JP2002080610A - 改質ポリプロピレンの製造方法および発泡体 - Google Patents
改質ポリプロピレンの製造方法および発泡体Info
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Abstract
質ポリプロピレンが得られるような改質ポリプロピレン
の製造方法を提供すること、外観美麗で、耐熱性に優れ
る改質ポリプロピレンが得られるような改質ポリプロピ
レンの製造方法を提供すること。 【解決手段】改質ポリプロピレンの製造方法は、ポリプ
ロピレン(A)、ポリプロピレン架橋型ペルオキシド
(B)およびポリプロピレン分解型ペルオキシド(C)
を160〜250℃で溶融混練する。
Description
ンの製造方法および発泡体に関し、さらに詳しくは、ポ
リプロピレンと特定の2種の有機ペルオキシドとを溶融
混練する改質ポリプロピレンの製造方法およびこの方法
により製造された改質ポリプロピレンから得られる発泡
体に関する。
一般に軽量で断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好で
あることから、断熱材、緩衝材、芯材、食品容器などと
して、幅広く利用されている。なかでもポリプロピレン
からなる発泡体は、耐薬品性、耐衝撃性および耐熱性が
良好であり、食品衛生性に優れているところから生鮮食
品用トレーとして使用する検討が進められている。
脂であるために、溶融時の粘度およびメルトテンション
が低く、ポリプロピレンを発泡させる場合、発泡時にセ
ルが破壊しやすいという問題があった。このためポリプ
ロピレンを発泡させて外観に優れ、二次加工性に優れ
た、低密度の発泡体を得ることが困難であった。ポリプ
ロピレンの発泡性を改良する方法として、例えばポリプ
ロピレンに発泡剤と架橋助剤とを添加してその分子を架
橋させつつ発泡体を製造する方法が、例えば特公昭45
−40420号公報に提案されている。しかしこの方法
でもポリプロピレンのメルトテンションの向上は不十分
であり、かつこのようなポリプロピレンには架橋しない
架橋助剤が残存する結果、臭気が強く食品包装用途には
不向きとなる。
法として、ポリプロピレンにポリエチレンをブレンドし
て、これを発泡させる方法が、例えば特公昭44−25
74号公報などに提案されている。しかしこの方法によ
るポリプロピレンのメルトテンションの向上効果は小さ
く、二次加工性に優れた発泡体は得られない。ところで
WO99/27007にはラジカル重合開始剤としてペ
ルオキシジカーボネート化合物を用いることが記載され
ている。
ロピレン単独重合体1種類、ポリプロピレンブロック共
重合体1種類、ポリプロピレンランダム共重合体1種類
と数種類のペルオキシジカーボネート化合物とを数水準
配合した改質ポリプロピレンが紹介されているのみで、
発泡成形に適した特性の樹脂を得るにはどのような処方
にすればよいのかということの提案は全くなされていな
い。
ンとペルオキシジカーボネート化合物とを反応させて得
られる改質ポリプロピレンは溶融粘度が増加するため、
しばしば造粒時にストランドが切断して造粒が困難にな
ったり、シート成形した場合、肌荒れを生じて外観が不
良になることがありその対策が必要であった。
なされたものであって、発泡性の改良された改質ポリプ
ロピレンの製造方法およびこの方法により製造された改
質ポリプロピレンから得られる発泡体を提供することを
目的としている。また本発明は、食品衛生性に優れ、食
品用トレーなどに好適な発泡ポリプロピレンに用いるこ
とのできる改質ポリプロピレンの製造方法およびこの方
法により製造された改質ポリプロピレンから得られる発
泡体を提供することを目的としている。
が高く、二次加工性が優れ、低密度であり、外観美麗な
発泡体を製造するに好適な改質ポリプロピレンの製造方
法およびこの方法により製造された改質ポリプロピレン
から得られる発泡体を提供することにある。
方法は、ポリプロピレン(A)、ポリプロピレン架橋型
ペルオキシド(B)およびポリプロピレン分解型ペルオ
キシド(C)を160〜250℃で溶融混練することを
特徴としている。本発明では、前記ポリプロピレン架橋
型ペルオキシド(B)がペルオキシジカーボネートであ
ることが好ましく、前記前記ペルオキシジカーボネート
が、ビス(4-t-ブチルシクロへキシル)ペルオキシジカ
ーボネートまたはジセチルペルオキシジカーボネートで
あることが好ましい。
型ペルオキシド(C)がジアルキルペルオキシドである
ことが好ましく、前記ジアルキルペルオキシドが、2,5-
ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンで
あることが好ましい。本発明に係る発泡体は、前記の方
法で得られた改質ポリプロピレンを発泡させて得られる
ことを特徴としている。
ピレンの製造方法および発泡体について具体的に説明す
る。本発明に係る改質ポリプロピレンの製造方法は、ポ
リプロピレン(A)、ポリプロピレン架橋型ペルオキシ
ド(B)およびポリプロピレン分解型ペルオキシド
(C)を溶融混練する。まず、これら本発明で用いられ
る各成分について説明する。
料ポリプロピレン」ということがある。)は、プロピレ
ン単独重合体またはプロピレンと、プロピレンを除く炭
素原子数が2〜20のα-オレフィンから選ばれる少な
くとも1種のα-オレフィンとの共重合体である。
0のα-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-
ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキ
サデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げら
れ、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα-オレフ
ィンが好ましい。
ランダム共重合体を形成してもよく、また、ブロック共
重合体を形成してもよい。これらのα-オレフィンから
導かれる構成単位は、ポリプロピレン中に5%以下、好
ましくは2%以下の割合で含んでいてもよい。ポリプロ
ピレン(A)のメルトフローレート(ASTM D 12
38、230℃、荷重2.16kg)は、通常0.4〜
15g/10分、好ましくは1.0〜10g/10分の範囲
にある。
て、ポリプロピレン(A)以外の他の樹脂またはゴムを
本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。上
記他の樹脂またはゴムとしては、例えばポリエチレン;
ポリ-1-ブテン、ポリイソブテン、ポリ-1-ペンテン、ポ
リ-1-メチルペンテンなどのポリα-オレフィン;プロピ
レン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン共
重合体、エチレン/1-ブテン共重合体、プロピレン含有
量が75重量%未満のプロピレン/ブテン-1共重合体な
どの炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる
2種のα-オレフィンの共重合体;プロピレン含有量が
75重量%未満のエチレン/プロピレン/5-エチリデン
-2-ノルボルネン共重合体などの炭素原子数2〜20の
α-オレフィンから選ばれる2種のα-オレフィンとジエ
ン系単量体との共重合体;エチレン/塩化ビニル共重合
体、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、エチレン/ア
クリロニトリル共重合体、エチレン/メタクリロニトリ
ル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン
/アクリルアミド共重合体、エチレン/メタクリルアミ
ド共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン
/メタクリル酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メ
チル共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エ
チレン/アクリル酸金属塩共重合体、エチレン/メタク
リル酸金属塩共重合体、エチレン/スチレン共重合体、
エチレン/メチルスチレン共重合体、エチレン/ジビニ
ルベンゼン共重合体などの炭素原子数2〜20のα-オ
レフィンから選ばれる1種のα-オレフィンとビニル単
量体との共重合体;ポリイソブテン、ポリブタジエン、
ポリイソプレンなどのポリジエン系共重合体;スチレン
/ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体/ジ
エン系単量体ランダム共重合体;スチレン/ブタジエン
/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/ジエ
ン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;水素化
(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)などの水素
化(ビニル単量体/ジエン系単量体ランダム共重合
体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロッ
ク共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン系単
量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニト
リル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリル酸メ
チル/ブタジエン/スチレン共重合体などのビニル単量
体/ジエン系単量体/ビニル単量体グラフト共重合体;
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニ
トリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリ
アクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチルなどのビニ
ル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/ス
チレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合
体などのビニル系共重合体などがあげられる。
樹脂またはゴムの添加量は、これら他の樹脂の種類また
はゴムの種類により異なり、前記のように本発明の効果
を損なわない範囲であればよいが、通常25重量%程度
以下であることが好ましい。さらに、ポリプロピレン
(A)には必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
金属石鹸、塩酸吸収剤などの安定剤、核剤、滑剤、可塑
剤、充填材、強化剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤
などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加
してもよい。
(B)は、ポリプロピレンと溶融処理すると、ポリプロ
ピレンの粘度が増加し、みかけの分子量が増加するよう
なペルオキシドであり、例えばペルオキシジカーボネー
トが挙げられる。
般式 R1-OC(O)OOC(O)O−R2 で表され
る化合物である。ここで、R1およびR2は互いに同一で
も異なっていてもよく。CH3、2-i-C3H7O-C6H4、
C2H5CH(CH3)、4-CH3-C6H4、Cl3CC(C
H3)2、C7H15、c-C6H11CH2、3-t-C4H9-C
6H5、Cl3Si(CH2)3、C6H5、CH3CH(OC
H3)CH2CH2、C6H5OCH2CH2、C6H5CH2、
z-C8H17CH=CH(CH2)8、2-CH3-C6H4、
(CH3)2CHCH2CH(CH3)、3,4-ジ-CH3-C6
H3、Cl3C、CHCH(Cl)、ClCH2、[C2H
5OC(O)]2CH(CH3)、3,5-ジ-CH3-C6H3、
C8H17、C2H5、C18H 37、2-オキソ-1,3-ジオキサン
-4-CH2、C2H5CH(Cl)CH2、4-CH3O-C6H
4、i-C4H9、CH3SO2CH2CH2、C12H25、C6H
5CH(Cl)CH 2、H2C=CHCH2、2-Clc-C6
H10、H2C=C(CH3)CH2、c-CH6H 11、ClC
H2CH2、4-[C6H5−N=N]-C6H4CH2、ステア
リル、1-ナフチル、4-t-C4H9-C6H10、2,4,5-トリ-
Cl-C6H2、C14H29、9-フルオレニル、4-NO2-C6
H4CH2、2-i-C3H7-C6H4、CH3OCH2CH2、H
2C=C(CH3)、3-CH3-C6H4、BrCH2CH2、
3-CH3-5-i-C3H7-C6H3、Br3CCH2、C2H5O
CH2CH2、HC2=CH、i-C3H7、2-C2H5CH
(CH3)-C6H4、Cl3CCH2、C5H11、c-C12H
23、4-t-C4H9-C6H4、C6H13、C3H7、C6H13C
H(CH3)、CH3OC(CH3)2CH2CH2、C3H 7
OCH2CH2、CH3OCH2CH(CH3)、2-i-C3H
7-5-CH3-c-C6H9、C4H9OCH2CH2、t-C4H9、
(CH3)3CCH2 などが挙げられる。
を、zはシスを、cはサイクリックを意味する。これら
の化合物のうち好ましい化合物としては、ビス(4-t-ブ
チルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジセ
チルペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキ
シジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボ
ネート、ジ-n-ブチルペルオキシジカーボネート、ビス
(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネートなどが
挙げられる。
ヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジセチルペルオ
キシジカーボネートが架橋効果が優れているため、特に
好ましい。これらのポリプロピレン架橋型ペルオキシド
(B)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用い
ることができる。
(B)の添加量は、ポリプロピレン(A)100重量部
に対して、0.3〜5重量部の範囲内にあることが好ま
しく、0.5〜3重量部の範囲内にあることがさらに好
ましい。(C)ポリプロピレン分解型ペルオキシド 本発明で用いられるポリプロピレン分解型ペルオキシド
(C)とは、ポリプロピレン(A)と溶融処理すると、
ポリプロピレン(A)の極限粘度が低下し、分子量が減
少するようなペルオキシドをいう。
としては、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、
メチルアセトアセテートペルオキシドなどのケトンペル
オキシド;1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-ト
リメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキ
シ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペ
ルオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチルペルオキ
シ)ブタンなどのペルオキシケタール;パーメタンハイ
ドロペルオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイド
ロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロペル
オキシド、クメンハイドロペルオキシドなどのハイドロ
ペルオキシド;ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-
2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、α,α'-ビス
(t-ブチルペルオキシm-イソプロピル)ベンゼン、t-ブ
チルクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、
2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-
3などのジアルキルペルオキシド;ベンゾイルペルオキ
シドなどのジアシルペルオキシド;ジ(3-メチル-3-メ
トキシブチル)ペルオキシジカーボネロピル)ベンゼ
ン、t-ブチルクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオ
キシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)
ヘキシン-3などのジアルキルペルオキシド;ベンゾイル
ペルオキシドなどのジアシルペルオキシド;t-ブチルペ
ルオキシオクテート、t-ブチルペルオキシソブチレー
ト、t-ブチルペルオキシラウレート、t-ブチルペルオキ
シ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキ
シソプロピルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベ
ンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルペルオキシア
セテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、ジ-t-ブ
チルペルオキシソフタレートなどのペルオキシエステル
などが挙げられる。
ド(C)の中では、ジアルキルペルオキシドが好まし
く、なかでも2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキ
シ)ヘキサンがペルオキシドは、分解温度が低く、分解
臭が少ない点で好ましい。これらのポリプロピレン分解
型ペルオキシド(C)は、1種単独でまたは2種以上組
み合わせて用いることができる。
(C)の添加量は、原料ポリプロピレン系樹脂(A)1
00重量部に対して、0.001〜0.5重量部の範囲
内にあることが好ましく、0.005〜0.2重量部の
範囲内にあることがさらに好ましい。ポリプロピレン分
解型ペルオキシド(C)の添加量が、前記範囲内にあと
ポリプロピレン分解型ペルオキシド(C)による改質ポ
リプロピレンの流動性に対する改質効果を充分に得ら
れ、改質ポリプロピレンのMFRを増加させ過ぎたり、
メルトテンションを低下さて改質ポリプロピレンの架橋
発泡性能を損なうようなことがない。
ポリプロピレン架橋型ペルオキシド(B)およびポリプ
ロピレン分解型ペルオキシド(C)を溶融混練している
が、このとき必要に応じてビニル単量体を共存させても
よい。本発明で必要に応じて用いられるビニル単量体と
しては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル
酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸-2-エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリ
シルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸グリシルなどのメタクリル酸エステルなどが挙
げられる。
ピレン架橋型ペルオキシド(B)、ポリプロピレン分解
型ペルオキシド(C)、および必要に応じて他の添加剤
をリボンブレンダー、タンブラーブレンダー、ヘンシェ
ルブレンダーなどで混合する。
ロピレン架橋型ペルオキシド(B)、ポリプロピレン分
解型ペルオキシド(C)、および必要に応じて添加され
る他の添加剤は、次いで溶融混練することにより改質ポ
リプロピレンが得られる。溶融混練の装置としては、コ
ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押
出機、2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機、2軸
多円板装置などの横型かく攪拌機またはダブルヘリカル
リボン攪拌機などの縦型攪拌機などを採用することがで
きる。
練が可能でかつ生産性に優れる点から好ましい。また、
各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混
練を複数回繰返してもよい。また、溶融混練時の加熱温
度が160〜250℃、好ましくは170〜220℃で
ある。この温度範囲で溶融混練すると、ポリプロピレン
(A)が充分に溶融し、かつ架橋剤が完全に分解して得
られる改質ポリプロピレンが成形時に更に性状を変化さ
せることがないため好ましい。また溶融混練の時間は、
一般に10秒間〜5分間、好ましくは30秒〜60秒間
である。
ンは、メルトフローレート(ASTM D 1238、2
30℃、荷重2.16kg)が好ましくは0.1〜15
g/10分の範囲にあり、メルトテンションが好ましくは
3〜20gの範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーにより求めたMw/Mnが好ましくは2〜
5の範囲にあり、沸騰パラキシレン抽出によるゲル分率
が好ましくは0.1〜10重量%の範囲にある。
ら発泡体を製造する方法としては、主として次の2つの
方法が例示できる。 (1)以上の方法で得た改質ポリプロピレンと、分解型
発泡剤と、必要に応じて他の添加剤と溶融加熱し、発泡
成形する方法。 (2)溶融させた状態の改質ポリプロピレンに揮発型発
泡剤を圧入した後、押出機により押出すことにより発泡
体を得る方法。
は、発泡剤が分解して炭酸ガス、窒素ガスなどの気体を
発生する化合物であって、無機系の発泡剤であっても有
機系の発泡剤であってもよく、また気体の発生を促す有
機酸などを併用添加してもよい。分解型発泡剤の具体例
として、次の化合物が挙げられる。 (a)無機系発泡剤:重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸ア
ンモニウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム。 (b)有機系発泡剤:N,N'-ジニトロソテレフタルアミ
ド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのN
-ニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾ
ジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレートな
どのアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、ト
ルエンスルフォニルヒドラジド、p,p'-オキシビス(ベ
ンゼンスルフェニルヒドラジド)、ジフェニルスルフォ
ン-3,3'-ジスルフォニルヒドラジドなどのスルフォニル
ヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'-ジフェニ
ルジスルフォニルアジド、p-トルエンスルフォニルアジ
ドなどのアジド化合物。
の炭酸塩または炭酸水素塩が好ましい。これらの分解型
発泡剤は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用い
ることができる。前記分解型発泡剤の添加量(混練量)
は、発泡剤の種類および目標発泡倍率により選択すれば
よいが、改質ポリプロピレン100重量部に対して、
0.5〜100重量部の範囲内にあることが好ましい。
ントロールするために、必要に応じて、クエン酸等の有
機カルボン酸またはタルクなどの発泡核剤を併用しても
よい。 必要に応じて用いられる発泡核剤は、改質ポリ
プロピレン100重量部に対して、通常0.01〜1重
量部添加して用いられる。前記方法(1)では、前記改
質ポリプロピレンと前記分解型発泡剤とを共に溶融押出
機に供給し、適宜の温度で溶融混練しながら発泡剤を熱
分解させることにより気体を発生させ、この気体を含有
する溶融状態の改質ポリプロピレンをダイより吐出する
ことにより、発泡体に成形することができる。この方法
における溶融混練温度および溶融混練時間は、用いられ
る発泡剤および混練条件により適宜選択すればよく、通
常溶融混練温度が170〜300℃、溶融混練時間が1
〜60分間で行うことができる。
型発泡剤を用いることができる。好ましい揮発型発泡剤
としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロブタン、
シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素
類;クロロジフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリ
フルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ
メタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロ
メタン、トリクロロフルオロメタン、クロロメタン、ク
ロロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロフ
ルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジクロロペン
タフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ジフルオロ
エタン、ペンタフルオロエタン、トリフルオロエタン、
ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオ
ロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、クロロペン
タフルオロエタン、パーフルオロシクロブタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類;二酸化炭素、チッ素、空気などの
無機ガス;水などが挙げられる。これらの揮発型発泡剤
は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いること
ができる。
加量(混練量)は、発泡剤の種類および目標発泡倍率に
より異なるが、改質ポリプロピレン100重量部に対し
て、0.5〜100重量部の範囲内にあることが好まし
い。また、前記方法(2)では、押出機内で前記改質ポ
リプロピレンを溶融させ、この押出機内に前記揮発型発
泡剤を圧入し、高圧に保持しつつ溶融状態の該改質ポリ
プロピレンと混練し、充分に混練された改質ポリプロピ
レンと揮発型発泡剤との混練体をダイより押出すことに
より、発泡体に形成することができる。この方法におけ
る溶融混練温度および溶融混練時間は、用いられる発泡
剤および混練条件により適宜選択すればよく、溶融混練
温度が130〜300℃、溶融混練時間が1〜120分
間であることが通常である。
(2)においても、押出機で溶融し、発泡セルを有する
溶融物をTダイまたは円筒状のダイより吐出し、好まし
くはシートを成形することにより、発泡体に成形しう
る。円筒状のダイより吐出した場合は、通常円筒状シー
トを1つまたは複数に切り分けた後に平滑にしたシート
を引き取る。
外部からの応力の緩衝性または圧縮強度が好適であると
いう点から、その密度が0.09〜0.6g/cm3で
あることが好ましく、特に0.15〜0.3g/cm3
であることがさらに好ましい。従って、改質ポリプロピ
レンの発泡倍率は、好ましくは1.3〜10倍、特に
1.6〜6倍発泡の範囲である。
有し、外力の緩衝性がよく、そして好適な圧縮強度を有
するという点から、その独立気泡率が50%以上である
ことが好ましく、70%以上であることがさらに好まし
い。また、本発明に係る発泡体の製法において、製造し
うる形状としてはシート状やボード状などの板状、チュ
ーブ状や袋状などの中空状、円柱状やだ円柱状や角柱状
やストランド状などの柱状、粒子状など様々な形状が挙
げられる。
ンは、メルトテンションが高く、かつMFRが適度であ
ることから、特に発泡シート状に成形することに適して
いる。この改質ポリプロピレンから製造された発泡シー
トは二次成形成が良好であり、熱圧空成形または真空成
形により、発泡シートからトレーなどを多量に成形する
ことができる。
性が高く、かつ耐薬品性、食品衛生性に優れていること
から、従来ポリスチレンが使用されていた食品包装用、
特にカップラーメン、アイスクリーム容器、魚、肉のト
レー等に使用することができる。
ルトテンションが高く、適度な流動性を有する改質ポリ
プロピレンが得られる。この改質ポリプロピレンから
は、二次加工性が優れ、外観美麗な、耐熱性、食品衛生
性に優れた発泡体を成形することができる。
れ、外観美麗で、耐熱性、食品衛生性に優れている。
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
4、グランドポリマー(株)製、MFR:8.0g/10
分)100重量部と、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシ
ル)ペルオキシジカーボネート(商品名:パーカドック
ス16、化薬アクゾ(株)製)1.0重量部と、2,5-ジメ
チル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン(商品
名:パーヘキサ25B、日本油脂社製)0.02重量部
とを同方向完全噛合型2軸押出し機((株)テクノベル
製、KZW25-30MG、スクリュー径31mmφ、
L/D=30)を用いて樹脂温度190℃、スクリュー
回転速度150rpm(平均滞留時間30秒)で溶融混
練し、溶融押出しにより改質ポリプロピレンAのペレッ
トを得た。
MFR、メルトテンションを測定、ゲル分率を算出し
た。結果を表1に示す。参考として分子量分布(Mw/
Mn)を併せて記載した。なお、メルトフローレート
(MFR)はASTM D 1238の方法により230
℃、荷重2.16kgで測定した値である。
定装置(東洋精機製作所(株)製)を用いて、オリフィス
(L=8.00mm、D=2.095mm)、設定温
度:230℃、ピストン降下速度30mm/min、巻
取り速度4mm/minの条件で、ロードセル検出付き
プーリーの巻取り荷重を測定した値である。Mw、Mn
およびMzは、GPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)を使用して測定された値である。例えば、
Waters社製の150C型機を用い、ポリマーラボラトリ
ーズ社製のカラムPlmixedBを取り付け、測定温度を13
5℃とし、溶媒としてo-ジクロロベンゼンを使用し、ポ
リマー濃度0.15重量%のサンプル量を400μl供
給し、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線からM
w、MnおよびMzを求めることができる。
試料を約2g装入し、沸騰パラキシレン還流で6時間抽
出を行い、金網内に残存した物の重量から下記の式で算
出した。 ゲル分率(%)=(残存物量(g)/仕込み量(g))
×100
ヘキシル)ペルオキシジカーボネートと、2,5-ジメチル
-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンとの配合量
をそれぞれ0.8重量部および0.01重量部に変更し
たこと以外は実施例1と同様に行い改質ポリプロピレン
Bを得た。この改質ポリプロピレンBの性状測定結果を
表1に示す。
チルペルオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油
脂社製)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行
い改質ポリプロピレンCを得た。この改質ポリプロピレ
ンCの性状測定結果を表1に示す。
量部、発泡剤マスターバッチ(商品名:PE−RM41
0EN、大日精化(株)製、重炭酸ナトリウム/クエン
酸配合品)3重量部とをタンブラーブレンダーで3分間
混合した。この混合物を先端に80mmφのサーキュラ
ーダイおよび190mmφのマンドレルが設けられた6
5mm単軸押出機(L/D=28)を用いて、厚さ0.
8mmの環状発泡シートを成形した。この製造装置にお
ける環状発泡シートの膨比は2.4であった。この環状
発泡シートの1角を切り開いて平滑シートとして引取機
により引き取った。
ル形状および二次成形性(真空成形性)につき評価し
た。結果を表2に示す。 シート外観:目視で下記評価基準により評価した。 ○:未発泡部位や凹凸、コルゲート見られない ×:未発泡部位や凹凸、コルゲートが見られる。
た体積とから見かけ密度(D)を算出し、真比重(0.
90)から「M=0.90/D」で求めた。 セル形状:発泡シート断面のSEM観察を行い、気泡の
状態観察を行った。隣接する気泡同士がお互い独立して
いる場合を「独立」、繋がっている場合を「連通」と
し、評価した。
mm、40mm、50mmの3個のカップを同時に真空
成形できる金型を用いてシートを160℃で2分加熱後
真空成形したときの、成形されたカップの形状を良○、
不良×で評価し、カップの外観を5段階(良:5・・・
不良:1)で評価した。
代えて、改質ポリプロピレンBを用いたこと以外は実施
例3と同様にして厚さ0.8mmの発泡シートを成形し
た。この発泡シートを実施例3と同様にして評価した。
結果を表2に示す。
代えて、改質ポリプロピレンCを用いたこと以外は実施
例3と同様にして厚さ0.8mmの発泡シートを成形し
た。この発泡シートを実施例3と同様にして評価した。
結果を表2に示す。
代えて、ポリプロピレンプロピレン単独重合体(商品
名:J104、グランドポリマー(株)、MFR:8.0
g/10分)を用いたこと以外は実施例3と同様にして厚
さ0.8mmの発泡シートを成形した。この発泡シート
を実施例3と同様にして評価した。真空成形はドローダ
ウンがひどく成形できなかった。結果を表1、2に示
す。
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリプロピレン(A)、ポリプロピレン
架橋型ペルオキシド(B)およびポリプロピレン分解型
ペルオキシド(C)を160〜250℃で溶融混練する
ことを特徴とする改質ポリプロピレンの製造方法。 - 【請求項2】 前記ポリプロピレン架橋型ペルオキシド
(B)がペルオキシジカーボネートである請求項1に記
載の改質ポリプロピレンの製造方法。 - 【請求項3】 前記ペルオキシジカーボネートが、ビス
(4-t-ブチルシクロへキシル)ペルオキシジカーボネー
トである請求項2に記載の改質ポリプロピレンの製造方
法。 - 【請求項4】 前記ペルオキシジカーボネートが、ジセ
チルペルオキシジカーボネートである請求項2に記載の
改質ポリプロピレンの製造方法。 - 【請求項5】 前記ポリプロピレン分解型ペルオキシド
(C)がジアルキルペルオキシドである請求項1〜4の
いずれかに記載の改質ポリプロピレンの製造方法。 - 【請求項6】 前記ジアルキルペルオキシドが、2,5-ジ
メチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサンであ
る請求項5に記載の改質ポリプロピレンの製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の改質ポ
リプロピレンを原料とする発泡体。
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