JP2002080915A - 水性廃液から重金属を回収する方法 - Google Patents

水性廃液から重金属を回収する方法

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恭啓 湯川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性廃液に含まれる重金属を低められたスラ
ッジ量で分離し、そのスラッジから重金属を分離回収す
る方法を提供する。 【解決手段】 水性廃液からそれに含まれている溶存重
金属を回収する方法において、(i)該廃液に、アルカ
リ性物質及び凝集促進剤を添加して該廃液のpHを7〜
13に調整するとともに、該溶存重金属を不溶化させて
沈殿を形成させる重金属の不溶化工程、(ii)該沈殿を
該廃液からスラッジとして分離するスラッジの分離工
程、(iii)該スラッジからそれに含まれる重金属を回収
する重金属回収工程からなり、該スラッジ中に含まれる
重金属とアルカリ性金属との割合が、下記式(1) M/(M+A)≧0.2 (1) (式中、Mはスラッジ中に含まれる重金属のモル数を示
し、Aはスラッジ中に含まれるアルカリ性金属のモル数
を示す)を満たす割合であることを特徴とする廃液から
重金属を回収する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性廃液中からそ
れに含まれる重金属を回収する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、水中に含まれる溶存重金属イ
オンの除去方法としては、水中に水酸化ナトリウムや水
酸化カルシウム等のアルカリ性物質を添加して、不溶性
の水酸化物として沈殿させる方法が知られている。この
ような方法において、アルカリ性物質として水酸化ナト
リウムを使用するときには、生成するスラッジ(重金属
含有沈殿物)の発生量は少ないものの、そのスラッジ粒
子が小さく分離しにくいという欠点がある。従って、こ
れまでは、水酸化カルシウムがもっぱら使用されてきた
が、この場合には、スラッジ発生量が多いという欠点が
ある。また、発生したスラッジは、最終処分場で処分さ
れているが、その処理コストが非常にかかるのと処分場
の不足が深刻な問題になってきている。さらに、重金属
資源の大部分を輸入している我が国にとっては、スラッ
ジ中に含まれる重金属を資源として有効利用することは
非常に重要な課題である。このように環境問題と資源問
題の両面から廃棄物を出さないゼロエミッション技術の
確立が強く求められており、廃液中に含まれる重金属の
回収利用についてもその必要が唱えられている。これま
でにも、スラッジから重金属を回収し再利用しようとす
る試みは多くなされてきたが、回収そのものは既存の分
離技術で行うことができるが、スラッジ中に含まれる重
金属の含有率が低いため、経済的に問題があり、実用化
されている例はほとんどない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水性廃液に
含まれる重金属を低められたスラッジ量で分離し、その
スラッジから重金属を分離回収する方法を提供すること
をその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、水性廃液からそれに
含まれている溶存重金属を回収する方法において、
(i)該廃液に、アルカリ性物質及び凝集促進剤を添加
して該廃液のpHを7〜13に調整するとともに、該溶
存重金属を不溶化させて沈殿を形成させる重金属の不溶
化工程、(ii)該沈殿を該廃液からスラッジとして分離
するスラッジの分離工程、(iii)該スラッジからそれに
含まれる重金属を回収する重金属回収工程からなり、該
スラッジ中に含まれる重金属とアルカリ性金属との割合
が、下記式(1) M/(M+A)≧0.2 (1) (式中、Mはスラッジ中に含まれる重金属のモル数を示
し、Aはスラッジ中に含まれるアルカリ性金属のモル数
を示す)を満たす割合であることを特徴とする廃液から
重金属を回収する方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、スラッジ中の
重金属の割合を調節するための手段として、凝集促進剤
を用いる。この場合、凝集促進剤としては、廃液中でア
ルカリにより不溶化された重金属の凝集沈殿を促進さ
せ、それにより、重金属沈殿剤として添加するアルカリ
性物質の添加量を低減させるような物質であればどのよ
うなものでもよい。このようなものとしては、好ましく
は、カルボキシル基含有親水性高分子物質及び/又はそ
の加水分解生成物が用いられる。また、無害性多価金属
化合物や、リン酸化合物等も用いられる。これらの凝集
促進剤は、単独又は混合物の形で用いることができる。
【0006】前記カルボキシル基含有親水性高分子物質
には、各種の水溶性高分子物質が包含される。このよう
な高分子物質としては、アルギン酸、ジエランガム、キ
サンタンガム、ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸、
アニオン化でんぷん、アルギン酸プロピレングリコール
エステル、カルボキシメチルセルロース、デンプングリ
コール酸、繊維素グリコール酸等の多糖類及びそれらの
金属塩等が挙げられる。
【0007】本発明では、特に、アルギン酸ナトリウム
やアルギン酸カルシウムの使用が好ましいが、このもの
を用いる場合には、アルギン酸を構成しているマンヌマ
ロン酸(M)とグルロン酸(G)の含有比率(モル比)
[M]/[G]が、0.1〜4.0、好ましくは0.1
〜3の範囲にあるものの使用が好ましい。グルロン酸の
含有比率が多いもの程、フロック形成性にすぐれてい
る。
【0008】本発明において凝集促進剤として用いる前
記カルボキシル基含有親水性高分子物質は、単独又は混
合物の形態で用いることができる。混合物としては、ア
ルギン酸又はその塩を含有する混合物の使用が好まし
い。この場合のアルギン酸又はその塩を含有する好まし
い混合物としては、(i)アルギン酸又はその塩と、
(ii)ジエランガム、キサンタンガム、ペクチン、ペク
チン酸、ペクチニン酸及びそれらの塩の中から選ばれる
少なくとも1種の親水性高分子物質との混合物を挙げる
ことができる。その混合比を示すと、例えば、アルギン
酸ナトリウムと他のアニオン基含有親水性高分子物質と
の混合物を用いる場合、アルギン酸ナトリウム(A)と
他のアニオン基含有親水性高分子物質(B)との重量比
[A]/[B]は、1〜100、好ましくは2〜50で
ある。
【0009】本発明で用いられる凝集促進剤には、無害
性の多価金属化合物が包含される。このようなものに
は、各種の水溶性多価金属化合物、例えば、硫酸第一
鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第2鉄、ポリ塩化第
2鉄、ポリ硫酸第二鉄等の鉄化合物の他、硫酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アル
ミン酸ソーダ等のアルミニウム化合物、水酸化カルシウ
ム、塩化カルシウム等のカルシウム化合物、硫酸マグネ
シウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のマ
グネシウム化合物が包含される。
【0010】本発明で用いられる凝集促進剤には、リン
酸化合物が包含される。リン酸化合物としては、リン酸
(H3PO4)の他、水中で加水分解してリン酸を生成す
る化合物、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素2ナ
トリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸カリウム、
リン酸水素2カリウム、リン酸2水素カリウム、ヘキサ
ンメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等
が挙げられる。
【0011】本発明で用いる凝集促進剤において、その
使用割合は、(i)カルボキシル基含有親水性高分子物
質の場合、廃液中の溶存重金属100重量部当り、0.
001〜100重量部、好ましくは0.01〜10重量
部の割合である。(ii)無害性多価金属化合物の場合、
その使用割合は、溶存重金属100重量部当り、0.0
1〜500重量部、好ましくは0.1〜100重量部の
割合である。(iii)リン酸化合物の場合、その使用割
合は、溶存重金属100重量部当り、0.01〜500
重量部、好ましくは0.1〜100重量部の割合であ
る。
【0012】本発明に用いる凝集促進剤は、カルボキシ
ル基含有親水性高分子物質に対して、無害性多価金属化
合物及びリン酸化合物の中から選ばれる少なくとも1種
を組合せて用いるのが好ましい。この場合、カルボキシ
ル基含有親水性高分子物質1重量部当り、無害性多価金
属化合物の割合は1〜5000重量部、好ましくは10
〜1000重量部の割合である。スラッジ発生量の低減
の点からは、その無害性多価金属化合物の使用割合は、
溶存重金属100重量部当り、300重量部以下、好ま
しくは100重量部以下にするのが好ましい。その使用
量が多くなると、その多価金属化合物のスラッジ中への
混入量が多くなってくるので好ましくない。リン酸化合
物の割合は、カルボキシル基含有親水性高分子物質1重
量部当り、10〜10000重量部、好ましくは100
〜5000重量部の割合である。
【0013】本発明で用いる好ましい凝集促進剤は、カ
ルボキシル基含有親水性高分子物質100重量部と、リ
ン酸化合物1000〜500000重量部、好ましくは
10000〜300000重量部とからなる組合せであ
る。また、他の好ましい凝集促進剤は、カルボキシル基
含有親水性高分子物質100重量部と、無害性多価金属
化合物、特に塩化第二鉄1000〜500000重量
部、好ましくは10000〜300000重量部とから
なる組合せである。
【0014】本発明の凝集促進剤を好ましく製造する場
合、先ず、カルボキシル含有親水性高分子物質を、アル
カリ性物質を含む水中において加熱し、加水分解させる
とともに水中に溶解させる。例えば、アルカリ性物質と
しての水酸化ナトリウムを含む水中にアルギン酸ナトリ
ウムを存在させ、加熱し、そのアルギン酸ナトリウムを
溶解させる。このときの加熱温度は、沸騰しない70℃
以上から100℃未満が好ましく、より好ましくは、7
5℃から90℃、さらに好ましくは80℃から85℃で
ある。加熱時間は、カルボキシル基含有親水性物質が溶
解すればよく、特に限定されないが、0.5時間から2
時間程度で十分である。次に、必要に応じ、得られたカ
ルボキシル基含有親水性高分子物質及び/又はその加水
分解生成物を含有するアルカリ性水溶液に、無害性多価
金属化合物及びリン酸化合物の中から選ばれる少なくと
も1種を凝集助剤として混合する。
【0015】本発明の凝集促進剤には、さらに、凝集剤
を併用するのが好ましい。この場合の凝集剤は、フロッ
クの凝集に慣用されているものである。このようなもの
には、ポリアクリルアミドのカチオン化変性物、ポリア
クリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリメタクリ
ル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリエチレンイミ
ン、キトサン等のカチオン性有機系凝集剤、ポリアクリ
ルアミド等のノニオン性有機系凝集剤、ポリアクリル
酸、アクリルアミドとアクリル酸との共重合体及びその
塩、ポリアクリルアミドの部分加水分解物等のアニオン
性有機系凝集剤が包含される。凝集剤の使用量は、廃液
中における濃度で、1〜30mg/L、好ましくは3〜
20mg/Lである。
【0016】本発明の方法を実施するには、重金属が溶
存している水性廃液に対して、アルカリ性物質及び凝集
促進剤を加えて、そのpHを7〜13、好ましくは8〜
12の範囲に調整するとともに、廃液中に溶存する重金
属を不溶化させて沈殿を生じさせる。その後、必要に応
じて、凝集剤を加える。廃液に対してアルカリ性物質及
び凝集促進剤を添加する場合、その添加順序は任意であ
り、例えば、アルカリ性物質を先に添加し、その後凝集
促進剤を添加したり、逆に、凝集促進剤を先に添加し、
その後アルカリ性物質を添加することもでき、さらに、
両者を同時に添加することもできる。本発明の場合、ア
ルカリ性物質を先に添加し、その後、凝集促進剤を添加
するのが好ましい。
【0017】前記pH調整に用いるアルカリ性物質に
は、水中でアルカリ性を示す物質、例えば、水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物等が
包含される。本発明では、特に水酸化ナトリウムの使用
が好ましい。
【0018】次に、前記アルカリ性物質及び凝集促進剤
添加後に得られるフロックを含む廃液は、これを固液分
離処理する。この場合の固液分離方法としては、慣用の
方法、例えば、濾過分離方法、遠心分離方法、沈降分離
方法等の各種の方法を用いることができる。前記の固液
分離により、廃液中のフロック状の沈殿を分離すること
ができる。このようにして分離された沈殿(スラッジ)
は、(i)重金属及び(ii)アルカリ性金属を含有す
る。この場合、その重金属は、廃液中から不溶性の水酸
化物(沈殿)として分離されたものである。一方、アル
カリ性金属には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が
包含されるが、このアルカリ性金属は、主に、pH調整
剤(沈殿剤)として用いたアルカリ性物質由来のアルカ
リ性金属からなるものであり、その他、わずかの量の凝
集促進剤から由来されたアルカリ性金属を含む。
【0019】本発明においては、このスラッジ中に含ま
れる重金属とアルカリ性金属との割合を、下記式(1)
を満たすような割合とする。 M/(M+A)≧0.2 (1) 前記式中、Mはスラッジ中に含まれる重金属のモル数を
示し、Aはアルカリ性金属のモル数を示す。本発明にお
いては、前記M/(M+A)の値(R値)は、好ましく
は0.3以上、より好ましくは0.5以上である。その
上限値は、通常、0.9程度である。
【0020】水性廃液からそれに溶存する重金属を分離
するために、該廃液にアルカリ性物質を添加して、該重
金属を不溶性の水酸化物からなる沈殿として分離する場
合、アルカリ性物質を多量に加えることにより、その溶
存重金属を高除去率でかつ円滑に分離することができる
が、この場合には、アルカリ性物質の多量の使用に起因
して多量のスラッジが発生するようになる。そして、こ
のスラッジからそれに含まれる重金属を分離し、再使用
しようとする場合、そのスラッジの量が多くなると、そ
のスラッジからの重金属の分離がより困難になるととも
に、その分離コストも高くなる。従って、スラッジ発生
量はできるだけ低く抑制することが望ましい。
【0021】本発明は、廃液中に溶存する重金属を沈殿
として分離するために、低められた量のアルカリ性物質
を用いて、重金属に対するアルカリ性金属に対する使用
量を低い範囲に抑制し、溶存重金属を高除去率でかつ円
滑に分離し、これによりスラッジ発生量を低減させるも
のである。このために、本発明では、凝集促進剤を用い
て、重金属の沈殿形成を促進させ、低められたアルカリ
性物質の使用量でかつ高除去率で溶存重金属を沈殿とし
て分離させる。その結果、スラッジ発生量を大きく低減
させることができる。
【0022】本発明によれば、廃液中に溶存する重金属
は、低められたスラッジ発生量で、1ppm以下、好ま
しくは0.01ppm以下にまで分離することができ
る。
【0023】本発明は、前記のようにして得られたスラ
ッジからそれに含まれる重金属を分離回収し、再使用す
るものである。この場合、スラッジからの重金属の分離
回収方法としては、従来公知の各種の方法、例えば、溶
媒抽出法や、溶解後、選択的に沈殿させる方法、重金属
捕集剤を用いる方法等を用いることができる。
【0024】本発明の方法は、重金属を含む各種の水性
廃液(被処理水)に対して適用することができる。ま
た、この廃液中に含まれる重金属の量は、通常、5pp
m以上、特に10ppm以上であり、その上限値は、特
に制約されない。水性廃液の具体例としては、例えば、
各種のメッキ廃液等が挙げられる。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、被処理水として
の水中に含まれる重金属イオンを効率よくかつ低められ
た量のスラッジ、すなわち、従来のスラッジに比べて重
金属含有率が高いスラッジを分離することができる。こ
れによって、スラッジからの重金属の分離回収が容易に
なり、その分離コストの低減化が可能になる。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0027】実施例1 銅2200mg/l,EDTA39mMを含むpH9の
排水100mlに、塩化カルシウム0.768g添加し
5分間攪拌した。次に、10N水酸化ナトリウムでpH
13に調整した。この被処理水に、凝集促進剤Aを10
μl添加し5分間攪拌した。次に、アニオン性高分子凝
集剤10mg/l添加して1分間攪拌した後、固液分離
した。このとき得られたスラッジの銅含有率は30%以
上(前記式(1)のR値>0.54)であった。
【0028】なお、前記凝集剤Aは、次のようにして調
製されたものである。1NNaOH300mlに2%の
アルギン酸ナトリウムを添加後、75〜85℃で約60
分間加熱攪拌した後、放冷し、これに85%リン酸水溶
液5700mlを添加し、5分間攪拌した。
【0029】実施例2 実施例1の排水100mlに10N水酸化ナトリウムを
加えてpH13に調整した。これに塩化カルシウム0.
768gを添加し5分間攪拌した。アニオン性高分子凝
集剤10mg/lを添加して1分間攪拌した後、固液分
離した。得られた銅含有率は30%以上(前記式(1)
のR値>0.51)であった。
【0030】実施例3 銅61.57mg/l、鉛11.6mg/lを含有する
排水に実施例1で示した凝集促進剤Aを0.5ml/l
加え約3分間攪拌し、その後5規定の水酸化ナトリウム
2.7ml/lによってpHを10.3にし、約3分間
攪拌した後、高分子凝集剤を固形分換算で6mg/l加
え沈殿処理を行った。その結果、処理水中の銅濃度が
0.60mg/l、鉛濃度が0.0100mg/lとな
った。この時発生したスラッジ中には、それぞれ銅3
2.1%、鉛6.1%以上含まれていた。(前記式
(1)のR値>0.76)になった。
【0031】実施例4 pH2.68でCu濃度が89.4mg/L、その他の
イオンとして、Pb−1.21mg/L、Fe−6.0
6mg/L、Cl−1145mg/L、SO4−139
7mg/Lの排水に、37.5%の塩化第二鉄溶液にア
ルギン酸ナトリウムを0.1%分散させた凝集促進剤を
0.05ml/L添加し、水酸化ナトリウムでpHを1
0に調整後、高分子凝集剤(アニオン)を3mg/L添
加して凝集沈澱処理を行った。その結果、処理水のCu
濃度は0.064mg/Lになり、発生スラッジ(乾
燥)量が187mg/Lで、スラッジ中の銅含有率は8
0.38%であった(前記式(1)のR値>0.5
5)。
【0032】実施例5 実施例1〜4で得られた各スラッジから重金属を回収す
るために以下の処理を施した。スラッジを35%塩酸に
加えて重金属を含む酸性水溶液とした後、これに水酸化
アンモニウム(NH4OH)を加えて重金属を沈殿さ
せ、次いで得られた沈殿を濾過し、これを乾燥し、焼成
した。このようにして重金属の酸化物を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 7/00 C22B 7/00 H 9/02 9/02 3/00 Q (71)出願人 000005979 三菱商事株式会社 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 (74)上記3名の代理人 100074505 弁理士 池浦 敏明 (72)発明者 辰巳 憲司 茨城県つくば市小野川16番3 工業技術院 資源環境技術総合研究所内 (72)発明者 和田 愼二 茨城県つくば市小野川16番3 工業技術院 資源環境技術総合研究所内 (72)発明者 湯川 恭啓 茨城県つくば市千現2−1−6 三菱商事 プロジェクト開発部環境資源研究所内 Fターム(参考) 4D015 BA03 BA04 BA05 BB02 CA17 DA02 DA12 DA39 DA40 DB32 DB33 EA04 EA15 EA17 4D038 AA08 AB63 AB68 BB13 BB18 4D062 BA03 BA04 BA05 BB02 CA17 DA02 DA12 DA39 DA40 DB32 DB33 EA04 EA15 EA17 4K001 AA02 AA09 AA10 AA36 BA21 DB16 DB23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性廃液からそれに含まれている溶存重
    金属を回収する方法において、(i)該廃液に、アルカ
    リ性物質及び凝集促進剤を添加して該廃液のpHを7〜
    13に調整するとともに、該溶存重金属を不溶化させて
    沈殿を形成させる重金属の不溶化工程、(ii)該沈殿を
    該廃液からスラッジとして分離するスラッジの分離工
    程、(iii)該スラッジからそれに含まれる重金属を回収
    する重金属回収工程からなり、該スラッジ中に含まれる
    重金属とアルカリ性金属との割合が、下記式(1) M/(M+A)≧0.2 (1) (式中、Mはスラッジ中に含まれる重金属のモル数を示
    し、Aはスラッジ中に含まれるアルカリ性金属のモル数
    を示す)を満たす割合であることを特徴とする廃液から
    重金属を回収する方法。
  2. 【請求項2】 該凝集促進剤が(i)カルボキシル基含
    有親水性高分子物質及び/又はその加水分解生成物、(i
    i)無害性多価金属化合物及び(iii)リン酸化合物中か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 該カルボキシル基含有親水性高分子物質
    が、(i)アルギン酸もしくはその塩又は(ii)アルギ
    ン酸もしくはその塩と他のアニオン基含有親水性高分子
    物質との混合物からなる請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 該無害性多価金属化合物が、鉄化合物、
    アルミニウム化合物及びカルシウム化合物の中から選ば
    れる少なくとも1種である請求項2又は3の方法。
  5. 【請求項5】 該アルカリ性物質が水酸化ナトリウムで
    ある請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 凝集剤を添加する請求項1〜5のいずれ
    かの方法。
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