JP2002075646A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

Info

Publication number
JP2002075646A
JP2002075646A JP2000259023A JP2000259023A JP2002075646A JP 2002075646 A JP2002075646 A JP 2002075646A JP 2000259023 A JP2000259023 A JP 2000259023A JP 2000259023 A JP2000259023 A JP 2000259023A JP 2002075646 A JP2002075646 A JP 2002075646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
organic
layer
compound
electroluminescent device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000259023A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Agata
岳 阿形
Daisuke Okuda
大輔 奥田
Hiroto Yoneyama
博人 米山
Mieko Seki
三枝子 関
Kiyokazu Mashita
清和 真下
Hidekazu Hirose
英一 廣瀬
Katsuhiro Sato
克洋 佐藤
Akira Imai
彰 今井
Yasuo Yamamoto
保夫 山本
Yutaka Sugizaki
裕 杉崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2000259023A priority Critical patent/JP2002075646A/ja
Publication of JP2002075646A publication Critical patent/JP2002075646A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電子移動性を有する新しい電子輸送材
料を用い、発光強度が大きいと共に、繰り返し使用して
も安定した性能を発揮し、製造が容易な有機EL素子の
提供。 【解決手段】 少なくとも一方が透明又は半透明である
陽極及び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の
有機化合物層が挾持されてなる有機電界発光素子におい
て、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式
(1)で表される単量体の少なくとも1種を用いて得ら
れた高分子化合物を1種以上含有することを特徴とする
有機電界発光素子である。一般式(1)中、R1は水素
原子又はメチル基を表し、Aは下記一般式(2)〜
(6)で示される基から選択されるいずれかの基を表
す。式中、Xは酸素原子等を表し、Yは酸素原子又は−
COO(CH 2nO−を表し、R4及びR5は、アルキル
基等を表し、Wは−(CH2nO−等を表し、Zはアル
キル基等を表す。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電界発光素子
に関し、詳しくは特定の電子輸送材料を用いることによ
り素子作製を容易にし、更に安定性が向上した有機電界
発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子(以下、「EL素子」と記
述する)は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高
く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。現在
は無機螢光体を用いたものが主流であり広く使用されて
いるが、駆動に200V以上の交流電圧が必要なため製
造コストが高く、また輝度が不十分等の問題点を有して
いる。一方、有機化合物を用いたEL素子研究は、最初
アントラセン等の単結晶を用いて始まったが、膜厚が1
mm程度と厚く、100V以上の駆動電圧が必要であっ
た。そのため蒸着法による薄膜化が試みられている(T
hin Solid Films,Vol.94,17
1(1982))。しかしながら、蒸着法による薄膜
は、駆動電圧が30Vと未だ高く、また、膜中における
電子・ホールキャリアの密度が低く、キャリアの再結合
によるフォトンの生成確率が低いため十分な輝度が得ら
れなかった。
【0003】ところが近年、正孔輸送性有機低分子化合
物と電子輸送能を持つ螢光性有機低分子化合物を真空蒸
着法により薄膜を順次積層した機能分離型のEL素子
で、10V程度の低電圧で1000cd/m2以上の高
輝度が得られるものが報告されており(Appl.Ph
ys.Lett.,Vol.51,913(198
7))、以来、積層型のEL素子の研究・開発が活発に
行われている。しかしながら、これら報告で使用されて
いる化合物はガラス転移温度が低く、かつ結晶化が起こ
りやすい等の問題も有していた。そこで、EL素子の熱
安定性に関する問題の解決のために、電子輸送材料の場
合においては、これまでに特開平7−109454号公
報等に記載されているオキサジアゾール誘導体を初めと
して例えば、2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−
tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール(以下、「PBD」ともいう。)を電子輸送材料
として使用することが提案されているものの、薄膜は安
定性に欠け、かつこれまでの電子輸送材料では蒸着での
温度が高いために材料の変質が避けられという問題があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、優れた電子移動性を有する新
しい電子輸送材料を用い、発光強度が大きいと共に、繰
り返し使用しても安定した性能を発揮し、製造が容易な
有機EL素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく電子輸送材料に関し鋭意検討した結果、下
記一般式(1)で表される単量体の少なくとも1種を用
いて得られた高分子化合物が、有機EL素子として好適
な電子注入特性、電子移動度、薄膜形成能を有すること
を見出し、本発明を完成するに至った。前記課題を解決
するための手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及
び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の有機化
合物層が挾持されてなる有機電界発光素子において、該
有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(1)で
表される単量体の少なくとも1種を用いて得られた高分
子化合物を1種以上含有することを特徴とする有機電界
発光素子である。
【0006】
【化3】
【0007】(一般式(1)中、R1は水素原子又はメ
チル基を表し、Aは下記一般式(2)〜(6)で示され
る基から選択されるいずれかの基を表す。)
【0008】
【化4】
【0009】(一般式(2)〜(6)中、Xは、酸素原
子、C(CN)2、C(CN)COOR2、又はC(CO
OR2)(COOR3)を表し、Yは、酸素原子又は−C
OO(CH2nO−を表す。R2及びR3は、それぞれ独
立に、アルキル基又はアリール基を表し、R4及びR
5は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、アシル基又はシアノ基を表す。W
は、−(CH2nO−又は−Ar−(R)k−COO
(CH2nO−(但し、Arはアリーレン基を表し、R
はアルキレン基を表し、kは0又は1を表す。)、Z
は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ
基、アシル基又はシアノ基を表す。nは1〜20の整数
を表し、m及びlは、それぞれ独立に、0〜2の整数を
表す。) <2> 前記高分子化合物が、一般式(1)で表される
単量体と、その他の単量体との共重合体である前記<1
>に記載の有機電界発光素子である。 <3> 前記その他の単量体が、架橋性単量体である前
記<2>に記載の有機電界発光素子である。 <4> 透明電極上に、前記有機化合物層として、一般
式(1)で表される単量体の少なくとも1種を用いて得
られた高分子化合物を1種以上含有する電子輸送層と、
発光層とをこの順に有する前記<1>から<3>のいず
れかに記載の有機電界発光素子である。 <5> 前記有機化合物層が単層である前記<1>から
<3>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。 <6> 前記有機化合物層が、発光材料、正孔輸送材
料、及び電子輸送材料の少なくとも1種を含有する前記
<5>に記載の有機電界発光素子である。
【0010】上記の高分子化合物は、電子輸送性を有す
るものであり、これを有機EL素子の構成材料のうち、
電子輸送材料として用いた場合、高い電子輸送能を示す
ことから従来には無い、高い発光輝度を実現することが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、
一つ又は複数の有機化合物層を有してなり、更に必要に
応じて、その他の層や部材を有してなる。
【0012】前記有機化合物層は、単層からなる場合に
は、その層中に、前記一般式(1)で表される単量体の
少なくとも1種を用いて得られた高分子化合物を1種以
上含有し、2以上の複層からなる場合には、少なくとも
一層に、前記一般式(1)で表される単量体の少なくと
も1種を用いて得られた高分子化合物を1種以上含有す
る。
【0013】前記一般式(1)で表される単量体につい
て詳しく説明する。
【0014】
【化5】
【0015】前記一般式(1)で表される単量体は、下
記一般式(2a)ないし一般式(6a)で表される化合
物と、下記一般式(7)で表される(メタ)アクリル酸
クロリドとを塩基の存在下で反応させるか、又は、下記
一般式(2b)ないし一般式(6b)で表されるカルボ
ン酸クロリドと、下記一般式(8)で表される(メタ)
アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとを塩基の存在
下で反応させる等の方法によって合成することができ
る。
【0016】
【化6】
【0017】前記一般式(2a)ないし一般式(6a)
中、酸素原子、C(CN)2、C(CN)COOR2、又
はC(COOR2)(COOR3)を表し、Yは、酸素原
子又は−COO(CH2nO−を表す。R2及びR3は、
それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R
4及びR5は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール
基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基又はシアノ基を
表す。Wは、−(CH 2nO−又は−Ar−(R)k
COO(CH2nO−(但し、Arはアリーレン基を表
し、Rはアルキレン基を表し、kは0又は1を表
す。)、Zは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アシル基又はシアノ基を表す。nは1〜
20の整数を表し、m及びlは、それぞれ独立に、0〜
2の整数を表す。
【0018】
【化7】
【0019】前記一般式(7)中、R1は水素原子又は
メチル基を表す。
【0020】
【化8】
【0021】前記一般式(2b)ないし一般式(6b)
中、X、Z、R4、R5、Ar、R、k、l、mは、いず
れも前記したと同意義を有する。
【0022】
【化9】
【0023】前記一般式(8)中、R1は水素原子又は
メチル基を表し、nは1〜20の整数を表す。
【0024】前記一般式(1)で表される単量体の具体
例(例示化合物(1)〜例示化合物(60))を、下記
表1〜表5に示すが、本発明はこれらの具体例に限定さ
れるものではない。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】次に、前記一般式(1)で表される単量体
の少なくとも1種を用いて得られる高分子化合物につい
て説明する。本発明で用いられる前記高分子化合物を合
成するには、前記一般式(1)で表される単量体を単独
重合させてもよいし、2種以上を共重合させてもよく、
また、前記一般式(1)で表される単量体と他の一般的
なオレフィン系重合性単量体とを共重合させてもよい。
該オレフィン系重合性単量体としては、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸グリシジル等のアクリル酸誘導
体、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等の
アクリルオキシシラン類、あるいはアクリロニトリル、
スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、1,3−ブタジエ
ン等の各種ビニル系化合物等が挙げられる。
【0031】本発明で用いられる側鎖に電子受容性基を
有する高分子化合物としては、前記一般式(1)で表さ
れる単量体を原料として得られる高分子化合物を単独で
用いても、2種以上を混合して用いてもよく、また、他
の一般的な高分子材料と混合して用いてもよい。混合す
る他の高分子材料としては、各種ポリアクリル酸エステ
ル誘導体のほか、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド等の熱可
塑性樹脂、又はエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂等の熱硬化性樹脂等を用いることができる。
【0032】更に、本発明における硬化処理の方法とし
ては、前記一般式(1)で表される単量体を原料として
得られる高分子化合物に、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、シランカッ
プリング剤、ジルコニウムカップリング剤、チタネート
カップリング剤等の各種カップリング剤を混合し、導電
性基材上に塗布後加熱して硬化させる方法、あるいは前
記一般式(1)で表される単量体を重合する際の共重合
成分として、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸グリシジル、メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン等の反応性の残基を有する単量体(架橋性
単量体)を用い、基板上に塗布後、加熱、光照射又は適
当な化学処理等の方法で架橋化、硬化させる方法等が挙
げられる。
【0033】本発明で用いられる前記高分子化合物の重
量平均分子量は、1万以上であることが、コーティング
した後の膜の強度の点で好ましい。また、本発明におい
ては、前記一般式(1)で表される単量体と他の単量体
とを共重合させた高分子化合物を用いる場合、あるいは
前記一般式(1)で表される単量体を含む高分子化合物
と他の高分子化合物とを混合して用いる場合のいずれ
も、前記一般式(1)で表される単量体が、高分子化合
物全体の30重量%以上を占めることが、本発明の目的
を効果的に達成する上で好ましい。
【0034】次に、本発明の有機EL素子における有機
化合物層の層構成及び一対の電極について説明する。本
発明において、有機化合物層が一つの場合は、該有機化
合物層は発光層を意味する。また、有機化合物層が複数
の場合は、その一つが発光層であり、他の有機化合物層
は、正孔輸送層、電子輸送層、或いは正孔輸送層と電子
輸送層よりなるものを意味する。
【0035】図1及び図2は、本発明の有機電界発光素
子の層構成の一例を説明するための概略断面図である。
本発明は、これらの層構成に限定されるものではない。
図1は、有機化合物層が複数の場合の一例であり、透明
絶縁体基板1上に、透明電極2、発光層3、電子輸送層
4、及び背面電極6がこの順に形成されている。図2
は、有機化合物層が1つの場合の例であり、透明絶縁体
基板1上に、透明電極2、キャリア輸送能を持つ発光層
5、及び背面電極6がこの順に形成されている。本発明
で使用される電極は、少なくとも一方が透明又は半透明
である陽極及び陰極よりなる一対の電極であればよい。
【0036】図1及び図2における透明絶縁体基板1
は、発光を取り出すため透明なものが好ましく、ガラ
ス、プラスチックフィルム等が用いられる。透明である
ということは、可視領域の光の透過率が10%以上であ
ることを示しており、更に透過率が75%以上であるこ
とが好ましい。
【0037】図1及び図2における透明電極2は、前記
透明絶縁体基板と同様に発光を取り出すため透明であっ
て、かつホールの注入を行うため仕事関数の大きなもの
がよく、仕事関数が4eV以上のものが好ましい。具体
例として、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ
(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の酸化膜、
及び蒸着或いはスパッタされた金、白金、パラジウム等
が用いられる。電極のシート抵抗は、低いほど好まし
く、数百Ω/□以下が好ましい。また、透明絶縁体基板
同様に、可視領域の光の透過率が10%以上で、更に透
過率が75%以上であることが好ましい。
【0038】前記一般式(1)で表される単量体の少な
くとも1種を用いて得られる高分子化合物を1種以上含
有する有機化合物層は、図1に示す有機EL素子の層構
成の場合、電子輸送層4であり、また、図2に示す有機
EL素子の層構成の場合、キャリア輸送能を持つ発光層
5である。但し、図1における発光層3が、前記一般式
(1)で表される単量体の少なくとも1種を用いて得ら
れる高分子化合物を含有していてもよい。
【0039】図1に示す有機EL素子の層構成の場合、
電子輸送層4は、前記一般式(1)で表される単量体の
少なくとも1種を用いて得られる高分子化合物の単独で
形成されていてもよいが、電子移動度を調節するため
に、例えばオキサジアゾール化合物誘導体を1重量%な
いし50重量%の範囲で混合させて形成されていてもよ
い。
【0040】図1における発光層3には、固体状態で高
い蛍光量子収率を示す化合物が発光材料として用いられ
る。また、上述のように、発光層3は、前記一般式
(1)で表される単量体の少なくとも1種を用いて得ら
れる高分子化合物を含有していてもよい。前記発光材料
が有機低分子の場合、真空蒸着法により、又は低分子と
結着樹脂を含む溶液もしくは分散液を塗布・乾燥するこ
とにより、良好な薄膜形成が可能であることが条件であ
る。好適には、有機低分子の場合、キレート型有機金属
錯体、多核又は縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、ク
マリン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、シロール誘
導体、オキサゾール誘導体、オキサチアゾール誘導体、
オキサジアゾール誘導体等が用いられ、高分子の場合、
ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレ
ン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導
体等が用いられる。前記発光材料の好適な具体例とし
て、下記の化合物(IV−1)〜化合物(IV−15)が
挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】また、有機EL素子の耐久性向上或いは発
光効率の向上を目的として、上記の発光材料中にゲスト
材料として、発光材料と異なる色素化合物をドーピング
してもよい。真空蒸着によって発光層を形成する場合、
共蒸着によってドーピングを行い、溶液又は分散液を塗
布・乾燥することにより発光層を形成する場合、溶液又
は分散液中に混合することでドーピングを行う。発光層
中における色素化合物のドーピングの割合としては0.
001〜40重量%程度、好ましくは0.001〜10
重量%程度である。このようなドーピングに用いられる
色素化合物としては、発光材料との相容性がよく、かつ
発光層の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が用いら
れ、好適には、DCM誘導体、キナクリドン誘導体、ル
ブレン誘導体、ポルフィリン等が挙げられる。前記色素
化合物の好適な具体例として、下記の化合物(V−1)
〜(V−4)が挙げられるが、これらに限られるもので
はない。
【0044】
【化12】
【0045】また、発光材料として、真空蒸着や溶液又
は分散液を塗布・乾燥することが可能であるが良好な薄
膜とならないものや、それ自体に明確な正孔輸送性を示
さないものを用いる場合には、有機EL素子の耐久性向
上或いは発光効率の向上を目的として、発光層3と透明
電極2との間に正孔輸送層を挿入してもよい。このよう
な正孔輸送層に使用される正孔輸送性化合物としては、
真空蒸着法により良好な薄膜形成が可能な有機化合物が
挙げられ、具体的には、例えば、トリフェニルアミン誘
導体、テトラフェニレンジアミン誘導体、、カルバゾー
ル誘導体、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導
体、ポルフィリン系化合物等が挙げられるが、なかでも
テトラフェニレンジアミン誘導体が正孔輸送性が高いこ
とから好ましい。
【0046】図2の有機EL素子の層構成の場合、キャ
リア輸送能を持つ発光層5は、少なくとも、前記一般式
(1)で表される単量体の少なくとも1種を用いて得ら
れる高分子化合物中に発光材料を50重量%以下分散さ
せた有機化合物層であり、該発光材料としては、前記化
合物(IV−1)ないし化合物(IV−15)が好適に用
いられる。また、有機EL素子に注入されるホールと電
子のバランスを調節するために正孔輸送材料を10〜5
0重量%分散させてもよく、或いはキャリア輸送能を持
つ発光層5と背面電極6との間に、正孔輸送材料よりな
る正孔輸送層を挿入してもよい。このような正孔輸送材
料としては、前記正孔輸送性化合物と同様の有機化合物
が用いられ、同様にホール移動度を調節するために、例
えばテトラフェニレンジアミン誘導体を適量同時に分散
させて用いてもよい。また、発光材料と異なる色素化合
物をドーピングしてもよい。
【0047】図1及び図2における背面電極6には、真
空蒸着可能で、電子注入を行うため仕事関数の小さな金
属が使用されるが、特に好ましくはマグネシウム、アル
ミニウム、銀、インジウム及びこれらの合金である。
【0048】これら本発明の有機EL素子において、前
記電子輸送層4は、前記一般式(1)で表される単量体
の少なくとも1種を用いて得られる高分子化合物、更に
必要に応じて、他の電子輸送材料、正孔輸送材料を用
い、また、前記キャリア輸送能を持つ発光層5は、前記
一般式(1)で表される単量体の少なくとも1種を用い
て得られる高分子化合物、発光材料、更に必要に応じ
て、色素化合物、他の電子輸送材料、正孔輸送材料を用
い、適切な有機溶媒に溶解或いは分散し、得られた塗布
液を用いて前記発光層3上あるいは透明電極2上に、デ
ィップコーティング法、スピンコーティング法等により
成膜することにより形成される。この際、コーティング
に使用する溶剤は、前記一般式(1)で表される単量体
の少なくとも1種を用いて得られる高分子化合物が溶解
し、発光層3は溶解しないものを選択することが好まし
い。そのような溶剤としては、例えば、THF、トルエ
ン、MEK、クロロベンゼン等が好ましく挙げられる。
【0049】また、前記発光層3は、発光材料、更に必
要に応じて、色素化合物、前記一般式(1)で表される
単量体の少なくとも1種を用いて得られる高分子化合
物、他の電子輸送材料、正孔輸送材料を用い、真空蒸
着、又は、適切な有機溶媒に溶解或いは分散し、得られ
た塗布液を用いて前記透明電極2上にスピンコーティン
グ法、キャスト法、ディップ法等を用いて成膜すること
によって形成される。
【0050】前記発光層3、電子輸送層4あるいはキャ
リア輸送能を持つ発光層5の膜厚は、0.03〜0.2
μmが好ましく、0.05〜0.1μmがより好まし
い。層厚が薄すぎるとピンホールを生じ、発光素子にお
いてダークスポットを発生し、層厚が厚すぎると内部抵
抗が上昇し、駆動電圧が大きくなる不具合が生じる。
【0051】更に、背面電極6を真空蒸着法により形成
する。また、素子の水分や酸素による劣化を防ぐために
保護層を設けてもよい。具体的な保護層の材料として
は、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al等の金
属、MgO、SiO2、TiO2等の金属酸化物、ポリエ
チレン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂
が挙げられる。保護層の形成には、真空蒸着法、スパッ
タリング法、プラズマ重合法、CVD法、コーティング
法が適用できる。本発明の有機EL素子は、一対の電極
間に、例えば、4〜20Vで、電流密度1〜200mA
/cm2の直流電圧を印加することによって発光させる
ことができる。
【0052】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。ま
ず、前記一般式(1)で表される単量体の合成例を示
す。 −合成例1(例示化合物(1)の合成)− ジクロロメタン30mlに、ピリジン3.00g(38
mmol)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル5.
00g(38mmol)及びヒドロキノン30mgを導
入し、窒素雰囲気中で氷冷し、5℃で撹拌しながら、ア
ントラキノン−2−カルボン酸クロリド9.00g(3
3mmol)を5〜15℃で少量ずつ添加した。添加終
了後、室温において4時間反応を行った後、反応生成液
を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル;酢酸エチル)を用いて精製することに
より、例示化合物(1)を6.23g得た。得られた例
示化合物(1)の融点は、128〜130℃であった。
また、その赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクト
ルは、下記の通りである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3452,
2956,1736,1720,1684,1636。1 HNMRスペクトル(CDCl3,300MHz,pp
m):8.8〜7.1(m,7H),6.1(s,1
H),5.4(s,1H),4.3〜4.5(m,4
H),1.9(s,3H)。
【0053】−合成例2(例示化合物(14)の合成)
− アクリル酸2−ヒドロキシエチル7.7ml(0.06
3mol)、ハイドロキノン0.08g及びピリジン1
0ml(0.12mol)を塩化メチレン70mlに溶
解し、氷冷約5℃で攪拌しながら、9−フルオレノン−
4−カルボン酸クロリド17.0g(0.070mo
l)を塩化メチレン250mlに溶解した溶液を約1時
間で滴下した。約5℃で2時間撹拌を続けた後、反応生
成物をヘキサン700mlで希釈し、カラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル;塩化メチレン/ヘキサン(1/
3〜1/2))に通して不純物を除去した後、その溶液
を減圧濃縮し、析出した緑黄色結晶を濾取、減圧乾燥す
ることにより、例示化合物(14)を15.2g(67
%)得た。得られた例示化合物(14)の融点は、10
5〜106℃であった。また、その赤外吸収スペクトル
及び核磁気共鳴スペクトルは、下記の通りである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3430,
2960,1720。1 HNMRスペクトル(CDCl3,300MHz,pp
m):8.3(d,1H),7.95(d,1H),
7.85(d,1H),7.7(d,1H),7.5
(t,1H),7.35(t,2H),6.45(d,
1H),6.2(q,1H),5.9(d,1H)。
【0054】−合成例3(例示化合物(15)の合成)
− 2−ヒドロキシ−9−フルオレノン2.07g(0.0
11mol)、ハイドロキノン0.01g及びピリジン
1.7ml(0.02mol)を塩化メチレン20ml
に溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しながら、メタクリル酸
クロリド1.55ml(0.016mol)を塩化メチ
レン10mlに溶解した溶液を約10分間かけて滴下し
た。約5℃で1時間撹拌を続けた後、反応生成物をヘキ
サン150mlで希釈し、カラムクロマトグラフィー
(シリカゲル;塩化メチレン/ヘキサン(1/4))に
通して不純物を除去した後、その溶液を減圧濃縮し、析
出した黄色結晶を濾取し、これを減圧乾燥することによ
り、例示化合物(15)を2.6g(93%)得た。得
られた例示化合物(15)の融点は、130〜133℃
であった。また、その赤外吸収スペクトル及び核磁気共
鳴スペクトルは、下記の通りである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3450,
2920,1732,1716。1 HNMRスペクトル(CDCl3,300MHz,pp
m):7.2〜7.7(m,7H),6.4(s,1
H),5.8(s,1H),2.1(s,3H)。
【0055】−合成例4(例示化合物(24)の合成)
− 1,8−オクタンジオール60ml及びピリジン10m
l(0.12mol)をジクロロメタン100mlに溶
解し、氷冷下約5℃で撹拌しながら、9−フルオレノン
−4−カルボン酸クロリド14.6gをジクロロメタン
250mlに溶解した溶液を約1時間かけて滴下した。
その後約5℃で30分間撹拌し、次いで室温で30分間
撹拌を続けた後、反応生成物をジクロロメタン300m
lで希釈し、5%炭酸カリウム水溶液500ml、1m
ol/l塩酸500ml、0.1mol/l塩酸500
ml、最後に1%炭酸カリウム水溶液500mlで順次
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、この
溶液をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロ
ロメタン/酢酸エチル(10/1))に通して不純物を
除去した後、その溶液を減圧濃縮し、ヘキサン500m
lを加えて、析出した結晶を濾取、減圧乾燥して、9−
フルオレノン−4−カルボン酸2−ヒドロキシオクチル
18.4gを得た。次に、上記で得られた9−フルオレ
ノン−4−カルボン酸2−ヒドロキシオクチル13.4
g(0.05mol)と、マロンニトリル4.0g
(0.06mol)及びピペリジン0.5mlをトルエ
ン300mlに溶解し、還流下(約110℃)で5時間
撹拌した。放冷後、その不溶物を濾過し、ジクロロメタ
ンで抽出し、その溶液を減圧濃縮した後、ヘキサン10
0mlを加え、析出した結晶を濾取、減圧乾燥して9−
ジシアノメチリデンフルオレン−4−カルボン酸2−ヒ
ドロキシオクチル8.3gを得た。
【0056】次に、上記で得られた9−ジシアノメチリ
デンフルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロキシオクチ
ル7.0g(0.026mol)を、20%塩化水素を
含むエタノール200mlを用いて加熱還流下10時間
加水分解反応を行い、その反応終了後、反応液を減圧下
に回収して、9−ジ(エトキシカルボニル)メチリデン
フルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロキシエチル6.
0gを得た。上記で得られた9−ジ(エトキシカルボニ
ル)メチリデンフルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロ
キシエチル5.0gと、ハイドロキノン0.05g及び
ピリジンペリジン4ml(0.05mol)をジクロロ
メタン250mlに溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しなが
ら、メタクリル酸クロリド2.2ml(0.023mo
l)をジクロロメタン20mlに溶解した溶液を約10
分かけて滴下した。約5℃で1時間撹拌を続けた後、反
応生成物をヘキサン1リットルで希釈し、この溶液をカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン
/ヘキサン(1/2))に通して不純物を除去した後、
橙色結晶を濾取、減圧乾燥することにより、例示化合物
(24)を4.5g得た。
【0057】次に、前記一般式(1)で表される単量体
を用いた高分子化合物の合成例を示す。 −合成例5(例示化合物(1)を用いた高分子化合物の
合成)− 合成例1で得られた例示化合物(1)1.00gをテト
ラヒドロフラン6.00gに溶解し、窒素置換した後、
アゾビスイソブチロニトリル5.00mgを添加し、6
0℃で48時間重合反応を行った。反応終了後、その反
応液をメタノール200mlに注ぎ、析出した固形物を
濾過、乾燥した後、固形物をテトラヒドロフラン20m
lに再度溶解してメタノール200ml中に注入し、析
出した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、例示化
合物(1)を用いた高分子化合物0.98gを得た。得
られた高分子化合物の分子量をGPC(THF移動層)
により測定したところ、その重量平均分子量は10万5
千であった。
【0058】−合成例6(例示化合物(14)を用いた
高分子化合物の合成)− 合成例2で得られた例示化合物(14)2.00g及び
メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.00gをテト
ラヒドロフラン25mlに溶解し、窒素置換した後、ア
ゾビスイソブチロニトリル20.00mgを添加し、6
0℃で48時間重合反応を行った。反応終了後、メタノ
ール200ml中に注ぎ、析出した固形物を濾過、乾燥
した後、その固形物をテトラヒドロフラン20.00g
に再度溶解してメタノール200ml中に注入し、析出
した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、例示化合
物(14)を用いた高分子化合物3.98gを得た。得
られた高分子化合物の分子量をGPC(クロロホルム移
動層)により測定したところ、その重量平均分子量は1
5万であった。
【0059】−合成例7(例示化合物(24)を用いた
高分子化合物の合成)− 合成例4で得られた例示化合物(24)2.00g及び
メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.00gをNM
P(N−メチルピペリジン)15.00gに溶解し、窒
素置換した後、アゾビスイソブチロニトリル15.00
mgを加えて、60℃で48時間重合反応を行った。反
応終了後、メタノール200ml中に注ぎ、析出した固
形物を濾過、乾燥した後、その固形物をNMP20.0
0gに再度溶解してメタノール200ml中に注入し、
析出した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、例示
化合物(24)を用いた高分子化合物3.98gを得
た。得られた高分子化合物の分子量をGPC(クロロホ
ルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子
量は21万であった。
【0060】−合成例8(例示化合物(1)を用いた高
分子化合物の合成)− 合成例1で得られた例示化合物(1)1.00g及びメ
タクリル酸メチルエステル1.00gをテトラヒドロフ
ラン6.00gに溶解し、窒素置換した後、アゾビスイ
ソブチロニトリル5.00mgを添加し、60℃で48
時間重合反応を行った。反応終了後、その反応液をメタ
ノール200ml中に注ぎ、析出した固形物を濾過、乾
燥した後、固形物をテトラヒドロフラン20.00gに
再度溶解してメタノール200ml中に注入し、析出し
た固形物を濾過、減圧乾燥することにより、例示化合物
(1)を用いた高分子化合物0.98gを得た。得られ
た高分子化合物の分子量をGPC(THF移動層)によ
り測定したところ、その重量平均分子量は15万5千で
あった。
【0061】次に、上記高分子化合物(電子輸送材料)
を用いた有機EL素子の作製例を述べる。 (実施例1)2mm幅の短冊型ITO電極をエッチング
により形成したガラス基板上に、正孔輸送材料として下
記構造式(VI)で表される化合物により、膜厚約0.1
μmの正孔輸送層を真空蒸着により形成した。次に、発
光材料として昇華精製した前記例示化合物(IV−1)を
タングステンボートに入れ、真空蒸着法により蒸着し
て、正孔輸送層上に膜厚0.05μmの発光層を形成し
た。この時の真空度は1.33×10-3Pa、ボート温
度は300℃であった。次に、前記合成例5で合成した
高分子化合物(例示化合物(1)を用いた高分子化合
物)の5重量%トルエン溶液を調製し、0.1μmのポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾
過した溶液を用いて前記発光層上にスピンコーティング
法により約0.2μmの電子輸送層を形成した。更に、
背面電極としてMg−Ag合金を共蒸着により2mm
幅、0.15μm厚でITO電極と交差するように形成
した。作製した有機EL素子の有効面積は0.04cm
2であった。
【0062】
【化13】
【0063】(実施例2)実施例1で用いた高分子化合
物(例示化合物(1)を用いた高分子化合物)1重量
部、発光材料として前記例示化合物(IV−1)1重量部
を混合し、10重量%トルエン溶液を調製し、0.1μ
mのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用い
て、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形
成したガラス基板上に、ディップ法により塗布して膜厚
0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成し
た。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により
蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をIT
O電極と交差するように形成した。作製した有機EL素
子の有効面積は0.04cm2であった。
【0064】(実施例3)実施例1で用いた高分子化合
物(例示化合物(1)を用いた高分子化合物)2重量
部、発光材料として前記例示化合物(IV−1)0.1重
量部を混合し、10重量%トルエン溶液を調製し、0.
1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用
いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより
形成したガラス基板上に、ディップ法により塗布して膜
厚0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成し
た。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により
蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をIT
O電極と交差するように形成した。作製した有機EL素
子の有効面積は0.04cm2であった。
【0065】(実施例4)実施例1において、前記合成
例5で合成した高分子化合物(例示化合物(1)を用い
た高分子化合物)の代わりに、前記合成例6で合成した
高分子化合物(例示化合物(14)を用いた高分子化合
物)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素
子を作製した。
【0066】(実施例5)実施例2において、前記合成
例5で合成した高分子化合物(例示化合物(1)を用い
た高分子化合物)の代わりに、前記合成例8で合成した
高分子化合物(例示化合物(1)を用いた高分子化合
物)を用いた以外は、実施例2と同様にして有機EL素
子を作製した。
【0067】(実施例6)実施例3において、前記合成
例5で合成した高分子化合物(例示化合物(1)を用い
た高分子化合物)の代わりに、前記合成例7で合成した
高分子化合物(例示化合物(24)を用いた高分子化合
物)を用い、溶液を塗布後、熱架橋を加えるため窒素気
流中で120℃に加熱処理した以外は、実施例3と同様
にして有機EL素子を作製した。
【0068】(比較例1)電子輸送材料として下記構造
式(VII)で表される化合物1重量部、発光材料として
前記例示化合物(IV−1)1重量部、結着樹脂としてポ
リメチルメタクリレート(PMMA)1重量部を混合
し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μ
mのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用い
て、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形
成したガラス基板上に、ディップ法により塗布して膜厚
0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成し
た。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により
蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をIT
O電極と交差するように形成した。作製した有機EL素
子の有効面積は0.04cm2であった。
【0069】
【化14】
【0070】(比較例2)正孔輸送性ポリエステルとし
てポリビニルカルバゾール(PVK)2重量部、色素化
合物として前記例示化合物(V−1)0.1重量部、電
子輸送材料として前記構造式(VII)で表される化合物
1重量部を混合し、10重量%ジクロロエタン溶液を調
製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。こ
の溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチ
ングにより形成したガラス基板上に、ディップ法により
塗布して膜厚0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光
層を形成した。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共
蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面
電極をITO電極と交差するように形成した。作製した
有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0071】<評価>以上のように作製した有機EL素
子を、真空中(0.133Pa)でITO電極側をプラ
ス(陽極)、Mg−Ag背面電極をマイナス(陰極)と
して直流電圧を印加し、発光について測定を行い、この
ときの最高輝度、及び発光色を評価した。それらの結果
を下記表6に示す。また、乾燥窒素中で有機EL素子の
発光寿命の測定を行った。発光寿命の評価は、初期輝度
が50cd/m2となるように電流値を設定し、定電流
駆動により輝度が初期値から半減するまでの時間を素子
寿命(hour)とした。この時の駆動電流密度を素子
寿命と共に下記表6に示す。
【0072】
【表6】
【0073】表6の結果から、前記一般式(1)で表さ
れる単量体を用いて得られた高分子化合物を用いた実施
例1〜7の本発明の有機EL素子は、高輝度であり、素
子寿命が長いことがわかる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、優れた電子移動性を有
する新しい電子輸送材料を用い、発光強度が大きいと共
に、繰り返し使用しても安定した性能を発揮し、製造が
容易な有機EL素子を提供することができる。また、本
発明によれば、スピンコーティング法、ディップ法等を
用いてピンホール等の不良も少なく、大面積化も容易で
良好な薄膜を形成することが可能であり、製造コストの
面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面
図である。
【図2】 本発明の有機EL素子の他の一例を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁体基板 2 透明電極 3 発光層(有機化合物層) 4 電子輸送層(有機化合物層) 5 キャリア輸送能を持つ発光層(有機化合物層) 6 背面電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米山 博人 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 関 三枝子 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 真下 清和 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 廣瀬 英一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 佐藤 克洋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 今井 彰 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 山本 保夫 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 杉崎 裕 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB11 AB18 BA06 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 4J100 AB02Q AC03Q AG04Q AL03Q AL08P AL08Q AL09Q AL10Q AL91P AM02Q AM03P AM10P AS02Q AU21P BA11P BA12P BA14P BA15P BA20P BA40P BA41P BA77Q BB01P BB03P BB07P BC43P BC48P BC65P BC66P JA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明又は半透明である
    陽極及び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の
    有機化合物層が挾持されてなる有機電界発光素子におい
    て、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式
    (1)で表される単量体の少なくとも1種を用いて得ら
    れた高分子化合物を1種以上含有することを特徴とする
    有機電界発光素子。 【化1】 (一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表
    し、Aは下記一般式(2)〜(6)で示される基から選
    択されるいずれかの基を表す。) 【化2】 (一般式(2)〜(6)中、Xは、酸素原子、C(C
    N)2、C(CN)COOR2、又はC(COOR2
    (COOR3)を表し、Yは、酸素原子又は−COO
    (CH2nO−を表す。R2及びR3は、それぞれ独立
    に、アルキル基又はアリール基を表し、R4及びR5は、
    それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロゲン原
    子、ニトロ基、アシル基又はシアノ基を表す。Wは、−
    (CH2nO−又は−Ar−(R)k−COO(CH2
    nO−(但し、Arはアリーレン基を表し、Rはアルキ
    レン基を表し、kは0又は1を表す。)、Zは、アルキ
    ル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基
    又はシアノ基を表す。nは1〜20の整数を表し、m及
    びlは、それぞれ独立に、0〜2の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記高分子化合物が、一般式(1)で表
    される単量体と、その他の単量体との共重合体である請
    求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 前記その他の単量体が、架橋性単量体で
    ある請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 透明電極上に、前記有機化合物層とし
    て、一般式(1)で表される単量体の少なくとも1種を
    用いて得られた高分子化合物を1種以上含有する電子輸
    送層と、発光層とをこの順に有する請求項1から3のい
    ずれかに記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 前記有機化合物層が単層である請求項1
    から3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  6. 【請求項6】 前記有機化合物層が、発光材料、正孔輸
    送材料、及び電子輸送材料の少なくとも1種を含有する
    請求項5に記載の有機電界発光素子。
JP2000259023A 2000-08-29 2000-08-29 有機電界発光素子 Pending JP2002075646A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000259023A JP2002075646A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 有機電界発光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000259023A JP2002075646A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 有機電界発光素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002075646A true JP2002075646A (ja) 2002-03-15

Family

ID=18747247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000259023A Pending JP2002075646A (ja) 2000-08-29 2000-08-29 有機電界発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002075646A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003255543A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Shuku Hyun Lee 光微細加工及び多機能センサ用感光性高分子及びこれを含む感光性樹脂組成物
JP2008091175A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Seiko Epson Corp 有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP2012190545A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Waseda Univ ジシアノアントラキノンジイミンポリマー、電荷貯蔵材料、電極活物質、電極及び電池

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003255543A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Shuku Hyun Lee 光微細加工及び多機能センサ用感光性高分子及びこれを含む感光性樹脂組成物
JP2008091175A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Seiko Epson Corp 有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
US7932668B2 (en) 2006-09-29 2011-04-26 Seiko Epson Corporation Organic electroluminescence device and method of manufacturing organic electroluminescence device
JP2012190545A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Waseda Univ ジシアノアントラキノンジイミンポリマー、電荷貯蔵材料、電極活物質、電極及び電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7101632B2 (en) Cyclocondensed polycyclic hydrocarbon compound and light-emitting device using the same
JP5351124B2 (ja) 新規ヘテロ環化合物、発光素子材料及び発光素子
US7160634B2 (en) Vinyl polymer and organic electroluminescent device
JP3788676B2 (ja) 有機エレクトロルミネツセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネツセンス素子
KR101030553B1 (ko) 유기 전계 발광 소자 및 표시 장치
JP2002255934A (ja) 新規化合物、その重合体、それらを利用した発光素子材料およびその発光素子
JP4686011B2 (ja) 新規ヘテロ環化合物、発光素子材料およびそれを使用した発光素子
JP2002075654A (ja) 有機電界発光素子
JP2009238779A (ja) 有機電界発光素子およびその表示媒体
JP4883032B2 (ja) 有機電界発光素子及び表示媒体
JP3296147B2 (ja) トリフェニルアミン重合体、その製造方法及び用途
JP4314771B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3550741B2 (ja) カルバゾール誘導体とアントラセン誘導体との共重合体を用いた電界発光素子
JP2001284052A (ja) 有機発光素子
JPH0820614A (ja) 共重合体、その製造法及びそれを用いた発光素子
JP4321808B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子および表示用パネル
JP2002075646A (ja) 有機電界発光素子
JP4518167B2 (ja) 有機電界発光素子及び表示媒体
JP3569993B2 (ja) オキサジアゾール重合体
US6514633B1 (en) Light emitting device material, light emitting device using thereof, and amine compound
JP5526521B2 (ja) カルバゾール化合物、カルバゾリル基含有ポリエステル、塗膜用組成物、有機電界発光素子、及び表示媒体
JP4321012B2 (ja) 有機電界発光素子
US20080018240A1 (en) Organic electroluminescent device, production method thereof, and image display medium
JP3965893B2 (ja) 有機電界発光素子
JP2002260863A (ja) 有機電界発光素子