JP2002083815A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002083815A
JP2002083815A JP2000272049A JP2000272049A JP2002083815A JP 2002083815 A JP2002083815 A JP 2002083815A JP 2000272049 A JP2000272049 A JP 2000272049A JP 2000272049 A JP2000272049 A JP 2000272049A JP 2002083815 A JP2002083815 A JP 2002083815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
emitter
polycrystalline silicon
semiconductor device
comb
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000272049A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiko Sato
文彦 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2000272049A priority Critical patent/JP2002083815A/ja
Publication of JP2002083815A publication Critical patent/JP2002083815A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Bipolar Transistors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エミッタ抵抗が低く、探針用パッドを使用し
てトランジスタ性能を正確に評価することができ、しか
もコストダウンにつながるプレーナ型バイポーラトラン
ジスタ半導体装置とその製造方法を提供する。 【解決手段】 ベース層上に多結晶シリコンからなるエ
ミッタ電極部を有し、かつ該エミッタ電極部に隣接する
前記ベース層上に多結晶シリコンを含む櫛状の溝からな
る探針用バッドを設けた。又、製造方法は、真性ベース
及びエミッタを形成するための開口を形成する際に、フ
ィールド上にも櫛状に溝を形成し、エミッタ多結晶シリ
コンをエッチバックする際に櫛状の溝中に多結晶シリコ
ンを充填する製造方法とした。この方法を採用すること
により、フォトリソグラフィー工程を省略することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置及びそ
の製造方法に関するものであり、特に特性評価用の探針
用パッドを有する、バイポーラトランジスタ半導体装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばSiGe合金をベースとするヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタが、広い周波数応答及び
低雑音という有利な特性を備えたものであることは良く
知られている。バイポーラ・トランジスタでは、浅いベ
ース領域に極めて浅いエミッタ接合を形成する。たとえ
ば、遮断周波数(fT)が40GHz程度のトランジス
タでは、約100nm深さの初期ベース領域に約50n
m深さのエミッタを熱拡散させて形成するが、この時若
干ベース領域も広がるので、最終的に70〜80nmの
深さのベースとなる。通常の気相拡散やイオン注入法で
は極浅エミッタを形成できないので、不純物をドープし
た多結晶シリコンから単結晶シリコンへと不純物原子を
熱拡散させる方法が適している。しかし、このエミッタ
拡散は多結晶シリコン/単結晶シリコン間の界面の状態
に大きく影響される。その原因は多結晶シリコンを化学
気相成長( Chemical Vapor Deposition;CVD)法で
形成する前に、単結晶シリコン表面に形成されてしまう
1nm程度の薄い膜厚のシリコン酸化膜のためである。
このシリコン酸化膜の厚さのバラツキはエミッタ不純物
の拡散のバラツキを引き起こし、それによってトランジ
スタの電気特性のバラツキを大きくする。結果として、
規格を外れた特性不良なトランジスタを作製してしまう
こととなる。この不良を避けるためには、同一バッチで
多結晶シリコンを堆積したウエハー群のなかから1枚の
ウエハーをパイロットとして熱処理して、予定の特性の
範囲内から外れていないことを確認する作業が必要とな
る。このために、図29及び図30に示したように、ベ
ース領域のエミッタに隣接した部分に測定用のプローブ
が接触出来る広さ、例えば100μm×100μm程度
の面積の、探針用パッド350が必要となる。
【0003】図29は従来のプレーナ型ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの一例を示す平面図であり、図30
は図29に示すバイポーラトランジスタの線E−E’に
沿った断面図を、図31は図29に示すバイポーラトラ
ンジスタの線F−F’に沿った断面図を示したものであ
る。まず、図29は半導体装置の主要な部分の平面的配
置関係を示している。ベースコンタクト開口部331、
エミッタコンタクト開口部321、コレクタコンタクト
開口部341の位置関係が示されている。さらに、エミ
ッタコンタクト開口部321に隣接する部分には、探針
用パッド350が設けられている。図30に示すとお
り、図29の線A−A’に沿った断面図では、シリコン
基板301の表面の一部には、n+型埋め込み層302
−aがある。更に、n+型埋め込み層302−aの両側
にはp+型埋め込み層302−bがある。この領域には
ホウ素がドープされていて、濃度や厚さはn+型埋め込
み層302−aと同程度である。別々の導電型の埋め込
み層302−aと302−bはお互いに接触せずに、中
間の部分には元々の基板領域が配置される。このn+型
埋め込み層302−aの上には、n−型のエピタキシャ
ルシリコン層303がある。このn−型のエピタキシャ
ルシリコン層303にはリンがドープされている。
【0004】選択的に一部領域のシリコンだけをシリコ
ン酸化膜へと変える、いわゆる通常のLOCOS法( L
ocal Oxidation of Silicon )によって形成した素子分
離用のロコス酸化膜304は、p+型埋め込み層302
−bの上に形成されている。また、ベース電極用p+型
の多結晶シリコン306の内部の一部領域には、エミッ
タコンタクト用の開口が形成されている。この開口内部
のn−型のエピタキシャルシリコン層303の表面に
は、p型単結晶シリコンからなる真性ベース領域312
及び、p+型単結晶シリコンからなる外部ベース領域3
11が存在する。ベース領域の上には側壁308として
シリコン酸化膜が形成され、このシリコン酸化膜からな
る側壁308によってベース電極用の多結晶シリコン膜
306の側面が被覆されている。側壁308及びエミッ
タ領域313によって形成された溝の内部には、エミッ
タ電極用の多結晶シリコン309が埋設されている。こ
れらのロコス酸化膜304及びベース電極用p+型多結
晶シリコン306の一部はシリコン窒化膜307によっ
て覆われている。一方、図31に示すとおり、図29の
線B−B’に沿った断面図では、コレクタコンタクト部
340が形成される直下の領域に、コレクタ引き出し用
のn+型の単結晶シリコン305が存在する。n+型単
結晶シリコン305は、ロコス酸化膜304によってn
−型のエピタキシャルシリコン層303と分離されてい
る。
【0005】側壁308及びエミッタ領域313によっ
て形成された溝は、エミッタ電極用の多結晶シリコン3
09で埋められている。このエミッタ電極用の多結晶シ
リコン309は、エミッタコンタクト部320に隣接す
る探針用パッド350まで続いており、探針用パッド3
50もエミッタ電極用と同じ多結晶シリコン309aで
形成されている。この探針用パッド350の大きさは、
100μm×100μm程度の面積を占めている。この
探針用パッド350を形成するには、シリコン基板30
1の表面にベース電極用p+型の多結晶シリコン306
及びシリコン窒化膜307を順次形成した後、シリコン
基板301の表面全面にエミッタ電極用と同じ多結晶シ
リコン309を載置し、該多結晶シリコン309を探針
用パッド部の形状に合わせてフォトリソグラフィー工程
によりエッチングしてパターニングして形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】微細なトランジスタの
問題の一つとして、エミッタ抵抗の増加がある。図29
ないし図31に示す従来のバイポーラトランジスタにお
いては、前述の探針用パッド350を設けるために、エ
ミッタ電極用の多結晶シリコン309を探針用パッド部
まで延伸して、探針パッド用の多結晶シリコン309a
を形成している。図30に示すとおり探針パッド用の多
結晶シリコン309aはエミッタ電極用の多結晶シリコ
ン309から連続して形成してあるため、エミッタコン
タクト部320と探針用パッド350との間のベース電
極用のp+型多結晶シリコン306a及びシリコン窒化
膜307aを乗り越えねばならず、エミッタ直上の実効
的な多結晶シリコン309の高さが高くなることにな
り、エミッタ抵抗が増加することになる。また、トラン
ジスタの特性を評価するために使用する探針用パッド3
50の多結晶シリコン309aと、エミッタの多結晶シ
リコン309との距離長くなるので抵抗が増加し、トラ
ンジスタ特性の正確な評価が困難となる欠点がある。
【0007】また、トランジスタを製造する工程におい
ては、探針用パッド350を形成するためにエミッタの
多結晶シリコンンをフォトリソグラフィー工程を用いて
パターニングする必要があり、工程が煩雑でコストダウ
ンを阻害する要因となっている。
【0008】本発明の目的は、トランジスタの性能を左
右するエミッタ抵抗が低く、探針用パッドを使用してト
ランジスタ性能を正確に評価することができ、しかもコ
ストダウンにつながるプレーナ型バイポーラトランジス
タ半導体装置とその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、バイポーラトランジスタ半導体装置で
あって、真性ベース領域上のエミッタ領域に接した多結
晶シリコンからなるエミッタ電極部を有し、かつ該エミ
ッタ電極部に隣接するフィールド絶縁膜上にエミッタ電
極と接した該多結晶シリコンが埋設された櫛状の溝を有
し、かつ該櫛状の溝が探針できる程度の大きさの範囲に
存在する構造の半導体装置とした。このような構造のバ
イポーラトランジスタ半導体装置とすることにより、ベ
ース層上に設けた櫛状の溝の中にエミッタ多結晶シリコ
ン及び探針用多結晶シリコンが埋設されるようになり、
エミッタ多結晶シリコンの高さが低くなるのでエミッタ
抵抗を低くすることが可能となる。また、エミッタ部と
探針用バッドとの間の抵抗も低くなるので正確な特性評
価が可能となる。本発明では、前記櫛状の溝の幅がエミ
ッタ多結晶シリコンの厚さの2倍以下とするのか適当で
ある。また、前記櫛状の溝の間隔がエミッタ多結晶シリ
コンの厚さの2倍以下とするのか適当である。さらに、
前記櫛状の溝が100μm四方の範囲に存在することが
好ましい。このような構造の探針用バッドを使用すれ
ば、トランジスタの特性評価を正確に行うことができ
る。
【0010】また、本発明の半導体装置では、真性ベー
ス領域上のエミッタ領域に接した多結晶シリコンからな
るエミッタ電極部を有し、前記ベース領域の周囲の境界
部の一部又は全部の上に該ベースとは接触しない第2の
多結晶シリコン膜を有し、かつ該エミッタ電極部に隣接
するフィールド絶縁膜上に前記第2の多結晶シリコン膜
上の一部を通り、エミッタ電極と接した該多結晶シリコ
ンが埋設された櫛状の溝を有し、かつ該櫛状の溝が探針
できる程度の大きさの範囲に存在する構造の半導体装置
とした。このような構造とすることにより、ウオールド
・エミッタ構造が解消し、トランジスタの耐圧が正確に
評価できるようになる。また、本発明の半導体装置では
さらにベースコンタクト部のベース層が、コレクタ領域
に接する側から無添加のSiGe合金層、p型SiGe
合金層及びp型シリコン層の3層構造からなる半導体装
置とした。この構造とすることにより、エミッタ領域の
ベース面が平坦となるので、トランジスタ特性が向上す
る。
【0011】本発明の半導体装置の製造方法では、ベー
ス領域及びエミッタ領域を形成するための開口を形成す
る際に、同時にフィールド上にも櫛状に溝を形成する方
法を採用した。この半導体装置の製造方法によれば、エ
ミッタ多結晶シリコンをパターニングするためのフォト
リソグラフィー工程を省略することが可能となり、探針
用パッドを形成するための特別な工程を設けなくても、
ベース領域及びエミッタ領域を形成する過程で同時に探
針用パッド部を形成することができるので、探針用バッ
ドを形成する際の大幅なコストダウンが達成される。
【0012】さらに具体的には、プレーナ型バイポーラ
トランジスタの製造において、埋め込み層と素子間分離
領域を有するシリコン基板上に、ベース領域を形成し、
該ベース領域を含む前記基板全面にシリコン窒化膜とシ
リコン酸化膜を形成した後、該ベース領域内の活性領域
上の該シリコン酸化膜と該シリコン窒化膜をエッチング
により除去して開口部を形成するとともに該開口部に隣
接して櫛状の溝を形成し、次いで、該開口部にシリコン
酸化膜を堆積後、引き続き異方性エッチングにより該シ
リコン酸化膜をエッチバックして前記開口部に側壁を形
成し、次いで該開口部及び櫛状の溝を含む前記シリコン
基板全面にポリシリコン層を形成した後、該ポリシリコ
ン層をエッチバックしてエミッタ電極部と探針用パッド
部を形成する半導体装置の製造方法である。エミッタ電
極部を形成する際に、櫛状の溝を形成した上にポリシリ
コン層を形成した後、該ポリシリコン層をエッチバック
すれば、櫛状の溝内にポリシリコンが充填された状態で
残留し、特別な工程を設けることなく探針用パッドを形
成することができる。
【0013】また、本発明の半導体装置の製造方法で
は、ベース領域を選択的エピタキシャル成長法によって
形成することもできる。この方法によれば、極薄い清浄
なシリコン表面が得られるので平坦性の高いベースが形
成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に関して、図面
を参照して説明する。ここで示す図では、真性部以外に
比べてトランジスタの真性領域、即ちエミッタやベース
領域の寸法が拡大して図示されている。実際には真性領
域は1μm程度の寸法(エミッタコンタクトの開口部の
寸法は、短い方が例えば0.4μm程度)である。これ
に対して、ベースコンタクトやコレクタコンタクトの開
口部は80μm〜120μm程度である。また、ここで
は縦型バイポーラ・トランジスタとしてnpn型を用い
た実施形態を説明する。逆の導電型、すなわち、pnp
型の組み合わせへも本発明は適用可能であることは勿論
である。
【0015】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態となる半導体装置を示す平面図である。図2
及び図3は第1の実施形態となる半導体装置の要部を示
す断面図であり、図2は図1の線A−A’に沿った断面
図、図3は図1の線B−B’に沿った断面図である。ま
ず、本発明の半導体装置の主要な部分の平面的配置関係
を図1に示す。フィールドと呼ぶロコス酸化膜4のフィ
ールド端部4a、ベース電極用の多結晶シリコン6、エ
ミッタコンタクト部20、ベースコンタクト部30、コ
レクタコンタクト部40及び探針用パッド50の関係が
示されている。図2は図1の線A−A’部での断面図で
あり、図3は図1の線B−B’部(A−A’部とは直角
方向)での断面図である。p型シリコン基板1は、結晶
の面方位が(100)であり、その抵抗率は10〜20
Ω・cmである。このシリコン基板1の表面の一部に
は、n+型埋め込み層2−aがある。更に、p+型埋め
込み層2−bがある。この領域にはホウ素がドープされ
ていて、濃度や厚さはn+型埋め込み層2−aと同程度
である。別々の導電型の埋め込み層同士は、お互いに接
触することなく中間の位置には元々の基板領域がある。
【0016】この埋め込み層2−a,2−bの表面及び
埋め込み層が存在していない領域のシリコン基板1の表
面に、n−型のエピタキシャルシリコン層3がある。こ
こにはリンがドープされていて、その濃度は約2×10
16cm-3以下の領域が約0.7μmである。先に述べた
n+型埋め込み層2−aと、このリン濃度が約2×10
16cm-3以下である約0.7μm厚さの領域との間には
遷移領域がある。この遷移領域でのリン濃度は、表面方
向へ向かって約2×1019cm-3から約2×1016cm
-3へと低下する領域が厚さ約0.7μmにわたって存在
する。
【0017】選択的に一部領域のシリコンだけをシリコ
ン酸化膜へと変える方法、いわゆる通常のLOCOS法
( Local Oxidation of Siliconn )によって形成した
素子分離用のロコス酸化膜4は、その酸化膜の厚さが約
0.8μmでp+型埋め込み層2−bの上に形成されて
いる。コレクタ用金属電極が形成されるコレクタコンタ
クト部40の直下の領域には、コレクタ引き出し用のn
+型の単結晶シリコン5が存在する。これらの上の一部
領域には、ベース電極用のp+型多結晶シリコン6があ
る。これらのロコス酸化膜4及びベース電極用p+型多
結晶シリコン6は、シリコン窒化膜7によって覆われて
いる。
【0018】また、ベース電極用のp+型多結晶シリコ
ン6の内部の一部領域には、エミッタコンタクト開口部
21が形成されている。このエミッタコンタクト開口部
21の内部のn−型のエピタキシャルシリコン層3の表
面には、p型単結晶シリコンからなる真性ベース領域1
2及びp+型単結晶シリコンからなる外部ベース領域1
1が存在する。外部ベース領域11及び真性ベース領域
12の上には側壁8としてシリコン酸化膜が形成され、
このシリコン酸化膜からなる側壁8によってベース電極
用多結晶シリコン膜6の側面が被覆されている。この側
壁8と真性ベース領域12によって形成された溝の内部
には、エミッタ電極用の多結晶シリコン9が埋設されて
いる。側壁8により区画されたp型単結晶シリコン層か
らなる真性ベース領域12の一部に、エミッタ電極用の
多結晶シリコン9からのn型不純物拡散によってエミッ
タ領域13が形成される。また、n+型コレクタ引き出
し単結晶リコン層5及びp+型ベース電極用多結晶シリ
コン6の上にも開口が形成される。即ち、ベースコンタ
クト開口部31及びコレクタコンタクト開口部41であ
る。
【0019】エミッタ電極用の多結晶シリコン9は隣接
する探針用パッド50にある溝10まで延伸している。
探針用パッド50には約100μm四方の範囲にわたっ
て櫛状の溝10が設けられている。櫛状の溝10はその
幅がエミッタ用の多結晶シリコン9の厚さの2倍以下で
あり、溝10の間隔もエミッタ多結晶シリコン9の厚さ
の2倍以下である。このように密集して存在する溝10
の中にエミッタ電極用の多結晶シリコン9と同じ探針パ
ッド用の多結晶シリコン9−aが充填されている。
【0020】第1の実施形態で特徴的な点は、(1)エ
ミッタ電極用多結晶シリコンが埋設されている溝は、そ
の幅が多結晶シリコンの厚さの2倍以下であり(2倍よ
りもさらに小さい、例えば、1.5倍以下程度の方がプ
ロセスのマージンがある)、(2)エミッタ電極用の多
結晶シリコンが埋設されている溝は、ロコス酸化膜(フ
ィールド酸化膜)上にも伸びていて、しかもフィールド
上の溝は密集して配置されている。例えば、その密集度
は溝幅と同程度の間隔で100μm四方程度の領域に存
在している。
【0021】これらの表面はシリコン酸化膜によって被
覆されており、最終的には金属電極が形成される。エミ
ッタ電極用の多結晶シリコン9、ベース電極用の多結晶
シリコン6、コレクタ引き出し用の単結晶シリコン5の
上にはそれぞれコンタクト用の開口が形成され、これら
の開口には後述する図11及び図12で示すように、そ
れぞれアルミニウム合金からなるエミッタ電極22、ア
ルミニウム合金からなるベース電極32及びアルミニウ
ム合金からなるコレクタ電極42が形成される。
【0022】次に、図4から図12に断面図を用いなが
ら主要な工程における第1の実施形態となる半導体装置
を製作する工程を詳細に説明する。図4は、ロコス酸化
膜4により素子分離された段階の図1に示す半導体装置
の線A−A’に沿った断面図である。また、図5は、同
じく線B−B’沿った断面図である。p型シリコン基板
1は(100)結晶面をもち、抵抗率が約10から20
Ω・cmである。もちろん、結晶面方位がこれ以外でも
トランジスターは作製可能であり、抵抗率も使用目的に
よって変更可能である。例えば、このバイポーラトラン
ジスタをCMOSと同一ウエハーに形成する場合、即ち
BiCMOSのバイポーラとして使う場合は、(10
0)面方位に作製する必要がある。しかし、CMOSを
作製せずバイポーラだけを作製するのであれば、別の結
晶面、例えば、(111)面方位の基板を使用すること
もできる。また、アルファー線がバイポーラトランジス
タ部を通過する際に、電荷の発生に伴い回路の誤動作を
引き起こすことがあるが、この対策の一つとして基板−
コレクタ間の空乏層の幅を狭める手法がある。この様
に、空乏層を狭めるためには、基板の不純物濃度を上げ
る必要があり、この目的のためには数Ω・cmから1Ω
・cm以下の抵抗率の基板を用いることもある。
【0023】シリコン基板1上に、通常のCVD法また
は熱酸化法により、シリコン酸化膜(=図示せず)を形
成する。約5,000Å(3,000Åから7,000Å
の厚さが適している)のシリコン酸化膜を形成後、通常
のフォトリソグラフィー法(写真食刻法)によって、シ
リコン酸化膜上にフォトレジスト(=図示せず)をパタ
ーニングする。このフォトレジストをマスク材として、
通常のHF系溶液(NH4 F、HF、H2 Oの混合液)
を用いたウエット・エッチング法により、表面のシリコ
ン酸化膜を選択的に除去する。引き続き有機系溶液を用
いてフォトレジストを除去した後、フォトリソグラフィ
ー工程での位置あわせのためにシリコン酸化膜開口内部
のシリコン基板1の表面を200Å〜500Å程度酸化
した後、ヒ素のイオン注入によりシリコン酸化膜が薄い
領域のシリコン基板1にヒ素を選択的に注入する。イオ
ン注入の加速エネルギーは、マスク材となるシリコン酸
化膜を突き抜けない程度に低い必要がある。また、イオ
ン注入する不純物の量としては、埋め込み層の不純物濃
度が1×1019cm-3台となる条件が適当であり、エネ
ルギー:70keV、ドース量:5×1015cm-2を用
いると良い。
【0024】次に、イオン注入された際の損傷回復、ヒ
素の活性化及び押し込みの為に、1,000℃〜1,1
50 ℃の温度で熱処理する。この様にして、ヒ素濃度
が、約2〜5×1019cm-3である領域が深さ方向へ約
2μm厚となっている、n+型埋め込み層2−aが形成
される。HF系の溶液を用いて厚さ5, 000Åのシリ
コン酸化膜を全て除去し、酸化による500Å〜2, 5
00Åの厚さのシリコン酸化膜の形成、フォトレジスト
のパターニング及びエネルギー:50keV、ドース
量:1×1014cm-3でホウ素のイオン注入を行い、チ
ャンネルストッパー用のp+型埋め込み層2−bを形成
する。次にシリコン酸化膜を全面除去する。引き続き、
通常の方法によってn型シリコンエピタキシャル層3を
形成する。成長温度は950℃〜1,050℃が適当で
ある。原料ガスは、SiH4 またはSiH2Cl2を用い
る。ドーピングガスとしてPH3 を用い、5×1015
5×1016cm-3の不純物としてのリンを含有し、厚さ
は0.3μm〜1.3μmが適当である。この様にして
埋め込み層上にn型のシリコンエピタキシャル層3を形
成する。
【0025】次に、素子分離のためにロコス酸化膜4を
形成する。シリコン窒化膜を保護マスク材とした酸化に
よって、選択的に一部の領域のシリコンだけをシリコン
酸化膜へと変える、いわゆる通常のLOCOS法( Loc
al Oxidation of Silicon )によって形成した素子分離
用のロコス酸化膜4は、厚さを約0.8μmにしてp+
型埋め込み層2−bの上に形成する。まず、エピタキシ
ャルシリコン層の表面に、200Å〜500Åの熱酸化
膜(=図示せず)を形成し、シリコン窒化膜(=図示せ
ず)を厚さ700Å〜1,500Åに形成する。引き続
きフォトリソグラフィによってフォトレジスト(=図示
せず)をパターニングして、ドライエッチングによりシ
リコン窒化膜及びシリコン酸化膜を除去する。引き続
き、エピタキシャルシリコン層もエッチングして溝を形
成する。溝の深さ(即ち、エッチングするシリコンの深
さ)は、ロコス法で形成される酸化膜の厚さの半分程度
が適当である。フォトレジストを除去後、素子領域がシ
リコン窒化膜により保護された状態で酸化することによ
り、素子分離のためのシリコン酸化膜、すなわちロコス
酸化膜4が形成される。ロコス酸化膜4は、チャンネル
ストッパー用n+型埋め込み層2−bに達する厚さが適
当であり、例えば3,000Å〜10,000Åであ
る。シリコン窒化膜は、熱したリン酸によって取り除
く。なお、このロコス酸化膜4で素子分離された領域を
フィールドまたはフィールド酸化膜とも呼ぶ。
【0026】次に、コレクタ抵抗を下げるためにコレク
タ引き出し用のn+型単結晶シリコン5を形成する。通
常のフォトリソグラフィーによってフォトレジストのパ
ターン(図示せず)を形成し、このフォトレジストをマ
スク材として、イオン注入法によってリンをドープす
る。即ち、リンを加速エネルギー:100keV、ドー
ズ量:5×1015cm-2の条件でイオン注入する。フォ
トレジスト除去後、注入されたリンの活性化及びイオン
注入損傷回復のための熱処理をする。この時、例えば温
度900℃で5分間にわたり酸素数%含有の窒素雰囲気
のような酸化性雰囲気中で熱処理するのがが良い。その
理由は、リン濃度の高い単結晶シリコン領域には厚いシ
リコン酸化膜が形成されることを利用するためである。
このようにして得られたシリコン基板1の断面を示した
のが図4及び図5である。
【0027】次いで、エミッタ用のn−型エピタキシャ
ルシリコン層3の上には、300Åのシリコン酸化膜が
形成され、同時にコレクタ引き出し用のn+型の単結晶
シリコン5上には、約1,000Å以上のシリコン酸化
膜が形成される。次に、HF系溶液によって、シリコン
酸化膜が500Å程度除去される時間エッチングする。
この結果、真性ベース領域12上のエピタキシャルシリ
コン層3上にあるシリコン酸化膜(前の説明では300
Åの膜厚)は完全に除去され、一方、コレクタ引き出し
用のn+型単結晶シリコン5上にはシリコン酸化膜が残
っている。次に、この状態で無添加の多結晶シリコン6
を堆積する。多結晶シリコン6の厚さとしては、1,5
00Å〜3,500Åが適当である。次に、ボロンを多
結晶シリコン6の全面にイオン注入する。注入条件は、
例えば注入エネルギーとして多結晶シリコン6を突き抜
けないように十分に低いエネルギーとし、ホウ素のドー
ズ量は1×1015〜2×1016cm-2が適当である。次
に、フォトレジストをパターニングした後、ドライエッ
チングにより不要な部分の多結晶シリコン6を除去す
る。この結果、厚さが約2,500Åでホウ素濃度が約
2×1020cm-3のベース電極用のp+型の多結晶シリ
コン6が形成される。これらの全面を約1,500Åの
膜厚のLPCVD法によるシリコン窒化膜7で被覆す
る。ここまでの工程によって図6及び図7の断面構造が
できあがる。
【0028】次に、通常のフォトリソグラフィーと異方
性ドライエッチによって、シリコン窒化膜7を除去す
る。この時、ベース電極用の多結晶シリコン6が無い部
分にエミッタコンタクト開口部用のフォトレジストのパ
ターン(図示せず)を形成したロコス酸化膜4−aの部
分は、ロコス酸化膜4が少し削られる。更に、ベース電
極用のp+型多結晶シリコン6をドライエッチングして
エミッタ開口を形成する。この時、p+型多結晶シリコ
ン6を少しオーバーエッチングするので、下地のn−型
エピタキシャルシリコン層3も少し削られる。この削ら
れる膜厚は、ボロンがイオン注入されたベース電極用の
多結晶シリコン9からのボロンが拡散した部分を除去す
るためでもある。最後に、フォトレジストを除去する。
下地のn−型エピタキシャルシリコン領域を保護するた
めに、表面を薄く酸化する。例えば、酸化膜厚は100
Å程度である。次に、真性ベース領域12を形成するた
めのイオン注入をする。ここでは、BF2 を注入原料と
し、加速エネルギー:10keV、ドーズ量:3×10
13cm-2程度でイオン注入する。これらの結果、外部ベ
ースとなるべき領域11aと、真性ベースとなるべき領
域12a、ができあがる。ここまでの工程によって、図
8、図9及び図10の断面構造ができあがる。なお、図
10は図1の線C−C’に沿った断面である。
【0029】LPCVD法でシリコン酸化膜を堆積した
後、引き続き異方性ドライエッチング法によって、直前
に堆積させたシリコン酸化膜の厚さ分だけエッチバック
させる。この時、エミッタコンタクト開口部内のベース
電極用のp+型多結晶シリコン6やシリコン窒化膜7に
接する部分は、エッチングが進まずにシリコン酸化膜が
残り、開口部の内側にシリコン酸化膜からなる側壁8が
形成される。次いで、LPCVD法により、ヒ素添加多
結晶シリコン9を約2,500Å堆積させる。もちろ
ん、無添加多結晶シリコンを堆積した後に、ヒ素のイオ
ン注入によって不純物を添加しても良い。このエミッタ
用の多結晶シリコン9を異方性ドライエッチングにより
全面エッチバックする。この時、平坦部上の多結晶シリ
コン9は完全に除去されるが、狭い溝内に堆積した多結
晶シリコン9はエッチングされないで残留する。即ち、
側壁8内には多結晶シリコン9が充填され、探針用パッ
ド部に形成された溝内にも多結晶シリコン9−aが充填
される。この様にして、n+型エミッタ電極用多結晶シ
リコン9がプラグ状に形成される。同時に探針用パッド
部に形成された溝10内にも探針用パッドの多結晶シリ
コン9−aが櫛状に形成される(図2,図3及び図1
1,図12参照)。
【0030】最後に、例えば1,000℃で20秒間の
熱処理を行い、エミッタ電極用多結晶シリコン9から、
真性ベース領域12へヒ素を拡散させて、n+型シリコ
ン単結晶のエミッタ領域13が形成される。引き続き、
ウエハー全体を約10,000Åの厚さのシリコン酸化
膜で被覆して、CMPによって平坦化させる。さらに、
フォトリソグラフィーと異方性ドライエッチによってエ
ミッタ電極用多結晶シリコン9、ベース電極用多結晶シ
リコン6、コレクタ引き出し用の単結晶シリコン5に達
する開口を形成する。フォトレジスト除去後、アルミニ
ウム合金のスパッタ、フォトレジストとドライエッチと
によるパターニングをすれば、図1及び図11,図12
に示す半導体装置が完成する。
【0031】このようにして半導体装置を形成すれば、
エミッタ多結晶シリコンが開口内部に埋設されること
で、エミッタ直上の実効的な多結晶シリコンの高さが減
る。結果として、エミッタ多結晶シリコンの抵抗に起因
するエミッタ抵抗を低減することができる。従ってトラ
ンジスタの特性が向上する。また、探針用パッドを使用
して耐圧を正しく測定することができる。また、このよ
うな製造方法によれば、真性ベース領域及びエミッタ領
域を形成するための開口を設ける際に、同時にフィール
ド上の探針用パッド領域にも櫛状に溝を形成する。エミ
ッタ多結晶シリコンをドライエッチ方法で全面エッチバ
ックしても、櫛状の溝内部には多結晶シリコンが残る。
この結果、探針用パッドを形成するにあたってエミッタ
多結晶シリコンをパターニングするためのフォトリソグ
ラフィー工程を省略することができるので、大幅なコス
トダウンとなる。
【0032】(第2の実施形態)第1の実施形態は、素
子分離端部が形成されてしまうウォールド・エミッタ
(walled-emitter)構造をとっている。素子分離端部の
形成を回避することができるトランジスタ構造として、
第2の実施形態を挙げて説明する。第1の実施形態がウ
ォールド・エミッタ構造となる理由は、素子分離端部に
ベースおよびエミッタが形成されてしまうからである。
そこで第2の実施形態では、素子分離端部をまたいだ多
結晶シリコンのパターン(この多結晶シリコンは、もと
もと容量パターン用と兼用した工程で形成したものであ
る)をカバーとして形成した構造とした。この点が第2
の実施形態となるトランジスタが、その構造において第
1の実施形態と異なる特徴点である。探針用パッドの構
造や製造方法は、第1の実施態様の場合とまったく同様
である。
【0033】図13に、ウォールド・エミッタ構造の説
明図として、図11の楕円Mの部分を拡大した図を示し
て説明する。図13に示すように、ロコス酸化膜4に接
して形成されるエミッタ領域13は深くなり、結果とし
て真性ベース領域12が狭くなることが問題である。即
ち、このトランジスタの耐圧は、本来の耐圧と違った値
となってしまう。これに対する解決策として第2の実施
形態の構造を提案する。
【0034】図14は、第2の実施形態である半導体装
置の平面図である。図15は、図14に示す平面の線D
−D’に沿った断面図である。この半導体装置では、ウ
ォールド・エミッタ構造を回避できている。問題を解決
した手段は、回路内部の容量115を作るための、多結
晶シリコン/絶縁膜/多結晶シリコン構造があるが、ウ
ォールド・エミッタ構造となってしまう部分をこの多層
構造で保護した構造とした。この構造は回路作製上必要
なので作製工程が増加することは無い。図16から図2
0までが、第2の実施形態の作製途中の段階を示す部分
製造工程図である。製造工程順に説明して構造を明らか
にする。
【0035】先ず、図16において、ベース電極用多結
晶シリコン106の形成までは、第1の実施形態の製造
工程と同じである。ベース電極用多結晶シリコン106
の上に、シリコン酸化膜151をCVD法で形成する。
膜厚は、例えば1,000Å程度が適当である。容量1
15を形成するためのフォトレジストのパターン(図示
せず)を形成し、シリコン酸化膜151を除去する。フ
ォトレジストを除去し、容量膜としてシリコン窒化膜1
53をLPCVD法で約200Å程度堆積する。さらに
LPVCVD法で多結晶シリコン膜152を約2,00
0Å程度堆積し、イオン注入によってボロンをドープす
る。さらに、フォトリソグラフィー工程とドライエッチ
ングによって、容量多結晶シリコン116となる。さら
に、LPCVD法によって、シリコン窒化膜154を約
2,000Å堆積する。
【0036】次いで、図17に示すように第1の実施形
態と同じように、エミッタ/真性ベース形成用のエミッ
タコンタクト開口部121を形成するフォトリソグラフ
ィーを行う。引き続き、探針用パッド150の絶縁膜の
ドライエッチングを行う。さらに、図18に示す工程で
は多結晶シリコン106のドライエッチングを行う。こ
の時、少しオーバーエッチングすることで、コレクタ用
の単結晶シリコン(図示せず)や、容量多結晶シリコン
116の下のあった容量用シリコン窒化膜153が削ら
れる。次いで、第1の実施態様と同じようにして、真性
ベース領域形成用のボロンのイオン注入をする。次い
で、エミッタコンタクト開口部121と探針用パッド1
50を形成する位置にシリコン酸化膜156を載置す
る。
【0037】次いで、図19に示すように第1の実施形
態と同じように、直前に載置したシリコン酸化膜156
をエッチバックして、エミッタコンタクト開口部121
内に側壁108を形成する。最後にエミッタ用のn+型
多結晶シリコン109を形成した後、該多結晶シリコン
109の全面エッチバック及びエミッタ形成の熱処理を
おこなえば、図14、図15及び図20に示す半導体装
置となる。
【0038】このような構造の半導体装置とすれば、素
子分離端部をまたいだ多結晶シリコンのパターンをカバ
ーとして形成した構造としたので、素子分離端部の形成
を回避することができる。また、探針用パッド部に形成
された溝内にも探針パッド用の多結晶シリコン109−
aが充填される。この様にして、n+型エミッタ電極用
の多結晶シリコン109がプラグ状に形成されると同時
に、探針パッド部に形成された溝110内にも多結晶シ
リコン109aが櫛状に形成される。
【0039】(第3の実施形態)つぎに、本発明の第3
の実施形態を示す。本発明ではベース領域の形成にエピ
タキシャル成長法を採用した。エピタキシャル成長で形
成する場合の問題の一つは、ファセットと呼ばれるもの
である。すなわち、結晶成長の端部では、特定の結晶
面、たとえば(311)面が表出しやすい。この状態を
図21に示した。エピタキシャル成長したベース領域の
内、周囲の部分(e)は膜厚が薄くなっている。そこ
で、第3の実施形態では、第2の実施形態と同じくエピ
タキシャル成長法で形成されるベース領域の内、エミッ
タ多結晶シリコンが接する領域には、容量用多結晶シリ
コンを配置してある。
【0040】図22は、第3の実施形態である半導体装
置の断面図である。第3の実施形態の平面配置図は、第
2の実施形態の場合とまったく同様である。従って、第
3の実施形態の平面図は図14と同じである。依って、
図22は、図14に示す平面図の線D−D’に沿った断
面図である。第3の実施形態では第2の実施形態と異な
るエミッタ部の形成方法と構造とについてのみ説明す
る。探針パッドも第2の実施形態の場合とまったく同様
であるので、説明は省略する。
【0041】図23,24,25は、第3の実施形態を
説明するための工程断面図であって、第2の実施態様の
図16、図17及び図18と同様の製造工程を示してい
る。ただし、ここではベース電極用多結晶シリコン20
6がコレクタ用単結晶シリコンと直接には接してはいな
い。図26は、HF系の溶液によってロコス酸化膜20
4の一部をエッチングし、エミッタ用単結晶シリコン2
05を露出させた状態を示している。即ち、引き続きH
F系溶液によってロコス酸化膜204の一部を横方向へ
エッチングして、エミッタ用のn−型単結晶シリコン層
205及びベース電極用の多結晶シリコン206の下面
を露出させた段階の断面図である。この結果、ロコス酸
化膜204,単結晶シリコン205によって、エミッタ
コンタクト部220が形成される。
【0042】図27では、ベース領域を選択的エピタキ
シャル成長法によって形成した段階を示している。引き
続き、結晶成長の前処理の工程となる。低温エピタキシ
ャル成長の前処理の一環として、シリコン表面に保護膜
用のシリコン酸化膜を化学的方法により形成する。その
方法は、H. Hirayama et al., “Bipolar transistorfa
brication using selective epitaxial growth of P- a
nd B-doped layers in gas-source Si molecular beam
epitaxy,” IEEE Electron Device Lett., vol.11, no.
1, p.18 (1990) に示されている様に、NH3OH:H2
2:H2O=1:6:20の混合液によって、露出され
たコレクタ用のエピタキシャルシリコン層203の表面
及び露出されたベース電極用多結晶シリコン206の表
面に、この化学反応を用いた1nm程度の膜厚を持つシ
リコン酸化膜を形成する。
【0043】引き続き、結晶成長装置にウエハーを導入
する。ここでは、超高真空化学気相成長( Ultra high V
acuum Chemical Vapor Deposition: UHV-CVD ) 法を用
いることができる。この超高真空装置内部で850℃1
0分の熱処理によって、1nm厚さのシリコン酸化膜を
蒸発させる。この様にして、清浄なシリコン表面が得ら
れる。その後、選択的結晶成長法によってベース領域を
形成する。成長条件としては、ここではUHV/CVD
法を例として説明する。成長条件の一例を示せば、基板
温度605℃、Si26流量3sccmである。成長膜
にはホウ素をドープする。この成長の際、同時にベース
電極用多結晶シリコン206の表面にも、多結晶膜が成
長するが、ここでは図面上この多結晶成長を省略した。
【0044】次いで、真性ベース領域212を形成す
る。真性ベース領域212は3層から構成され、下か
ら、(1)層の厚さが30nmの無添加のSiGe合金
層(合金の組成は、深さ方向で一様にGe含有量が10
モル%、Si含有量が90モル%)、(2)厚さが30
nmのp型SiGe合金層(合金の組成は、Ge含有量
が深い方向へ向かって直線的に増加しているSiGe合
金。その中のホウ素は深さ方向に一様で、5×1018
-3)、及びその上に(3)Si層が30nm(ホウ素
が5×1017cm-3存在する。)の3層構造である。
【0045】次に、エミッタ部と探針パッド部全面にシ
リコン酸化膜256を堆積させる。先に成長させたベー
ス層の不純物分布がほとんど変化しない程度の低温成長
法(700℃以下が望ましい)でシリコン酸化膜を堆積
させる。開口部に充分に埋設できるようにするために
は、減圧化学気相成長法(Low pressure chemical vapo
r deposition:LPCVD )が好ましい。あとは、第1
および第2の実施例と同様である。即ち、図28に示す
ようにシリコン酸化膜256をエッチバックして側壁2
08を形成した後、第2実施例と同様にしてLPCVD
法により、エミッタ用の多結晶シリコン209を約2,
500Å堆積させる。このエミッタ多結晶シリコン20
9を異方性ドライエッチングにより全面エッチバックす
れば、図22に示すように狭い溝内に堆積した多結晶シ
リコン209はエッチングされないで残留すし、側壁2
08内には多結晶シリコン209が充填される。同時に
探針用パッド部に形成された溝内にも多結晶シリコン2
09−aが充填される。この様にして、n+型エミッタ
電極用多結晶シリコン209がプラグ状に形成される。
同時に探針用パッド部に形成された溝内にも探針用パッ
ド用の多結晶シリコン209−aが櫛状に形成される
(図22参照)。
【0046】
【発明の効果】本発明の半導体装置は、エミッタ多結晶
シリコンが開口内部に埋設されることで、エミッタ直上
の実効的な多結晶シリコンの高さが減る。結果としてエ
ミッタ多結晶シリコンの抵抗に起因するエミッタ抵抗を
低減できるので、トランジスタの特性が向上する。ま
た、探針用パッドを使用してトランジスタ特性を評価す
るに際しても、エミッタと探針用パッドとの間の抵抗が
小さいので正確な評価が可能となる。さらに、ウォール
ド・エミッタ構造を回避した場合には、フィールド端部
でのエミッタ不純物の異常拡散を回避できるので、耐圧
を正しく測定できる。また、本発明の半導体装置の製造
方法によれば、探針用パッドを形成するにあたり、エミ
ッタ多結晶シリコンをパターニングするためのフォトリ
ソグラフィー工程を省略できるので、大幅なコストダウ
ンとなる。さらに、UHV−CVD法により清浄なシリ
コン表面を得た後、選択的結晶成長法によってベース領
域を形成することにより、高特性のエミッタを形成する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の半導体装置の平面図
である。
【図2】 本発明の第1実施形態の半導体装置の主要部
を示す、
【図3】 本発明の第1実施形態の半導体装置の主要部
を示す、
【図4】 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造工
程を示す線A−A’に沿った工程断面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造工
程を示す線B−B’に沿った工程断面図である。
【図6】 図4に続く工程断面図である。
【図7】 図5に続く工程断面図である。
【図8】 図6に続く工程断面図である。
【図9】 図7に続く工程断面図である。
【図10】 図8,図9と同じ工程の、図1の線C−
C’に沿った断面図である。
【図11】 図1の線A−A’に沿った断面図である。
【図12】 図1の線B−B’に沿った断面図である。
【図13】 図11の楕円M内を拡大して示した図であ
る。
【図14】 本発明の第2実施形態の半導体装置の平面
図である。
【図15】 図14の線D−D’に沿った断面図であ
る。
【図16】 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造
工程を示す線D−D’に沿った工程断面図である。
【図17】 図16に続く工程断面図である。
【図18】 図17に続く工程断面図である。
【図19】 図18に続く工程断面図である。
【図20】 図19に続く工程断面図である。
【図21】 ファセットを説明する図である。
【図22】 本発明の第3実施形態の半導体装置の線D
−D’に沿った断面図である。
【図23】 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造
工程を示す線D−D’に沿った工程断面図である。
【図24】 図23に続く工程断面図である。
【図25】 図24に続く工程断面図である。
【図26】 図25に続く工程断面図である。
【図27】 図26に続く工程断面図である。
【図28】 図27に続く工程断面図である。
【図29】 従来のの半導体装置の一例を示す平面図で
ある。
【図30】 図29の線E−E’に沿った断面図であ
る。
【図31】 図29の線F−F’に沿った断面図であ
る。
【符号の説明】
1,101,301・・・・・シリコン基板、2-a,102
-a,302-a・・・・・n+型埋め込み層、2-b,102
-b,302-b・・・・・ p+型埋め込み層、3,103,
203,303・・・・・エピタキシャルシリコン層、4,
104,204,304・・・・・ロコス酸化膜、5,20
5,305・・・・・単結晶シリコン、6,106,20
6,306・・・・・ 多結晶シリコン、7,307・・・・・シ
リコン窒化膜、8,108,208,308・・・・・側
壁、9,109,209,309・・・・・多結晶シリコ
ン、10,110・・・・・溝、11,111,311・・・・・
外部ベース領域、12,112,212,312・・・・・
真性ベース領域、13,113,313・・・・・エミッタ
領域、20,220,320・・・・・エミッタコンタクト
部、21,121,321・・・・・エミッタコンタクト開
口部、22・・・・・エミッタ電極、30・・・・・ベースコンタ
クト部、31,131,331・・・・・ベースコンタクト
開口部、32・・・・・ベース電極、40,340・・・・・コレ
クタコンタクト部、41,341・・・・・コレクタコンタ
クト開口部、42・・・・・コレクタ電極、50,150,
250,350・・・・・探針用パッド、51,151,2
51,156,256・・・・・シリコン酸化膜、115・・・
・・容量、116・・・・・容量多結晶シリコン、152・・・・・
多結晶シリコン膜、153,154,254・・・・・シリ
コン窒化膜、155,255・・・・・フォトレジスト
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/04 H01L 29/50 B 21/822 29/417 Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 CC01 DD04 DD78 DD82 DD92 FF11 GG06 4M106 AA01 AA07 AB06 AD08 AD09 AD10 BA01 BA14 CA01 CA09 5F003 AZ09 BA97 BB06 BB07 BB08 BF90 BH02 BH16 BM01 BP06 BP31 BP93 5F033 HH04 HH08 JJ06 JJ08 KK01 KK04 LL04 MM01 MM21 QQ08 QQ31 QQ58 QQ59 QQ65 QQ73 QQ80 TT07 VV12 XX08 XX34 XX37 5F038 BE07 DT04 DT15 EZ02 EZ12 EZ20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイポーラトランジスタ半導体装置であ
    って、真性ベース領域上のエミッタ領域に接した多結晶
    シリコンからなるエミッタ電極部を有し、かつ該エミッ
    タ電極部に隣接するフィールド絶縁膜上にエミッタ電極
    と接した該多結晶シリコンが埋設された櫛状の溝を有
    し、かつ該櫛状の溝が探針できる程度の大きさの範囲に
    存在することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 バイポーラトランジスタ半導体装置であ
    って、真性ベース領域上のエミッタ領域に接した多結晶
    シリコンからなるエミッタ電極部を有し、前記ベース領
    域の周囲の境界部の一部又は全部の上に該ベースとは接
    触しない第2の多結晶シリコン膜を有し、かつ該エミッ
    タ電極部に隣接するフィールド絶縁膜上に前記第2の多
    結晶シリコン膜上の一部を通り、エミッタ電極と接した
    該多結晶シリコンが埋設された櫛状の溝を有し、かつ該
    櫛状の溝が探針できる程度の大きさの範囲に存在するこ
    とを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記櫛状の溝の幅がエミッタ多結晶シリ
    コンの厚さの2倍以下であることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記櫛状の溝の間隔がエミッタ多結晶シ
    リコンの厚さの2倍以下であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記櫛状の溝が100μm四方の範囲に
    存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の半導体装置。
  6. 【請求項6】 ベースコンタクト部のベース層が、無添
    加のSiGe合金層、p型SiGe合金層及びp型シリ
    コン層の3層構造からなることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 真性ベース及びエミッタを形成するため
    の開口を形成する際に、フィールド上のも櫛状に溝を形
    成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 プレーナ型バイポーラトランジスタの製
    造方法であって、埋め込み層と素子間分離領域を有する
    シリコン基板上に、ベース領域を形成し、該ベース領域
    を含む前記基板全面にシリコン窒化膜とシリコン酸化膜
    を形成した後、該ベース領域内の活性領域上の該シリコ
    ン酸化膜と該シリコン窒化膜をエッチングにより除去し
    て開口部を形成するとともに該開口部に隣接して櫛状の
    溝を形成し、次いで、該開口部にシリコン酸化膜を堆積
    後、引き続き異方性エッチングにより該シリコン酸化膜
    をエッチバックして前記開口部に側壁を形成し、次いで
    該開口部及び櫛状の溝を含む前記シリコン基板全面にポ
    リシリコン層を形成した後、該ポリシリコン層をエッチ
    バックしてエミッタ電極部と探針用パッド部を形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 ベース領域を選択的エピタキシャル成長
    法によって形成することを特徴とする請求項8に記載の
    半導体装置の製造方法。
JP2000272049A 2000-09-07 2000-09-07 半導体装置及びその製造方法 Withdrawn JP2002083815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000272049A JP2002083815A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000272049A JP2002083815A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 半導体装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002083815A true JP2002083815A (ja) 2002-03-22

Family

ID=18758246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000272049A Withdrawn JP2002083815A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002083815A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109390319A (zh) * 2017-08-09 2019-02-26 株式会社村田制作所 半导体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109390319A (zh) * 2017-08-09 2019-02-26 株式会社村田制作所 半导体装置
CN109390319B (zh) * 2017-08-09 2022-06-28 株式会社村田制作所 半导体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8067290B2 (en) Bipolar transistor with base-collector-isolation without dielectric
JP2629644B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3258123B2 (ja) 半導体装置
JP4138806B2 (ja) バイポーラトランジスタの形成方法
JP3890202B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US20090212394A1 (en) Bipolar transistor and method of fabricating the same
JPH0241170B2 (ja)
US8133791B2 (en) Method of manufacturing a bipolar transistor and bipolar transistor obtained therewith
JPH04330730A (ja) 半導体装置及びその製造方法
CN102386093A (zh) 双极性晶体管及其制造方法
US5763931A (en) Semiconductor device with SOI structure and fabrication method thereof
JP3646387B2 (ja) バイポーラトランジスタ
JP2002083815A (ja) 半導体装置及びその製造方法
EP0036620B1 (en) Semiconductor device and method for fabricating the same
JPH07273288A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3456864B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2680358B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP3688756B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US20160043202A1 (en) Self-aligned bipolar junction transistor having self-planarizing isolation raised base structures
JP3257523B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3303833B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP3707978B2 (ja) 半導体集積回路とその製造方法
JP5238940B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3196716B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0786301A (ja) バイポーラトランジスタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071204