JP2000222123A - 指紋による個人識別機能付きマウスを用いたコンピュータシステム及び該コンピュータシステムにおける個人識別方法 - Google Patents

指紋による個人識別機能付きマウスを用いたコンピュータシステム及び該コンピュータシステムにおける個人識別方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータシステムの不正利用を確実にチ
ェックすることが可能なセキュリティの高いコンピュー
タシステムを提供すること。 【解決手段】 指紋を検出する指紋検出装置12をマウ
4に内蔵し、前記指紋検出装置12から入力された指
紋情報を登録する手段と、前記指紋検出装置12から一
定時間毎に読み出した指紋情報と登録済み指紋情報とを
照合手段により照合して個人識別を行い、前記照合手段
の照合結果により前記コンピュータシステムへのアクセ
クの許可又は不許可の判断を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋検出手段を備
えたマウスによる個人の識別に関するセキュリティ機能
の向上を図り、しかも前記マウスによる個人の識別管理
をコンピュータシステムの稼働状態中に自動的に行うこ
とが可能な指紋による個人識別機能付きマウスを用いた
コンピュータシステム及び該コンピュータシステムにお
ける個人識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータシステムは、インタ
ーネット、企業内ネットワーク等の普及に伴って複数の
利用者の特定のためにパスワードの使用が図られてい
る。パスワードが一致することによりインターネットへ
の接続やネットワークへの接続、並びにコンピュータシ
ステムの使用、データベースへのアクセス等の許可又は
不許可が図られている。
【0003】このようなパスワードの利用は、利用者の
特定が容易にできるという利便性がある反面、前記パス
ワードは一回入れれば足りるためコンピュータシステム
が稼働中であれば前記パスワードを知らない第三者であ
っても前記システムの内部に容易にアクセスすることが
可能である。また、前記パスワードが他人に知られて不
正に使用されると前記コンピュータシステムを電源投入
時から簡単に不正利用することが可能となり、コンピュ
ータシステムのセキュリティ機能の向上を図る上でも改
善すべき課題となっている。
【0004】このようなセキュリティの改善を図る手段
として、パスワードではなく、利用者の個人毎の指紋を
登録しておき、コンピュータシステムの使用時に別の装
置である指紋読み取り専用装置を別途用意して指紋照合
の手続を行った上でコンピュータシステムへのアクセス
の許可又は不許可を判定してコンピュータシステムのセ
キュリティ機能の向上を確保することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したパスワードに
よる利用者の確認は、通常数字や文字、記号の組み合わ
せ等からなるものであるため、比較的解読されやすく、
一度解読されてしまうと、パスワードの変更を行うまで
は自由にアクセスが可能となってしまうという問題があ
り、また、指紋の照合による利用者の確認は、指紋が個
人毎に異なるためセキュリティの面からは向上するもの
の前記コンピュータシステムの指紋を読み取るための専
用装置である指紋読取装置が別途必要となり、ダウンサ
イジングが図られつつある今日において省スペース化が
困難となり、しかも高価なものとなってしまうという課
題がある。しかも、この指紋読取装置は指紋の照合を行
う毎に、別途指紋照合手続が必要となり利便性に欠けて
いる。また、前記指紋読取装置は、指紋照合手続で一度
照合にパスすると、以後指紋の照合無しでコンピュータ
システムの利用ができるため、途中で利用者が替わって
もチェックされず不正に使用される恐れがあり、コンピ
ュータシステムのセキュリティ上改善すべき課題となっ
ている。
【0006】そこで本発明は、前記従来の技術に鑑みて
成されたものであって、個人の同定、すなわち個人の判
別又は識別方法として確立している指紋を利用してコン
ピュータシステムのセキュリティ機能の向上を図るもの
である。すなわち、指紋検出手段を外部入力装置である
マウスに設けることにより、一定時間毎に前記マウスの
指紋検出手段から指紋の画像を読み取り、この読み取っ
た指紋データと登録された指紋データとの照合を行い、
利用者の同定を行うことが可能な指紋による個人識別機
能付きマウスを用いたコンピュータシステム及び該コン
ピュータシステムにおける個人識別方法を提供すること
を目的とするものである。
【0007】また、指紋検出手段をマウスに設けたこと
により利用者は専用装置としての指紋読取装置で別途指
紋照合手続を行う必要がなく、利便性に優れた指紋によ
る個人識別機能付きマウスを用いたコンピュータシステ
ム及び該コンピュータシステムにおける個人識別方法を
提供することを目的とするものである。
【0008】また、近年、インターネットの急速な普及
により家庭内においてもセキュリティに優れしかも安価
な構成のものが望まれており、かかる面からみても好適
な指紋による個人識別機能付きマウスを用いたコンピュ
ータシステム及び該コンピュータシステムにおける個人
識別方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による指紋による
個人識別機能付きマウスを用いたコンピュータシステム
は、少なくとも、表示器と、演算制御機と、外部入力装
置としてのキーボード及びマウスとを備えてなるコンピ
ュータシステムであって、前記マウスは、前記表示器上
のカーソルを移動する手段と、情報の選択・取消・実行
指示を行う機能を備えるとともに、前記マウスに指紋を
検出する指紋検出手段を前記マウスに設けたものであ
る。
【0010】また、本発明による指紋による個人識別機
能付きマウスを用いたコンピュータシステムの前記指紋
検出手段は、光照射手段としての光源と、前記光源から
の光を反射する光の反射手段としてのプリズムと、前記
プリズムからの光を撮像する撮像手段としてのCCDセ
ンサよりなるものである。
【0011】また、本発明による指紋による個人識別機
能付きマウスを用いたコンピュータシステムの前記指紋
検出手段は、半導体センサでなるものである。
【0012】また、本発明による指紋による個人識別機
能付きマウスを用いたコンピュータシステムの前記演算
制御機は、前記指紋検出手段から入力された指紋情報を
登録する登録手段と、前記指紋検出手段から一定時間毎
に読み出した指紋情報と登録済み指紋情報とを照合する
照合手段と、前記照合手段の照合結果により前記コンピ
ュータシステムへのアクセスの許可又は不許可の判断を
行う指紋の管理手段を備えてなるものである。
【0013】また、本発明によるコンピュータシステム
における個人識別方法は、少なくとも、表示器と、演算
制御機と、外部入力装置としてのキーボード及びマウス
とを備えてなるコンピュータシステムを用いた個人識別
方法であって、前記マウスは、前記表示器上のカーソル
を移動する手段と、情報の選択・取消・実行指示を行う
機能を備えてなり、前記マウスに設けられた指紋を検出
する指紋検出手段により個人の識別判定を行う指紋を検
出するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明によ
る指紋による個人識別機能付きマウスを用いたコンピュ
ータシステムの実施の形態について説明する。
【0015】図1は、指紋による個人識別機能付きマウ
スを用いたコンピュータシステムの外観構成を示す図で
ある。
【0016】図1に示すように、本発明による指紋によ
る個人識別機能付きマウスを用いたコンピュータシステ
ムは、演算制御手段としての演算制御機1と、表示手段
としての表示器2と、外部入力装置(外部入力手段)と
してのキーボード3及びマウス4とからなっている。
【0017】図1に示すように、演算制御手段としての
演算制御機1は、演算、制御を行うCPU(中央演算装
置、図示せず)と、プログラム、データを記憶する記憶
装置(メモリ、図示せず)と、外部の入出力装置の制御
を行う外部入出力制御装置(図示せず)からなる。
【0018】また、表示手段としての表示器2は、前記
演算制御機1の外部入出力制御装置に接続されたCRT
ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレ
イ等からなり、外部入力装置としてのキーボード3及び
マウス4は、外部からの入力、情報の選択、取消、実行
指示等を行うものである。
【0019】図2(a)は、前記マウスに組み込まれた
指紋検出手段としての指紋検出装置を平面から透視した
図であり、(b)は、(a)の側面から透視した図であ
る。
【0020】図2(a)に示すように、前記マウス4
は、手のひらで握れる大きさとなっており、平面上で自
在に移動可能となっている。
【0021】前記マウス4は、CRTディスプレイ、液
晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等からなる前記
表示器2上のカーソルを移動する手段としての位置決め
機構10を内蔵している。位置決め機構10は、マウス
4の底面に該マウス4が載置された平面と接するボール
(図示せず)を内蔵し、このボールの回転量をパルスに
変換してパルス数をカウントして移動の方向と相対量を
求め、前記表示器2上のカーソルを移動する。前記マウ
ス4の上面には、情報の選択・取消・実行指示を行うス
イッチボタン11が備えられている。
【0022】なお、本実施例による前記位置決め機構1
0は、ボールを用いる構成としているが、この構成に限
らず、例えば公知の光学的な検出によるものでもよい。
【0023】また、図2(a)に示すように、前記マウ
ス4の側面aには、指紋を検出する指紋検出手段として
の指紋検出装置12が内蔵されている。
【0024】指紋検出装置12は、光照射手段としての
光源16、前記光源からの光を反射する光の反射手段と
してのプリズム17、前記プリズム17からの光を撮像
する撮像手段としてのCCDセンサ18からなり、マウ
ス4の内部に収納されている。
【0025】なお、前記指紋検出装置12に使用される
前記CCDセンサ18は、他の指紋検出手段を使用する
ものでもよい。例えば、前記CCDセンサ18に代えて
半導体センサを使用することもできる。この半導体セン
サを使用する場合には、前記光源16、プリズム17な
どを適宜省略することができる。従って、前記半導体セ
ンサを使用すれば、更に装置の小型化を図ることができ
る。
【0026】図2(a)に示すように、光の反射手段と
しての前記プリズム17の反射面はマウス4の側面a、
すなわち、マウス4の操作時に手のひらの指(右手で操
作するときには親指)が触れる個所に配設されている。
光照射手段としての光源16は、コンピュータシステム
への電源投入後、常時プリズム17の入射面に対し光を
照射する構成となっている。
【0027】また、マウス4の側面aの指が触れる箇所
には、図2(b)に示すように、くぼみが設けられてい
る。これはマウス4の操作中の指の指紋の検出を確実に
行うために指を常に決まった位置に特定するためのもの
である。従って、マウスの移動操作中でも親指がマウス
の側面のくぼみに固定されているため、親指の位置の変
化がなく、親指の腹面がプリズム17の反射面に確実に
密着される。
【0028】なお、本発明でのマウス操作の実施例は、
右手での操作について述べたが、左手での操作は、前記
マウス4の指紋検出装置12のプリズム17の反射面が
マウス4の側面bに位置するように指紋検出装置12を
配置することにより可能である。
【0029】また、前記マウス4の指紋検出手段として
の指紋検出装置12は、前記マウス4の側面から親指の
指紋を検出する構成となっているが、前記マウス4の上
面に前記指紋検出手段としての指紋検出装置12の読み
取り部を設けてもよい。この場合、指紋を検出する指は
特に限定されるものではないが、例えば、前記マウス4
の上面で情報の選択・取消・実行指示を行うスイッチボ
タン11は、人差し指で通常操作するのでこの人差し指
の指紋を検出するようにすればよい。そして、前記指紋
検出手段の指紋検出装置12の読み取り部と前記スイッ
チボタン11とを兼用すれば更に好適なものである。
【0030】以下に、マウス4の操作時の前記指紋検出
装置12での指紋検出方法について述べる。
【0031】図2(a)のcに示すように、光源16か
らの光はプリズム17の入射面に入射してプリズム17
の反射面で反射し、反射した光はCCDセンサ18に入
射する。
【0032】図2(a)及び(b)に示すように、マウ
ス4の操作は、親指がマウス4の側面aのくぼみ内に固
定保持されて親指の腹面がプリズム17の反射面に密着
されると、親指の腹面の指紋とプリズム17の反射面と
の非接触部(指紋の凹部、谷線)では、プリズム17の
ガラスと空気とが境界面となり、入射した光はプリズム
17の外に漏れることなく反射面で全反射する。
【0033】他方、指紋の凸部(隆線)がプリズム17
の反射面に接触しているときには、指の表面の水分の屈
折率が空気の屈折率と異なるため、入射した光はプリズ
ム17の反射面から外に漏れたり、反射面で乱反射した
りする。
【0034】従って、プリズム17からの反射光をCC
Dセンサ18で撮像することにより、指紋の凹凸に応じ
た信号を得ることができる。すなわち、指紋の隆線での
CCDセンサ18の出力信号のレベルは、プリズム17
の反射面での光の散乱によって低くなり、指紋の谷線で
のCCDセンサ18の出力信号のレベルは、プリズム1
7の反射面での光の全反射によって高くなる。
【0035】指紋検出装置12で読み取った前記指紋の
画像データは、マウス4の内部のインターフェース回路
19により演算制御機1の外部入出力制御装置の入出力
ポート(例えば、シリアルポートであるRS−232
C、USBポート)より演算制御機1の記憶手段として
の記憶装置(メモリ)に取り込まれる。
【0036】前記演算制御機1は、指紋検出装置12か
ら前記外部入出力制御装置の入出力ポートを経て入力さ
れた指紋情報(指紋の画像データ)の登録と、前記指紋
検出装置12から一定時間毎に読み出した指紋情報と登
録済み指紋情報との照合と、照合結果により前記コンピ
ュータシステムへのアクセクの許可又は不許可の判断を
行う。また、前記演算制御機1の記憶手段としての記憶
装置には、前記指紋情報の登録、指紋情報の照合、コン
ピュータシステムへのアクセスの許可又は不許可の判断
処理を行う管理プログラムが格納されている。
【0037】なお、前記指紋情報の登録は、前記コンピ
ュータシステムへの電源投入後、最初の確認プログラム
で登録を行う。従って、この指紋情報の登録が行われた
人以外の第三者は、指紋情報を再登録したり、変更した
りすることができないものとなっている。
【0038】次に、指紋検出装置12で読み取った指紋
情報(指紋の画像データ)の登録手段及び指紋の照合手
段についての前記演算制御機1の処理を説明する。
【0039】演算制御機1は、マウス4の指紋検出装置
12で読み取った指紋情報(指紋の画像データ)を内部
の記憶装置に取り込み、この取り込まれた指紋の画像デ
ータをデジタル化手段としての2値化処理用のしきい値
により指紋の隆線を白情報、指紋の谷線を黒情報の2値
化画像に変換する。前記2値化画像の白情報である隆線
は、数画素の幅を持った線として表される。
【0040】次に、前記2値化画像に対して細線化処理
を行い、幅を持った線である指紋の隆線を1画素幅の線
の画像(細線画像)に変換する。細線化処理は、次に行
う特徴点の抽出処理を容易に行うための前処理である。
【0041】細線化処理により得られた2次元の細線画
像に対して、3画素(行方向)×3画素(列方向)のマ
スクフィルターを用いて特徴点の抽出を行う(特徴点抽
出処理)。
【0042】図3(a)及び(b)に示すように、指紋
の細線画像の特徴点は、端点(細線が途切れる点、図3
(a))及び分岐点(細線が枝分かれする点、(図3
(b))に分類され、画像平面の左上を原点位置とする
x、y軸を設定し、x、y軸上のそれぞれの点の位置
(X、Y)及び特徴点から伸びる細線の方向を示す角度
(θ)で表される。
【0043】指紋の登録は、特徴点の位置(X、Y)及
び特徴点から伸びる細線の方向を示す角度(θ)のデー
タを指紋登録データとして演算制御機1の記憶装置に格
納する。
【0044】指紋の照合手段は、前もって演算制御機1
の記憶装置に格納されている指紋(登録指紋)の特徴点
としての指紋登録データと、指紋検出装置12で読み取
った照合すべき指紋(入力指紋)の特徴点のデータの類
似度を演算制御機1で判定する。
【0045】前記指紋検出装置12で読み取った指紋の
特徴点のデータの座標を合わせるための位置合わせ処理
は、入力指紋の特徴点のデータから座標整合用の特徴点
(以後、整合対と言う)候補を検出し、整合対が登録指
紋の特徴点としての指紋登録データと最も合う位置に入
力指紋の特徴点を移動させる。
【0046】前記位置合わせの処理後、登録指紋の特徴
点としての指紋登録データと、入力指紋の特徴点のデー
タとで一致する特徴点の数がどの程度あるのかを判断す
る。
【0047】一致する特徴点か否かは、登録指紋と入力
指紋の特徴点の座標及び細線の方向を示す角度の差が前
もって設定された許容値以内であるかどうかで判断す
る。登録指紋と入力指紋の特徴点の座標及び細線の方向
を示す角度の差が前もって設定された許容値以内であれ
ば、特徴点は一致したと判断し、許容値以上であれば特
徴点は一致していないと判断する。
【0048】以下に、本発明によるコンピュータシステ
ムにおける個人識別方法について図4及び図5に示すフ
ローチャートを参照して説明する。
【0049】図4は、指紋の新規登録、置換及び削除に
ついてのフローチャートを示す図である。
【0050】図4に示す、フローチャートを参照して、
コンピュータシステムの管理者及び一般ユーザの指紋情
報の登録及び削除方法について説明する。
【0051】まず、コンピュータシステムの管理者の指
紋の登録が完了しているかをチェックする(ステップS
1)。前記管理者は、このコンピュータシステムの全て
の管理を司る者であり、いわゆる責任者としての立場の
者である。従って、後述する一般ユーザの新規登録など
は、前記管理者が前記コンピュータシステムを操作する
か若しくは前記管理者が立ち会いのもとで操作すること
が前提となる。
【0052】前記指紋登録が完了していない場合には、
前記マウス4の指紋検出装置12から演算制御機1の記
憶装置に管理者の指紋の画像データを読み取る(ステッ
プS2)。読み取られた管理者の指紋の画像データは、
前記2値化処理、前記細線化処理及び前記指紋の特徴点
の抽出処理が行われ、抽出した特徴点のデータを指紋の
登録データとして演算制御機1の記憶装置に格納して
(ステップS3)、管理者の指紋登録を終了する。この
管理者の指紋の登録は、既に述べたように、最初に行う
のみであり、管理者以外の第三者が指紋を登録したり、
変更したりすることができないようになっている。
【0053】また、前記ステップS1で管理者の指紋登
録が完了している場合には、前記マウス4の指紋検出装
置12からコンピュータシステムの管理者の指紋を読み
取る(ステップS4)。読み取られたコンピュータシス
テムの管理者の指紋の画像データは、前記2値化処理、
前記細線化処理及び前記指紋の特徴点の抽出処理が行わ
れ、抽出された特徴点のデータと前もって登録されてい
る指紋の登録データとの照合を行う(ステップS5)。
【0054】なお、読み取られた指紋の画像データと、
前もって登録されている指紋の登録データとの照合は、
前述した指紋照合手段によって行われる。
【0055】指紋の照合を行った結果、読み取られた指
紋の画像データと、前もって登録されている指紋の登録
データが一致しているか否かを判断する(ステップS
6)。照合した結果、一致していないときには、コンピ
ュータシステムの管理者ではないと判断し、処理を終了
する。
【0056】前記ステップS6において、指紋の照合を
行った結果、読み取られた指紋の画像データと、前もっ
て登録されている指紋の登録データが一致したときに
は、コンピュータシステムの管理者とみなし、以下の、
一般ユーザの指紋の新規登録、置換登録又は登録指紋の
削除を行う。
【0057】前記コンピュータシステムは、登録管理者
の指紋がステップS6において一致するものと判断した
場合には、登録管理者が前記コンピュータシステムを利
用することが可能な一般ユーザを複数選定することがで
きるようになっている。従って、登録管理者が一般ユー
ザの登録が必要ない場合にはステップS7乃至ステップ
S9のフローは省略され、ステップS11の指紋の置換
登録、ステップS10の指紋の新規登録の工程に移行す
る。
【0058】まず、前記マウス4の指紋検出装置12
は、一般ユーザの指紋を読み取り(ステップS7)、読
み取った指紋の画像データの前記2値化処理、前記細線
化処理及び前記指紋の特徴点の抽出処理行い、指紋の抽
出された特徴点のデータと、前もって登録されている指
紋の登録データとの照合を行う(ステップS8)。
【0059】前記ステップS8において、照合した結果
が登録指紋と一致しているか否かを判断する(ステップ
S9)。登録指紋と一致しないときには、新規指紋登録
を行う(ステップS10)。この新規指紋登録は、一般
ユーザの新規指紋登録であって、前記管理者が操作する
か若しくは管理者の立ち会いのもとでの操作が行われる
こととなる。
【0060】また、照合した結果が一致したときには、
指紋データの置換登録又は登録指紋の削除かにより(ス
テップS11)、以下の処理を行う。
【0061】置換登録のときには、前もつて演算制御機
1の記憶装置に登録されている指紋の登録データを削除
し、今回読み取った指紋の特徴点のデータを登録データ
として演算制御機1の記憶装置に格納し(ステップS1
2)、指紋データの置き換えを行う。
【0062】前記置換登録は、既に登録されている指紋
が鮮明でないときに鮮明な指紋に新たに置き換える場合
や指紋登録を行う指を変える場合などに行うものであ
る。
【0063】ステップS11で前記置換登録でないとき
には登録指紋の削除かを確認し(ステップS13)、登
録指紋の削除のときは、登録されている指紋の登録デー
タを削除する(ステップ14)。
【0064】以上の処理で、コンピュータシステムの管
理者及び一般ユーザの指紋情報の新規登録、置換登録又
は削除の処理は終了する。
【0065】次に、コンピュータシステムで読み出した
指紋情報(指紋の画像データ)と登録済み指紋情報(指
紋の登録データ)とを照合する照合手段及び、コンピュ
ータシステムへのアクセスの許可又は不許可を行う指紋
の管理手段について図5のフローチャートを参照して説
明する。
【0066】なお、図4に示すフローチャートで示した
指紋登録は、終了しているものとする。
【0067】まず、アプリケーションプログラム実行中
に、コンピュータシステムの制御管理プログラムから一
定時間間隔で発せられる割り込み信号(ステップS2
1)により、前記演算制御機1は指紋管理のプログラム
の実行を行う。なお、前記割り込み信号は、一定時間間
隔で発せられるものとなっているが、これに限らず常時
信号が発せられるものや随時発せられるものであっても
よい。
【0068】前記演算制御機1は、指紋検出装置12か
らの指紋の画像データを読み取る(ステップS22)。
指紋検出装置12から読み取られた指紋の画像データ
は、前記2値化処理(ステップS23)、前記細線化処
理(ステップS24)及び前記指紋の特徴点の抽出処理
(ステップS25)が行われ、特徴点のデータが作成さ
れる。作成された指紋の特徴データは、前もつて登録さ
れている指紋の登録データとの照合を行う(ステップS
26)。なお、読み取られた指紋の画像データと、前も
って登録されている指紋の登録データとの照合は、前述
した指紋照合手段によって行われる。
【0069】照合した結果により以下の処理を行う(ス
テップS27)。
【0070】読み取った指紋の画像データと指紋の登録
データとの照合で両データが一致したときには、指紋管
理のプログラムの実行を終了し、アプリケーションプロ
グラムの実行に移る(ステップS29)。これにより、
利用者の指紋が一致する限りコンピュータシステムへの
アクセスが許可され、継続してコンピュータの使用が可
能となる。
【0071】読み取った指紋の画像データと指紋の登録
データとの照合で、一致しなかったときには、不正利用
者と判断し、不正利用のメッセージを表示及び制御管理
プログラムへの不正利用の通知を行い(ステップS2
8)、コンピュータシステムへのアクセスを不許可とす
る処置が行われる。
【0072】以上述べたように、指紋検出装置12より
一定時間毎に読み出した指紋の画像データと指紋の登録
データの照合が行われ、照合で一致しなければコンピュ
ータシステムのアクセスは行えないため、例えば、途中
で使用者が替わっも不正使用を防ぐことができる。従っ
て、本発明による指紋検出装置12は、マウス4に設け
られているため、コンピュータシステムが動作中であれ
ば常に利用者の個人識別を行うことが可能である。
【0073】また、本発明による指紋検出装置12は、
マウス4に内蔵されている構成としたものであるが、外
部入力装置としてのキーボード3の外部側面に同一の構
成を備えるようにしてもよい。
【0074】また、近年、インターネットの急速な普及
により家庭内においてもセキュリティに優れしかも安価
な構成のものが望まれているが、本発明のようにマウス
に指紋検出装置12が内蔵されているものであれば誰で
もが容易にコンピュータシステムに接続することが可能
であり、しかも操作が簡単で安価である。そして、本発
明による指紋による個人識別機能付きマウスを用いたコ
ンピュータシステム及び該コンピュータシステムにおけ
る個人識別方法を家庭内のコンピュータに適用する場合
には、図4に示す、フローチャート記載のものを用いる
ことが可能であるが、特定のソフトウェアのみにアクセ
スする場合に一般ユーザーの指紋読取(ステップS7)
を適用するようにしてもよい。
【0075】また、本発明の趣旨の範囲内で適宜可変し
て適用することが可能であることは勿論である。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、指
紋検出装置をマウスに内蔵することにより、コンピュー
タシステムの利用者は、コンピュータ使用のための許可
手続き操作を行う必要がないため、利便性に優れてい
る。また、指紋の照合を一定時間毎に行うため、途中で
利用者が替わった時には、コンピュータへのアクセスが
不許可となり、セキュリティーの高いコンピュータシス
テムを形成することができる。
【0077】また、本発明によれば、近年、インターネ
ットの急速な普及により家庭内においてもセキュリティ
に優れしかも安価な構成のものが望まれているが、本発
明のようにマウスに内蔵されているものであれば誰でも
が容易にコンピュータシステムに接続することが可能で
あり、しかも操作が簡単で安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】指紋による個人識別機能付きマウスを用いたコ
ンピュータシステムの外観構成を示す図である。
【図2】(a)はマウスに組み込まれた指紋検出手段の
としての指紋検出装置を平面から透視した図、(b)は
(a)に示すマウスの側面から透視した図である。
【図3】指紋画像の特徴点を示す図であり、(a)は端
点、(b)は分岐点を示す。
【図4】指紋の新規登録、置換及び削除についてのフロ
ーチャートである。
【図5】指紋の照合手段及び指紋の管理手段を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 演算制御機 2 表示器 3 キーボード 4 マウス 10 位置決め機構 11 スイッチボタン 12 指紋検出装置 16 光源 17 プリズム 18 CCDセンサ 19 インターフェース回路
フロントページの続き Fターム(参考) 5B043 AA09 BA02 DA05 FA03 GA01 5B047 AA25 BA03 BB01 BC30 5B085 AE26 CC02 5B087 AA00 BB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、表示器と、演算制御機と、
    外部入力装置としてのキーボード及びマウスとを備えて
    なるコンピュータシステムであって、 前記マウスは、前記表示器上のカーソルを移動する手段
    と、情報の選択・取消・実行指示を行う機能を備えると
    ともに、前記マウスに指紋を検出する指紋検出手段を前
    記マウスに設けたことを特徴とする指紋による個人識別
    機能付きマウスを用いたコンピュータシステム。
  2. 【請求項2】 前記指紋検出手段は、光照射手段として
    の光源と、前記光源からの光を反射する光の反射手段と
    してのプリズムと、前記プリズムからの光を撮像する撮
    像手段としてのCCDセンサよりなることを特徴とする
    請求項1記載の指紋による個人識別機能付きマウスを用
    いたコンピュータシステム。
  3. 【請求項3】 前記指紋検出手段は、半導体センサでな
    ることを特徴とする請求項1記載の指紋による個人識別
    機能付きマウスを用いたコンピュータシステム。
  4. 【請求項4】 前記演算制御機は、前記指紋検出手段か
    ら入力された指紋情報を登録する登録手段と、前記指紋
    検出手段から一定時間毎に読み出した指紋情報と登録済
    み指紋情報とを照合する照合手段と、前記照合手段の照
    合結果により前記コンピュータシステムへのアクセスの
    許可又は不許可の判断を行う指紋の管理手段を備えてな
    ることを特徴とする請求項1記載の指紋による個人識別
    機能付きマウスを用いたコンピュータシステム。
  5. 【請求項5】 少なくとも、表示器と、演算制御機と、
    外部入力装置としてのキーボード及びマウスとを備えて
    なるコンピュータシステムを用いた個人識別方法であっ
    て、 前記マウスは、前記表示器上のカーソルを移動する手段
    と、情報の選択・取消・実行指示を行う機能を備えてな
    り、前記マウスに設けられた指紋を検出する指紋検出手
    段により個人の識別判定を行う指紋を検出することを特
    徴とするコンピュータシステムにおける個人識別方法。
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