JP2002079539A - 光学素子およびその製造方法ならびに光ヘッドおよび光ディスク装置 - Google Patents

光学素子およびその製造方法ならびに光ヘッドおよび光ディスク装置

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JP2002079539A
JP2002079539A JP2000272190A JP2000272190A JP2002079539A JP 2002079539 A JP2002079539 A JP 2002079539A JP 2000272190 A JP2000272190 A JP 2000272190A JP 2000272190 A JP2000272190 A JP 2000272190A JP 2002079539 A JP2002079539 A JP 2002079539A
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optical
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optically effective
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JP2000272190A
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English (en)
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Atsushi Murata
淳 村田
Akira Morimoto
章 森本
Toshiaki Takano
利昭 高野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学性能がよく性能が均一な光学素子および
その製造方法、ならびにそれを用いた光ヘッドおよび光
ディスク装置を提供する。 【解決手段】 樹脂からなる部材を研磨することによっ
て、球状の樹脂材31を形成する第1の工程と、第1の
光学有効面を形成するための第1の型34と第1の光学
有効面よりも曲率半径が小さい第2の光学有効面を形成
するための第2の型35とを備える成形型32を用い、
第2の型35のみを移動させて樹脂材31を加熱加圧成
形する第2の工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子およびそ
の製造方法、ならびに光ヘッドおよび光ディスク装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】光学素子は、光ディスク装置などの光ヘ
ッド等に利用されている。プラスチック材料を用いて光
学素子を成形する従来の方法としては、たとえば、射出
成形法や圧縮成形法などがある。射出成形法は、ペレッ
トを加熱して溶融し、インサートで形成されたキャビテ
ィ内に射出充填する方法である。また、圧縮成形法は、
射出成形によって略最終形状に前加工されたプラスチッ
ク素材を一定温度に保持された成形型内に供給したのち
加圧する方法である(特開平5−177725号公報参
照)。以下に、従来の成形方法、成形型および光学素子
について図を用いて簡単に説明する。
【0003】従来の成形型を用いた場合の成形状態につ
いて、概略断面図を図5に示す。図5を参照して、従来
の成形型は、胴型1aおよび1bからなる胴型1と、胴
型1の上下から嵌挿される上型2および下型3とからな
る。
【0004】従来の製造方法では、まず、射出成形によ
って略最終形状(光学素子の形状)に前加工された光学
素子材料(ポリカーボネイト)4aを、胴型1と上型2
と下型3とによって形成されるキャビティー内部に配置
する。成形型は、加熱加圧機構を有するプレスヘッド5
と、加熱機構を有するプレスステージ6とによって荷重
たわみ温度以上でガラス転移点未満の温度に予め昇温さ
れている。光学素子材料4aの温度が胴型1、上型2お
よび下型3の温度と略一致し、荷重たわみ温度以上でガ
ラス転移点未満の一定温度になったとき、プレスヘッド
5を下降させ、上型2によって、光学素子材料4aに約
9.8×106Pa(約100kgf/cm2)の加圧力
を加えて変形させ、その状態を一定時間保持する。その
後、加圧力を解除し、荷重たわみ温度まで冷却した後、
上型2を取り外して成形された光学素子4を取り出す。
このようにして成形された光学素子4の断面図を図6に
示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、略最終
形状に前加工された光学素子材料(ポリカーボネイト)
4aには、射出成形によって形成されることに基づく表
面欠陥が存在する。このため、上記従来の製造方法で
は、光学素子の表面に欠陥が残って光学性能に影響を及
ぼしやすいという問題があった。また、射出成形で複数
個の光学素子材料を同時に成形する際に、重量がわずか
にばらつく場合があり、図6に示すようなバリ4bが発
生する可能性があった。また、ゲート部に残留歪みがで
きることなどによって、光学素子の性能がばらつく原因
となるという問題があった。
【0006】表面欠陥のある光学素子や、光学性能にば
らつきがある光学素子を用いて光ヘッドや光ディスクな
どを製造すると、これらの性能もばらつくという問題が
ある。
【0007】上記問題を解決するため、本発明は、光学
性能がよく性能が均一な光学素子およびその製造方法、
ならびにそれを用いた光ヘッドおよび光ディスク装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学素子は、第1の光学有効面と前記第1
の光学有効面よりも曲率半径が小さい第2の光学有効面
とを備える光学素子であって、前記第1の光学有効面を
形成するための第1の型と前記第2の光学有効面を形成
するための第2の型とを備える成形型を用い、樹脂から
なり研磨によって球状に加工された樹脂材を、前記第2
の型のみを移動させて加熱加圧成形することによって形
成されたことを特徴とする。ここで、光学有効面とは、
光学素子のうち光学的な機能を発揮する部分の面をい
う。研磨によって球状に加工された樹脂材は、透明性が
高くバラツキが小さいため、上記光学素子は、光学性能
がよく性能が均一である。また、上記光学素子は、第2
の型のみを移動させて加熱加圧成形されるため、成形の
際に軸対称性が保たれたまま樹脂材が成形される。この
ため、成形された光学素子が冷却時に不均一に収縮する
こと抑制される。したがって、上記光学素子は、性能が
均一である。また、上記光学素子は、球状の樹脂材を用
いて成形されるため、バリの発生が抑制されている。
【0009】上記光学素子では、前記樹脂材が、前記樹
脂のガラス転移点未満の温度で熱処理することによって
水分を除去されていることが好ましい。本発明者らは、
光学素子の材料である樹脂の水分を除去してから成形を
行うことによって、透過波面収差を抑制できることを見
出した。すなわち、上記構成によれば、透過波面収差が
小さい光学素子が得られる。
【0010】また、本発明の光学素子の製造方法は、第
1の光学有効面と前記第1の光学有効面よりも曲率半径
が小さい第2の光学有効面とを備える光学素子の製造方
法であって、樹脂からなる部材を研磨することによっ
て、球状の樹脂材を形成する第1の工程と、前記第1の
光学有効面を形成するための第1の型と前記第2の光学
有効面を形成するための第2の型とを備える成形型を用
い、前記第2の型のみを移動させて前記樹脂材を加熱加
圧成形する第2の工程とを含むことを特徴とする。上記
製造方法によれば、上記本発明の光学素子で説明したよ
うに、光学性能がよく性能が均一である光学素子を製造
できる。
【0011】上記製造方法では、前記第1の工程ののち
であって前記第2の工程の前に、前記樹脂のガラス転移
点未満の温度で前記樹脂材を熱処理することによって前
記樹脂材の水分を除去する工程を含むことが好ましい。
上記構成によれば、透過波面収差が小さい光学素子を製
造できる。
【0012】また、本発明の光ヘッドは、光源と前記光
源の光軸上に配置された光学素子とを備える光ヘッドで
あって、前記光学素子が上記本発明の光学素子であるこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の光ディスク装置は、光ディ
スクに対して情報の記録または再生を行う光ディスク装
置であって、光源と、前記光源と前記光ディスクとの間
に配置された光学素子とを備え、前記光学素子が、上記
本発明の光学素子であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0015】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
光学素子について説明する。実施形態1の光学素子10
について、平面図を図1(a)に、図1(a)の線X−
Xにおける断面図を図1(b)に示す。
【0016】図1を参照して、光学素子10は、第1の
光学有効面10aと、第1の光学有効面10aよりも曲
率半径が小さい第2の光学有効面10bとを備える。す
なわち、第2の光学有効面10bの曲率半径R2は、第
1の光学有効面10aの曲率半径R1よりも小さい。
【0017】光学素子10は、第1の光学有効面10a
を形成するための第1の型と第2の光学有効面10bを
形成するための第2の型とを備える成形型を用いて形成
される。具体的には、第2の型のみを移動させて樹脂か
らなる球状(好ましくは真球状)の樹脂材を加熱加圧成
形することによって形成される。樹脂材は、加熱加圧成
形の前に、ガラス転移点未満の温度で熱処理することに
よって水分が除去されていることが好ましい。
【0018】球状の樹脂材の材料である樹脂には、光学
素子の材料として用いられる樹脂であれば特に限定なく
用いることができる。具体的には、たとえば、ポリエチ
レンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、ア
クリル樹脂、ポリカーボネート、スチレン樹脂などを用
いることができる。球状の樹脂材は、略球状に前加工さ
れた樹脂塊を研磨することによって形成される。このた
め、材料である樹脂は、研磨加工しやすいものであるこ
とが好ましい。球状の樹脂材は、光学素子性能を安定さ
せるため、±5μm程度の外径精度に加工することが好
ましい。
【0019】(実施形態2)実施形態2では、本発明の
光学素子の製造方法について説明する。この製造方法
は、実施形態1で説明した光学素子10を製造するため
の製造方法である。なお、実施形態1で説明した部分と
同様の部分については重複する説明を省略する。
【0020】まず、樹脂からなる部材を研磨することに
よって、球状(好ましくは真球状)の樹脂材を形成する
(第1の工程)。樹脂材の原料となる樹脂には、実施形
態1で説明した樹脂を用いることができる。
【0021】次に、第1の光学有効面10aを形成する
ための第1の型と第2の光学有効面10bを形成するた
めの第2の型とを備える成形型によって、樹脂材を加熱
加圧成形する(第2の工程)。すなわち、第2の型のプ
レス面は、第1の型のプレス面よりも光学有効面を形成
する部分の曲率半径が小さい。第2の工程においては、
第2の型のみを移動させて樹脂材を加熱加圧成形する。
【0022】上記第1の工程ののちであって上記第2の
工程の前に、樹脂のガラス転移点未満の温度で熱処理す
ることによって樹脂材の水分を除去することが好まし
い。熱処理は、たとえば、(荷重たわみ温度−50℃)
以上でガラス転移点未満の温度で、30分〜180分の
範囲内の処理を行えばよい。
【0023】上記実施形態2の製造方法によれば、特性
がよく性能が均一な光学素子を製造できる。特に、実施
形態2の製造方法では、真球に近い球状の樹脂材を用い
て加熱加圧成形を行うため、成形時において樹脂が胴型
の内面の全周にほぼ同時に到達し、また、到達時間も従
来の材料に比べて長くなる。したがって、実施形態2の
製造方法によればバリが発生することを抑制できる。
【0024】(実施形態3)実施形態3では、本発明の
光ヘッドについて、一例を説明する。
【0025】実施形態3の光ヘッドについて、図2(ハ
ッチングは省略する)に構成を模式的に示す。図2を参
照して、光ヘッド20は、光源(レーザ光源)21と、
ハーフミラー22と、コリメートレンズ23と、光学素
子(対物レンズ)24と、受光素子25を備える。光学
素子24は、実施形態1で説明した光学素子10(実施
形態2の製造方法で製造される光学素子)である。光学
素子24は、光源21の光軸上に配置されている。
【0026】光ヘッド20では、光源21から出射され
た光は、ハーフミラー22によって反射され、コリメー
トレンズ23によって略平行光にされる。この略平行光
は、次に、光学素子24によって情報媒体26に集光さ
れ、反射される。ここで、情報媒体26は、たとえば光
ディスクである。情報媒体26からの反射光は、光学素
子24、コリメートレンズ23およびハーフミラー22
を透過し、受光素子25に到達する。受光素子25は、
入射した光を電気信号に変換して出力する。このように
して、情報媒体26に記録された情報信号を再生する。
【0027】上記実施形態3の光ヘッドでは、本発明の
光学素子を用いているため、光学性能が優れた光ヘッド
が得られる。
【0028】なお、図2に示した光ヘッドの構成は一例
であり、本発明の光学素子を用いる光ヘッドであれば、
他の構成はいかなるものであってもよい。
【0029】また、本発明の光ディスク装置は、光ディ
スクについて情報の記録または再生を行う光ディスク装
置であって、光源と、光源と光ディスクとの間に配置さ
れた光学素子とを備え、光学素子が、実施形態1で説明
した光学素子10(実施形態2の製造方法で製造される
光学素子)である。すなわち、本発明の光ディスク装置
は、上記光ヘッド20を備える光ディスク装置である。
上記光ディスク装置では、光学性能が優れた光ディスク
装置が得られる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0031】(実施例1)実施例1では、実施形態1で
説明した光学素子を実施形態2の製造方法で製造した一
例について、図3および図4を参照しながら説明する。
なお、この実施例では、第1の光学有効面(第1の光学
有効面10aに対応)の曲率半径R1=8mm、第2の
光学有効面(第2の光学有効面10bに対応)の曲率半
径R2=2.0mm、中心厚t=2.2mm、外径=
5.8mmである光学素子30を製造した。
【0032】まず、ポリオレフィン樹脂(ガラス転移点
Tg=140℃、荷重たわみ温度Tt=123℃)を射
出成形することによって略球状の樹脂塊(直径約6m
m)を形成した。その後、樹脂塊を研磨加工することに
よって球状の樹脂材31(直径3.8mm)を形成し
た。その後、図3(a)に示すように、樹脂材31を、
成形型32内に配置した。
【0033】成形型32は、略円筒状の胴型33と、胴
型33に嵌挿される第1の型34および第2の型35と
を備える。胴型33はステンレスからなる。第1の型3
4および第2の型35は超硬材料からなる。第1の型3
4は下方(地面側、つまり重力によって引かれる側)か
ら胴型33に嵌挿され、第2の型35は上方から胴型3
3に嵌挿される。第1の型34は、光学有効面10aを
形成するための型である。第2の型35は、光学有効面
10bを形成するための型である。したがって、第2の
型35のプレス面35aは、第1の型34のプレス面3
4aよりも、光学有効面を形成する部分の曲率半径が小
さい。
【0034】その後、図3(b)に示すように、第1の
型34を固定し、第2の型35のみを上方から移動させ
ることによって、樹脂材31を加熱加圧成形した。この
ようにして、図3(c)に示す光学素子30を製造し
た。加熱加圧成形は、図4に示す成形装置40を用いて
行った。
【0035】成形装置40は、ステージ40a〜40d
と、投入ステージ41と、取り出しステージ42とを備
える。ステージ40a〜40dは、第1の型34と接す
るプレスステージ43と、第2の型35を加圧するプレ
スヘッド44とを備える。プレスステージ43およびプ
レスヘッド44には、それぞれヒータが内蔵されてお
り、温度を自由に設定できるようになっている。各ステ
ージはあらかじめ所望の温度に昇温されており、所定の
時間毎に、成形型32が次のステージに順次搬送される
ようになっている。成形型32は、搬送アーム(図示せ
ず)によって搬送される。この実施例では、タクトタイ
ムを50secに設定して成形を行った。各ステージの
設定温度を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】以下、加熱加圧成形の方法を説明する。ま
ず、樹脂材31を配置した成形型32を、成形装置40
の投入ステージ41にロボット(図示せず)によって搬
送し、投入扉を開けて予熱ステージ40aに投入した。
投入扉は次の型を投入するまで閉じた状態である。
【0038】次に、予熱ステージ40aのプレスヘッド
44を第2の型35に当接させた。予熱ステージ40a
では、プレスステージ43およびプレスヘッド44に組
み込まれたヒータによって樹脂材31が加熱される。し
かし、予熱ステージ40aでは、タクトタイム内に樹脂
材31の温度が変形可能な温度に達しない。このため、
加圧力が樹脂材31に加わらないように、プレスヘッド
44の下死点を設定した。
【0039】そして、タクトタイム経過後に、搬送アー
ムによって成形型32を次のステージである成形ステー
ジ40bへ搬送した。そして、成形ステージ40bのプ
レスヘッド44を第2の型35に当接させた。成形ステ
ージ40bでも、予熱ステージ40aと同様に、樹脂材
31を加熱した。成形ステージ40bでは、樹脂材31
が変形可能な温度(荷重たわみ温度)に到達したのち、
第2の型35のみをプレスヘッド44によって移動させ
て加熱加圧成形を行った。プレス圧力は、約29.4N
(3kgf)以下とした。このとき、樹脂材31は成形
可能な粘度となっているため、低い加圧力でも変形し
た。
【0040】次に、成形型32を第1冷却ステージ40
cに搬送した。そして、第1冷却ステージ40cのプレ
スヘッド44を下降させて第2の型35に当接させ、約
490N(約50kgf)の加圧力で加圧した。第1冷
却ステージ40cは、タクト終了時点において、成形さ
れた光学素子が荷重たわみ温度以下となるような設定温
度とした。
【0041】次に、成形型32を第2冷却ステージ40
dに搬送した。そして、第1冷却ステージ40cと同様
に、第2の型35にプレスヘッド44を当接させて冷却
を行った。このとき、第1冷却ステージ40cと同等の
加圧力で加圧を行った。そして、ロボットで取り出すこ
とが可能な温度まで光学素子30を冷却したのち、取り
出しステージ52に成形型32を搬送した。その後、ロ
ボットによって成形型32を分解組立ステージ(図示せ
ず)に移送した。分解組立ステージでは、成形型32を
分解して、光学素子30を取り出した。このようにし
て、光学素子30を製造した。
【0042】なお、胴型33と第2の型35とのクリア
ランス部には、成形途中に軟化した樹脂材31が入り込
む隙間がある。しかし、実施例1の方法では、クリアラ
ンス部には樹脂材31がほとんど入り込まなかった。こ
れは、予熱ステージ40aにおいて第2の型35に加圧
力が加わらないように下死点を決めたこと、および、成
形ステージ40bにおいて低い加圧力で加圧変形させた
ことによるものである。
【0043】実施例1の製造方法で得られた光学素子3
0には、バリがなく、光学性能に優れていた。また、複
数個の光学素子間における特性のばらつきも非常に少な
かった。このように、第2の型35(曲率半径が小さい
光学有効面を形成するための型)のみを上方から移動さ
せて加熱加圧成形することによって、冷却時の樹脂の収
縮を緩和させることができ、光学素子の光学有効面の形
状が設計値からずれることを抑制できた。
【0044】また、実施例1では、これまでの製造方法
とは異なり研磨によって球状に加工した樹脂材を用いて
いるため、材料の透明性が高い。このため、製造された
光学素子30は、インジェクション成形で製造された従
来の光学素子よりも透過率が向上した。
【0045】次に、実施例1の光学素子30を用いて光
ヘッドおよび光ディスク装置を製造した。光学素子30
は、従来の光学素子に比べて内部ひずみの量が少なく透
過率も良好であるため、光学素子30を搭載した光ヘッ
ドまたは光ディスク装置は初期特性が良好であった。
【0046】また、光学素子30にはバリが発生しなか
ったため、特に光ヘッドを組み立てる際に、バリによっ
て生ずる光軸に対するレンズ有効面の傾きがほとんど発
生せず、組立工数を削減できた。さらに、従来の光学素
子を用いて光ヘッドを組み立てる場合、ボビンと光学素
子とを接着する工程において、バリの影響で接着層がば
らついて接着後の光学性能が劣化するという問題があっ
たが、光学素子30ではこの問題も発生しなかった。
【0047】このように、本発明の光学素子を用いた光
ヘッドを搭載した光ディスク装置は、光学性能が従来の
光ディスク装置に比べて光学性能に優れたものとなっ
た。
【0048】(実施例2)実施例2では、実施形態1で
説明した光学素子を実施形態2の製造方法で製造した他
の一例について説明する。なお、実施例2では、第1の
光学有効面(第1の光学有効面10aに対応)の曲率半
径R1=6mm、第2の光学有効面(第2の光学有効面
10bに対応)の曲率半径R2=1.5mm、中心厚t
=1.3mm、外径=4mmである光学素子を製造し
た。また、実施例2では、実施例1と同様の成形型およ
び成形装置を用いて光学素子を製造した。
【0049】まず、ポリオレフィン樹脂(ガラス転移点
Tg=140℃、荷重たわみ温度Tt=123℃)を射
出成形することによって略球状の樹脂塊(直径約4.5
mm)を形成した。その後、樹脂塊を研磨加工すること
によって球状の樹脂材(直径2.3mm)を形成した。
その後、この樹脂材を、オーブンを用いて90℃で1時
間熱処理することによって樹脂材内部の水分を除去し
た。なお、ガラス転移点以上の温度に加熱すると、樹脂
材が自重によって変形してしまう可能性があるため好ま
しくない。
【0050】その後、図3(a)の工程と同様に、樹脂
材を成形型内に配置した。そして、実施例1と同様の方
法で光学素子を製造した。実施例2でも、第2の光学素
子有効面を形成する第2の型を、胴型の上方に配置し、
第2の型のみを移動させて加熱加圧成形を行った。
【0051】実施例2の光学素子は、実施例1の光学素
子30と同様にバリがなかった。さらに、実施例2の光
学素子は、透過波面収差のうちの球面収差が特に小さく
なった。また、実施例2の製造方法で複数個の光学素子
を製造したところ、収差性能のばらつきが非常に少なか
った。
【0052】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定され
ず、本発明の技術的思想に基づき、他の実施形態へ適用
することができる。
【0053】たとえば、成形温度、加熱時間、保持時
間、および成形温度から荷重たわみ温度までの冷却時間
は、上記実施例に限定されない。
【0054】また、一つのステージで予熱、加圧成形お
よび冷却を行う成形装置を用いて光学素子材料を成形し
てもよい。この場合には、加圧成形時における加圧力を
約29.4N(3kgf)以下とすればよい。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学素子および
光学素子の製造方法によれば、特性がよく性能が均一な
光学素子が得られる。特に、研磨によって球状にした樹
脂材はインジェクション成形によって形成された樹脂材
に比べて表面の鏡面性が高いため、透過率が高い光学素
子が得られる。また、本発明によれば、バリがない光学
素子が得られる。このため、本発明の製造方法では、成
形後にバリを除去する必要がなく、光学素子に傷が発生
する場合があるバリ除去工程が不要となる。したがっ
て、本発明の製造方法によれば、歩留まりよく低コスト
に光学素子を製造できる。また、本発明の製造方法によ
れば、バリに起因する成形型への光学素子材料の付着を
抑制できるため、成形型のメンテナンスの回数を減らす
ことが可能となる。
【0056】また、本発明の光ヘッドまたは光ディスク
装置では、本発明の光学素子を用いているため、光学性
能に優れた光ヘッドまたは光ディスク装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学素子について一例を示す(a)
平面図および(b)断面図である。
【図2】 本発明の光ヘッドについて一例の構成を示す
模式図である。
【図3】 本発明の光学素子の製造方法について一例を
示す工程図である。
【図4】 本発明の光学素子の製造方法に用いる製造装
置について一例を示す模式図である。
【図5】 従来の光学素子の製造方法について一例を示
す断面図である。
【図6】 従来の製造方法で製造された光学素子につい
て一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、30 光学素子 10a 第1の光学有効面 10b 第2の光学有効面 20 光ヘッド 21 光源 24 光学素子 31 樹脂材 32 成形型 33 胴型 34 第1の型 35 第2の型 40 成形装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 高野 利昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA03 AH74 CA09 CB01 CC01 CK41 CN01 CN05 4F204 AA03 AH74 FA01 FB01 FE06 FF01 FH16 FN11 FN15 5D119 AA38 BA01 JA02 JA43 NA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光学有効面と前記第1の光学有効
    面よりも曲率半径が小さい第2の光学有効面とを備える
    光学素子であって、 前記第1の光学有効面を形成するための第1の型と前記
    第2の光学有効面を形成するための第2の型とを備える
    成形型を用い、樹脂からなり研磨によって球状に加工さ
    れた樹脂材を、前記第2の型のみを移動させて加熱加圧
    成形することによって形成されたことを特徴とする光学
    素子。
  2. 【請求項2】 前記樹脂材が、前記樹脂のガラス転移点
    未満の温度で熱処理することによって水分を除去されて
    いる請求項1に記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 第1の光学有効面と前記第1の光学有効
    面よりも曲率半径が小さい第2の光学有効面とを備える
    光学素子の製造方法であって、 樹脂からなる部材を研磨することによって、球状の樹脂
    材を形成する第1の工程と、 前記第1の光学有効面を形成するための第1の型と前記
    第2の光学有効面を形成するための第2の型とを備える
    成形型を用い、前記第2の型のみを移動させて前記樹脂
    材を加熱加圧成形する第2の工程とを含むことを特徴と
    する光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の工程ののちであって前記第2
    の工程の前に、前記樹脂のガラス転移点未満の温度で前
    記樹脂材を熱処理することによって前記樹脂材の水分を
    除去する工程を含む請求項3に記載の光学素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 光源と前記光源の光軸上に配置された光
    学素子とを備える光ヘッドであって、 前記光学素子が、請求項1または2に記載の光学素子で
    あることを特徴とする光ヘッド。
  6. 【請求項6】 光ディスクに対して情報の記録または再
    生を行う光ディスク装置であって、 光源と、前記光源と前記光ディスクとの間に配置された
    光学素子とを備え、 前記光学素子が、請求項1または2に記載の光学素子で
    あることを特徴とする光ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008207564A (ja) * 2008-05-26 2008-09-11 Sharp Corp レンズ、及びレンズ製造に用いる射出成形用金型、並びにレンズの製造方法

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