JP2002078556A - 折畳み椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子の座の強度を低下させたり、座の使い心
地を低下させることなく、椅子を折り畳んで積み上げる
際に容易に且つ確実に椅子の横ずれを防止できる折畳み
椅子を提供することができる。 【解決手段】 折畳み椅子は前脚２と、前脚に連結され
た後脚３と、前脚及び後脚に連結された座９とを有し、
前脚と後脚と座を略扁平状に折り畳むことができる。座
９は座板１０と、該座板の裏面に配設された座フレーム
１１とを有する。座板の表面側には、折り畳んだ椅子を
積み重ねたとき座フレームと係わり合って横ずれを防止
する横ずれ規制部としての表側凸縁部１８を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は略扁平状に折り畳ん
で安定に積み重ねることができる折畳み椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、略扁平状に折り畳むことがで
きる折畳み椅子が広く用いられている。この種の折畳み
椅子は、一般に、金属パイプを略Ｕ字形に成形し、その
上端部に背もたれを取り付けてなる前脚と、同じく金属
パイプを略Ｕ字形に成形してなる後脚と、前脚と後脚と
に軸支される座とを備え、前脚と後脚とを接近すること
により座が跳ね上がり、前脚、後脚、及び座を略扁平に
折り畳むことができるように構成されている。

【０００３】また、この種の折畳み椅子においては、折
り畳んだ椅子を上下に積み重ねたときに椅子同士が横ず
れを起こし崩落する虞れがあるため、従来より各種の横
ずれ防止手段が考えられている。例えば実開平３−９６
７４８号公報に記載された折畳み椅子においては、前脚
の下端部に滑り止め部材が取り付けられており、折り畳
んだ椅子を積み重ねたとき、下側の椅子の滑り止め部材
に形成されている凹部に上側の椅子の前脚が嵌まり横ず
れを防止するものとなっている。また、座は前脚及び後
脚に連結されるフレームと、このフレームに取り付けら
れる座板とからなっており、座板の裏側周縁に隆起部を
設け、この隆起部で囲まれた部分に下側の椅子の座板の
上面が入り込むことにより、椅子の横ずれを防止するも
のとなっている。

【０００４】また、特開平９−１０８０６３号公報に記
載された折畳み椅子は、座板の後部上面に１又は複数の
凹部又は凸部を設け、また裏面にはこの凹部又は凸部に
対応する凸部又は凹部を設け、折り畳んだ椅子を積み重
ねたときに下側の椅子における座板の表側の凹部又は凸
部が上側の椅子における座板の裏側の凹部又は凸部に嵌
合することにより椅子の横ずれを防止するものとなって
いる。

【０００５】さらに、実開昭６０−１７０１５３号に記
載された折畳み椅子は、折畳み時に前脚の外側に位置す
る後脚が椅子の積み重ね方向にずれて位置するように構
成されており、これにより、折り畳んだ椅子の後部脚の
内側に同じく折り畳んだ他の椅子の前脚を嵌め合わせて
横ずれを防止するものとなっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前脚又は後脚に滑り止
め部材を設けて横ずれを防止する構成の場合、前脚又は
後脚に大きなサイズの滑り止め部材を取り付けることが
できないため、十分な横ずれ防止効果を得ることが難し
い。

【０００７】一方、座板の表面に１又は複数の凹部又は
凸部を設け、裏面にこの凹部又は凸部と対応する凸部又
は凹部を設けた構成の場合、座板の表面及び裏面に凹部
又は凸部の配置スペースを確保する必要があり、凹部及
び凸部を小さいものにすると凹部と凸部との位置合わせ
がやりずらくなるとともに、十分な横ずれ防止効果が得
られなくなり、一方、凸部又は凹部を大きなものにする
と座板の着座領域が狭まって座の使い勝手が悪くなり、
或いは、座板が必要以上に大型化するといった問題が生
じる。また、座板の表面又は裏面に凹部があるとゴミ等
が溜まりやすくなり掃除がやっかいなものとなる。

【０００８】さらに、座板の裏側周縁に隆起部を設け、
この隆起部で囲まれた部分に下側の椅子における座板の
上面を入り込ませるように形成した場合、座板の裏側周
縁の隆起部で囲まれた領域は、別の椅子の座板上面と適
合し得るようにスペースを空けておく必要があり、補強
用リブや椅子フレームを配置できないこととなるため、
座板の強度が低下するという弊害が生じる。

【０００９】したがって、本発明の目的は、椅子の座の
強度を低下させたり、座の使い心地を低下させることな
く、椅子を折り畳んで積み上げる際に容易に且つ確実に
椅子の横ずれを防止できる折畳み椅子を提供することに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、前脚と後脚と座を略扁平状に折り畳むこ
とができる折畳み椅子において、前記座が座板と該座板
の裏面に配設された座フレームとを有し、前記座板はそ
の表面側に、折り畳んだ椅子を積み重ねたときに前記座
フレームと係わり合って座同士の横ずれを防止すること
ができる横ずれ規制部を有することを特徴とする折畳み
椅子を提供する。

【００１１】上記構成の折畳み椅子においては、折り畳
んだ椅子を上下に積み重ねたときに、上側の椅子におけ
る座フレームが下側の椅子における座板の表面に設けら
れている横ずれ規制部と係わり合うので、座同士の横ず
れを防止することができる。したがって、椅子を安定に
積み上げることができる。しかも、座板の裏面に配設さ
れた座フレームを横ずれ防止に利用するので、座の強度
を座フレームにより確保しつつ、且つ、座板自体に大き
な剛性を必要とすることなく、横ずれ防止領域を確保す
ることができる。したがって、座板には適度の弾性によ
る良好な座り心地を確保しつつ、且つ、座の強度を低下
させることなく、積み重ねた際に横ずれを防止できる折
畳み椅子を提供することができる。

【００１２】上記構成の折畳み椅子において、好ましく
は、前記座フレームが前記座板裏面の少なくとも左右側
縁に沿って配設され、前記座フレームと前記横ずれ規制
部は、折り畳んだ椅子を積み重ねたとき前記座フレーム
の少なくとも左右外側面が他の椅子における横ずれ規制
部の内側に嵌まり込む関係にある。係る構成によれば、
座フレームが座板裏面の少なくとも左右側縁に沿って配
設されて他の椅子における横ずれ規制部の内側に嵌まり
込むことができるので、座板の着座領域を実質上狭める
ことなく、また、座板を必要以上に大サイズ化する必要
なく、大きなサイズの横ずれ防止領域を確保することが
できる。したがって、座より確実に横ずれを防止できる
折畳み椅子を提供することができる。

【００１３】上記構成の折畳み椅子において、好ましく
は、前記座フレームが断面略円形の外周面を有し、前記
横ずれ規制部がその内側に前記座フレームの外周面と適
合する湾曲面を有する。係る構成によれば、折り畳んだ
椅子を上下に積み重ねるときに、座フレームと座板の表
面側の横ずれ規制部とが円弧状の湾曲面で嵌まり合うの
で、はめ込み時の位置合わせを一層容易に行うことがで
きる。

【００１４】また好ましくは、前記座板はその裏面に、
該座板に取り付けられている座フレームの少なくとも左
右外側面に当接するフレーム保持部を有し、前記横ずれ
規制部及びフレーム保持部の高さがそれぞれ前記座フレ
ームの断面高さサイズの略半分とされる。係る構成によ
れば、座フレームを座板のフレーム保持部の内側に嵌め
込んだ状態で座板の裏面に取り付けることができるの
で、座板を座フレームに取り付ける際の位置合わせが容
易になるとともに、座板と座フレームとを安定に取り付
けることができる。しかも、横ずれ規制部及びフレーム
保持部の高さがそれぞれ座フレームの断面高さサイズの
略半分であるので、横ずれ規制部と座フレームとの嵌め
合わせによる横ずれ防止効果を十分確保することができ
る。

【００１５】また好ましくは、前記フレーム保持部がそ
の内側に前記座フレームの外周面と適合する湾曲面を有
する。係る構成によれば、座板を座フレームに取り付け
る際の位置合わせが一層容易になるとともに、座板と座
フレームとを一層安定に取り付けることができる。

【００１６】また好ましくは、前記座フレームが前記座
板の前縁、左右側縁及び後縁に沿ってループ状に形成さ
れる。係る構成によれば、座フレームが座板の前縁、左
右側縁及び後縁に沿ってループ状に形成されているの
で、座の強度をループ状の座フレームによって一層効果
的に確保することができる。

【００１７】また好ましくは、前記座板が合成樹脂から
なり、前記座フレームが金属パイプからなる。係る構成
によれば、座の強度を金属製パイプからなる座フレーム
によって容易に確保しつつ、また座板には適度の弾性を
持たせて座り心地を良好なものにしつつ、横ずれ防止領
域を確保することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態を説明する。

【００１９】

【実施例】図１から図６までは本発明の第１実施例を示
すものであり、図１は折畳み椅子の斜視図、図２は図１
に示す折畳み椅子の縦断面右側面図、図３は図１に示す
折畳み椅子の図２中３−３線に沿った断面図、図４は図
１に示す折畳み椅子を２つ折り畳んで上下に重ねた状態
を示す斜視図、図５は図４に示す２つの折畳み椅子の要
部縦断面図、図６（ａ）、（ｂ）、（ｃ）はそれぞれ図
４に示す２つの折畳み椅子の図５中６ａ−６ａ線、６ｂ
−６ｂ線及び６ｃ−６ｃ線に沿った断面図である。

【００２０】はじめに図１及び図２を参照すると、折畳
み椅子は、略Ｕ字状ないし略コ字状に成形した前脚２
と、同じく略Ｕ字状ないし略コ字状に成形した後脚３と
を有し、ここでは、前脚２及び後脚３は断面円形の外周
面を有する金属製丸パイプで作られている。前脚２は左
右脚柱部２ａ、２ｂの上端部が開放端となっており、左
右脚柱部２ａ、２ｂの上端部に例えば合成樹脂からなる
背もたれ４が取り付けられている。この背もたれ４は、
左右脚柱部２ａ、２ｂの上端部に取り付けられる取付部
４ａ、４ｂと、両取付部４ａ、４ｂ間を連結する帯状連
結部４ｃとを有し、図２からわかるように、帯状連結部
４ａはその前面側に後方に湾曲した凹部を形成するよう
に、両取付部４ａ、４ｂ間で後方に湾曲して延びてお
り、且つ、上端から下端に向かうに従って凹部の深さが
増大するように形成されている。したがって、図５に示
すように、２つの折畳み椅子を折り畳んで上下に重ねる
と、２つの折畳み椅子の背もたれ４、４が互いに重なり
合うことにより、図５中上側の折畳み椅子が下側の折畳
み椅子に対し図中右方に横ずれすることを防止できるも
のとなっている。

【００２１】後脚３は同様に左右脚柱部３ａ、３ｂの上
端が開放端となっており、且つ、図４に示すように、左
右脚柱部３ａ、３ｂの上端部にそれぞれ伸縮ロッド５、
６が取り付けられており、伸縮ロッド５、６の上端部５
ａ、６ａがそれぞれ支軸７，８を介して前脚２の左右脚
柱部２ａ、２ｂにおける高さ方向中間箇所に回動可能に
連結されている。

【００２２】折畳み椅子はさらに前脚２及び後脚３に連
結されて支持される座９を有する。図１〜図３に示すよ
うに、座９は座板１０と、該座板１０の裏面に例えばね
じ（図示省略）により取り付けられた座フレーム１１と
を有し、ここでは、座フレーム１１は左右方向に延びる
前杆１１ａ及び後杆１１ｂと、これら前杆１１ａ及び後
杆１１ｂの左右端間で前後方向に延びる左右の側杆１１
ｃ、１１ｄとを有し、略四角形のループ状に形成されて
いる。そして、座フレーム１１は前座板１０の前縁１０
ａ、左右側縁１０ｂ、１０ｃ及び後縁１ｄに沿って配設
されている。また、この実施例では、座板１０は合成樹
脂からなっており、座フレーム１１は断面略円形の外周
面を有する金属製パイプからなっている。図１、図２及
び図６（ｂ）に示すように、座フレーム１１の左右側杆
１１ｃ、１１ｄは、その前後方向中間位置においてそれ
ぞれ支軸１２，１３を介して前脚２の左右脚柱２ａ、２
ｂに回動可能に連結されており、また、図１、図２及び
図６（ｃ）に示すように、支軸１２、１３の後方におい
て、座フレーム１１の左右側杆１１ｃ、１１ｄはそれぞ
れ後脚３の左右脚柱３ａ、３ｂに取り付けられた連結部
材１４、１５に支軸１６、１７を介して回動可能に連結
されている。

【００２３】上記構成の折畳み椅子は、図１及び図２に
示すように、前脚２及び後脚３立てて開脚させたとき、
座９が前脚２及び後脚３によって略水平に支持されるよ
うに構成されており、また、座９の前端を上に跳ね上げ
て前脚２と後脚３を閉脚させると、図４〜図６に示すよ
うに、後脚３の伸縮ロッド５、６が伸びることにより、
後脚３の内側に前脚２が納まり、また、前脚２の内側に
座９が納まってこれらが略扁平状に折り畳まれるように
構成されている。

【００２４】図１〜図６に示すように、座板１０の表面
には該座板１０の左右側縁及び後縁に沿って横ずれ規制
部としての表側凸縁部１８が設けられている。この表側
凸縁部１８は折畳み椅子を折り畳み上下に積み重ねたと
きに座フレーム１１の左右側杆１１ｃ、１１ｄの外側面
と、後杆１１ｂの外側面が下側の折畳み椅子における座
板１０の表側凸縁部１８の内側に嵌まり込むように形成
されている。上述した用に、座フレーム１１は断面略円
形の外周面を有しており、表側凸縁部１８はその内側に
座フレーム１１の外周面と適合する湾曲面を有してい
る。

【００２５】また、この実施例では、座板１０の前縁、
左右側縁及び後縁にそって全周にわたり、座板１０の裏
面に座フレーム１１の外側面に当接するフレーム保持部
としての裏側凸縁部１９が設けられている。そして、表
側凸縁部１８及び裏側凸縁部１９の高さはそれぞれ座フ
レーム１１の断面高さ（直径）サイズの略半分とされて
いる。

【００２６】さらに、この実施例では、裏側凸縁部１９
がその内側に座フレーム１１の外周面と適合する湾曲面
を有している。

【００２７】上記構成を有する折畳み椅子においては、
折り畳んだ椅子を上下に積み重ねたときに背もたれ４が
重なり合うとともに、上側の椅子における座フレーム１
１の左右側杆１１ｃ、１１ｄの外側面と後杆１１ｂの外
側面が下側の椅子における座板１０表側凸縁部１８の内
側に嵌まり込むので、座９の左右方向及び前後方向への
椅子の横ずれを防止することができ、椅子を安定に積み
上げることができる。

【００２８】また、座フレーム１１及び表側凸縁部１８
のどちらも座板１０の左右側縁及び後縁に沿って配設さ
れているので、座板１０の着座領域を実質上狭めること
なく、また、座板１０を必要以上に大サイズ化する必要
なく、大きなサイズの横ずれ防止領域を確保することが
できる。さらに、少なくとも座板１０の左右側縁及び後
縁に沿って座板１０の裏面に配設された座フレーム１１
を横ずれ防止に利用するので、座９の強度を座フレーム
１１により確保しつつ、且つ、座板１０自体に大きな剛
性を必要とすることなく、横ずれ防止領域を確保するこ
とができる。したがって、座板１０には適度の弾性によ
る良好な座り心地を確保しつつ、且つ、座９の強度を低
下させることなく、横ずれ防止領域を確保することがで
きる。

【００２９】また、上記実施例の構成においては、折り
畳んだ椅子を上下に積み重ねるときに、座フレーム１１
と座板１０の表面の表側凸縁部１８とが円弧状の湾曲面
で嵌まり合うので、はめ込み時の位置合わせを一層容易
に行うことができる。

【００３０】さらに、座フレーム１１を座板１０の裏側
凸縁部１９の内側に嵌め込んだ状態で座板１０の裏面に
取り付けることができるので、座板１０を座フレーム１
１に取り付ける際の位置合わせが容易になるとともに、
座板１０と座フレーム１０とを安定に取り付けることが
できる。しかも、表側凸縁部１８及び裏側凸縁部１９の
高さがそれぞれ座フレーム１１の断面高さサイズの略半
分であるので、表側凸縁部１８と座フレーム１１との嵌
め合わせによる横ずれ防止効果を十分確保することがで
きる。

【００３１】さらに、裏側凸縁部１９がその内側に座フ
レーム１１の外周面と適合する湾曲面を有するので、座
板１０を座フレーム１１に取り付ける際の位置合わせが
一層容易になるとともに、座板１０と座フレーム１１と
を一層安定に取り付けることができる。

【００３２】さらに、座フレーム１１が座板１０の前
縁、左右側縁及び後縁に沿ってループ状に形成されてい
るので、座９の強度をループ状の座フレーム１１によっ
て一層効果的に確保することができる。

【００３３】図７から図１０までは本発明の第２実施例
を示したものであり、図７は折畳み椅子の斜視図、図８
は図７に示す折畳み椅子の一部縦断面正面図、図９は図
７に示す折畳み椅子の縦断面右側面図、図１０は図１に
示す折畳み椅子を２つ折り畳んで上下に重ねた状態を示
す図６と類似の断面図である。これらの図において上記
第１実施例と同様の構成要素には同一の参照符号が付さ
れている。

【００３４】図７〜図１０を参照すると、この実施例に
おいては、座９の座フレーム１１が支軸２０，２１を介
して前脚２の左右脚柱２ａ、２ｂに回動可能に連結され
ており、後脚３は前脚２の内側に配置され、且つ、支軸
２０、２１の下方において、後脚３の左右脚柱３ａ、３
ｂが前脚２の左右脚柱２ａ、２ｂの内側に支軸２２、２
３を介して連結されるとともに、後脚３の左右側杆３
ａ、３ｂの上端に設けられた伸縮ロッド５、６の上端部
が支軸２２、２３の前方において、座９の座フレーム１
１の左右側杆１１ｃ、１１ｄの内側に支軸２４、２５を
介して回動可能に連結されている。また、座フレーム１
１は、前杆１１ａと左右側杆１１ｃ、１１ｄを金属製丸
パイプにより一体に形成し、後杆１１ｂの両端を連結板
２６，２７を介して左右側杆１１ｃ、１１ｄの後端に連
結固定したものとなっており、折畳み椅子を折り畳んだ
とき、図１０に示すように、後脚３の左右側杆３ａ、３
ｂが座フレーム１１の左右側杆１１ｃ、１１ｄと後杆１
１ｂの左右両端との間に入り略扁平状に整列し得るもの
となっている。

【００３５】この第２実施例においても、座板１０の左
右側縁及び後縁に沿って座板１０の表面に横ずれ規制部
としての表側凸縁部１８が形成されている。他の構成は
上記第１実施例と同様である。

【００３６】したがって、この第２実施例の折畳み椅子
を折り畳んで上下に積み重ねた時、上側の折畳み椅子に
おける座フレーム１１の左右側間１１ｃ、１１ｄ及び後
杆１１ｂが下側の折畳み椅子における表側凸縁部１８の
内側に嵌り込むことにより、折畳み椅子の横ずれを防止
することができる。

【００３７】以上、図示実施例につき説明したが、本発
明は上記実施例の態様のみに限定されるものではなく、
特許請求の範囲に記載した発明の範囲内においてその構
成要素に種々の変更を加えることができる。例えば、上
記実施例においては、座板１０の裏面にフレーム保持部
としての裏側凸縁部１９が設けられているが、図１１
（ａ）に示すように、座板１０の裏面から裏側凸縁部を
省略してもよい。また、図１１（ｂ）に示すように、座
フレーム１１を断面略四角形の角パイプにより形成して
もよく、また、断面略コ字形のフレーム材（図示省略）
により形成してもよい。同様に、前脚２及び後脚３も断
面円形の丸パイプ製のものに限られず、断面四角形の角
パイプで形成してもよい。また、座フレーム１１はルー
プ状のものに限られず、例えば前杆を省略して左右側杆
１１ｃ、１１ｄの前端を開放端としてもよい。さらに、
前脚２は上端を開放端としたものに限られず、下端を開
放端としたものであってもよい。

【００３８】さらに、座板の表側に設けられる横ずれ規
制部は、折り畳んだ椅子を積み重ねたときに前記座フレ
ームと係わり合って座同士の横ずれを防止できるもので
あればよいので、上記実施例のような凸部形態の他、凹
部の形態を有するものであってもよい。例えば、座フレ
ームにその長さ方向に沿って複数個の凸部を配設し、座
板の表側には横ずれ規制部として各凸部と嵌まり合う凹
部又は貫通穴を形成してもよい。また、座フレームは少
なくとも座板裏面の少なくとも左右側縁に沿って配設さ
れていることが好ましいが、これに限られず、如何なる
輪郭形状をなしていてもよい。

【００３９】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、椅子の座の強度を低下させたり、座の使い心
地を低下させることなく、椅子を折り畳んで積み上げる
際に容易に且つ確実に椅子の横ずれを防止できる折畳み
椅子を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す折畳み椅子の斜視図
である。

【図２】図１に示す折畳み椅子の縦断面右側面図であ
る。

【図３】図１に示す折畳み椅子の図２中３−３線に沿っ
た断面図である。

【図４】図１に示す折畳み椅子を２つ折り畳んで上下に
重ねた状態を示す斜視図である。

【図５】図４に示す２つの折畳み椅子の要部縦断面図で
ある。

【図６】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）はそれぞれ図４に示す
２つの折畳み椅子の図５中６ａ−６ａ線、６ｂ−６ｂ線
及び６ｃ−６ｃ−線に沿った断面図である。

【図７】本発明の第２実施例を示す折畳み椅子の斜視図
である。

【図８】図７に示す折畳み椅子の一部縦断面正面図であ
る。

【図９】図７に示す折畳み椅子の縦断面右側面図であ
る。

【図１０】図１に示す折畳み椅子を２つ折り畳んで上下
に重ねた状態を示す図６と類似の断面図である。

【図１１】（ａ）、（ｂ）はそれぞれ本発明のさらに他
の実施例を示す折畳み椅子の要部断面図である。

【符号の説明】 ２ 前脚 ３ 後脚 ４ 背もたれ ５、６ 伸縮ロッド ９ 座 １０ 座板 １１ 座フレーム １１ａ 前杆 １１ｂ 後杆 １１ｃ、１１ｄ 左右の側杆 １８ 表側凸縁部（横ずれ規制部） １９ 裏側凸縁部（フレーム保持部）

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前脚と後脚と座を略扁平状に折り畳むこ
   とができる折畳み椅子において、前記座が座板と該座板
   の裏面に配設された座フレームとを有し、前記座板はそ
   の表面側に、折り畳んだ椅子を積み重ねたときに前記座
   フレームと係わり合って座同士の横ずれを防止すること
   ができる横ずれ規制部を有することを特徴とする折畳み
   椅子。
2. 【請求項２】 前記座フレームが前記座板裏面の少なく
   とも左右側縁に沿って配設され、前記座フレームと前記
   横ずれ規制部は、折り畳んだ椅子を積み重ねたとき前記
   座フレームの少なくとも左右外側面が他の椅子における
   横ずれ規制部の内側に嵌まり込む関係にあることを特徴
   とする請求項１記載の折畳み椅子。
3. 【請求項３】 前記座フレームが断面略円形の外周面を
   有し、前記横ずれ規制部がその内側に前記座フレームの
   外周面と適合する湾曲面を有することを特徴とする請求
   項１又は２に記載の折畳み椅子。
4. 【請求項４】 前記座板はその裏面に、該座板に取り付
   けられている座フレームの少なくとも左右外側面に当接
   するフレーム保持部を有し、前記横ずれ規制部及びフレ
   ーム保持部の高さをそれぞれ前記座フレームの断面高さ
   サイズの略半分としたことを特徴とする請求項１から３
   までのいずれか１つに記載の折畳み椅子。
5. 【請求項５】 前記フレーム保持部がその内側に前記座
   フレームの外周面と適合する湾曲面を有することを特徴
   とする請求項４記載の折畳み椅子。
6. 【請求項６】 前記座フレームが前記座板の前縁、左右
   側縁及び後縁に沿ってループ状に形成されていることを
   特徴とする請求項１から５までのいずれか１つに記載の
   折畳み椅子。
7. 【請求項７】 前記座板が合成樹脂からなり、前記座フ
   レームが金属パイプからなる請求項１から６までのいず
   れか１つに記載の折畳み椅子。