)/WP×100%(ここ
に、WP:板幅、WA:部位Aの幅)で定義される。(図
1参照)。
【0014】
【表1】
【0015】比較例1は、従来法のワークロールを用い
た場合に相当し、ワークロールの表面粗さを全表面にわ
たって1.0μmRaとし、圧延を行なった。50コイ
ルの圧延中、被圧延材のワークロールへの咬み込み不良
による圧延機の停止はなかった。
【0016】次に、比較例2において、ワークロールの
表面粗さを全表面にわたって0.2μmRaと細かくし
て圧延を行なったところ、50コイルのうち10コイル
について咬み込み不良による圧延機の停止が発生した。
なお、圧延機が停止せずに圧延できたコイルに対する圧
延荷重は、比較例1の圧延荷重に比して18〜22%低
下した。すなわち、ワークロールの表面全体の表面粗さ
を細かくすると、圧延荷重の低下には効果があるものの
滑りによる咬み込み不良の問題が生じることが確認され
た。
【0017】次いで、実施例1〜3において、本発明
(請求項1)の実施に係るワークロールを用いた場合の
効果を確認した。
【0018】実施例1において、ワークロール表面のう
ち、被圧延材の板幅方向中央部分で板幅の90%(90
0mm)に相当する部分と接触する部位(部位A)の表
面粗さを0.2μmRa、部位Aの外側の部位(部位
B)の表面粗さを1.5μmRaとして圧延を行なっ
た。その結果、50コイルの圧延中、咬み込み不良によ
る圧延機の停止はなく、圧延荷重は比較例1の圧延荷重
に比して16〜20%低下した。なお、比較例1、2の
実験における板幅(1300mm)と本実施例以降の実
験における板幅(1000mm)とが異なりそのまま圧
延荷重を比較することができないので、板幅単位長さ当
たりの圧延荷重に換算して比較を行なった。
【0019】次に、実施例2において、実施例1の表面
粗さ0.2μmRaの部位Aの領域を板幅の50%に縮
小して圧延を行なったところ、咬み込み不良による圧延
機の停止はなく、圧延荷重は実施例1よりやや上昇した
ものの比較例1に比し10〜12%の低下を確保でき
た。
【0020】さらに、実施例3において、被圧延材と接
触するワークロール表面のうち表面粗さ0.2μmRa
および1.5μmRaの板幅に対する比率は実施例1と
同じとし、それらの配置のみを実施例1と逆に表面粗さ
0.2μmRaの領域を部位Bに、表面粗さ1.5μm
Raの領域を部位Aに入れ替えて圧延を実施したとこ
ろ、咬み込み不良による圧延機の停止はなく、圧延荷重
は実施例1とほぼ同等であった。
【0021】以上の実施例1〜3の結果より、被圧延材
と接触するワークロール表面部分のうち本発明(請求項
1)で規定する所定の表面粗さの部位がその存在位置に
係わらず本発明(請求項1)で規定する所定の比率存在
するように配置すれば、滑りによる咬み込み不良の問題
を生じることなく十分な圧延荷重の低下(従来法の10
%以上減)を達成できることが確認された。また、実施
例1〜3の圧延後、ワークロール表面を観察したとこ
ろ、ワークロールとバックアップロール間でのスリップ
に起因するワークロール表面への疵の発生は見られなか
った。
【0022】さらに、本発明(請求項1)で規定した数
値限定の妥当性を確認するため、比較例3〜6におい
て、本発明(請求項1)の範囲外の表面粗さのワークロ
ールを用いて圧延を行なった。
【0023】比較例3において、実施例1の表面粗さ
0.2μmRaの部位Aの板幅に対する比率90%を4
0%に減少させて圧延したところ、咬み込み不良による
圧延機の停止はなかったが、圧延荷重は、比較例1の圧
延荷重に比して7〜9%の低下に留まった。逆に、比較
例4において、実施例1の表面粗さ0.2μmRaの部
位Aの板幅に対する比率90%を93%に増加させて圧
延したところ、圧延荷重は、比較例1の圧延荷重に比し
て17〜22%低下して実施例1よりさらに低下した
が、咬み込み不良による圧延機の停止が7回発生した。
【0024】比較例5において、実施例1の部位Aの表
面粗さ0.2μmRaを0.4μmRaに粗くして圧延
したところ、咬み込み不良による圧延機の停止はなかっ
たが、圧延荷重は、比較例1の圧延荷重に比して8〜1
0%の低下に留まった。比較例6において、実施例1の
部位Bの表面粗さ1.5μmRaを1.2μmRaに細
かくして圧延したところ、圧延荷重は、比較例1の圧延
荷重に比して17〜21%低下して実施例1よりさらに
低下したが、咬み込み不良による圧延機の停止が3回発
生した。
【0025】なお、本実施例では、ワークロール表面粗
さの変化を中央部分とそれ以外の部分の2段階のみの場
合について実施したが、これに限るものではない。例え
ば、被圧延板と接触するワークロールの表面部分のう
ち、表面粗さ0.2μmRaの部分が50%、1.5μ
mRaの部分が10%、残り40%の部分が1.0μm
Raのワークロールで圧延する場合を想定する。この場
合、実施例1に比してワークロール表面に粗い部分が多
く滑りにくくなるので、実施例1でさえ咬み込み不良に
よる圧延機の停止は発生しなかったことから咬み込み不
良の問題は生じない。一方、実施例2に比してワークロ
ール表面に細かい部分が多くなるので、圧延荷重は実施
例2よりさらに低下し、十分な圧延荷重低下の効果が得
られることは明らかである。
【0026】次に、請求項2の発明の効果を確認するた
め、上記比較例1および実施例1〜3の各条件で前記四
スタンドタンデム圧延システムにより圧延された各板
を、さらに単スタンド圧延機において被圧延材と接触す
る表面部分が一様な表面粗さ1.0μmRaのワークロ
ールを用いて最終仕上げ圧延を行ない、各圧延板の表面
性状(表面粗さRa)を測定した結果を表2に示す。表
2のNo.1は従来法、No.2〜4は本発明(請求項
2)に相当し、表2から明らかなように、No.2〜4
の圧延板の表面性状(表面粗さRa)はNo.1の圧延
板の表面性状(表面粗さRa)とほぼ同等となった。
【0027】
【表2】
【0028】なお、本発明の技術範囲は上記実施例に記
載の被圧延材の素材、板厚、板幅および熱間仕上げ圧延
/冷間圧延の別等に限定されるものではなく、本発明の
効果を奏するように適宜選択、変更しうるものである。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、被圧延材の板
幅の10〜50%の部分と当接する表面部分の表面粗さ
Raが1.5〜5.0μmで、かつ前記板幅の50%以
上の部分と当接する表面部分の表面粗さRaが0.2μ
m以下であるワークロールにより圧延することにより、
滑りを原因とする被圧延材の咬み込み不良やワークロー
ル表面への疵発生を防止しつつ、圧延荷重を低下させて
所要圧延動力を低減し電力コストが削減できる。
【0030】請求項2の発明によれば、最終パスより上
流側の少なくとも1パスで請求項1に記載の圧延用ワー
クロールで圧延し、かつ少なくとも最終パスで被圧延材
と当接する表面部分全体の表面粗さRaが0.2〜1.
5μmであるワークロールで圧延することにより、上記
請求項1の発明の効果に加え、従来法と同等の表面性状
をもった製品圧延板が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明(請求項1)のワークロールの実施例を
説明する図である。
【図2】四スタンドタンデム圧延システムの概略を説明
する断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板又はアルミニウム合金板
    の圧延に用いられるワークロールであって、被圧延材の
    板幅の10〜50%の部分と当接する表面部分の表面粗
    さRaが1.5〜5.0μmで、かつ前記板幅の50%
    以上の部分と当接する表面部分の表面粗さRaが0.2
    μm以下であることを特徴とする圧延用ワークロール。
  2. 【請求項2】 複数パスによりアルミニウム板又はアル
    ミニウム合金板を圧延する方法において、最終パスより
    上流側の少なくとも1パスで請求項1に記載の圧延用ワ
    ークロールで圧延し、かつ少なくとも最終パスで被圧延
    材と当接する表面部分全体の表面粗さRaが0.2〜
    1.5μmであるワークロールで圧延することを特徴と
    する圧延方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009281529A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Toyo Seikan Kaisha Ltd 金属ローラおよびその製造方法
KR20210059059A (ko) * 2019-11-13 2021-05-25 주식회사 포스코 강판 이송 장치

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