JP2002074657A - 板状記録媒体の記録および／または再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カード形等の板状記録媒体を使用するうえで
好適な、小型かつ安価な記録および／または再生装置を
提供すること。 【解決手段】 挿入排出口１ａから挿入されたカード形
等の板状記録媒体２をガイド部３ａにより幅方向に位置
決めして保持するホルダ３と、挿入が完了している板状
記録媒体２の中央部をテーブル４上に搭載して挟持する
チャッキング手段と、光ピックアップ６をチャッキング
状態の板状記録媒体２の周方向に沿って回転させるスピ
ンドルモータ７等の光ピックアップ回転駆動手段とを備
え、板状記録媒体２を固定したまま光ピックアップ６を
回転させて情報の書き込みおよび／または読み取りを行
うこととする。前記チャッキング手段としては例えば、
ホルダ３を下降させるとハブ４ａによりセンタリングさ
れた板状記録媒体２が、搭載テーブル４と付勢部材３ｂ
とにより挟持される構成などがよい。また、対物レンズ
６ａをトラッキング方向へシフト可能な構成にしておけ
ば、スレッドモータ等を用いた光ピックアップ移送機構
が省略できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、板状記録媒体を挿
入排出口（スロット）から挿入して装填するスロットイ
ンタイプの記録および／または再生装置に係り、特に、
幅方向の両縁部が互いに略平行に形成されているカード
形等の板状記録媒体を装填するのに好適な板状記録媒体
の記録および／または再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ＣＤ（コンパクトディスク）
に代表されるように、片面の一部に情報が記録されてい
る円板状記録媒体が広く普及している。かかるＣＤは中
心孔を有する円板状の外観を呈し、中心孔の外周側に比
較的幅広な帯状の情報記録領域が形成されている。この
ようなＣＤを挿入排出口から挿入して装填するスロット
インタイプのＣＤプレーヤでは、ターンテーブル上に位
置決め・固定したＣＤを回転させながら、このＣＤの記
録面と対向する光ピックアップを移動させることによ
り、情報の読み取りを行っている。すなわち、従来既知
のＣＤプレーヤにおいては、挿入排出口から挿入された
ＣＤが装置内部へ搬送されると、プレイ位置にセンタリ
ングされたＣＤをターンテーブルとクランパとの間に挟
み込んでチャッキング状態とした後、スピンドルモータ
によってターンテーブルを回転させ、かつスレッドモー
タ等によって光ピックアップをＣＤの径方向へ移動させ
る。これにより、ターンテーブルと一体的に回転するＣ
Ｄに記録されている情報が、光ピックアップを介して読
み取れるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、ＣＤ
と同様の積層構造ではあるが片面のごく一部にだけ情報
が記録されているカード形の板状記録媒体が開発されて
いる。かかるカード形記録媒体は、中心孔の周囲に幅狭
な帯状の情報記録領域が形成されているだけであるた
め、ＣＤに比べると記憶容量ははるかに少ないが、外観
がカード形で携帯性や取扱い性に優れているという利点
を有する。

【０００４】そして、この種のカード形記録媒体を装填
して使用する専用のプレーヤを想定した場合、カード形
であることからトレイ方式よりもスロットイン方式のほ
うが使い勝手がよいが、ＣＤに比べてかなり幅狭なカー
ド形記録媒体も回転中はＣＤと同等のスペースが必要と
なるため、結局、前述した従来既知のスロットインタイ
プのＣＤプレーヤと大きさや構成が類似したものになり
やすい。だが、ＣＤに比べて小さく価格も安いことがカ
ード形記録媒体の最大の特長なので、その専用プレーヤ
もＣＤプレーヤに比べて小型かつ安価であることが強く
求められる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、装置内部へ挿
入された板状記録媒体をチャッキングした状態で、該板
状記録媒体の周方向に沿って光ピックアップを回転させ
ることとする。これにより、板状記録媒体を回転させる
必要がなくなるので、その板状記録媒体がカード形であ
れば装置の幅寸法を著しく狭めることができる。また、
カード形記録媒体のように情報記録領域が狭い場合に
は、光ピックアップをトラッキング方向に移動させなく
ても、対物レンズの位置を変更するなどして情報記録領
域内のすべてのトラックに対応させることが可能なの
で、スレッドモータ等を用いた光ピックアップ移送機構
が省略できて構成の簡素化が図れる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明による板状記録媒体の記録
／再生装置では、幅方向の両縁部が互いに略平行に形成
された板状記録媒体を挿入排出口から装置内部へ挿入す
ることにより、この板状記録媒体に対向する光ピックア
ップを介して情報の書き込み／読み取りが可能な板状記
録媒体の記録／再生装置であって、前記板状記録媒体の
幅方向両縁部が位置決め可能なガイド部を有して前記挿
入排出口から挿入された該板状記録媒体を保持するホル
ダと、挿入が完了している前記板状記録媒体の中央部を
テーブル上に搭載して挟持するチャッキング手段と、前
記光ピックアップをチャッキング状態の前記板状記録媒
体の周方向に沿って回転させる光ピックアップ回転駆動
手段とを備え、前記板状記録媒体を固定したまま前記光
ピックアップを回転させて情報の書き込み／読み取りを
行うように構成した。

【０００７】このように構成すると、挿入排出口から挿
入されるカード形等の板状記録媒体を、ホルダにより幅
方向に位置決めしつつ保持することができるので、該板
状記録媒体を装置内部の所定位置に配置させて容易にチ
ャッキングすることができ、かつ、チャッキング状態の
該板状記録媒体を回転させる代わりに光ピックアップを
回転させて情報の読み取りや書き込みを行うので、装置
の幅寸法を該板状記録媒体の幅寸法と略同程度に設定で
きる。すなわち、カード形等の非円形な板状記録媒体
も、情報記録領域が形成されているのは中心孔の周囲の
円環状部分なので、この情報記録領域に対向させた光ピ
ックアップを回転させれば情報の読み取りや書き込みが
行え、板状記録媒体そのものを回転させる必要がなくな
る。したがって、非円形な板状記録媒体の回転スペース
を確保するために装置を大型化する必要がなく、カード
形のような幅狭な板状記録媒体であれば装置も同様に幅
狭にすることができて小型化が図りやすい。

【０００８】また、カード形記録媒体などは情報記録領
域が狭いので、光ピックアップをトラッキング方向に移
動させなくても、対物レンズの位置を変更するなどして
情報記録領域内のすべてのトラックに対応させることが
可能である。この場合、スレッドモータ等を用いた従来
既知の光ピックアップ移送機構を省略することにより、
装置の構成を大幅に簡素化して低コスト化を促進するこ
とができる。したがって、上記の構成において、光ピッ
クアップの回転中にその対物レンズの位置をチャッキン
グ状態の板状記録媒体の径方向に沿って変更させるレン
ズ位置変更手段を備えることが好ましい。

【０００９】また、上記の構成において、光ピックアッ
プと回転中心を挟んで反対側に位置して該光ピックアッ
プと一体的に回転するバランサを備えていれば、光ピッ
クアップの回転動作を安定させることができるので装置
の信頼性が高まる。

【００１０】また、上記の構成において、前記テーブル
から前記ホルダに向かって突出して板状記録媒体に弾接
可能な支持ピンを備え、この支持ピンが板状記録媒体を
チャッキングする過程でテーブル内へ没入していくよう
にしてあれば、挿入時や排出時に板状記録媒体がホルダ
のガイド部から外れても支持ピンによって支えることが
できるので、板状記録媒体の寸法や形状にばらつきがあ
っても挿入動作や排出動作を支障なく行うことができ
る。

【００１１】

【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図１は本実施例に係るプレーヤの内部構成を示す平面
図、図２は該プレーヤに挿入したカード形記録媒体に対
するチャッキング動作や読み取り動作を説明するための
正面図である。

【００１２】図１，２に示すプレーヤは、カード形等の
板状記録媒体を装填して使用される専用プレーヤであ
る。これらの図において、符号１はプレーヤの外殻を形
成する筐体であり、この筐体１の前面には横長の挿入排
出口１ａが開設されている。符号２は幅方向の両縁部が
互いに平行に形成されたカード形記録媒体で、このカー
ド形記録媒体２の片面には中心孔の周囲に幅狭な帯状の
情報記録領域が形成されている。符号３は挿入排出口１
ａと対向する位置に配置されて筐体１内で昇降可能なホ
ルダで、このホルダ３には、挿入時や排出時のカード形
記録媒体２を幅方向に位置決めして所定の姿勢に保持可
能なガイド部３ａと、挿入されたカード形記録媒体２の
上面を下向きに弾性付勢する球面状の付勢部材３ｂと、
筐体１に設けられた図示せぬ溝に沿って移動しホルダ３
の昇降動作を案内するガイドピン３ｃとが設けられてい
る。符号４はホルダ３の下方に配設された搭載テーブ
ル、４ａは搭載テーブル４の中央部に突設されたハブ
で、ホルダ３に保持されたカード形記録媒体２の中心孔
にハブ４ａを挿入させることでセンタリングが行われる
ようになっている。符号５は搭載テーブル４からホルダ
３へ向かって突出して該搭載テーブル４内へ没入可能な
複数の支持ピンで、これらの支持ピン５はホルダ３内へ
挿入されたカード形記録媒体２の下面と微小な隙間を存
して対向するので、挿入時や排出時に高さ方向に位置ず
れしたカード形記録媒体２を支えることができる。符号
６はチャッキング状態のカード形記録媒体２の周方向に
沿って回転可能な光ピックアップ、６ａはその対物レン
ズ、６ｂは対物レンズ６ａを図１の矢印Ａで示す範囲内
で揺動可能なレンズ駆動部で、このレンズ駆動部６ｂを
制御することにより、対物レンズ６ａの位置をトラッキ
ング方向に沿って変更させることができる。符号７は光
ピックアップ６を回転駆動するスピンドルモータ、８は
回転中心を挟んで光ピックアップ６の反対側に設けられ
光ピックアップ６と一体的に回転するバランサで、この
バランサ８は光ピックアップ６と力学的に釣り合うよう
に設計されている。なお、光ピックアップ６およびバラ
ンサ８を全体的に円柱状となし、その回転中心線上にハ
ブ４ａの中心を位置させることも可能であり、要は、光
ピックアップ６およびバランサ８は全体のバランスがと
れる構造であればよい。符号９は排出レバー、１０はイ
ジェクト釦で、カード形記録媒体２が装填されていない
とき、排出レバー９は図１の矢印Ｂ方向へ所定量前進し
ており、この排出レバー９をカード形記録媒体２の先端
部が押し込んで図１に示す退避位置まで後退させると、
ホルダ３内へのカード形記録媒体２の挿入が完了したこ
とが検知される。また、カード形記録媒体２が装填され
ているときにイジェクト釦１０を押し込むと、ホルダ３
内に収納されているカード形記録媒体２が排出レバー９
によって挿入排出口１ａ側へ押し出されるようになって
いる。

【００１３】次に、上述したプレーヤの動作について説
明する。いま、ユーザがカード形記録媒体２を挿入排出
口１ａから筐体１の内部へ挿入していくと、ガイド部３
ａにより幅方向に位置決めされた状態でカード形記録媒
体２がホルダ３内へ進入していき、このカード形記録媒
体２の先端部が排出レバー９を退避位置まで押し込んだ
時点で挿入動作の完了が検知される。こうして挿入動作
が完了すると、カード形記録媒体２を収納したままホル
ダ３の下降動作が開始されて、複数の支持ピン５がカー
ド形記録媒体２に押し込まれながら搭載テーブル４内へ
没入していくと共に、カード形記録媒体２の中心孔にハ
ブ４ａが徐々に挿入されてセンタリングが行われる。そ
して、ホルダ３が所定量下降した時点で、カード形記録
媒体２は搭載テーブル４と付勢部材３ｂとに挟持された
チャッキング状態となり、光ピックアップ６がカード形
記録媒体２の情報記録領域と近接して対向する。しかる
後、スピンドルモータ７により光ピックアップ６を回転
させながら、レンズ駆動部６ｂを介して対物レンズ６ａ
をトラッキング方向に沿ってシフトさせていくことによ
り、カード形記録媒体２の情報記録領域に記録されてい
る複数トラック分の情報が光ピックアップ６によって読
み取られていく。なお、光ピックアップ６と一体的にバ
ランサ８も回転するので、光ピックアップ６の回転動作
は常に安定したものとなる。

【００１４】また、カード形記録媒体２が装填されてい
るときにイジェクト釦１０を押し込むと、カード形記録
媒体２を収納したままホルダ３が図２に示す高さ位置ま
で上昇し、それに伴い支持ピン５も元の高さまで突出し
た後、排出レバー９が退避位置から図１の矢印Ｂ方向へ
移動して、ホルダ３内のカード形記録媒体２が挿入排出
口１ａ側へ押し出される。したがって、挿入排出口１ａ
から若干量飛び出したカード形記録媒体２を手指でつま
んで容易に取り出すことができる。

【００１５】上述したプレーヤは、カード形記録媒体２
の情報記録領域に対向させた光ピックアップ６を回転さ
せることにより、カード形記録媒体２を回転させること
なく情報の読み取りを行うというものなので、カード形
記録媒体２の回転スペースを確保するためにプレーヤを
大型化する必要がなく、図１に示すように平面的な大き
さがカード形記録媒体２よりもひと回り大きい程度にま
で小型化されている。また、光ピックアップ６をカード
形記録媒体２の径方向に移動させなくても複数トラック
分の情報が読み取れるようにするため、カード形記録媒
体２の情報記録領域が幅狭であることを考慮して、対物
レンズ６ａをトラッキング方向に沿ってシフトさせる機
構を採用しているので、スレッドモータ等を用いた従来
既知の光ピックアップ移送機構が省略されている。その
結果、構成が簡素で低コスト化が図りやすいプレーヤと
なっている。また、搭載テーブル４に没入可能な支持ピ
ン５が配設してあるので、挿入時や排出時にカード形記
録媒体２がホルダ３のガイド部３ａから外れても支持ピ
ン５によって支えることができる。それゆえ、カード形
記録媒体２の寸法や形状にばらつきがあっても、その挿
入動作や排出動作を支障なく行うことができる。

【００１６】なお、上記実施例では、ホルダ３を下降さ
せることでカード形記録媒体２のチャッキングを行う場
合について説明したが、これとは反対に、搭載テーブル
４を光ピックアップ６やバランサ８と共にホルダ３側へ
上昇させることによって、カード形記録媒体２のチャッ
キングを行う構成にしてもよい。この場合、ホルダ３
は、挿入排出口１ａと対向する位置に常時固定された部
材となる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。

【００１８】挿入排出口から挿入されるカード形等の板
状記録媒体を、ホルダにより幅方向に位置決めしつつ保
持することができるので、該板状記録媒体を装置内部の
所定位置に配置させて容易にチャッキングすることがで
きる。また、チャッキング状態の板状記録媒体を回転さ
せる代わりに、光ピックアップを回転させて情報の読み
取りや書き込みを行うので、その板状記録媒体がカード
形であれば装置の幅寸法を著しく狭めることができる。
さらに、カード形記録媒体のように情報記録領域が狭い
場合には、光ピックアップをトラッキング方向に移動さ
せなくても、対物レンズの位置を変更するなどして情報
記録領域内のすべてのトラックに対応させることが可能
なので、スレッドモータ等を用いた光ピックアップ移送
機構を省略することにより、装置の構成を大幅に簡素化
して低コスト化を促進することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るプレーヤの内部構成を示
す平面図である。

【図２】該プレーヤの内部構成を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 筐体 １ａ 挿入排出口 ２ カード形記録媒体 ３ ホルダ ３ａ ガイド部 ３ｂ 付勢部材 ３ｃ ガイドピン ４ 搭載テーブル ４ａ ハブ ５ 支持ピン ６ 光ピックアップ ６ａ 対物レンズ ６ｂ レンズ駆動部 ７ スピンドルモータ ８ バランサ ９ 排出レバー １０ イジェクト釦

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 龍彦 東京都品川区西五反田１丁目１番８号 ア ルパイン株式会社内 (72)発明者 吉田 剛 東京都品川区西五反田１丁目１番８号 ア ルパイン株式会社内 Ｆターム(参考） 5D090 AA03 CC12 DD03 5D119 BA02 CA04 MA05

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 幅方向の両縁部が互いに略平行に形成さ
   れた板状記録媒体を挿入排出口から装置内部へ挿入する
   ことにより、この板状記録媒体に対向する光ピックアッ
   プを介して情報の書き込みおよび／または読み取りが可
   能な板状記録媒体の記録および／または再生装置であっ
   て、 前記板状記録媒体の幅方向両縁部が位置決め可能なガイ
   ド部を有して前記挿入排出口から挿入された該板状記録
   媒体を保持するホルダと、挿入が完了している前記板状
   記録媒体の中央部をテーブル上に搭載して挟持するチャ
   ッキング手段と、前記光ピックアップをチャッキング状
   態の前記板状記録媒体の周方向に沿って回転させる光ピ
   ックアップ回転駆動手段とを備え、 前記板状記録媒体を固定したまま前記光ピックアップを
   回転させて情報の書き込みおよび／または読み取りを行
   うように構成したことを特徴とする板状記録媒体の記録
   および／または再生装置。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、前記光ピック
   アップの対物レンズの位置をチャッキング状態の前記板
   状記録媒体の径方向に沿って変更させるレンズ位置変更
   手段を備えていることを特徴とする板状記録媒体の記録
   および／または再生装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２の記載において、前記
   光ピックアップと回転中心を挟んで反対側に位置して該
   光ピックアップと一体的に回転するバランサを備えてい
   ることを特徴とする板状記録媒体の記録および／または
   再生装置。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかの記載におい
   て、前記テーブルから前記ホルダに向かって突出して前
   記板状記録媒体に弾接可能な支持ピンを備え、この支持
   ピンが前記板状記録媒体をチャッキングする過程で前記
   テーブル内へ没入していくように構成したことを特徴と
   する板状記録媒体の記録および／または再生装置。