JP2002081567A - ソレノイドバルブ - Google Patents

ソレノイドバルブ

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JP2002081567A
JP2002081567A JP2000272592A JP2000272592A JP2002081567A JP 2002081567 A JP2002081567 A JP 2002081567A JP 2000272592 A JP2000272592 A JP 2000272592A JP 2000272592 A JP2000272592 A JP 2000272592A JP 2002081567 A JP2002081567 A JP 2002081567A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ソレノイドバルブ本体の軸方向の長さを短縮
でき、かつコイルを励磁したときに必要な吸引力が確保
できるソレノイドバルブを提供する。 【解決手段】 コイル51を内臓する固定鉄心52に吸
引される可動鉄心53を有するソレノイド部14と、前
記可動鉄心53に連結される弁部材12を内臓する磁性
材料のバルブボディ11とを連結したソレノイドバルブ
1において、前記バルブボディ11に形成された凹部2
4に前記固定鉄心52が嵌まり込む状態にして前記ソレ
ノイド部14を前記バルブボディ11に固設し、前記凹
部24の内周と前記固定鉄心の外周との間に非磁性材料
のリング部材15を介在させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ディーゼル
エンジンなどの燃料噴射器を作動させるのに適したソレ
ノイドバルブに関し、特に、軸方向の長さを短縮できる
ソレノイドバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ディーゼルエンジンなどに用いら
れる燃料噴射器には、予め所定圧力で蓄圧しておいた燃
料を噴射する蓄圧式の燃料噴射器と、噴射時に燃料を加
圧して噴射する増圧式の燃料噴射器とが存在する。
【0003】増圧式の燃料噴射器は、作動流体(加圧燃
料)の供給を受けて燃料を圧縮する増圧ピストンを有す
る増圧機構を備え、増圧された燃料の圧力に応じて作動
するニードル弁を介してノズル噴孔から燃料を超高圧で
噴射供給するものである。増圧機構の増圧ピストンを作
動させるために、増圧ピストンの増圧室への作動流体
(加圧燃料)の給排を切り換える3ポート2位置式のソ
レノイドバルブが燃料噴射器の頭部に一体に取り付けら
れる。
【0004】蓄圧式の燃料噴射器は、ニードル弁を含む
可動部材の噴孔と反対側に制御圧力室を配設し、この制
御圧力室に対する燃料圧力の供給又は遮断により、燃料
噴射量及び燃料噴射タイミングを制御するものである。
この制御圧力室に対する燃料の供給又は遮断のために、
2ポート2位置式のソレノイドバルブが燃料噴射器の頭
部に一体に取り付けられる。
【0005】いずれの方式の燃料噴射器も、ソレノイド
バルブが燃料噴射器本体に一体に取り付けられる。これ
らのソレノイドバルブは、コイルを内蔵する固定鉄心に
吸着される可動鉄心を有するソレノイド部と、前記可動
鉄心に連結される弁部材を内蔵する磁性材料のバルブボ
ディとを連結する構造となっている。ソレノイド部の特
に固定鉄心とバルブボディとは軸方向に直列に接続さ
れ、コイルの通電によって固定鉄心に形成される磁束が
磁性材料のバルブボディに漏れないようになっている。
例えば、実開平7−20478に記載されているソレノ
イドバルブは、コイルを内部に収納したステータ(固定
鉄心)の周囲を非磁性リングで囲って同一端面を形成
し、弁が形成される磁性材料のハウジング(バルブボデ
ィ)の端面を前記端面に突き合わせ状にして組み付けて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した構造の従
来のソレノイドバルブは、ステータ(固定鉄心)がハウ
ジング(バルブボディ)の外部に突出した状態で組み付
けられているため、ソレノイドバルブの軸方向の長さが
長くなるという問題点を有していた。
【0007】例えば、ソレノイドバルブが燃料噴射器本
体の頭部に連設され、エンジン等に搭載される場合に
は、搭載スペース等の制約から、軸方向寸法が規制され
ることがある。そこで、ソレノイドバルブ本体の長さを
短縮する方法として、固定鉄心の長さを短くすることが
考えられる。しかしながら、固定鉄心の長さを短くする
と、コイルを励磁したときに生じる吸引力が必要な量だ
け確保できなくなる。したがって、固定鉄心の長さを短
くすることにも限界がある。
【0008】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、ソレノイドバルブの軸方向の
長さを短縮でき、かつコイルを励磁したときに必要な吸
引力が確保できるソレノイドバルブを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成する請
求項1に記載のソレノイドバルブは、コイルを内蔵する
固定鉄心に吸引される可動鉄心を有するソレノイド部
と、前記可動鉄心に連結される弁部材を内蔵する磁性材
料のバルブボディとを連結したソレノイドバルブにおい
て、前記バルブボディに形成された凹部に前記固定鉄心
が嵌まり込む状態にして前記ソレノイド部を前記バルブ
ボディに固設し、前記凹部の内周と前記固定鉄心の外周
との間に非磁性材料のリング部材を介在させたことを特
徴とするものである。この請求項1の構成によれば、固
定鉄心をバルブボディの凹部に嵌め込み、弁と固定鉄心
の距離を縮めることにより、ソレノイドバルブ本体の軸
方向の長さを大幅に短縮するとともに、固定鉄心の必要
な長さを確保する。また、非磁性材料のリング部材を固
定鉄心の外周と前記凹部の内周との間に介在させること
により、固定鉄心のコイル周辺に発生した磁力線が磁性
材料のバルブボディに漏洩して、可動鉄心に対する吸引
力が減少することを防止する。
【0010】請求項2に記載のソレノイドバルブは、請
求項1に記載の発明において、前記可動鉄心が前記固定
鉄心と向き合う平板状に形成され、前記凹部内に前記可
動鉄心が収容されている。この請求項2の構成によれ
ば、平板状の可動鉄心が固定鉄心と広い面積で向き合う
ので、固定鉄心の長さが短くても、必要な吸引力を発生
させることができる。また、可動鉄心の軸方向の厚さを
薄くすることと固定鉄心の軸方向長さを短くすることに
より、ソレノイドバルブ本体の長さを更に短縮すること
ができる。
【0011】請求項3に記載のソレノイドバルブは、請
求項1または2に発明において、前記リング部材の外周
は前記凹部の内周に対してネジ込みで固定され、前記リ
ング部材の内周には前記固定鉄心が嵌入され、前記固定
鉄心の外周に嵌められたシール部材を介して前記リング
部材の内周に対してシールされている。この請求項3の
構成によれば、リング部材の内周が固定鉄心側のOリン
グなどのシール部材のシール面を形成しているため、リ
ング部材による確実なシールが出来るとともに、固定鉄
心をバルブボディに固定する部材にシール機能を持たせ
る必要がなくなり、カバー等の固定部材を小型にでき
る。
【0012】請求項4に記載のソレノイドバルブは、請
求項3に記載の発明において、前記リング部材の先端は
前記凹部の底面に対して面で当接することにより面シー
ルを形成している。この請求項4の構成によれば、バル
ブボディの凹部にねじ込まれるリング部材の先端が前記
凹部の底面との間で面シールを形成するため、リング部
材の厚みを最小限にしてシール機能を達成することがで
きる。
【0013】請求項5に記載のソレノイドバルブは、請
求項2に記載の発明において、前記リング部材の内周側
であって前記可動鉄心の外周に位置する部分に非磁性材
料のスペーサが配設され、前記リング部材の内周に嵌入
される前記固定鉄心の前記凹部に対する位置が前記スペ
ーサで決まり、前記固定鉄心は、前記バルブボディに固
定されるカバーに押されて前記スペーサに当たるように
なってる。この請求項5の構成によれば、平板状の可動
鉄心に向き合う固定鉄心のバルブボディに対する位置が
スペーサで決まり、バルブボディ側の弁部材に連結され
る可動鉄心と固定鉄心との間隔を微小で正確なものにす
ることができる。
【0014】請求項6に記載のソレノイドバルブは、請
求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記バル
ブボディは増圧式の燃料噴射器本体の頭部に連設され、
前記弁部材の軸方向と前記燃料噴射器本体の軸方向とが
直交する向きである。この請求項6の構成によれば、増
圧式の燃料噴射器の頭部に連設されるソレノイドバルブ
は、増圧室への作動流体(加圧燃料)の給排を切り換え
るために3ポート2位置になるとともに、ソレノイドバ
ルブの弁部材の軸方向と燃料噴射器本体の軸方向とを直
交させて全体がコンパクトに形成される。そのため、ソ
レノイドバルブの軸方向長さが短いものが有効となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
に従って説明する。図1は、本発明の実施形態のソレノ
イドバルブの組立断面図であり、図2は、ソレノイドバ
ルブのソレノイド部の側から見た側面図であり、図3
は、ソレノイドバルブの各部品の軸方向展開図である。
【0016】図1において、ソレノイドバルブ1は、バ
ルブボディ11内に弁部材12を収容し、バルブボディ
11に弁座部材13をネジ込み、ソレノイド部14をリ
ング部材15を介してバルブボディ11内に一部挿入状
態にして取り付けて構成される。
【0017】バルブボディ11は磁性材料の切削加工品
であり、その内部に、第1弁孔21、第2弁孔22、第
1ねじ孔23、凹部としての第2ねじ孔24が、このソ
レノイド14に向かって順次拡径して開放状態になるよ
うに設けられている。このバルブボディ11には、第1
弁孔21に開口する供給ポート25と、第2弁孔22に
開口する入出力ポート26と、第2ねじ孔24の底面4
1に開口する排出ポート27とが設けられている。第1
弁孔21の入口であって第2弁孔22との境界には、第
2弁座28が形成されている。
【0018】図3に示されるように、弁部材12は、第
1弁孔21内を軸方向に摺動するシリンダ31と、第2
弁座28にソレノイド部14から離れる方向で着座する
第2弁部32と、後述する弁座部材13にソレノイド部
14に向かう方向で着座する第1弁部33と、中心軸に
沿った貫通孔34と、貫通孔34のソレノイド部14に
近い側に設けられた雌ねじ35とを有する。第1弁部3
3は、リング状の突起で形成されており、第2弁部32
は円錐面で形成されている。
【0019】図3において、第1ねじ孔23の底面36
は、軸心に直角な面となった研磨面に形成されている。
弁座部材13は磁性材料の切削加工品であり、外周の雄
ねじ37と、軸直角面であって研磨された端面38と、
弁部材12の端部が遊嵌される貫通孔39と、ねじ込み
工具を嵌める工具孔40とを有する。端面38の外側は
第1ねじ孔23の底面36に対する当接面38aとな
り、端面38の内側は第1弁部33に対する第1弁座3
8bとなる。第1ねじ孔23の底面36及び弁座部材1
3の当接面38aは研磨されているため、第1ねじ孔2
3の雌ねじと雄ねじ37が所定締めつけ力でねじ込まれ
た状態では、シール面を形成する。
【0020】図3において、ソレノイド部14は、コイ
ル51を内蔵する短円筒状の固定鉄心52と、この固定
鉄心52に吸引される円形平板状の可動鉄心53と、固
定鉄心52の中心の陥没孔に収容される押しばね54
と、ボルト部材55と、非磁性材料のカバー56とを備
えて構成される。ボルト部材55の雄ねじ55aは弁部
材12の雌ねじ35にねじ込まれ、ボルト部材55の頭
部55bが可動鉄心53に係合し、弁部材12と可動鉄
心53は一体的に固定される。図1に明瞭に示されるよ
うに、ボルト部材55の貫通孔55cと、可動鉄心53
の周囲の貫通孔53aとにより、弁部材12のシリンダ
31の内部室と排出ポート27が連通し、弁部材12の
軸方向の摺動がシリンダ31の内部室の作動流体の圧縮
で阻害されないようになっている。
【0021】図1において、ソレノイド部14による吸
引方向と逆向きに付勢する押しばね54は固定鉄心52
とボルト部材55の間に配設され、コイル51の非通電
時には、第1弁部33が第1弁座38bから離座し、第
2弁部32が第2弁座28に着座する。このようにし
て、図5に示すように、第2弁座28と第2弁部32が
第2の弁Aを形成し、第1弁部33と弁座部材13の後
述する第1弁座38bが第1の弁Bを形成する。
【0022】図1に示されるように、ソレノイド部14
の固定鉄心52の先端側はバルブボディ11の第2ねじ
孔24内に進入している。そのため、固定鉄心52の磁
力線が磁性材料のバルブボディ11に流れる程度を少な
くするため、バルブボディ11の第2ねじ孔又は凹部2
4の内周と固定鉄心52の外周との間にステンレス材等
の非磁性材料のリング部材15を介在させる構造になっ
ている。図3において、リング部材15は、外周の雄ね
じ15aと、内周面15bと、先端面15cとを有す
る。バルブボディ11の第2ねじ孔24の底面41、及
びリング部材15の先端面15cは、互いに研磨されて
いる。第2ねじ孔24にリング部材15を所定締め付け
力でねじ込むと、底面41と先端面15cの間に面シー
ルが形成される。固定鉄心52の外周溝にシール部材で
あるOリング57が嵌められており、このOリング57
によってリング部材15の内周面15bと固定鉄心52
の外周との間がシールされる。この面シールとOリング
57によって、排出ポート27に至る空間が外部に対し
てシールされる。
【0023】図1に示されるように、固定鉄心52は非
磁性材料のスペーサ16を介することにより第2ねじ孔
24の底面41に対して位置決めされ、カバー56でバ
ルブボディ11に向けて押し込まれている。図2に示す
ように、カバー56は、ボルト56bでバルブボディ1
1の端面に対して取り付け可能な四角フランジ56aを
有する。カバー56をバルブボディ11に取り付けるこ
とにより、固定鉄心52のバルブボディ11に対する位
置が決まる。また、図1のスペーサ16内に可動鉄心5
3の円形平板の外周が嵌まる位置関係となっている。
【0024】リング部材15とスペーサ16の存在によ
り、固定鉄心52をバルブボディ11内に嵌め込む構造
であっても、コイル51の通電による固定鉄心52への
可動鉄心53の吸引が効率的に行われる。また、固定鉄
心52とバルブボディ11との間のシールがリング部材
15を介して省スペースで行われる。さらに、スペーサ
16とカバー56の締め付け構造により、バルブボディ
11に対する固定鉄心52の位置も正確に決まる。
【0025】上記構造のソレノイドバルブ1の組み上げ
手順を図3により説明する。バルブボディ11の弁孔2
1、22内に弁部材12を挿入する。つぎに、弁座部材
13の雄ねじ37を第1ねじ孔23にねじ込む。雄ねじ
37の第1ねじ孔23への締め付け力は、弁部材12の
第1弁部33が第1弁座38bに着座する時の力に対抗
できる軸力が発生し、第1ねじ孔23の底面36と弁座
部材13の当接面38aとの間の面シールを形成するこ
とができる力以上とする。つぎに、第2ねじ孔24にリ
ング部材15の雄ねじ15aをねじ込む。雄ねじ15a
の第2ねじ孔24への締め付け力は、第2ねじ孔24の
底面41とリング部材15の先端面15cの間の面シー
ルを形成することができる力以上とする。
【0026】リング部材15内にスペーサ16を嵌め、
弁部材12と可動鉄心53とを合わせ、ボルト部材55
の雄ねじ55aを弁部材12の雌ねじ35にねじ込む。
ボルト部材55により、弁部材12と可動鉄心53とが
一体となる。つぎに、押しばね54とOリング57を保
持する固定鉄心52をリング部材15の内周面15bに
嵌める。最後に、カバー56を固定鉄心52に被せ、図
2のボルト56bにより、カバー56をバルブボディ1
1に引き込む。固定鉄心52はスペーサ16に向かって
押し込まれて位置決めされる。
【0027】以上のソレノイドバルブ1の開閉作動を図
1及び図4により説明する。図1はソレノイド部14の
コイル51が非通電の状態を示し、図4はソレノイド部
14のコイル51が通電の状態を示す。図1において、
コイル51が非通電のため、可動鉄心53及び弁部材1
2は、押しばね54により、ソレノイド部14から離れ
る方向に向かって押される。この状態では、第2弁座2
8に第2弁部32が着座し、第1弁座38bから第1弁
部33が離座し、供給ポート25と入出力ポート26が
遮断され、入出力ポート26と排出ポート27が連通す
る。
【0028】図4において、コイル51に通電される
と、固定鉄心52に磁力線が形成され、可動鉄心53及
び弁部材12がソレノイド部14に向かう方向に吸引さ
れて軸方向に移動する。この状態では、第2弁座28が
第2弁部32から離座し、第1弁座38bに第1弁部3
3が着座し、入出力ポート26と排出ポート27が遮断
され、供給ポート25と入出力ポート26が連通する。
【0029】以上説明した実施の形態のソレノイドバル
ブ1は以下の効果を有する。 (1)図1において、バルブボディ11に形成された凹
部24に、コイル51を内蔵する固定鉄心52の略半分
が嵌まり込むことにより、ソレノイドバルブ1の軸方向
の長さを大幅に短縮することができる。
【0030】(2)通常、固定鉄心52の一部をバルブ
ボディ11に嵌め込んだ場合、固定鉄心52内のコイル
51に電流を流すことにより、コイル51の周辺に発生
した磁力線が磁性材料で構成されるバルブボディ11へ
漏洩してしまう。しかしながら、非磁性材料のリング部
材15を固定鉄心52とバルブボディ11の間に介在さ
せることによって、漏洩する磁力線を低減することがで
きる。これにより、コイル51を励磁したときに生じる
吸引力を必要な量だけ確保することができる。
【0031】(3)リング部材15の内側には、外周に
シール部材57が嵌められた固定鉄心52が嵌入してお
り、このシール部材57により、リング材15の内周部
と固定鉄心52の外周部におけるシール機能が省スペー
スで確実に確保される。
【0032】(4)リング部材15はバルブボディ11
の凹部としての第2ねじ孔24の内周に対してねじ込み
により固定されており、リング部材15の先端は、バル
ブボディ11に形成された第2ねじ孔24の底面41に
対して面で当接しており、面シールが形成される。これ
により、リング部材15とバルブボディ11の間のシー
ル機能が省スペースで確実に確保される。
【0033】(5)固定鉄心52が、スペーサ16を介
してバルブボディ11とカバー56とによって、挟まれ
る状態で固定されることにより、固定鉄心52のバルブ
ボディ11に対する位置が決まり、固定鉄心52と可動
鉄心53との相対的な位置関係が正確に決まり、両者の
間の隙間を厳密にして、軸方向に短い固定鉄心52の磁
束を可動鉄心53に効率的に導くことができる。
【0034】さらに、前述したソレノイドバルブ1が適
用される燃料噴射器2の構造を図5により説明する。図
5において、燃料噴射器2は、下端が段61a付きで開
放され、上端の内側に雌ネジ61bが形成されたケーシ
ング61内に、第1ブロック62、第2ブロック63、
第3ブロック64および第4ブロック65を下から順に
挿入し、バルブボディ11の入出力ポート26の向きに
突出する突出部66の外周の雄ねじ66aを前記雌ねじ
61bにねじ込み、ソレノイドバルブ1の下方に、突出
部66及び第4ブロック65内に形成された増圧機構3
と、第1ブロック62〜第3ブロック64内に形成され
た噴射機構4を順に配設して形成される。この燃料噴射
器2は図示のように噴射機構4を下にした下向き姿勢で
ディーゼルエンジンなどのエンジンに組み付けられる。
【0035】増圧機構3は、突出部66内に、軸方向摺
動自在なプランジャ71を増圧ピストン72に連結し、
このプランジャ71に戻しばね73を作用させた状態で
収容して構成される。第4ブロック65内には、小径孔
状の増圧室74が形成され、この増圧室74にプランジ
ャ71が摺動自在に嵌入されている。突出部66内に大
径孔状の加圧室75が形成され、この加圧室75に増圧
ピストン72が摺動自在に嵌入されている。この加圧室
75は、入出力ポート26に連通している。
【0036】ケーシング61の第4ブロック65に対応
する部分の側面に、燃料供給口76が開口している。こ
の燃料供給口76から増圧室74に至る通路77には、
燃料供給口76から増圧室74に向かう方向を順方向と
する逆止弁78が配設されている。戻しばね73が収容
される空間は、ドレン通路79を経て排出ポート27に
連通している。
【0037】噴射機構4は、下端に噴射口81を開口さ
せた段62a付の円柱形状の第1ブロック62内と第2
ブロック63内とに、軸方向摺動自在なニードル82と
押しばね83を収容し、第3ブロック64で蓋をして構
成される。第3ブロック64の通路77は、第2ブロッ
ク63及び第1ブロック62内の通路84を経て高圧燃
料の貯留部85に連通している。
【0038】次に、上述した構成の燃料噴射器2の作動
を図5により説明する。燃料の噴射開始前には、ソレノ
イドバルブ1のコイル51は消磁状態であり、弁部材1
2に接続された可動鉄心53に押しバネ54が作用する
ことにより、バルブボディ11との間の第2の弁Aが閉
じ、弁座部材13との間の第1の弁Bが開き、入出力ポ
ート26を介して加圧室75と排出ポート27とが連通
する。
【0039】加圧室75と排出ポート27が連通する
と、増圧ピストン72は戻しバネ73のばね力により上
方に付勢されるプランジャ71を介して上方に移動し、
逆止弁78を経て燃料供給口76から増圧室74に低圧
の燃料が充填される。増圧室74に連通する貯留部85
も低圧となって、ニードル82は押しばね83のばね力
により噴射口81を遮断する非噴射位置となる。
【0040】燃料の噴射時には、噴射開始前の状態から
ソレノイドバルブ1のコイル51を励磁する。コイル5
1を励磁すると、弁部材12に連結された可動鉄心53
が固定鉄心52に吸引され、第1の弁Bが閉じ、第2の
弁Aが開き、入出力ポート26を介して、加圧室26と
供給ポート25とが連通する。
【0041】供給ポート25から高圧の作動流体が加圧
室75内に流入するので、加圧室75内の圧力は上昇す
る。加圧室75内の圧力が上昇すると、増圧ピストン7
2の外径とプランジャ71の外径の比率で決まる増圧比
で増圧室74の燃料が加圧される。このとき、逆止弁7
8は閉じた状態になっており、増圧室74の高圧は、通
路84を経て貯留部85内の燃料まで伝搬する。貯留部
85の高圧燃料が所定圧力に達すると、ニードル82に
上向きに作用する力が押しバネ83の付勢力に打ち勝
ち、ニードル82が上方に移動して噴射口81から高圧
燃料が噴射される。
【0042】高圧燃料の噴射が終わると、コイル51が
非励磁となり、弁部材12に連結された可動鉄心53に
押しバネ54が作用することにより、第1弁Bが開き、
第2の弁Aが閉じることにより、入出力ポート26を介
して、加圧室75と排出ポート27とが連通して、加圧
室75に導入されていた作動流体が排出ポート27から
排出される。以上の繰り返しにより、高圧燃料が所定間
隔毎に噴射される。
【0043】このような増圧式の燃料噴射器2にあって
は、ソレノイドバルブ1が3ポート2位置式となって、
入出力ポート26が中心に位置する関係上、ソレノイド
バルブ1の軸心は、燃料噴射器2の本体の軸心と直交す
る関係となる。このとき、3ポート2位置式のソレノイ
ドバルブ1は2ポート2位置式のソレノイドバルブに比
較して軸方向に長くなるが、軸方向長さを切り詰めたソ
レノイドバルブ1であるため、燃料噴射器2の頭部をコ
ンパクトに形成することができる。そのため、エンジン
搭載時の設置スペースの制限をクリアすることができ
る。
【0044】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように変更して実施してもよ
い。 (1)ソレノイド部14における可動鉄心53の形状
は、平板状のものが好ましいが、その他の形状のもので
あってもよい。例えば固定鉄心52の中心孔内に嵌まり
込む棒状の可動鉄心であってもよい。さらに、この棒状
の鉄心に平板状の鉄心を取り付けた可動鉄心であっても
よい。 (2)バルブボディ11及び弁座部材13と弁部材12
との間で形成される弁は二つに限らず一つであってもよ
い。図5において、第2の弁Aが省略され、第1の弁B
だけであって、供給ポート25と入出力ポート26が常
時連通し、第1の弁Bが入出力ポート26と排出ポート
27の間を連通又は遮断するだけのものであってもよ
い。この場合、第1の弁Bの弁座が弁座部材13のソレ
ノイド部14側に形成され、コイル51の通電によっ
て、弁座から離座する形式の弁であってよい。 (3)リング部材15にシール機能を持たせるものが好
ましいが、リング部材15を単なる介在部材とし、カバ
ー56にバルブボディ11及び固定鉄心52に対するシ
ール機能を持たせるものであってもよい。この場合、カ
バー56とバルブボディ11の間に軸方向の嵌合部分を
設け、この嵌合部分のいずれか一方にシール部材を配置
すればよい。 (4)バルブボディ11と固定鉄心52の位置決めはス
ペーサ16によるものが好ましいが、リング部材15の
内周の内径を大小にして段を設け、この段に固定鉄心5
2を当てるものであってもよい。
【0045】(5)ソレノイドバルブを燃料噴射器と組
み合わせる場合、増圧式の燃料噴射器に限らず、蓄圧式
の燃料噴射器など他の方式の燃料噴射器と組み合わせて
もよい。蓄圧式の燃料噴射器と組み合わせる場合、2ポ
ート2位置式になるため、ソレノイドバルブの弁体の軸
方向と燃料噴射器本体の軸方向とが一致する配列であっ
てもよい。 (6)本発明のソレノイドバルブは、燃料噴射器に取り
付けて使用するだけでなく、エンジン回りの燃料又は空
気の給排に対して、軸方向の長さを短縮する必要性のあ
る場合に、ソレノイドバルブ本体の単独又はその他の機
器の組み合わせとして採用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、磁性材料のバルブボディに形成された凹
部に非磁性材料のリング部材を介して固定鉄心を嵌め込
むため、ソレノイドバルブ本体の軸方向の長さを大幅に
短縮することができるとともに、コイル周辺に発生した
磁力線がバルブボディに漏洩するのを低減することがで
きる。すなわち、ソレノイドバルブ本体の軸方向の長さ
の短縮と、ソレノイド部の固定鉄心による可動鉄心の強
力な吸引力の両方を並立させることができる。
【0047】請求項2に記載の発明によれば、可動鉄心
が固定鉄心と向き合う平板状に形成されているため、固
定鉄心の長さが短くても、必要な吸引力を発生させるこ
とができ、ソレノイドバルブ本体の長さを更に短縮する
ことができる。
【0048】請求項3または4に記載の発明によれば、
凹部にねじ込まれるリング部材がバルブボディと固定鉄
心の間のシール機能を有するため、確実なシール機能を
達成できる。また、固定鉄心をバルブボディに固定する
ためのカバーにシール機能を持たせる必要がなくなり、
カバーの構造を簡素化し、リング部材を付加したことに
よる外径方向への拡大を抑えることができる。
【0049】請求項5に記載の発明によれば、スペーサ
により固定鉄心のバルブボディに対する位置が正確に決
まるため、可動鉄心と固定鉄心との間隔が厳密なものと
なり、固定鉄心の可動鉄心に対する吸引力を有効に作用
させることができる。
【0050】請求項6に記載の発明によれば、増圧式燃
料噴射器では、3ポート2位置式のソレノイドバルブを
燃料噴射器の軸方向と直交するように頭部に連設するこ
とになるため、ソレノイドバルブの軸方向の長さが短く
なり、エンジン搭載時の設置スペースの関係から極めて
有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のソレノイドバルブであっ
て、コイルが非通電状態にあるときの組立断面である。
【図2】図1のソレノイドバルブのソレノイド部の側か
ら見た側面図である。
【図3】図1のソレノイドバルブの各部品の軸方向展開
図である。
【図4】本発明の実施形態のソレノイドバルブであっ
て、コイルが通電状態にあるときの組立断面である。
【図5】図1のソレノイドバルブを頭部に有する燃料噴
射器の組立断面図である。
【符号の説明】
1 ソレノイドバルブ 2 燃料噴射器 11 バルブボディ 14 ソレノイド部 15 リング部材 16 スペーサ 24 凹部 36 底面(シール面) 51 コイル 52 固定鉄心 53 可動鉄心 56 カバー 57 シール部材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 51/00 F02M 51/00 F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを内蔵する固定鉄心に吸引される
    可動鉄心を有するソレノイド部と、前記可動鉄心に連結
    される弁部材を内蔵する磁性材料のバルブボディとを連
    結したソレノイドバルブにおいて、前記バルブボディに
    形成された凹部に前記固定鉄心が嵌まり込む状態にして
    前記ソレノイド部を前記バルブボディに固設し、前記凹
    部の内周と前記固定鉄心の外周との間に非磁性材料のリ
    ング部材を介在させたことを特徴とするソレノイドバル
    ブ。
  2. 【請求項2】 前記可動鉄心が前記固定鉄心と向き合う
    平板状に形成され、前記凹部内に前記可動鉄心が収容さ
    れる請求項1に記載のソレノイドバルブ。
  3. 【請求項3】 前記リング部材の外周は前記凹部の内周
    に対してネジ込みで固定され、前記リング部材の内周に
    は前記固定鉄心が嵌入され、前記固定鉄心の外周に嵌め
    られたシール部材を介して前記リング部材の内周に対し
    てシールされる請求項1または2に記載のソレノイドバ
    ルブ。
  4. 【請求項4】 前記リング部材の先端は前記凹部の底面
    に対して面で当接することにより面シールを形成する請
    求項3に記載のソレノイドバルブ。
  5. 【請求項5】 前記リング部材の内周側であって前記可
    動鉄心の外周に位置する部分に非磁性材料のスペーサが
    配設され、前記リング部材の内周に嵌入される前記固定
    鉄心の前記凹部に対する位置が前記スペーサで決まり、
    前記固定鉄心は、前記バルブボディに固定されるカバー
    に押されて前記スペーサに当たる請求項2に記載のソレ
    ノイドバルブ。
  6. 【請求項6】 前記バルブボディは増圧式の燃料噴射器
    本体の頭部に連設され、前記弁部材の軸方向と前記燃料
    噴射器本体の軸方向とが直交する向きである請求項1〜
    3のいずれかに記載のソレノイドバルブ。
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