JP2002079452A - 希土類合金の面取り方法およびボールメディアの選別方法ならびにボールメディアの選別装置 - Google Patents

希土類合金の面取り方法およびボールメディアの選別方法ならびにボールメディアの選別装置

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JP2002079452A
JP2002079452A JP2001181071A JP2001181071A JP2002079452A JP 2002079452 A JP2002079452 A JP 2002079452A JP 2001181071 A JP2001181071 A JP 2001181071A JP 2001181071 A JP2001181071 A JP 2001181071A JP 2002079452 A JP2002079452 A JP 2002079452A
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禎彦 近藤
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俊明 佐々木
Toshifumi Hiyoke
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バレル研磨法などのメディアを用いた研磨法
において、欠けの発生を抑制し、且つ、研磨中における
ワーク同士の密着を抑制し、均一な面取りが可能な希土
類合金の面取り方法を提供する。 【解決手段】 容器12に、希土類合金ワーク70と、
ボールメディア80と、液状媒体と、液状媒体に対する
体積分率で0.1%〜10%のスペーサ粒子とを投入
し、容器12を振動させることによって、希土類合金ワ
ーク70を研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類合金の面取
り方法およびボールメディアの選別方法ならびにボール
メディアの選別装置に関する。特に、バレル研磨法など
のメディアを用いた面取り方法および研磨に用いたボー
ルメディアを被研磨物から選別する方法ならびにボール
メディアの選別に用いられる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類合金は、例えば、強力な磁石の材
料として利用されている。希土類合金を着磁することに
よって得られる希土類磁石は、例えば、磁気記録装置の
磁気ヘッドの位置決めに用いられるボイスコイルモータ
(以下、「VCM」と呼ぶ。)用の材料として好適に用
いられている。
【0003】希土類合金のワークの面取り方法の1つと
して、従来から、量産性に優れるという特徴から、バレ
ル研磨法が用いられている。バレル研磨法には、回転バ
レル研磨法と振動バレル研磨法とがあるが、装置が安価
であるということから、回転バレル研磨法が広く用いら
れている。
【0004】しかしながら、希土類合金は脆性材料なの
で、欠けが発生しやすい。この欠けの発生を防止するた
めには、一般に、回転バレル研磨法よりも振動バレル研
磨法が適している。これは、振動バレル研磨法では、螺
旋状の流動状態が得られ、メディアと被研磨物、あるい
は被研磨物同士の衝突が少なくなり、メディアと被研磨
物とが螺旋状に同一方向に流動する過程で相互に摺動
し、穏やかに研磨が進行するためと考えられている。
【0005】また、特開平5−208360号公報は、
振動バレル研磨法において、バレル槽が水平時にメディ
アと被研削物との全てが液面下に浸漬される状態で、螺
旋流を起こすことによって、欠けの発生をさらに抑制で
きることを開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が希土類合金の面取り方法を種々検討した結果、上記
の振動バレル法を用いることによって、欠けの発生をあ
る程度抑制できるものの、均一な面取りが出来ないこと
がある。特に、複数の平板状のワークを一度に研磨する
場合などでは、バレル槽内でワーク同士が強固に密着
し、ワークのエッジの一部がメディアに当たらない状態
に維持されてしまい、均一な面取りが出来ないことがあ
る。
【0007】また、焼結法によって製造された希土類合
金(以下、「希土類焼結合金」と呼ぶ。)のように、主
に脆性的な破壊を起こす硬い主相と、延性的な破壊を起
こす粒界相とを有する希土類合金のワークは、振動バレ
ル法を用いても欠けが発生することがある。
【0008】さらに、バレル研磨工程の後の、メディア
とワーク(被研磨物)とを選別する工程において、ワー
ク同士が衝突し、その結果、ワークに欠けが発生するこ
とがある。一般的な選別方法として、メディアとワーク
との混合物をふるい上に投入し、振動によってメディア
を選択的に落下させる選別方法(「ふるい法」と呼
ぶ。)が用いられている。このふるい法を用いると、ふ
るい上に残ったワーク同士の衝突が避けられず、欠けが
発生する。
【0009】また、上述したように、バレル研磨工程に
おいてワーク同士が強固に密着すると、選別工程におい
てもその密着状態が維持され、ワーク同士を密着させる
液状媒体(典型的には水)が、ワークに比較的長い間接
触した状態が続く。上述した希土類合金は、腐食性が高
い(錆びやすい)ので、面取り後は、速やかに洗浄さ
れ、表面処理されることが好ましいが、上述したよう
な、ワーク同士の密着が発生すると、これらの工程を速
やかに実行することが困難となり、腐食が発生しやす
い。
【0010】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その主な目的の1つは、バレル研磨法
などのメディアを用いた研磨法において、欠けの発生を
抑制し、且つ、研磨中におけるワーク同士の密着を抑制
し均一な面取りが可能な希土類合金の面取り方法を提供
することにある。本発明の他の目的は、被研磨物同士の
衝突を抑制しながらボールメディアを選別する方法およ
びそのような選別を可能にするボールメディアの選別装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の希土類合金の面
取り方法は、希土類合金ワークを用意する工程と、容器
に、前記希土類合金ワークと、メディアと、液状媒体
と、前記液状媒体に対する体積分率で0.1%〜10%
のスペーサ粒子とを投入する工程と、前記容器を振動さ
せることによって、前記希土類合金ワークを研磨する工
程とを包含し、そのことによって上記目的が達成され
る。
【0012】前記液状媒体は、前記容器に投入された前
記希土類合金ワークおよび前記メディアをその嵩体積の
3/4以上まで浸漬するように投入されることが好まし
い。
【0013】前記スペーサ粒子の平均粒径は、0.05
mm〜1mmの範囲内にあることが好ましく、0.1m
m〜0.5mmの範囲内にあることがさらに好ましい。
【0014】前記メディアの比重および前記スペーサ粒
子の比重は、4以下であることが好ましい。
【0015】前記メディアは、アルミナ砥粒と結合材と
を含み、前記アルミナ砥粒の重量分率は、45%〜48
%の範囲内にあることが好ましい。さらに、前記メディ
アの気孔率は、3%以下であることが好ましい。
【0016】前記研磨工程において、前記容器を水平方
向の振幅が0.4mm以上で、且つ鉛直方向の振幅が
0.15mm以上となるように振動させることが好まし
い。また、前記容器を水平方向に800mm/sec2
以上の加速度で振動させることが好ましい。
【0017】前記メディアとして、ボールメディアを用
いることが好ましい。
【0018】本発明のボールメディアの選別方法は、ボ
ールメディアと被研磨物とを含む混合物を斜面に供給す
る工程と、前記ボールメディアが前記斜面を転がること
によって前記斜面から除去されるとともに、前記被研磨
物が前記斜面に停留される工程とを包含し、そのことに
よって上記目的が達成される。
【0019】前記供給工程の期間中に、前記斜面を移動
させる工程を包含することが好ましく、前記斜面は中心
に開口部を有する環状の帯を形成し、前記環状の帯を回
転させることによって、前記斜面が移動されることがさ
らに好ましい。
【0020】前記環状の帯の中心に形成された前記開口
部から落下するボールメディアを収集する工程をさらに
包含してもよい。
【0021】本発明のボールメディアの選別装置は、中
心に開口部を有する環状の帯を形成する斜面であって、
ボールメディアと被研磨物とを含む混合物を受容するた
めの斜面と、前記斜面を回転させる駆動装置とを備え、
そのことによって上記目的が達成される。
【0022】前記斜面は、表面にゴム層を有しているこ
とが好ましい。
【0023】以下、本発明の作用を説明する。
【0024】本発明の希土類合金の面取り方法は、振動
バレル研磨法のように、メディアとワークとの混合物が
収容された容器を振動させることによって研磨する方法
を採用しているので、脆性の高い希土類合金ワークに欠
けが発生することが抑制される。特に、メディアとして
ボールメディアを用いることによって、欠けの発生をさ
らに効果的に抑制することができる。焼結法によって製
造された希土類合金(以下、「希土類焼結合金」と呼
ぶ。)のように、主に脆性的な破壊を起こす硬い主相
と、延性的な破壊を起こす粒界相とを有する希土類合金
のワークは特に欠けが発生しやすいので、ボールメディ
アを用いることが好ましい。さらに、ボールメディアを
用いると、後述するボールメディアの選別方法を用いる
ことができるので、選別工程における欠けの発生を抑制
できる利点も得られる。
【0025】希土類合金ワーク、メディアおよび液状媒
体とともに投入されるスペーサ粒子(液状媒体に対する
体積分率で0.1%〜10%)は、希土類合金ワークの
表面に付着して、研磨中に液状媒体の表面張力によって
希土類合金ワーク同士が密着することを抑制するように
作用する。0.1%未満であると、ワーク同士の密着を
抑制する効果が十分に得られず、10%を超えると、研
磨効率が低下することがある。スペーサ粒子は、密着を
防止する効果と研磨効率との観点から、液状媒体に対す
る体積分率で0.3%〜3%の範囲内であることがさら
に好ましい。特に、ボールメディアを用いる場合、三角
メディア(三角錐メディアや円錐メディアを含む)を用
いる場合に比べ、メディア間に広い間隙が生成されやす
く、ワーク同士の密着が起こりやすいので、上記スペー
サ粒子を混合することによって得られる効果が大きい。
【0026】さらに、容器に投入された希土類合金ワー
クおよびメディアをその嵩体積の3/4以上まで浸漬す
るように液状媒体を投入することによって、希土類合金
ワーク同士が密着することをさらに効果的に抑制するこ
とができる。希土類合金ワークおよびメディアの全体を
浸漬するように、液状媒体を投入することがさらに好ま
しい。液状媒体は、水に防錆剤や界面活性剤を添加した
ものが好適に用いられる。希土類合金は腐食し(錆び)
やすいので、防錆剤を添加することが好ましい。
【0027】希土類合金ワーク同士が密着すると、メデ
ィアに衝突しないエッジができるので、面取りが不均一
となるが、本発明の方法によると、ワーク同士の密着が
抑制されるので、均一に面取りされる。また、研磨後の
選別工程においても、希土類合金ワーク同士が密着して
いないので、ワークを容易に1つずつ独立した状態で収
集することができる。また、ワーク間に液状媒体が残存
することも抑制されるので、希土類合金ワークの腐食を
抑制する効果もある。
【0028】なお、本願明細書における「スペーサ粒
子」とは、上述したように、被研磨物である希土類合金
ワーク同士の間に間隙を形成する(密着を抑制する)作
用を有する粒子のことであり、種々の粒子を用いること
ができる。スペーサ粒子の平均粒径は、0.05mm〜
1mmの範囲内、特に0.1mm〜0.5mmの範囲内
にあることが好ましく、粒子の形状は、球に近いものが
好ましい。例えば、研磨粒子を用いることもできるが、
研磨する機能を有する必要は特に無く、例えば高分子の
粒子を用いることもできる。
【0029】希土類合金ワークの欠けの発生を抑制する
ためには、メディアの比重は、4以下であることが好ま
しい。比重が4を超えるメディアは、希土類合金ワーク
に大きな衝撃を与え、欠けを発生させやすいので、比重
が4以下のメディアを用いることが好ましい。また、ス
ペーサ粒子の比重が4以下のものは、メディアや液状媒
体の運動によって、容易に均一に分散されるので、ワー
ク同士の密着を防止するという観点から好ましい。
【0030】また、メディアとしては、アルミナ砥粒と
結合材とを含み、アルミナ砥粒の重量分率が約45%〜
約48%の範囲内にあるものを用いると、希土類合金ワ
ークの欠けの発生を抑制した状態で、適度な研磨効率を
得ることができる。さらに、気孔率が3%以下のメディ
アを用いることによって、ワークの欠けの発生を抑制し
た状態で、適度な研磨効率を得ることができる。
【0031】上記振動研磨工程において、容器を水平方
向の振幅が0.4mmを超えるように振動させることに
よって、欠けの発生を抑制しながら、研磨効率を高める
ことができる。このとき、鉛直方向の振幅が0.15m
m以上であることが好ましい。さらに、容器を水平方向
に800mm/sec2以上の加速度で振動させること
によって、さらに効率良く研磨することができる。
【0032】本発明のボールメディアの選別方法におい
ては、ボールメディアと被研磨物とを含む混合物は、斜
面に供給されるので、球状のボールメディアは斜面を転
がり、斜面から除去される。被研磨物は、一般にエッジ
を有する多面体なので、斜面との摩擦抵抗が高く、斜面
上に停留する。すなわち、転がりやすい形状を有してい
るボールメディアが斜面から除去され、斜面との摩擦が
大きい形状の被研磨物が斜面上に停留することによっ
て、ボールメディアと被研磨物とが選別される。
【0033】ボールメディアと被研磨物とを含む混合物
が供給される斜面を移動させることによって、混合物が
連続的に供給される場合にも、効率良く、ボールメディ
アと被研磨物とを選別することができる。すなわち、供
給される混合物の量に対して斜面の面積が狭すぎると、
斜面上に停留する被研磨物の密度が高くなり、ボールメ
ディアの転がりを阻害したり、被研磨物同士の衝突によ
る欠けが発生したりするが、斜面を移動させる、すなわ
ち、被研磨物が停留していない斜面に連続的に混合物を
供給することによって、上述のような不具合の発生を抑
制できる。
【0034】中心に開口部を有する環状の帯を形成する
ように斜面を配置し、この環状の帯を回転させるように
すると、比較的簡単な構成で、斜面を連続的に移動させ
ることが可能となる。すなわち、混合物が供給され、被
研磨物を選択的に停留した斜面が回転され、再び、混合
物が供給される位置に移動されるまでに、被研磨物を収
集すればよい。また、環状の帯の中心に形成された開口
部から落下するボールメディアを収集することによっ
て、ボールメディアを容易に回収することができる。
【0035】本発明のボールメディアの選別装置は、中
心に開口部を有する環状の帯を形成する斜面であって、
ボールメディアと被研磨物とを含む混合物を受容するた
めの斜面と、斜面を回転させる駆動装置とを備えるの
で、上述の選別方法を効率良く実行することができる。
さらに、斜面の表面にゴム層を設けることによって、比
較的転がりやすい形状の被研磨物を安定に確実に斜面に
停留させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態による
希土類合金の面取り方法およびボールメディアの選別方
法ならびにそれに用いられるボールメディアの選別装置
について説明する。特に、以下では、ボールメディアを
用いた希土類合金の面取り方法の実施形態を説明する。
また、ボールメディアの選別方法および選別装置は、そ
の面取り工程の後工程で用いられるものとして説明す
る。しかしながら、本発明は以下の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の面取り方法にはボールメディ
ア以外のメディアを用いることが可能であり、また、本
発明のボールメディアの選別方法および選別装置は、ボ
ールメディアと被研磨物との選別に広く用いられる。
【0037】図1に、本実施形態の希土類合金ワークの
面取り方法において用いられる面取り加工システム10
0を模式的に示す。このシステム100は、ワークの面
取り、およびその後のボールメディアの選別までを行う
ことができる。
【0038】システム100は、振動バレル装置10
と、メディアタンク20と、スペーサ粒子供給装置30
と、廃液タンク40と、選別装置50とを有している。
【0039】本実施形態の面取り方法に用いられる振動
バレル装置10は、略円形の断面を有する容器12がリ
ング状に配置されているサークル型振動バレル装置(例
えば、株式会社ピーエムジー製;CV−250−C型)
である。この振動バレル装置10の容器12は、非動作
状態でほぼ水平に配置され、その上部は開口部となって
おり、動作中に容器12内を観察できるように構成され
ている。また、容器12の内面には、ゴムライニング加
工が施してある。容器12上に設けられたメディアタン
ク20に収納された所定の量のメディアは、排出口22
から容器12の上部開口部へ投入される。メディアの
他、ワーク、液状媒体およびスペーサ粒子も、容器12
の上部開口部から投入される。所定量のスペーサ粒子
が、スペーサ粒子供給装置30によって容器12に投入
される。これらは、後述する所定の条件を満足するよう
に容器12内に投入される。容器12を振動させること
によって、バレル研磨工程が実行される。
【0040】容器12の底部には、第1排出口14aお
よび第2排出口14bとが設けられている。第1排出口
14aは、メディアとワークとを選別装置50に向けて
排出するのに用いられる。第1排出口14aから排出さ
れるメディアとワークとを含む混合物は、緩やかな傾斜
面16によって、選別装置50の斜面52に供給され
る。後述するように、選別装置50の斜面52上に供給
された混合物からメディアが選別され、選別されたメデ
ィアは回収容器60に収集される。斜面52上に停留す
るワークは、例えば、手作業によって収集され、後工程
(例えば洗浄工程)へ回される。一方、第2排出口14
bは、容器12内の液状媒体(研磨後はスラッジを含
む)を廃液タンク40に回収するために用いられる。
【0041】次に、本発明の実施形態による研磨工程を
詳細に説明する。
【0042】まず、被研磨物である希土類合金のワーク
について説明する。
【0043】本実施形態の面取り方法を適用した希土類
合金は、本願出願人による米国特許第4,770,72
3号および米国特許第4,792,368号に開示され
ているR−Fe−B系希土類焼結合金である。そのなか
でも、特に欠けが発生しやすいものは、ネオジム(N
d)、鉄(Fe)およびホウ素(B)を主成分とし、正
方晶構造のNd2Fe14B金属間化合物からなる硬い
主相(鉄リッチ相)と、Ndリッチな粘りのある粒界相
とを有する希土類焼結合金(以下、「ネオジム合金」と
称する。)で、且つ、Coを添加することによって耐熱
性を高めたネオジム合金である(例えば、特開平5−2
14495号公報参照)。
【0044】ここでは、ネオジム合金のワークとして、
例えば、図2(a)に示すような平板状ワーク(重さ約
15g(比重約7.5)、厚さが3mm程度)70を用
いた。このネオジム合金ワーク70のエッジを曲率半径
Rが0.2〜0.5mmの範囲内となるよう面取りする
ための条件を検討した。なお、下記の条件で、3μm〜
5μmの最大表面粗度を得ることができる。ネオジム合
金ワーク70は、焼結によって得られたネオジム合金の
ブロックを切断することによって得た。
【0045】本実施形態で使用したネオジム合金は特に
欠けが発生しやい材料なので、後述する条件のいくつか
を満足しなくとも、他の希土類合金からなるワークの面
取りにおける欠けの発生を十分に抑制することができる
場合がある。
【0046】メディアとしては、図2(b)に示したよ
うなボールメディア80を用いた。ボールメディア80
は、三角メディア等と比較し、ワーク70に対する衝撃
力が小さく、欠けの発生を抑制することができるととも
に、面取りの均一性にも優れる。さらに、ボールメディ
ア80を用いると、後述する選別方法を適用できるの
で、選別工程における欠けの発生を抑制できるという利
点もある。なお、以下に説明するボールメディア80の
好適な性状は、三角メディアについても同じである。
【0047】また、ボールメディア80は、比重が4以
下のセラミックメディアが好ましい。比重が4を超える
メディアは、ワーク70に大きな衝撃を与え、欠けを発
生させやすいので、比重が4以下のボールメディアを用
いることが好ましい。特に、砥粒がアルミナ(Al2O
3)からなるボールメディアが好ましい。なお、ボール
メディアは、アルミナ砥粒と結合材の他に、SiC砥粒
(例えばGCやC)をさらに含んでもよい。
【0048】例えば、図2(c)に示したように、アル
ミナ砥粒82が粘土(または石英や長石)からなる結合
材84によって固定されたボールメディアを用いること
が好ましい。アルミナは比較的柔らかいので、ワーク7
0の欠けの発生を抑制することができる。また、面取り
効率の観点から、砥粒率(メディアの全重量に対する砥
粒の重量分率)は、後述するように、約45%〜約48
%の範囲内であるがこと好ましい。砥粒率が45%未満
の場合、砥粒1つ当たりの負荷が大きくなり、砥粒の異
常脱粒が起こり、主に砥粒の目こぼれにより、面取り量
が低下する。一方、砥粒率が48%を越えると、砥粒間
の間隔が狭くなりすぎるので、砥粒1つ当たりの負荷が
小さくなり、主に目詰まりを起こして、面取り量が低下
する。
【0049】また、ボールメディア80は、図2(c)
に示したように、気孔86を含む。この気孔86の含有
率(以下、「気孔率」という。)は、後述するように3
%以下であることが好ましく、特に、1%以下であるこ
とが好ましい。気孔率が3%以下であると、結合材84
が砥粒82を希土類合金に対して適当な強さで固定する
ので、砥粒82の脱粒が適度に起こり、研磨され難いネ
オジム合金ワーク70を欠けの発生を抑制しながら効率
的に研磨できる。気孔率が3%を超えると、研磨量は増
加するが、ワーク70に対する負荷が大きくなりすぎ、
欠けが発生する。また、ボールメディア80の摩耗量も
増えるので、ボールメディア80の利用効率が低下す
る。
【0050】ボールメディア80の直径は、ワーク70
のエッジをR=0.2〜0.5mmに面取りするために
は、約10mm〜約20mmの範囲内にあることが好ま
しい。なお、直径の異なるボールメディアを混合して用
いてもよい。その際、全ボールメディアの平均の直径が
上記範囲内にあることが好ましい。
【0051】本実施形態による研磨工程は、容器12に
所定量(容器の容量によって決まる)のボールメディア
80を投入し、ボールメディア80の総量に対して、約
10分の1から約100分の1程度(体積比)のワーク
70を研磨する。ワーク70の投入量は適宜変更され得
る。
【0052】この研磨工程は、ワーク70同士が密着す
ることを防止するために、ワーク70およびメディア8
0が液状媒体に浸漬された状態で行う。少なくとも、全
体の嵩体積の3/4以上を液状媒体に浸漬させることが
好ましく、全体を浸漬させることが好ましい。従来のよ
うに、少量の液状媒体を垂流しながら(全体の嵩体積の
1/4未満が浸漬される状態)研磨を行うと、ワーク7
0のような平板状のワーク同士が強固に密着し、研磨工
程の間に亘ってこの状態が維持され、均一な面取りがで
きない。これは、ボールメディア80は三角メディアと
比較して、メディア間の隙間が大きくなるので、ボール
メディア80を用いた場合に特に顕著となる。そこで、
研磨工程の期間のほとんどの期間に亘って、ワーク70
が液状媒体に浸漬されるように、十分な量の液状媒体を
容器12内に満たした状態で研磨することによって、こ
の密着をある程度抑制することができる。液状媒体とし
ては、水に防錆剤や界面活性剤を添加したものが好適に
用いられる。
【0053】本実施形態における研磨工程は、液状媒体
に対する体積分率で0.1%〜10%のスペーサ粒子を
混合した状態で実行されるので、ワーク70同士の密着
がさらに抑制される。スペーサ粒子は、ワーク70の表
面に付着して、研磨中に液状媒体の表面張力によってワ
ーク70同士が密着することを抑制する。0.1%未満
であると、ワーク70同士の密着を抑制する効果が十分
に得られず、10%を超えると、研磨効率が低下するこ
とがある。スペーサ粒子は、密着を防止する効果と研磨
効率との観点から、液状媒体に対する体積分率で0.3
%〜3%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0054】また、スペーサ粒子は、比重が4以下のも
のが好ましい。比重が4以下のスペーサ粒子は、メディ
ア80や液状媒体の運動によって、スペーサ粒子が容易
に均一に分散され、ワーク70同士の密着を効率的に抑
制できる。スペーサ粒子の平均粒径は、0.05mm〜
1mmの範囲内、特に0.1mm〜0.5mmの範囲内
にあることが好ましく、粒子の形状は、球に近いものが
好ましい。スペーサ粒子としては、例えば、SiC(例
えばGC砥粒#100)などの研磨粒子を用いることも
できるし、ポリスチレンビーズ(例えば、PLCビー
ズ;株式会社ピーエムジー製)などの高分子の粒子を用
いることもできる。GC砥粒は研磨能を有しているの
で、多めに混合しても面取り量の低下は比較的少ないの
に対し、PLCビーズは密着抑制効果は比較的高いもの
の、研磨能を有していないので、多めに混合すると面取
り量の低下が大きい。勿論、研磨粒子と高分子粒子とを
混合して用いることもできる。
【0055】以下に、具体的な例を用いて、本実施形態
の研磨工程を説明する。株式会社ピーエムジー製のCV
−250−C型の振動バレル研磨装置を用いて研磨工程
を実行した。ワークは、図2(a)に示したのと同様の
形状を有するネオジム合金ワーク(比重約7.5)、単
体重量が約8gの平板状ワークを用いた。
【0056】ボールメディアとしては、アルミ砥粒(砥
粒率46wt%)を含み、気孔率が約1%で、直径が約
14mmのセラミックメディア(比重約2.6)を用い
た。
【0057】液状媒体として、ここでは、共栄社化学株
式会社製の商品名TKXコンパウンド#803(比重
1.05〜1.10)を用いた。この他、水(全体の5
0〜70質量%)に防錆剤(5〜35質量%)および必
要に応じて界面活性剤(5質量%以下)や消泡剤(5質
量%以下)を添加したものが用いられる。このような液
状媒体は、コンパウンドと称され、種々、市販されてい
る。
【0058】さらに、スペーサ粒子として、GC砥粒
(#100:比重約3.1)、ポリスチレンビーズ(P
LCビーズ、平均粒径0.5mm:比重約1.05)を
上記液状媒体に添加した。また、従来のように液状媒体
を垂流しながらバレル研磨した場合と、メディアおよび
ワークの全体が液状媒体に浸漬させれた状態でバレル研
磨した場合とを比較した。容器の振動条件は、60Hz
とし、バレル研磨時間は、約2時間とした。勿論、バレ
ル研磨時間は、必要に応じて適宜変更され得る。それぞ
れの代表的な条件およびワーク同士の密着発生率の結果
を表1に示す。
【0059】まず、従来のように液状媒体を約100c
3/minの速度で垂流し(全体の嵩体積の1/4未
満が浸漬される状態)ながらバレル研磨を実行した場
合、スペーサ粒子を添加したにもかかわらず、ワーク同
士の密着発生率が20%と非常に高い。これに対し、浸
漬状態でバレル研磨を実行すると、スペーサ粒子を添加
しなくとも、密着発生率は約5%まで低減された。この
ように、バレル研磨中に、メディアとワークとが液状媒
体に浸漬された状態が維持されると、ワーク同士の密着
の発生率を低減することができる。さらに、スペーサ粒
子を添加すると、表1に示した例では、完全に密着を防
止することができた。このように、液状媒体にスペーサ
粒子を混合し、且つ、浸漬状態でバレル研磨を行うこと
によって、ワーク同士の密着を非常に効率的に防止でき
ることがわかる。少なくとも、液状媒体がメディアとワ
ークとの嵩体積の3/4以上を浸漬する状態でバレル研
磨することが好ましい。
【0060】次に、GC砥粒とポリスチレンビーズとの
効果を比較する。GC砥粒を添加した場合、スペーサ粒
子を添加しなかった場合よりも、研磨量が僅かではある
が増加している。これに対し、ポリスチレンビーズを添
加した場合には、スペーサ粒子を添加しなかった場合よ
りも、研磨量が減少している。これは、GC砥粒には研
磨能力があるのに対し、ポリスチレンビーズには研磨能
力がほとんどないためと考えられる。また、ポリスチレ
ンビーズの方がGC砥粒よりも比重が小さいので、体積
効果(数効果)が大きいことも影響していると考えられ
る。さらに、ポリスチレンビーズは、比重が約1.05
と液状媒体(ここでは、比重1.05〜1.10)と同
等なので、GC砥粒よりもさらに分散性が優れ、潤滑効
果により研磨量が低下したとも考えられる。種々検討し
た結果、比重が4以下のスペーサ粒子を液状媒体に対す
る体積分率で0.1%〜10%、さらに好ましくは、
0.3%〜3%添加することによって、研磨効率を大き
く低下させることなく、ワーク同士の密着の発生を効率
的に防止することができる。
【0061】なお、液状媒体を垂流しながらバレル研磨
を行った場合は、表1に示したように、浸漬状態でバレ
ル研磨を行った場合よりも研磨量が多くなっているが、
欠け(ここでは、直径1mm以上のものを言う)や研磨
量が不均一となる(面取りされないエッジが発生する)
問題が見られた。これに対し、浸漬状態でバレル研磨を
行った表1中のいずれにおいても、欠けの発生は認めら
れなかった。これは、浸漬状態でバレル研磨を行うと、
メディアとワークとが液状媒体を介して一体に運動しよ
うとするので、液状媒体が少量しか存在しない場合に比
較して、メディアとワークとの衝突力が低下したためと
考えられる。さらに、スペーサ粒子を添加した場合のい
ずれにおいても、ワーク同士の密着が発生せず、均一に
面取りすることができた。
【0062】なお、上記の浸漬状態でバレル研磨を行っ
た例では、バレル研磨の期間全体に亘って液状媒体を容
器に定常的に溜めたままであるが、メディアおよびワー
クの全体の3/4以上が液状媒体に浸漬された状態で、
且つ、スペーサ粒子が流出されてその量が低下しすぎな
い限り、垂流しを行ってもよい。例えば、スラッジが多
く発生した場合、ネオジム合金ワークのスラッジは比重
が高いので、容器12の底部に設けられている第2排出
口14bから優先的に排出することができる。この間、
スラッジとともに排出される液状媒体やスペーサ粒子を
上記の条件を満足するように適宜追加投入すればよい。
【0063】
【表1】
【0064】上述した例において欠けが発生しなかった
要因として、上述した要因の他に、メディアの最適化が
あげられる。図3を参照しながら、アルミナ系ボールメ
ディアの砥粒率と研磨量およびメディア摩耗量との関係
を説明する。図3には、気孔率が0.3%〜3%のメデ
ィアを用いて求めた、砥粒率と研磨量およびメディア摩
耗量との関係の一例を示す。
【0065】上述したように、本実施形態のボールメデ
ィアは、比較的柔らかく、ネオジム合金ワークに欠けを
発生し難い、アルミナ系メディアを用いた。アルミナ系
メディアでも、その砥粒率によって、研磨量およびメデ
ィア摩耗量が変化する。砥粒率が40wt%未満になる
と、欠けの発生が顕著となる。また、砥粒率が50wt
%を超えると、目詰まりが激しく、研磨量が急激に低下
する傾向がある。
【0066】さらに詳細には、図3に示したように、砥
粒率が45wt%〜48wt%の範囲内にあると、欠け
の発生がほとんどなく、研磨効率が高く、メディアの摩
耗量も比較的少ない。これは、砥粒率が上記の範囲内に
あると、砥粒保持と砥粒脱粒とのバランスが良く、メデ
ィアが適度に摩耗し、研磨力を維持しているものと考え
られる。それに対し、砥粒率が45wt%未満の場合、
砥粒1つ当たりの負荷が大きくなり、砥粒の異常脱粒が
起こり、主に砥粒の目こぼれにより、研磨量が低下する
ものと考えられる。その結果、メディアの摩耗量も増加
し、欠けも発生するようになる。一方、砥粒率が48w
t%を越えると、砥粒間の間隔が狭くなりすぎるので、
砥粒1つ当たりの負荷が小さくなり、砥粒の適度な脱粒
が起こらず、主に目詰まりを起こして、研磨量が低下す
るものと考えられる。
【0067】次に、図4を参照しながら、メディアの気
孔率とワーク研磨量およびメディア摩耗量との関係を説
明する。図4には、砥粒率が43.5wt%〜49.5
wt%のメディアを用いて求めた、メディアの気孔率と
ワーク研磨量およびメディア摩耗量との関係の一例を示
す。
【0068】図4に示したように、気孔率が3%以下で
あると、結合材が砥粒を適当な強さで固定するので、砥
粒の脱粒が適度に起こり、研磨され難いネオジム合金ワ
ークを欠けの発生を抑制しながら効率的に研磨できる。
気孔率が3%を超えると、研磨量は増加するが、ワーク
に対する負荷が大きくなりすぎ、欠けが発生する。ま
た、メディアの摩耗量も増えるので、メディアの利用効
率が低下する。
【0069】なお、気孔率は、メディアの乾燥重量をW
1、水中重量をW2、吸水重量をW3として、{(W3
−W1)/(W3−W2)}・100(%)で与えられ
る。ここでは、以下の様にして各重量W1、W2および
W3を測定し、気孔率を求めた。乾燥重量W1は、メデ
ィアを100℃以上の温度に60分保持することによっ
て乾燥した後、1分以内にメディアの重量を測定した。
水中重量W2は、メディアを沸騰した湯中で60分間煮
沸した後、水中に浸漬した状態のメディアの重量を測定
した。なお、水中重量W2の測定に用いた水には、表面
張力を低下させるために界面活性剤(例えば家庭用洗
剤)を少量添加した。吸水重量W3は、沸騰した湯中で
60分間煮沸したメディアの表面の水分を濡れタオルで
軽く拭きとった後、速やかにメディアの重量を測定し
た。
【0070】次に、図5および図6を参照しながら、バ
レル研磨装置20の振動状態と研磨効率について説明す
る。
【0071】図5は、振動数(周波数、単位:Hz)と
加速度(単位:mm/sec2)との関係を示すグラフ
であり、図6は、振動数と振幅(ゼロ−ピーク、単位:
mm)との関係を示すグラフである。それぞれ、3つの
互いに直交するx、yおよびz方向についての結果を示
している。xおよびy方向は水平面内に、z方向は鉛直
方向に規定される。なお、振動数は、例えば、バレル研
磨装置10のスプリング18の強さを調節することによ
って制御され得る。
【0072】まず、図5から明らかなように、振動数の
増加に伴い、加速度が増大する傾向が見られる。加速度
は、研磨力にほぼ比例すると考えられるので、振動数の
増加に伴い研磨力が増大すると考えられる。従って、研
磨効率を向上するためには、比較的高い振動数でバレル
研磨することが好ましい。但し、図5に見られるよう
に、振動数に対する加速度の値が小さい領域(振動数が
25Hzおよび50Hz付近)が存在する。これは、装
置の共振によるもので、装置に固有の振動数である(但
し、容器12の重さ(メディアおよびワークの投入量)
が大きく異なると、固有振動数が変化することもあ
る。)。勿論、この共振点を付近の振動数を避けること
が好ましい。
【0073】また、研磨力は、振幅にもほぼ比例すると
考えれる。図6に示したように、振幅は振動数の影響を
受けやすくその傾向は、一定していない。十分に高い研
磨力を得るためには、水平方向(xおよびy方向)の振
幅が約0.4mm以上となるように振動数に設定するこ
とが好ましい。このとき、鉛直方向(z方向)の振幅が
0.15mm以上となることがさらに好ましい。
【0074】上述のことから、水平方向(xおよびy方
向)の振幅が約0.4mm以上、鉛直方向(z方向)の
振幅が0.15mm以上となり、且つ、加速度ができる
だけ高くなる振動数を選択することにより、研磨効率を
最大に向上できると考えられる。研磨効率を向上するた
めに、水平方向の加速度を800mm/sec2以上と
することが好ましい。具体的には、図5および図6か
ら、60Hzが最も好ましい。
【0075】上述したように、本実施形態の面取り方法
によると、ネオジム合金ワークの欠けの発生が抑制され
るとともに、ワーク同士の密着の発生が抑制されるの
で、均一な面取りが可能となる。
【0076】先にも述べたように、本実施形態では、非
常に欠けの発生しやすいネオジム合金ワークに対して面
取りを実施したが、希土類合金の組成(機械的な特性)
によっては、上記のいずれかの条件(例えば、メディア
の材質および砥粒率や気孔率)が上記の範囲から外れて
も十分な効果が得られる場合もある。
【0077】次に、本実施形態のボールメディアの選別
方法および選別装置を図7を参照しながら説明する。図
7は、バレル研磨装置20の第1排出口14aに付近に
設置されるボールメディア選別装置50を模式的に示し
ている。
【0078】バレル研磨装置20の第1排出口14aの
ふた15aを機械的に開放し、容器(バレル槽ともいわ
れる。)12を適度に振動させると、メディア80とワ
ーク70とは、選別装置50に向けて排出される。この
操作に先立って、第2排出口14bから液状媒体(スラ
ッジを含む)を廃液タンク40に排出しておく。
【0079】排出されたメディア80とワーク70との
混合物は、第1排出口14aの傾斜した底板15bで、
緩やかな傾斜面16を経て、選別装置50の斜面52に
供給される。傾斜面16は、例えば、金属板の表面にゴ
ムライニング加工を施すことによって形成されており、
例えば、10度〜30度の傾斜角を有している。容器1
2を適度に振動させることによって、ボールメディア8
0とともにワーク70も選別装置50の斜面52に供給
される。ボールメディア80とワーク70との混合物を
容器12から排出するために必要な振動は、研磨工程に
おける振動よりも小さく、適宜調整される。
【0080】斜面52は中心に開口部52aを有する環
状の帯を形成(頭切円錐台を逆さにした形状)してお
り、駆動装置(不図示)によって、その中心の周りに回
転させられる。斜面52の表面にも、例えば、ゴムライ
ニング加工によって、ゴム層(不図示)が設けられてお
り、摩擦抵抗が比較的高く、且つ、傾斜面16とは異な
り振動しないので、斜面52の傾斜角は、傾斜面16よ
りも小さな傾斜角(例えば、5度〜20度、典型的に
は、10度〜15度、ここでは約12度)を有している
が、ワーク70を停留させることができる。なお、斜面
52は、単一の傾斜角で開口部52aまで続く必要は無
く、図示したように、中央の開口部52aに連れて段階
的に(又は連続的に)傾斜角が小さくなるように構成し
てもよい。また、ワーク70がメディア80に引き連れ
られて、開口部52aに至るのを防止するために、ダム
(じゃま板)54を設けて、全てのワーク70が確実に
斜面52と直接接触するようにするようにしてもよい。
ダム54は、斜面52との間に、例えば、メディア80
の直径よりも大きく、且つ、メディア80の直径の2倍
以下の大きさの間隙を形成するように設けられる。な
お、一般に、平板状ワーク70の厚さよりも直径が大き
なボールメディア80が用いられる。
【0081】ボールメディア80は、球体なので、比較
的摩擦抵抗の高い斜面52を転がり、開口部52aか
ら、下に落ちる。このように選択的に開口部52から落
下したメディア80は、その下部に設けられているメデ
ィアは回収容器60に収集される。一方、斜面52上に
停留したワーク70は、例えば、作業者の手作業によっ
て収集され、後工程(例えば洗浄工程)へ回される。
【0082】斜面52は、例えば、回転速度4rpm
(例示した斜面52の外径は、例えば、約1200m
m、また、内径は、約250mm)で回転しているの
で、ワーク70が回収され、その表面に何も載っていな
い状態で、第2排出口14a側に移動される。従って、
第1排出口14aから排出されるワーク70とメディア
80との混合物は、ワーク70が停留していない斜面5
2に連続的に供給される。その結果、斜面52上に停留
するワーク70の密度が高くなり、ボールメディア80
の転がりを阻害したり、ワーク70同士の衝突による欠
けが発生したりすることが防止される。勿論、供給され
る混合物の量に対して斜面52の面積が十分に広い場合
には、斜面52を移動させる必要はない。
【0083】なお、上記の例では、中心に開口部52a
を有する環状の帯を形成するように斜面52を配置した
構成を例示したが、これに限られず、斜面を直線状に配
置してもよい。例えば、傾斜させたエンドレスベルトの
表面を斜面として用いることができる。環状に配置した
斜面を用いると、比較的小さな選別装置を構成すること
ができると言う利点が得られる一方、エンドレスベルト
を用いると、エンドレスベルトの長さあるいは数を調節
することによって、選別工程の時間の長さ(および選別
装置の長さ)を調節することができる。
【0084】上述したように、本実施形態のボールメデ
ィアの選別方法を用いると、ワーク同士の衝突を抑制し
ながらボールメディアを選別できるので、選別工程にお
ける欠けの発生を抑制することができる。また、例示し
たボールメディアの選別装置は、比較的簡単な構成で、
上記ボールメディアの選別方法を実行することができ
る。
【0085】
【発明の効果】本発明によると、バレル研磨法などのメ
ディアを用いた研磨法において、欠けの発生を抑制し、
且つ、研磨中におけるワーク同士の密着を抑制し、均一
な面取りが可能な希土類合金の面取り方法が提供され
る。さらに、被研磨物同士の衝突を抑制しながらボール
メディアを選別する方法およびそのような選別を可能に
するボールメディアの選別装置が提供される。
【0086】その結果、本発明によると、希土類合金の
面取りを効率的に実施できるので、製品の歩留まりが向
上する。特に、VCM用に用いられる希土類合金など、
欠けが発生しやすい材料で形成された小型の部品を、高
歩留まりで面取りすることが可能となる。さらに、本発
明によると、被研磨物である小型の部品同士の衝突を抑
制しながらボールメディアを選別することができるの
で、ボールメディアの選別工程における欠けの発生を抑
制することができるので、欠けやすい小型の部品の歩留
まりをさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による本実施形態の希土類合金ワークの
面取り方法において用いられる面取り加工システム10
0を模式的に示す図である。
【図2】(a)は、実施形態の面取り方法のバレル研磨
工程において用いられるネオジム合金ワーク70の例を
模式的に示す図であり、(b)は実施形態の面取り方法
において用いられるボールメディア80を模式的に示す
図であり、(c)はボールメディア80の部分拡大図で
ある。
【図3】実施形態の面取り方法のバレル研磨工程におけ
るアルミナ系ボールメディアの砥粒率と研磨量およびメ
ディア摩耗量との関係を示すグラフである。
【図4】実施形態の面取り方法のバレル研磨工程におけ
るメディアの気孔率とワーク研磨量およびメディア摩耗
量との関係を示すグラフである。
【図5】実施形態の面取り方法のバレル研磨工程におけ
る、振動数と加速度との関係を示すグラフである。
【図6】実施形態の面取り方法のバレル研磨工程におけ
る、振動数と振幅との関係を示すグラフである。
【図7】実施形態のボールメディアの選別装置50を模
式的に示す図である。
【符号の説明】
100 加工システム 10 振動バレル装置 12 容器 14a 第1排出口 14b 第2排出口 15a ふた 15b 底板 16 傾斜面 18 スプリング 20 メディアタンク 22 排出口 30 スペーサ粒子供給装置 40 廃液タンク 50 選別装置 52 斜面 52a 開口部 54 ダム(じゃま板) 60 メディアは回収容器 70 ワーク 80 ボールメディア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 火除 利文 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AC01 CA04 CB01 CB02 CB10 DA02 DA10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類合金ワークを用意する工程と、 容器に、前記希土類合金ワークと、メディアと、液状媒
    体と、前記液状媒体に対する体積分率で0.1%〜10
    %のスペーサ粒子とを投入する工程と、 前記容器を振動させることによって、前記希土類合金ワ
    ークを研磨する工程と、を包含する希土類合金の面取り
    方法。
  2. 【請求項2】 前記液状媒体は、前記容器に投入された
    前記希土類合金ワークおよび前記メディアをその嵩体積
    の3/4以上まで浸漬するように投入される、請求項1
    に記載の希土類合金の面取り方法。
  3. 【請求項3】 前記スペーサ粒子の平均粒径は、0.0
    5mm〜1mmの範囲内にある、請求項1または2に記
    載の希土類合金の面取り方法。
  4. 【請求項4】 前記メディアの比重および前記スペーサ
    粒子の比重は4以下である、請求項1から3のいずれか
    に記載の希土類合金の面取り方法。
  5. 【請求項5】 前記メディアは、アルミナ砥粒と結合材
    とを含み、前記アルミナ砥粒の重量分率は、45%〜4
    8%の範囲内にある、請求項1から4のいずれかに記載
    の希土類合金の面取り方法。
  6. 【請求項6】 前記メディアの気孔率は、3%以下であ
    る、請求項5に記載の希土類合金の面取り方法。
  7. 【請求項7】 前記研磨工程において、前記容器を水平
    方向の振幅が0.4mm以上で、且つ鉛直方向の振幅が
    0.15mm以上となるように振動させる、請求項1か
    ら6のいずれかに記載の希土類合金の面取り方法。
  8. 【請求項8】 前記研磨工程において、前記容器を水平
    方向に800mm/sec2以上の加速度で振動させ
    る、請求項1から7のいずれかに記載の希土類合金の面
    取り方法。
  9. 【請求項9】 前記メディアとして、ボールメディアを
    用いる請求項1から8のいずれかに記載の希土類合金の
    面取り方法。
  10. 【請求項10】 ボールメディアと被研磨物とを含む混
    合物を斜面に供給する工程と、 前記ボールメディアが前記斜面を転がることによって前
    記斜面から除去されるとともに、前記被研磨物が前記斜
    面に停留される工程と、を包含する、ボールメディアの
    選別方法。
  11. 【請求項11】 前記供給工程の期間中に、前記斜面を
    移動させる工程を包含する、請求項10に記載のボール
    メディアの選別方法。
  12. 【請求項12】 前記斜面は中心に開口部を有する環状
    の帯を形成し、前記環状の帯を回転させることによっ
    て、前記斜面が移動される、請求項11に記載のボール
    メディアの選別方法。
  13. 【請求項13】 前記環状の帯の中心に形成された前記
    開口部から落下するボールメディアを収集する工程をさ
    らに包含する、請求項12に記載のボールメディアの選
    別方法。
  14. 【請求項14】 中心に開口部を有する環状の帯を形成
    する斜面であって、ボールメディアと被研磨物とを含む
    混合物を受容するための斜面と、 前記斜面を回転させる駆動装置と、を備える、ボールメ
    ディアの選別装置。
  15. 【請求項15】 前記斜面は、表面にゴム層を有してい
    る、請求項14に記載のボールメディアの選別装置。
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