JP2002080780A - 塗装鋼板用塗料組成物 - Google Patents

塗装鋼板用塗料組成物

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JP2002080780A
JP2002080780A JP2000268141A JP2000268141A JP2002080780A JP 2002080780 A JP2002080780 A JP 2002080780A JP 2000268141 A JP2000268141 A JP 2000268141A JP 2000268141 A JP2000268141 A JP 2000268141A JP 2002080780 A JP2002080780 A JP 2002080780A
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resin
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coating
composition
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JP2000268141A
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Kazuo Nomoto
一夫 野本
Kenichi Sugano
賢一 菅野
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鉄やアルミニウム鋼板などの金属被塗物に塗
装被膜として、耐水性、耐候性、付着性等の性能に優れ
た塗膜を提供する。 【解決手段】工程(1)〜(4)からなる塗装鋼板用塗
料組成物。 工程(1):被塗物に下記熱硬化性塗料組成物(A)を
塗装して塗膜を形成する工程、熱硬化性塗料組成物
(A);エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂を含
有するベース樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化
合物を含有する組成物。 工程(2):熱硬化性塗料組成物(A)を有する被塗物
を常温でのセッティング、又は予備加熱により溶剤を揮
発させる工程、 工程(3):さらに、上記工程で得られた被塗物に、熱
硬化性塗料組成物(B)を塗装して塗膜を形成する工
程、熱硬化性塗料組成物(B);エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂重量%、アミノ樹脂を含有するベース樹脂及びブ
ロック化ポリイソシアネート化合物を含有する組成物。 工程(4):次いで,得られた熱硬化性塗料組成物
(A)及び熱硬化性塗料組成物(B)を有する被塗物を
同時に加熱して硬化させる焼き付け工程、を含むことを
特徴とする塗装鋼板用塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、耐水性、耐熱
性、耐薬品性、付着性、及び耐候性等に優れた塗装鋼板
用の熱硬化性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】 従来から、鉄、アルミニウ
ム、真鍮、銅板、ステンレス、ブリキ板、亜鉛メッキな
どの鋼板が住宅建材や室内装飾などに使われているが、
表面を保護することや意匠性を付与させることを目的と
して塗装されている。
【0003】このような塗膜としては、エポキシ樹脂/
シリコン樹脂硬化、エポキシ樹脂/フェノール樹脂硬化
等の塗料を塗膜表面に塗装して塗膜界面での防食性を向
上し、太陽光に晒される塗膜表面にはアクリル樹脂/イ
ソシアネート樹脂硬化塗膜を塗装して、耐候性を向上さ
せる方法が一般的である。また2回に分けて塗装するこ
とによってタレ、ワキなどを防ぎ仕上がり性向上にも寄
与する。
【0004】しかし現状で、このような方法により形成
された塗膜は、耐沸騰水性などの耐水性試験において塗
膜にフクレ等の欠陥を生じ易く実用上問題があり、また
耐熱水性等の試験において塗膜にワレ、剥がれ、ふくれ
等の欠陥を生じるといった問題点も生じ、改良が求めら
れていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、上記塗装
鋼板における塗膜欠陥を改善するために鋭意研究を重ね
た結果、以下のような熱硬化性塗料組成物及び製造方法
により問題点を解消し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、 1.下記工程、 工程(1):被塗物に下記熱硬化性塗料組成物(A)を
塗装して塗膜を形成する工程、熱硬化性塗料組成物
(A);ベース樹脂(I)及びブロック化ポリイソシア
ネート化合物(II)を含有する組成物であって、ベース
樹脂(I)がエポキシ樹脂(a)10〜30重量%、ア
クリル樹脂(b)20〜60重量%、アミノ樹脂(c)
20〜35重量%を含有する樹脂であり、そして該ベー
ス樹脂(I)及びブロック化ポリイソシアネート化合物
(II)との配合割合が両者の総合計重量%換算で、ベー
ス樹脂(I)80〜99重量%、ブロック化ポリイソシ
アネート化合物(II)1〜20重量%の組成物である、 工程(2):次いで、上記で得られた熱硬化性塗料組成
物(A)を有する被塗物を常温でのセッティング、又は
予備加熱により塗膜中の余分な溶剤を揮発させる工程、 工程(3):さらに、上記工程で得られた被塗物に、熱
硬化性塗料組成物(B)を塗装して塗膜を形成する工
程、熱硬化性塗料組成物(B);ベース樹脂(III)及
びブロック化ポリイソシアネート化合物(IV)を含有す
る組成物であって、ベース樹脂(III)が、エポキシ樹
脂(a)0〜20重量%、アクリル樹脂(b)30〜7
0重量%、アミノ樹脂(c)20〜40重量%を含有す
る樹脂であり、そして該ベース樹脂(III)及びブロッ
ク化ポリイソシアネート化合物(IV)との配合割合が両
者の総合計重量%換算で、ベース樹脂(III)80〜9
9重量%、ブロック化ポリイソシアネート化合物(IV)
1〜20重量%の組成物である、 工程(4):次いで,得られた熱硬化性塗料組成物
(A)及び熱硬化性塗料組成物(B)を有する被塗物を
同時に加熱して硬化させる焼き付け工程、を含むことを
特徴とする塗装鋼板用塗料組成物、 上記、工程(1)における熱硬化性塗料組成物(A)の
塗料固形分が40〜70重量%、塗装後の塗着塗料固形
分が50〜80重量%、及び工程(2)においてセッテ
ィング又は予備加熱後の塗膜固形分が、70〜100重
量%になることを特徴とする工程で製造される1項に記
載の塗装鋼板用塗料組成物、ブロック化ポリイソシアネ
ート化合物(II)で用いるところイソシアネート種が、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)である、1項
に記載の塗装鋼板用塗料組成物、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】 本発明について、以下に詳細に
説明する。本発明で使用する被塗物は、鉄、アルミニウ
ム、真鍮、銅板、ステンレス(オーステナイト系、フェ
ライト系)、ブリキ板、亜鉛メッキなどの鋼板が挙げら
れる。また塗装前に必要に応じてトリクレン蒸気脱脂や
アルカリ脱脂を施した後、りん酸亜鉛やクロメート処理
剤等により表面処理を施すことができる。
【0008】次に、工程(1)〜工程(4)及び塗料組
成物について順次詳細に説明する。 工程(1):上記、被塗物に塗料組成物(A)を塗装す
る塗装工程である。組成はベース樹脂(I)とブロック
化ポリイソシアネート化合物(II)とからなり、双方の
固形分合計に対してベース樹脂(I)80〜99重量
%、及びブロック化イソシアネート化合物を架橋成分と
するブロック化ポリイソシアネート化合物(II)1〜2
0重量%からなる熱硬化性塗料組成物である。
【0009】またベース樹脂(I)の組成は、該固形分
に対してエポキシ樹脂(a)10〜30重量%、アクリ
ル樹脂(b)20〜60重量%、アミノ樹脂(c)20
〜35重量%、及びその他の成分として添加剤、溶剤、
表面調整剤、可塑剤などを配合することができる。
【0010】ここでエポキシ樹脂(a)は、エポキシ当
量180〜2500、好ましくは200〜2000であ
り、少なくとも200、好ましくは400〜2000、
更に好ましくは800〜2000の範囲内の数平均分子
量を有するものが適している。
【0011】エポキシ当量が180未満であると防食性
に効果がなく、また2500を越えるものはベ−ス樹脂
との相溶性あるいは樹脂の溶解性に問題を生じる。ま
た、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反
応によって得られるものが好ましい。
【0012】該ポリエポキシド化合物の形成のために用
い得るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert
−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒ
ドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボ
ラック等を挙げることができる。例えばエポキシ樹脂の
具体例として、エピコート110、同左828EL、同
左1001、同左1002、同左1004、同左100
7(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名、エポキシ
樹脂)などを用いることができる。
【0013】アクリル樹脂(b)は、例えば、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル等の水酸基含
有モノマーと必要に応じて(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸等の酸モノマー類、アクリロニトリル、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル(C1〜C12
エステル類、スチレン等の不飽和化合物から選ばれる少
なくとも1種の不飽和化合物を有機溶剤(例えば、ケト
ン系、芳香族系、エステル系、脂肪族系など)中でラジ
カル重合反応させることにより製造できる。
【0014】またアクリル樹脂(b)の水酸基価は20〜
120KOHmg/g、好ましくは30〜100KOHmg/gの範囲
である。水酸基価が20KOHmg/g未満になると硬化性
が低下し、一方、120KOHmg/gを越えると耐水性等の
塗膜性能が低下するので好ましくない。また、水酸基含
有樹脂の数平均分子量は500〜80,000、好ましくは1,000
〜60,000の範囲である。数平均分子量が500未満になる
と耐水性が劣り、一方、80,000を越えると塗装作業性、
仕上がり外観等が低下するので好ましくない。
【0015】アミノ樹脂(c)としては、メラミン、尿
素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログア
ナミン、スピロギアナミン、ジシアンジアミド等のアミ
ノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロー
ル化アミノ樹脂が挙げられる。
【0016】上記反応に用いられるアルデヒドとして
は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。また、
上記メチロール化アミン樹脂を適当なアルコールによっ
てエーテル化したものもアミノ樹脂として使用できる。
エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エ
チルヘキサノールなどが挙げられる。
【0017】上記アミノ樹脂(c)のうち、メラミン樹
脂が好適であり、なかでもメチルエーテル化メラミン樹
脂、メチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル
化メラミン樹脂、又はメチルエーテル化メラミン樹脂も
しくは上記混合エーテル化メラミン樹脂を60重量%以
上含有し、ブチルエーテル化メラミン樹脂を40重量%
以下含有する混合メラミン樹脂であることが好ましい。
【0018】ベース樹脂(I)において、エポキシ樹脂
(a)、アクリル樹脂(b)、アミノ樹脂(c)の配合
量としては、ベース樹脂(I)の固形分に対してエポキ
シ樹脂(a)10〜30重量%、アクリル樹脂(b)2
0〜60重量%、アミノ樹脂(c)20〜35重量%で
ある。エポキシ樹脂(a)が10重量%未満であると防
食性に効果がなく、また30重量%を越えると耐候性が
劣る。アクリル樹脂(b)が20重量%未満であると耐
候性に効果がなく、60重量%を越えると防食性が低下
する。アミノ樹脂(c)が20重量%未満であると硬化
性が劣り、35重量%を越えると熱硬化性塗料組成物の
安定性が低下する。
【0019】次に、ブロック化ポリイソシアネート化合
物(II)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシア
ネートもしくはトリメチルヘキサメチレンポリイソシア
ネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソ
シアネートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キ
シリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシ
アネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレ
ンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の
如き有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各
有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリ
エステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記し
た如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更に
はイソシアネート・ビウレット体等が挙げられるが、そ
れらの代表的な市販品の例としては「バーノックD−7
50、−800、DN−950、−970もしくは15
−455」[以上、大日本インキ化学工業・製品]、
「デスモジュールL、N、HL、ILもしくはN339
0」[西ドイツ国バイエル社製品]、「タケネートD−
102、−202、−110Nもしくは123N」[武
田薬品工業・製品]、「コロネートL、HL、EHもし
くは203」[日本ポリウレタン工業・製品]または
「デュラネート24A−90CX」[旭化成工業・製
品]等である)等が挙げられる。
【0020】これらの中でも脂環式ポリイソシアネート
化合物が好ましい。一方、ブロック化剤はポリイソシア
ネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックす
るものであり、そして付加によって生成するブロックポ
リイソシアネート化合物は常温において安定で且つ約1
00〜200℃に加熱した際、ブロック剤を解離して遊
離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望
ましい。
【0021】このような要件を満たすブロック化剤とし
ては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタ
ムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合
物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾ
ールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−
エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニ
ルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳
香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブ
チルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等を挙
げることができる。配合組成としては、ベース樹脂
(I)とブロック化ポリイソシアネート化合物の固形分
合計に対して、ベース樹脂(I)80〜99重量%、及
びブロック化ポリイソシアネート化合物(II)1〜20
重量%からなる。ベース樹脂(I)に対して、ブロック
化ポリイソシアネート化合物(II)の量が1重量%未満
であると硬化性が不十分であり、20重量%を越えると
熱硬化性塗料組成物の安定性が低下する。当量比として
は、ベース樹脂(I)中の水酸基/ブロック化ポリイソ
シアネート化合物(II)のイソシアネート基比は、0.
1〜5.0の範囲である。
【0022】熱硬化性塗料組成物(A)は、上記、ベー
ス樹脂(I)及びブロック化ポリイソシアネート化合物
(II)の他に、必要に応じて着色顔料、体質顔料、可塑
剤、分散剤、増粘剤、表面張力調整剤、沈降防止剤、ハ
ジキ防止剤、触媒、有機溶剤などを配合して使用するこ
とができる。
【0023】熱硬化性塗料組成物(A)に使用できる、
例えば、顔料としては、酸化チタン、カーボンブラッ
ク、酸化鉄、クロム酸鉛などの無機顔料;アニリンブラ
ック、バーミリオンレッド、レーキーレッド、銅フタロ
シアンニンブルー、ファストスカイブルー等の有機顔料
が使用できる。また塩基性ケイ酸鉛、ビスマス化合物、
亜鉛系等が使用できる。
【0024】有機溶剤しては、従来から公知であるとこ
ろの、ヘキサン、ヘプタン、オクタイソオクタン、不飽
和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン(o
−,m−,p−)、シクロヘキサン、石油ナフサなどの
炭化水素系:ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロベン
ゼン、p−クロロトルエン、トリクロロエチレン、ハロ
ゲン化炭化水素系:メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、ベンジルアル
コール、シクロヘキサノールなどがアルコール系:ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、セロソルブ、メチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、2−
メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチ
レングリコール、ジエチレングルコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ
エチレングルコールモノメチルエーテル、1−メトキシ
−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノー
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの
エーテル系:アセトン、メチルエチルケトン、イソホロ
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系:酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2
−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、酢酸シク
ロヘキシル、エチレングリコールモノアセテート、酢酸
セロソルブ、酢酸カルビトール、アセト酢酸エチルなど
のエステル系:ピリジン、ホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトアミドなども挙げられる。
【0025】熱硬化性塗料組成物(A)の塗装時は、季
節や、環境、天候に応じて上記溶剤種、量を調整し、塗
料固形分は40〜70重量%、好ましくは50〜65重
量%の範囲にする。熱硬化性塗料組成物(A)の塗料固
形分が40重量%未満では形成した塗膜がタレ易く、ま
た70重量%を越えると塗装時における作業性が低下す
る。
【0026】塗装手段としては、従来から公知の塗装方
法、例えば、ローラー、刷毛、スプレー、浸漬、フロー
コーター(カーテンフローコーターなど)等の方法で塗
装することができる。塗装膜厚としては10〜30μ
m、好ましくは15〜25μmの範囲である。10μm
未満であると防食性が不十分であり、30μmを越える
と塗膜の付着性が劣る。
【0027】また塗装後の塗着塗料固形分としては50
〜80重量%、好ましくは55〜75重量%の範囲にな
るように熱硬化性塗料組成物(A)中の溶剤を調整す
る。熱硬化性塗料組成物(A)の塗着塗料固形分が50
重量%未満では形成した塗膜がタレ易く、また80重量
%を越えると仕上がり性が低下する。
【0028】工程(2):次いで、上記で得られた熱硬
化性塗料組成物(A)を有する被塗物のセッティング、
又は予備加熱により塗膜中の余分な溶剤を揮発させる乾
燥工程である。
【0029】セッテングは、塗装ラインではコンベアの
長さや、コンベア速度などにより乾燥時間を調整するこ
とができる。また予備加熱(プレヒート)は、電気熱風
乾燥炉、ガス熱風乾燥炉、遠赤外熱風乾燥炉などがあ
る。セッティング及び予備加熱の温度及び時間は、季節
や気候、環境に応じて、1分間〜24時間好ましくは2
0分間〜1時間、温度は、10〜200℃好ましくは3
0〜60℃の範囲が良い。
【0030】セッテッグ又は予備乾燥後の塗膜固形分
は、70〜100重量%好ましくは75〜99重量%の
範囲である。またセッテッグ又は予備乾燥の温度が、1
0℃以下では溶剤が揮散しない為タレ易く、また200
℃以上では塗膜中の溶剤が突沸し塗膜ワキとなり易く仕
上がり性が低下する。セッテッグ又は予備乾燥の時間
が、1分間未満では塗膜中に溶剤が残りタレ易いまた2
4時間をこえるとゴミが塗膜上に付着し仕上がり性の低
下を招く。セッテッグまたは予備乾燥後の塗膜固形分
は、70重量%未満ではタレ易く仕上がり性の低下を招
く。他に、塗装した塗膜を完全に硬化させ、2コート2
ベークとしての塗装方法も可能である。
【0031】工程(3):さらに上記工程で得られた被
塗物に、熱硬化性塗料組成物(B)を塗装する塗装工程
である。熱硬化性塗料組成物(B)におけるベース樹脂
(III)は、熱硬化性塗料組成物(A)のベース樹脂
(I)と同じ組成の塗料を塗装することも可能である
が、好ましくは耐候性が重要視される為、ベース樹脂
(III)の組成が、該固形分に対して、エポキシ樹脂
(a)0〜20重量%、アクリル樹脂(b)30〜70
重量、アミノ樹脂(c)20〜40重量%の範囲であ
り、エポキシ樹脂(a)に比べアクルル樹脂(b)の配
合比率が多い方が好ましい。
【0032】また熱硬化性塗料組成物(B)は熱硬化性
塗料組成物(A)と同様、ベース樹脂(III)及びブロ
ック化ポリイソシアネート化合物(IV)の他に、必要に
応じて着色顔料、体質顔料、可塑剤、分散剤、増粘剤、
表面張力調整剤、沈降防止剤、ハジキ防止剤、有機溶剤
などを配合して使用することができる。塗装条件として
は、熱硬化性塗料組成物(A)と同様に、季節や、環
境、天候に応じて溶剤種、量により調整可能である。塗
料固形分は40〜70重量%、好ましくは50〜65重
量%の範囲にすることが良い。熱硬化性塗料組成物
(B)の塗料固形分が40重量%未満では形成した塗膜
がタレ易く、また70重量%を越えると塗装時における
作業性が低下する。
【0033】塗装手段としては、従来から公知の塗装方
法、例えば、ローラー、刷毛、スプレー、浸漬、フロー
コーター(カーテンフローコーターなど)等の方法で塗
装することができる。塗装膜厚としては20〜50μ
m、好ましくは30〜40μmの範囲である。20μm
未満であると耐候性や塗膜性能が不十分であり、50μ
mを越えると塗膜の付着性が劣る。
【0034】工程(4):上記工程の塗装により得られ
た熱硬化性塗料組成物(A)、及び熱硬化性塗料組成物
(B)を有する被塗物を同時に加熱して硬化させる焼き
付け工程である。焼き付け条件は、例えば、通常の電気
熱風乾燥炉、ガス熱風乾燥炉(間接熱風、直接熱風)、
遠赤外乾燥炉、ジェットヒーター乾燥炉等で、被塗物温
度で80〜250℃好ましくは100〜200℃で、焼
き付け時間1分間〜90分間好ましくは10分間〜50
分間で乾燥させるのがよい。
【0035】
【発明の効果】 本発明は、上記した工程(1)〜工程
(4)及び熱硬化性塗料組成物の配合により、鉄やアル
ミニウムなどの金属被塗物に対して耐水性、耐候性、付
着性等の性能に優れた塗膜が形成できる。
【0036】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0037】熱硬化性塗料組成物NO.1の製造例 ベース樹脂(I)として、エポン110(油化シェルエ
ポキシ社製、商品名、エポキシ樹脂、固形分70%)2
8.6部(固形分20部)、アクリル樹脂(関西ペイン
ト社製、水酸基価65KOHmg/g、重量平均分子量3
0000、固形分50%)70部(固形分35部)、メ
ランX27(日立化成工業社製、商品名、アミノ樹脂、
固形分55%)54.5部(固形分30部)、及びブロ
ック化ポリイソシアネート化合物(II)としてデスモ
ジュ−ルVPLS2094/1(住友バイエルウレタン
社製、商品名、イソホロンジイソシアネートのオキシム
ブロック化物)23.0部(固形分15.0部)、顔料
としてJR−901S(テイカ株式会社製、商品名、チ
タン白)30部を混合し、キシレン系溶剤を加えて固形
分50%の熱硬化性塗料組成物NO.1を製造した。
【0038】熱硬化性塗料組成物NO.2の製造例 ベース樹脂(III)として、エポン110(油化シェル
エポキシ社製、商品名、エポキシ樹脂、固形分70%)
7.1部(固形分5部)、アクリル樹脂(関西ペイント
社製、水酸基価65KOHmg/g、重量平均分子量30
000、固形分50%)70部(固形分35部)、メラ
ンX27(日立化成工業社製、商品名、アミノ樹脂、固
形分55%)54.5部(固形分30部)、及びブロッ
ク化ポリイソシアネート化合物(IV)としてデスモジュ
−ルVPLS2094/1(住友バイエルウレタン社
製、商品名、イソホロンジイソシアネートのオキシムブ
ロック化物)23.0部(固形分15.0部)、顔料と
してJR−901S(テイカ株式会社製、商品名、チタ
ン白)30部を混合し、キシレン系溶剤を加えて固形分
50%の熱硬化性塗料組成物NO.2を製造した。
【0039】熱硬化性塗料組成物NO.3の製造例 アクリル樹脂(関西ペイント社製、水酸基価65KOHm
g/g、重量平均分子量30000、固形分50%)1
70部(固形分85部)、及びブロック化ポリイソシア
ネート化合物としてデスモジュ−ルVPLS2094/
1(住友バイエルウレタン社製、商品名、イソホロンジ
イソシアネートのオキシムブロック化物)23.0部
(固形分15.0部)、顔料としてJR−901S(テ
イカ株式会社製、商品名、チタン白)30部を混合し、
キシレン系溶剤を加えて固形分50%の熱硬化性塗料組
成物NO.3を製造した。
【0040】熱硬化性塗料組成物NO.4の製造例 アクリル樹脂(関西ペイント社製、水酸基価173mg
KOH/g、重量平均分子量30000、固形分50%)
136部(固形分68部)、エポン110(油化シェル
エポキシ社製、商品名、エポキシ樹脂、固形分70%)
28.6部(固形分20部)及びブロック化ポリイソシ
アネート化合物としてデスモジュ−ルVPLS2094
/1(住友バイエルウレタン社製、商品名、イソホロン
ジイソシアネートのオキシムブロック化物)18.5部
(固形分12.0部)、顔料としてJR−901S(テ
イカ株式会社製、商品名、チタン白)30部を混合し、
キシレン系溶剤を加えて固形分50%の熱硬化性塗料組
成物NO.4を製造した。化成処理冷延鋼板の作成 冷延鋼板(長さ300mm、幅200mm、板厚1.0
mm)にアルカリ脱脂ステンレス用の処理で化成処理を
施し、化成処理冷延鋼板を作成した。
【0041】実施例1 工程(1):上記製造例により得られた固形分50%熱
硬化性塗料組成物NO.1を、エアースプレー塗装にて
乾燥膜厚で20μmになるように塗装した。その時の塗
着塗料固形分は70%であった。 工程(2):工程(1)により作成した塗板を電気熱風
型乾燥機により、40℃−10分間乾燥した。そのとき
の塗膜固形分は90%であった。 工程(3):上記、工程(1)〜(2)により塗装され
た鋼板を、製造例により得られた固形分50%の熱硬化
性塗料組成物NO.2を、エアースプレー塗装にて乾燥
膜厚で35μmになるように塗装した。 工程(4):次いで,得られた熱硬化性塗料組成物N
O.1及び熱硬化性塗料組成物NO.2を有する被塗物
を電気熱風型乾燥機により170℃−30分間乾燥し試
験板を得た。
【0042】実施例2及び比較例1、2 実施例1と同様に化成処理冷延鋼板を用いて、表1に示
される工程で実施例2及び比較例1、2の塗装鋼板を作
成した。
【0043】
【表1】
【0044】性能試験 実施例1、2及び比較例1、2による塗装鋼板を用いて
以下の内容で性能試験を行った。その結果を表2に示
す。
【0045】
【表2】
【0046】(注1)碁盤目テープ試験:試験板にカッ
ターナイフで素地に達するように2mm間隔に5個×5
個マスの碁盤目状に切れ目を入れセロテープ(登録商
標)を貼り付けて剥離した。 評価: ○ :剥離したマス目のないもの △ :2個マス目以下の剥離のもの × :3個マス目以上の剥離があるもの (注2)耐熱水性試験(外観):試験板を160℃−6
気圧で8時間行い、16時間自然放冷を1サイクルとし
て、15サイクル試験を行った後、塗膜の外観状態を評
価した。
【0047】(注3)耐熱水性試験(付着性):試験板
を160℃−6気圧で8時間行い、16時間自然放冷を
1サイクルとして、15サイクル試験を行った後、付着
性を評価した。付着性は上記碁盤目テープ試験を行い上
記と同様の方法で評価した。
【0048】(注4)耐沸騰水試験:試験板を沸騰水に
1000時間浸漬し、その後の塗膜異常の有無を観察し
た。
【0049】(注5)耐候性試験(外観):試験板を促
進耐候性試験機サンシャイン・ロングライフ・ウェザー
・メーターを用いて500時間照射後の塗膜外観異常の
有無を観察した。
【0050】(注6)耐候性試験(光沢保持率%):耐
候性試験(外観):試験板を促進耐候性試験機サンシャ
イン・ロングライフ・ウェザー・メーターを用いて50
0時間照射後の光沢保持率(%)(試験後塗膜の60度
鏡面反射率/試験前塗膜の60度鏡面反射率)×10
0)を測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE13 BB25Y BB26Z CA13 CA18 CA32 CA33 CA38 CA44 DA06 DB02 DB04 DB05 DB06 DB07 DC01 DC38 EA07 EA19 EB22 EB32 EB33 EB38 EB45 EB56 4J038 DG151 DG161 DG191 DG301 KA06 NA03 NA04 NA12 NA14 PA19 PB05 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程、 工程(1):被塗物に下記熱硬化性塗料組成物(A)を
    塗装して塗膜を形成する工程、熱硬化性塗料組成物
    (A);ベース樹脂(I)及びブロック化ポリイソシア
    ネート化合物(II)を含有する組成物であって、ベース
    樹脂(I)がエポキシ樹脂(a)10〜30重量%、ア
    クリル樹脂(b)20〜60重量%、アミノ樹脂(c)
    20〜35重量%を含有する樹脂であり、そして該ベー
    ス樹脂(I)及びブロック化ポリイソシアネート化合物
    (II)との配合割合が両者の総合計重量%換算で、ベー
    ス樹脂(I)80〜99重量%、ブロック化ポリイソシ
    アネート化合物(II)1〜20重量%の組成物である。 工程(2):次いで、上記で得られた熱硬化性塗料組成
    物(A)を有する被塗物を常温でのセッティング、又は
    予備加熱により塗膜中の余分な溶剤を揮発させる工程、 工程(3):さらに、上記工程で得られた被塗物に、熱
    硬化性塗料組成物(B)を塗装して塗膜を形成する工
    程、熱硬化性塗料組成物(B);ベース樹脂(III)及
    びブロック化ポリイソシアネート化合物(IV)を含有す
    る組成物であって、ベース樹脂(III)が、エポキシ樹
    脂(a)0〜20重量%、アクリル樹脂(b)30〜7
    0重量%、アミノ樹脂(c)20〜40重量%を含有す
    る樹脂であり、そして該ベース樹脂(III)及びブロッ
    ク化ポリイソシアネート化合物(IV)との配合割合が両
    者の総合計重量%換算で、ベース樹脂(III)80〜9
    9重量%、ブロック化ポリイソシアネート化合物(IV)
    1〜20重量%の組成物である。 工程(4):次いで,得られた熱硬化性塗料組成物
    (A)及び熱硬化性塗料組成物(B)を有する被塗物を
    同時に加熱して硬化させる焼き付け工程、を含むことを
    特徴とする塗装鋼板用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 上記、工程(1)における熱硬化性塗料
    組成物(A)の塗料固形分が40〜70重量%、塗装後
    の塗着塗料固形分が50〜80重量%、及び工程(2)
    においてセッティング又は予備加熱後の塗膜固形分が、
    70〜100重量%になることを特徴とする工程で製造
    される請求項1に記載の塗装鋼板用塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ブロック化ポリイソシアネート化合物
    (II)で用いるところイソシアネート種が、イソホロン
    ジイソシアネート(IPDI)である、請求項1に記載
    の塗装鋼板用塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102227920B1 (ko) * 2020-04-02 2021-03-16 주식회사 칼라테크 내화도료의 도장 시공방법

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