JP2002073273A - ポインティングデバイス - Google Patents

ポインティングデバイス

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JP2002073273A JP2000259613A JP2000259613A JP2002073273A JP 2002073273 A JP2002073273 A JP 2002073273A JP 2000259613 A JP2000259613 A JP 2000259613A JP 2000259613 A JP2000259613 A JP 2000259613A JP 2002073273 A JP2002073273 A JP 2002073273A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータの利用許可を得るための認証及
び利用許可解除のためのオペレータの操作を簡潔にした
ポインティングデバイスの実現。 【解決手段】 ポインティングデバイス1 は、指の押下
を検知する押下検知手段12、33と、押下検知手段12、33
に連携する位置に設置され、座標入力信号の生成が禁止
されている場合において押下検知手段12、33が指の押下
を検知したときのみ指紋情報を読み取る指紋読取りセン
サ11と、指紋情報と予め登録されている個人データとが
一致した場合のみ座標入力信号の生成が許可され、それ
以外は座標入力信号の生成は禁止される座標入力信号生
成手段13とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
入力装置として使用されるポインティングデバイスに関
し、特に操作指の指紋から個人認証を行うセンサを備え
るポインティングデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年コンピュータの操作性を向上するた
めにGUI(Graphical User Interface)が採用されて
いるが、ディスプレイ画面上のアイコンの操作には一般
にポインティングデバイスが用いられる。また、ローカ
ルエリアネットワークあるいはインターネット等のネッ
トワーク化されたコンピュータやワークステーション等
のコンピュータにおいては、内部データの機密保護ある
いは運用管理を目的として、利用にあたるオペレータを
識別し、予め登録されているユーザのみを利用可能とす
るセキュリティシステムが導入されている。
【0003】オペレータの個人認証には種々の方法があ
るが、近年では指紋を用いた方法が実用化されており、
例えば操作性の向上を目的として個人認識用の指紋読取
りセンサを搭載したポインティングデバイスも開発され
ている。指紋読取りセンサ付きポインティングデバイス
を用いたセキュリティシステムが導入されているコンピ
ュータを利用する場合は、オペレータは指紋読取りセン
サの読取り面上に指を載せて指紋照合し、コンピュータ
の利用許可を得る。
【0004】すなわち、指紋読取りセンサによって読み
取られたオペレータの指紋情報がコンピュータへ送出さ
れ、予め登録された個人データと照合される。そして照
合の結果、指紋情報と予め登録された個人データとが一
致した場合のみコンピュータの利用許可が得られる。な
お、コンピュータの利用が許可されたときに更に個人毎
にカスタマイズされたコンピュータ操作環境が提供され
るシステムもある。
【0005】コンピュータの利用が終わった後は、例え
ば別個に設けられたコンピュータ利用許可解除用のスイ
ッチボタンを押下することでコンピュータの利用許可を
解除し、コンピュータの利用許可登録がされていない第
三者の利用を禁止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の指紋読取りセン
サ付きポインティングデバイスは、一般にポインティン
グデバイスの所定の場所に指紋読取りセンサが設置され
ている。また、利用許可解除用のスイッチボタンは指紋
読取りセンサとは別個に設置されている。従って、コン
ピュータを利用開始する際の指紋照合及び利用を終了す
る際の利用許可解除のためのオペレータの操作は、座標
入力信号の生成のためのポインティングデバイス本来の
操作とは別個の操作であり、操作が煩雑であるという問
題がある。
【0007】従って本発明の目的は、上記課題に鑑み、
コンピュータの利用許可を得るための認証及び利用許可
解除のためのオペレータの操作を簡潔にしたポインティ
ングデバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するため
に、本発明によるポインティングデバイスは、指の押下
を検知する押下検知手段と、押下検知手段に連携する位
置に設置され、座標入力信号の生成が禁止されている場
合において押下検知手段が指の押下を検知したときのみ
指紋情報を読み取る指紋読取りセンサと、指紋情報と予
め登録されている個人データとが一致した場合のみ座標
入力信号の生成が許可され、それ以外は座標入力信号の
生成は禁止される座標入力信号生成手段とを備える。
【0009】本発明の第1の実施態様においては、押下
検知手段は、指紋読取りセンサの上面を覆うように設置
された、指の押下を検知する透明入力パネルである。ま
た、本発明の第2の実施態様においては、押下検知手段
は、指紋読取りセンサの下方に設置された、指紋読取り
センサが押下されるによってオンするメカニカルスイッ
チである。
【0010】本発明によれば、コンピュータの利用許可
を得るための認証及び利用許可解除のためのオペレータ
の操作を簡潔にすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】入力された認証情報と予め登録さ
れている個人データとが一致したときのみコンピュータ
を利用することができるセキュリティシステムを有する
コンピュータシステムに、本発明による指紋読取りセン
サ付きポインティングデバイスを用いた場合について説
明する。なお、ここでは、ポインティングデバイスとし
て、ボール回転式マウスを例に取って説明するが、本発
明はこれに限定されるものではなく、光学式マウス、回
転ホイール付マウス、トラックボールあるいはジョイス
ティック等であってもよい。
【0012】本発明によるポインティングデバイスは、
指の押下を検知する押下検知手段と、押下検知手段に連
携する位置に設置され、座標入力信号の生成が禁止され
ている場合において押下検知手段が指の押下を検知した
ときのみ指紋情報を読み取る指紋読取りセンサと、指紋
情報と予め登録されている個人データとが一致した場合
のみ座標入力信号の生成が許可され、それ以外は座標入
力信号の生成は禁止される座標入力信号生成手段とを備
える。
【0013】本発明の第1の実施態様によるポインティ
ングデバイスは、指紋情報を読み取るための指紋読取り
センサと、指の押下を検知する押下検知手段として、指
紋読取りセンサの上面に接するように設置され、指の接
触を検知する透明入力パネルとを備える。本実施態様
は、透明入力パネルを用いて、指紋照合処理の起動と、
ポインティングデバイスにおける座標入力信号の生成処
理の禁止とを指示することができる点を特徴とする。
【0014】本発明の第1の実施態様によるポインティ
ングデバイスでは、ポインティングデバイスの利用が許
可されていない場合において、透明入力パネルが指の接
触を検知したときのみ指紋読取りセンサが動作し、指紋
照合処理が実行される。指紋照合処理の結果ポインティ
ングデバイスの利用が許可されると、その後は通常の座
標入力信号の生成処理が可能となる。また、このとき指
紋読取りセンサは動作しない。なお、生成される座標入
力信号は、例えばポインティングデバイスの操作量及び
操作方向を示すXYデータ及びクリックスイッチボタン
の押下を示すデータ等である。
【0015】一方で、ポインティングデバイスの利用が
許可されている場合において、透明入力パネルが指の接
触を所定の期間に所定の回数検知したとき、ポインティ
ングデバイスにおける座標入力信号の生成処理が禁止と
なる。座標入力信号の生成処理が禁止となると、ポイン
ティングデバイスを操作したとしてもコンピュータへは
座標入力信号が送出されないので、コンピュータの利用
許可登録がされていない第三者はポインティングデバイ
スを用いてコンピュータを利用することはできない。
【0016】本発明の第2の実施態様によるポインティ
ングデバイスは、押下されることで指紋読取りセンサ全
体が垂直方向に移動可能な機構を更に備えると共に、第
1の実施態様における透明入力パネルに代えて、指紋読
取りセンサの下方に、指紋読取りセンサが押下されるこ
とによってオンするメカニカルスイッチを備える。この
メカニカルスイッチがオンすることによって、第1の実
施態様と同様に、指紋照合処理の起動と、ポインティン
グデバイスにおける座標入力信号の生成処理の禁止とを
指示することができる。
【0017】なお、本発明では、コンピュータに接続さ
れたポインティングデバイス以外の他の入力装置、例え
ばキーボード等の入力装置の利用の許可及び禁止も、ポ
インティングデバイスの利用の許可及び禁止に対応させ
る。これによってコンピュータシステム全体としてセキ
ュリティシステムが実現される。次に、本発明の第1の
実施態様によるポインティングデバイスの具体的構成に
ついて例示する。
【0018】図1は、本発明の第1の実施態様によるポ
インティングデバイスの概略ブロック図である。本実施
態様によるポインティングデバイス1は、指紋情報を読
み取るための指紋読取りセンサ11と、指紋読取りセン
サ11の上面に接するように設置され、指の接触を検知
する透明入力パネル12とを備える。
【0019】指紋読取りセンサ11はオペレータの指紋
の画像を光学的に撮像する。透明入力パネル12は指紋
読取りセンサ11の上面に接するように設置されるの
で、その結果指紋読取りセンサ11とオペレータの指と
の間に位置することになる。従って透明入力パネル12
は指紋読取り精度の向上のために透明であることが好ま
しい。
【0020】透明入力パネル12における指の接触の検
知方式は種々のものが考えられる。本実施態様では抵抗
膜と呼ばれる抵抗体を用いる方法を適用するが、本発明
はこれに限定されるものではなく、他の検知方式であっ
てもよい。抵抗膜接触方式による透明入力パネルは、そ
の厚さは例えば数mm程度であり、操作パネル面下方に
設けられる第1の抵抗膜と、第1の抵抗膜から所定のギ
ャップ間隔を空けて設けられる第2の抵抗膜と、この2
つの抵抗膜上にそれぞれ設けられる電極対とを備える。
【0021】各抵抗膜は、例えばポリエステル、ウレタ
ン若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)等の
透明絶縁パネル上に、例えばITO(酸化インジウムス
ズ)、酸化亜鉛若しくは酸化スズ等の金属酸化物を蒸着
又はスパッタして形成される透明導電膜である。また、
各抵抗膜を支持するベース部材としては例えばガラス等
が用いられる。
【0022】透明入力パネルの操作面に指が接触する
と、操作面及び抵抗膜が撓み、反発力が発生する。指の
接触が終了すると、抵抗膜及びベース部材の弾性力によ
り抵抗膜間のギャップが正常時のものに復帰する。操作
面に指が接触して2つの抵抗膜間に短絡が発生すると、
電極対が形成する電圧に変化が生じる。この電圧変化を
読み取ってオペレータの指の接触の検知信号51とす
る。この検知信号51は制御部13へ送出される。
【0023】制御部13はケーブル14を介してコンピ
ュータ2のポインティングデバイス用制御部21及びカ
ーソル制御部23に接続される。制御部13は、指紋読
取りセンサ11で読み取られた指紋情報を所定のデータ
フォーマットでコンピュータ2へ送出する指紋情報送出
手段41と、後述する動作許可コマンド56及び動作禁
止コマンド57をコンピュータ2から受信するコマンド
受信手段42と、生成された座標入力信号58をコンピ
ュータ2のカーソル制御部23へ送出する座標入力信号
送出手段43と、座標入力信号の生成が許可されている
場合において押下検知手段が指の押下を所定の期間に所
定の回数検知したとき、座標入力信号の生成を禁止する
禁止手段44とを備えて成る。これら各手段を有する制
御部13はポインティングデバイス1内のプリント基板
上のマイクロプロセッサ(図示せず)にファームウェア
形式で実現される。
【0024】本実施態様におけるケーブル14は、好ま
しくはUSBインタフェースケーブルであるがPS/2
等の他のケーブルであってもよい。コンピュータ2は、
ポインティングデバイス用制御部21、指紋照合部22
及び座標入力信号演算部23を備えて成り、これらはコ
ンピュータ2に搭載されているホストCPU及びメモリ
並びにインストールされたソフトウェア等を用いて構成
される。
【0025】続いて本実施態様のポインティングデバイ
スの動作原理について説明する。図2は本発明の第1の
実施態様によるポインティングデバイスの動作原理を示
すフローチャートである。ステップS101において、
図1のポインティングデバイス1内の制御部13は、透
明入力パネル12が指の接触を検知したか否かを判定す
る。上述のように、透明入力パネル12の操作面に指が
接触して各抵抗膜が短絡すると電圧変化が生じるので、
この電圧変化を指の接触の検知の判断に用いればよい。
すなわち、この電圧変化から得られる検知信号51を受
信したときに、オペレータの指の接触があったものと判
断する。制御部13は周期的に検知信号51を監視す
る。検知信号51を受信しないときは指の接触がないと
いうことであり、このことはオペレータは指紋照合を意
図をしていないかあるいは誰もポインティングデバイス
1を使っていないことを意味する。指の接触があった場
合はステップS102へ進む。
【0026】ステップS102では、制御部13は、ポ
インティングデバイス1の利用が許可されているか否か
を判断する。本実施態様においては、オペレータに対す
るポインティングデバイス1の利用の許可の有無は、ポ
インティングデバイス1が座標入力信号を生成してコン
ピュータ2へ送出できるか否かに対応する。すなわち、
オペレータにポインティングデバイス1の利用が許可さ
れていない場合は、オペレータがポインティングデバイ
ス1の本体を動かしたりポインティングデバイス1上の
クリックスイッチを押下しても、コンピュータ2へ座標
入力信号は送出されない。
【0027】ステップS102において、ポインティン
グデバイス1の利用が許可されていると判断された場合
はステップS201へ進む。この場合、指紋読取りセン
サ11は動作しない。ステップS201では、制御部1
3は、所定の期間、指の接触回数をカウントし、指の接
触が所定の期間に所定の回数あったか否かを判定する。
指の接触回数のカウントは、制御部13が所定の期間に
検知信号51を何回受信したかをカウントすることによ
り実現される。ステップS201において、指の接触が
所定の期間に所定の回数あったと判定された場合はステ
ップS202へ進み、そうでない場合はステップS10
1へ戻る。
【0028】ステップS202では、制御部13はポイ
ンティングデバイス1における座標入力信号の生成処理
を禁止にする。座標入力信号の生成処理が禁止になる
と、ポインティングデバイス1を操作したとしてもコン
ピュータ2へは座標入力信号が送出されないので、コン
ピュータの利用許可登録がされていない第三者はポイン
ティングデバイス1を用いてコンピュータ2を利用する
ことはできない。
【0029】なお、本実施態様では、コンピュータ2に
接続されたポインティングデバイス1以外の他の入力装
置、例えばキーボード等の入力装置の利用についても禁
止にする必要があるため、ステップS202では、更に
コンピュータ2に対し、コンピュータ2の利用禁止を指
示するコマンド57をメイン制御部(図示せず)へ送出
する。
【0030】ステップS102において、ポインティン
グデバイス1の利用が許可されていないと判断された場
合は、指紋照合処理を実行するため、制御部13は指紋
読取りセンサ11に指紋読取り動作開始を指示する読取
り開始コマンド52を送出し、ステップS103へ進
む。ステップS103では、指紋読取りセンサ11は、
制御部13から読取り開始コマンド52を受信し、透明
入力パネル12の操作面上に置かれたオペレータの指紋
を光学的に撮像して指紋情報53を読み取る。前述のよ
うに、指紋読取りセンサ11は透明入力パネル12を介
してオペレータの指紋を光学的に撮像するので、透明入
力パネル12の透明度が高いほど指紋読取りセンサ11
の解像度は高くなる。
【0031】次にステップS104において、制御部1
3は指紋情報53を受信する。受信された指紋情報53
は、USBインタフェースケーブル14を介してコンピ
ュータ2へ送出するためにUSB規格対応のデータフォ
ーマット形式の規定データ54に変換される。ステップ
S105では、規定データ54がコンピュータ2内のポ
インティングデバイス用制御部21に送信される。
【0032】規定データ54は更に指紋照合部22へ送
出され、ステップS106において、予め登録されてい
る個人データと照合される。規定データ54が、登録さ
れている個人データのいずれかと一致した場合はステッ
プS107へ進み、一致しない場合はステップS108
へ進む。ステップS107では、ポインティングデバイ
ス用制御部21は指紋照合部22の照合結果55に基づ
いて、ポインティングデバイス1内の制御部13へ、ポ
インティングデバイス1の座標入力信号の生成処理の動
作許可を指示する動作許可コマンド56を送出する。
【0033】制御部13は、動作許可コマンド56を受
信した場合、ステップS109においてポインティング
デバイス1における座標入力信号の生成処理を可能にす
る。座標入力信号の生成処理が許可されると、生成され
た座標入力信号58はUSBインタフェースケーブル1
4を介してコンピュータ2のカーソル制御部23へ送出
される。
【0034】ステップS108では、ポインティングデ
バイス用制御部21は指紋照合部22の照合結果55に
基づいて、ポインティングデバイス1内の制御部13
へ、ポインティングデバイス1の座標入力信号の生成処
理の動作禁止を指示する動作禁止コマンド57を送出す
る。制御部13は、動作禁止コマンド57を受信した場
合、ステップS110においてポインティングデバイス
1における座標入力信号の生成処理を禁止したままにす
る。座標入力信号の生成処理が禁止の場合、ポインティ
ングデバイス1を操作したとしても座標入力信号はコン
ピュータ2へは送出されない。
【0035】なお、本実施態様では、コンピュータに接
続されたポインティングデバイス以外の他の入力装置、
例えばキーボード等の入力装置の利用の許可及び禁止
は、上述の動作許可コマンド56及び動作禁止コマンド
57に基づき、コンピュータ2のメイン制御部が実行す
ることになる。従って、ポインティングデバイス1にお
いて座標入力信号の生成処理が禁止されている場合は、
それに対応してコンピュータ2の利用も禁止されるの
で、コンピュータの利用許可登録がされていない第三者
はポインティングデバイスを用いてコンピュータを利用
することはできない。
【0036】なお、本実施態様によるポインティングデ
バイスでは、指紋照合が完了してコンピュータが利用可
能になった後において、透明入力パネルを、更なる座標
入力のための手段として用いてもよい。座標入力信号の
生成が許可された後に透明入力パネル上を指が接触移動
させられたとき、この接触移動に対応したパネル入力信
号を生成するパネル入力信号生成手段を制御部13に構
成すればよい。この場合、透明入力パネルにおける指の
接触による電圧変化を、透明入力パネルの操作面上にお
いてXY座標に分解して検出し、更なる座標入力信号と
してコンピュータに送出すればよい。この座標入力信号
を例えばディスプレイ画面のスクロールのための信号と
して割り当てることができる。
【0037】また、本実施態様では、指紋照合処理はコ
ンピュータ内の指紋照合部で実行されるが、ポインティ
ングデバイス内に個人データを記憶するためのメモリを
設け、ポインティングデバイス内のマイクロプロセッサ
等を用いて指紋照合処理を実行してもよい。この場合、
コンピュータに接続されたポインティングデバイス以外
の他の入力装置、例えばキーボード等の入力装置の利用
の許可及び禁止も、ポインティングデバイスの利用の許
可及び禁止に対応させる必要があるため、ポインティン
グデバイス内のマイクロプロセッサによって得られた指
紋照合結果は、コンピュータのメイン制御部にも通知す
るようにする。
【0038】続いて本実施態様における透明入力パネル
及び指紋読取りセンサの設置位置について説明する。図
3は本発明の第1の実施態様によるポインティングデバ
イスの斜視図である。本実施態様によるポインティング
デバイス1では、左右のクリックスイッチ31及び32
の間に透明入力パネル12が設けられる。この透明入力
パネル12の下面に接するように指紋認識センサ(図示
せず)が設けられる。ポインティングデバイス1はUS
Bインタフェースケーブル14を介してコンピュータに
接続することができる。
【0039】透明入力パネルはポインティングデバイス
上であればどこに設置してもよく、次にその一例を挙げ
る。図4は本発明の第1の実施態様によるポインティン
グデバイスの変形例の斜視図である。この変形例による
ポインティングデバイス1は、クリックスイッチ上に透
明入力パネル12を設けたものである。図4に示す代替
例では左クリックスイッチ31の上に設けているが、右
クリックスイッチ32上に設けてもよい。この透明入力
パネル12の下面に接するように指紋読取りセンサ(図
示せず)が設けられる。ポインティングデバイス1はU
SBインタフェースケーブル14を介してコンピュータ
に接続することができる。本実施態様では、左クリック
スイッチ31上に透明入力パネル12及び指紋読取りセ
ンサを設けるので、オペレータは、コンピュータを利用
開始する際の指紋照合及び利用を終了する際の利用許可
解除のためのオペレータの操作を、座標入力信号の生成
のためのポインティングデバイス本来の操作時における
指の位置とほとんど変えることなく実現することができ
るので、操作性が向上する。
【0040】以上説明したように、本発明の第1の実施
態様によるポインティングデバイスによれば、コンピュ
ータを利用開始する際の指紋照合及び利用を終了する際
の利用許可解除のためのオペレータの操作を、透明入力
パネルに対する指の操作により簡単に行うことができ
る。また、従来例によれば指紋読取りセンサは所定の周
期で指紋の読取り処理を実行していたが、本実施態様に
よれば、ポインティングデバイス及びコンピュータが利
用禁止であるときであって透明入力パネルが指の接触を
検知した場合のみ読取り処理が実行されるので、ポイン
ティングデバイスの消費電力を抑えることができると共
に指紋読取りセンサの寿命を長くすることができる。加
えて、透明入力パネルは、その下面に位置する指紋読取
りセンサを保護することにもなる。
【0041】更に、従来例によれば、コンピュータが利
用禁止である場合であってもポインティングデバイスは
座標入力信号を生成してコンピュータへ送出するので、
ポインティングデバイス本体を移動させると、アプリケ
ーションの実行はできないがディスプレイ画面上のカー
ソルは移動してしまうことになる。このためオペレータ
はディスプレイ画面上からは、自分はコンピュータ利用
を許可されているのか否かを理解するるのに時間がかか
る場合があった。これに対し、本発明によるポインティ
ングデバイスでは、コンピュータが利用禁止である場合
は、ポインティングデバイスは座標入力信号を生成しな
いので、ポインティングデバイス本体を移動させてもカ
ーソルが移動することはない。従って、オペレータはポ
インティングデバイス本体を適当に移動させてディスプ
レイ画面上のカーソルが移動するか否かを確認するだけ
で、コンピュータが利用可能であるか否かを簡単に理解
することもできる。
【0042】次に本発明の第2の実施態様によるポイン
ティングデバイスについて説明する。図5は本発明の第
2の実施態様によるポインティングデバイスの断面図で
ある。本実施態様によるポインティングデバイス1で
は、押下されることで指紋読取りセンサ11全体が垂直
方向に移動可能な機構を更に備えると共に、第1の実施
態様における透明入力パネルに代えて、指紋読取りセン
サ11の下方に、指紋読取りセンサ11が押下されるこ
とによってオンするメカニカルスイッチ33を備える。
従って、本実施態様では、指紋指紋読取りセンサ11が
ポインティングデバイス1の表面に現れることになる。
【0043】このメカニカルスイッチ33がオンするこ
とによって、第1の実施態様と同様に、指紋照合処理の
起動と、ポインティングデバイス1における座標入力信
号の生成処理の禁止とを指示することができる。すなわ
ち、本実施態様によるポインティングデバイス1では、
ポインティングデバイス1の利用が許可されていない場
合において、指紋読取りセンサ11を押下してメカニカ
ルスイッチ33がオンしたときのみ指紋読取りセンサ1
1は動作し、指紋照合処理が実行される。指紋照合処理
の結果ポインティングデバイス1の利用が許可される
と、その後は通常の座標入力信号の生成処理が可能とな
る。また、このとき指紋読取りセンサ11は動作しな
い。
【0044】一方で、ポインティングデバイス1の利用
が許可されている場合において、指紋読取りセンサ11
が所定の期間に所定の回数押下されてメカニカルスイッ
チ33がオンしたときのみ、ポインティングデバイス1
における座標入力信号の生成処理が禁止となる。座標入
力信号の生成処理が禁止となると、ポインティングデバ
イス1を操作したとしてもコンピュータ2へは座標入力
信号が送出されないので、コンピュータの利用許可登録
がされていない第三者はポインティングデバイス1を用
いてコンピュータ2を利用することはできない。
【0045】なお、具体的な動作フローは第1の実施態
様と同様であるので詳しい説明は省略する。以上説明し
たように、本発明の第2の実施態様によるポインティン
グデバイスによれば、コンピュータを利用開始する際の
指紋照合及び利用を終了する際の利用許可解除のための
オペレータの操作を、指紋読取りセンサに対する指の操
作により簡単に行うことができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の実
施形態によるポインティングデバイスによれば、コンピ
ュータを利用開始する際の指紋照合及び利用を終了する
際の利用許可解除のためのオペレータの操作を、透明入
力パネルに対する指の操作により簡単に行うことができ
る。
【0047】また、ポインティングデバイスの消費電力
を抑えることができると共に指紋読取りセンサの寿命を
長くすることができる。更に、コンピュータが利用禁止
である場合は、ポインティングデバイスは座標入力信号
を生成しないので、ポインティングデバイス本体を移動
させてもカーソルが移動することはなく、オペレータは
ポインティングデバイス本体を適当に移動させてディス
プレイ画面上のカーソルが移動するか否かを確認するだ
けで、コンピュータが利用可能であるか否かを簡単に理
解することができる。
【0048】また、コンピュータが利用可能になった後
において、透明入力パネルを、更なる座標入力手段とし
て用いてもよい。ここで生成された座標入力信号を例え
ばディスプレイ画面のスクロールのための信号として割
り当てることもできる。本発明の第2の実施形態による
ポインティングデバイスによれば、コンピュータを利用
開始する際の指紋照合及び利用を終了する際の利用許可
解除のためのオペレータの操作を、指紋読取りセンサに
対する指の操作により簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様によるポインティング
デバイスの概略ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施態様によるポインティング
デバイスの動作原理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施態様によるポインティング
デバイスの斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施態様によるポインティング
デバイスの代替例の斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施態様によるポインティング
デバイスの断面図である。
【符号の説明】
1…ポインティングデバイス 2…コンピュータ 11…指紋読取りセンサ 12…透明入力パネル 13…制御部 14…USBインタフェースケーブル 21…ポインティングデバイス用制御部 22…指紋照合部 23…カーソル制御部 31…左クリックスイッチ 32…右クリックスイッチ 33…メカニカルスイッチ 41…指紋情報送出手段 42…コマンド受信手段 43…座標入力信号送出手段 44…禁止手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指の押下を検知する押下検知手段と、 該押下検知手段に連携する位置に設置され、座標入力信
    号の生成が禁止されている場合において前記押下検知手
    段が指の押下を検知したときのみ指紋情報を読み取る指
    紋読取りセンサと、 前記指紋情報と予め登録されている個人データとが一致
    した場合のみ前記座標入力信号の生成が許可され、それ
    以外は前記座標入力信号の生成は禁止される座標入力信
    号生成手段とを備えることを特徴とするポインティング
    デバイス。
  2. 【請求項2】 前記座標入力信号の生成が許可されてい
    る場合において前記押下検知手段が指の押下を所定の期
    間に所定の回数検知したとき、前記座標入力信号の生成
    を禁止する禁止手段を更に備える請求項1に記載のポイ
    ンティングデバイス。
  3. 【請求項3】 前記座標入力信号の生成が許可された後
    は、前記指紋読取りセンサの処理を無効とする請求項1
    又は2に記載のポインティングデバイス。
  4. 【請求項4】 前記指紋情報を所定のデータフォーマッ
    トでコンピュータへ送出する送出手段と、 前記指紋情報と前記個人データとが一致した場合の前記
    座標入力信号の生成の許可を指示するコマンドを、前記
    コンピュータから受信する受信手段とを更に備える請求
    項1〜3のいずれか一項に記載のポインティングデバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記押下検知手段は、前記指紋読取りセ
    ンサの上面を覆うように設置された、指の押下を検知す
    る透明入力パネルである請求項1〜4のいずれか一項に
    記載のポインティングデバイス。
  6. 【請求項6】 前記座標入力信号の生成が許可された後
    は、前記透明入力パネル上を指が接触移動させられたと
    き、前記接触移動に対応したパネル入力信号を生成する
    パネル入力信号生成手段を更に備える請求項5に記載の
    ポインティングデバイス。
  7. 【請求項7】 前記押下検知手段は、前記指紋読取りセ
    ンサの下方に設置された、前記指紋読取りセンサが押下
    されるによってオンするメカニカルスイッチである請求
    項1〜4のいずれか一項に記載のポインティングデバイ
    ス。
  8. 【請求項8】 前記指紋読取りセンサは、押下されるこ
    とで垂直方向に移動可能な移動機構を有する請求項7に
    記載のポインティングデバイス。
  9. 【請求項9】 前記ポインティングデバイスが有するク
    リックスイッチ上に前記指紋読取りセンサが設置される
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のポインティングデ
    バイス。
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