JP2002076291A - 圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造方法 - Google Patents

圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造方法

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JP2002076291A
JP2002076291A JP2000252635A JP2000252635A JP2002076291A JP 2002076291 A JP2002076291 A JP 2002076291A JP 2000252635 A JP2000252635 A JP 2000252635A JP 2000252635 A JP2000252635 A JP 2000252635A JP 2002076291 A JP2002076291 A JP 2002076291A
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ferroelectric
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Kazumasa Hasegawa
和正 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板材料の選択に自由度を持たせることが可
能で、構成体へのダメージが生じず、構成体への剥離層
の残存がない圧電・強誘電体デバイスの製造方法を提供
すること。 【解決手段】 第1の基板101上に犠牲層102、緩
衝層103、下電極104、圧電・強誘電体薄膜10
5、上電極106を形成し、その後、上電極106、圧
電・強誘電体薄膜105、下電極104のパターニング
行い、圧電・強誘電体キャパシタを形成し、犠牲層10
2をエッチングすることにより第1の基板101から緩
衝層103及び前記圧電・強誘電体キャパシタを剥離す
る。その後、第1の基板101から剥離した緩衝層10
3と圧電・強誘電体キャパシタを第2の基板107上へ
固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】近年、PZT(チタン酸ジル
コン酸鉛)系薄膜等のセラミックス薄膜及びそれらを用
いたマイクロアクチュエーター、強誘電体メモリー、焦
電センサー等のデバイスの研究開発が盛んに行われてい
る。
【0002】本発明は、これらの圧電・強誘電・焦電体
薄膜を用いたデバイスの製造方法に関するもので、特
に、第1の基板上に圧電・強誘電・焦電体薄膜によるキ
ャパシタを形成し、これを第2の基板上に転写してデバ
イス化する製造方法に関わり、特に前記キャパシタを第
1の基板から剥離する方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の、これらの機能性薄膜を含む構成
体を第1の基板から第2の基板へ転写する方法として
は、特願平9−5504に所載の明細書がある。同明細
書中には、基板上に非晶質珪素等による分離層と圧電体
薄膜を含んだ構成体を形成し、前記分離層に光を照射す
ることにより、該分離層の内部結合力または該分離層と
接触する層間の密着力を低下させて前記構成体を剥離
し、別基板上に転写する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、以下に述べるような課題を有する。
まず、前記圧電・強誘電体薄膜を含んだ構成体を基板か
ら剥離する際、分離層に光を照射する必要がある。該分
離層上部に金属電極が存在する場合、照射する光は基板
側から入射させる必要がある。更に、該分離層に非晶質
珪素を用いた場合、塩化キセノンや弗化クリプトン等の
紫外線レーザー光を照射する必要が生じ、この場合基板
として前記レーザー光を透過させる石英やガラス等の材
料を用いる必要がある。即ち、基板材料の選択に制約が
生じていた。更に、前記紫外線レーザー光の照射時に、
圧電体薄膜を含んだ構成体へのダメージが生じていた。
また、分離層というデバイス構成上は必要のない層を形
成するため、製造工程が増え、デバイスの高コスト化を
招いていた。更には、該分離層における剥離状況が、分
離層内部から剥離したり、分離層と構成体との界面から
剥離したり、また分離層と基板との界面から剥離したり
とまちまちであり、これが原因でデバイス特性のばらつ
きが生じていた。
【0005】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり、レーザー光照射のプロセスを用いず
に構成体を剥離することにより、基板材料の選択に自由
度を持たせることが可能で、構成体へのダメージが生じ
ない、また、構成体への剥離層の残存がない圧電・強誘
電体薄膜デバイスの製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明の圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造方法
は、 (1)第1の基板上に、犠牲層を形成する工程、前記犠
牲層上に緩衝層を形成する工程、前記緩衝層上に少なく
とも1層以上の導電層を有してなる下電極を形成する工
程、圧電・強誘電体薄膜を形成する工程、少なくとも1
層以上の導電層を有してなる上電極を形成する工程、前
記上電極及び圧電・強誘電体薄膜をパターニングする工
程、前記下電極をパターニングする工程、前記犠牲層を
エッチングすることにより前記下電極、圧電・強誘電体
薄膜、及び上電極からなる圧電・強誘電体キャパシタ及
び前記緩衝層を第1の基板上から剥離する工程、さらに
第1の基板から剥離した圧電・強誘電体キャパシタ及び
緩衝層を第2の基板上に固定する工程を有することを特
徴とする。上記構成によれば、前記犠牲層をエッチング
することにより前記緩衝層下から前記圧電・強誘電体キ
ャパシタを第1の基板から剥離することが可能となるた
め、第1の基板材料の選択の自由度が向上し、構成体へ
のダメージが生じない、さらに前記緩衝層への剥離層の
残存がない圧電・強誘電体薄膜デバイスが実現される。
このため、この圧電・強誘電体デバイスは特性ばらつき
の少ないものとなる。
【0007】(2)前記犠牲層をエッチングすることに
より前記圧電・強誘電体キャパシタ及び緩衝層を第1の
基板から剥離する工程の際、圧電・強誘電体キャパシタ
の形成された第1の基板上全面を保護層にて覆うことを
特徴とする。上記構成によれば、前記犠牲層エッチング
時において圧電・強誘電体キャパシタを保護することが
できる。
【0008】(3)前記保護層上に、第3の基板を固定
し、この状態で前記犠牲層のエッチングを行うことを特
徴とする。上記構成によれば、圧電・強誘電体キャパシ
タの剥離後の取り扱いを容易にすることができる。
【0009】(4)前記下電極をパターニングする工程
の後、前記緩衝層をパターニングし局所的に除去する工
程を設け、前記犠牲層のエッチングを、局所的に除去し
た緩衝層の位置から行うことを特徴とする。上記構成に
よれば、前記犠牲層のエッチングを短時間で行う事がで
きるようになり、圧電・強誘電体キャパシタの第1の基
板からの剥離が容易となる。
【0010】(5)前記下電極をパターニングする工程
がフォトレジストの形成及び下電極のエッチングからな
り、前記フォトレジストを除去することなく前記緩衝層
をパターニングする工程及び前記犠牲層をエッチングす
る工程を行うことを特徴とする。上記構成によれば、圧
電・強誘電体キャパシタを第1の基板から剥離する工程
を簡略化することができ、同時に圧電・強誘電体キャパ
シタの保護を行うことができる。
【0011】(6)前記下電極をパターニングする工程
がフォトレジストの形成及び下電極のエッチングからな
り、前記フォトレジストを除去することなく、前記下電
極の平面パターンと同一パターンで連続的に前記緩衝層
をパターニングする工程及び前記犠牲層をエッチングす
る工程を行うことを特徴とする。上記構成によれば、圧
電・強誘電体キャパシタを第1の基板から剥離する工程
をさらに簡略化することができ、同時に圧電・強誘電体
キャパシタの保護を行うことができる。
【0012】(7)前記犠牲層を形成する工程の前に、
第2の緩衝層を形成する工程を設けたことを特徴とす
る。上記構成によれば、犠牲層と第1の基板との密着力
を向上することができ、圧電・強誘電体キャパシタの歩
留まりを向上することができる。
【0013】(8)前記第1の基板が石英またはガラ
ス、前記犠牲層が多結晶または非晶質の珪素、前記緩衝
層が酸化珪素であることを特徴とする。上記構成によれ
ば、犠牲層エッチング時に犠牲層と第1の基板とのエッ
チング選択比を向上することができ、第1の基板のリサ
イクル使用が可能となる。
【0014】(9)前記犠牲層材料の多結晶珪素は、非
晶質珪素として成膜され、その後の熱処理により多結晶
化されたものであることを特徴とする。上記構成によれ
ば、前記犠牲層材料を非晶質珪素として、プラズマCV
D等の方法で大型基板に成長させることができる。
【0015】(10)前記犠牲層のエッチングを弗化キ
セノンによる化学的ドライエッチングにて行うことを特
徴とする。上記構成によれば、前記犠牲層材料である多
結晶または非晶質の珪素と、他の構成要素(第1の基板
及び圧電・強誘電体キャパシタ及びフォトレジスト等)
とのエッチング選択比が大きいドライエッチングを行う
ことができるため、犠牲層エッチングの工程における圧
電・強誘電体キャパシタの歩留まりを向上することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。
【0017】(実施例1)図1は、本発明の実施例にお
ける、圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造工程順の断面
図であり、同図(a)は第1の基板上への圧電・強誘電
体キャパシタ形成工程終了時の断面図、同図(b)は圧
電・強誘電体キャパシタを第1の基板上から剥離する工
程終了時の断面図、同図(c)は第1の基板上から剥離
した圧電・強誘電体キャパシタを第2の基板上に固定す
る工程終了時の断面図である。
【0018】第1の基板101として、本発明者らは石
英基板を用いた。その上に犠牲層102として非晶質珪
素層をプラズマCVD法により形成し、さらに緩衝層1
03として酸化珪素層をECRCVD法にて形成した。
その上に下電極104として、チタン層、白金層、イリ
ジウム層、チタン層の3層をこの順番にスパッタリング
法にて形成した。さらに、溶液塗布法にて圧電・強誘電
体薄膜105を形成した。圧電・強誘電体薄膜105と
して、チタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTと記す)を
用いた。そして、上電極106として酸化イリジウム
層、イリジウム層の2層をこの順番にスパッタリング法
にて形成した。その後、上電極106上にフォトレジス
トを形成し、上電極106と圧電・強誘電体薄膜105
を連続的にRIE法によりパターニングを行い、さらに
前記フォトレジストを除去することなく、その上にフォ
トレジストを形成し、下電極104のパターニングをR
IE法にて行い、形成したフォトレジストの剥離を行っ
て、図1(a)に示す断面図となる。PZTによる圧電
・強誘電体薄膜105の形成時に高温焼成の工程を行う
が、この時犠牲層102を構成する非晶質珪素は結晶化
されて多結晶珪素になることもある。
【0019】この状態から、前記非晶質または多結晶珪
素による犠牲層102を、弗化キセノンによる化学的ド
ライエッチングすることにより、緩衝層103と、下電
極104、圧電・強誘電体薄膜105、上電極106よ
り成る圧電・強誘電体キャパシタを第1の基板101か
ら剥離することにより、図1(b)に示す断面図とな
る。弗化キセノンによる化学的ドライエッチングを用い
る場合、珪素による犠牲層102と、緩衝層103等の
構成体との選択比が大きく、圧電・強誘電体キャパシタ
へのダメージの少ない剥離プロセスが可能となる。
【0020】第1の基板101から剥離した緩衝層10
3と圧電・強誘電体キャパシタを第2の基板107上へ
固定することにより、図1(c)に示す断面図となる。
第2の基板107上で圧電・強誘電体キャパシタはデバ
イスとして動作する。
【0021】以上の実施例において、第1の基板101
を石英としているが、もちろん他の材料、例えばガラ
ス、セラミックス等いろいろな材料を用いることができ
る。また、第1の基板101上に犠牲層102との密着
性を向上させる、第2の緩衝層を形成してもよい。
【0022】この、圧電・強誘電体薄膜デバイスは、犠
牲層エッチングのプロセスを用いて圧電・強誘電体キャ
パシタを剥離することができるため、第1、第2の基板
材料の選択に自由度をもたせることが可能で、圧電・強
誘電体キャパシタへのダメージが生じず、また、圧電・
強誘電体キャパシタを含む構成体への剥離層の残存がな
いものとなる。
【0023】(実施例2)図2は、本発明の実施例にお
ける、犠牲層をエッチングする際、圧電・強誘電体キャ
パシタの形成された第1の基板上全面を保護層にて覆う
工程を有する圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造工程順
の断面図である。同図(a)は第1の基板上への圧電・
強誘電体キャパシタ形成工程終了時の断面図、同図
(b)は圧電・強誘電体キャパシタの形成された第1の
基板上全面を保護層にて覆う工程終了時の断面図、同図
(c)は圧電・強誘電体キャパシタを第1の基板上から
剥離する工程終了時の断面図、同図(d)は第1の基板
上から剥離した圧電・強誘電体キャパシタを第2の基板
上に固定する工程終了時の断面図である。
【0024】本実施例の圧電・強誘電体薄膜デバイスの
製造方法は(実施例1)に示すものとほぼ同じである
が、下電極104、圧電・強誘電体薄膜105、上電極
106による圧電・強誘電体キャパシタを形成した後、
保護層201を、例えばフォトレジストにより第1の基
板上を全面に覆うように形成し同図(b)に示す断面図
とした後、犠牲層102のエッチングを行い緩衝層10
3と強誘電体キャパシタを剥離して同図(c)に示す断
面図とし、さらに緩衝層と強誘電体キャパシタを第2の
基板107に固定し、フォトレジスト等で形成された保
護層201を剥離して同図(d)に示す断面図とする。
【0025】本実施例の製造方法においては、犠牲層1
02をエッチングすることにより緩衝層103及び圧電
・強誘電体キャパシタを第1の基板上から剥離する工程
の際、圧電・強誘電体キャパシタを保護することができ
るため、圧電・強誘電体キャパシタに全くダメージのな
い圧電・強誘電体デバイスを実現することが可能とな
る。また、犠牲層102のエッチングをエッチング速度
の早いウェットエッチング等を用いて行うことも可能で
ある。
【0026】また、本実施例の圧電・強誘電体薄膜デバ
イスの製造方法において、下電極104をパターニング
する際に形成したフォトレジストを除去することなく、
その上に保護層201用のフォトレジストを形成しても
よい。この場合、圧電・強誘電体キャパシタを第2の基
板107に固定した後の保護層201の除去と同時に、
下電極104をパターニングする際に形成したフォトレ
ジストを除去すればよく、この場合フォトレジスト除去
工程を1工程削減することが可能となる。
【0027】また、本実施例の圧電・強誘電体薄膜デバ
イスの製造方法において、保護層201上に緩衝層10
3及び圧電・強誘電体キャパシタを固定し、この状態で
犠牲層102のエッチングを行い第1の基板101上か
ら圧電・強誘電体キャパシタを剥離し、第2の基板10
7上に前記緩衝層103及び圧電・強誘電体キャパシタ
を固定し、保護層201の除去と第3の基板の取り外し
を同時に行うようにしてもよい。このような製造方法を
用いた場合、第1の基板から剥離した緩衝層103及び
圧電・強誘電体キャパシタの取り扱いが容易になり、製
造歩留まりが向上した。
【0028】(実施例3)図3は、本発明の実施例にお
ける、局所的に除去した緩衝層の位置から犠牲層のエッ
チングを行う、圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造工程
順の断面図である。同図(a)は圧電・強誘電体キャパ
シタを形成すると同時に緩衝層を局所的に除去する工程
終了時の断面図、同図(b)は圧電・強誘電体キャパシ
タを第1の基板上から剥離する工程終了時の断面図、同
図(c)は第1の基板上から剥離した圧電・強誘電体キ
ャパシタを第2の基板上に固定する工程終了時の断面図
である。
【0029】第1の基板101上に犠牲層102、緩衝
層103、下電極104、圧電・強誘電体薄膜105、
上電極106を形成し、上電極106、圧電・強誘電体
薄膜105、下電極104、緩衝層103の順にパター
ニングを行いスルーホール301を形成し、図3(a)
に示す断面図となる。緩衝層103に酸化珪素、犠牲層
102に珪素を用いた場合は、4弗化炭素等のガスを用
いてドライエッチングしてスルーホール301を形成す
ればよい。その後、形成したスルーホール301から犠
牲層102のエッチングを行い、緩衝層103及び圧電
・強誘電体キャパシタを第1の基板101から剥離し、
図3(b)に示す断面図となる。さらに第1の基板10
1から剥離した緩衝層103及び圧電・強誘電体キャパ
シタを第2の基板107に固定し、図3(c)に示す断
面図となる。
【0030】本実施例の製造方法を用いることにより、
犠牲層102のエッチングを基板上に多数あけた緩衝層
のスルーホール301から行うことにより、短時間で行
うことができるようになった。
【0031】(実施例4)図4は本発明の実施例におけ
る、下電極パターニング工程時に形成するフォトレジス
トを除去することなく、下電極の平面パターンと同一パ
ターンで連続的に緩衝層をパターニングする工程及び犠
牲層をエッチングする工程を行う圧電・強誘電体薄膜デ
バイスの製造工程中の断面図である。同図(a)は圧電
・強誘電体キャパシタを形成すると同時に緩衝層を局所
的に除去する工程終了時の断面図、同図(b)は圧電・
強誘電体キャパシタを第1の基板上から剥離する工程終
了時の断面図、同図(c)は第1の基板上から剥離した
圧電・強誘電体キャパシタを第2の基板上に固定する工
程終了時の断面図である。
【0032】第1の基板101上に犠牲層102、緩衝
層103、下電極104、圧電・強誘電体薄膜105、
上電極106を形成し、上電極106、圧電・強誘電体
薄膜105のパターニングを行う。さらに、フォトレジ
スト401を形成し、これを除去することなく、同一平
面パターンで下電極104、緩衝層103の順にパター
ニングを行いスルーホール301を形成し、図4(a)
に示す断面図となる。緩衝層103に酸化珪素、犠牲層
102に珪素を用いた場合は、4弗化炭素等のガスを用
いてドライエッチングしてスルーホール301を形成す
ればよい。その後、フォトレジスト401を剥離するこ
となく、形成したスルーホール301から犠牲層102
のエッチングを行い、緩衝層103及び圧電・強誘電体
キャパシタを第1の基板101から剥離し、図4(b)
に示す断面図となる。さらに第1の基板101から剥離
した緩衝層103及び圧電・強誘電体キャパシタを第2
の基板107に固定し、さらにフォトレジスト401を
除去して図4(c)に示す断面図となる。
【0033】本実施例の圧電・強誘電体デバイスの製造
方法においては、下電極104のパターニング後にフォ
トレジスト401を剥離することなく第2の基板107
上に圧電・強誘電体キャパシタを固定する工程まで行う
ことが可能なため、簡略な工程で圧電・強誘電体デバイ
スの製造が可能となり、さらに犠牲層102のエッチン
グを行う工程時に、フォトレジスト401により圧電・
強誘電体キャパシタは保護されるため、犠牲層102の
エッチング時にエッチングレートの早いウェットエッチ
ング等を用いることが可能となる。
【0034】(実施例5)図5は、本発明の圧電・強誘
電体デバイスの製造方法を用いて作成した、強誘電体メ
モリーの断面図であり、同図において図1と同一の記号
は図1と同一のものを表す。501は単結晶珪素基板、
502はMOSトランジスタのソース・ドレイン領域、
503はMOSトランジスタのゲート絶縁膜、504は
MOSトランジスタのゲート電極、505はフィールド
酸化膜、506は第1の層間絶縁膜、507は第2の層
間絶縁膜、508は配線用金属電極である。
【0035】まず、単結晶珪素基板501上にフィール
ド酸化膜505、ゲート絶縁膜503、ゲート電極50
4、及びソース・ドレイン領域502を形成し、MOS
トランジスタを作成する。この後、第1の層間絶縁膜5
06を形成する。その上に、図示しない緩衝層を介して
下電極104及び強誘電体薄膜105及び上電極106
による強誘電体キャパシタが固定される。この強誘電体
薄膜素子は、上記の実施例の如く、別の第1の基板上に
形成されたものを、第2の基板となるこの単結晶珪素基
板501上のフィールド酸化膜505上に転写形成され
る。強誘電体薄膜105としては、PZTや、SrBi
2Ta29等を好適に用いることができる。更に、第2
の層間絶縁膜507及びスルーホール、配線用金属電極
508を形成して、強誘電体メモリーが完成する。
【0036】以上の如く形成した強誘電体メモリーは、
MOSトランジスタを形成するプロセスと、強誘電体薄
膜素子を形成するプロセスを別々に行うことができるた
め、例えば、これらを同一基板上に連続形成する製造プ
ロセス中に起こる、強誘電体薄膜105への酸素アニー
ル時における鉛その他の元素の層間絶縁膜中への拡散
や、MOSトランジスタへの酸素拡散の影響等を抑える
ことができ、すぐれた特性を持つものとなる。
【0037】(実施例6)図6は、本発明の製造方法を
用いて形成した、圧電体薄膜デバイスである、液体噴射
記録ヘッドの斜視図である。同図において、図1と同一
の記号は図1と同一のものを表す。表から裏に貫通パタ
ーン602を形成したジルコニア基板601上に、下電
極104及びPZT等による圧電薄膜105及び上電極
106からなる圧電体キャパシタが図示しない緩衝層を
会して上記の方法で転写、固定されている。図示しない
緩衝層は振動板となる。ジルコニア基板601の下部に
は、液体導通路604の形成された流路基板603が接
着されている。以下、この液体噴射記録ヘッドの動作を
説明する。貫通パターン602が液室となり、この中に
液体が満たされている。下電極104と上電極106の
間に電圧を印加することにより、振動板を液室602の
体積が減少する方向に撓ませると、液室602中の液体
は液体導通路604を通って、ノズル孔605より外部
に噴射される。図示していないが、液体導通路604は
その奥側にある液体供給孔606を介して液体貯蔵室に
接続されている。振動板への電圧印加をやめると、振動
板は元の状態に戻り、液体は毛細管現象により、前記図
示していない液体貯蔵室より液体供給孔606及び液体
導通路604を通って液室602を満たす。以上の動作
を繰り返すことにより、液体噴射記録がなされる。
【0038】以上の実施例の液体噴射記録ヘッドにおい
ては、液室602を設けた基板601と圧電体キャパシ
タを別に形成することが可能であるため、大型の基板を
用いて圧電体キャパシタを形成することが可能となるた
め、多ノズルの液体噴射記録ヘッドを安価に製造するこ
とができる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の圧電・強誘
電体デバイスの製造方法を用いることにより、レーザー
光照射のプロセスを用いずに第1の基板からの構成体の
剥離を行うことが可能となり、このため、基板材料とし
て単結晶珪素等の非透光性基板を用いることが可能とな
り、基板材料の選択に自由度が増し、また、レーザー光
照射による構成体へのダメージのない、また構成体への
剥離層の残存がない圧電・強誘電体デバイスの製造が可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、圧電・強誘電体薄膜
デバイスの製造工程順の断面図。同図(a)は第1の基
板上への圧電・強誘電体キャパシタ形成工程終了時の断
面図、同図(b)は圧電・強誘電体キャパシタを第1の
基板上から剥離する工程終了時の断面図、同図(c)は
第1の基板上から剥離した圧電・強誘電体キャパシタを
第2の基板上に固定する工程終了時の断面図。
【図2】本発明の実施例における、犠牲層をエッチング
する際、圧電・強誘電体キャパシタの形成された第1の
基板上全面を保護層にて覆う工程を有する圧電・強誘電
体薄膜デバイスの製造工程順の断面図。同図(a)は第
1の基板上への圧電・強誘電体キャパシタ形成工程終了
時の断面図、同図(b)は圧電・強誘電体キャパシタの
形成された第1の基板上全面を保護層にて覆う工程終了
時の断面図、同図(c)は圧電・強誘電体キャパシタを
第1の基板上から剥離する工程終了時の断面図、同図
(d)は第1の基板上から剥離した圧電・強誘電体キャ
パシタを第2の基板上に固定する工程終了時の断面図。
【図3】本発明の実施例における、局所的に除去した緩
衝層の位置から犠牲層のエッチングを行う、圧電・強誘
電体薄膜デバイスの製造工程順の断面図。同図(a)は
圧電・強誘電体キャパシタを形成すると同時に緩衝層を
局所的に除去する工程終了時の断面図、同図(b)は圧
電・強誘電体キャパシタを第1の基板上から剥離する工
程終了時の断面図、同図(c)は第1の基板上から剥離
した圧電・強誘電体キャパシタを第2の基板上に固定す
る工程終了時の断面図。
【図4】本発明の実施例における、下電極パターニング
工程時に形成するフォトレジストを除去することなく、
下電極の平面パターンと同一パターンで連続的に緩衝層
をパターニングする工程及び犠牲層をエッチングする工
程を行う圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造工程中の断
面図。同図(a)は圧電・強誘電体キャパシタを形成す
ると同時に緩衝層を局所的に除去する工程終了時の断面
図、同図(b)は圧電・強誘電体キャパシタを第1の基
板上から剥離する工程終了時の断面図、同図(c)は第
1の基板上から剥離した圧電・強誘電体キャパシタを第
2の基板上に固定する工程終了時の断面図。
【図5】本発明の圧電・強誘電体デバイスの製造方法を
用いて作成した、強誘電体メモリーの断面図。
【図6】本発明の製造方法を用いて形成した、圧電体薄
膜デバイスである、液体噴射記録ヘッドの斜視図。
【符号の説明】
101 第1の基板 102 犠牲層 103 緩衝層 104 下電極 105 圧電・強誘電体薄膜 106 上電極 107 第2の基板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板上に、犠牲層を形成する工
    程、前記犠牲層上に緩衝層を形成する工程、前記緩衝層
    上に少なくとも1層以上の導電層を有してなる下電極を
    形成する工程、圧電・強誘電体薄膜を形成する工程、少
    なくとも1層以上の導電層を有してなる上電極を形成す
    る工程、前記上電極及び圧電・強誘電体薄膜をパターニ
    ングする工程、前記下電極をパターニングする工程、前
    記犠牲層をエッチングすることにより前記下電極、圧電
    ・強誘電体薄膜、及び上電極からなる圧電・強誘電体キ
    ャパシタ及び前記緩衝層を第1の基板上から剥離する工
    程、さらに第1の基板から剥離した圧電・強誘電体キャ
    パシタ及び緩衝層を第2の基板上に固定する工程を有す
    ることを特徴とする、圧電・強誘電体薄膜デバイスの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記犠牲層をエッチングすることにより
    前記圧電・強誘電体キャパシタ及び緩衝層を第1の基板
    から剥離する工程の際、圧電・強誘電体キャパシタの形
    成された第1の基板上全面を保護層にて覆うことを特徴
    とする、請求項1記載の圧電・強誘電体薄膜デバイスの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保護層上に、第3の基板を固定し、
    この状態で前記犠牲層のエッチングを行うことを特徴と
    する、請求項2記載の圧電・強誘電体薄膜デバイスの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記下電極をパターニングする工程の
    後、前記緩衝層をパターニングし局所的に除去する工程
    を設け、前記犠牲層のエッチングを、局所的に除去した
    緩衝層の位置から行うことを特徴とする、請求項1記載
    の圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記下電極をパターニングする工程がフ
    ォトレジストの形成及び下電極のエッチングからなり、
    前記フォトレジストを除去することなく前記緩衝層をパ
    ターニングする工程及び前記犠牲層をエッチングする工
    程を行うことを特徴とする、請求項4記載の圧電・強誘
    電体薄膜デバイスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記下電極をパターニングする工程がフ
    ォトレジストの形成及び下電極のエッチングからなり、
    前記フォトレジストを除去することなく、前記下電極の
    平面パターンと同一パターンで連続的に前記緩衝層をパ
    ターニングする工程及び前記犠牲層をエッチングする工
    程を行うことを特徴とする、請求項5記載の圧電・強誘
    電体薄膜デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記犠牲層を形成する工程の前に、第2
    の緩衝層を形成する工程を設けたことを特徴とする、請
    求項1記載の圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の基板が石英またはガラス、前
    記犠牲層が多結晶または非晶質の珪素、前記緩衝層が酸
    化珪素であることを特徴とする、請求項1乃至7のいず
    れかに記載の圧電・強誘電体薄膜デバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記犠牲層材料の多結晶珪素は、非晶質
    珪素として成膜され、その後の熱処理により多結晶化さ
    れたものであることを特徴とする、請求項8記載の圧電
    ・強誘電体薄膜デバイスの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記犠牲層のエッチングを弗化キセノ
    ンによる化学的ドライエッチングにて行うことを特徴と
    する、請求項1乃至9のいずれかに記載の圧電・強誘電
    体薄膜デバイスの製造方法。
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