JP2002082278A - 多点自動焦点カメラ - Google Patents

多点自動焦点カメラ

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JP2002082278A
JP2002082278A JP2000268943A JP2000268943A JP2002082278A JP 2002082278 A JP2002082278 A JP 2002082278A JP 2000268943 A JP2000268943 A JP 2000268943A JP 2000268943 A JP2000268943 A JP 2000268943A JP 2002082278 A JP2002082278 A JP 2002082278A
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Toshiyuki Matsumoto
寿之 松本
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動被写体を視線AFで検出する場合に、撮
影者が感じるスーパーインポーズ表示のちらつきが小さ
く、スーパーインポーズ表示が被写体移動(視線移動)に
対して追従遅れも感じないカメラを提供すること。 【解決手段】 複数の焦点検出領域を持つ多点自動焦点
カメラ10であって、これら複数の焦点検出領域の中で
焦点調節を行う領域をファインダ内に表示する測距エリ
ア表示部5と、撮影者の視線を検出する視線検出部4
と、被写体像の移動に関する量を演算する像移動演算部
3と、この視線検出部4の動作時にその像移動演算部3
および視線検出部4の検出結果に基づいて、その表示部
5における表示方法を変更する手段を備えた多点自動焦
点カメラを提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視線検出して測距
エリアを決定する多点焦点検出カメラに係わり、移動被
写体を撮影するAF機能を有するカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複数の測距点を有するカメラに関
する技術は数多い。三点から七点の測距点を有する多点
自動測距が可能なマルチポイントAF、略して「マルチ
AF」機能を有するカメラが多くみられる。最近ではそ
れ以上の測距点を有するカメラが製品化され、測距点の
数はさらに増加する傾向にある。将来は殆ど全画面に測
距点を配するようになる可能性もある。
【0003】このような多点測距カメラで測距点を選択
する方法として、撮影者の視線を検出して撮影者が注視
している測距点を選択する技術、いわゆる「視線AF」
技術が知られている。
【0004】視線AF技術で移動する被写体を撮影する
場合には、撮影者はその移動被写体を注視する撮影方法
になる。例えばこの場合の技術例としての特開平10−
268186号公報では、連続的に焦点検出とレンズ駆
動を行う(コンティニュアスAF、サーボAF等の)A
Fモードで視線検出を行う場合に、焦点検出に先立って
視線検出をする技術が開示されている。
【0005】また、多点測距カメラの選択した測距点を
表示する方法として、一般に「スーパーインポーズ」と
呼ばれる表示方法が用いられる。これは、ファインダ内
の測距点表示を直接LED等で照明してその測距点を表
示する方法である。
【0006】従来、動体撮影時に行う「動体AF」と、
上述のような「視線AF」と「スーパーインポーズ」技
術を兼ね備えたカメラの中には、動体AFモードでは視
線AFの動作を禁止してスーパーインポーズを消灯させ
るカメラもあれば、動体AFモードでも視線AFの動作
を許可してスーパーインポーズ表示も行うカメラも存在
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題点がある。測距点数が少ない
場合にはさほど問題はないが、測距点数が多くなるにし
たがって視線検出時間と測距演算時間が長くかかり、撮
影者の視線移動にその測距演算とスーパーインポーズ表
示が追従しにくいという問題点がある。
【0008】これは動体撮影時に顕著に起こるものであ
り、動体撮影時には撮影者は主に動体を注視しているの
で、動体の速度が速い場合には注視点移動が速くなるか
らである。この場合には、撮影者から見ると少し遅れて
注視点のスーパーインポーズ表示が点灯するようにな
り、追従遅れ(タイムラグ)を感じるようになる。ま
た、動体の場合にはファインダ内で頻繁にスーパーイン
ポーズ表示の点灯位置が変わるので、ちらつきが生じて
撮影者にとってはチカチカするように感じることもあ
る。
【0009】上記「動体AFモードでは視線AFの動作
を禁止してスーパーインポーズを消灯させるカメラ」
は、このような問題点を解決しており、追従遅れもチカ
チカ感も無くしているが、反面、せっかくの視線AFが
動体AFモードで使用できないという問題点が発生す
る。このタイプのカメラは測距点数が多目のカメラに多
く、視線検出時間と測距演算時間がかかるためにこのよ
うな不具合となっている。
【0010】また、上記「動体AFモードでも視線AF
の動作を許可してスーパーインポーズ表示も行うカメ
ラ」は、測距点数が少な目のカメラに多く、このまま測
距点数を多くするとやはり追従遅れとチカチカ感の問題
点が発生するので、測距点をこれ以上増加できない不具
合となる。
【0011】本発明は、上述のような従来の技術の問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動被写
体を視線AFで検出する場合において、撮影者が感じる
スーパーインポーズ表示のちらつきを小さくするととも
に、スーパーインポーズ表示が被写体移動(視線移動)
に対して追従遅れも感じないような多点自動焦点カメラ
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するため、本発明では次のような手段を講じてい
る。即ち第1の発明によれば、複数の焦点検出領域を持
つ多点自動焦点カメラにおいて、それら複数の焦点検出
領域の中で焦点調節を行う領域をファインダ内に表示す
る表示手段と、撮影者の視線を検出する視線検出手段
と、被写体像の移動に関する量を演算する像移動演算手
段と、前記視線検出手段の動作時に、前記像移動演算手
段と視線検出手段の検出結果(像移動量)に基づいて、前
記表示手段における表示方法を変更する変更手段と、を
備えるような多点自動焦点カメラを提案する。
【0013】前記変更手段は、被写体像の移動速度が速
い場合には、前記表示手段における表示を消灯もしくは
減光させることを特徴とする、第1の発明に記載のカメ
ラを提案する。また、前記変更手段は、被写体像の移動
速度が速い場合には、前記視線検出手段の出力ではなく
移動被写体が存在すると判断される焦点検出領域を表示
させることを特徴とする、第1の発明に記載のカメラを
提案する。同じく前記変更手段において、前記表示手段
における表示を露光後に表示させることを特徴とする、
第1の発明に記載の多点自動焦点カメラを提案する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、複数の実施形態を挙げて
本発明の要旨について詳しく説明する。 (第1実施形態)図1には、一眼レフカメラに適用した
本発明の多点自動焦点カメラ(即ち多点自動測距カメ
ラ)の特徴的な構成部分を概念的に示している。このカ
メラは、被写体に対する焦点検出のための信号を出力す
るAFセンサで成る焦点検出部1と、この焦点検出部1
からの信号を演算して撮影レンズのデフォーカス量を得
る焦点演算部2と、を有する一眼レフカメラである。
【0015】さらにこのカメラは、被写体が移動してい
る場合に、上記焦点演算部2の演算結果に基づいてデフ
ォーカス量の変化から被写体移動に伴う像移動量を演算
するため動体予測演算部として働く像移動演算部3と、
撮影者の視線を検出する視線検出部4と、ファインダ内
のスーパーインポーズ表示及び、上記視線検出部4で検
出した撮影者の観ている測距領域を選択領域として点灯
表示する表示手段としての測距エリア表示部5とを備え
ている。
【0016】また本発明のカメラでは、像移動演算部3
で演算した像移動量に基づいて、測距エリア表示部5の
表示方法を種々の形態に変更することができる変更手段
を、所定の制御プログラムの一部に備えている。
【0017】この一眼レフカメラに適用した本実施形態
に例示の多点自動焦点カメラ(多点自動測距カメラ)
は、図2に断面構造図で示したような各種の主要構成要
素から作られている。
【0018】カメラ本体10の光軸上には、撮影レンズ
11が交換可能に装着されている。また、光を所定の割
合で分割して、後述のファインダ光学系とAFユニット
15にその光の一部を導くメインミラー12と、同じく
その光の一部をAFユニット15に導くサブミラー13
と、が配設され、露光時は上部に跳ね上がって退避する
ように構成されている。
【0019】上記メインミラー12の後方にはシャッタ
14が開閉可能に設けられている。またその下方には、
公知のTTLパッシブ位相差検出方式で焦点を検出する
ためAFユニット15が配設されている。
【0020】上記AFユニット15は次の構成要素から
作られている。すなわち、入射光の赤外成分をカットし
て、正確な焦点検出を可能にする赤外カットフィルタ1
6と、光束を集光させるコンデンサレンズ17と、その
光束を直角に反射させる全反射ミラー18と、その光束
を二分割してそれぞれエリアセンサ21上に再結像させ
るセパレータレンズ19と、光束の通過量を制限する視
野マスク20と、集光検出用の光電変換素子で成るエリ
アセンサ21とから構成される。
【0021】さらに、上記メインミラー12の上方に形
成されたペンタハウスには、ファインダ光学系および視
線検出装置を構成する次のような構成要素が設けられて
いる。すなわち、撮影レンズ11の予定結像面に配置さ
れたピント板22と、ファインダ光学系に光を導くコン
デンサレンズ23と、ファインダ光路変更用のペンタプ
リズム24とが光軸上に配置されている。
【0022】また、被写体輝度を測定するための結像レ
ンズ25と測光センサ26と、撮影者の眼球27の視線
方向を検出するため公知の視線検出装置28〜33が設
けられている。
【0023】さらには、眼球27を照明する光源として
LED28,29が配置される。ただしその個数は二つ
とは限らず、数個のLEDが眼球27を照明するように
配置されていてもよい。
【0024】光軸上には、上記ペンタプリズム24に隣
接して接眼レンズ30が配置されている。また、可視光
を透過して赤外光を反射するミラーであり、視線検出用
のイメージセンサ33に光を分割する光分割器31と、
受光レンズ32と、イメージセンサ33が設けられてい
る。
【0025】上記イメージセンサ33は、CCD等の光
電変換素子列からなるエリアセンサで、受光レンズ32
に関して所定の位置にある眼球27の瞳孔近傍と共役に
なるように配置される。LED28,29の眼球27に
よる反射光を受光して、撮影者の視線を検出する。
【0026】上記ペンタプリズム24に隣接した前方に
は、周知のスーパーインポーズ装置34〜37が配置さ
れており、これは、投光用プリズム34と、集光レンズ
35と、後述の図5で説明するように測距枠で成る測距
枠板36と、測距領域数に応じて複数配置されるスーパ
ーインポーズ用LED37から構成されている。
【0027】選択測距領域に応じたLED37が点灯す
ると、それに応じた測距領域の測距枠板36が照明され
て、撮影者には図5のように測距枠が点灯するように見
える。それぞれの測距領域で、撮影レンズ11からの光
とLED37からの光のパララックスが無いように、予
め調整されている。
【0028】具体的にこの多点自動測距カメラの詳細構
成とその動作について説明すると、図3には、このカメ
ラの電気制御系を含む機能ブロックを示している。その
各部の構成において、制御部40は、カメラ全体の統括
的な制御を行い、この内部には、例えばCPUからなる
演算・処理部41と、ROM42と、RAM43と、A
/Dコンバータ44とを備えている。
【0029】上記制御部40は、ROM42に格納され
たカメラシーケンス・プログラム(詳細後述)に従って
カメラの一連の動作を制御する。またEEPROM45
には、AF制御、測光等に関する補正データをそのカメ
ラボディ毎に固有の情報として記憶保持することができ
る。
【0030】さらに制御部40には、エリアセンサ2
1、レンズ駆動部46、エンコーダ47、測光部49、
シャッタ駆動部50、絞り駆動部51、及びフィルム駆
動部52が、この制御部40と相互通信可能に接続され
ている。
【0031】このような構成において、レンズ駆動部4
6は、制御部40の制御に基づき、撮影レンズ11の不
図示のフォーカシングレンズをモータML48で駆動す
る。このとき、エンコーダ47は、フォーカシングレン
ズの移動量に応じたパルスを発生させて制御部40に送
り、レンズ駆動が適宜制御される。
【0032】また測光部49は、撮影領域に対応したS
PD(シリコンフォトダイオード)26を有しており、
被写体の輝度に応じた出力を発生する。制御部40は、
測光部49の測光結果をA/Dコンバータ44によりデ
ジタル信号化させて、その測光値をRAM43に格納す
る。シャッタ駆動部50及び絞り駆動部51は、制御部
40からの所定の制御信号により動作し、それぞれ不図
示のシャッタ機構及び絞り機構を駆動してフィルム面に
露光を行う。
【0033】フィルム駆動部52は、制御部40からの
所定の制御信号によりフィルムのオートローディング
や、巻上げ及び巻戻し動作を行う。ファーストレリーズ
スイッチ(以下1RSWと称す)53とセカンドレリー
ズスイッチ(以下2RSWと称す)54は、不図示のレ
リーズボタンに連動したスイッチであり、レリーズボタ
ンの第1段階の押下げ操作により最初に1RSW53が
オンし、引き続いて第2段階の押下げ操作で2RSW5
4がオンする。
【0034】制御部40は、1RSW53のオンで測光
およびAF(自動焦点調節)処理を行い、2RSW54
のオンで露出動作とフィルム巻上げ動作を行うように各
部位を適宜制御している。
【0035】図4には、公知のTTLパッシブ位相差検
出方式(略してTTLパッシブ方式)の測距光学系を例
示しており、図示の如く撮影レンズ11の射出瞳Hの領
域Ha、Hbをそれぞれ通過して入射してきた被写体光
束が視野マスク20に入射する場合の測距方式である。
【0036】コンデンサレンズ17で集光された光束
は、セパレータレンズ19であらかじめ二つに分割され
てから、視野マスク20(左のマスク20a、右のマス
ク20b)をそれぞれ通過して、エリアセンサ21(即
ち、左のセンサ21a、右のセンサ21b)に入射す
る。
【0037】左右のエリアセンサ21から出力される被
写体像データに対して公知の相関演算を施して、左右の
二像間隔が検出される。そしてこの測距方式では、この
検出された二像間隔値と基準値との差がデフォーカス量
に対応し、求めたデフォーカス量より撮影レンズ11の
駆動量を演算する。
【0038】また、図5にファインダ内のスーパーイン
ポーズの表示例を示す。これは、測距点が七点ある場合
の表示例であり、ここでの七点は、エリアセンサ21の
全領域を七つの領域に分割したものである。
【0039】例えば、横に並んだ五点の測距領域(表示
60〜64)、その上下に並んだ二点の測距領域(表示
65,66)を設定した一例であり、撮影者の視線を検
出して、その撮影者が見ている測距点を目立つ色に点灯
させて表示する。
【0040】図示した中央の測距領域60を撮影者が見
ている場合の例では、既に説明の如く、LED37の中
央領域に対応するLEDを点灯して、その中央の測距領
域60を更に赤で点灯させている。
【0041】ここで、図6(a)〜図7(b)に示す説
明図に沿って動体検出の原理について概説する。被写体
70、カメラ本体10及びエリアセンサ21の出力の関
係をみると、例えば図6(a)に示すように、カメラ本
体10に向かって被写体70が真っ直ぐに近づいている
(矢印G3方向)場合、周知のTTLパッシブ方式の焦
点検出原理により、第1(L)及び第2(R)センサ上の第
1及び第2の被写体像は、時刻t1からt2の間に互い
に外側へ移動する。この場合、被写体像の移動量ΔXL
とΔXRは等しい。時刻t1での二像間隔をZ1、時刻
t2での二像間隔をZ2とする(図7(a),
(b))。
【0042】同様に、被写体70がカメラ本体10に対
して、横方向に移動する場合(図6(b))、斜めに接
近する場合(図6(c))、斜めに遠ざかる場合(図6
(d))も、TTLパッシブ方式の焦点検出原理から図
のように被写体像が移動する。
【0043】複数の二像間隔データ(ここでは、時刻t
1と時刻t2での二像間隔をZ1とZ2)から、未来
(ここでは、時刻t3)の二像間隔Z3を予測して、予
測した二像間隔に基づいてデフォーカス量を演算する。
すなわち、Z3=f(Z1、Z2、t)のように、二像
間隔と時刻の関数から算出される。三回以上の二像間隔
データに基づいてもよい。
【0044】前述した構成をもつ第1実施形態に係わる
カメラの制御における特徴について、図8のフローチャ
ートを参照して説明する。このフローチャートは、制御
部40が行うカメラ制御に係わるメインシーケンスを表
わしている。まずステップS100において、カメラ本
体のパワースイッチがオン操作されると、カメラの各機
能が初期化されて撮影可能な状態となる(S100)。
【0045】ステップS101はレリーズ操作の待機ル
ープであり、1RSW53がオンしているか否かを判断
し、オンされるまで待つ(S101)。オンされると、
ステップS102にて、不図示の撮影モード選択スイッ
チで視線検出モードが選択されているか否かを判断する
(S102)。選択されていなければステップS104
に移行する。視線検出モードが選択されると、ステップ
S103にて、所定の視線検出を行って撮影者が注視し
ている測距領域を判断する(S103)。
【0046】ステップS104において、測光部49で
被写体輝度を測光して、シャッタスピードと絞り値を演
算する(S104)。ステップS105にて、後述の焦
点演算を行う(S105)。
【0047】ステップS106においては、上記焦点演
算の結果、測距可能であったかを判断し、可能であれば
ステップS110に移行する(S106)。もし測距不
能であれば、ステップS107にて、測距不能の場合
に、不図示の測距不能表示をファインダ内に表示して、
撮影者に測距不能であることを知らせる(S107)。
【0048】ここで、ステップS108において、1R
SW53のオン・オフ状態を判断して、1RSWがオン
の期間は上記ステップS107で表示した測距不能表示
を維持する(S108)。1RSWがオフになると、ス
テップS109にて、測距不能表示を消去して(S10
9)、上記ステップS101に戻る。
【0049】ステップS110においては、測距可能な
場合には撮影レンズ11を駆動して被写体に合焦させる
(S110)。ステップS111,S112において
は、1RSW53と2RSW54の状態を判断し、もし
2RSW54がオンしていればステップS113に移行
し、もし2RSW54がオフで1RSW53がオンして
いれば2RSW54がオンになるまで待ち、もし1RS
W53と2RSW54が両方ともオフならば上記ステッ
プS101に戻る(S111、S112)。
【0050】そして、ステップS113にて露光動作を
行う。詳しくは、メインミラー12をアップさせ、シャ
ッタ駆動部50でシャッタ14を上記ステップS104
にて演算した時間だけ開口駆動させ、同時に絞り駆動部
51で不図示の絞りを上記ステップS104にて演算し
た開口値まで駆動し、露光後にメインミラー12をダウ
ンして、シャッタ14を初期位置にチャージする(S1
13)。
【0051】その後は、ステップS114にて、フィル
ム駆動部52でフィルムを1コマ巻き上げ(S11
4)、上記ステップS101に戻って、次回の撮影に備
える。
【0052】更に図9に示すフローチャートでは、上記
ステップS105の「測距」演算ルーチンの手順を詳し
く表わしている。ステップS200において、エリアセ
ンサ21の積分量を制御して、最適の積分量を与える
(S200)。
【0053】ステップS201にて、センサデータをエ
リアセンサ21から読み出して、RAM43に格納する
(S201)。ステップS202にて、センサデータに
公知の相関演算を行い、図7で説明した二像間隔につい
て演算する(S202)。
【0054】ステップS203においては、上記ステッ
プS202の結果、二像間隔が演算可能であったか否か
を判断する(S203)。これは、センサデータのコン
トラストや信頼性から判断する。もし測距不能の場合に
はリターンする。
【0055】ステップS204においては、不図示の撮
影モード選択スイッチで動体撮影モードが選択されてい
るか否かを判断する(S204)。動体撮影モードが選
択されていればステップS207に移行する。もし選択
されていなければ、ステップS205にて、不図示の撮
影モード選択スイッチで視線検出モードが選択されてい
るか否かを判断する(S205)。もし選択されていれ
ばステップS211に移行する。
【0056】ステップS206においては、動体撮影モ
ード、視線検出モードのいずれでもないので、所定のア
ルゴリズムに従って選択された測距領域をスーパーイン
ポーズ表示する(S206)。上記所定のアルゴリズム
とは、例えば最も至近位置にある被写体の測距領域を選
択するアルゴリズムである。
【0057】ステップS207においては、動体撮影モ
ードの場合、動体検出に必要な回数の測距が完了してい
るか否かを判断する(S207)。もし未完了の場合
は、上記ステップS200に戻って所定回数、測距を繰
り返す。
【0058】測距が完了後、ステップS208におい
て、像移動量を演算する(S208)。ここでは、図7
で説明の如く、未来の二像間隔Z3と過去の二像間隔Z
2、あるいはZ1との差を演算する。ステップS209
にて、不図示の撮影モード選択スイッチで視線検出モー
ドが選択されているかを判断する(S209)。もし選
択されていなければステップS213に移行する。
【0059】視線検出モードが選択されると、ステップ
S210において、上記ステップS208で演算した像
移動量が所定値よりも大きいかを判断する(S21
0)。すなわち、被写体の光軸方向の移動速度が速いか
遅いかを判断する。所定値よりも大きい場合は、ステッ
プS212に移行する。
【0060】ステップS211において、動体撮影モー
ドかつ視線検出モードで被写体が遅い場合、または、動
体撮影モードでなくて視線検出モードの場合、撮影者が
注視している測距領域をスーパーインポーズ表示する
(S211)。その後はステップS214に移行する。
【0061】一方、ステップS212において、動体撮
影モードかつ視線検出モードで被写体が速い場合、撮影
者が注視している測距領域のスーパーインポーズ表示の
仕方を変更する(S212)。具体的には、スーパーイ
ンポーズ表示を消灯したり、あるいは減光したりして、
撮影者のちらつきを緩和する(図10で詳説)。また、
ステップS213において、動体撮影モードで視線検出
モードでない場合は、移動被写体が存在する測距領域の
スーパーインポーズ表示をする(S213)。
【0062】ステップS214においては、上記ステッ
プS202、S208の演算結果に基づいて、撮影レン
ズ11のデフォーカス量を演算する(S214)。そし
て、ステップS215にて、演算したデフォーカス量に
基づき、撮影レンズ11の合焦までの駆動量を演算する
(S215)。
【0063】ここで、図10(a),(b)にスーパー
インポーズ表示の二例を挙げる。図10(a)には被写
体像速度の速い場合を示し、図10(b)には被写体像
速度の遅い場合を示している。
【0064】図10(a)のような高速で走る電車など
をアップ気味に撮影した場合では、エリアセンサ21上
もしくは光軸上の像の移動速度は比較的速い。このとき
には、図9中のステップS210でYesと判断されて
ステップS212に移行した場合である。よって、動体
(電車)の存在する測距エリア(例えば、測距エリア6
0)は視線検出モードであるにもかかわらず、消灯して
いる。
【0065】なお、同図10(a)では消灯している
が、図9のステップS212で述べたように、減光して
表示してもよい。減光するには、LED37に流れる電
流を小さくすればよい。
【0066】図10(b)のようなトコトコと走る子供
などを撮影した場合では、エリアセンサ21上もしくは
光軸上の像の移動速度は比較的遅い。このときには、図
9中のステップS210でNoと判断されてステップS
211に移行した場合である。よって、動体の存在する
測距エリア(例えば、測距エリア60)は視線検出モー
ドであるので、撮影者が注視している動体が存在する測
距エリアは点灯している。なお、ここでは図9中のステ
ップS206の動体撮影モードでない場合と同じ明るさ
で点灯する。
【0067】(作用効果1)このように第1実施形態に
よれば、移動速度の速い被写体を注視して撮影する場合
に、スーパーインポーズを消灯もしくは減光するので、
ちらつきによる煩わしさを無くすことができるととも
に、表示の追従遅れ(タイムラグ)を感じない。一方、
移動速度の遅い被写体を注視して撮影する場合には、通
常点灯してもエリア間の視線移動が遅いので、ちらつき
による煩わしさも表示の追従遅れも感じない。
【0068】(第2実施形態)次に本発明の第2実施形
態について説明する。但しここでは、カメラの構成は前
述の第1実施形態と実質的に同じであり、その説明は省
略する。また、第1実施形態における制御を示した図8
と図9のフローチャートも実質的に同じであるが、次の
ような像移動量演算にこの第2実施形態の特徴を有す
る。
【0069】図11のフローチャートは、上記図9中の
ステップS208で行う像移動量演算アルゴリズムに関
する手順が示している。まずステップS300において
は、図6で説明したt=t1における左(L)像のセン
サデータと、t=t2における左像のセンサデータ同士
で相関演算を行い図中のΔXLを演算する(S30
0)。
【0070】すなわち、上記ステップS202で説明し
た相関演算は、t=t1における左像のセンサデータと
右像のセンサデータ同士で相関演算を行うものであり、
左右の二像間隔Z1が演算できた。同じように、異なる
時間の左のセンサデータ同士で相関演算を行うと、左の
二像間隔すなわちΔXLが演算できる。同様にΔXRも
演算できる。
【0071】次にステップS301において、上記ステ
ップS300と同様にして、図6で説明したt=t1に
おける右(R)像のセンサデータと、t=t2における
右像のセンサデータ同士で相関演算を行い、図中のΔX
Rを演算する(S301)。
【0072】その後、ステップS302にて、ベクトル
量であるΔXLとΔXRの差の絶対値を像移動量ΔXと
する(S302)。
【0073】このように、第2実施形態では前述の第1
実施形態と像移動量演算の方式が異なる。つまり、第1
実施形態が二像間隔の差から演算したのに対して、この
第2実施形態では、それぞれ左右のセンサデータ同士の
移動量から像移動量を演算している。
【0074】また第2実施形態では、左右の移動量を独
立して前記ステップS210において判断することによ
って、図6で示したような左右方向にも移動する被写体
の移動も評価できる。
【0075】すなわち、ステップS210において、移
動量の判断項目はΔXLとΔXRであり、それぞれもし
くは両方が所定の判定値よりも大きい場合にはステップ
S212へ移行し、小さい場合にはステップS211に
移行する。
【0076】なお、上記ステップS302で演算したΔ
Xも判断項目の一つにしてもよい。複数の測距エリア間
にまたがって左右の像移動量を演算すると、より正確な
移動量が演算できる。
【0077】(作用効果2)このように実施することに
より、前述の第1実施形態に比べて図6で示した左右方
向への被写体の移動量が演算できるので、より正確に、
しかもちらつきによる煩わしさを無くすことができると
ともに、表示の追従遅れを感じないようにできる。
【0078】(第3実施形態)つづいて本発明の第3実
施形態について説明する。ただし、カメラの構成におい
ては前述同様に第1実施形態と実質的に同じであるので
その説明は省略する。また、制御手順を示す図8のフロ
ーチャートも同じである。
【0079】図12のフローチャートには、第3実施形
態における測距演算について示している。ただし、第3
実施形態として図12に示すステップS200〜S21
5は、図9中の同符号のステップと実質的に同じであ
る。なお、ステップS208とS210の処理ステップ
は、前述の第1実施形態の場合でも第2実施形態の場合
でもよい。
【0080】第3実施形態の特徴としてのステップS2
16においては、動体撮影モードで視線検出モードのと
き、像移動量が所定値よりも大きい場合には、視線検出
を無視して移動被写体が存在する測距領域のスーパーイ
ンポーズ表示をする。またこのときに、ちらつきを緩和
するために減光してもよい。
【0081】(作用効果3)このように第3実施形態に
おいては、被写体が速い場合には、合焦精度を上げるた
め遅い場合よりタイムラグの短縮が重視される。実施に
よって、注視点と検出表示の時間的な違和感が更に無く
なる。
【0082】また、視線検出を無視して移動被写体が存
在する測距エリアを選択するようにしているので、スー
パーインポーズ表示が被写体移動(視線移動)に対して
追従遅れを感じないようにできる。
【0083】(第4実施形態)さらに本発明の第4実施
形態について説明する。ただし、カメラの構成において
は前述の第1実施形態と実質的に同じであるのでその説
明は省略する。図13には、第4実施形態におけるメイ
ンシーケンスをフローチャートで示す。また図14のフ
ローチャートには、前記ステップS105の測距演算を
この第4実施形態の特徴として詳しく示している。な
お、これまで説明した実施形態と同一の動作をするステ
ップには同一の番号を付し、その説明は省略する。
【0084】第4実施形態の特徴としては、ステップS
115にて、スーパーインポーズ表示を露光後にも一定
時間表示を継続し、一定時間経過後に消灯する。これに
より、撮影後にも選択した測距エリアが確認できる。な
お、演算処理部41のタイマ割込み機能でこの上記ステ
ップS115と並行処理してもよい。
【0085】ステップS217においては、図9(第1
実施形態の測距ルーチン)のステップS210とS21
2とを無くし、それらの代わりにステップS217を入
れる。これは、動体撮影モードであり且つ視線検出モー
ドの場合に、スーパーインポーズ表示を消灯する。この
処理ステップのみであれば第1実施形態と大差ないが、
上記ステップS115を設けることによって撮影後に確
認することが可能となる。
【0086】なお、この第4実施形態では前記ステップ
S210の像移動量の大小判断を省略しているが、これ
を省略せずに、像移動量が所定値よりも大きいときの
み、ステップS217に移行するようにしてもよい。
【0087】(作用効果4)このように第4実施形態に
おいては、前述の第1実施形態と同等な効果を達成で
き、かつ、スーパーインポーズ表示が消灯しても露光後
に選択測距エリアを確認することが可能となる。
【0088】(変形例)上述した各実施形態は次のよう
に変形実施してもよい。例えば、実施形態として一眼レ
フカメラに適用した例で説明したが、レンズシャッタカ
メラに適用してもよい。また、エリアセンサを例に説明
したが、ラインセンサを複数配置してもよい。これら変
形実施によっても、前述の実施形態と同等な効果が期待
できる。このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変形実施が可能である。
【0089】以上、実施形態に基づき説明したが、本明
細書中には次の発明が含まれる。 (1) 被写体に対する焦点検出用の信号を出力する焦
点検出部と、上記焦点検出部からの信号を演算して撮影
レンズのデフォーカス量を得る焦点演算部と、該被写体
が移動している場合に、上記焦点演算部の演算結果に基
づいて、デフォーカス量の変化から被写体移動に伴う像
移動量を演算する動体予測演算部と、撮影者の視線を検
出する視線検出部と、ファインダ内のスーパーインポー
ズ表示及び、上記視線検出部で検出した撮影者の見てい
る測距領域を選択領域として点灯表示する測距エリア表
示部と、動体予測演算部で演算した像移動量に基づき、
上記測距エリア表示部の表示形態を変更する変更手段
と、を具備することを特徴とする多点自動焦点カメラを
提供できる。
【0090】(2) 上記変更手段は、視線追従動体A
Fモードにおいて、スーパーインポーズ表示を、被写体
の移動速度に応じて消灯、または減光するように変更指
示することを特徴とする(1)に記載のカメラを提供で
きる。
【0091】(3) 上記変更手段は、視線追従動体A
Fモードにおいて、被写体が所定速度より速いばあいに
は、被写体の注視点よりも動体存在エリアを選択して点
灯表示するように変更指示することを特徴とする(1)
に記載のカメラを提供できる。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、移動被写体を視線AF
で検出する場合において、撮影者が感じるスーパーイン
ポーズ表示のちらつきを小さくするとともに、スーパー
インポーズ表示が被写体移動(視線移動)に対して追従
遅れも感じないような多点自動焦点カメラを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を一眼レフレックスカメラに適
用した多点自動焦点カメラの概略的な構成を示すブロッ
ク構成図。
【図2】図2は、本発明を一眼レフレックスカメラに適
用した場合の主要部の構成を示す断面構成図。
【図3】図3は、図2に図示したカメラの電気制御系を
含む各部の構成と機能を示すブロック構成図。
【図4】図4は、TTLパッシブ位相差検出方式の測距
光学系を示す斜視図。
【図5】図5は、ファインダ内のスーパーインポーズ表
示例を示す説明図。
【図6】図6(a)〜(d)は、動体検出の原理を示す
説明図。
【図7】図7(a),(b)は、動体検出の原理を示す
説明図。
【図8】図8は、本発明の第1実施形態のカメラにおけ
るメインシーケンスを示すフローチャート。
【図9】図9は、図8中のステップS105の測距演算
を示す詳細フローチャート。
【図10】 図10(a),(b)はスーパーインポー
ズ表示例であり、図10(a)は、被写体像速度の速い
場合の表示例を示す説明図、図10(b)は、被写体像
速度の遅い場合の表示例を示す説明図。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態の像移動量
演算を示す詳細フローチャート。
【図12】図12は、本発明の第3実施形態の測距演算
を示す詳細フローチャート。
【図13】図13は、本発明の第4実施形態のカメラに
おけるメインシーケンスを示すフローチャート。
【図14】図14は、第4実施形態の測距演算を示す詳
細フローチャート。
【符号の説明】
1…焦点検出部(AFセンサ)、 2…焦点演算部、 3…像移動演算部(像移動演算手段:動体予測演算
部)、 4…視線検出部(視線検出手段)、 5…測距エリア表示部(表示手段)、 10…カメラ本体、 11…撮影レンズ、 12…メインミラー、 13…サブミラー、 14…シャッタ、 15…AFユニット、 16…赤外カットフィルタ、 17…コンデンサレンズ、 18…全反射ミラー、 19…セパレータレンズ、 20…視野マスク、 21…エリアセンサ(光電変換素子)、 22…ピント板(予定結像面)、 23…コンデンサレンズ、 24…ペンタプリズム(ファインダ光路変更用)、 25…結像レンズ、 26…測光センサ(被写体輝度測定用)、 27…撮影者の眼球、 28〜33…視線検出装置(視線方向検出用)、 28,29…LED(眼球照明用光源)、 30…接眼レンズ、 31…光分割器(ミラ
ー)、 32…受光レンズ、 33…イメージセンサ(光電変換素子列のエリアセン
サ)、 34〜37…スーパーインポーズ装置、 34…投光用プリズム、 35…集光レンズ、 36…測距枠板、 37…スーパーインポーズ用LED、 40…制御部(CPU:変更手段)、 41…演算処理部、 42…ROM、 43…RAM、 44…A/Dコンバータ、 45…EEPROM、 46…レンズ駆動部、 47…エンコーダ、 48…モータML、 49…測光部、 50…シャッタ駆動部、 51…絞り駆動部、 52…フィルム駆動部、 53…ファーストレリーズスイッチ(1RSW)、 54…セカンドレリーズスイッチ(2RSW)、 60…中央の測距領域(表示部)、 61〜66…横・上下の測距領域(表示部)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の焦点検出領域を持つ多点自動焦点
    カメラにおいて、 前記複数の焦点検出領域の中で焦点調節を行う領域をフ
    ァインダ内に表示する表示手段と、 撮影者の視線を検出する視線検出手段と、 被写体像の移動に関する量を演算する像移動演算手段
    と、 前記視線検出手段の動作時に、前記像移動演算手段と検
    出手段の検出結果、即ち像移動量に基づいて、前記表示
    手段における表示方法を変更する変更手段と、 を具備することを特徴とする多点自動焦点カメラ。
  2. 【請求項2】 前記変更手段は、被写体像の移動速度が
    速い場合には、前記表示手段における表示を消灯もしく
    は減光させることを特徴とする、請求項1に記載の多点
    自動焦点カメラ。
  3. 【請求項3】 前記変更手段は、被写体像の移動速度が
    速い場合には、前記視線検出手段の出力ではなく、移動
    被写体が存在すると判断される焦点検出領域を表示させ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の多点自動焦点カ
    メラ。
  4. 【請求項4】 前記変更手段は、前記表示手段における
    表示を露光後に表示させることを特徴とする、請求項1
    に記載の多点自動焦点カメラ。
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