JP3932324B2 - 水性廃液から重金属を回収する方法 - Google Patents

水性廃液から重金属を回収する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性廃液中からそれに含まれる重金属を回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水中に含まれる溶存重金属イオンの除去方法としては、水中に水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム等のアルカリ性物質を添加して、不溶性の水酸化物として沈殿させる方法が知られている。
このような方法において、アルカリ性物質として水酸化ナトリウムを使用するときには、生成するスラッジ(重金属含有沈殿物)の発生量は少ないものの、そのスラッジ粒子が小さく分離しにくいという欠点がある。従って、これまでは、水酸化カルシウムがもっぱら使用されてきたが、この場合には、スラッジ発生量が多いという欠点がある。
また、発生したスラッジは、最終処分場で処分されているが、その処理コストが非常にかかるのと処分場の不足が深刻な問題になってきている。さらに、重金属資源の大部分を輸入している我が国にとっては、スラッジ中に含まれる重金属を資源として有効利用することは非常に重要な課題である。このように環境問題と資源問題の両面から廃棄物を出さないゼロエミッション技術の確立が強く求められており、廃液中に含まれる重金属の回収利用についてもその必要が唱えられている。これまでにも、スラッジから重金属を回収し再利用しようとする試みは多くなされてきたが、回収そのものは既存の分離技術で行うことができるが、スラッジ中に含まれる重金属の含有率が低いため、経済的に問題があり、実用化されている例はほとんどない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水性廃液に含まれる重金属を低められたスラッジ量で分離し、そのスラッジから重金属を分離回収する方法を提供することをその課題とする。
【0004】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、水性廃液からそれに含まれている溶存重金属を回収する方法において、(i)該廃液に、アルカリ性物質及び凝集促進剤を添加して該廃液のpHを7〜13に調整するとともに、該溶存重金属を不溶化させて沈殿を形成させる重金属の不溶化工程、(ii)該沈殿を該廃液からスラッジとして分離するスラッジの分離工程、(iii)該スラッジからそれに含まれる重金属を回収する重金属回収工程からなり、該重金属は、少なくとも銅を含有する重金属であり、
該アルカリ性物質として、水酸化ナトリウムを用い、該スラッジ中に含まれる重金属とアルカリ金属及びアルカリ土類金属との割合が、下記式(1)
M/(M+A)≧0.2 (1)
(式中、Mはスラッジ中に含まれる重金属のモル数を示し、Aはスラッジ中に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属のモル数を示す)を満たす割合であって、前記凝集促進剤として、(i)アルギン酸又はその塩と、リン酸化合物との組み合わせ、( ii )塩化カルシウム、及び (iii) アルギン酸又はその塩と、塩化第二鉄とを組み合わせ、からなる群から選ばれる少なくとも 1 種を用いることを特徴とする廃液から重金属を回収する方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明においては、スラッジ中の重金属の割合を調節するための手段として、凝集促進剤を用いる。この場合、凝集促進剤としては、廃液中でアルカリにより不溶化された重金属の凝集沈殿を促進させ、それにより、重金属沈殿剤として添加するアルカリ性物質の添加量を低減させるような物質であればどのようなものでもよい。このようなものとしては、好ましくは、カルボキシル基含有親水性高分子物質及び/又はその加水分解生成物が用いられる。また、無害性多価金属化合物や、リン酸化合物等も用いられる。これらの凝集促進剤は、単独又は混合物の形で用いることができる。
【0006】
前記カルボキシル基含有親水性高分子物質には、各種の水溶性高分子物質が包含される。このような高分子物質としては、アルギン酸、ジエランガム、キサンタンガム、ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸、アニオン化でんぷん、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸、繊維素グリコール酸等の多糖類及びそれらの金属塩等が挙げられる。
【0007】
本発明では、特に、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カルシウムの使用が好ましいが、このものを用いる場合には、アルギン酸を構成しているマンヌマロン酸(M)とグルロン酸(G)の含有比率(モル比)[M]/[G]が、0.1〜4.0、好ましくは0.1〜3の範囲にあるものの使用が好ましい。グルロン酸の含有比率が多いもの程、フロック形成性にすぐれている。
【0008】
本発明において凝集促進剤として用いる前記カルボキシル基含有親水性高分子物質は、単独又は混合物の形態で用いることができる。混合物としては、アルギン酸又はその塩を含有する混合物の使用が好ましい。この場合のアルギン酸又はその塩を含有する好ましい混合物としては、(i)アルギン酸又はその塩と、(ii)ジエランガム、キサンタンガム、ペクチン、ペクチン酸、ペクチニン酸及びそれらの塩の中から選ばれる少なくとも1種の親水性高分子物質との混合物を挙げることができる。その混合比を示すと、例えば、アルギン酸ナトリウムと他のアニオン基含有親水性高分子物質との混合物を用いる場合、アルギン酸ナトリウム(A)と他のアニオン基含有親水性高分子物質(B)との重量比[A]/[B]は、1〜100、好ましくは2〜50である。
【0009】
本発明で用いられる凝集促進剤には、無害性の多価金属化合物が包含される。このようなものには、各種の水溶性多価金属化合物、例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第2鉄、ポリ塩化第2鉄、ポリ硫酸第二鉄等の鉄化合物の他、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ等のアルミニウム化合物、水酸化カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム化合物、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物が包含される。
【0010】
本発明で用いられる凝集促進剤には、リン酸化合物が包含される。リン酸化合物としては、リン酸(H3PO4)の他、水中で加水分解してリン酸を生成する化合物、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸2水素カリウム、ヘキサンメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0011】
本発明で用いる凝集促進剤において、その使用割合は、(i)カルボキシル基含有親水性高分子物質の場合、廃液中の溶存重金属100重量部当り、0.001〜100重量部、好ましくは0.01〜10重量部の割合である。(ii)無害性多価金属化合物の場合、その使用割合は、溶存重金属100重量部当り、0.01〜500重量部、好ましくは0.1〜100重量部の割合である。(iii)リン酸化合物の場合、その使用割合は、溶存重金属100重量部当り、0.01〜500重量部、好ましくは0.1〜100重量部の割合である。
【0012】
本発明に用いる凝集促進剤は、カルボキシル基含有親水性高分子物質に対して、無害性多価金属化合物及びリン酸化合物の中から選ばれる少なくとも1種を組合せて用いるのが好ましい。この場合、カルボキシル基含有親水性高分子物質1重量部当り、無害性多価金属化合物の割合は1〜5000重量部、好ましくは10〜1000重量部の割合である。スラッジ発生量の低減の点からは、その無害性多価金属化合物の使用割合は、溶存重金属100重量部当り、300重量部以下、好ましくは100重量部以下にするのが好ましい。その使用量が多くなると、その多価金属化合物のスラッジ中への混入量が多くなってくるので好ましくない。リン酸化合物の割合は、カルボキシル基含有親水性高分子物質1重量部当り、10〜10000重量部、好ましくは100〜5000重量部の割合である。
【0013】
本発明で用いる好ましい凝集促進剤は、カルボキシル基含有親水性高分子物質100重量部と、リン酸化合物1000〜500000重量部、好ましくは10000〜300000重量部とからなる組合せである。また、他の好ましい凝集促進剤は、カルボキシル基含有親水性高分子物質100重量部と、無害性多価金属化合物、特に塩化第二鉄1000〜500000重量部、好ましくは10000〜300000重量部とからなる組合せである。
【0014】
本発明の凝集促進剤を好ましく製造する場合、先ず、カルボキシル含有親水性高分子物質を、アルカリ性物質を含む水中において加熱し、加水分解させるとともに水中に溶解させる。例えば、アルカリ性物質としての水酸化ナトリウムを含む水中にアルギン酸ナトリウムを存在させ、加熱し、そのアルギン酸ナトリウムを溶解させる。このときの加熱温度は、沸騰しない70℃以上から100℃未満が好ましく、より好ましくは、75℃から90℃、さらに好ましくは80℃から85℃である。加熱時間は、カルボキシル基含有親水性物質が溶解すればよく、特に限定されないが、0.5時間から2時間程度で十分である。次に、必要に応じ、得られたカルボキシル基含有親水性高分子物質及び/又はその加水分解生成物を含有するアルカリ性水溶液に、無害性多価金属化合物及びリン酸化合物の中から選ばれる少なくとも1種を凝集助剤として混合する。
【0015】
本発明の凝集促進剤には、さらに、凝集剤を併用するのが好ましい。この場合の凝集剤は、フロックの凝集に慣用されているものである。このようなものには、ポリアクリルアミドのカチオン化変性物、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリエチレンイミン、キトサン等のカチオン性有機系凝集剤、ポリアクリルアミド等のノニオン性有機系凝集剤、ポリアクリル酸、アクリルアミドとアクリル酸との共重合体及びその塩、ポリアクリルアミドの部分加水分解物等のアニオン性有機系凝集剤が包含される。凝集剤の使用量は、廃液中における濃度で、1〜30mg/L、好ましくは3〜20mg/Lである。
【0016】
本発明の方法を実施するには、重金属が溶存している水性廃液に対して、アルカリ性物質及び凝集促進剤を加えて、そのpHを7〜13、好ましくは8〜12の範囲に調整するとともに、廃液中に溶存する重金属を不溶化させて沈殿を生じさせる。その後、必要に応じて、凝集剤を加える。
廃液に対してアルカリ性物質及び凝集促進剤を添加する場合、その添加順序は任意であり、例えば、アルカリ性物質を先に添加し、その後凝集促進剤を添加したり、逆に、凝集促進剤を先に添加し、その後アルカリ性物質を添加することもでき、さらに、両者を同時に添加することもできる。本発明の場合、アルカリ性物質を先に添加し、その後、凝集促進剤を添加するのが好ましい。
【0017】
前記pH調整に用いるアルカリ性物質には、水中でアルカリ性を示す物質、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物等が包含される。本発明では、特に水酸化ナトリウムの使用が好ましい。
【0018】
次に、前記アルカリ性物質及び凝集促進剤添加後に得られるフロックを含む廃液は、これを固液分離処理する。この場合の固液分離方法としては、慣用の方法、例えば、濾過分離方法、遠心分離方法、沈降分離方法等の各種の方法を用いることができる。前記の固液分離により、廃液中のフロック状の沈殿を分離することができる。このようにして分離された沈殿(スラッジ)は、(i)重金属及び(ii)アルカリ金属及びアルカリ土類金属を含有する。この場合、その重金属は、廃液中から不溶性の水酸化物(沈殿)として分離されたものである。一方、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、主に、pH調整剤(沈殿剤)として用いたアルカリ性物質由来のアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなるものであり、その他、わずかの量の凝集促進剤から由来されたアルカリ金属及びアルカリ土類金属を含む。
【0019】
本発明においては、このスラッジ中に含まれる重金属とアルカリ金属及びアルカリ土類金属との割合を、下記式(1)を満たすような割合とする。
M/(M+A)≧0.2 (1)
前記式中、Mはスラッジ中に含まれる重金属のモル数を示し、Aはアルカリ金属及びアルカリ土類金属のモル数を示す。本発明においては、前記M/(M+A)の値(R値)は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上である。その上限値は、通常、0.9程度である。
【0020】
水性廃液からそれに溶存する重金属を分離するために、該廃液にアルカリ性物質を添加して、該重金属を不溶性の水酸化物からなる沈殿として分離する場合、アルカリ性物質を多量に加えることにより、その溶存重金属を高除去率でかつ円滑に分離することができるが、この場合には、アルカリ性物質の多量の使用に起因して多量のスラッジが発生するようになる。そして、このスラッジからそれに含まれる重金属を分離し、再使用しようとする場合、そのスラッジの量が多くなると、そのスラッジからの重金属の分離がより困難になるとともに、その分離コストも高くなる。従って、スラッジ発生量はできるだけ低く抑制することが望ましい。
【0021】
本発明は、廃液中に溶存する重金属を沈殿として分離するために、低められた量のアルカリ性物質を用いて、重金属に対するアルカリ金属及びアルカリ土類金属の使用量を低い範囲に抑制し、溶存重金属を高除去率でかつ円滑に分離し、これによりスラッジ発生量を低減させるものである。このために、本発明では、凝集促進剤を用いて、重金属の沈殿形成を促進させ、低められたアルカリ性物質の使用量でかつ高除去率で溶存重金属を沈殿として分離させる。その結果、スラッジ発生量を大きく低減させることができる。
【0022】
本発明によれば、廃液中に溶存する重金属は、低められたスラッジ発生量で、1ppm以下、好ましくは0.01ppm以下にまで分離することができる。
【0023】
本発明は、前記のようにして得られたスラッジからそれに含まれる重金属を分離回収し、再使用するものである。この場合、スラッジからの重金属の分離回収方法としては、従来公知の各種の方法、例えば、溶媒抽出法や、溶解後、選択的に沈殿させる方法、重金属捕集剤を用いる方法等を用いることができる。
【0024】
本発明の方法は、重金属を含む各種の水性廃液(被処理水)に対して適用することができる。また、この廃液中に含まれる重金属の量は、通常、5ppm以上、特に10ppm以上であり、その上限値は、特に制約されない。水性廃液の具体例としては、例えば、各種のメッキ廃液等が挙げられる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、被処理水としての水中に含まれる重金属イオンを効率よくかつ低められた量のスラッジ、すなわち、従来のスラッジに比べて重金属含有率が高いスラッジを分離することができる。これによって、スラッジからの重金属の分離回収が容易になり、その分離コストの低減化が可能になる。
【0026】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0027】
実施例1
銅2200mg/l,EDTA39mMを含むpH9の排水100mlに、塩化カルシウム0.768g添加し5分間攪拌した。次に、10N水酸化ナトリウムでpH13に調整した。この被処理水に、凝集促進剤Aを10μl添加し5分間攪拌した。次に、アニオン性高分子凝集剤10mg/l添加して1分間攪拌した後、固液分離した。このとき得られたスラッジの銅含有率は30%以上(前記式(1)のR値>0.54)であった。
【0028】
なお、前記凝集剤Aは、次のようにして調製されたものである。
1NNaOH300mlに2%のアルギン酸ナトリウムを添加後、75〜85℃で約60分間加熱攪拌した後、放冷し、これに85%リン酸水溶液5700mlを添加し、5分間攪拌した。
【0029】
実施例2
実施例1の排水100mlに10N水酸化ナトリウムを加えてpH13に調整した。これに塩化カルシウム0.768gを添加し5分間攪拌した。アニオン性高分子凝集剤10mg/lを添加して1分間攪拌した後、固液分離した。得られた銅含有率は30%以上(前記式(1)のR値>0.51)であった。
【0030】
実施例3
銅61.57mg/l、鉛11.6mg/lを含有する排水に実施例1で示した凝集促進剤Aを0.5ml/l加え約3分間攪拌し、その後5規定の水酸化ナトリウム2.7ml/lによってpHを10.3にし、約3分間攪拌した後、高分子凝集剤を固形分換算で6mg/l加え沈殿処理を行った。その結果、処理水中の銅濃度が0.60mg/l、鉛濃度が0.0100mg/lとなった。この時発生したスラッジ中には、それぞれ銅32.1%、鉛6.1%以上含まれていた。(前記式(1)のR値>0.76)になった。
【0031】
実施例4
pH2.68でCu濃度が89.4mg/L、その他のイオンとして、Pb−1.21mg/L、Fe−6.06mg/L、Cl−1145mg/L、SO4−1397mg/Lの排水に、37.5%の塩化第二鉄溶液にアルギン酸ナトリウムを0.1%分散させた凝集促進剤を0.05ml/L添加し、水酸化ナトリウムでpHを10に調整後、高分子凝集剤(アニオン)を3mg/L添加して凝集沈澱処理を行った。その結果、処理水のCu濃度は0.064mg/Lになり、発生スラッジ(乾燥)量が187mg/Lで、スラッジ中の銅含有率は80.38%であった(前記式(1)のR値>0.55)。
【0032】
実施例5
実施例1〜4で得られた各スラッジから重金属を回収するために以下の処理を施した。
スラッジを35%塩酸に加えて重金属を含む酸性水溶液とした後、これに水酸化アンモニウム(NH4OH)を加えて重金属を沈殿させ、次いで得られた沈殿を濾過し、これを乾燥し、焼成した。このようにして重金属の酸化物を得た。

Claims (2)

  1. 水性廃液からそれに含まれている溶存重金属を回収する方法において、
    (i)該廃液に、アルカリ性物質及び凝集促進剤を添加して該廃液のpHを7〜13に調整するとともに、該溶存重金属を不溶化させて沈殿を形成させる重金属の不溶化工程、
    (ii)該沈殿を該廃液からスラッジとして分離するスラッジの分離工程、
    (iii)該スラッジからそれに含まれる重金属を回収する重金属回収工程からなり、
    該重金属は、少なくとも銅を含有する重金属であり、
    該アルカリ性物質として、水酸化ナトリウムを用い、
    該スラッジ中に含まれる重金属とアルカリ金属及びアルカリ土類金属との割合が、下記式(1)
    M/(M+A)≧0.2 (1)
    (式中、Mはスラッジ中に含まれる重金属のモル数を示し、Aはスラッジ中に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属のモル数を示す)を満たす割合であって、
    前記凝集促進剤として、(i)アルギン酸又はその塩と、リン酸化合物との組み合わせ、( ii )塩化カルシウム、及び (iii) アルギン酸又はその塩と、塩化第二鉄とを組み合わせ、からなる群から選ばれる少なくとも 1 種を用いることを特徴とする廃液から重金属を回収する方法。
  2. 凝集剤を添加する請求項の方法。
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