JP2002075347A - 水素吸蔵合金 - Google Patents
水素吸蔵合金Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 物性を特定することによって、微粉化特性及
び水素吸蔵特性に優れると共に、良好な出力特性及び保
存特性を有する水素吸蔵合金を提供する。 【解決手段】 水素固溶体相(α相)と水素化相(β
相)の共存領域において、β相の単位吸蔵量当たりの体
積膨張率(△VH =V/H/ M)が4以下であり、かつ
H/ M=0(水素を吸蔵しない状態)に対するH/ M=
0.5、0.8でのβ相の体積膨張率が、それぞれ11
%未満、15%未満であることを特徴とする水素吸蔵合
金。
び水素吸蔵特性に優れると共に、良好な出力特性及び保
存特性を有する水素吸蔵合金を提供する。 【解決手段】 水素固溶体相(α相)と水素化相(β
相)の共存領域において、β相の単位吸蔵量当たりの体
積膨張率(△VH =V/H/ M)が4以下であり、かつ
H/ M=0(水素を吸蔵しない状態)に対するH/ M=
0.5、0.8でのβ相の体積膨張率が、それぞれ11
%未満、15%未満であることを特徴とする水素吸蔵合
金。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金に関
し、詳しくは微粉化特性及び水素吸蔵特性(PCT特
性)に優れ、しかも電池特性として重要な、初期活性に
優れるばかりか、電動工具等の高出力特性やハイブリッ
ド電気自動車用途の低温特性が良好な水素吸蔵合金に関
する。
し、詳しくは微粉化特性及び水素吸蔵特性(PCT特
性)に優れ、しかも電池特性として重要な、初期活性に
優れるばかりか、電動工具等の高出力特性やハイブリッ
ド電気自動車用途の低温特性が良好な水素吸蔵合金に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
ニッケル−カドミウム蓄電池に代わる高容量アルカリ蓄
電池として、水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル−水
素蓄電池(二次電池)が注目されている。この水素吸蔵
合金は、現在では希土類系の混合物であるMm(ミッシ
ュメタル)とNi、Al、Mn、Coとの5元素の水素
吸蔵合金が汎用されている。
ニッケル−カドミウム蓄電池に代わる高容量アルカリ蓄
電池として、水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル−水
素蓄電池(二次電池)が注目されている。この水素吸蔵
合金は、現在では希土類系の混合物であるMm(ミッシ
ュメタル)とNi、Al、Mn、Coとの5元素の水素
吸蔵合金が汎用されている。
【0003】このMm−Ni−Mn−Al−Co合金
は、La系のそれに比べて比較的安価な材料で負極を構
成でき、サイクル寿命が長く、過充電時の発生ガスによ
る内圧上昇が少ない密閉型ニッケル水素蓄電池を得るこ
とができることから、電極材料として広く用いられてい
る。
は、La系のそれに比べて比較的安価な材料で負極を構
成でき、サイクル寿命が長く、過充電時の発生ガスによ
る内圧上昇が少ない密閉型ニッケル水素蓄電池を得るこ
とができることから、電極材料として広く用いられてい
る。
【0004】また、ミッシュメタル、ニッケル以外の合
金組成及びその含有割合について多数提案がなされてい
る。しかし、いずれも合金組成及びその含有割合から水
素吸蔵合金の特性を改善するしようとするものであり、
水素吸蔵合金の有する物性に着目して、その特性を改善
するものではなかった。
金組成及びその含有割合について多数提案がなされてい
る。しかし、いずれも合金組成及びその含有割合から水
素吸蔵合金の特性を改善するしようとするものであり、
水素吸蔵合金の有する物性に着目して、その特性を改善
するものではなかった。
【0005】従って、本発明の目的は、物性を特定する
ことによって、微粉化特性及び水素吸蔵特性に優れると
共に、良好な出力特性及び保存特性を有する水素吸蔵合
金を提供することにある。
ことによって、微粉化特性及び水素吸蔵特性に優れると
共に、良好な出力特性及び保存特性を有する水素吸蔵合
金を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の研究
を重ねた結果、水素固溶体相(α相)と水素化物相(β
相)の2相混合領域において、体積膨張の小さい水素吸
蔵合金が上記目的を達成し得ることを知見した。
を重ねた結果、水素固溶体相(α相)と水素化物相(β
相)の2相混合領域において、体積膨張の小さい水素吸
蔵合金が上記目的を達成し得ることを知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、水素固溶体相(α相)と水素化相(β相)の共存領
域において、β相の単位吸蔵量当たりの体積膨張率(△
VH=V/H/ M)が4以下であり、かつH/ M=0
(水素を吸蔵しない状態)に対するH/ M=0.5、
0.8でのβ相の体積膨張率が、それぞれ11%未満、
15%未満であることを特徴とする水素吸蔵合金を提供
するものである。
で、水素固溶体相(α相)と水素化相(β相)の共存領
域において、β相の単位吸蔵量当たりの体積膨張率(△
VH=V/H/ M)が4以下であり、かつH/ M=0
(水素を吸蔵しない状態)に対するH/ M=0.5、
0.8でのβ相の体積膨張率が、それぞれ11%未満、
15%未満であることを特徴とする水素吸蔵合金を提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0009】図1は、水素吸蔵合金の典型的な組成等温
線図である。図1において、縦軸はは一定温度(T)に
おける気体水素の平衡圧(P)を示し、横軸は金属中の
水素濃度で、金属原子M一個当たりの水素原子Hの量
(H/ M)を示している。
線図である。図1において、縦軸はは一定温度(T)に
おける気体水素の平衡圧(P)を示し、横軸は金属中の
水素濃度で、金属原子M一個当たりの水素原子Hの量
(H/ M)を示している。
【0010】一定温度(T)に保ったまま水素圧力を上
げていくと、金属中に水素が溶解し、H/ Mは曲線AB
にそって増大する。AB間では金属内に水素原子が溶解
し固溶体を生成する。水素の固溶した金属相をα相と呼
び、α相ではジーベルトの法則に従って固溶した水素量
は圧力の平方根に比例する。水素組成がB点に達する
と、α相が水素ガスと反応して水素化物相、β相が生成
され始め、金属は水素を吸蔵し、水素吸蔵量が増大す
る。C点に達するとα相は全てβ相に変わる。C点を過
ぎるとβ相に水素が固溶するγ相の単相領域となる。こ
のようにα相とβ相の二つが共存する組成範囲があり、
その範囲内では定温条件で平衡水素圧が一定となる。こ
のような等温線の水平な部分(BC間)をプラトーと呼
ぶ。
げていくと、金属中に水素が溶解し、H/ Mは曲線AB
にそって増大する。AB間では金属内に水素原子が溶解
し固溶体を生成する。水素の固溶した金属相をα相と呼
び、α相ではジーベルトの法則に従って固溶した水素量
は圧力の平方根に比例する。水素組成がB点に達する
と、α相が水素ガスと反応して水素化物相、β相が生成
され始め、金属は水素を吸蔵し、水素吸蔵量が増大す
る。C点に達するとα相は全てβ相に変わる。C点を過
ぎるとβ相に水素が固溶するγ相の単相領域となる。こ
のようにα相とβ相の二つが共存する組成範囲があり、
その範囲内では定温条件で平衡水素圧が一定となる。こ
のような等温線の水平な部分(BC間)をプラトーと呼
ぶ。
【0011】本発明の水素吸蔵合金は、このα相領域に
おいて、a軸とc軸の長さの変化が等方性であることが
望ましい。このように、a軸とc軸の長さの変化が等方
性であることによって、出力あるいは吸蔵速度が速く、
充電受け入れ性が高いばかりか、合金の微粉化特性に優
れる。ここでいう等方性とは、水素吸蔵あるいは脱蔵時
のa軸及びc軸の変化が一様であることをいう。
おいて、a軸とc軸の長さの変化が等方性であることが
望ましい。このように、a軸とc軸の長さの変化が等方
性であることによって、出力あるいは吸蔵速度が速く、
充電受け入れ性が高いばかりか、合金の微粉化特性に優
れる。ここでいう等方性とは、水素吸蔵あるいは脱蔵時
のa軸及びc軸の変化が一様であることをいう。
【0012】また、本発明の水素吸蔵合金は、α相とβ
相の2相共存領域において、β相の単位吸蔵量当たりの
体積膨張率(△VH =V/H/ M)が4以下である。こ
の体積膨張率が4を超えると、特にハイブリッド電気自
動車(HEV)や電動工具等の用途のように、良好な急
速充放電特性が要求される使用の場合、水素の吸蔵ある
いは貯蔵時に、格子体積の膨張収縮により、合金が微粉
化する度合いが大きくなる。さらには、水素吸蔵時に
は、体積膨張のための必要なエネルギーが余分に必要で
あり、速度論的にも不利である。
相の2相共存領域において、β相の単位吸蔵量当たりの
体積膨張率(△VH =V/H/ M)が4以下である。こ
の体積膨張率が4を超えると、特にハイブリッド電気自
動車(HEV)や電動工具等の用途のように、良好な急
速充放電特性が要求される使用の場合、水素の吸蔵ある
いは貯蔵時に、格子体積の膨張収縮により、合金が微粉
化する度合いが大きくなる。さらには、水素吸蔵時に
は、体積膨張のための必要なエネルギーが余分に必要で
あり、速度論的にも不利である。
【0013】また、本発明の水素吸蔵合金は、H/ M=
0(水素を吸蔵しない状態)に対するH/ M=0.5、
0.8でのβ相の体積膨張率が、それぞれ11%未満、
15%未満であることが必要である。体積膨張率が、こ
れらの値を超えると、水素吸蔵及び脱蔵時の微粉化が顕
著になり、電池特性の著しい劣化が起こる。
0(水素を吸蔵しない状態)に対するH/ M=0.5、
0.8でのβ相の体積膨張率が、それぞれ11%未満、
15%未満であることが必要である。体積膨張率が、こ
れらの値を超えると、水素吸蔵及び脱蔵時の微粉化が顕
著になり、電池特性の著しい劣化が起こる。
【0014】このようなα相領域におけるa軸とc軸の
長さの変化やα相とβ相の混相領域における体積膨張率
及びa軸及びc軸の長さの変化は、In−situX線
回折によって測定される。
長さの変化やα相とβ相の混相領域における体積膨張率
及びa軸及びc軸の長さの変化は、In−situX線
回折によって測定される。
【0015】本発明の水素吸蔵合金の組成は、特に制限
されないが、ABx で表された時に、Aは希土類元素、
特にミッシュメタル(Mm)が好ましく、Bはニッケ
ル、マンガン、アルミニウム、コバルト、もしくはこれ
に加えて鉄、銅等の他の元素を含有するものが好まし
い。また、xは、4.90<x<5.45の範囲、さら
に好ましくは5.00<x<5.45のBサイトリッチ
である非化学量論組成にあるものが望ましい。
されないが、ABx で表された時に、Aは希土類元素、
特にミッシュメタル(Mm)が好ましく、Bはニッケ
ル、マンガン、アルミニウム、コバルト、もしくはこれ
に加えて鉄、銅等の他の元素を含有するものが好まし
い。また、xは、4.90<x<5.45の範囲、さら
に好ましくは5.00<x<5.45のBサイトリッチ
である非化学量論組成にあるものが望ましい。
【0016】次に、本発明の水素吸蔵合金の製造方法に
ついて説明する。先ず、特定の合金組成となるように、
水素吸蔵合金原料を秤量、混合し、例えば誘導加熱によ
る高周波加熱溶解炉を用いて、上記水素吸蔵合金原料を
溶解して溶湯となす、これを鋳型、例えば水冷型の鋳型
に流し込んで水素吸蔵合金を鋳造する。
ついて説明する。先ず、特定の合金組成となるように、
水素吸蔵合金原料を秤量、混合し、例えば誘導加熱によ
る高周波加熱溶解炉を用いて、上記水素吸蔵合金原料を
溶解して溶湯となす、これを鋳型、例えば水冷型の鋳型
に流し込んで水素吸蔵合金を鋳造する。
【0017】次に、得られた水素吸蔵合金を不活性ガス
雰囲気中、例えばアルゴンガス中で熱処理する。このよ
うな熱処理を行うのは、鋳造された合金の組織には通常
Mn主体の微細な粒界偏析が認められるが、これを加熱
することによって均質化するためである。
雰囲気中、例えばアルゴンガス中で熱処理する。このよ
うな熱処理を行うのは、鋳造された合金の組織には通常
Mn主体の微細な粒界偏析が認められるが、これを加熱
することによって均質化するためである。
【0018】このようにして得られた水素吸蔵合金は、
粗粉砕、微粉砕後、酸又はアルカリ、あるいはその他の
方法によって表面処理が施され、高出力用アルカリ蓄電
池の負極として好適に用いられる。かかるアルカリ蓄電
池は、初期特性や低温高出力特性が良好で、合金の微粉
化による負極の劣化が抑制され、サイクル寿命の長いも
のとなる。
粗粉砕、微粉砕後、酸又はアルカリ、あるいはその他の
方法によって表面処理が施され、高出力用アルカリ蓄電
池の負極として好適に用いられる。かかるアルカリ蓄電
池は、初期特性や低温高出力特性が良好で、合金の微粉
化による負極の劣化が抑制され、サイクル寿命の長いも
のとなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例等に基づき具体的に説
明する。
明する。
【0020】[実施例1及び比較例1〜3]上記のよう
な製造方法によって、水素吸蔵合金A(実施例1)、水
素吸蔵合金B(比較例1)、水素吸蔵合金C(比較例
2)及び水素吸蔵合金D(比較例3)を調製した。
な製造方法によって、水素吸蔵合金A(実施例1)、水
素吸蔵合金B(比較例1)、水素吸蔵合金C(比較例
2)及び水素吸蔵合金D(比較例3)を調製した。
【0021】水素吸蔵合金A;MmNi4.07Mn0.36A
l0.32Co0.40 水素吸蔵合金B;MmNi3.55Mn0.40Al0.30Co
0.75 水素吸蔵合金C;MmNi3.95Mn0.45Al0.30Co
0.40 水素吸蔵合金D;LaNi5
l0.32Co0.40 水素吸蔵合金B;MmNi3.55Mn0.40Al0.30Co
0.75 水素吸蔵合金C;MmNi3.95Mn0.45Al0.30Co
0.40 水素吸蔵合金D;LaNi5
【0022】(物性及び特性評価)上記水素吸蔵合金A
〜Dについて、下記条件によりIn−situX線回折
を行い、体積膨張変化、軸長変化及びPCT特性を評価
した。 (1)初期活性化:試料を粉砕後、水素吸放出反応を3
回繰り返す(最後は0.3MPa)。 (2)In−situX線回折装置に搭載後、再び活性
化:水素吸放出反応を2回繰り返す。 (3)脱水素化(熱処理):200℃、2時間、1Pa
以下の条件で行う。その後、室温において5×10-4P
a以下になるまで行う。 (4)In−situX線回折測定条件:32±2℃。
〜Dについて、下記条件によりIn−situX線回折
を行い、体積膨張変化、軸長変化及びPCT特性を評価
した。 (1)初期活性化:試料を粉砕後、水素吸放出反応を3
回繰り返す(最後は0.3MPa)。 (2)In−situX線回折装置に搭載後、再び活性
化:水素吸放出反応を2回繰り返す。 (3)脱水素化(熱処理):200℃、2時間、1Pa
以下の条件で行う。その後、室温において5×10-4P
a以下になるまで行う。 (4)In−situX線回折測定条件:32±2℃。
【0023】実施例1及び比較例1〜2の水素吸蔵合金
の水素組成に対する体積変化を図2〜4にそれぞれ示
す。また、実施例1及び比較例1〜2の水素吸蔵合金の
水素組成に対する軸長(a軸及びc軸)変化を図5〜7
にそれぞれ示す。さらに、実施例1及び比較例1〜2の
水素吸蔵合金のPCT特性を図8〜10をそれぞれ示
す。
の水素組成に対する体積変化を図2〜4にそれぞれ示
す。また、実施例1及び比較例1〜2の水素吸蔵合金の
水素組成に対する軸長(a軸及びc軸)変化を図5〜7
にそれぞれ示す。さらに、実施例1及び比較例1〜2の
水素吸蔵合金のPCT特性を図8〜10をそれぞれ示
す。
【0024】(特性評価)図2〜4に示したそれぞれの
図で、2相共存領域におけるβ相の単位吸蔵量当たりの
体積膨張率(△VH )、及びH/ M=0.5、0.8で
のβ相の体積膨張率(VH(0.5)、VH(0.8))、出力特
性、電極寿命、微粉化残存率をそれぞれ下記に基づいて
測定した。結果を表1に示す。
図で、2相共存領域におけるβ相の単位吸蔵量当たりの
体積膨張率(△VH )、及びH/ M=0.5、0.8で
のβ相の体積膨張率(VH(0.5)、VH(0.8))、出力特
性、電極寿命、微粉化残存率をそれぞれ下記に基づいて
測定した。結果を表1に示す。
【0025】<△VH 、VH(0.5)、VH(0.8)> (1)△VH In situ XRDで得られた格子体積で、αとβ
の2相混合領域において、H/ M=0.5近傍のβ相の
単位吸蔵量当たりの体積膨張率として計算した。 (2)VH(0.5)、VH(0.8) In situ XRDで得られた格子体積で、水素を
吸蔵しない状態に対するβ相のそれぞれH/ M=0.
5、0.8での体積膨張率として計算した。
の2相混合領域において、H/ M=0.5近傍のβ相の
単位吸蔵量当たりの体積膨張率として計算した。 (2)VH(0.5)、VH(0.8) In situ XRDで得られた格子体積で、水素を
吸蔵しない状態に対するβ相のそれぞれH/ M=0.
5、0.8での体積膨張率として計算した。
【0026】(電極セルの作製)粒度22〜53ミクロ
ンに調整した水素吸蔵合金粉末を、導電材及び結合材と
共に所定量混合し、得られた混合粉をプレスしてペレッ
ト電極を作製し、負極とした。このペレット負極を、十
分な容量の正極(焼結式水酸化ニッケル)でセパレータ
を間にして挟み込み、比重1.30のKOH水溶液中に
浸漬させモデルセルを作製した。 (充放電条件の設定) 1)出力特性 ・充電0.2C−130%;放電1C−0.7Vカット ・温度:0℃ 2)寿命試験 ・充電2C/3−1h;放電2C/3−1h ・サイクル:100サイクル
ンに調整した水素吸蔵合金粉末を、導電材及び結合材と
共に所定量混合し、得られた混合粉をプレスしてペレッ
ト電極を作製し、負極とした。このペレット負極を、十
分な容量の正極(焼結式水酸化ニッケル)でセパレータ
を間にして挟み込み、比重1.30のKOH水溶液中に
浸漬させモデルセルを作製した。 (充放電条件の設定) 1)出力特性 ・充電0.2C−130%;放電1C−0.7Vカット ・温度:0℃ 2)寿命試験 ・充電2C/3−1h;放電2C/3−1h ・サイクル:100サイクル
【0027】<出力特性>初期活性化後、上記条件によ
り0℃、1Cでの低温ハイレートでの放電容量を測定し
た。
り0℃、1Cでの低温ハイレートでの放電容量を測定し
た。
【0028】<電極寿命>上記寿命試験後、充電0.2
C−130%、放電0.2C−0.7Vカット時の放電
容量を測定し、活性化後の初期放電容量に対する比を残
存容量として評価した。
C−130%、放電0.2C−0.7Vカット時の放電
容量を測定し、活性化後の初期放電容量に対する比を残
存容量として評価した。
【0029】<微粉化残存率>PCT装置で、粒度22
〜53ミクロンに調整した水素吸蔵合金に、30bar
の水素ガスを導入して水素を吸蔵させ、その後脱蔵排気
する処理を500回繰り返した後、サイクル試験前の平
均粒度に対するサイクル試験後の平均粒度の比で計算し
た。
〜53ミクロンに調整した水素吸蔵合金に、30bar
の水素ガスを導入して水素を吸蔵させ、その後脱蔵排気
する処理を500回繰り返した後、サイクル試験前の平
均粒度に対するサイクル試験後の平均粒度の比で計算し
た。
【0030】
【表1】
【0031】図2〜4及び表1の結果から明らかなよう
に、実施例1は、α相とβ相の共存領域において体積変
化△VH が小さく、それに伴って出力特性も良好であ
る。加えて、VH が比較例に対して小さく、寿命特性が
良好であり、微粉化残存率も高い。これに対して、比較
例1〜2は、△VH 、VH が大きく、その結果、出力特
性が良好でなく、微粉化特性が損なわれる。比較例3
は、△VH が小さく出力特性に優れているものの、VH
が大きく寿命、微粉化特性が損なわれる。
に、実施例1は、α相とβ相の共存領域において体積変
化△VH が小さく、それに伴って出力特性も良好であ
る。加えて、VH が比較例に対して小さく、寿命特性が
良好であり、微粉化残存率も高い。これに対して、比較
例1〜2は、△VH 、VH が大きく、その結果、出力特
性が良好でなく、微粉化特性が損なわれる。比較例3
は、△VH が小さく出力特性に優れているものの、VH
が大きく寿命、微粉化特性が損なわれる。
【0032】また、図5〜7の結果から明らかなよう
に、実施例1は、α相の領域においてa軸とc軸の変化
が等方性であり、α相とβ相の共存領域においてa軸と
c軸の変化が殆どない。これに対して、比較例1〜2
は、α相の領域においてa軸とc軸の変化が異方性であ
り、α相とβ相の共存領域においてa軸とc軸の変化が
大きく、増加している(図6及び7参照)。
に、実施例1は、α相の領域においてa軸とc軸の変化
が等方性であり、α相とβ相の共存領域においてa軸と
c軸の変化が殆どない。これに対して、比較例1〜2
は、α相の領域においてa軸とc軸の変化が異方性であ
り、α相とβ相の共存領域においてa軸とc軸の変化が
大きく、増加している(図6及び7参照)。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水素吸蔵
合金は、特定の物性を有することによって、微粉化特性
及び水素吸蔵特性に優れると共に、良好な出力特性及び
保存特性を有する。
合金は、特定の物性を有することによって、微粉化特性
及び水素吸蔵特性に優れると共に、良好な出力特性及び
保存特性を有する。
【図1】図1は、水素吸蔵合金の典型的な組成等温線図
である。
である。
【図2】図2は、実施例1の水素組成に対する体積変化
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図3】図3は、比較例1の水素組成に対する体積変化
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】図4は、比較例2の水素組成に対する体積変化
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例1の水素組成に対する軸長(a
軸及びc軸)変化を示すグラフである。
軸及びc軸)変化を示すグラフである。
【図6】図6は、比較例1の水素組成に対する軸長(a
軸及びc軸)変化を示すグラフである。
軸及びc軸)変化を示すグラフである。
【図7】図7は、比較例2の水素組成に対する軸長(a
軸及びc軸)変化を示すグラフである。
軸及びc軸)変化を示すグラフである。
【図8】図8は、実施例1のPCT特性を示すグラフで
ある。
ある。
【図9】図9は、比較例1のPCT特性を示すグラフで
ある。
ある。
【図10】図10は、比較例2のPCT特性を示すグラ
フである。
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久慈 俊郎 埼玉県上尾市原市1333−2 三井金属鉱業 株式会社総合研究所内 (72)発明者 中山 茂樹 埼玉県上尾市原市1333−2 三井金属鉱業 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5H050 AA08 BA14 CB16
Claims (3)
- 【請求項1】 水素固溶体相(α相)と水素化相(β
相)の共存領域において、β相の単位吸蔵量当たりの体
積膨張率(△VH =V/H/ M)が4以下であり、かつ
H/ M=0(水素を吸蔵しない状態)に対するH/ M=
0.5、0.8でのβ相の体積膨張率が、それぞれ11
%未満、15%未満であることを特徴とする水素吸蔵合
金。 - 【請求項2】 上記固溶体相(α相)の領域において、
a軸及びc軸の長さの変化が等方性を有する請求項1記
載のAB5 型水素吸蔵合金。 - 【請求項3】 希土類系合金である請求項1又は2記載
のAB5 型水素吸蔵合金。
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JP2000254839A JP2002075347A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 水素吸蔵合金 |
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JP2000254839A JP2002075347A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 水素吸蔵合金 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2004061142A1 (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-22 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | 水素吸蔵合金 |
JP2016223921A (ja) * | 2015-05-29 | 2016-12-28 | 国立大学法人名古屋大学 | 水素吸蔵量測定方法および水素吸蔵量測定装置 |
-
2000
- 2000-08-25 JP JP2000254839A patent/JP2002075347A/ja active Pending
Cited By (3)
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WO2004061142A1 (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-22 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | 水素吸蔵合金 |
US7314594B2 (en) | 2002-12-27 | 2008-01-01 | Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. | Hydrogen storage alloy |
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