JP2002076783A - 増幅装置 - Google Patents

増幅装置

Info

Publication number
JP2002076783A
JP2002076783A JP2000258372A JP2000258372A JP2002076783A JP 2002076783 A JP2002076783 A JP 2002076783A JP 2000258372 A JP2000258372 A JP 2000258372A JP 2000258372 A JP2000258372 A JP 2000258372A JP 2002076783 A JP2002076783 A JP 2002076783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
distortion
pilot
pilot signal
signals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000258372A
Other languages
English (en)
Inventor
Kanichi Yonenaga
寛一 米永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Kokusai Electric Inc filed Critical Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority to JP2000258372A priority Critical patent/JP2002076783A/ja
Publication of JP2002076783A publication Critical patent/JP2002076783A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歪検出ループと歪除去ループを備えた増幅装
置で、パイロット信号を用いてループの抑圧量を最適化
する。 【解決手段】 例えば、歪検出ループでは分配手段1が
入力信号を分配し、合成手段2、3が一方の分配信号と
周波数の異なる複数のパイロット信号とを合成し、増幅
器5が合成信号を増幅し、歪検出手段7が増幅信号と他
方の分配信号とから増幅器での歪成分等(歪成分及びパ
イロット信号)を検出する。歪除去ループでは歪成分等
の振幅や位相を変化させ得る調整手段9を有し、歪除去
手段11が増幅信号と調整手段9からの歪成分等とを用
いて増幅信号から歪成分等を除去する。制御部では検出
手段12、13が歪除去後の増幅信号中の複数のパイロ
ット信号のレベルを検出し、制御手段14が当該レベル
に基づいて調整手段9を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歪検出ループによ
り入力した信号を増幅器で増幅するとともに当該増幅器
で発生した歪成分を検出し、増幅した信号から歪除去ル
ープにより歪成分を除去する増幅装置に関し、特に、パ
イロット信号を用いてループの抑圧量を最適化する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】信号を増幅器で増幅する増幅装置では、
例えば信号を増幅器で増幅するときに発生する相互変調
歪や雑音等といった歪成分を増幅信号から除去すること
(歪補償)を行うために、歪検出ループや歪除去ループ
から成る歪補償回路を備える場合がある。図4には、こ
のような増幅装置の一例として、歪補償回路を備えた
(フィードフォワード型)共通増幅装置の構成例を示し
てある。
【0003】同図に示した増幅装置には、3つの方向性
結合器(第1方向性結合器〜第3方向性結合器)1、
7、11と、2つのベクトル調整器(第1ベクトル調整
器、第2ベクトル調整器)2、9と、主増幅器5と、2
つの遅延線(第1遅延線、第2遅延線)6、8と、補助
増幅器10と、パイロット信号発生器31と、(パイロ
ット信号)受信機32と、制御回路33とが備えられて
おり、この増幅装置では以下に示すように、例えば増幅
対象となるマイクロ波帯の多周波信号(マルチトーン)
を第1方向性結合器1から入力し、当該信号を主増幅器
5で増幅等した後に第3方向性結合器11から出力す
る。
【0004】第1方向性結合器1は、例えば1つの入力
端と2つの出力端とを有しており、入力端から増幅対象
となる多周波信号を入力する一方、入力した多周波信号
を2つの信号に分配して、分配した各信号を各出力端か
らそれぞれ第1ベクトル調整器2と第1遅延線6へ出力
する。第1ベクトル調整器2は、例えば後述する制御回
路33による制御に従って信号の振幅や位相を調整する
機能を有しており、第1方向性結合器1から入力された
信号の振幅や位相を調整して、当該信号を主増幅器5へ
出力する。なお、振幅や位相の調整の仕方については後
述する。
【0005】また、パイロット信号発生器31は、所定
の周波数の信号をパイロット信号として発生させる機能
を有している。そして、発生させられたパイロット信号
は、例えば結合器を用いて、第1ベクトル調整器2から
主増幅器5に対して出力される信号と合成させられる。
すなわち、主増幅器5には、第1ベクトル調整器2から
出力される信号とパイロット信号発生器31から出力さ
れるパイロット信号とを合成した信号(合成信号)が入
力される。
【0006】主増幅器5は、信号を増幅する増幅器から
構成されており、第1ベクトル調整器2から入力された
信号(前記合成信号)を増幅して第2方向性結合器7へ
出力する。ここで、主増幅器5から出力される増幅信号
には、例えば入力された多周波信号を増幅する際に発生
した相互変調歪や雑音等といった歪成分が含まれる。第
1遅延線6は、信号を伝送する機能を有しており、第1
方向性結合器1から入力された信号を伝送して第2方向
性結合器7へ出力する。なお、第1遅延線6から第2方
向性結合器7に入力される信号には、上記のような歪成
分(増幅器で発生する歪成分)やパイロット信号は含ま
れない。
【0007】第2方向性結合器7は、例えば2つの入力
端と2つの出力端とを有しており、一方の入力端には上
記した主増幅器5から出力された増幅信号が入力され、
他方の入力端には上記した第1遅延線6から出力された
信号が入力される。そして、第2方向性結合器7は、前
記一方の入力端から入力した増幅信号(の所定の割合
分)を一方の出力端から第2遅延線8へ出力するととも
に、当該増幅信号(の残りの割合分)と前記他方の入力
端から入力した信号とを加算して得られる信号を他方の
出力端から第2ベクトル調整器9へ出力する。
【0008】ここで、第2方向性結合器7で加算される
上記した2つの信号(すなわち、第2方向性結合器7に
入力される2つの信号)は、上記した第1ベクトル調整
器2での振幅位相調整等により逆相(すなわち、互いに
位相が180°反転している状態)で加算されるように
制御されており、これにより、上記した第2方向性結合
器7の他方の出力端からは、主増幅器5で発生した増幅
信号中の歪成分(歪成分信号)及び増幅信号中のパイロ
ット信号が検出されて第2ベクトル調整器9へ出力され
る。上記した第1ベクトル調整器2では、このような逆
相加算が実現されるように振幅や位相の調整が行われ
る。
【0009】なお、図4に示した回路構成では、上記の
ように第1方向性結合器1と第2方向性結合器7との間
の回路により主増幅器5で発生した増幅信号中の歪成分
(及びパイロット信号)を検出することが行われてお
り、こうした歪検出を行う回路により歪検出ループが構
成されている。
【0010】第2遅延線8は、信号を伝送する機能を有
しており、第2方向性結合器7から入力された増幅信号
を伝送して第3方向性結合器11へ出力する。第2ベク
トル調整器9は、例えば後述する制御回路33による制
御に従って信号の振幅や位相を調整する機能を有してお
り、第2方向性結合器7から入力された歪成分信号及び
パイロット信号の振幅や位相を調整して、当該歪成分信
号及びパイロット信号を補助増幅器10へ出力する。な
お、振幅や位相の調整の仕方については後述する。補助
増幅器10は、信号を増幅する増幅器から構成されてお
り、第2ベクトル調整器9から入力された歪成分信号及
びパイロット信号を所望のレベルに増幅して第3方向性
結合器11へ出力する。
【0011】第3方向性結合器11は、例えば2つの入
力端と1つの出力端とを有しており、一方の入力端には
上記した第2遅延線8から出力された増幅信号が入力さ
れ、他方の入力端には上記した補助増幅器10から出力
された歪成分信号及びパイロット信号が入力される。そ
して、第3方向性結合器11は、上記した2つの入力端
から入力した2つの信号(すなわち、歪成分及びパイロ
ット信号を含んだ増幅信号と、歪成分信号及びパイロッ
ト信号)とを加算して得られる信号を出力端から出力す
る。
【0012】ここで、第3方向性結合器11で加算され
る上記した2つの信号(すなわち、第3方向性結合器1
1に入力される2つの信号)は、上記した第2ベクトル
調整器9での振幅位相調整等により逆相で加算されるよ
うに制御されており、これにより、上記した第3方向性
結合器11の出力端からは、上記した第2遅延線8から
入力された増幅信号中の歪成分及びパイロット信号が除
去された信号が出力される。上記した第2ベクトル調整
器9では、このような逆相加算が実現されるように振幅
や位相の調整が行われる。また、上記した補助増幅器1
0での歪成分及びパイロット信号の増幅は、例えば歪除
去ループにより増幅信号中の歪成分及びパイロット信号
がなるべく多く除去される程度に行われるのが好まし
い。
【0013】なお、図4に示した回路構成では、上記の
ように第2方向性結合器7と第3方向性結合器11との
間の回路により主増幅器5から出力された増幅信号中の
歪成分(及びパイロット信号)を除去することが行われ
ており、こうした歪除去を行う回路により歪除去ループ
が構成されている。
【0014】受信機32は、例えば結合器を用いて、第
3方向性結合器11から出力される(歪除去後の)増幅
信号の一部を取得し、そして、当該増幅信号に含まれる
パイロット信号のレベルを検出して当該検出レベルを制
御回路33に通知する機能を有している。
【0015】制御回路33は、受信機32から通知され
る(パイロット信号の)検出レベルに基づいて、当該検
出レベルが小さく(理想的にはゼロに)なるように、上
記した第2ベクトル調整器9を制御する機能を有してお
り、例えば上記した歪除去ループでの逆相加算が最適に
行われるように当該第2ベクトル調整器9での振幅調整
値や位相調整値を自動的に設定する。つまり、図4に示
した構成では、第3方向性結合器11から出力される増
幅信号中に残留しているパイロット信号のレベルを小さ
くするほど当該増幅信号中に残留している歪成分が小さ
くなるとみなすことができ、パイロット信号が歪除去ル
ープの最適化のために用いられている。また、制御回路
33は、第1ベクトル調整器2を制御する機能を有して
おり、例えば上記した歪検出ループでの逆相加算が最適
に行われるように当該第1ベクトル調整器2での振幅調
整値や位相調整値を自動的に設定する。
【0016】以上のように、上記図4に示した増幅装置
では、歪検出ループと歪除去ループとから成る歪補償回
路を備え、歪検出ループでは入力した増幅対象の信号を
主増幅器5で増幅するとともに増幅した信号と前記入力
信号とを逆相加算することにより主増幅器5で発生した
歪成分を検出し、歪除去ループでは歪検出ループから出
力された前記増幅信号と前記歪成分信号とを逆相加算す
ることにより当該増幅信号から歪成分を除去する。この
ような歪検出及び歪除去を行うことにより、上記した増
幅装置では、入力した信号を増幅器で増幅して出力する
に際して、当該増幅器で発生する相互変調歪等を出力信
号から除去することができる。
【0017】ここで、図5には、上記図4に示した歪除
去ループにおける歪抑圧量の特性の一例を示してある。
図5中のグラフの横軸は増幅装置により増幅処理される
信号の周波数(Hz)を示しており、縦軸は歪除去ルー
プにおける歪抑圧量(dB)を示している。なお、縦軸
に関しては、値が小さくなるほど(図中の下側へいくほ
ど)歪抑圧の効果が大きくなる。また、横軸には、歪除
去ループの最適化制御に用いられるパイロット信号の周
波数の位置を示してある。
【0018】上記図5に示されるように、上記図4に示
した増幅装置では、歪成分信号の代わりにパイロット信
号のレベルを検出して当該検出レベルが歪除去ループで
抑圧されるように第2ベクトル調整器9を制御すること
により歪成分信号を抑圧していることから、当該パイロ
ット信号の周波数位置を中心として当該位置に近い周波
数帯域(上記図5中の“得られる帯域”)において、必
要な歪抑圧量が実現される。
【0019】なお、上記のようなパイロット信号を用い
たフィードフォワード型の歪補償回路に関する従来技術
の例を紹介しておく。例えば特公平7−85522号公
報では、上記図4に示した増幅装置と同様に、パイロッ
ト信号を用いて歪除去ループの抑圧量を制御する技術が
記載されている。また、例えば特開平7−303050
号公報では、第1パイロット信号を用いて歪検出ループ
の抑圧量を制御するとともに、第2パイロット信号を用
いて歪除去ループの抑圧量を制御する技術が記載されて
いる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上記図4に示したような従来の歪補償回路を備えた増幅
装置では、パイロット信号を用いて歪除去ループ(歪検
出ループについても同様)の最適化を行うに際して、当
該パイロット信号に妨害波が与えられてしまうことがあ
り、このため、パイロット信号によるループの抑圧量の
制御を最適に行うことができなくなってしまう場合があ
るといった不具合があった。特に、多周波信号(マルチ
トーン)を入力して増幅処理するような場合には、その
トーン数(信号の周波数の数)が多くなるに従って、相
互変調歪成分が多くなることによる妨害波や、歪補償回
路に入力される妨害波信号によって、パイロット信号が
妨害されて歪められてしまうといった問題が大きかっ
た。
【0021】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、歪検出ループにより入力した
信号を増幅器で増幅するとともに当該増幅器で発生した
歪成分を検出し、増幅した信号から歪除去ループにより
歪成分を除去する構成において、パイロット信号を用い
てループの抑圧量を制御するに際して、例えばパイロッ
ト信号に妨害波が与えられてしまうような場合であって
も、ループの抑圧量が精度よく制御されることを実現す
る増幅装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る増幅装置では、歪検出ループと歪除去
ループと制御部とを備えて、次のようにして、パイロッ
ト信号を用いて歪除去ループの抑圧量を制御する。すな
わち、歪検出ループでは、分配手段が入力した信号を分
配し、パイロット信号合成手段が一方の分配信号とパイ
ロット信号とを合成し、増幅器が当該合成信号を増幅
し、歪検出手段が当該増幅信号と他方の分配信号とを逆
相加算することにより前記増幅器で発生した歪成分及び
パイロット信号を検出する。ここで、本発明のパイロッ
ト信号合成手段では周波数の異なる複数のパイロット信
号を前記一方の分配信号と合成する。
【0023】また、歪除去ループでは、歪検出ループに
より検出された歪成分信号及びパイロット信号の振幅及
び位相の少なくともいずれか一方を変化させることが可
能なベクトル調整手段を有しており、歪除去手段が歪検
出ループから出力された前記増幅信号とベクトル調整手
段から出力された歪成分信号及びパイロット信号とを逆
相加算することにより当該増幅信号から歪成分及びパイ
ロット信号を除去する。
【0024】また、制御部では、パイロット信号レベル
検出手段が歪除去ループから出力された歪除去後の前記
増幅信号に含まれるパイロット信号のレベルを検出し、
制御手段が検出されるパイロット信号のレベルが小さく
なるように上記した歪除去ループのベクトル調整手段に
よる変化を制御する。ここで、本発明のパイロット信号
レベル検出手段では上記した複数のパイロット信号の
(例えばそれぞれの)レベルを検出し、本発明の制御手
段では検出される複数のパイロット信号のレベルに基づ
いてベクトル調整手段による変化を制御する。
【0025】従って、周波数の異なる複数のパイロット
信号を用いて歪除去ループの抑圧量を制御することが行
われるため、例えばいずれかのパイロット信号に妨害波
が与えられてしまうような場合であっても、他の(妨害
波が与えられていない)パイロット信号によって歪除去
ループの抑圧量を精度よく制御することができる。
【0026】ここで、増幅装置による増幅対象となる信
号(入力信号)としては、特に限定はないが、上述のよ
うに、本発明は多周波信号を増幅処理するような場合に
特に有効である。また、2つの信号を逆相加算すると
は、上述のように、これら2つの信号を互いに位相が1
80°反転している状態で加算することを言い、更に、
例えば2つの信号の振幅を同一とした場合には、これら
2つの信号を相殺させる(ゼロにする)ことができる。
なお、本発明では、例えば実用上で有効な程度であれ
ば、このような逆相加算が必ずしも180°の反転状態
で行われなくともよく、多少の位相(振幅についても同
様)のずれがあってもよい。
【0027】また、信号の振幅及び位相の少なくともい
ずれか一方を変化させることが可能なベクトル調整手段
としては、例えば信号の振幅のみを変化させることが可
能な手段(例えば可変減衰器等)が用いられてもよく、
例えば信号の位相のみを変化させることが可能な手段
(例えば可変位相器等)が用いられてもよく、例えば信
号の振幅と位相との両方を変化させることが可能な手段
(例えば可変減衰器と可変位相器との組合せ等)が用い
られてもよい。
【0028】また、パイロット信号の周波数やその数と
しては、種々なものが用いられてもよい。また、パイロ
ット信号レベル検出手段により検出するパイロット信号
のレベルとしては、種々なレベルであってもよく、例え
ば電力レベルや電圧レベル等を検出する構成とすること
ができる。
【0029】また、検出される複数のパイロット信号の
レベルに基づいて、検出されるパイロット信号のレベル
が小さくなるように制御する仕方としては、種々な仕方
が用いられてもよく、例えば複数のパイロット信号の中
で最も妨害波の影響を受けていないとみなされるパイロ
ット信号を用いて制御する仕方や、例えば比較的妨害波
の影響を受けていないとみなされる幾つかのパイロット
信号を用いて制御する仕方や、例えば全てのパイロット
信号を用いて制御する仕方等を用いることが可能であ
る。
【0030】なお、通常、検出されるパイロット信号の
レベルが小さいほどループの抑圧量は最適化されること
から、検出されるパイロット信号のレベルがゼロに制御
されるのが(最も)好ましいと考えられるが、本発明で
は、例えば実用上で有効な程度であれば、必ずしも検出
されるパイロット信号のレベルがゼロに制御されなくと
もよい。
【0031】また、上記のように周波数の異なる複数の
パイロット信号を用いてループの抑圧量を制御する構成
は、例えば歪検出ループに適用することも可能である。
すなわち、このような増幅装置では、歪検出ループと歪
除去ループと制御部とを備えて、次のようにして、パイ
ロット信号を用いて歪検出ループの抑圧量を制御する。
【0032】すなわち、歪検出ループでは、パイロット
信号合成手段が入力した信号とパイロット信号とを合成
し、分配手段が当該合成信号を分配し、また、一方の分
配信号の振幅及び位相の少なくともいずれか一方を変化
させることが可能なベクトル調整手段を有しており、増
幅器がベクトル調整手段から出力された一方の分配信号
を増幅し、歪検出手段が当該増幅信号と他方の分配信号
とを逆相加算することにより前記増幅器で発生した歪成
分を検出する。ここで、パイロット信号合成手段では周
波数の異なる複数のパイロット信号を前記入力信号と合
成する。
【0033】また、歪除去ループでは、歪除去手段が歪
検出ループにより検出された歪成分信号と歪検出ループ
から出力された前記増幅信号とを逆相加算することによ
り当該増幅信号から歪成分を除去する。
【0034】また、制御部では、パイロット信号レベル
検出手段が歪検出ループにより検出された歪成分信号に
含まれるパイロット信号のレベルを検出し、制御手段が
検出されるパイロット信号のレベルが小さくなるように
上記した歪検出ループのベクトル調整手段による変化を
制御する。ここで、パイロット信号レベル検出手段では
上記した複数のパイロット信号の(例えばそれぞれの)
レベルを検出し、制御手段では検出される複数のパイロ
ット信号のレベルに基づいてベクトル調整手段による変
化を制御する。
【0035】従って、周波数の異なる複数のパイロット
信号を用いて歪検出ループの抑圧量を制御することが行
われるため、例えばいずれかのパイロット信号に妨害波
が与えられてしまうような場合であっても、他の(妨害
波が与えられていない)パイロット信号によって歪検出
ループの抑圧量を精度よく制御することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例に係る増幅装置
を図面を参照して説明する。図1には、本例の歪補償回
路を備えた(フィードフォワード型)共通増幅装置の構
成例を示してある。同図に示した増幅装置の構成は、周
波数の異なる複数のパイロット信号を用いて歪除去ルー
プの抑圧量を制御するといった点を除いては、例えば上
記図4に示した増幅装置の構成と同様である。このた
め、本例では、説明の便宜上から、上記図4に示した増
幅装置とは異なる構成部分について詳しく説明し、同様
な構成部分については上記図4と同一の符号を付して示
す。
【0037】具体的に、本例の増幅装置には、歪検出ル
ープと、歪除去ループと、制御部とが備えられている。
歪検出ループには、例えば上記図4に示したものと同様
な第1方向性結合器1や第1ベクトル調整器2や主増幅
器5や第1遅延線6や第2方向性結合器7が備えられて
いるとともに、本例の増幅装置の特徴点である2つのパ
イロット信号発生器3、4が第2ベクトル調整器2から
主増幅器5へ出力される信号に対して備えられている。
【0038】また、歪除去ループには、例えば上記図4
に示したものと同様な(上記した第2方向性結合器7
や)第2遅延線8や第2ベクトル調整器9や補助増幅器
10や第3方向性結合器11が備えられている。また、
制御部には、本例の増幅装置の特徴点である2つの(パ
イロット信号)受信機12、13が第3方向性結合器1
1から出力される信号に対して備えられているととも
に、本例の増幅装置の特徴点である制御回路14が備え
られている。
【0039】以下では、本例の増幅装置の特徴点である
上記した2つのパイロット信号発生器2、3や、2つの
受信機12、13や、制御回路14について詳しく説明
する。第1パイロット信号発生器3は、所定の周波数f
1の信号をパイロット信号(パイロット信号1)として
発生させる機能を有している。そして、発生させられた
パイロット信号1は、例えば結合器を用いて、第1ベク
トル調整器2から主増幅器5に対して出力される信号と
合成させられる。
【0040】また、第2パイロット信号発生器4は、上
記したパイロット信号1の周波数f1とは異なる所定の
周波数f2の信号をパイロット信号(パイロット信号
2)として発生させる機能を有している。そして、発生
させられたパイロット信号2は、例えば結合器を用い
て、第1ベクトル調整器2から主増幅器5に対して出力
される信号と合成させられる。
【0041】つまり、本例では、周波数の異なる2つの
パイロット信号1、2が、第1ベクトル調整器2から主
増幅器5に対して出力される信号と合成させられる。す
ると、本例では、第2方向性結合器7から第2ベクトル
調整器9へ出力される信号には、主増幅器5で発生した
歪成分信号と、2つのパイロット信号1、2が含まれる
ことになる。そして、本例では、第3方向性結合器11
から出力される信号には、歪除去ループで除去しきれな
かった歪成分や2つのパイロット信号1、2が含まれる
ことになる。
【0042】なお、本例では、それぞれのパイロット信
号1、2の周波数は、調整可能な周波数の範囲におい
て、各パイロット信号発生器3、4に対して任意に設定
することが可能な構成となっている。また、本例では、
2つのパイロット信号1、2のそれぞれの周波数f1、
f2としては、例えばそれぞれのパイロット信号1、2
が互いに独立に妨害波の影響を受けることが実現される
ような程度で、比較的近い値が設定されている。
【0043】第1受信機12は、例えば結合器を用い
て、第3方向性結合器11から出力される(歪除去後
の)増幅信号の一部を取得し、そして、当該増幅信号に
含まれるパイロット信号1のレベルを検出して当該検出
レベルを制御回路14に通知する機能を有している。同
様に、第2受信機13は、例えば結合器を用いて、第3
方向性結合器11から出力される(歪除去後の)増幅信
号の一部を取得し、そして、当該増幅信号に含まれるパ
イロット信号2のレベルを検出して当該検出レベルを制
御回路14に通知する機能を有している。
【0044】制御回路14は、2つの受信機12、13
から通知される2つの(パイロット信号1、2の)検出
レベルに基づいて、上記した第2ベクトル調整器9を制
御する機能を有しており、例えば上記した歪除去ループ
での逆相加算が最適に行われるように当該第2ベクトル
調整器9での振幅調整値や位相調整値を自動的に設定す
る。また、制御回路14は、第1ベクトル調整器2を制
御する機能を有しており、例えば上記した歪検出ループ
での逆相加算が最適に行われるように当該第1ベクトル
調整器2での振幅調整値や位相調整値を自動的に設定す
る。
【0045】ここで、パイロット信号1の検出レベル及
びパイロット信号2の検出レベルに基づいて、上記した
制御回路14により第2ベクトル調整器9を制御する仕
方の具体例を示す。まず、例えば一方のパイロット信号
のみが妨害波の影響を受けてしまったとみなされるよう
な場合には、妨害波の影響を受けていない他方のパイロ
ット信号によれば正常な制御値(振幅調整値や位相調整
値)をもって第2ベクトル調整器9を制御することがで
きるため、制御回路14は、妨害波の影響を受けていな
い方のパイロット信号の検出レベルに基づいて、当該検
出レベルが小さくなるように第2ベクトル調整器9を制
御する。
【0046】なお、妨害波の影響を受けてしまった方の
パイロット信号の検出レベルに基づいて制御を行うよう
な場合には、例えば異常な制御値をもって第2ベクトル
調整器9を制御してしまうような可能性もあり、この場
合には、歪除去ループにおける歪抑圧量(歪キャンセル
量)が正常な場合と比べて劣化してしまうことが生じ得
ると考えられる。
【0047】また、それぞれのパイロット信号が妨害波
の影響を受けたか否かは、例えばそれぞれのパイロット
信号の波形に異常が生じたか否かを監視することや、例
えばそれぞれのパイロット信号の検出レベルに異常が生
じたか否かを監視すること等により判定され得る。
【0048】また、例えば2つのパイロット信号1、2
のいずれも妨害波の影響を受けていないとみなされるよ
うな場合には、いずれのパイロット信号によっても正常
な制御値(振幅調整値や位相調整値)をもって第2ベク
トル調整器9を制御することができるため、制御回路1
4は、いずれか一方或いは両方のパイロット信号の検出
レベルに基づいて、当該検出レベルが小さくなるように
第2ベクトル調整器9を制御する。
【0049】なお、このように両方のパイロット信号と
も妨害波の影響を受けていないような場合であっても、
通常は、第2ベクトル調整器9の制御によって、いずれ
か一方のパイロット信号の検出レベルの最小値の方が他
方のパイロット信号の検出レベルの最小値と比べて小さ
くなるため、本例の制御回路14では、好ましい態様と
して、歪除去ループにおける歪抑圧量(歪キャンセル
量)が大きい方のパイロット信号(ここでは、前記一方
のパイロット信号)に基づいてベクトル調整器9を制御
する。
【0050】また、例えば2つのパイロット信号1、2
のいずれもが妨害波の影響を受けてしまったとみなされ
るような場合には、いずれのパイロット信号によっても
正常な制御値(振幅調整値や位相調整値)をもって第2
ベクトル調整器9を制御することができるとは限らない
が、本例のように周波数の異なる2つのパイロット信号
を用いた場合には、従来のように1つのパイロット信号
のみを用いた場合と比べて、異常な制御値をもって第2
ベクトル調整器9を制御してしまう可能性(確率)を低
減させることができる。
【0051】なお、本例では、2つのパイロット信号を
用いたが、例えばハードウエア的或いはソフトウエア的
に許容される範囲内において、より多く(3つ以上)の
周波数の異なるパイロット信号を用いるようにすれば、
更に妨害波に対して強い(つまり、歪除去ループの抑圧
量を確保することが可能な)構成とすることができる。
【0052】また、それぞれのパイロット信号1、2が
妨害波の影響を受けたか否かを判定する仕方の具体例と
して、制御回路14がそれぞれのパイロット信号1、2
の検出レベルを監視して判定する仕方の一例を示す。す
なわち、制御回路14では、まず、一方のパイロット信
号1の検出レベルが小さくなるように第2ベクトル調整
器9を制御し、これに際して、当該検出レベル(検出レ
ベル1)をメモリに格納する。これとともに、制御回路
14では、他方のパイロット信号2の検出レベルが小さ
くなるように第2ベクトル調整器9を制御し、これに際
して、当該検出レベル(検出レベル2)をメモリに格納
する。そして、制御回路14では、メモリに格納した2
つの検出レベル1、2の大小を比較し、この結果、検出
レベルが小さい方のパイロット信号を選択して当該パイ
ロット信号の検出レベルに基づいて第2ベクトル調整器
9を制御するようにする。
【0053】また、制御回路14がそれぞれのパイロッ
ト信号1、2の検出レベルを監視して妨害波による影響
の有無を判定する仕方の他の例として、例えばパイロッ
ト信号の検出レベルに対して予め設定された閾値を用い
る仕方もある。すなわち、制御回路14では、(例えば
上記のような仕方を用いて選択した)一方のパイロット
信号の検出レベルに基づいて第2ベクトル調整器9を制
御するとともに、当該検出レベルと前記閾値との大小を
比較し、この結果、当該検出レベルが当該閾値を超えた
場合には他方のパイロット信号へ切り替えて、当該他方
のパイロット信号の検出レベルに基づいて第2ベクトル
調整器9を制御するようにする。そして、制御回路14
では、同様な比較処理や切替処理を繰り返して行う。
【0054】また、図2には、本例の歪除去ループにお
ける歪抑圧量の特性の一例を示してある。同図中のグラ
フの横軸は本例の増幅装置により増幅処理される信号の
周波数(Hz)を示しており、縦軸は歪除去ループにお
ける歪抑圧量(dB)を示している。なお、縦軸に関し
ては、値が小さくなるほど(図中の下側へいくほど)歪
抑圧の効果が大きくなる。また、横軸には、歪除去ルー
プの最適化制御に用いられる2つのパイロット信号1、
2の周波数f1、f2の位置を示してある。
【0055】なお、同図では、例えば2つのパイロット
信号1、2の検出レベルが共に小さくなるような(例え
ば2つのパイロット信号1、2の検出レベルの合計値が
最小となるような)制御を行った場合における歪抑圧量
の特性例を示してあり、この場合、2つのパイロット信
号1、2の周波数f1、f2の付近の位置(同図の例で
は、パイロット信号1の周波数f1の位置)で歪抑圧の
効果が最大となる特性が得られる。
【0056】以上のように、本例の増幅装置では、周波
数の異なる複数のパイロット信号を用いて歪除去ループ
の抑圧量を制御することが行われるため、例えばいずれ
かのパイロット信号に妨害波が与えられてしまうような
場合であっても、他の(妨害波が与えられていない)パ
イロット信号によって歪除去ループの抑圧量を精度よく
制御することができ、これにより、歪除去ループの抑圧
量を最適化することができる。
【0057】また、本例の増幅装置では、例えば妨害波
の影響を受けていないパイロット信号が複数存在するよ
うな場合には、より大きな歪抑圧量を実現することがで
きるパイロット信号を選択して用いること等により、歪
除去ループの抑圧量の特性を改善することもできる。
【0058】このように、本例の増幅装置では、例えば
歪補償回路に入力される妨害波信号や主増幅器5で発生
する相互変調歪成分による妨害波によって、これらの妨
害波の周波数と同一の(或いは近い)周波数のパイロッ
ト信号が妨害されてしまうような場合であっても、常
に、最適な状態にあるパイロット信号を選択して制御に
用いること等を実行することにより、パイロット信号に
対する妨害波の影響を例えば従来と比べて低減させるこ
とができ、また、例えば複数(2以上)のパイロット信
号に関して妨害波が存在しないような場合には、歪除去
ループの抑圧量を例えば従来と比べて改善することがで
きる。
【0059】ここで、本例では、第1方向性結合器1が
入力した信号を分配する機能により、本発明に言う分配
手段が構成されている。また、本例では、2つのパイロ
ット信号発生器3、4により発生させた周波数の異なる
2つのパイロット信号を一方の分配信号と合成する機能
により、本発明に言うパイロット信号合成手段が構成さ
れている。
【0060】また、本例では、前記合成信号を増幅する
主増幅器5により、本発明に言う増幅器が構成されてい
る。また、本例では、第1ベクトル調整器2や第1遅延
線6を用いて、主増幅器5による増幅信号と他方の分配
信号とを第2方向性結合器7により逆相加算することに
より、主増幅器5で発生した歪成分や上記した2つのパ
イロット信号を検出する機能により、本発明に言う歪検
出手段が構成されている。
【0061】また、本例では、検出された歪成分信号及
び2つのパイロット信号の振幅や位相を変化させること
が可能な第2ベクトル調整器9の機能により、本発明に
言うベクトル調整手段が構成されている。また、本例で
は、第2ベクトル調整器9や第2遅延線8を用いて、第
2方向性結合器7から出力される(主増幅器5による)
増幅信号と第2ベクトル調整器9から出力される歪み成
分信号及び2つのパイロット信号とを第3方向性結合器
11により逆相加算することにより、当該増幅信号から
歪成分及び2つのパイロット信号を除去する機能によ
り、本発明に言う歪除去手段が構成されている。
【0062】また、本例では、2つの受信機12、13
が第3方向性結合器11から出力される(歪除去後の)
前記増幅信号に含まれる2つのパイロット信号のそれぞ
れのレベルを検出する機能により、本発明に言うパイロ
ット信号レベル検出手段が構成されている。また、本例
では、制御回路14が検出される2つのパイロット信号
のレベルに基づいて、検出されるパイロット信号のレベ
ルが小さくなるように第2ベクトル調整器9による振幅
変化や位相変化を制御する機能により、本発明に言う制
御手段が構成されている。
【0063】次に、上記図1に示したように周波数の異
なる複数のパイロット信号を用いてループの抑圧量を制
御する構成は、例えば歪検出ループに適用することも可
能であり、以下では、当該構成を歪検出ループに適用し
た増幅装置の実施例を示す。図3には、本例の歪補償回
路を備えた(フィードフォワード型)共通増幅装置の構
成例を示してある。同図に示した増幅装置の構成は、周
波数の異なる複数のパイロット信号を用いて歪検出ルー
プの抑圧量を制御するといった点を除いては、例えば上
記図1に示した増幅装置の構成と同様である。このた
め、本例では、説明の便宜上から、上記図1に示した増
幅装置とは異なる構成部分について詳しく説明し、同様
な構成部分については上記図1と同一の符号を付して示
す。
【0064】なお、上記図3に示した本例の増幅装置で
は、説明の便宜上から、周波数の異なる複数のパイロッ
ト信号を用いて歪除去ループの抑圧量を制御することは
行われない構成を示したが、例えば上記図1に示したよ
うに周波数の異なる複数のパイロット信号を用いて歪除
去ループの抑圧量を制御する構成と、本例の図3に示す
ように周波数の異なる複数のパイロット信号を用いて歪
検出ループの抑圧量を制御する構成との両方を備えた増
幅装置を実施することも可能である。
【0065】具体的に、本例の増幅装置には、歪検出ル
ープと、歪除去ループと、制御部とが備えられている。
歪検出ループには、例えば上記図1に示したものと同様
な第1方向性結合器1や第1ベクトル調整器2や主増幅
器5や第1遅延線6や第2方向性結合器7が備えられて
いるとともに、本例の増幅装置の特徴点である2つのパ
イロット信号発生器21、22が第1方向性結合器1に
入力される信号に対して備えられている。
【0066】また、歪除去ループには、例えば上記図1
に示したものと同様な(上記した第2方向性結合器7
や)第2遅延線8や第2ベクトル調整器9や補助増幅器
10や第3方向性結合器11が備えられている。また、
制御部には、本例の増幅装置の特徴点である2つの(パ
イロット信号)受信機23、24が第2方向性結合器7
から第2ベクトル調整器9へ出力される信号に対して備
えられているとともに、本例の増幅装置の特徴点である
制御回路25が備えられている。
【0067】以下では、本例の増幅装置の特徴点である
上記した2つのパイロット信号発生器21、22や、2
つの受信機23、24や、制御回路25について詳しく
説明する。なお、以下では、説明の便宜上から、上記図
1に示した増幅装置を説明した場合と同じ符号f1、f
2を用いて、2つのパイロット信号のそれぞれの周波数
を示す。
【0068】第1パイロット信号発生器21は、所定の
周波数f1の信号をパイロット信号(パイロット信号
1)として発生させる機能を有している。そして、発生
させられたパイロット信号1は、例えば結合器を用い
て、第1方向性結合器1に入力される信号と合成させら
れる。
【0069】また、第2パイロット信号発生器22は、
上記したパイロット信号1の周波数f1とは異なる所定
の周波数f2の信号をパイロット信号(パイロット信号
2)として発生させる機能を有している。そして、発生
させられたパイロット信号2は、例えば結合器を用い
て、第1方向性結合器1に入力される信号と合成させら
れる。
【0070】つまり、本例では、周波数の異なる2つの
パイロット信号1、2が、第1方向性結合器1に入力さ
れる信号と合成させられる。すると、本例では、主増幅
器5から第2方向性結合器7へ出力される信号には、前
記入力信号と、2つのパイロット信号1、2と、当該主
増幅器5で発生した歪成分信号が含まれることになり、
また、第1遅延線6を介して第2方向性結合器7へ出力
される信号には、前記入力信号と、2つのパイロット信
号1、2が含まれることになる。そして、本例では、第
2方向性結合器11から第2ベクトル調整器9へ出力さ
れる歪成分信号には、歪検出ループで除去しきれなかっ
た前記入力信号や2つのパイロット信号1、2が含まれ
ることになる。
【0071】第1受信機23は、例えば結合器を用い
て、第2方向性結合器7から第2ベクトル調整器9へ出
力される歪成分信号の一部を取得し、そして、当該歪成
分信号に含まれるパイロット信号1のレベルを検出して
当該検出レベルを制御回路25に通知する機能を有して
いる。同様に、第2受信機24は、例えば結合器を用い
て、第2方向性結合器7から第2ベクトル調整器9へ出
力される歪成分信号の一部を取得し、そして、当該歪成
分信号に含まれるパイロット信号2のレベルを検出して
当該検出レベルを制御回路25に通知する機能を有して
いる。
【0072】制御回路25は、2つの受信機23、24
から通知される2つの(パイロット信号1、2の)検出
レベルに基づいて、上記した第1ベクトル調整器2を制
御する機能を有しており、例えば上記した歪検出ループ
での逆相加算が最適に行われるように当該第1ベクトル
調整器2での振幅調整値や位相調整値を自動的に設定す
る。また、制御回路25は、第2ベクトル調整器9を制
御する機能を有しており、例えば上記した歪除去ループ
での逆相加算が最適に行われるように当該第2ベクトル
調整器9での振幅調整値や位相調整値を自動的に設定す
る。
【0073】ここで、パイロット信号1の検出レベル及
びパイロット信号2の検出レベルに基づいて、上記した
制御回路25により第1ベクトル調整器2を制御する仕
方としては、例えば上記図1に示した制御回路14につ
いて述べたのと同様な仕方等を用いることができる。
【0074】つまり、本例の増幅装置の構成では、第2
方向性結合器7から出力される歪成分信号中に残留して
いるパイロット信号のレベルを小さくするほど当該歪成
分信号中に残留している前記入力信号が小さくなるとみ
なすことができ、このような原理を用いて、本例では、
2つのパイロット信号1、2が歪検出ループにおける
(前記入力信号の)抑圧量の最適化のために用いられて
いる。
【0075】以上のように、本例の増幅装置では、周波
数の異なる複数のパイロット信号を用いて歪検出ループ
の抑圧量を制御することが行われるため、例えば上記図
1に示した増幅装置の歪除去ループについて述べたのと
同様な効果を奏することができ、具体的には、例えばい
ずれかのパイロット信号に妨害波が与えられてしまうよ
うな場合であっても、他の(妨害波が与えられていな
い)パイロット信号によって歪検出ループの抑圧量を精
度よく制御すること等ができ、これにより、歪検出ルー
プの抑圧量を最適化することができる。
【0076】ここで、本例では、2つのパイロット信号
発生器21、22により発生させた周波数の異なる2つ
のパイロット信号を入力信号と合成する機能により、パ
イロット信号合成手段が構成されている。また、本例で
は、第1方向性結合器1が当該合成信号を分配する機能
により、分配手段が構成されている。
【0077】また、本例では、一方の分配信号の振幅及
び位相の少なくともいずれか一方を変化させることが可
能な第1ベクトル調整器2の機能により、ベクトル調整
手段が構成されている。また、本例では、第1ベクトル
調整器2から出力された一方の分配信号を増幅する主増
幅器5により、増幅器が構成されている。また、本例で
は、上記した第1ベクトル調整器2や第1遅延線6を用
いて、主増幅器5による増幅信号と他方の分配信号とを
第2方向性結合器7により逆相加算することにより、当
該主増幅器5で発生した歪成分を検出する機能により、
歪検出手段が構成されている。
【0078】また、本例では、第2遅延線8や第2ベク
トル調整器9を用いて、第2方向性結合器7により検出
される歪成分信号と当該第2方向性結合器7から出力さ
れる(主増幅器5による)前記増幅信号とを第3方向性
結合器11により逆相加算することにより、当該増幅信
号から歪成分を除去する機能により、歪除去手段が構成
されている。
【0079】また、本例では、2つの受信機23、24
が第2方向性結合器7により検出された歪成分信号に含
まれる2つのパイロット信号のそれぞれのレベルを検出
する機能により、パイロット信号レベル検出手段が構成
されている。また、本例では、制御回路25が検出され
る2つのパイロット信号のレベルに基づいて、検出され
るパイロット信号のレベルが小さくなるように第1ベク
トル調整器2による振幅変化や位相変化を制御する機能
により、制御手段が構成されている。
【0080】ここで、本発明に係る増幅装置の構成とし
ては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構
成が用いられてもよい。また、本発明に係る増幅装置
は、信号を増幅器で増幅することを行う種々な分野に適
用されてもよく、一例として、通信対象となる多周波信
号の増幅を行う無線通信システムにおける増幅装置とし
て用いることができる。
【0081】また、本発明に係る増幅装置により行われ
る歪除去等の各種の処理としては、例えばプロセッサや
メモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサ
がROMに格納された制御プログラムを実行することに
より制御される構成が用いられてもよく、また、例えば
当該処理を実行するための各機能手段が独立したハード
ウエア回路として構成されてもよい。また、本発明は上
記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)
ディスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取
り可能な記録媒体として把握することもでき、当該制御
プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロ
セッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂
行させることができる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る増幅
装置によると、歪検出ループにおいて、入力信号を分配
して、一方の分配信号とパイロット信号とを合成した合
成信号を増幅器で増幅するとともに、当該増幅信号と他
方の分配信号とを逆相加算することにより前記増幅器で
発生した歪成分及びパイロット信号を検出し、歪除去ル
ープにおいて、歪検出ループにより検出された歪成分信
号及びパイロット信号の振幅や位相を変化させることが
可能なベクトル調整手段を有して、歪検出ループから出
力された前記増幅信号と当該ベクトル調整手段から出力
された歪成分信号及びパイロット信号とを逆相加算する
ことにより当該増幅信号から歪成分及びパイロット信号
を除去し、制御部において、歪除去ループから出力され
た歪除去後の前記増幅信号に含まれるパイロット信号の
レベルを検出して、検出されるパイロット信号のレベル
が小さくなるように前記ベクトル調整手段による変化を
制御するに際して、周波数の異なる複数のパイロット信
号を前記一方の分配信号と合成し、これら複数のパイロ
ット信号のレベルを検出し、検出される複数のパイロッ
ト信号のレベルに基づいて前記ベクトル調整手段による
変化を制御するようにしたため、例えばいずれかのパイ
ロット信号に妨害波が与えられてしまうような場合であ
っても、他の(妨害波が与えられていない)パイロット
信号によって歪除去ループの抑圧量を精度よく制御する
こと等ができ、これにより、歪除去ループの抑圧量を最
適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る共通増幅装置の構成例
を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る周波数に対する歪抑圧
量の特性の一例を示す図である。
【図3】他の実施例に係る共通増幅装置の構成例を示す
図である。
【図4】従来例に係る共通増幅装置の構成例を示す図で
ある。
【図5】従来例に係る周波数に対する歪抑圧量の特性の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1、7、11・・方向性結合器、 2、9・・ベクトル
調整器、3、4、21、22・・パイロット信号発生
器、 5・・主増幅器、6、8・・遅延線、 10・・
補助増幅器、12、13、23、24・・受信機、 1
4、25・・制御回路、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力した信号を分配する分配手段と、一
    方の分配信号とパイロット信号とを合成するパイロット
    信号合成手段と、当該合成信号を増幅する増幅器と、当
    該増幅信号と他方の分配信号とを逆相加算することによ
    り前記増幅器で発生した歪成分及びパイロット信号を検
    出する歪検出手段とを有した歪検出ループと、歪検出ル
    ープにより検出された歪成分信号及びパイロット信号の
    振幅及び位相の少なくともいずれか一方を変化させるこ
    とが可能なベクトル調整手段と、歪検出ループから出力
    された前記増幅信号とベクトル調整手段から出力された
    歪成分信号及びパイロット信号とを逆相加算することに
    より当該増幅信号から歪成分及びパイロット信号を除去
    する歪除去手段とを有した歪除去ループと、歪除去ルー
    プから出力された歪除去後の前記増幅信号に含まれるパ
    イロット信号のレベルを検出するパイロット信号レベル
    検出手段と、検出されるパイロット信号のレベルが小さ
    くなるようにベクトル調整手段による変化を制御する制
    御手段とを有した制御部とを備えた増幅装置において、 パイロット信号合成手段は周波数の異なる複数のパイロ
    ット信号を一方の分配信号と合成し、 パイロット信号レベル検出手段はこれら複数のパイロッ
    ト信号のレベルを検出し、 制御手段は検出される複数のパイロット信号のレベルに
    基づいてベクトル調整手段による変化を制御することを
    特徴とする増幅装置。
JP2000258372A 2000-08-29 2000-08-29 増幅装置 Pending JP2002076783A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000258372A JP2002076783A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 増幅装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000258372A JP2002076783A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 増幅装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002076783A true JP2002076783A (ja) 2002-03-15

Family

ID=18746693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000258372A Pending JP2002076783A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 増幅装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002076783A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040017166A (ko) * 2002-08-20 2004-02-26 알에프코어 주식회사 알에프 선형 전력 증폭기
EP1628392A1 (en) * 2003-05-26 2006-02-22 Hitachi Kokusai Electric Inc. Amplification device

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040017166A (ko) * 2002-08-20 2004-02-26 알에프코어 주식회사 알에프 선형 전력 증폭기
EP1628392A1 (en) * 2003-05-26 2006-02-22 Hitachi Kokusai Electric Inc. Amplification device
EP1628392A4 (en) * 2003-05-26 2007-07-04 Hitachi Int Electric Inc AMPLIFICATION DEVICE
US7436259B2 (en) 2003-05-26 2008-10-14 Hitachi Kokusai Electric Inc. Amplification apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001053552A (ja) フィードフォワード増幅回路、及びフィードフォワード増幅回路における非線形歪の補償方法。
US6275105B1 (en) Adaptive linearization of a feedforward amplifier by complex gain stabilization of the error amplifier
JP3662552B2 (ja) フィードフォワード増幅器
WO1993019521A1 (en) Feedforward amplifier
US6148185A (en) Feed-forward amplifying device and method of controlling the same and base station with feed-forward amplifying device
JP2008048195A (ja) ピーク抑圧装置
JP2004064377A (ja) フィードフォワード増幅器
JP2000286772A (ja) 無線中継増幅装置の制御方法及び無線中継増幅装置
JP2002076783A (ja) 増幅装置
US20030058043A1 (en) Distortion compensation amplifier
JP2009100068A (ja) 制御装置およびそれを利用した中継装置
JP2000244382A (ja) 中継装置
US6654591B1 (en) Low distortion signal amplifier system and method
JP4558155B2 (ja) 増幅装置
JP4431325B2 (ja) 増幅装置
KR20010021355A (ko) 결합 신호간 상대 위상, 상대 이득 및 상대 위상 또는이득의 조절 방법
JP4893189B2 (ja) Fmチューナ
KR20010087936A (ko) 선형 증폭기
JP4931551B2 (ja) 歪み補償装置、増幅装置、歪み補償方法及び増幅方法
US11196496B2 (en) Frequency selective system
JP4030319B2 (ja) フィードフォワード非線形歪補償増幅器
JP2005323335A (ja) 増幅装置
JP4467753B2 (ja) 歪補償増幅装置
JP2005151185A (ja) 高出力広帯域信号を合成する方法及び増幅器
JPH06244647A (ja) 増幅器の非線形歪補償制御回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071023