JP2002072537A - トナー及びその製造方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法

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JP2002072537A
JP2002072537A JP2000261452A JP2000261452A JP2002072537A JP 2002072537 A JP2002072537 A JP 2002072537A JP 2000261452 A JP2000261452 A JP 2000261452A JP 2000261452 A JP2000261452 A JP 2000261452A JP 2002072537 A JP2002072537 A JP 2002072537A
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toner
dna
paper
roller
binder resin
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Yasuo Kamoshita
康夫 鴨下
Goshi Mitsui
郷史 三井
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Casio Computer Co Ltd
Casio Electronics Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
Casio Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真装置を用いた偽造を従来に比べてより
有効に防止し得るトナー及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】本発明のトナーは、結着樹脂とデオキシリ
ボ核酸とを含有することを特徴とする。また、本発明の
トナーの製造方法は、結着樹脂を含有する材料を混練溶
融する工程と、前記混練溶融した材料を冷却して固化さ
せる工程と、前記固化した材料を粉砕する工程と、前記
粉砕した材料を分級する工程と、前記分級した材料にデ
オキシリボ核酸を溶媒に溶かしてなる溶液を添加する工
程とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止技術で利
用され得るトナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法によるカラー印字技術の進歩
により、高精細な色調及び彩度での印字が可能となって
いる。そのため、電子写真法によるカラー印字技術を用
いることにより、有価証券等の発行を容易に行えるよう
になった。
【0003】ところが、電子写真法によるカラー印字技
術の進歩は、その反面で、真正品との区別が困難な偽造
品の製造を可能としている。そこで、電子写真法による
カラー印字技術を用いた偽造を防止するために、偽造品
の識別を容易にして偽造を防止する技術が必要とされて
いる。
【0004】例えば、特公昭61−18234号公報
は、そのような偽造防止技術として、カラー画像を形成
するトナー中に紫外線の刺激によって可視部に発光スペ
クトルを生ずる蛍光染料を含有させることを記載してい
る。この技術によると、紙幣などの被検物に紫外線を照
射することで、この被検物が偽造品であるか否かを識別
することができる。
【0005】しかしながら、このような従来の偽造防止
技術では、被検物が偽造品であるか否かの識別が可能に
なるに過ぎない。すなわち、被検物が偽造品であること
が判明した場合に、偽造に利用した材料の出所やその所
有者等を特定することは不可能である。そのため、従来
の偽造防止技術では、必ずしも充分な偽造防止効果が得
られる訳ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、電子写真装置を用いた偽
造を従来に比べてより有効に防止し得る偽造防止技術を
提供することを目的とする。また、本発明は、電子写真
装置を用いた偽造を従来に比べてより有効に防止し得る
トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、結着樹脂とデオキシリボ核酸とを含有す
ることを特徴とするトナーを提供する。また、本発明
は、結着樹脂を含有する材料を混練溶融する工程と、前
記混練溶融した材料を冷却して固化させる工程と、前記
固化した材料を粉砕する工程と、前記粉砕した材料を分
級する工程と、前記分級した材料にデオキシリボ核酸を
溶媒に溶かしてなる溶液を添加する工程とを有すること
を特徴とするトナーの製造方法を提供する。
【0008】本発明のトナーの製造方法において、上記
溶媒としては、例えば、シリコーンオイルを用いること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。デオキシリボ核酸(以下、DNAという)
は、デオキシリボヌクレオチドの鎖状重合体であって、
糖の3’位及び5’位の炭素に結合した−OH基が形成
するリン酸ジエステル結合によって各ヌクレオチドの間
が結ばれたポリデオキシリボヌクレオチドである。DN
Aを構成する塩基は、通常、プリン(Pu)であるアデ
ニン(A)とグアニン(G)、及びピリミジン(Py)
であるチミン(T)とシトシン(C)の4種類である。
DNAの立体構造は、共通の中心軸の周りに2本の鎖が
螺旋状に捩れ合った2重螺旋構造であり、それぞれの鎖
の塩基は中心軸に向き、一方の鎖の塩基と他方の鎖の塩
基との間の水素結合によって構造が安定化されている。
なお、AとTとは2本の水素結合で特異的な塩基対を形
成し、GとCとは3本の水素結合で塩基対を形成してい
る。
【0010】DNAの構造特性は1本の鎖上の塩基配列
によって決まり、他の鎖は塩基対によって規定されるこ
れと相補的な関係にある。遺伝子としてのDNAは、通
常、分子量100万以上の糸状分子であり、上述した鎖
上の塩基配列が遺伝情報の基礎をなしている。すなわ
ち、DNAは1つの分子で極めて膨大な情報を保持して
おり、しかも、その塩基配列の種類は無数であると言っ
てもよい程度に多い。
【0011】本発明者らは、かかる事実に着目し、電子
写真装置において結着樹脂とDNAとを含有するトナー
を使用すれば、真偽が不明な被検物についての真偽判定
を行うことができるのに加え、トナーの出所やその所有
者等を特定するのに有用な情報を得ることが可能となる
ことを見出し、本発明に至ったものである。
【0012】これについて、さらに詳しく説明する。上
述のように、DNAは1つの分子で極めて膨大な情報を
保持しており且つその塩基配列の種類は極めて多い。そ
のため、例えば、上記トナーに含まれるDNAの塩基配
列を各トナーカートリッジ間で異ならしめることができ
る。したがって、上記トナーに含まれるDNAの塩基配
列と各トナーカートリッジの製造番号等との対応、並び
に、各トナーカートリッジの製造番号等と販売・流通ル
ート等との対応を記録しておけば、被検物が偽造品であ
ることが判明した場合には、上記トナーを用いて形成さ
れたマークに含まれるDNAの塩基配列を調べることに
より、偽造行為が行われた場所や偽造行為に使用したト
ナーカートリッジの所有者に関連する情報を得ることが
できる。それゆえ、上記トナーを用いることにより、極
めて効果的に偽造を防止することができる。
【0013】この偽造防止技術をより有効に利用するた
めには、真正物に上記DNAを含有するトナーを用いて
マーキングを施すことが好ましい。そのようなマーキン
グは、例えば、以下の手順で行う。まず、生物からDN
A遺伝子を抽出培養し、必要に応じて抽出した遺伝子情
報のコンピュータ解析を行い、そのセグメント情報を持
った化学物質を培養合成する。次に、このようにして得
られたDNA遺伝子セグメントと結着樹脂とを含有する
トナーを製造する。その後、電子写真装置で、被転写材
上に上記トナーを用いてマーキングを行う。以上のよう
な方法で、DNAを含有するトナーによりマーキングが
施された真正品を得る。
【0014】このようにして得られた真正品と偽造品と
の識別には、DNAを利用することができる。例えば、
DNAを含有していないトナーを用いてマーキングを施
した偽造物については、そのマークにDNAが含まれて
いるか否かを調べることにより偽造物であることを識別
することができる。また、DNAを含有するトナーを用
いてマーキングを施した偽造物については、そのマーク
に含まれるDNAの塩基配列を調べることにより偽造物
であることを識別することができる。すなわち、偽造品
のマークに含まれるDNAの塩基配列を調べて真正品の
マークに含まれるDNAの塩基配列と比較することによ
り偽造物であることを識別することができる。
【0015】また、DNAを含有するトナーを用いてマ
ーキングを施した偽造品が見出された場合、例えば以下
の方法で、偽造行為が行われた場所や偽造行為に使用し
たトナーカートリッジの所有者に関連する情報を得るこ
とができる。まず、偽造品のマークに含まれるDNAの
塩基配列を、DNAの塩基配列とトナーカートリッジの
製造番号との対応を記録したデータベースに参照して、
偽造行為に使用されたトナーカートリッジの製造番号を
調べる。次に、その製造番号を、トナーカートリッジの
製造番号と販売・流通ルート等との対応を記録したデー
タベースに参照する。これにより、偽造行為に使用した
トナーカートリッジの出所やその所有者等を特定するの
に有用な情報を得ることができる。
【0016】以上説明したように、この偽造防止技術は
DNAを利用しているが、DNAの存在を肉眼で知覚す
ることは不可能であるので、DNAを偽造防止技術に利
用していること自体が悟られにくい。加えて、例え、D
NAを偽造防止技術に利用していることを悟られたとし
ても、真正品で使用したのと同一の塩基配列を有するD
NAを偽造を目的として得るためには特殊な設備や技術
等が必要である。したがって、上記DNAを含有するト
ナーを用いることにより、電子写真装置を利用した偽造
を従来に比べてより有効に防止することが可能となる。
【0017】なお、被検物のマークに含まれるDNAの
塩基配列は、例えば、以下の方法で調べることができ
る。まず、上記トナーを用いて形成したマークからDN
Aを採取する。通常、採取されるDNAは微量であるの
で、PCR(Polymerase Chain Re
action)法等を用いて、採取した微量のDNAサ
ンプルから、目的とする特定のDNAを増幅する。その
後、増幅したDNAと別途保存しておいた参照用のDN
Aサンプルとを、SSCP(Single Stran
d Conformation Polymorphi
sm)法を用いて比較する。SSCP法によれば、2種
類のDNAが同一の塩基配列を有するものであるか否か
を容易に判別することが可能である。したがって、この
ような方法により、上記マークに含まれるDNAの塩基
配列を調べることができる。
【0018】上述したDNAを含有するトナーに用いら
れる結着樹脂は、公知の樹脂を含む広い範囲から選択す
ることができる。そのような樹脂としては、例えば、ポ
リスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−メタクリル酸共重合体、及びスチレン−ブタ
ジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和或
いは不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、並びにポリオレフィン樹脂などを挙げることができ
る。これら樹脂の中でも、スチレン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、及びオレフィン系樹脂を使
用することが好ましく、ポリエステル樹脂を用いること
が最も好ましい。また、これら樹脂は、単独で使用して
もよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】また、結着樹脂として用いるポリエステル
樹脂は、軟化点が70℃〜150℃の範囲内にあること
が好ましい。一般に、上記トナーの結着樹脂として軟化
点が70℃〜150℃の範囲内にあるポリエステル樹脂
を用いた場合、従来と同一の条件で定着プロセスを行う
ことができる。
【0020】上記トナーに用いられるDNAは、生物か
ら抽出培養したDNA遺伝子自体でもよく、或いは、そ
のセグメント情報を持った化学物質であってもよい。ト
ナー中のDNAの含有量は、そのトナーを用いて被転写
材上に形成したマークからそれに含まれるDNAの塩基
配列を識別することが可能であれば特に制限はなく、例
えば、結着樹脂100質量部に対して1質量部未満であ
ってもよい。
【0021】上記トナーは、着色剤を含有しない透明ト
ナーであってもよく、或いは、着色剤を含有するカラー
トナーであってもよい。上記トナーがカラートナーであ
る場合に含有させ得る着色剤としては、例えば、カーボ
ンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.5041
5B)、アニリンブルー(C.I.No.5040
5)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、
ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、
デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、
キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチ
レンブルークロライド(C.I.No.52015)、
フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、
マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42
000)、及びランプブラック(C.I.No.772
66)、及びローズベンガル(C.I.No.4543
5)などを挙げることができる。これら着色剤は、単独
で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよ
い。
【0022】また、このトナーは、上述した結着樹脂、
DNA、及び任意成分である着色剤に加えて、電荷制御
剤を含有することができる。上記トナーに含有させ得る
電荷制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩及び
それらの造塩化合物などのように正帯電トナーを得るの
に使用される化合物や、サリチル酸或いはアルキルサリ
チル酸の金属錯体または金属錯塩及び硼素含有カリウム
塩化合物などのように負正帯電トナーを得るのに使用さ
れる化合物を挙げることができる。電荷制御剤の添加量
は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜20質量
部の範囲内とすることが好ましい。
【0023】また、上記トナーには、熱特性を改良する
ために離型剤として各種ワックスを添加することができ
る。さらに、上記トナーには、流動性向上剤であるシリ
カ、チタニア、アルミナなどの無機微粒子等を、例え
ば、結着樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部
の範囲内で添加することができる。
【0024】このように、上記トナーは、一般に使用さ
れている各種添加剤を含有することができる。なお、上
記トナーが透明トナーである場合は、これら添加剤は無
色透明であることが望まれる。
【0025】上述したDNAを含有するトナーは、以下
の方法により製造することが好ましい。まず、結着樹脂
を準備する。通常、この結着樹脂は、着色剤、帯電制御
剤、ワックス、及び流動性向上剤などの任意成分と均一
混合する。これら材料の混合には、ヘンシェルミキサな
どを用いることができる。
【0026】次に、得られた混合物を、ニーダ、エクス
トルーダ、及びロールミルなどを用いて溶融混練する。
次いで、溶融混練した混合物を冷却して固化させ、その
固形物をハンマーミルやカッターミルなどを用いて粗粉
砕する。続いて、粗粉砕した固形物を、ジェットミルな
どを用いて微粉砕する。
【0027】さらに、得られた微粉砕物を、DS(分散
式分級機)やジグザグ分級機などを用いて分級して、粒
径が所望の範囲内にある分級物を得る。この分級物の平
均粒径は、3〜18μm程度が好適である。その後、こ
の分級物にDNAを例えば所定の溶媒に溶解させてなる
溶液の形態で添加・混合する。以上のようにして、DN
Aを含有するトナーを得ることができる。
【0028】上述のように、この方法では、DNAの添
加を分級後に行っている。一般に、上記混合、溶融混
練、租粉砕、微粉砕、及び分級工程では、多量の材料が
一括して処理される。そのため、これら工程においてD
NAを添加した場合、DNAの塩基配列が同一であるト
ナーが多量に製造されることとなる。このように同種の
トナーを多量に製造するプロセスは、各トナーカートリ
ッジ間でDNAの塩基配列を異ならしめるためには、明
らかに不都合である。
【0029】それに対し、上記方法では、大スケールで
行われる工程を全て完了した後にDNAの添加が行われ
る。したがって、この方法によると、DNAの塩基配列
が互いに異なるトナーを例えばトナーカートリッジに対
応したスケールで製造することができる。
【0030】上述した方法において分級物にDNAを添
加する際には、DNAを溶解させる溶媒として、シリコ
ーンオイルを使用することが好ましい。シリコーンオイ
ルを溶媒として使用した場合、分級物に対してDNAを
均一に混合させることができるのに加え、得られるトナ
ーの流動性、帯電性、及び離型性が高められる。したが
って、高画質を実現することができる。なお、本発明の
DNAを含有するトナーは、上述した方法で製造したも
のに限られるものではなく、他の方法でも製造され得
る。
【0031】以上説明したDNAを含有するトナーは、
例えば、図1に示す電子写真装置で使用することができ
る。図1は、本発明の一実施形態に係るトナーを用いた
電子写真装置を概略的に示す側断面図である。図1に示
す電子写真装置(本体装置)10は、フルカラータイプ
の電子写真式ページプリンタである。この本体装置10
は、その底部に図中右側に向けて引き出し可能な用紙カ
セット20を備えており、この用紙カセット20には、
被転写材として多数枚の用紙が載置・収容されている。
また、本体装置10はその上面に上蓋30を備えてお
り、上蓋12の後部上面は排紙トレイ31を形成してい
る。
【0032】本体装置10の内部には、図中右側からプ
ロセスユニット40a〜40dが順次配置されている。
また、本体装置10の内部には、用紙カセット20の右
端上部から排紙トレイ31の左端部までの間に給紙機構
50、用紙搬送機構60、定着器70、及び排紙機構8
0が順次配設されている。用紙カセット20に収容され
た用紙は、給紙機構50により給紙された後、用紙搬送
機構60によりプロセスユニット40a〜40dへと順
次搬送され、定着器70へと送られた後、排紙機構80
により排紙トレイ31へと排紙される。本体装置10の
内部には、さらに、用紙カセット20と用紙搬送機構6
0との間に電装部90が配設されている。電装部90は
制御装置を搭載しており、この制御装置により各種制御
駆動が行われる。
【0033】給紙機構50は、給紙コロ51、給送ロー
ル対52が配設された給紙案内路53、及び待機ロール
対54等で構成されており、これらは、用紙カセット2
0の右端上部から用紙搬送機構60の右端上部までの間
に順次配置されている。給紙機構50は、給紙コロ51
等を駆動することにより、用紙カセット20内に載置・
収容された用紙を一枚づつ用紙搬送機構60へと給紙す
る。
【0034】用紙搬送機構60は、扁平なループ状の用
紙搬送ベルト61、ベルト61の水平方向両端部を支持
する駆動ローラ62及び従動ローラ63、並びにベルト
61を介して従動ローラ63に圧接する吸着ローラ64
等で構成されている。このベルト61は、駆動ローラ6
2により駆動され、矢印Rで示すように反時計回りに循
環移動する。給紙機構50からベルト61の上循環部右
端に給紙された用紙は、吸着ローラ64から吸着バイア
スを印加されるのとともにベルト61に押圧されて、ベ
ルト61の上循環部上面に静電的に吸着する。ベルト6
1の上循環部上面に静電吸着した用紙は、プロセスユニ
ット40a〜40dに順次搬送された後、ベルト61の
上循環部左端から定着器70へと送られる。
【0035】プロセスユニット40a〜40dは、ベル
ト61の上循環部に沿って図中右側から左側に向けて配
列されている。なお、これらプロセスユニット40a〜
40dは互いにほぼ同一の構造を有しているので、ここ
ではプロセスユニット40dについてのみ各構成部材に
参照符号を付して説明する。
【0036】プロセスユニット40a〜40dは、ベル
ト61の上循環部の上部に、その矢印Rで示す方向への
循環移動に応じて図中時計回りに回転可能な感光体ドラ
ム41を備えている。像担持体である感光体ドラム41
の周囲には、ベルト61の上循環部上方に、クリーナ4
2、初期化帯電ローラ43、書込みヘッド44、及び現
像器45等が図中時計回りに順次配置されている。ま
た、感光体ドラム41の下方には、接触型のシート転写
器46が、ベルト61を介して感光体ドラム41に圧接
するように配置されており、そこに転写部を形成してい
る。
【0037】感光体ドラム41は、上述のように図中時
計回りに回転し、それにより、感光体ドラム41の像担
持面は、クリーナ42、初期化帯電ローラ43、書込み
ヘッド44、現像器45、及びシート転写器46等に対
して相対移動する。
【0038】感光体ドラム41は、導電性表面を有する
基体とその導電性表面上に形成された感光体層とを有し
ている。感光体層は像担持面を構成しており、光照射に
より帯電状態等に変化を生ずる感光性材料を含有してい
る。初期化帯電ローラ43は、この感光体層に一様な高
マイナス電荷を付与する。
【0039】書込みヘッド44は、初期化帯電ローラ4
3によって負の極性に帯電した感光体ドラム40の像担
持面に、画像信号に対応してレーザ光やLED光等の光
を照射する。それにより、像担持面の照射部は非照射部
に比べて低電位となり、上記初期化による高マイナス電
位部と露光による低マイナス電位部とからなる静電潜像
が形成される。
【0040】現像器45は、下部に開口が設けられた容
器451を有しており、その開口に現像ローラ452を
回転可能に支持している。現像器45は、この現像ロー
ラ452を感光体ドラム41の像担持面に当接させ、こ
こに現像部を形成している。容器451内にはトナーが
収容されており、さらに、トナーに埋没するようにして
攪拌部材、ドクターブレード、及び供給ローラが配設さ
れている。なお、この現像器45は、装置本体10に対
して着脱自在である。
【0041】攪拌部材は回転することによりトナーを攪
拌するのとともに供給ローラへと送り込む。供給ローラ
は、現像ローラ452に圧接しており、攪拌部材から送
られたトナーを擦り付けるようにして現像ローラ452
の周面に供給する。また、現像ローラ452の周面に当
接するドクターブレードは、トナーに摩擦電荷を与えて
現像ローラ452への付着を助勢するとともに、付着す
るトナー層を一定の厚さに規定する。
【0042】以上のように構成される現像器45は、攪
拌部材を回転させるのとともに、感光体ドラム41の図
中時計回りの方向への回転に応じて、現像ローラ452
を図中反時計周りの方向に及び供給ローラを図中時計周
りの方向にそれぞれ回転させることで、低電位部にトナ
ーを転移させる。すなわち、反転現像法により感光体ド
ラム41の像担持面にその静電潜像に対応したトナー像
を形成する。
【0043】シート転写器46は、転写バイアス電源か
ら出力される所定の電圧をベルト61を介して用紙に印
加する。それにより、感光体ドラム41の像担持面上の
トナー像は用紙の上面に転写される。
【0044】ベルト61の上循環部上面に静電吸着され
た用紙は、以上のようにして、図中右側から左側へと搬
送されるのに応じて、プロセスユニット40a〜40d
により、互いに色が異なるトナー像を順次転写される。
この4種のトナー像を転写された用紙は、ベルト61か
ら分離された後、定着器70に搬入される。
【0045】プロセスユニット40dの下流側に配置さ
れた定着器70は、断熱性の容器内に組み付けられた圧
接ローラ、定着ローラ、発熱ローラ、分離爪、周面清掃
器、オイル塗布部材、及びサーミスタ等で構成されてい
る。用紙上に転写された各トナー像は、圧接ローラ及び
定着ローラから印加される熱及び圧力によって用紙上に
定着される。
【0046】定着器70の下流側に配置された排紙機構
80は、搬出ロール対81、搬出路82、及び排紙ロー
ル対83等で構成されており、プロセスユニット40a
〜40d及び定着器70で順次処理された用紙を上蓋3
0の上面に設けられた排紙トレイ31へと排紙する。
【0047】以上説明した電子写真装置10において、
一般に、プロセスユニット40a〜40dの現像器45
は、それぞれ、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラ
ックのトナーを収容している。これらトナーのうちの少
なくとも1種,例えばブラックのトナー,がDNAを含
有していれば、上述した偽造防止技術を利用することが
できるが、それらトナーの全てがDNAを含有している
ことが望ましい。また、上記電子写真装置10では、ブ
ラックのトナーの代わりに、DNAを含有する透明トナ
ーを使用してもよい。そのような透明トナーを使用した
場合、マゼンタ、シアン、及びイエローのトナーを利用
して用紙上にフルカラーの画像を形成することができる
のに加え、真偽判定に利用することができ且つ偽造防止
に有効な透明マークを用紙上に形成することができる。
【0048】なお、上述した実施形態では、4つのプロ
セスユニットを備えたフルカラータイプの電子写真式ペ
ージプリンタで上記DNAを含有するトナーを使用した
が、そのトナーを使用する電子写真装置の構造に特に制
限はない。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例)まず、以下に示す割合で、軟化点が120℃
である不飽和ポリエステル樹脂と、帯電制御剤であるオ
リエント化学社製のS−34と、着色剤であるカーボン
ブラックと、ポリプロピレン樹脂とをヘンシェルミキサ
を用いて混合した。 不飽和ポリエステル樹脂 100質量部 帯電制御剤 1質量部 カーボンブラック 6質量部 ポリプロピレン樹脂 2質量部 次に、得られた混合物を熱ロールミルで溶融混練し、さ
らに冷却することにより固化させた。次いで、この固形
物をハンマーミルを用いて粗粉砕し、続いて、エアージ
ェット方式による微粉砕機で微粉砕した。その後、微粉
砕物を分散式分級機を用いて分級して、粒径が5〜20
μmの分級物を得た。この分級物に、DNAインクを含
有するシリコーンオイル0.2質量部と疎水性シリカ
1.5質量部とを添加し、ヘンシェルミキサを用いて分
散させることによりトナーを得た。
【0050】次に、以上のようにして得られたトナーを
非磁性一成分現像方式のカラープリンタの現像容器に入
れて用紙上への印字を行った。その結果、このトナーを
用いて形成した印字部に不具合は見られなかった。
【0051】また、その印字部からトナーを掻き取って
DNAを抽出し、純化を行い、PCR法を用いてDNA
を増幅した。この増幅したDNAについて分析を行った
ところ、このDNAの塩基配列は、シリコーンオイルに
添加したDNAの塩基配列と同一であることが判明し
た。
【0052】(比較例)まず、以下に示す割合で、軟化
点が120℃である不飽和ポリエステル樹脂と、帯電制
御剤であるオリエント化学社製のE−81と、着色剤で
あるカーボンブラックと、ポリプロピレン樹脂とをヘン
シェルミキサを用いて混合した。 不飽和ポリエステル樹脂 100質量部 帯電制御剤 1質量部 カーボンブラック 6質量部 ポリプロピレン樹脂 2質量部 次に、得られた混合物を熱ロールミルで溶融混練し、さ
らに冷却することにより固化させた。次いで、この固形
物をハンマーミルを用いて粗粉砕し、続いて、エアージ
ェット方式による微粉砕機で微粉砕した。その後、微粉
砕物を分散式分級機を用いて分級して、粒径が5〜20
μmの分級物を得た。この分級物に、シリコーンオイル
0.2質量部と疎水性シリカ1.5質量部とを添加し、
ヘンシェルミキサを用いて分散させることによりトナー
を得た。
【0053】次に、以上のようにして得られたトナーを
非磁性一成分現像方式のカラープリンタの現像容器に入
れて用紙上への印字を行った。その結果、このトナーを
用いて形成した印字部は、画像濃度がやや低いことが確
認された。また、その印字部からトナーを掻き取ってD
NAの抽出を試みたところ、この印字部はDNAを含有
していないことが判明した。
【0054】以上の結果から、上記実施例で得られた印
字物は印字部に含まれるDNAの塩基配列に基づいて使
用したトナーを同定可能であること、並びに、上記実施
例で得られた印字物と比較例で得られた印字物とは印字
部がDNAを含有しているか否かを調べることにより識
別可能であることが証明された。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、結着
樹脂とDNAとを含有するトナーを使用することによ
り、真偽が不明な被検物についての真偽判定を行うこ
と、並びに、トナーの出所やその所有者等を特定するの
に有用な情報を得ることを可能としている。すなわち、
本発明によると、電子写真装置を用いた偽造を従来に比
べてより有効に防止し得る儀造防止技術が提供される。
また、本発明によると、電子写真装置を用いた偽造を従
来に比べてより有効に防止し得るトナー及びその製造方
法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトナーを用いた電子
写真装置を概略的に示す側断面図。
【符号の説明】
10…電子写真装置 ; 20…用紙カセット ; 3
0…上蓋 31…排紙トレイ ; 40a〜40d…プロセスユニ
ット 41…感光体ドラム ; 42…クリーナ ; 43…
初期化帯電ローラ 44…書込みヘッド ; 45…現像器 ; 46…シ
ート転写器 50…給紙機構 ; 51…給紙コロ ; 52…給送
ロール対 53…給紙案内路 ; 54…待機ロール対 ; 60
…用紙搬送機構 61…用紙搬送ベルト ; 62…駆動ローラ ; 6
3…従動ローラ 64…吸着ローラ ; 70…定着器 ; 80…排紙
機構 81…搬出ロール対 ; 82…搬出路 ; 83…排
紙ロール対 90…電装部 ; 451…容器 ; 452…現像ロ
ーラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三井 郷史 埼玉県入間市宮寺4084番地 カシオ電子工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AB04 AB09 CA12 CA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂とデオキシリボ核酸とを含有す
    ることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 結着樹脂を含有する材料を混練溶融する
    工程と、 前記混練溶融した材料を冷却して固化させる工程と、 前記固化した材料を粉砕する工程と、 前記粉砕した材料を分級する工程と、 前記分級した材料にデオキシリボ核酸を溶媒に溶かして
    なる溶液を添加する工程とを有することを特徴とするト
    ナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶媒としてシリコーンオイルを用い
    ることを特徴とする請求項2に記載のトナーの製造方
    法。
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