JP2002075181A - スロット型シャドウマスクの製造方法 - Google Patents

スロット型シャドウマスクの製造方法

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JP2002075181A
JP2002075181A JP2000262897A JP2000262897A JP2002075181A JP 2002075181 A JP2002075181 A JP 2002075181A JP 2000262897 A JP2000262897 A JP 2000262897A JP 2000262897 A JP2000262897 A JP 2000262897A JP 2002075181 A JP2002075181 A JP 2002075181A
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JP2000262897A
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English (en)
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Noriyuki Nakahara
教志 中原
Norihiko Nogi
紀彦 野儀
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所望する矩形状となったスロット孔および線状
の貫通ブリッジを得ることの可能なスロット型シャドウ
マスクの製造方法を提供しようとする。 【解決手段】フォトエッチング法にて、所定の配列とし
た複数の矩形状スロット孔と、所定のスロット孔同士を
連結する貫通ブリッジとを形成したスロット型シャドウ
マスクを製造する方法において、レジスト膜のスロット
孔を形成する部位に対応した開口部の形状を、スロット
孔と貫通ブリッジとを連結させる部位に対応した辺部位
を凹状に窪ませた略矩形状とし、貫通ブリッジを形成す
る部位に対応したレジスト膜部位にスロット孔形成用の
開口部と連結しない略凸状ないしは略独楽状開口部を形
成したことを特徴とするスロット型シャドウマスクの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の配列、パタ
ーンとした電子線透過用の複数の貫通孔を金属薄板に穿
設したシャドウマスクを製造する方法に係わり、中でも
特に、電子線通過用の貫通孔が矩形状のスロット孔であ
り、また、列方向に並ぶ所定のスロット孔同士を連結す
る貫通ブリッジを穿設したスロット型シャドウマスクを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カラー受像管等に組み込まれ
るシャドウマスクは、金属薄板を素材とし、フォトエッ
チング法を用いて製造されている。以下に、フォトエッ
チング法を用いたシャドウマスクの製造方法の一例につ
き図13をもとに簡単に説明する。まず、鉄または鉄合
金の薄板からなるシャドウマスク材131の表面の洗
浄、整面を行う。次いで、シャドウマスク材131の両
面に感光性樹脂(光硬化型のフォトレジスト)の塗布、
乾燥等を行いフォトレジスト膜を形成する。
【0003】次いで、パターン露光用マスクを介して、
シャドウマスク材131の一方の面に小孔像のネガパタ
ーンを、他方の面に大孔像のネガパターンを各々露光す
る。その後、未露光未硬化のフォトレジスト膜部位を溶
解除去する現像処理及び残ったフォトレジスト膜への硬
膜処理、バーニング処理等を行えば、図13(a)に示
すように、シャドウマスク材131を露出する小孔用開
口部134aを有する小孔側レジスト膜132aと大孔
用開口部134bを有する大孔側レジスト膜132bが
得られる。
【0004】次いで、エッチングをシャドウマスク材1
31の表裏両面より行う。なお、エッチング液に塩化第
二鉄液を用い、エッチング液をシャドウマスク材にスプ
レー噴射するスプレーエッチングとすることが一般的で
ある。エッチングの初期段階では、小孔用開口部134
aおよび大孔用開口部134bより露出したシャドウマ
スク材131部位に凹部(小孔側凹部133aおよび大
孔側凹部133b)が形成され(図13(b))、さら
にエッチングを進めるにつれ、両面から形成された凹部
133が拡大貫通することで、図13(c)に示すよう
に貫通孔135が形成される。
【0005】所定の貫通孔が形成された段階でエッチン
グを終了し、水洗洗浄を行った後、レジスト膜132を
剥膜除去する剥膜工程を行う。次いで、シャドウマスク
材131の断裁、不要な金属薄板部位の除去等の工程を
行えば、図13(d)に示す、所定の配列とした複数の
貫通孔135を有するシャドウマスク136が得られ
る。
【0006】上述したシャドウマスクの製造方法では、
1回のエッチングで貫通孔135を形成する製造方法に
つき説明したが、ニス法を用いエッチングを2段階に分
けて行う製造方法もある。すなわち、シャドウマスク材
に所定の開口部を有するレジスト膜を形成した後に第1
段目のエッチングを行い、シャドウマスク材の少なくと
も片面にシャドウマスク材を貫通しない程度の凹部を形
成する。次いで、一方の面の凹部にニス層(耐エッチン
グ層)を塗布、充填する。次いで、ニス層を塗布、充填
した面と反対面側に第2段目のエッチングを行うことで
第二エッチング側の凹部を拡大し貫通孔を形成する方法
である。
【0007】従来公知のフォトエッチング法で得られる
シャドウマスクの種類として、図12に示す、所定の配
列、パターン形状にて複数穿設する貫通孔125を各々
矩形状(長方形状)のスロット孔127としたスロット
型シャドウマスク126が知られている。カラー受像管
に組み込まれた際、シャドウマスクの小孔面側に電子銃
が配置され、大孔面側は蛍光面と対向する。なお、上述
した1段階のエッチングにて貫通孔を形成するシャドウ
マスクの製造方法で得られるスロット型シャドウマスク
では、電子銃側すなわち小孔面側から見た貫通孔(スロ
ット孔)の平面視形状は、小孔側のシャドウマスク材表
面に形成されたレジスト膜開口部の外形輪郭と略同一と
なるものである。なお、矩形状のスロット孔127の長
手方向(列方向)に連なるスロット孔間の金属部位は一
般的にブリッジ部128と呼称される。
【0008】通常、カラー受像管は横長の長方形状の画
像表示面を有するもので、シャドウマスクの外形も画像
表示面の形状に合わせ横長の長方形としている。なお、
以下の記述で、電子線通過用の複数の貫通孔(スロット
孔)が形成されたシャドウマスク上の領域(図12中の
破線で囲まれた領域)を画像面部129と呼称する。画
像表示面の形状に合わせて画像面部129も長方形状の
領域とするもので、画像面部129の長手方向(長辺方
向)とスロット孔127の長手方向(長辺方向)とが略
直交するようスロット孔127をシャドウマスク上に穿
設するのが一般的である。
【0009】シャドウマスクが組み込まれたカラー受像
管内では、電子銃から発射された電子線(電子ビーム)
は偏向ヨークで方向を制御されシャドウマスクに照射さ
れる。シャドウマスクに照射された電子線のうち、貫通
孔を通過した電子線が、画像表示面に配設された例えば
赤、緑、青からなる三色蛍光体を発光させ、カラー画像
が表示される。電子銃より発せられた電子線のうち、方
向を制御され正しい軌道となった電子線のみを蛍光体に
導くというシャドウマスクの機能上、軌道から外れた電
子線は貫通孔以外の金属部位で遮断される。このため、
金属部位に衝突した電子線によりシャドウマスクは熱を
持つことになる。また、カラー受像管を構成する各種部
品より発せられた熱、または、カラー受像管が置かれた
周辺環境の熱が伝導することによっても、シャドウマス
クは熱を持つといえる。
【0010】金属薄板からなるシャドウマスクが熱を持
った場合、当然のことながらシャドウマスクは熱膨張を
生じる。カラー受像管内に組み込まれたシャドウマスク
は外周部を固定されているため、シャドウマスクの熱膨
張により生じた応力(伸び)は画像面部に集まることに
なる。その結果、スロット孔の位置ズレもしくはスロッ
ト孔の形状変形が生じることになる。熱膨張によりスロ
ット孔の位置ズレもしくはスロット孔の形状変形が生じ
た場合、電子線を所望する蛍光体部位に導けなくなり隣
接する他の色の蛍光体を電子線が発光させ表示色に混色
を生じる等画像表示品質が低下する。
【0011】近年、画像表示面への外光の映り込みを少
なくして画像表示品位を向上させるため、画像表示面を
フラット(平面)としたフラット型カラー受像管の需要
が増している。フラット型カラー受像管においてシャド
ウマスクは、外周方向に向けた張力を掛けられ、平板状
にてカラー受像管内に組み込まれている。一般に、スロ
ット型シャドウマスクを平板状としてカラー受像管に組
み込むにあたり、図12に示すように矩形状のスロット
孔127の長手方向に張力を掛けた状態でカラー受像管
に組み込まれている。このため、シャドウマスクが熱膨
張を生じたとしても、スロット孔127の長手方向(図
12中に示す張力がかけられた方向)への熱膨張はさほ
ど問題とならない。しかし、スロット孔127の短手方
向には張力が掛かっていないため、スロット孔の短手方
向へのシャドウマスクの熱膨張は、スロット孔の位置ズ
レもしくはスロット孔の形状変形をもたらすといえ、画
像表示品位の低下の原因となっていた。
【0012】かかるスロット孔の短手方向への熱膨張に
よるスロット孔の位置ズレもしくは形状変形を防止する
手段として、図11に示すように、矩形状のスロット孔
117の長手方向(列方向)に連なる幾つかのスロット
孔117同士を直線状(矩形状)とした貫通部で連結す
る(すなわち、列方向に並ぶ所定のスロット孔間に直線
状(矩形状)の貫通部を穿設する)ことが提案されてい
る。なお、以下の記述で上記スロット孔117同士を連
結する直線状(矩形状)の貫通部を、貫通ブリッジ11
5と呼称する。
【0013】シャドウマスク116がスロット孔117
の短手(短辺)方向に熱膨張した際、熱膨張で生じた応
力(伸び)を上記貫通ブリッジ115部が変形すること
で吸収し、スロット孔117の位置ズレ、変形が防止で
きる。なお、シャドウマスク116の機械的強度を保
ち、また、シャドウマスク116の振動を防止するた
め、長手方向(列方向)に連なる全てのスロット孔11
7を貫通ブリッジ115で連結することはなく、長手方
向(列方向)に連なる幾つかのスロット孔117を各々
連結ブリッジ115で連結した群とし、各群間は通常の
ブリッジ部118(金属部位)とすることが一般的であ
る。
【0014】ここで、電子線を正しく蛍光面に導くとい
うシャドウマスクの機能上、シャドウマスク材に穿設す
る電子線通過用の貫通孔は設計時点で決められた形状と
することが望ましく、当然のことながら、貫通孔を矩形
状とするスロット型シャドウマスクにおいても矩形状の
貫通孔(スロット孔)を穿設しなければならない。しか
し、上述した貫通ブリッジをスロット孔間に形成した場
合、貫通ブリッジ及びスロット孔が所望する矩形状にな
らないという問題が生じていたものである。
【0015】この点につき、以下に説明を行う。上述し
たように、シャドウマスクの製造にあってはフォトエッ
チング法を用いるものである。フォトエッチング法で
は、エッチングの際に所定の金属面部位に選択的にエッ
チング液を接触させるため、開口部を有するレジスト膜
を金属面上に形成する。通常、レジスト膜に形成する開
口は、所望されるエッチングパターンの形状と平面視略
相似形のパターンとしている。
【0016】ここで、矩形状のスロット孔を有するスロ
ット型シャドウマスクを得るため、図10に示すよう
に、レジスト膜102に形成する開口部104の形状
を、シャドウマスク材に穿設すべき矩形状のスロット孔
及び直線状の貫通ブリッジ(図10中に破線で示した部
位)とに相似な開口部104形状としたとする。すなわ
ち、スロット孔形成部位に対応するレジスト膜部位に矩
形状の開口部を形成し、また、貫通ブリッジを形成すべ
き部位に対応するレジスト膜部位に前記矩形状の開口部
と連結させた線状の開口部を形成したとする(図10中
に実線で示した部位)。エッチングの際、レジスト膜の
開口部より露出した金属薄板部位には等方的にエッチン
グが行われる。このため、図10の実線に示すレジスト
膜開口部104形状とした場合、貫通ブリッジ形成用開
口部とスロット孔形成用開口部とが連結して形成される
角部ではエッチングが進みすぎることになる。その結
果、図9に示すように、エッチングによりシャドウマス
ク材に形成された貫通部の形状(図9中の実線に示す部
位)はスロット孔97が貫通ブリッジ95方向に膨ら
み、また、貫通ブリッジ95もそれにともなって、矩形
状でなく例えばスロット孔97との連結部位が広がった
弧状に形成されることになる。なお、図9中の破線は所
望される貫通ブリッジおよびスロット孔の形状を示し、
図中の一点鎖線はレジスト膜に形成した開口部形状を示
す。
【0017】図9の例に示す、所望される矩形状とは異
なった形状となったスロット孔97および貫通ブリッジ
95を有するシャドウマスクでは、軌道をズレた電子線
の完全な遮断ができず、軌道をズレた電子線の一部が通
過し、その結果、所望する蛍光体とは別の蛍光体が発光
され表示色に混色が生じることになる。また、シャドウ
マスクが振動した際に画像表示面にフリッカーが発生す
る等、画像表示品位の低下をもたらすことになる。
【0018】本発明者らは、かかるスロット孔と貫通ブ
リッジとの連結による形状不良を解決する手段として特
願2000−167668号に示すスロット型シャドウ
マスクの製造方法を提案したものである。
【0019】すなわち図6に示すように、スロット孔6
7(図中の点線部)の形成のためにレジスト膜62に開
口するスロット孔形成用開口部63に凹状61部を設
け、貫通ブリッジ65(図中の点線部)の形成のために
同じくレジスト膜62に開口する貫通ブリッジ形成用開
口部64を、スロット孔形成用開口部63と独立させた
矩形状としたものである。
【0020】前述したように、貫通ブリッジは単にスロ
ット孔の位置ズレもしくは変形不良を防止するために穿
設しているもので、貫通ブリッジ部では電子線は完全に
遮断されることが望ましい。なぜならば、貫通ブリッジ
部から電子線が通過した場合、表示色に混色をもたらす
等、画像表示品位の低下をもたらすからである。
【0021】画像表示装置においては画像表示品位をよ
り高くすることが求められている。このため、貫通ブリ
ッジを通過した電子線による画像表示品位の低下を防止
するため、貫通ブリッジ部で電子線を遮断できるよう貫
通ブリッジの形状をより線状に近づけ、かつ、より細く
する要求が高まっている。かかる要求が高まるにつれ、
上記本発明者らが提案した製造方法であっても貫通ブリ
ッジの形状が、図9に示すように電子線を遮断するには
不十分な形状となる場合があった。かかる貫通ブリッジ
の形状が線状となず電子線の遮断に不適当な形状となる
傾向は、特に大孔と小孔のオフセット量が大きくなる画
像面部の外周寄りで多く見うけられた。中でも特に画像
面部のY軸方向の外周寄り、四隅寄で形状不良が甚だし
いもので、Y軸方向へのオフセットがかかった部位で
は、図9に示すようにスロット孔と貫通ブリッジの連結
部位は丸みを帯びた形状となりやすいものであった。な
お本明細書中では、画像面部の中心を原点(0,0)と
し、原点を通り画像面部の長手方向と平行な線をX軸、
短手方向と平行な線をY軸と呼称するものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みなされたものである。すなわち本発明は、所定
の配列とした複数の矩形状スロット孔と、所定のスロッ
ト孔同士を連結する貫通ブリッジとを有するスロット型
シャドウマスクの製造方法において、画像面部上での形
成位置によらず矩形状となったスロット孔および線状の
貫通ブリッジを得ることができるスロット型シャドウマ
スクの製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題に鑑
みなされたもので、請求項1においては、金属薄板の一
方の面側に小孔用開口部を少なくとも有するレジスト膜
を、また、金属薄板の他方の面側に大孔用開口部を少な
くとも有するレジスト膜を各々形成する工程と、前記レ
ジスト膜の開口部より露出した金属薄板部位をエッチン
グ液にて溶解除去するエッチング工程と、前記レジスト
膜を剥膜する剥膜工程とを少なくとも有する、所定の配
列とした複数の矩形状スロット孔と、列方向に並ぶ所定
のスロット孔同士を連結する貫通ブリッジとを画像面部
に形成したスロット型シャドウマスクを製造する方法に
おいて、レジスト膜の前記スロット孔を形成する部位に
対応した開口部の形状を、スロット孔と貫通ブリッジと
を連結させる部位に対応した辺部位を凹状に窪ませた略
矩形状開口部とし、レジスト膜の貫通ブリッジを形成す
る部位に対応した貫通ブリッジ形成用開口部の形状を、 前記略矩形状開口部とは独立させた矩形状の、 前記略矩形状開口部と対向する2辺の少なくとも一方
の辺に凸部を有する、 略凸状ないしは略独楽状、 としたことを特徴とするスロット型シャドウマスクの製
造方法としたものである。
【0024】次いで、請求項2においては、小孔側では
画像面部中心寄りに、また、大孔側では画像面部外周寄
りに少なくとも凸部を有する略凸状ないしは略独楽状の
貫通ブリッジ形成用開口部としたことを特徴とする請求
項1に記載のスロット型シャドウマスクの製造方法とし
たものである。
【0025】さらに、請求項3においては、画像面部中
心からY軸方向外周に向かうにつれ、小孔側の画像面部
中心寄りの前記凸部と大孔側の画像面部外周よりの前記
凸部との高さを逐次高くしていくことを特徴とする請求
項1または2に記載のスロット型シャドウマスクの製造
方法としたものである。
【0026】また、請求項4においては、前記略矩形状
開口部の四隅にセリフパターンを付加したことを特徴と
する請求項1、2または3に記載のスロット型シャドウ
マスクの製造方法としたものである。
【0027】さらにまた、請求項5においては、画像面
部短辺寄りの2個所の角部に付加形成するセリフパター
ンの大きさを、オフセット量が大きくなるのに応じて逐
次大きくしていくことを特徴とする請求項4に記載のス
ロット型シャドウマスクの製造方法としたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のシャドウマスク
の製造方法の実施形態の一例を説明する。
【0029】本発明のスロット型シャドウマスクの製造
方法では、従来公知のフォトエッチング法を用いた製造
工程(例えば、前述した(従来の技術)の項に記した製
造工程等)に従い、所定の配列とした複数の矩形状のス
ロット孔と、列方向(スロット孔の長手方向)に並ぶス
ロット孔のうち所定のスロット孔同士を連結した貫通ブ
リッジとを有するスロット型シャドウマスクを得る。
【0030】すなわちまず、鉄または鉄合金からなるシ
ャドウマスク材131の表面の洗浄、整面を行う。次い
で、シャドウマスク材131の両面に感光性樹脂(光硬
化型のフォトレジスト)の塗布、乾燥等を行いフォトレ
ジスト膜を形成する。
【0031】次いで、パターン露光用マスクを介して、
シャドウマスク材131の一方の面に小孔像のネガパタ
ーンを、他方の面に大孔像のネガパターンを各々露光す
る。その後、未露光未硬化のフォトレジスト膜部位を溶
解除去する現像処理及び残ったフォトレジスト膜への硬
膜処理、バーニング処理等を行い、図13(a)に示す
ように、小孔用開口部134aよりシャドウマスク材1
31を露出する小孔側レジスト膜132aと、大孔用開
口部134bよりシャドウマスク材131を露出する大
孔側レジスト膜132bとを得る。
【0032】ここで図2は、本発明のスロット型シャド
ウマスクの製造方法に従ってシャドウマスク材上に形成
したレジスト膜22の要部、中でも特に、貫通ブリッジ
25と連結したスロット孔27を形成すべきシャドウマ
スク材部位に対応したレジスト膜部位を示す平面図であ
る。なお、図2中の破線に示す部位は、シャドウマスク
材上に形成すべき貫通ブリッジ25とスロット孔27の
形状を示している。
【0033】図2の実線に示すように、スロット孔27
を形成すべき部位に相対するレジスト膜22部位には、
平面視略矩形状のスロット孔形成用開口部23を形成す
る。略矩形状としたスロット孔形成用開口部23のう
ち、スロット孔27と貫通ブリッジ25とを連結させる
部位に対応する辺部位を凹状21に窪ませている。
【0034】また、貫通ブリッジ25を形成すべき部位
に相対するレジスト膜22部位には、前記凹状21部を
形成したスロット孔形成用開口部23と連結しない、独
立した貫通ブリッジ形成用開口部24を形成している。
【0035】貫通ブリッジ形成用開口部24は、矩形に
凸状部29を付加した略凸状、略独楽(コマ)状ないし
は略砧状としている。矩形に付加する凸状部29は、列
方向に隣接したスロット孔形成用開口部23と対向する
2辺のうちの少なくとも1辺上に形成する。前述したよ
うに本発明者らが先に提案したスロット型シャドウマス
クの製造方法では、凹状21部を形成したスロット孔形
成用開口部23に挟まれた貫通ブリッジ形成用開口部は
単に矩形状としていた。しかるに、本発明では貫通ブリ
ッジ形成用開口部24は、凸状部29を有する略凸状、
略独楽(コマ)状ないしは略砧状としている。言い換え
れば本発明では、従来矩形状としていた貫通ブリッジ形
成用開口部の少なくとも一方の端辺領域の角部に、エッ
チング液を遮蔽するレジスト膜部位を付加し開口部を狭
め、略凸状、略独楽(コマ)状ないしは略砧状の開口部
形状としたものである。
【0036】上述した図2は、シャドウマスク材の一方
の面側に形成したレジスト膜22の一部を拡大した平面
図であるが、シャドウマスク材の他方の面側の上述した
平面図と対応したレジスト膜部位にも同様に、凹状部を
形成した略矩形状のスロット孔形成用開口部と、スロッ
ト孔形成用開口部とは連結しない独立した略凸状、略独
楽(コマ)状ないしは略砧状の貫通ブリッジ形成用開口
部を形成する。なお、シャドウマスク材の片面に大孔用
レジスト膜を、他方の面に小孔用レジスト膜を形成する
もので、当然のことながら大孔側と小孔側に各々形成す
る上述した各開口部の大きさは必ずしも一致するもので
はなく、製造条件、製造仕様に応じて適宜大きさ、形成
位置を変えて形成するものである。
【0037】上述した各開口部を有するレジスト膜を形
成した後、シャドウマスク材の表裏両面よりエッチング
を行い、レジスト膜の開口部より露出した金属薄板部位
をエッチングし貫通孔(スロット孔および貫通ブリッ
ジ)を形成する。
【0038】エッチングの際、スロット孔形成用開口部
23の端辺を凹状21部とする部位、すなわち凹状21
部の脇(スロット孔形成用開口部の角部であり、図2中
の一点鎖線の円内の部位)のレジスト膜部位下部ではエ
ッチング液が遮蔽されるため、当該部位ではシャドウマ
スク材のエッチングが遅れることになる。
【0039】また、エッチングによりスロット孔が形成
されるのと同時進行で、貫通ブリッジ形成用開口部24
より露出したシャドウマスク材部位でもエッチングが行
われる。エッチングが進むに連れ、貫通部(貫通ブリッ
ジ25)が形成され、最終的に貫通部とスロット孔27
とが結合する。ここで従来の製造方法では、前述した
(従来の技術)の項に記したように、貫通ブリッジとス
ロット孔とを連結させた形状と相似形としたレジスト膜
の開口部形状としていた(図10)。このため、貫通ブ
リッジとスロット孔とが連結する角部でエッチングが進
みすぎることになり、スロット孔と貫通ブリッジとの連
結部におけるエッチング形状は不良となっていた。しか
し、上述したように本発明の製造方法では、スロット孔
形成用開口部の角部に凸状となったレジスト膜部位を形
成し、また、スロット孔用開口部とスロット孔形成用開
口部との間に間隙を持たせ、かつ、貫通ブリッジ形成用
開口部のスロット孔用開口部に近い部位もレジスト膜を
付加しレジスト膜で遮蔽する金属部位を多くしている。
その結果、スロット孔と貫通ブリッジとの連結部位の近
傍でエッチングが進み余分にエッチングが行われること
で生じていた、角が削れ丸みを帯びた形状となることを
防止できる。これにより、エッチング後に得られるスロ
ット孔と貫通ブリッジとの結合部位は角が立つことにな
り、所望する線状となった貫通孔を得ることが可能とな
る。
【0040】ここで、周知のようにカラー受像管内に配
設されたシャドウマスクの中心上に電子銃が配置されて
いる。そのため、図8に示すように、シャドウマスク8
6の中心部では電子線が略垂直にスロット孔87に入射
し、中心部から外れたシャドウマスクの外周部では電子
線が斜めにスロット孔87に入射する。斜め入射する電
子線の通過を可能とするスロット孔87を得るため、シ
ャドウマスクの中心から外周方向に外れるにつれ、小孔
側のスロット孔形成用開口部の中心と小孔側のスロット
孔形成用開口部に対応する大孔側スロット孔形成用開口
部の中心とを逐次ずらして形成する、いわゆる、オフセ
ットをかけた開口部を有するレジスト膜を形成すること
が一般的である。なお、オフセットは、小孔側開口部を
大孔側開口部よりシャドウマスクの中心寄りに形成する
ことが一般的である。
【0041】スロット孔と同様に貫通ブリッジも小孔側
凹部部と大孔側凹部とを貫通させて得ることになる。こ
のためレジスト膜上で、スロット孔形成用開口部と同様
に貫通ブリッジ形成用開口部にもオフセットを掛けるも
ので、上述した略矩形状のスロット孔形成用開口部に設
ける凹状部の位置は、貫通ブリッジのオフセットに応じ
て適宜移動させる。
【0042】前述したように、エッチング時にスロット
孔と貫通ブリッジとの結合部位へのエッチングが進み貫
通ブリッジの形状が線状とならずに電子線の遮断に不適
当な形状となる傾向は、特に大孔側開口部と小孔側開口
部のオフセット量が大きくなる画像面部の外周寄り(中
でも特に画像面部のY軸方向の端辺寄り、四隅寄り)で
多く見られたものである。そのため本発明者らは、貫通
ブリッジ形成用開口部を略独楽状ないしは略砧状となす
凸状部、すなわち開口部を狭めた部位は、小孔側では画
像面部中心寄りに、また、大孔側では画像面部外周寄り
に少なくとも形成することを提案するものである。
【0043】この点につき図3に基づき説明する。図3
の中段に、オフセットのかかったスロット孔37(例え
ば、画像面部のY軸端の近傍に位置するスロット孔)の
長手方向の断面図を示す。また、図3の上段には上記ス
ロット孔37の穿設のために形成した小孔側レジスト膜
の開口部形状を示す平面図を、図3の下段には上記小孔
側レジスト膜と対向した大孔側レジスト膜部位に形成し
た開口部形状を示す平面図を合わせて記している。オフ
セットのかかったスロット孔37では、図3中のA部に
示すように小孔側のシャドウマスク材が薄肉部となる。
この薄肉部に貫通ブリッジ形成用開口部34aの幅太の
開口部位が形成されていると、エッチング処理の際に薄
肉部へのエッチング液の接触量が多くなり薄肉部近傍で
エッチングが進み、貫通ブリッジに丸みがつき所望する
角部とならない。薄肉部となる部位に凸状部39a開口
部、すなわち開口部の幅を狭めた貫通ブリッジ形成用開
口部34aの部位を形成することで、エッチング処理時
に薄肉部へのエッチングが抑制される。その結果、貫通
ブリッジに丸みが付かず、角の立った貫通ブリッジとす
ることができる。すなわち、小孔側では画像面部中心寄
りに凸状部39a開口部を形成するものである。
【0044】また、逆に大孔側の貫通ブリッジ形成用開
口部34bにおいては、図6中の薄肉部となったB部に
示すシャドウマスク材部位へのエッチングを抑制するよ
う凸状部39b開口部、すなわち開口部の幅を狭めた貫
通ブリッジ形成用開口部34bの部位を形成することで
エッチング処理時に薄肉部へのエッチングが抑制され貫
通ブリッジに丸みが付かず、角の立った貫通ブリッジと
することができる。すなわち、大孔側では画像面部外周
寄りに凸状部39b開口部を形成するものである。
【0045】なお、図4(a)に示すように小孔側の貫
通ブリッジ形成用開口部44aにおいて、上述した画像
面部中心寄りの凸状部49a開口部に加えて画像面部外
周寄りの辺に凸状部49c開口部を形成し、貫通ブリッ
ジ形成用開口部を略独楽(コマ)状としても構わない。
また図4(b)に示すように、大孔側の貫通ブリッジ形
成用開口部44bにおいても、上述した画像面部外周寄
りの凸状部49b開口部に加えて、画像面部中心寄りの
辺に凸状部49d開口部を形成し貫通ブリッジ形成用開
口部を略独楽(コマ)状としても構わない。凸状部49
c開口部および凸状部49d開口部の形成は、パターン
露光に用いるパターン露光用マスクを作成する際にマス
ク上にムラ(斑)が発生することを防止するために望ま
しいといえる。
【0046】次いで、画像面部中心からY軸方向外周に
向かうにつれ、大孔と小孔にかけるオフセットは逐次大
きくなる。大孔と小孔にかかるオフセットが大きくなる
につれ、図3中に示す薄肉部Aのおよび薄肉部B部の長
さも逐次長くなる。請求項3に係わる発明はこの事実に
基づきなされたもので、図3に示す小孔側の画像面部中
心寄りの凸状部39a部と大孔側の画像面部外周寄りの
凸状部39b部との高さ(スロット孔の長手方向への高
さ)を、画像面部中心からY軸方向外周に向かうにつれ
逐次高くしていくことを特徴とするものである。すなわ
ち、オフセットの量が大きくなり薄肉部となる部位の長
さが長くなるのに応じて、凸状開口部、すなわち開口部
の幅を狭めた部位の長さも長くすることで、薄肉部への
エッチングが抑制され、丸みの無い角の立った貫通ブリ
ッジを形成することが可能となる。
【0047】ここで、電子線通過用の貫通孔の形状を円
形状とするシャドウマスクでは、レジスト膜に形成する
開口部の形状を円形とすれば、所望する円形の貫通孔を
得ることは比較的容易といえる。しかし、穿設すべき貫
通孔の形状を矩形状とするスロット型シャドウマスクの
製造においては、レジスト膜に形成する開口部の形状を
単に矩形状としても、シャドウマスク材へのエッチング
が等方的に行われるため、矩形状のスロット孔(四隅に
角を持たせたスロット孔)を得ることは難しいといえ
る。すなわち、矩形状の角部に丸み(R)がつき、所望
する角部が得られないためである。
【0048】本発明者らは、かかるスロット孔の形状不
良を防止し、所望する矩形状となったスロット孔を得る
ため検討を行った。その結果、上述したレジスト膜の開
口形状に加えて、図1に示すように、スロット孔形成用
開口部13の角部にセリフ(Serif)パターン10
を追加形成することに想達した。すなわち、角部にセリ
フパターン10(小さな開口部)を追加形成したこと
で、従来のエッチングでR状となっていた部位が削られ
ることになり、角のたった略矩形状の貫通孔(スロット
孔)を得ることが可能となるものである。なお、一方の
面側のスロット孔形成用開口部にのみセリフパターンを
付加形成することであっても構わないが、両面のスロッ
ト孔形成用開口部の四隅にセリフパターンを付加形成す
ることは、矩形状のスロット孔を得るうえでより望まし
いといえる。
【0049】上記スロット孔形成用開口部13の角部に
追加形成するセリフパターン10の形状は、台形状、三
角形状、矩形状等があげられる。また、角部に付加形成
する際の突出角度などのセリフパターンの突出のさせか
たおよび大きさは、エッチング条件、レジスト膜の材
質、レジスト膜開口部の大きさ及び形状、金属薄板の板
厚等に応じて適宜適切な位置が変わるといえ、セリフパ
ターン10の形状と合わせて、各種条件に応じて適宜設
定して構わない。
【0050】次いで、横長となった画像面部の短辺方向
の外周部近傍では、スロット孔77を電子線の入射方向
から見るとその形状は図7に示すように画像面部の短辺
寄りの2個所の角部のRが特に大きくついた、いわゆる
「柿の種」状となり易いものである。すなわち、電子線
の入射方向である斜め方向からスロット孔を見た場合、
シャドウマスク材が厚みを有するためスロット孔77の
小孔側内壁面がスロット孔の隅に重なって見えてしまう
ためである。電子線の入射方向から見たスロット孔77
の形状が「柿の種」状となった場合、Rとなった部位で
電子線が遮断される。シャドウマスクが振動した場合、
Rとなった部位も振動により往復移動をし、Rとなった
部位が電子線の遮断、通過を繰り返すことになる。その
結果、表示画面にフリッカーを発生させ画面表示品位の
低下をもたらしていた。
【0051】この点についても本発明者らは検討を行っ
た。その結果、画像面部中心から短辺方向外周に向かう
につれてオフセットが大きくかかるのに従って、スロッ
ト孔形成用開口部の4隅に付加形成するセリフパターン
のうち、画像面部短辺寄りの2個所の角部に付加形成す
るセリフパターンの大きさをオフセット量が大きくなる
のに応じて逐次大きくしていけば、電子線の入射方向か
ら見た電子線通過部(スロット孔)の形状が「柿の種」
状になることを防止できることに想達した。画像面部の
各部位に形成するスロット孔形成用開口部に付加形成す
るセリフパターンの形状の変化の一例を図5に示す。な
お、図5ではスロット孔形成用開口部に形成する凹状部
および貫通ブリッジ形成用開口部は図示を省略してい
る。
【0052】図5に示すように、画像面部59の中心及
びY軸上に形成する各スロット孔形成用開口部(53
a、53b、53c)の4隅に付加形成するセリフパタ
ーン(50a〜50d)は略同一の大きさにて付加す
る。画像面部59の短辺方向外周寄りに形成する各スロ
ット孔形成用開口部(53d〜53i)では、短辺方向
外周寄りの2個所に付加形成するセリフパターン(50
e〜50p)をオフセット量が大きくなるのに応じて逐
次大きくしている。なお、各スロット孔形成用開口部
(53d〜53i)に付加形成する残りの画像面部中心
よりの各セリフパターンは、画像面部59の中心で付加
形成したセリフパターン(50a〜50d)と略同一の
大きさとしている。上述したように、セリフパターンの
大きさを逐次大きくした分、当該セリフパターン近傍の
シャドウマスク材へのエッチングの量が増えることにな
り、R部をもたらしていた部位(斜視した際に視野に入
るスロット孔の内壁部位)が削られる。これにより、電
子線の入射方向から見た電子線通過部の形状を略矩形状
とすることができる。
【0053】なお上述した、「柿の種」状となることを
防止するために行う、オフセット量に応じたセリフパタ
ーンの大きさの変更は、少なくとも小孔側のスロット孔
形成用開口部に実施することが望ましいが、大孔側のス
ロット孔形成用開口部にも行うことであっても構わな
い。
【0054】本発明のスロット型シャドウマスクの製造
方法においては、上述した開口部を有するレジスト膜を
形成し従来通りエッチング処理を行った後に、水洗洗
浄、レジスト膜2を剥膜除去する剥膜工程等を行い、し
かる後、シャドウマスク材の断裁、不要なシャドウマス
ク材部位の除去等を行い、図13(d)に示す、スロッ
ト型シャドウマスクを得るものである。
【0055】以上、本発明のシャドウマスクの製造方法
の実施形態の例につき説明したが、本発明は上述した説
明、図面に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基
づき種々の変形を行っても構わないことはいうまでもな
い。すなわち、レジスト膜に形成する各開口部、凹状
部、凸状部の形状、位置等は、シャドウマスク材の材質
もしくは板厚、エッチング条件、シャドウマスクの仕様
等に応じ、所望される形状となるよう適宜設定して構わ
ないといえる。また、セリフパターンの形状、位置等
も、シャドウマスク材の材質もしくは板厚、エッチング
条件、シャドウマスクの仕様等に応じ、エッチング後に
スロット孔が4隅が角部となった矩形状となるよう適宜
適するものに設定して構わない。さらに、オフセットに
よりセリフパターンと凹状部とが重なるようであれば、
セリフパターンとぶつからないよう凹状部を若干移動さ
せても構わない。
【0056】
【発明の効果】上述したように、本発明のシャドウマス
クの製造方法を用いることで、所望する矩形状となった
スロット孔および所定のスロット孔同士を連結する線状
(矩形状)の貫通ブリッジを形成することが可能とな
る。また、オフセットのかかった画像面部外周部であっ
ても電子線の遮断が可能な貫通ブリッジを形成すること
が可能なため、貫通ブリッジからの電子線の通過により
表示色に混色を生じ画像表示品位の低下をもたらすこと
を防止できる。
【0057】すなわち、本発明のシャドウマスクの製造
方法を用いて製造されたスロット型シャドウマスクを組
み込んだカラー受像管は、スロット孔および貫通ブリッ
ジの形状不良、および、熱膨張に起因する混色等の画像
表示品位の低下が生じない。すなわち、本発明のシャド
ウマスクの製造方法を用いて製造されたスロット型シャ
ドウマスクを組み込むことで画像表示品位の優れたカラ
ー受像管を得ることが可能となる。
【0058】また、シャドウマスクの価格を下げるた
め、安価だが熱膨張率の大きい鉄材(一般にアルミキル
ド材、AK材と呼称される)をシャドウマスク材として
用いる場合であっても、本発明のシャドウマスクの製造
方法を用いることで、所望する矩形状となったスロット
孔および線状(矩形状)の貫通ブリッジを得ることが可
能となる。すなわち、本発明のシャドウマスクの製造方
法では、熱膨張率の低い高価な鉄合金(例えば、鉄−ニ
ッケル合金)に代えて安価な鉄材を用いても、熱膨張に
起因する混色等の画像表示品の低下を防止したシャドウ
マスクを得ることを可能としている。すなわち、本発明
のシャドウマスクの製造方法を用いれば、安価なシャド
ウマスク材にて所望する矩形状となったスロット孔およ
び線状の貫通ブリッジを有するスロット型シャドウマス
クを安価なシャドウマスク材を用いて提供することが出
来、シャドウマスクの価格及びカラー受像管の価格を低
く押さえることが可能になる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャドウマスクの製造方法で形成する
レジスト膜の一例を模式的に示す一部拡大平面説明図。
【図2】本発明のシャドウマスクの製造方法で形成する
レジスト膜の他の例を模式的に示す一部拡大平面説明
図。
【図3】オフセットのかかったスロット孔に形成するレ
ジスト膜開口部の一例を模式的に示す拡大説明図。
【図4】(a)および(b)は本発明に関わる貫通ブリ
ッジ形成用開口部の例を摸式的に示す拡大平面説明図。
【図5】形成位置の相違によるセリフパターンの変化の
例を模式的に示す平面説明図。
【図6】従来のシャドウマスクの製造方法で形成したレ
ジスト膜の一例を模式的に示す一部拡大平面説明図。
【図7】電子線の入射方向から見て「柿の種」形状とな
った電子線通過部の例を模式的に示す説明図。
【図8】シャドウマスクに形成された貫通部に斜め入射
する電子線を模式的に示す断面説明図。
【図9】従来のスロット型シャドウマスクの製造方法で
形成されたスロット孔の一例を模式的に示す説明図。
【図10】従来のスロット型シャドウマスクの製造方法
で形成するレジスト膜の一例を模式的に示す拡大平面説
明図。
【図11】貫通ブリッジを形成したスロット型シャドウ
マスクの要部を模式的に示す拡大平面説明図。
【図12】スロット型シャドウマスクを模式的に示す平
面説明図。
【図13】(a)〜(d)はスロット型シャドウマスク
の製造工程の一例を工程順に示す説明図。
【符号の簡単な説明】
10、50 ・・・・
セリフパターン 11、21、61 ・・・・
凹状 12、22、42、62、102、132 ・・・・
レジスト膜 13、23、53、63 ・・・・
スロット孔形成用開口部 14、24、34、44、64 ・・・・
貫通ブリッジ形成用開口部 19、29、39、49 ・・・・
凸状部 25、65、95、115 ・・・・
貫通ブリッジ 27、37、67、77、87、97 ・・・・
スロット孔 117、127 ・・・・
スロット孔 76、86、116、126、136 ・・・・
シャドウマスク 59、129 ・・・・
画像面部 85、125、135 ・・・・
貫通孔 104、134 ・・・・
開口部 118、128 ・・・・
ブリッジ部 31、131 ・・・・
シャドウマスク材 133 ・・・・
凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属薄板の一方の面側に小孔用開口部を少
    なくとも有するレジスト膜を、また、金属薄板の他方の
    面側に大孔用開口部を少なくとも有するレジスト膜を各
    々形成する工程と、前記レジスト膜の開口部より露出し
    た金属薄板部位をエッチング液にて溶解除去するエッチ
    ング工程と、前記レジスト膜を剥膜する剥膜工程とを少
    なくとも有する、所定の配列とした複数の矩形状スロッ
    ト孔と、列方向に並ぶ所定のスロット孔同士を連結する
    貫通ブリッジとを画像面部に形成したスロット型シャド
    ウマスクを製造する方法において、レジスト膜の前記ス
    ロット孔を形成する部位に対応した開口部の形状を、ス
    ロット孔と貫通ブリッジとを連結させる部位に対応した
    辺部位を凹状に窪ませた略矩形状開口部とし、レジスト
    膜の貫通ブリッジを形成する部位に対応した貫通ブリッ
    ジ形成用開口部の形状を、 前記略矩形状開口部とは独立させた矩形状の、 前記略矩形状開口部と対向する2辺の少なくとも一方
    の辺に凸部を有する、 略凸状ないしは略独楽状、 としたことを特徴とするスロット型シャドウマスクの製
    造方法。
  2. 【請求項2】小孔側では画像面部中心寄りに、また、大
    孔側では画像面部外周寄りに少なくとも凸部を有する略
    凸状ないしは略独楽状の貫通ブリッジ形成用開口部とし
    たことを特徴とする請求項1に記載のスロット型シャド
    ウマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】画像面部中心からY軸方向外周に向かうに
    つれ、小孔側の画像面部中心寄りの前記凸部と大孔側の
    画像面部外周よりの前記凸部との高さを逐次高くしてい
    くことを特徴とする請求項1または2に記載のスロット
    型シャドウマスクの製造方法。
  4. 【請求項4】前記略矩形状開口部の四隅にセリフパター
    ンを付加したことを特徴とする請求項1、2または3に
    記載のスロット型シャドウマスクの製造方法。
  5. 【請求項5】画像面部短辺寄りの2個所の角部に付加形
    成するセリフパターンの大きさを、オフセット量が大き
    くなるのに応じて逐次大きくしていくことを特徴とする
    請求項4に記載のスロット型シャドウマスクの製造方
    法。
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