JP2002191531A - ポータブル便器及び鉢付ポット - Google Patents

ポータブル便器及び鉢付ポット

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JP2002191531A
JP2002191531A JP2001010862A JP2001010862A JP2002191531A JP 2002191531 A JP2002191531 A JP 2002191531A JP 2001010862 A JP2001010862 A JP 2001010862A JP 2001010862 A JP2001010862 A JP 2001010862A JP 2002191531 A JP2002191531 A JP 2002191531A
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pot
toilet
portable
toilet bowl
bowl
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JP2001010862A
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Osamu Matsumoto
修 松本
Koichi Sugiura
弘一 杉浦
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Inax Corp
Original Assignee
Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】上部の便鉢部と下部の汚物貯溜槽とを有する鉢
付ポットを便器本体に対して容易に出し入れできるよう
にする。 【解決手段】便器本体12に対して出し入れ可能な汚物
ポットを、上部の便鉢部50と下部の汚物貯溜槽52と
を備えた鉢付ポット54として構成する。そして鉢付ポ
ット54を、底板44により前後にスライド可能に支持
するとともに底板44による支持構造を、鉢付ポット5
4の前後方向のスライド移動の終了時に実質的に鉢付ポ
ット54を使用時の状態であるセット位置に位置させる
構造となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はポータブル便器、
詳しくは便器本体と便器本体に対し出し入れ可能な汚物
ポットとを備えたポータブル便器及び汚物ポットとして
の鉢付ポットに関する。
【0002】
【発明の背景】従来より、自力ではトイレまで歩いて行
くことの困難な高齢者や病人等のための便器として、居
室等で用を足すことのできるポータブル便器が広く使用
されている。
【0003】図27はこの種ポータブル便器の従来の一
例を示した図である。同図において200はポータブル
便器であって、座部201の座面202に排便用開口2
04を有している。206は座部201の下側にセット
されて排泄物を受け且つ収容する汚物ポットであってバ
ケツ状をなしており、その上端の開口208が座面20
2の排便用開口204とほぼ同じ大きさとされている。
尚210は汚物ポット206の上端の開口208を閉鎖
する、取手212を有する蓋体である。
【0004】このポータブル便器200では、排泄物を
汚物ポット206で受けてその排泄物を汚物ポット20
6内に収容し、そして上端の開口208を蓋体210で
蓋をした状態で、便器本体からこれを抜き出してトイレ
まで運んで行き、そこで汚物ポット206内部の排泄物
をトイレ内に設置してある便器に流し込んで排泄物の処
理を行うこととなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記汚物
ポット206は単なるバケツ状のものであって深底形状
をなしており、このため用便時に排泄物が直接汚物ポッ
ト206の底部に落下してしまって飛散が多いといった
問題がある。これに対して便器本体に便鉢部を一体に設
けて、その下側に汚物ポットを出し入れ可能にセットす
るようになしたものも提案されている。
【0006】ところで便鉢部は汚れが染み付き易い箇所
であり、この場合便鉢部が便器本体と一体に構成されて
いると、便鉢部に汚れが染み付いたとき、汚物ポットと
異なってこれを便器本体から取り出して清掃するといっ
たことはできず、清掃がし辛いといった問題がある。
【0007】そこで本発明者等は便鉢部を便器本体から
切り離してこれを汚物ポットの側に設け、即ち便鉢部と
汚物貯溜槽とを一体的に有する鉢付ポットとして構成
し、これを便器本体に対して出し入れ可能としたポータ
ブル便器を先の特許願(特願2000−210488)
において提案している。
【0008】図28はその一例を示したもので、この例
のポータブル便器220の場合、鉢付ポット214を上
部の便鉢部216と下部の汚物貯溜槽218とを一体的
に有する構成となし、これを図28に示す下降位置にお
いて前後方向に移動させることで、便器本体222に対
して出し入れ可能となし、且つ便器本体222の下側位
置においてこれを上向きに持ち上げることで、便鉢部2
16の上端部を便器本体222におけるリム部224の
凹部226内に嵌め入れ、使用時の位置にセットするよ
うにしている。
【0009】しかしながらこのポータブル便器220の
場合、鉢付ポット214を使用時の状態であるセット位
置に位置させるために、先ず鉢付ポット214を便器本
体222に対し前後方向に押し込んで便器本体222の
下側に位置させた後、続いてこれを上向きに持ち上げる
ことが必要であって、2つの動作を行わなければなら
ず、更にまたこれを取り出す際にも鉢付ポット214を
一旦下降させた後、前後方向に引き出すといった2つの
動作が必要であり、鉢付ポット214の出し入れに面倒
を伴うといった問題がある。
【0010】更に鉢付ポット214を前後方向に移動さ
せる際にはこれを手で比較的に簡単に行えるものの、鉢
付ポット214を下降位置から上向きに持ち上げ且つ持
上げ位置に保持するための昇降装置228が必要であっ
て、そのために構造が複雑化し、ポータブル便器220
のコストもこれに伴って増大してしまうといった問題が
ある。
【0011】また従来のポータブル便器の場合、トイレ
内に設置される便器と異なって位置固定のものでなく移
動可能なものであることから、使用中に或いはポータブ
ル便器に着座ないし離座する際等に横倒れする恐れがあ
った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のポータブル便器
及び鉢付ポットは、このような課題を解決するために案
出されたものである。而して請求項1はポータブル便器
に係るもので、便器本体と、該便器本体と別体構造をな
して該便器本体に対し出し入れ可能な、上部の便鉢部と
下部の汚物貯溜槽とを備えた鉢付ポットとを有するポー
タブル便器であって、前記鉢付ポットを支持部により前
後にスライド可能に支持するとともに該支持部による支
持構造を、該鉢付ポットの前後方向のスライド移動の終
了時に実質的に該鉢付ポットを使用時の状態であるセッ
ト位置に位置させる構造となしたことを特徴とする。
【0013】請求項2のものは、請求項1において、前
記前後方向のスライド移動が水平方向のスライド移動で
あることを特徴とする。
【0014】請求項3のものは、請求項2において、前
記便鉢部の上端部且つ後端部には、前記便器本体に突設
したノズルとの干渉回避のための切欠部を設けてあるこ
とを特徴とする。
【0015】請求項4のものは、請求項1において、前
記前後方向のスライド移動が、前記セット位置に向って
斜め下向きに移動するものであることを特徴とする。
【0016】請求項5のものは、請求項1〜4の何れか
において、前記支持部が、前記鉢付ポットの下面を下側
から支える底板であることを特徴とする。
【0017】請求項6のものは、請求項5において、前
記底板に対して前記鉢付ポットをスライド移動させるよ
うになすとともに、該底板の前後方向長を、該鉢付ポッ
トにおける前後のスライド面よりも長くしてあることを
特徴とする。
【0018】請求項7のものは、請求項5において、前
記便器本体に前後方向のガイドレールを設ける一方、前
記底板に被ガイド部を設けて前記鉢付ポットを該底板に
載せた状態で、それらガイドレール及び被ガイド部によ
る案内の下に前後にスライド移動させるようになしたこ
とを特徴とする。
【0019】請求項8のものは、請求項1〜7の何れか
において、前記便器本体には便座と該便座を着座させる
台座プレートとが設けてあり、前記セット位置において
前記鉢付ポットの上端面が該台座プレートに対して上下
に重なるようになしてあることを特徴とする。
【0020】請求項9は鉢付ポットに係るもので、上部
の便鉢部と下部の汚物貯溜槽とを有する鉢付ポットであ
って、該鉢付ポットは該便鉢部の上端周縁部に沿って延
びるリム部を備えたリム付きのものであることを特徴と
する。
【0021】請求項10のものは、請求項9において、
前記リム部は前記便鉢部の本体と別体をなし、該便鉢部
の本体に対し脱着可能に組み付けてあることを特徴とす
る。
【0022】請求項11のものは、請求項9,10の何
れかにおいて、前記リム部は横断面形状が下向きの凹形
状をなしており、その凹部の幅方向中間部に前記便鉢部
の本体の上端部が入り込んでいることを特徴とする。
【0023】請求項12のものは、請求項11におい
て、前記リム部における前記凹部によって、前記便鉢部
を洗浄するための洗浄水を流すためのリム通水路が形成
されていることを特徴とする。
【0024】請求項13はポータブル便器に係るもの
で、便器本体と、該便器本体と別体構造をなして該便器
本体に対し出し入れ可能な、上部の便鉢部と下部の汚物
貯溜槽とを備えた鉢付ポットとを有するポータブル便器
であって、小物品のホルダを前記便器本体と別体に設け
て、該ホルダを該便器本体の掛止孔に掛止し保持させる
ようになしたことを特徴とする。
【0025】請求項14のものは、請求項13におい
て、前記小物品のホルダが、前記鉢付ポットにおける便
鉢部の下端の開口を開閉する蓋体のホルダであることを
特徴とする。
【0026】請求項15のものは、便器本体と、該便器
本体と別体構造をなして該便器本体に対し出し入れ可能
な汚物ポットとを有するポータブル便器であって、前記
便器本体における床近くの下部に、左右方向且つ外方に
突き出す横倒れ防止脚を設けてあることを特徴とする。
【0027】請求項16のものは、請求項15におい
て、前記汚物ポットが上部の便鉢部と下部の汚物貯溜槽
とを備えた鉢付ポットであることを特徴とする。
【0028】請求項17のものは、請求項15,16の
何れかにおいて、前記横倒れ防止脚が前記便器本体と別
体をなし、脱着可能に設けられていることを特徴とす
る。
【0029】請求項18のものは、請求項17におい
て、前記横倒れ防止脚には差込用凹部が設けてあり、該
差込用凹部に対して前記便器本体の差込部を差し込むこ
とで、該横倒れ防止脚を該便器本体の下部に脱着可能に
固定するようになしてあることを特徴とする。
【0030】請求項19のものは、請求項15,16の
何れかにおいて、前記横倒れ防止脚が、前記左右方向且
つ外方に突き出して横倒れ防止作用をなす使用位置と、
該横倒れ防止作用を行わない収納位置との間で出し入れ
可能に設けてあることを特徴とする。
【0031】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1のポータ
ブル便器は、汚物ポットを上部の便鉢部と下部の汚物貯
溜槽とを備えた鉢付ポットとして構成するとともに、こ
れを支持部により前後にスライド可能に支持し、且つそ
の支持構造を、前後方向のスライド移動の終了時に実質
的に鉢付ポットを使用時の状態であるセット位置に位置
させる構造となしたもので、本発明のポータブル便器の
場合、汚物ポットが下部の汚物貯溜槽と上部の便鉢部と
を備えていて便器本体に対し出し入れ可能となしてある
ため、便鉢部が汚れた場合においてもこれを便器本体か
ら取り出すことによって容易に清掃することができる。
【0032】更にまた本発明のポータブル便器にあって
は、鉢付ポットを前後方向にスライド移動させ、そして
そのスライド移動の終了時に実質的に鉢付ポットをセッ
ト位置に位置させることのできるものであることから、
鉢付ポットを便器本体に対し容易に出し入れすることが
できる。即ち前述した本願の先願に係るポータブル便器
にあっては、鉢付ポットを前後方向のスライド移動と上
下方向の移動とを行わせることによって、セット位置に
位置させたり或いは外部に取り出したりしていたのを、
本願では前後方向のスライド移動だけでセット位置に位
置させたり或いは外部に取り出したりすることができ、
前後方向の動作即ち1つの動作だけで便器本体に対して
出し入れすることができる。
【0033】更にまた鉢付ポットを上昇させたり下降さ
せたりする必要がないため、便器本体に昇降装置を備え
付けておく必要がなく、従ってポータブル便器の構造を
簡略化することができ、また併せてポータブル便器のコ
ストを安価なものとなすことができる。
【0034】請求項2のものは、鉢付ポットを水平方向
のスライド移動によって便器本体に対し出し入れするよ
うになしたもので、このようにした場合、より簡単に鉢
付ポットを便器本体に対しセット位置と取出位置との間
で出し入れ操作することができる。
【0035】この場合において、便鉢部の上端部且つ後
端部に便器本体に突設したノズルとの干渉回避のための
切欠部を設けておくことができる(請求項3)。このよ
うにすることで、便器本体からノズルが突出している場
合であっても、そのノズルとの干渉を回避しつつ鉢付ポ
ットを良好にセット位置と取出位置との間で出し入れす
ることができる。
【0036】一方請求項4のものは、鉢付ポットをセッ
ト位置に向って斜め下向きにスライド移動させるように
なしたもので、このようにした場合においても、鉢付ポ
ットを1つの動作で便器本体に対し簡単に出し入れする
ことができる。更にまた、このような動きをさせた場
合、便器本体からノズルが突出している場合において
も、シンプルな構造でそのノズルとの干渉を回避しつつ
鉢付ポットを良好に便器本体に対し出し入れすることが
できる。
【0037】またこのように鉢付ポットを斜め下向きに
スライド移動させるようになした場合、鉢付ポットにお
ける便鉢部の前部と便座との隙間を小さくして、同部分
への小水等飛沫の飛散を抑制することができる。尚後部
については、若干の隙間があったとしても飛沫が飛散す
る可能性は低い。この場合において、鉢付ポットを一旦
斜め下向きに移動させた後、セット位置直前で斜め上向
きの移動に変化させるようになすことができる。
【0038】本発明においては、上記支持部を鉢付ポッ
トの下面を下側から支える底板にて構成することができ
る(請求項5)。この場合において、鉢付ポットを請求
項4に従って斜め下向きに移動させるときには、底板の
上面をセット位置の側に向って斜め下向きの面となして
おくことができる。また鉢付ポットを一旦斜め下向きに
移動させた後、セット位置直前で斜め上向きの移動に変
化させるときには、底板の上面をセット位置の側に向っ
て斜め下向きの面となした後、続いて斜め上向きの面と
なしておくことができる。
【0039】本発明においては、底板に対して鉢付ポッ
トをスライド移動させるようになし且つその底板の前後
方向長を、その鉢付ポットにおける前後のスライド面よ
りも長くしておくことができる(請求項6)。このよう
にしておけば、鉢付ポットを一旦底板の上に載せ、重量
を支持させた後において、これをスライド移動させて最
終のセット位置に持ち来すことができ、鉢付ポットの出
し入れ作業がより容易になる。
【0040】本発明においてはまた、便器本体に前後方
向のガイドレールを設ける一方、底板に被ガイド部を設
けてその底板を、それらガイドレール及び被ガイド部に
よる案内の下に前後にスライド移動させるようになすこ
とができる(請求項7)。このようにした場合において
も鉢付ポットの出し入れ作業を更に容易に行うことがで
きる。
【0041】本発明においては、便器本体に便座とその
便座を着座させる台座プレートとを設けておき、セット
位置においてその台座プレートに対し鉢付ポットの上端
面を上下に重なるようになしておくことができる(請求
項8)。
【0042】請求項9は鉢付ポットに関するもので、便
鉢部の上端周縁部に沿ってリム部を設け、鉢付ポットを
リム付きのものとなしたものである。即ち前述した本願
の先願に係るポータブル便器では、鉢付ポットを上向き
に持ち上げることによって、便鉢部の上端部をリム部の
下向きの凹部内に嵌め入れるようにしているが、この請
求項9ではそのリム部を鉢付ポットにおける便鉢部の上
端部に予め備え付けている。
【0043】この場合においてリム部を便鉢部の本体と
別体となし、これをその本体に対し脱着可能に組み付け
ておくことができる(請求項10)。このようにした場
合、リム部を取り外すことで便鉢部の上端部即ちその本
体の上端部とリム部とを容易に清掃できるようになる。
【0044】請求項11のものは、リム部の横断面形状
を下向きの凹形状となし、その凹部の幅方向中間部に便
鉢部の本体の上端部を入り込ませるようになしたもの
で、これにより例えば男性の小用時に小水が鉢の内面に
沿って上向きに流れて便鉢部の上端から外部に飛び出す
といったことを良好に防止することができる。更にまた
そのリム部によって便鉢部の上端周縁部を化粧すること
ができ、意匠性を高めることができる。
【0045】請求項12のものは、リム部における凹部
によって、便鉢部を洗浄するための洗浄水を流すリム通
水路を形成したものであって、このようにしておけば、
鉢付ポットにおける便鉢部の洗浄を良好に行うことがで
きる。
【0046】請求項13はポータブル便器に関するもの
で、小物品のホルダを便器本体と別体に設けてこれを便
器本体の掛止孔に掛止し保持させるようになしたもの
で、このようにした場合、トイレットペーパー等の小物
品をポータブル便器に備えておくことができ、ポータブ
ル便器の使い勝手が良好となる。
【0047】特に上部の便鉢部と下部の汚物貯溜槽とを
一体に有する鉢付ポットの場合、その便鉢部の下端の開
口を開閉する蓋体を用いることとなるが、その蓋体をホ
ルダに保持させるようになしておけば(請求項14)、
蓋体の置き場所に困るといった問題を解消することがで
きる。
【0048】請求項15,16のものは、便器本体にお
ける床近くの下部に左右方向且つ外方に突き出す横倒れ
防止脚を設けたもので、これによりポータブル便器の使
用時或いはポータブル便器に着座し若しくは離座する際
にポータブル便器が横に倒れるのを良好に防止すること
ができる。
【0049】この場合において横倒れ防止脚は便器本体
と別体となし、これを脱着可能に設けておくことができ
る(請求項17)。このようにすれば、後付けで横倒れ
防止脚を必要に応じてポータブル便器に装着することが
できる。また不必要な場合にはこれを取り外しておくこ
とも可能となる。
【0050】また横倒れ防止脚を便器本体に取り付ける
に際し、横倒れ防止脚に差込用凹部を設けておき、その
差込用凹部に対して便器本体の差込部を差し込むこと
で、これを便器本体の下部に脱着可能に取り付けるよう
になすことができる(請求項18)。
【0051】上記横倒れ防止脚はまた、左右方向且つ外
方に突き出して横倒れ防止作用をなす使用位置と、その
ような横倒れ防止作用を行わない収納位置との間で出し
入れ可能となしておくことができる(請求項19)。こ
のように不必要な場合には横倒れ防止脚を収納位置に位
置させておくことで、ポータブル便器の占めるスペース
を少なくすることができる。
【0052】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1〜図3において、10は本例のポータブ
ル便器で、12はその便器本体である。便器本体12に
は便座14及び便蓋16(図1及び図3では便蓋16は
省略して示してある)が設けられている。これらは後述
の台座プレート30の上面に開閉可能に設けられてい
る。尚18は洗浄水を貯える洗浄タンクである。
【0053】この例のポータブル便器10は、ノズル2
0から洗浄水を人体局部に噴射して局部洗浄を行う局部
洗浄装置22が備えられている。尚図1において、24
は後述の鉢付ポット54における便鉢部50の内面に洗
浄水をスプレー状に噴射して洗浄を行うスプレーノズル
である。これらノズル20及びスプレーノズル24は、
セット状態にある鉢付ポット54の便鉢部50の上端よ
りも鉢内面側に若干突き出した状態で設けられている
(図2(A)参照)。
【0054】またこの例では、パイプないし棒材を曲げ
加工した形態で肘掛け26が設けられている。この肘掛
け26は、軸27の部分で上下に開閉可能とされてい
る。
【0055】28は便器本体12における支柱であっ
て、下端部に接地バー34が設けてあり、その接地バー
34の後端部に車輪36が設けてある。本例において、
支柱28は調節ねじ38にて伸縮、即ち高さ調節できる
ようにされており、これによって便器本体12の高さ、
詳しくは便座14の高さ位置が変更可能とされている
(図8参照)。
【0056】図7に示しているように、便器本体12は
台座プレート30を有している。この台座プレート30
は、これとは別体をなし且つ台座プレート30に接合し
てある側フレーム32を介して支柱28に固定されてお
り、支柱28によって支持されている。台座プレート3
0は便器使用者の体重を受けて支持する部分であって、
同時に便座14を着座させる着座部を成している。この
台座プレート30の前部は略半円形状をなしており、そ
の前端部上面には便座14の裏面を当接させる当接部4
0が設けられている。尚、台座プレート30周縁部には
下向きの折曲げ部42が形成されている。
【0057】便器本体12には、台座プレート30の下
方に鉢付ポット54をスライド可能に支持するための底
板(支持部)44が設けてある。その底板44からは左
右にアーム46が延び出しており、その一対のアーム4
6の端部が支柱28に固定されている。即ち底板44が
アーム46を介して支柱28により支持されている。こ
の例において、図7に示しているように底板44の上面
は水平な平坦面とされており、そして底板44の後端部
には、鉢付ポット54が使用時の状態であるセット位置
よりも後方に移動しないように折曲げ部が設けてある。
【0058】図2において、54は鉢付ポットであっ
て、上部の便鉢部50と下部の汚物貯溜槽52とを一体
に有している。その便鉢部50にはその上端且つ周縁部
に沿ってリム部48が設けられている。図4(B)に示
しているように、本例ではリム部48が便鉢部50の本
体と別体構造とされている。
【0059】便鉢部50は図4に示しているように、上
端から下方に向って内面が狭まる鉢形状をなしており、
また汚物貯溜槽52は、その便鉢部50の下端の開口5
8より下側部分が横方向に広がった容器状をなしてい
る。このため用便時に排泄物が便鉢部50に沿って流れ
落ち、その下部の汚物貯溜槽52へと落下し、従来の汚
物ポットのように、排泄物が直接汚物ポットの底部に落
下して撥ねを生じるといったことがない。
【0060】本例において、汚物貯溜槽52はその本体
部分60が略円筒形状をなしている。従って角部の内側
に汚物が残りまた掃除がし難いといった問題を生じず、
また汚物が汚物貯溜槽52内の底部の略中央部分に集ま
るので、排出動作の際の排出も行い易くなる。
【0061】汚物貯溜槽52は、円筒形状をなし且つ上
向きに傾斜する排出筒部62を有しており、図4(C)
に示しているようにその先端に汚物貯溜槽52内の汚物
を排出するための排出口64が形成されている。そして
その排出筒部62及び排出口64を通じて汚物貯溜槽5
2内部の汚物を容易に外部に排出することができる。
【0062】ここで排出口64は汚物貯溜槽52におけ
る上壁部52Aの内面よりも高位置に形成されており、
汚物貯溜槽52内の汚水が誤って排出口64から外部に
漏出するのを有効に防止することができる。この排出口
64は通常時はキャップ66にて閉鎖される。その際キ
ャップ66による止水構造を厳密な止水構造としなくて
も良く、加えて排出口64が汚水の水面よりも高位置に
あるため、排出口64が汚れ難い利点が得られる。
【0063】この汚物貯溜槽52は、上記のように略円
筒形状とされている結果それ自身自立性を有しない。こ
の例では、鉢付ポット54における汚物貯溜槽52の前
端部と後端部とに帯板材を矩形状に曲げて成る支持脚6
8が設けられており、それら支持脚68によって、鉢付
ポット54が安定的に支持されるようになっている。
【0064】汚物貯溜槽52には、その前部と後部との
2箇所に取手70−1と70−2とが設けてある。この
ため両手で鉢付ポット54の前部と後部とを持ち、その
ような両手持ち状態で少量ずつコントロールしながら内
部の汚物の排出動作を行うことができる。
【0065】図1において、72は鉢付ポット54にお
ける便鉢部50の下端の開口58(図3参照)を閉鎖す
るための蓋体であって、本例においては開口58及び蓋
体72はそれぞれ平面形状が円形状をなしている。従っ
て蓋体72で開口58を閉鎖する際に方向を選ぶ必要が
なく、開口58を蓋体72にて容易且つ確実に閉鎖作業
することができる。
【0066】便鉢部50の本体と別体をなすリム部48
は、図4(B)に示しているように横断面形状が下向き
の凹形状をなしており、その内周壁部74が便鉢部50
の内側に、また外周壁部76が便鉢部50の外側に位置
している。このリム部48は下向きの凹部78を有して
おり、その凹部78の幅方向中間部に、便鉢部50の本
体の上端部が上向きに入り込んでいる。リム部48には
凹部78内に環状の一対の突出片80が設けられてお
り、それら一対の突出片80の間に差込溝82が形成さ
れている。そしてその差込溝82内部に便鉢部50の本
体の上端部が差し込まれている。即ちリム部48が便鉢
部50に差込構造で脱着可能に組み付けられている。
【0067】図5に示しているように、便鉢部50の上
端部に取り付けられたリム部48には、後端部において
切欠部84とゴム等の弾性材から成る弾性ガード86と
が設けられている。この切欠部84は、鉢付ポット54
を便器本体12の前方から後方に押し込んでスライド移
動させる際に上記ノズル20及びスプレーノズル24を
通過させる部分であり、また弾性ガード86はその切欠
部84を通過したノズル20及びスプレーノズル24を
その後側においてガードする部分である。尚、弾性ガー
ド86は弾性変形することによってノズル20及びスプ
レーノズル24の通過を許容する。
【0068】図6は便器本体12に鉢付ポット54を使
用時の位置にセットする際の様子を示す図である。図示
のようにこの例では鉢付ポット54を底板44上に載せ
て便器本体12の前方から後方に向って水平方向にスラ
イド移動させ、使用時の位置にセットする。このとき、
便鉢部50の上端部に取り付けられたリム部48に切欠
部84と弾性ガード86が設けられているため、便器本
体12から突出しているノズル20及びスプレーノズル
24が、鉢付ポット54に干渉してしまって便器本体1
2への装着が阻止されるといった問題を生じない。尚鉢
付ポット54は、セット位置においてその上端面が台座
プレート30に対して上下に重なる状態となる。
【0069】上記のように本例のポータブル便器10
は、汚物ポットを上部の便鉢部50と下部の汚物貯溜槽
52とを備えた鉢付ポット54として構成するととも
に、これを底板44により前後且つ水平にスライド可能
に支持し、且つその支持構造を、前後方向のスライド移
動の終了時に、実質的に鉢付ポット54を使用時の状態
であるセット位置に位置させる構造となしていることか
ら、鉢付ポット54を便器本体12に対し容易に出し入
れできる。また便鉢部50が汚れた場合においても、こ
れを便器本体12から取り出すことによって容易に清掃
することができる。
【0070】更に鉢付ポット54を上昇させたり下降さ
せたりする必要がないため、便器本体12に昇降装置を
備え付けておく必要がなく、従ってポータブル便器10
の構造が簡略化され、またそのコストも安価となる。
【0071】また本例では便鉢部50に切欠部84を設
けてあることから、ノズル20及びスプレーノズル24
との干渉を回避しつつ鉢付ポット54を良好にセット位
置と取出位置との間で水平に出し入れすることができ
る。
【0072】更に本例ではリム部48を便鉢部50の本
体に対し脱着可能に組み付けてあるため、リム部48を
含む便鉢部50の清掃を容易に行うことができる。
【0073】またリム部48の横断面形状を下向きの凹
形状となし、その凹部78の幅方向中間部に便鉢部50
の本体の上端部を入り込ませるようになしたことで、例
えば男性の小用時に小水が鉢の内面に沿って上向きに流
れ、便鉢部50の上端部から外部に飛び出すといったこ
とを良好に防止できる。更にまたリム部48によって便
鉢部50の上端周縁部を化粧し、意匠性を高めることが
できる。
【0074】次に図9に本発明の他の実施例を示す。本
例では、底板44の上面、詳しくは図9(B)中右側部
分の上面が図中右端から左端にかけて下向きに僅かに傾
斜した傾斜面88とされている。この傾斜面88上に
は、図中左端近傍において上向きの突出部90が設けら
れており、その突出部90の上面が図中左向きに進むに
つれて斜め上向きの面92を有するものとされている。
即ちこの例では、鉢付ポット54を前方から後方に押し
込むと、一旦僅かに斜め下向きに移動した後、セット位
置直前で斜め上向きの移動に変化し、最終的に鉢付ポッ
ト54の下面が水平面Pと略平行となる水平姿勢に保持
される。
【0075】尚、この図9に示す例においても鉢付ポッ
ト54における便鉢部50の上端部に切欠部84と弾性
ガード86とが設けてあるが、場合によってこれら切欠
部84及び弾性ガード86は省略することも可能であ
る。鉢付ポット54が一旦斜め下向きに移動した後、最
終のセット位置で水平姿勢となるため、上記ノズル20
及びスプレーノズル24との干渉をその運動によって回
避することができるからである。
【0076】次に図10及び図11に本発明の更に他の
実施例を示す。本例では、底板44の上面が図中右端か
ら左端にかけて下向きに僅かに傾斜した傾斜面88とさ
れている。即ちこの例では、図10に示しているように
鉢付ポット54を前方から後方に押し込むと、僅かに斜
め下向きに移動し、最終的に図10及び図11に示して
いるように、鉢付ポット54の下面及び上面が水平面か
ら角度θ傾斜した状態の姿勢に保持される。
【0077】このようにすれば、鉢付ポット54の便鉢
部50に設けられたリム部48の前部と、便器本体12
における便座14との間の隙間を小さくすることができ
る。リム部48の前部と便座14との間の隙間は、リム
部48の後部と便座14との間の隙間に比べて小水等飛
沫の飛散の可能性の高い部分であり、この隙間を小さく
することで同部分の飛沫の飛散による汚れを防止するこ
とができる。一方、後部については飛沫の飛散の可能性
が低いため、若干の隙間が生じても特に支障は生じな
い。
【0078】本例では切欠部84,弾性ガード86は設
けられておらず、鉢付ポット54を斜め下向きに移動さ
せるシンプルな構造で、ノズル20及びスプレーノズル
24との干渉を回避することができる。尚、93は鉢付
ポット54等を内部に隠蔽する化粧ボックスである。
【0079】図12は本発明の更に他の実施例を示した
もので、この例ではリム部48における内周壁部74の
下端部から横向きに延出する延出部94を周方向に沿っ
て形成し、この延出部94によって、凹部78の一部を
リム通水路96として形成した例である。このようなリ
ム通水路96を形成しておくことで、洗浄タンク18か
らの水を、このリム通水路96に沿って周方向に流しな
がら延出部94の先端から流出させ、便鉢部50をその
洗浄水によって洗浄するようになすことができる。
【0080】図13〜図16は本発明の更に他の実施例
を示している。この例では底板44の前後方向長を鉢付
ポット54の下面即ちその前後のスライド面よりも長く
してあり、従って図15及び図16に示しているように
鉢付ポット54を使用時の状態であるセット位置にセッ
トする際、先ず鉢付ポット54を底板44の図15中右
側端部に載せた上でこれを図中左向きに即ち後方に押し
込むようにして最終のセット位置に持ち来すことができ
る。
【0081】尚この例では、図16に示しているように
側フレーム32を台座プレート30と一体に成形してあ
る。更にまた同図に示しているように、鉢付ポット54
における汚物貯溜槽52の一部を下向きに突出させる形
態で支持脚68を形成している。更にまた図13に示し
ているように、便器本体12における床近くの下部に設
けた縦向きの支柱補強プレート(プレート部)100に
水平部100Aを設けている。尚これらの形態について
は図10,図11も同様とされており、また他の構成に
ついては前記実施例と同様である。
【0082】本実施例の場合、鉢付ポット54内部に汚
物が一杯まで入っていて重量が重い場合であっても、底
板44の長さが長くされていることによって容易にこれ
をセット位置から取出作業することができ、更にはまた
鉢付ポット54をセット位置にセットするに際しても容
易にこれを行うことができる。
【0083】図17〜図21は本発明の更に他の実施例
を示したものである。この例においては例えば図20に
示しているように便器本体12側に前後方向のガイドレ
ール102を設ける一方、底板44の左右端部から側板
104を立ち上げてそれら側板104の外面に前後方向
の被ガイド部106を設け、それら被ガイド部106と
ガイドレール102とを前後方向にスライド可能に嵌合
したものである。
【0084】この例の場合、図19(I),(II)及び
図20(I),(II)に示しているように鉢付ポット5
4を一対の側板104と104との間に押し込むように
して底板44上に載せ、その状態で底板44を前方にス
ライド移動させることで、図19(III)及び図21(I
II)に示しているように鉢付ポット54を最終のセット
位置に持ち来すことができる。従ってまたこの例におい
ても、鉢付ポット54の出し入れ作業を更に容易に行う
ことができる。
【0085】図22は本発明の更に他の実施例を示して
いる。この例は上記図13〜図16及び図17〜図21
の実施例において、便器本体12と別体をなし且つ縦向
きのスリット状の差込溝(差込用凹部)108を有する
横倒れ防止脚110を、その差込溝108に対して支柱
補強プレート100の水平部(差込部)100Aを差し
込むようにして横倒れ防止脚110を補助脚として便器
本体12に脱着可能に装着し、この横倒れ防止脚110
を接地バー34から左右方向且つ外方に突き出した状態
とすることによって便器本体12の横倒れを防止するよ
うになした例である。
【0086】この例の場合、ポータブル便器10の使用
時或いはこれに着座又は離座する際に、ポータブル便器
10が横倒れするのをこの横倒れ防止脚110によって
効果的に防止することができる。ここで横倒れ防止脚1
10は便器本体12に対し脱着可能に設けられており、
従って使用しないときには図22(B)に示しているよ
うに、これを図22(A)の使用時とは逆向きに装着し
ておくことで、支柱補強プレート100の内側に収納し
ておくことができる。
【0087】尚ここではかかる横倒れ防止脚110を、
図13〜図16の実施例、更に図17〜図21の実施例
に装着するものとして説明したが、それ以外の他の実施
例においてこのような横倒れ防止脚110を用いるよう
になすことも勿論可能である。この点は以下の図23〜
図25の例においても同様である。
【0088】図23は横倒れ防止脚110の他の形態例
を示している。この例の横倒れ防止脚110は、軸方向
端部に前後方向に貫通の差込穴(差込用凹部)130を
有しており、その差込穴130に対して接地バー(差込
部)34を差し込むようにして横倒れ防止脚110を便
器本体12に脱着可能に取り付け、これを接地バー34
から左右方向且つ外方に突き出した状態とするようにな
っている。
【0089】図24は横倒れ防止脚110の更に他の形
態例を示している。この例では、横倒れ防止脚110を
軸132の回りに回転可能な状態で接地バー34に取り
付けたものである。この例の横倒れ防止脚110の場
合、図24(II)に示しているようにこれを接地バー3
4から左右方向且つ外方に突き出した状態とすること
で、横倒れ防止作用を行わせることができる。更にま
た、これを(II)の状態から(I)に示しているように
90°回転させ、接地バー34と重ねておくことで収納
状態としておくことができる。或いはまたこれを左右方
向且つ内方に突き出した状態として収納状態としておく
こともできる。
【0090】図25は横倒れ防止脚110の更に他の形
態例を示している。この例は左右方向に長手状をなす1
本のフレーム材134を接地バー34に固定し、そして
左右方向且つ外方に突き出した部分を横倒れ防止脚11
0として構成した例である。尚この例において、横倒れ
防止脚110の各端部にストッパ136を設置してお
き、これにより横倒れ防止脚110をストッパ136を
介して床に接地させるようになすことができる。
【0091】ここで各ストッパ136は、横倒れ防止脚
110にねじ結合するようにし且つ回転操作によってそ
の高さを調節し、確実に床に接地するようになしておく
ことができる。尚このようなストッパ136を設けるこ
とができる点については、図23,図24の例において
も同様である。
【0092】これら図23〜図25の横倒れ防止脚11
0によっても、ポータブル便器10の使用時或いはこれ
に着座又は離座する際にポータブル便器10が横に倒れ
るのを良好且つ効果的に防止することができる。
【0093】また図22及び図23に示す横倒れ防止脚
110においては、これを便器本体12と別体且つ着脱
可能に設けてあるため、横倒れ防止脚110を後付けで
必要に応じてポータブル便器10に装着することがで
き、また不必要な場合にはこれを取り外しておくことも
できる。
【0094】また図22及び図24に示す横倒れ防止脚
110の場合、使用位置と収納位置との間で出し入れ可
能となしているため、不必要な場合には横倒れ防止脚1
10を収納位置に位置させておくことで、ポータブル便
器10の占めるスペースを少なくすることができる。
【0095】図26は本発明の更に他の実施例を示して
いる。この例は便器本体12の側面例えば側フレーム3
2に掛止孔112(この例では上下の長孔状の掛止孔)
を設けて、そこに小物品を保持する各種のホルダ11
4,116,118その他のホルダを掛止し保持するよ
うになした例である。ここで各ホルダ114,116,
118はそれぞれ被掛止部としてのフック120を有し
ており、それらフック120を掛止孔112に差し込む
ことで便器本体12の側面に掛止され保持される。
【0096】ここでホルダ114は小物品としてのトイ
レットペーパー122を保持するもので三角形状の突起
部124を有しており、その突起部124をトイレット
ペーパー122の中心孔に挿入させてトイレットペーパ
ー122を保持する。
【0097】一方ホルダ116は小物品としての上記蓋
体72を保持するもので、U字状に回曲した保持部12
6を有しており、その保持部126において蓋体72を
保持する。
【0098】一方ホルダ118はボックス128を有し
ており、そのボックス128の内部に様々な小物品を収
容するようになっている。
【0099】このように各種ホルダ114,116,1
18を便器本体12の側面に掛止し保持するようになし
ておくことで、ポータブル便器10の使い勝手が更に良
好となる。特にホルダ116によって蓋体72を保持さ
せるようになしておけば、蓋体72の置き場所に困ると
いった問題を解消することができる。
【0100】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるポータブル便器の斜視
図である。
【図2】同じ実施例のポータブル便器の側面図及び正面
図である。
【図3】同じ実施例のポータブル便器の平面図である。
【図4】同じ実施例のポータブル便器における鉢付ポッ
トの平面図,要部断面図,側面図及び一部切欠正面図で
ある。
【図5】同じ実施例のポータブル便器における鉢付ポッ
トの斜視図である。
【図6】同じ実施例のポータブル便器における鉢付ポッ
トを便器本体から取り出した状態を示す図である。
【図7】同じ実施例のポータブル便器における鉢付ポッ
トを便器本体から取り出した状態とセットした状態とを
示す斜視図である。
【図8】同じ実施例のポータブル便器における支柱の作
用説明図である。
【図9】本発明の他の実施例のポータブル便器を示す図
である。
【図10】本発明の更に他の実施例のポータブル便器を
示す図である。
【図11】図10のポータブル便器を鉢付ポットをセッ
ト位置にセットした状態で示す側面図である。
【図12】本発明の更に他の実施例のポータブル便器の
要部を示す図である。
【図13】本発明の更に他の実施例のポータブル便器を
示す側面図である。
【図14】同じ実施例のポータブル便器の正面図であ
る。
【図15】同じ実施例のポータブル便器の作用を示す側
面図である。
【図16】同じ実施例のポータブル便器の作用を示す斜
視図である。
【図17】本発明の更に他の実施例のポータブル便器を
示す側面図である。
【図18】同じ実施例のポータブル便器の正面図であ
る。
【図19】同じ実施例のポータブル便器の作用を示す側
面図である。
【図20】同じ実施例のポータブル便器の作用を示す斜
視図である。
【図21】図20に続く作用を示す斜視図である。
【図22】本発明の更に他の実施例のポータブル便器の
要部を示す図である。
【図23】図22とは異なる横倒れ防止脚の形態例を示
す図である。
【図24】横倒れ防止脚の更に他の形態例を示す図であ
る。
【図25】横倒れ防止脚の更に他の形態例を示す図であ
る。
【図26】本発明の更に他の実施例のポータブル便器の
要部を示す図である。
【図27】従来のポータブル便器の例を示す図である。
【図28】本願の先願に係るポータブル便器の例を示す
比較例図である。
【符号の説明】
10 ポータブル便器 12 便器本体 14 便座 20 ノズル 24 スプレーノズル 30 台座プレート 34 接地バー(差込部) 44 底板(支持部) 48 リム部 50 便鉢部 52 汚物貯溜槽 54 鉢付ポット 58 開口 72 蓋体(小物品) 78 凹部 84 切欠部 96 リム通水路 100 支柱補強プレート(プレート部) 100A 水平部(差込部) 102 ガイドレール 106 被ガイド部 108 差込溝(差込用凹部) 110 横倒れ防止脚 112 掛止孔 114,116,118 ホルダ 122 トイレットペーパー(小物品) 130 差込穴(差込用凹部)

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器本体と、該便器本体と別体構造をな
    して該便器本体に対し出し入れ可能な、上部の便鉢部と
    下部の汚物貯溜槽とを備えた鉢付ポットとを有するポー
    タブル便器であって、 前記鉢付ポットを支持部により前後にスライド可能に支
    持するとともに該支持部による支持構造を、該鉢付ポッ
    トの前後方向のスライド移動の終了時に実質的に該鉢付
    ポットを使用時の状態であるセット位置に位置させる構
    造となしたことを特徴とするポータブル便器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記前後方向のスラ
    イド移動が水平方向のスライド移動であることを特徴と
    するポータブル便器。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記便鉢部の上端部
    且つ後端部には、前記便器本体に突設したノズルとの干
    渉回避のための切欠部を設けてあることを特徴とするポ
    ータブル便器。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記前後方向のスラ
    イド移動が、前記セット位置に向って斜め下向きに移動
    するものであることを特徴とするポータブル便器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記支
    持部が、前記鉢付ポットの下面を下側から支える底板で
    あることを特徴とするポータブル便器。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記底板に対して前
    記鉢付ポットをスライド移動させるようになすととも
    に、該底板の前後方向長を、該鉢付ポットにおける前後
    のスライド面よりも長くしてあることを特徴とするポー
    タブル便器。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記便器本体に前後
    方向のガイドレールを設ける一方、前記底板に被ガイド
    部を設けて前記鉢付ポットを該底板に載せた状態で、そ
    れらガイドレール及び被ガイド部による案内の下に前後
    にスライド移動させるようになしたことを特徴とするポ
    ータブル便器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記
    便器本体には便座と該便座を着座させる台座プレートと
    が設けてあり、前記セット位置において前記鉢付ポット
    の上端面が該台座プレートに対して上下に重なるように
    なしてあることを特徴とするポータブル便器。
  9. 【請求項9】 上部の便鉢部と下部の汚物貯溜槽とを有
    する鉢付ポットであって、該鉢付ポットは該便鉢部の上
    端周縁部に沿って延びるリム部を備えたリム付きのもの
    であることを特徴とする鉢付ポット。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記リム部は前記
    便鉢部の本体と別体をなし、該便鉢部の本体に対し脱着
    可能に組み付けてあることを特徴とする鉢付ポット。
  11. 【請求項11】 請求項9,10の何れかにおいて、前
    記リム部は横断面形状が下向きの凹形状をなしており、
    その凹部の幅方向中間部に前記便鉢部の本体の上端部が
    入り込んでいることを特徴とする鉢付ポット。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記リム部にお
    ける前記凹部によって、前記便鉢部を洗浄するための洗
    浄水を流すためのリム通水路が形成されていることを特
    徴とする鉢付ポット。
  13. 【請求項13】 便器本体と、該便器本体と別体構造を
    なして該便器本体に対し出し入れ可能な、上部の便鉢部
    と下部の汚物貯溜槽とを備えた鉢付ポットとを有するポ
    ータブル便器であって、 小物品のホルダを前記便器本体と別体に設けて、該ホル
    ダを該便器本体の掛止孔に掛止し保持させるようになし
    たことを特徴とするポータブル便器。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記小物品のホ
    ルダが、前記鉢付ポットにおける便鉢部の下端の開口を
    開閉する蓋体のホルダであることを特徴とするポータブ
    ル便器。
  15. 【請求項15】 便器本体と、該便器本体と別体構造を
    なして該便器本体に対し出し入れ可能な汚物ポットとを
    有するポータブル便器であって、 前記便器本体における床近くの下部に、左右方向且つ外
    方に突き出す横倒れ防止脚を設けてあることを特徴とす
    るポータブル便器。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記汚物ポット
    が上部の便鉢部と下部の汚物貯溜槽とを備えた鉢付ポッ
    トであることを特徴とするポータブル便器。
  17. 【請求項17】 請求項15,16の何れかにおいて、
    前記横倒れ防止脚が前記便器本体と別体をなし、脱着可
    能に設けられていることを特徴とするポータブル便器。
  18. 【請求項18】 請求項17において、前記横倒れ防止
    脚には差込用凹部が設けてあり、該差込用凹部に対して
    前記便器本体の差込部を差し込むことで、該横倒れ防止
    脚を該便器本体の下部に脱着可能に固定するようになし
    てあることを特徴とするポータブル便器。
  19. 【請求項19】 請求項15,16の何れかにおいて、
    前記横倒れ防止脚が、前記左右方向且つ外方に突き出し
    て横倒れ防止作用をなす使用位置と、該横倒れ防止作用
    を行わない収納位置との間で出し入れ可能に設けてある
    ことを特徴とするポータブル便器。
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