JP2001301179A - 記録ヘッドの製造方法及び記録ヘッド - Google Patents

記録ヘッドの製造方法及び記録ヘッド

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JP2001301179A
JP2001301179A JP2000247588A JP2000247588A JP2001301179A JP 2001301179 A JP2001301179 A JP 2001301179A JP 2000247588 A JP2000247588 A JP 2000247588A JP 2000247588 A JP2000247588 A JP 2000247588A JP 2001301179 A JP2001301179 A JP 2001301179A
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forming
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film
pressure chamber
reservoir
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JP2000247588A
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Katsuto Shimada
田 勝 人 島
Akira Matsuzawa
沢 明 松
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩留まりの低下を回避すると共に、製造時間
の短縮化が図れる記録ヘッドの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の記録ヘッドの製造方法は、少な
くとも一側面が単結晶シリコンで構成された基板1の当
該一側面上に多結晶シリコン膜2を形成する第1成膜工
程を備える。多結晶シリコン膜2の、基板1における圧
力室形成部分に対応する領域を除いた領域に、高濃度の
ボロンが拡散される。多結晶シリコン膜2上に弾性膜4
が形成され、弾性膜4の、基板1における圧力室形成部
分に対応する領域の一部に圧電素子5が形成される。ま
た、弾性膜4の、基板1における圧力室形成部分に対応
する領域の他の一部が除去されて、エッチング用孔7が
形成される。エッチング用孔7から、異方性湿式エッチ
ングによって、多結晶シリコン膜2のボロンが拡散され
ていない部分及び当該部分の下方の基板1の一側面部分
が除去されて圧力室8が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録装置等の記録ヘッドを製造する方法に関し、とりわ
け、歩留まりの低下を回避すると共に、製造時間の短縮
化が図れる方法に関している。
【0002】
【従来の技術】シリコン基板を使ったインクジェットヘ
ッドのインク流路の製造方法について、例えば特開平6
−255103に、(110)シリコン基板の異方性湿
式エッチングにより貫通口を形成しインク流路とする方
法が開示されている。
【0003】また、特開平2−289352号公報は、
いわゆる犠牲層を用いた記録ヘッドの製造方法を開示し
ている。この方法は、シリコン基板の表面に予め凹部を
形成し、この凹部にSiO2 等を埋めて犠牲層とし、当
該表面を平坦化した後に圧電デバイスをパターン形成
し、その後犠牲層を除去してインク圧力室とする方法で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】記録ヘッドのノズル間
隔の高密度化に伴い、インク圧力室の配置態様も高密度
化している。高密度にインク圧力室を形成するために
は、インク圧力室の深さを浅くして、圧力室の壁の剛性
を確保することが重要である。壁の厚みが同じ場合に
は、壁の高さが低い方が壁の剛性が大きいからである。
これにより、高密度に隣り合うインク圧力室間のクロス
トークを防止することができる。
【0005】しかしながら、前記の異方性湿式エッチン
グを用いて貫通口(インク圧力室)を形成する方法で
は、インク圧力室の深さを浅くする場合、シリコン基板
の厚みを最初から薄くしておく必要があるため、製造時
のシリコン基板の取り扱いが困難となり、結果的に歩留
まりの低下を招いてしまう。この問題は、特に原料ウエ
ハが大径の場合に重要である。
【0006】一方、前記の犠牲層を用いる方法では、犠
牲層の成膜に多大な時間を要する。具体的には、犠牲層
として一般的に使用されるPSG(リンドープ酸化シリ
コン)の場合、緻密な50μm厚のCVD膜を成膜する
のに、約40〜50時間を要する。また、犠牲層の平坦
化も容易では無い上、コスト的にも問題がある。
【0007】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、歩留まりの低下を回避すると共に、製造
時間の短縮化が図れる記録ヘッドの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
側面が単結晶シリコンで構成された基板の当該一側面上
に多結晶シリコン膜を形成する第1成膜工程と、前記多
結晶シリコン膜の、基板における圧力室形成部分に対応
する領域を除いた領域に、高濃度のボロンを拡散させる
ボロン拡散工程と、前記多結晶シリコン膜上に、弾性膜
を形成する第2成膜工程と、前記弾性膜の、基板におけ
る圧力室形成部分に対応する領域の一部に圧電素子を形
成する圧電素子形成工程と、前記弾性膜の、基板におけ
る圧力室形成部分に対応する領域の他の一部を除去して
エッチング用孔を形成する孔形成工程と、前記エッチン
グ用孔から、異方性湿式エッチングによって、多結晶シ
リコン膜のボロンが拡散されていない部分及び当該部分
の下方の基板の一側面部分を除去して圧力室を形成する
圧力室形成工程と、を備えたことを特徴とする記録ヘッ
ドの製造方法である。
【0009】本発明によれば、多結晶シリコン膜のボロ
ンが拡散された部分が、異方性湿式エッチングによって
除去されないため、所望の形状の圧力室を精度良く容易
に形成することができる。
【0010】また本発明によれば、インク圧力室の深さ
を浅くする場合であっても、用意するシリコン基板の厚
みを薄くする必要がない。このため、製造時のシリコン
基板の取り扱いが容易である。また、本発明によれば、
犠牲層を新たに成膜する必要が無いため、製造時間が著
しく短縮される。
【0011】ボロン拡散工程は、1×1020個/cm3
以上の元素含有密度となるようにボロンを拡散させるこ
とが好ましい。また、ボロン拡散工程は、例えば、前記
多結晶シリコン膜の、基板における圧力室形成部分に対
応する領域の上面にマスク膜を形成するマスク形成工程
と、前記多結晶シリコン膜の上面の略全面に向けてボロ
ンを付与するボロン付与工程と、前記マスク膜を除去す
るマスク除去工程と、を有することが好ましい。
【0012】また、基板の他側面から圧力室に至るリザ
ーバを形成するリザーバ形成工程を更に備えることが好
ましい。
【0013】基板の全体が単結晶シリコンで構成されて
いる場合、リザーバ形成工程は、基板の他側面上に第1
保護膜を形成する第3成膜工程と、前記第1保護膜の、
基板におけるリザーバ形成部分に対応する領域を除去し
てエッチング用開口を形成する開口形成工程と、前記エ
ッチング用開口から、異方性湿式エッチングによって、
基板の他側面から圧力室に至るリザーバ形成部分を除去
するリザーバエッチング工程と、を有していることが好
ましい。第1保護膜としては、窒化シリコン、二酸化珪
素、酸化ジルコニウム等が用いられる。
【0014】この場合、製造時間短縮のために、圧力室
形成工程とリザーバエッチング工程とは、同時に実施さ
れることが好ましい。
【0015】あるいは、基板がSOI基板である場合、
圧力室形成工程は、圧力室の底部が絶縁層によって規定
されるように圧力室を形成し、リザーバ形成工程は、基
板の他側面上に第1保護膜を形成する第3成膜工程と、
前記第1保護膜の、基板におけるリザーバ形成部分に対
応する領域を除去してエッチング用開口を形成する開口
形成工程と、前記エッチング用開口から、異方性湿式エ
ッチングによって、基板の他側面から絶縁層に至る第1
リザーバ形成部分を除去するリザーバエッチング工程
と、絶縁層の一部を除去して、圧力室と第1リザーバ形
成部分とを連通する第2リザーバ形成部分を形成する絶
縁層除去工程と、を有していることが好ましい。第1保
護膜としては、窒化シリコン、二酸化珪素、酸化ジルコ
ニウム等が用いられる。
【0016】この場合も、製造時間短縮のために、圧力
室形成工程とリザーバエッチング工程とは、同時に実施
されることが好ましい。
【0017】さらに、圧電素子の保護のために、圧電素
子形成工程の後に、圧電素子を保護する第2保護膜を形
成する第2保護膜形成工程を更に備えることが好まし
い。この場合孔形成工程は、弾性膜と第2保護膜との、
基板における圧力室形成部分に対応する領域の他の一部
を除去し得る。
【0018】また、本発明は、一側面に圧力発生室を形
成するための凹部を有する基板と、基板の一側面上であ
って、基板の凹部を除いた領域に設けられた、高濃度の
ボロンが拡散された多結晶シリコン膜と、前記多結晶シ
リコン膜の上方において、基板の凹部を覆って圧力発生
室を形成する弾性膜と、弾性膜上に形成された圧電素子
形成工程と、を備えたことを特徴とする記録ヘッドであ
る。
【0019】本発明による方法で製造された記録ヘッド
は、高濃度のボロンが拡散された多結晶シリコン膜が残
存している。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0021】図1は、本発明による記録ヘッドの製造方
法の第1の実施の形態のフローチャートであり、図2乃
至図9は、図1に示す実施の形態の各工程を順に説明す
るための概略図である。図2乃至図9において、(a)
は基板の断面図であり、(b)は(a)のb−b線断面
図である。
【0022】図1に示すように、まず加工対象となる基
板が用意される(STEP1)。この場合、基板1は単
結晶シリコンで構成されており、取り扱いの便宜上の要
請により、例えば厚みが500〜700μmである。基
板1の結晶方位は、例えば(100)である。
【0023】次に、図2(a)及び図2(b)に示すよ
うに、単結晶シリコン基板1の上面にpoly−Si
(多結晶シリコン)膜2が成膜される(STEP2)。
poly−Si膜2は、例えば、その厚みが0.1〜1
μmとなるまで成膜される。
【0024】続いて、図3(a)及び図3(b)に示す
ように、poly−Si膜2のさらに上面の、基板1に
おける圧力室形成部分に対応する領域に、マスク膜3が
パターニング形成される(STEP3)。マスク膜3
は、この場合SiO2 膜であり、その厚みは例えば1〜
2μmである。そして、マスク膜3及びpoly−Si
膜2に対して高濃度ボロンドープ処理が施され(STE
P4)、poly−Si膜2のマスク膜3が形成されて
いない領域(基板1における圧力室形成部分に対応する
領域を除いた領域)に、高濃度のボロンが拡散される。
この場合の高濃度ボロンドープ処理は、前記領域のpo
ly−Si膜2が1×1020個/cm3 以上のボロン含
有密度を有するボロン含有膜2bとなるように行われ
る。
【0025】続いて、図4(a)及び図4(b)に示す
ように、マスク膜3が何れかの公知の方法によって除去
される(STEP5)。そして、poly−Si膜2及
びボロン含有膜2bの上面に、弾性膜4が成膜される
(STEP6)。弾性膜4は、例えば、200〜100
0nmの厚みのZrO2によって構成され得る。
【0026】次に、図5(a)及び図5(b)に示すよ
うに、弾性膜4の上面側の基板1における圧力室形成部
分に対応する領域の一部に、圧電素子構造5が形成され
る(STEP7)。本実施の形態の圧電素子構造5は、
下部電極層5dが成膜され、パターニング除去処理によ
って不要な部分の下部電極層5dが除去された後に圧電
体層5aが成膜され、さらに上部電極層5uが成膜さ
れ、パターニング除去処理によって不要な部分の圧電体
層5a及び上部電極層5uが除去され、続いて各上部電
極層5uと導通するリード電極5wの成膜及びパターン
ニング除去が行われて、形成される。
【0027】下部電極層5dは、例えば50〜600n
mの厚みのIrまたはPtであり、圧電体層5aは、例
えば0.5〜3μmの厚みのPZT、BaTiO3
(Ba、Sr)TiO3 、PMN−PT、PZN−PT
またはSrBi2 Ta2 9 であり、ゾルゲル法、MO
D法、スパッタ法、ゾルゲル水熱法等で成膜される。上
部電極層5uは、例えば50〜100nmの厚みのIr
またはPtである。
【0028】続いて、図6(a)及び図6(b)に示す
ように、圧電素子構造5の上面側に、第2保護膜6が形
成される(STEP8)。第2保護膜は、例えばフッ素
系樹脂またはパラキシリレン樹脂等で構成され得る。
【0029】続いて、図7(a)及び図7(b)に示す
ように、弾性膜4及び第2保護膜6の、基板1における
圧力室形成部分に対応する領域であって、かつ、圧電素
子5が形成されていない部分に、エッチング用孔7が形
成される(STEP9)。エッチング用孔7は、例えば
フォトレジストパターニングと、イオンミリングなどの
ドライエッチングとによって形成され得る。
【0030】本実施の形態では、図7(a)及び図7
(b)に示すように、エッチング用孔7は、圧電素子5
の周囲をコの字形に取り囲むように形成されており、複
数の圧電素子に共用されるべく連続に設けられている下
部電極層5dをも貫通している。
【0031】そして、図8(a)及び図8(b)に示す
ように、エッチング用孔7から水酸化カリウム水溶液に
よる異方性湿式エッチングが実施され、poly−Si
膜2のボロンが拡散されていない部分及び当該部分の下
方のシリコン基板1が除去され、シリコン基板1の結晶
方位に従って、この場合断面三角形状の圧力室8が形成
される(STEP10)。この時、ボロン含有膜2bが
水酸化カリウム水溶液によって除去されずに残存するこ
とによって、シリコン基板1に対するエッチングの進行
方向が精度良く規定され得る。
【0032】続いて、図9(a)及び図9(b)に示す
ように、第2保護膜6が除去される(STEP11)。
【0033】以上のように本実施の形態によれば、ボロ
ン含有膜2b(poly−Si膜2のボロンが拡散され
た部分)が異方性湿式エッチングによって除去されない
ため、所望の形状の圧力室8が精度良く容易に形成され
得る。
【0034】ここで本件発明者らは、異方性湿式エッチ
ングに対するボロン含有膜2bの耐性を確実にするため
には、ボロン含有膜2bのボロン含有密度が、1×10
20個/cm3 以上であることが特に好ましいことを確認
した。
【0035】また、本実施の形態によれば、圧力室8の
深さを浅く形成する場合であっても、用意する基板1の
厚みを自由に選択することができる。このため、製造時
のシリコン基板1の取り扱いが容易であり、大径ウエハ
のシリコン基板を利用することができる。
【0036】また、本実施の形態によれば、圧力室の厚
みの犠牲層を成膜する必要が無いため、製造時間が著し
く短縮される。
【0037】さらに、圧電素子5の上面に第2保護膜を
形成したことにより、異方性湿式エッチング(STEP
10)の間、圧電素子5が確実に保護される。
【0038】次に、本発明の第2の実施の形態の記録ヘ
ッドの製造方法について、図10乃至19を用いて説明
する。
【0039】図10は、本実施の形態のフローチャート
であり、図11乃至図19は、図10に示す本実施の形
態の各工程を順に説明するための概略図であり、各図の
(a)は基板の断面図であり、(b)は(a)のb−b
線断面図である。
【0040】本実施の形態では、図10、図11(a)
及び図11(b)に示すように、単結晶シリコン基板1
の上面にpoly−Si(多結晶シリコン)膜2が成膜
された(STEP22:STEP2に相当)後に、単結
晶シリコン基板1の下面に第1保護膜11が成膜される
(STEP22’)。第1保護膜11としては、窒化シ
リコン、二酸化珪素、酸化ジルコニウム等が用いられ
る。
【0041】そして、図10、図12(a)及び図12
(b)に示すように、マスク膜3がパターンニング形成
された(STEP23:STEP3に相当)後に、基板
1におけるリザーバ形成部分に対応する領域の第1保護
膜11がパターニング除去されて、エッチング用開口1
2が形成される(STEP23’)。ここで、マスク膜
3及び第1保護膜11のパターン形成の為のレジストマ
スクのパターンニングは、両面同時露光を用いた。
【0042】さらに、図10、図18(a)及び図18
(b)に示すように、エッチング用孔7から水酸化カリ
ウム水溶液による異方性湿式エッチングが実施されて圧
力室8が形成された(STEP30:STEP10に相
当)後に、エッチング用開口12から水酸化カリウム水
溶液による異方性湿式エッチングが実施されて、基板1
の下面から圧力室8に至るインクリザーバ13が形成さ
れる(STEP30’)。
【0043】図10に示す本実施の形態の他の工程ST
EP21〜STEP31は、図1乃至図9に示す第1の
実施の形態のSTEP1〜STEP11と同様である。
第2の実施の形態において、図1乃至図9に示す第1の
実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な
説明は省略する。
【0044】本実施の形態によって形成される記録ヘッ
ドは、特にインクジェット式記録ヘッドに適している。
【0045】なお、インクリザーバ13の形成は、図1
7(a)、図17(b)、図18(a)及び図18
(b)に示すように、圧力室8の形成後に行われてもよ
いが、圧力室8の形成と同時に行われ得る。この場合、
製造時間がより一層短縮され得る。
【0046】次に、本発明の第3の実施の形態の記録ヘ
ッドの製造方法について、図20乃至29を用いて説明
する。
【0047】図20は、本実施の形態のフローチャート
であり、図21乃至図29は、図20に示す本実施の形
態の各工程を順に説明するための概略図であり、各図の
(a)は基板の断面図であり、(b)は(a)のb−b
線断面図である。
【0048】図21乃至図29に示すように、本実施の
形態のシリコン基板1は、SOI基板であり、両面側1
a、1bは単結晶シリコンからなり、中央部1mは絶縁
層で構成されている。
【0049】本実施の形態のSTEP50では、図27
(a)及び図27(b)に示すように、エッチング用孔
7からの水酸化カリウム水溶液による異方性湿式エッチ
ングによって形成される圧力室8の底面が、絶縁層1m
の上面によって規定される。
【0050】また、図28(a)及び図28(b)に示
すように、エッチング用開口12からの水酸化カリウム
水溶液による異方性湿式エッチングが、絶縁層1mの存
在のために、インクリザーバ13の全てを形成しない。
すなわち、本実施の形態のSTEP50’では、インク
リザーバ13の一部である第1リザーバ形成部分13a
が、絶縁層1mの下面側に形成される。
【0051】そして、本実施の形態のSTEP50”に
おいて、図29(a)及び図29(b)に示すように、
絶縁層1mの一部が除去されて、圧力室8と第1リザー
バ形成部分13aとを連通する第2リザーバ形成部分1
3bが形成され、インクリザーバ13の全てが形成され
る。
【0052】図20に示す本実施の形態の他の工程ST
EP41〜STEP51は、図10乃至図19に示す第
2の実施の形態のSTEP21〜STEP31と同様で
ある。第3の実施の形態において、図10乃至図19に
示す第2の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。
【0053】本実施の形態の場合においても、インクリ
ザーバ13の形成は、図27(a)、図27(b)、図
28(a)及び図28(b)に示すように、圧力室8の
形成後に行われてもよいが、圧力室8の形成と同時に行
われ得る。この場合、製造時間がより一層短縮され得
る。
【0054】なお、本発明によって製造された記録ヘッ
ド自体も、本件出願により保護されるべきものである。
例えば、以上の各実施の形態によって製造された記録ヘ
ッドには、ボロン含有膜2b(高濃度のボロンが拡散さ
れたpoli−Si膜2)が残存している。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、多結晶シリコン膜のボ
ロンが拡散された部分が、異方性湿式エッチングによっ
て除去されないため、所望の形状の圧力室を精度良く容
易に形成することができる。
【0056】また本発明によれば、インク圧力室の深さ
を浅くする場合であっても、用意するシリコン基板の厚
みを薄くする必要がない。このため、製造時のシリコン
基板の取り扱いが容易である。また、本発明によれば、
圧力室の厚みの犠牲層を成膜する必要が無いため、製造
時間が著しく短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録ヘッドの製造方法の第1の実
施の形態を示すフローチャート。
【図2】図1のSTEP2の状態を示すシリコン基板の
概略断面図。
【図3】図1のSTEP4の状態を示すシリコン基板の
概略断面図。
【図4】図1のSTEP6の状態を示すシリコン基板の
概略断面図。
【図5】図1のSTEP7の状態を示すシリコン基板の
概略断面図。
【図6】図1のSTEP8の状態を示すシリコン基板の
概略断面図。
【図7】図1のSTEP9の状態を示すシリコン基板の
概略断面図。
【図8】図1のSTEP10の状態を示すシリコン基板
の概略断面図。
【図9】図1のSTEP11の状態を示すシリコン基板
の概略断面図。
【図10】本発明による記録ヘッドの製造方法の第2の
実施の形態を示すフローチャート。
【図11】図10のSTEP22’の状態を示すシリコ
ン基板の概略断面図。
【図12】図10のSTEP24の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図13】図10のSTEP26の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図14】図10のSTEP27の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図15】図10のSTEP28の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図16】図10のSTEP29の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図17】図10のSTEP30の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図18】図10のSTEP30’の状態を示すシリコ
ン基板の概略断面図。
【図19】図10のSTEP31の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図20】本発明による記録ヘッドの製造方法の第3の
実施の形態を示すフローチャート。
【図21】図20のSTEP42’の状態を示すシリコ
ン基板の概略断面図。
【図22】図20のSTEP44の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図23】図20のSTEP46の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図24】図20のSTEP47の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図25】図20のSTEP48の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図26】図20のSTEP49の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図27】図20のSTEP50の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【図28】図20のSTEP50’の状態を示すシリコ
ン基板の概略断面図。
【図29】図20のSTEP51の状態を示すシリコン
基板の概略断面図。
【符号の説明】
1 基板 1a,1b 単結晶シリコン 1m 絶縁層 2 poly−Si膜 2b ボロン含有膜 3 SiO2 膜 4 弾性膜 5 圧電素子 5d 下部電極層 5a 圧電体層 5u 上部電極層 5w リード電極 6 第2保護膜 7 エッチング用孔 8 圧力室 11 第1保護膜 12 エッチング用開口 13 インクリザーバ 13a 第1リザーバ形成部分 13b 第2リザーバ形成部分

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一側面が単結晶シリコンで構成
    された基板の当該一側面上に多結晶シリコン膜を形成す
    る第1成膜工程と、 前記多結晶シリコン膜の、基板における圧力室形成部分
    に対応する領域を除いた領域に、高濃度のボロンを拡散
    させるボロン拡散工程と、 前記多結晶シリコン膜上に、弾性膜を形成する第2成膜
    工程と、 前記弾性膜の、基板における圧力室形成部分に対応する
    領域の一部に圧電素子を形成する圧電素子形成工程と、 前記弾性膜の、基板における圧力室形成部分に対応する
    領域の他の一部を除去してエッチング用孔を形成する孔
    形成工程と、 前記エッチング用孔から、異方性湿式エッチングによっ
    て、多結晶シリコン膜のボロンが拡散されていない部分
    及び当該部分の下方の基板の一側面部分を除去して圧力
    室を形成する圧力室形成工程と、を備えたことを特徴と
    する記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】ボロン拡散工程は、1×1020個/cm3
    以上の元素含有密度となるようにボロンを拡散させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】ボロン拡散工程は、 前記多結晶シリコン膜の、基板における圧力室形成部分
    に対応する領域の上面に、マスク膜を形成するマスク形
    成工程と、 前記多結晶シリコン膜の上面の略全面に向けてボロンを
    付与するボロン付与工程と、 前記マスク膜を除去するマスク除去工程と、を有するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の記録ヘッドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】基板の他側面から圧力室に至るリザーバを
    形成するリザーバ形成工程を更に備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の記録ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】基板は、全体が単結晶シリコンで構成され
    ており、 リザーバ形成工程は、 基板の他側面上に第1保護膜を形成する第3成膜工程
    と、 前記第1保護膜の、基板におけるリザーバ形成部分に対
    応する領域を除去して、エッチング用開口を形成する開
    口形成工程と、 前記エッチング用開口から、異方性湿式エッチングによ
    って、基板の他側面から圧力室に至るリザーバ形成部分
    を除去するリザーバエッチング工程と、を有しているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】圧力室形成工程とリザーバエッチング工程
    とは、同時に実施されることを特徴とする請求項5に記
    載の記録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】基板は、他側面が単結晶シリコンで構成さ
    れると共に中央部が絶縁層で構成されたSOI基板であ
    り、 圧力室形成工程は、圧力室の底部が絶縁層によって規定
    されるように圧力室を形成し、 リザーバ形成工程は、 基板の他側面上に第1保護膜を形成する第3成膜工程
    と、 前記第1保護膜の、基板におけるリザーバ形成部分に対
    応する領域を除去してエッチング用開口を形成する開口
    形成工程と、 前記エッチング用開口から、異方性湿式エッチングによ
    って、基板の他側面から絶縁層に至る第1リザーバ形成
    部分を除去するリザーバエッチング工程と、 絶縁層の一部を除去して、圧力室と第1リザーバ形成部
    分とを連通する第2リザーバ形成部分を形成する絶縁層
    除去工程と、を有していることを特徴とする請求項4に
    記載の記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】圧力室形成工程とリザーバエッチング工程
    とは、同時に実施されることを特徴とする請求項7に記
    載の記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】第1保護膜は、窒化シリコンからなること
    を特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の記録ヘ
    ッドの製造方法。
  10. 【請求項10】第1保護膜は、二酸化珪素からなること
    を特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の記録ヘ
    ッドの製造方法。
  11. 【請求項11】第1保護膜は、酸化ジルコニウムからな
    ることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の
    記録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】圧電素子形成工程の後に、圧電素子を保
    護する第2保護膜を形成する第2保護膜形成工程を更に
    備えていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載の記録ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】孔形成工程は、弾性膜と第2保護膜と
    の、基板における圧力室形成部分に対応する領域の他の
    一部を除去するようになっていることを特徴とする請求
    項12に記載の記録ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】一側面に圧力発生室を形成するための凹
    部を有する基板と、 基板の一側面上であって、基板の凹部を除いた領域に設
    けられた、高濃度のボロンが拡散された多結晶シリコン
    膜と、 前記多結晶シリコン膜の上方において、基板の凹部を覆
    って圧力発生室を形成する弾性膜と、 弾性膜上に形成された圧電素子と、を備えたことを特徴
    とする記録ヘッド。
  15. 【請求項15】少なくとも一側面が単結晶シリコンで構
    成された基板の当該一側面上に多結晶シリコン膜を形成
    する第1成膜工程と、 前記多結晶シリコン膜の、基板における圧力室形成部分
    に対応する領域を除いた領域に、高濃度のボロンを拡散
    させるボロン拡散工程と、 前記多結晶シリコン膜上に、弾性膜を形成する第2成膜
    工程と、 前記弾性膜の、基板における圧力室形成部分に対応する
    領域の一部に圧電素子を形成する圧電素子形成工程と、 前記弾性膜の、基板における圧力室形成部分に対応する
    領域の他の一部を除去してエッチング用孔を形成する孔
    形成工程と、 前記エッチング用孔から、異方性湿式エッチングによっ
    て、多結晶シリコン膜のボロンが拡散されていない部分
    及び当該部分の下方の基板の一側面部分を除去して圧力
    室を形成する圧力室形成工程と、を備えた記録ヘッドの
    製造方法によって製造されたことを特徴とする請求項1
    1に記載の記録ヘッド。
  16. 【請求項16】基板は、他側面から圧力発生室に至るリ
    ザーバを有することを特徴とする請求項14または15
    に記載の記録ヘッド。
  17. 【請求項17】基板は、一側面が単結晶シリコンで構成
    されていることを特徴とする請求項14乃至16のいず
    れかに記載の記録ヘッド。
  18. 【請求項18】基板は、面方位が(100)の単結晶シ
    リコンで構成されていることを特徴とする請求項17に
    記載の記録ヘッド。
  19. 【請求項19】基板は、SOI基板であることを特徴と
    する請求項18に記載の記録ヘッド。
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