JP2002078640A - ポータブルトイレ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】汚物入れバケツの着脱が容易で、広い設置スペ
ースも必要なく、また清掃性に優れた温水洗浄装置付ポ
ータブルトイレを提供する。 【解決手段】便座が載置される支持部材が前記汚物入れ
バケツを上下方向に貫通できる貫通穴を有し、かつ、前
後方向に分割及び合体が可能な前部支持部材と後部支持
部材とで構成され、前記前部支持部材または前記後部支
持部材の少なくともいずれか一方は、前後方向にスライ
ド可能であり、前記前部支持部材に前記汚物入れバケツ
が着脱自在に装着され、前記後部支持部材に前記便座と
前記温水洗浄装置が固定されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、病人や高齢者、障
害者など体力のない人のための温水洗浄装置付ポータブ
ルトイレに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の温水洗浄装置付ポータブルトイレ
の一例を図５に示す。この温水洗浄装置付ポータブルト
イレ１００は、温水洗浄装置付便座１０１を備え、便座
穴１０１ａとほぼ同形状の貫通穴１０３ａを有した支持
部材１０３の上面に温水洗浄装置付便座１０１は載置せ
れている。

【０００３】支持部材１０３より下方には、汚物入れバ
ケツ挿入穴１０４ａを有する引出し面材１０４が前後方
向にスライド可能に設けられ、引出し面材１０４を汚物
入れバケツ挿入穴１０４ａが完全に外部に露出するまで
前方にスライドさせた状態で、汚物入れバケツ１０２を
汚物入れバケツ挿入穴１０４ａに上方から挿入し、汚物
入れバケツ１０２の上部周囲に張り出すツバ部１０２ａ
を汚物入れバケツ挿入穴１０４ａの周縁に係止させて装
着する。

【０００４】そして、洗浄水の水仕舞いのため、洗浄ノ
ズル噴射口１０１ｂの真下よりも後部位置まで汚物入れ
バケツ１０２が配置されるように引出し面材１０４を後
方にスライドさせることで、この温水洗浄装置付ポータ
ブルトイレ１００は使用可能な状態となる。

【０００５】使用後の汚物入れバケツ１０２の取り出し
は、上記装着手順と逆の手順で行う。すなわち、引出し
面材１０４を汚物入れバケツ１０２が完全に外部に露出
するまで前方にスライドさせた後、汚物入れバケツ１０
２を上方に持ち上げて取り出す。

【０００６】上記のように、従来の温水洗浄装置付ポー
タブルトイレは、使用状態で、洗浄水の水仕舞いのため
に洗浄ノズル噴射口の真下よりも後部位置まで汚物入れ
バケツを差し入れるように配置させるため、汚物入れバ
ケツは前後方向に引出して着脱する構造となっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の温水洗浄装置付ポータブルトイレは、汚物入
れバケツの着脱の際、少なくとも汚物入れバケツの長さ
分、前方または後方に汚物入れバケツを引き出す必要が
あり、引出し距離が長く操作が面倒であった。また、操
作できるだけの設置スペースが必要になり、狭い場所で
の設置に不向きであった。

【０００８】また、汚物入れバケツを着脱する際、前方
または後方に汚物入れバケツを引き出すと、洗浄ノズル
噴射口の下部には汚物入れバケツが位置せず、洗浄ノズ
ル噴射口に付着した水滴が滴下すると、引出し面材や他
の部分に水滴が流れて広がり、場合によっては部屋の床
に水滴が落ちてしまうこともあり、清掃が面倒であると
いった問題があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明
は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明
の目的は、汚物入れバケツの着脱が容易で、広い設置ス
ペースも必要なく、また洗浄ノズル噴射口に付着した水
滴の滴下による水濡れの広がりや部屋の床を濡らす恐れ
もなく、清掃性に優れた温水洗浄装置付ポータブルトイ
レを提供することにある。

【００１０】上記目的を達成するためになされた請求項
１記載の発明は、便座と、汚物入れバケツと、温水洗浄
装置とを備えたポータブルトイレにおいて、前記便座が
載置される支持部材は前記汚物入れバケツを上下方向に
貫通できる貫通穴を有し、かつ、前後方向に分割及び合
体が可能な前部支持部材と後部支持部材とで構成され、
前記前部支持部材または前記後部支持部材の少なくとも
いずれか一方は、前後方向にスライド可能であり、前記
前部支持部材に前記汚物入れバケツが着脱自在に装着さ
れ、前記後部支持部材に前記便座と前記温水洗浄装置が
固定されることを特徴とする。

【００１１】本発明において、前記汚物入れバケツと前
記温水洗浄装置の洗浄ノズル噴射口との干渉が避けられ
るだけのわずかな距離の前記前部支持部材または前記後
部支持部材のスライド操作で、前記汚物入れバケツが上
下方向に装着、取外しが可能になり、前記汚物入れバケ
ツの着脱が容易になる。

【００１２】請求項２記載の発明は、前記前部支持部材
と前記後部支持部材とが合体した状態で前記便座が載置
される前記支持部材平面内において、前記前部支持部材
と前記後部支持部材との間に隙間部を設けたことを特徴
とする。

【００１３】本発明において、前記汚物入れバケツの装
着または取外しの際、前記汚物入れバケツの側端部また
は前記汚物入れバケツに付属の把手をつかむのに手を差
し込むスペースが広く確保され、前記汚物入れバケツの
着脱が容易となる。

【００１４】請求項３記載の発明は、前記前部支持部材
は、前記汚物入れバケツが着脱自在に装着された状態
で、前記汚物入れバケツの後部に隣接して水受け皿が設
けられていることを特徴とする。

【００１５】本発明において、前記汚物入れバケツの着
脱の際の、前記前部支持部材または前記後部支持部材を
合体状態からスライドさせた時、前記洗浄ノズル噴射口
の下方に前記水受け皿が位置し、前記洗浄ノズル噴射口
に付着した水滴が滴下した場合の受け皿となり、水が他
の部位に付着することを防止でき、清掃が容易になる。
また、前記洗浄ノズル噴射口に付着した水滴の滴下によ
り、部屋の床を濡らす恐れもない。

【００１６】請求項４記載の発明は、前記水受け皿は、
着脱自在に設けられていることを特徴とする。

【００１７】本発明において、前記水受け皿は取り外し
て洗浄することができ、清掃が容易になる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の例を説
明する。図１〜図４は、本発明の実施形態を示す図であ
る。本実施例の温水洗浄装置付ポータブルトイレ１は、
図１、図３、図４のようにポータブルトイレ本体２と、
温水洗浄装置付便座３と、上部周囲に張り出すツバ部４
ａを有し把手４ｂが回動自在に軸着された汚物入れバケ
ツ４とを備えている。

【００１９】ポータブルトイレ本体２は、四本の脚部
５、５、６、６と、四本の横桟７、８、９、９とを備
え、隣接する各脚部は、それぞれ横桟７、８、９、９に
よって互いに一体に連結されている。また上部には、汚
物入れバケツ４を上下方向に貫通できるバケツ貫通穴１
３を有した支持部材１０を備えている。

【００２０】支持部材１０は、前部支持部材１０ａと後
部支持部材１０ｂとで構成されている。前部支持部材１
０ａは図４に示すように、上段部１１と下段部１２とか
ら成り、上段部１１と後部支持部材１０ｂのそれぞれの
上面が同一水平面をなし、下段部１２は、後部支持部材
１０ｂより下方に位置するように配置され、かつ、前部
支持部材１０ａは前後方向にスライド自在に設けられ、
後部支持部材１０ｂは固定されている。すなわち、前部
支持部材１０ａと後部支持部材１０ｂとは、前部支持部
材１０ａの上段部１１の後端と、後部支持部材１０ｂの
前端とが当接して合体する構造となっている。

【００２１】前部支持部材１０ａの下段部１２は、バケ
ツ挿入穴１４を有し、汚物入れバケツ４をバケツ挿入穴
１４に上方から挿入し、汚物入れバケツ４のツバ部４ａ
をバケツ挿入穴１４の周縁に係止させて装着できるよう
になっている。また、バケツ挿入穴１４の後部には周縁
が段落しされた切り欠き部２６が設けられ、水受け皿１
５が、その外周部１５ａを切り欠き部２６の周縁部２６
ａに係止して装着され、着脱自在に付設されている。ま
た、前部支持部材１０ａの前端部には幕板１６が付設さ
れ、幕板１６の前面中央付近には、把手穴１６ａが設け
られている。

【００２２】後部支持部材１０ｂは、前端に切欠き部１
７、１７を有し、温水洗浄装置付便座３が便座取付穴１
８、１８にボルトを貫通させナット締めにて固定されて
いる。温水洗浄装置付便座３は便座３ａと機能部ケーシ
ング３ｂとから成り、便座３ａは機能部ケーシング３ｂ
に回動自在に軸着されている。また、機能部ケーシング
３ｂの前部下端中央には洗浄ノズル噴射口３ｃが設けら
れている。

【００２３】ポータブルトイレ本体２の内部後方には、
図２のように給水タンク１９と給水ポンプ２０とが収納
され、給水タンク１９と給水ポンプ２０とは給水ホース
２１で連結され、また、給水ポンプ２０と温水洗浄装置
付便座３とが、給水ホース２２で連結され、給水タンク
１９内の水を温水洗浄装置付便座３に供給できるように
なっている。また、ポータブルトイレ本体２は、肘掛け
２３、２３、背もたれ２４を備えている。

【００２４】本実施例の温水洗浄装置付ポータブルトイ
レ１は、上記のような構成になっており、使用に当たっ
ては図４のように、まず便座３ａを立ち上げて、前部支
持部材１０ａを前方に引き出し、汚物入れバケツ４をバ
ケツ挿入穴１４に上方から挿入して装着する。次に前部
支持部材１０ａを後方に押し込み後部支持部材１０ｂと
合体させ、洗浄ノズル噴射口３ｃの真下よりも後部位置
まで汚物入れバケツ４を差し込んだ状態にセットする。
そして、便座３ａを下ろして図１のように排泄及び局部
洗浄が可能な状態にする。

【００２５】使用後は、上記と逆の手順で汚物入れバケ
ツ４を取り出し、汚物処理を行う。すなわち、まず便座
３ａを跳ね上げ、前部支持部材１０ａを前方に引き出
し、次に汚物入れバケツ４を上方に取り外し、汚物を処
理する。この時、汚物入れバケツ４の後端部が洗浄ノズ
ル噴射口３ｃよりも前方に移動する距離だけ引き出せば
汚物入れバケツ４を上方に取り外すことができ、前方に
引き出す距離が短く、引出し操作が簡単である。

【００２６】また、後部支持部材１０ｂの前端の切欠き
部１７、１７により、図４のように前部支持部材１０ａ
を前方に引き出した状態では、前部支持部材１０ａと後
部支持部材１０ｂとの間に大きな隙間部２５、２５が形
成され、汚物入れバケツ４の取り出しの際、把手４ｂを
跳ね上げて持ち上げるのに、隙間部２５に手を入れて把
手４ｂをつかみやすく、汚物入れバケツ４の取り出しが
容易になる。

【００２７】さらにまた、図４のように前部支持部材１
０ａを前方に引き出した状態で、洗浄ノズル噴射口３ｃ
に付着した水滴が滴下した場合、水滴は水受け皿１５内
に落下して受け止められるので、他の部分に流れ出るこ
とがなく、また溜まった水は水受け皿１５を取り外して
水捨て、洗浄できるので、清掃性がよい。

【００２８】尚、本発明にかかる温水洗浄装置付ポータ
ブルトイレは、上記実施例の形態に限定されない。例え
ば、上記実施例の切欠き部１７は、後部支持部材１０ｂ
の前端でなく、前部支持部材１０ａの上段部１１の後端
に設けても構わない。

【００２９】

【発明の効果】本発明は上記構成により、汚物入れバケ
ツの着脱が容易で、広い設置スペースも必要なく、また
洗浄ノズル噴射口に付着した水滴の滴下による水濡れの
広がりや部屋の床を濡らす恐れもなく、清掃性に優れた
温水洗浄装置付ポータブルトイレを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す斜視図である。

【図２】本発明の実施例の略背面図である。

【図３】本発明の実施例の分解斜視図である。

【図４】本発明の実施例の分解斜視図である。

【図５】従来の温水洗浄装置付ポータブルトイレを示す
斜視図である。

【符号の説明】

１ 本実施例の温水洗浄装置付ポータブルトイレ ２ ポータブルトイレ本体 ３ 温水洗浄装置付便座 ３ａ 便座 ３ｂ 機能部ケーシング ３ｃ 洗浄ノズル噴射口 ４ 汚物入れバケツ ４ａ ツバ部 ４ｂ 把手 ５ 脚部 ６ 脚部 ７ 横桟 ８ 横桟 ９ 横桟 １０ 支持部材 １０ａ前部支持部材 １０ｂ後部支持部材 １１ 上段部 １２ 下段部 １３ バケツ貫通穴 １４ バケツ挿入穴 １５ 水受け皿 １５ａ外周部 １６ 幕板 １６ａ把手穴 １７ 切欠き部 １８ 便座取付穴 １９ 給水タンク ２０ 給水ポンプ ２１ 給水ホース ２２ 給水ホース ２３ 肘掛け ２４ 背もたれ ２５ 隙間部 ２６ 切り欠き部 ２６ａ周縁部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】便座と、汚物入れバケツと、温水洗浄装置
   とを備えたポータブルトイレにおいて、前記便座が載置
   される支持部材は前記汚物入れバケツを上下方向に貫通
   できる貫通穴を有し、かつ、前後方向に分割及び合体が
   可能な前部支持部材と後部支持部材とで構成され、前記
   前部支持部材または前記後部支持部材の少なくともいず
   れか一方は、前後方向にスライド可能であり、前記前部
   支持部材に前記汚物入れバケツが着脱自在に装着され、
   前記後部支持部材に前記便座と前記温水洗浄装置が固定
   されることを特徴とするポータブルトイレ。
2. 【請求項２】前記前部支持部材と前記後部支持部材とが
   合体した状態で前記便座が載置される前記支持部材平面
   内において、前記前部支持部材と前記後部支持部材との
   間に隙間部を設けたことを特徴とする請求項１に記載の
   ポータブルトイレ。
3. 【請求項３】前記前部支持部材は、前記汚物入れバケツ
   が着脱自在に装着された状態で、前記汚物入れバケツの
   後部に隣接して水受け皿が設けられていることを特徴と
   する請求項１または請求項２に記載のポータブルトイ
   レ。
4. 【請求項４】前記水受け皿は、着脱自在に設けられてい
   ることを特徴とする請求項３に記載のポータブルトイ
   レ。