JP2002072542A - 透明トナー - Google Patents

透明トナー

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JP2002072542A
JP2002072542A JP2000261450A JP2000261450A JP2002072542A JP 2002072542 A JP2002072542 A JP 2002072542A JP 2000261450 A JP2000261450 A JP 2000261450A JP 2000261450 A JP2000261450 A JP 2000261450A JP 2002072542 A JP2002072542 A JP 2002072542A
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toner
transparent toner
transparent
dna
fluorescent substance
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Application number
JP2000261450A
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English (en)
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Yasuo Kamoshita
康夫 鴨下
Goshi Mitsui
郷史 三井
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Casio Computer Co Ltd
Casio Electronics Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Casio Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真装置を用いた偽造を従来に比べてより
有効に防止し得るトナーを提供すること。 【解決手段】本発明の透明トナーは、結着樹脂と蛍光物
質とデオキシリボ核酸とを含有し且つ透明であることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止技術で利
用され得るトナーに係り、特には常態で透明な透明トナ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法によるカラー印字技術の進歩
により、高精細な色調及び彩度での印字が可能となって
いる。そのため、電子写真法によるカラー印字技術を用
いることにより、有価証券等の発行を容易に行えるよう
になった。
【0003】ところが、電子写真法によるカラー印字技
術の進歩は、その反面で、真正品との区別が困難な偽造
品の製造を可能としている。そこで、電子写真法による
カラー印字技術を用いた偽造を防止するために、偽造品
の識別を容易にして偽造を防止する技術が必要とされて
いる。
【0004】例えば、特公昭61−18234号公報
は、そのような偽造防止技術として、カラー画像を形成
するトナー中に紫外線の刺激によって可視部に発光スペ
クトルを生ずる蛍光染料を含有させることを記載してい
る。この技術によると、紙幣などの被検物に紫外線を照
射することで、この被検物が偽造品であるか否かを識別
することができる。
【0005】しかしながら、この偽造防止技術では、被
検物が偽造品であるか否かの識別が可能になるに過ぎな
い。すなわち、被検物が偽造品であることが判明した場
合に、偽造に利用した材料の出所やその所有者等を特定
することは不可能である。そのため、上記偽造防止技術
では、必ずしも充分な偽造防止効果が得られる訳ではな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、電子写真装置を用いた偽
造を従来に比べてより有効に防止し得る偽造防止技術を
提供することを目的とする。また、本発明は、電子写真
装置を用いた偽造を従来に比べてより有効に防止し得る
トナーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、結着樹脂と蛍光物質とデオキシリボ核酸
とを含有し且つ透明であることを特徴とする透明トナー
を提供する。本発明の透明トナーは、上記蛍光物質の少
なくとも一部として、例えば、酸化亜鉛のように亜鉛を
含む酸化物を含有することができる。本発明の透明トナ
ーにおいて、蛍光物質の含有量は結着樹脂100質量部
に対して0.5質量部〜7質量部の範囲内にあることが
好ましい。また、本発明の透明トナーは、結着樹脂とし
て軟化点が70℃〜150℃の範囲内にあるポリエステ
ル樹脂を含有することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。デオキシリボ核酸(以下、DNAという)
は、デオキシリボヌクレオチドの鎖状重合体であって、
糖の3’位及び5’位の炭素に結合した−OH基が形成
するリン酸ジエステル結合によって各ヌクレオチドの間
が結ばれたポリデオキシリボヌクレオチドである。DN
Aを構成する塩基は、通常、プリン(Pu)であるアデ
ニン(A)とグアニン(G)、及びピリミジン(Py)
であるチミン(T)とシトシン(C)の4種類である。
DNAの立体構造は、共通の中心軸の周りに2本の鎖が
螺旋状に捩れ合った2重螺旋構造であり、それぞれの鎖
の塩基は中心軸に向き、一方の鎖の塩基と他方の鎖の塩
基との間の水素結合によって構造が安定化されている。
なお、AとTとは2本の水素結合で特異的な塩基対を形
成し、GとCとは3本の水素結合で塩基対を形成してい
る。
【0009】DNAの構造特性は1本の鎖上の塩基配列
によって決まり、他の鎖は塩基対によって規定されるこ
れと相補的な関係にある。遺伝子としてのDNAは、通
常、分子量100万以上の糸状分子であり、上述した鎖
上の塩基配列が遺伝情報の基礎をなしている。すなわ
ち、DNAは1つの分子で極めて膨大な情報を保持して
おり、しかも、その塩基配列の種類は無数であると言っ
てもよい程度に多い。
【0010】本発明者らは、かかる事実に着目し、電子
写真装置において結着樹脂と蛍光物質とDNAとを含有
する透明トナーを使用すれば、真偽が不明な被検物につ
いての真偽判定を行うことができるのに加え、トナーの
出所やその所有者等を特定するのに有用な情報を得るこ
とが可能となることを見出し、本発明に至ったものであ
る。
【0011】これについて、さらに詳しく説明する。上
述のように、DNAは1つの分子で極めて膨大な情報を
保持しており且つその塩基配列の種類は極めて多い。そ
のため、例えば、上記透明トナーに含まれるDNAの塩
基配列を各トナーカートリッジ間で異ならしめることが
できる。したがって、上記透明トナーに含まれるDNA
の塩基配列と各トナーカートリッジの製造番号等との対
応、並びに、各トナーカートリッジの製造番号等と販売
・流通ルート等との対応を記録しておけば、被検物が偽
造品であることが判明した場合には、上記透明トナーを
用いて形成されたマークに含まれるDNAの塩基配列を
調べることにより、偽造行為が行われた場所や偽造行為
に使用したトナーカートリッジの所有者に関連する情報
を得ることができる。それゆえ、上記透明トナーを用い
ることにより、極めて効果的に偽造を防止することがで
きる。
【0012】この偽造防止技術をより有効に利用するた
めには、真正物に上記透明トナーを用いてマーキングを
施すことが好ましい。そのようなマーキングは、例え
ば、以下の手順で行う。まず、生物からDNA遺伝子を
抽出培養し、必要に応じて抽出した遺伝子情報のコンピ
ュータ解析を行い、そのセグメント情報を持った化学物
質を培養合成する。次に、このようにして得られたDN
A遺伝子セグメントと、結着樹脂と、蛍光物質とを含有
する透明トナーを製造する。その後、電子写真装置で、
被転写材上に上記透明トナーを用いてマーキングを行
う。以上のような方法で、透明トナーによるマーキング
が施された真正品を得る。
【0013】このようにして得られた真正品と偽造品と
の識別には、紫外線照射等を利用することができる。偽
造品に上記透明トナーを用いたマーキングが施されてい
ない場合は、紫外線照射等による発光を生ずることはな
い。したがって、紫外線照射等による発光の有無を調べ
ることにより真偽判定を行うことができる。
【0014】通常は、真偽判定には、上述した紫外線照
射のような極めて簡便な方法のみが利用されるが、より
厳密な真偽判定が要求される場合はDNAを利用するこ
とができる。例えば、蛍光物質を含有し且つDNAを含
有していない透明トナーを用いたマーキングを施した偽
造物については、その透明マークにDNAが含まれてい
るか否かを調べることにより偽造物であることを識別す
ることができる。また、蛍光物質及びDNAの双方を含
有する透明トナーを用いたマーキングを施した偽造物に
ついては、その透明マークに含まれるDNAの塩基配列
を調べることにより偽造物であることを識別することが
できる。すなわち、偽造品の透明マークに含まれるDN
Aの塩基配列を調べて真正品の透明マークに含まれるD
NAの塩基配列と比較することにより偽造物であること
を識別することができる。
【0015】また、蛍光物質及びDNAの双方を含有す
る透明トナーを用いたマーキングを施した偽造品が見出
された場合、例えば以下の方法で、偽造行為が行われた
場所や偽造行為に使用したトナーカートリッジの所有者
に関連する情報を得ることができる。まず、偽造品の透
明マークに含まれるDNAの塩基配列を、DNAの塩基
配列とトナーカートリッジの製造番号との対応を記録し
たデータベースに参照して、偽造行為に使用されたトナ
ーカートリッジの製造番号を調べる。次に、その製造番
号を、トナーカートリッジの製造番号と販売・流通ルー
ト等との対応を記録したデータベースに参照する。これ
により、偽造行為に使用したトナーカートリッジの出所
やその所有者等を特定するのに有用な情報を得ることが
できる。
【0016】以上説明したように、この偽造防止技術は
DNAを利用しているが、DNAの存在を肉眼で知覚す
ることは不可能であるので、DNAを偽造防止技術に利
用していること自体が悟られにくい。加えて、例え、D
NAを偽造防止技術に利用していることを悟られたとし
ても、真正品で使用したのと同一の塩基配列を有するD
NAを偽造を目的として得るためには特殊な設備や技術
等が必要である。したがって、上記DNAを含有する透
明トナーを用いることにより、電子写真装置を利用した
偽造を従来に比べてより有効に防止することが可能とな
る。
【0017】なお、被検物の透明マークに含まれるDN
Aの塩基配列は、例えば、以下の方法で調べることがで
きる。まず、上記透明トナーを用いて形成したマークか
らDNAを採取する。通常、採取されるDNAは微量で
あるので、PCR(Polymerase Chain
Reaction)法等を用いて、採取した微量のD
NAサンプルから、目的とする特定のDNAを増幅す
る。その後、増幅したDNAと別途保存しておいた参照
用のDNAサンプルとを、SSCP(Single S
trand Conformation Polymo
rphism)法を用いて比較する。SSCP法によれ
ば、2種類のDNAが同一の塩基配列を有するものであ
るか否かを容易に判別することが可能である。したがっ
て、このような方法により、上記透明マークに含まれる
DNAの塩基配列を調べることができる。
【0018】上述した透明トナーに用いられる結着樹脂
は、公知の樹脂を含む広い範囲から選択することができ
る。そのような樹脂としては、例えば、ポリスチレン、
スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸共重合体、及びスチレン−ブタジエン共重合
体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和或いは不飽和ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、クマ
ロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、並びにポリ
オレフィン樹脂などを挙げることができる。これら樹脂
の中でも、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ系樹脂、及びオレフィン系樹脂を使用することが好
ましく、ポリエステル樹脂を用いることが最も好まし
い。また、これら樹脂は、単独で使用してもよく、2種
類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】また、結着樹脂として用いるポリエステル
樹脂は、軟化点が70℃〜150℃の範囲内にあること
が好ましい。一般に、上記透明トナーの結着樹脂として
軟化点が70℃〜150℃の範囲内にあるポリエステル
樹脂を用いた場合、通常のトナーを用いた場合と同一の
条件で定着プロセスを行うことができる。
【0020】上記透明トナーに用いられる蛍光物質は、
有機物及び無機物のいずれであってもよいが、通常は、
耐光性等の観点から無機物が選ばれる。耐光性等に優れ
た無機蛍光物質としては、例えば、酸化亜鉛のように亜
鉛を含む酸化物等を挙げることができる。
【0021】また、透明トナーに含有させる蛍光物質と
しては、紫外線照射時に発光するものを用いることが好
ましい。この場合、大掛かりな設備を必要とすることな
くブラックライトのように容易に入手可能な光源を用い
て真偽判定を行うことができる。また、この蛍光物質と
しては、常態では発光せずに波長が350μm以下の紫
外線を照射したときにのみ発光するものを用いることが
好ましい。そのような蛍光物質を用いた場合、常態にお
いて、透明トナーを用いて形成したマークの存在が目視
により悟られるのを防止することができる。さらに、こ
の蛍光物質として、常態で無色であるものを用いること
が好ましく、常態で無色透明であるものを用いることが
より好ましい。この場合、常態において、透明トナーを
用いて形成したマークの存在が目視により悟られるのを
より効果的に防止することができる。
【0022】透明トナー中の蛍光物質の含有量は、結着
樹脂100質量部に対して0.5質量部〜7質量部の範
囲内にあることが好ましい。透明トナー中の蛍光物質の
含有量を上記範囲内とした場合、トナーに要求される特
性を損なうことなく、容易に入手可能な光源で、透明ト
ナーを用いて形成したマークの存在を目視により識別可
能な程度に蛍光物質を発光させることができる。
【0023】上記透明トナーに用いられるDNAは、生
物から抽出培養したDNA遺伝子自体でもよく、或い
は、そのセグメント情報を持った化学物質であってもよ
い。透明トナー中のDNAの含有量は、透明トナーを用
いて被転写材上に形成したマークからそれに含まれるD
NAの塩基配列を識別することが可能であれば特に制限
はなく、例えば、結着樹脂100質量部に対して1質量
部未満であってもよい。
【0024】また、この透明トナーは、上述した結着樹
脂、蛍光物質、及びDNAに加えて、電荷制御剤を任意
に含有することができる。上記透明トナーに含有させ得
る電荷制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩及
びそれらの造塩化合物などのように正帯電トナーを得る
のに使用される無色透明の化合物や、サリチル酸或いは
アルキルサリチル酸の金属錯体または金属錯塩及び硼素
含有カリウム塩化合物などのように負正帯電トナーを得
るのに使用される無色透明の化合物を挙げることができ
る。電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対
して0.01〜20質量部の範囲内とすることが好まし
い。
【0025】また、上記透明トナーには、熱特性を改良
するために離型剤として各種ワックスを添加することが
できる。さらに、上記透明トナーには、流動性向上剤で
あるシリカ、チタニア、アルミナなどの無色透明の無機
微粒子等を、例えば、結着樹脂100質量部に対して
0.01〜5質量部の範囲内で添加することができる。
このように、上記透明トナーは、一般に使用されている
無色透明の各種添加剤を含有することができる。
【0026】上述した透明トナーは、例えば、以下の方
法により製造することができる。まず、結着樹脂と蛍光
物質とを混合し、それにより得られた混合物を溶融混練
する。次に、溶融混練した混合物を冷却して固化させ、
その固形物を粗粉砕する。その後、粗粉砕した固形物を
微粉砕し、さらに分級を行って粒径が所望の範囲内にあ
る分級物を得る。この分級物にDNAを例えば溶液の形
態で添加・混合することにより、上記透明トナーを得る
ことができる。なお、本発明の透明トナーは、このよう
な方法で製造したものに限られるものではなく、他の方
法でも製造され得る。
【0027】以上説明した透明トナーは、例えば、図1
に示す電子写真装置で使用することができる。図1は、
本発明の一実施形態に係る透明トナーを用いた電子写真
装置を概略的に示す側断面図である。図1に示す電子写
真装置(本体装置)10は、フルカラータイプの電子写
真式ページプリンタである。この本体装置10は、その
底部に図中右側に向けて引き出し可能な用紙カセット2
0を備えており、この用紙カセット20には、被転写材
として多数枚の用紙が載置・収容されている。また、本
体装置10はその上面に上蓋30を備えており、上蓋1
2の後部上面は排紙トレイ31を形成している。
【0028】本体装置10の内部には、図中右側からプ
ロセスユニット40a〜40dが順次配置されている。
また、本体装置10の内部には、用紙カセット20の右
端上部から排紙トレイ31の左端部までの間に給紙機構
50、用紙搬送機構60、定着器70、及び排紙機構8
0が順次配設されている。用紙カセット20に収容され
た用紙は、給紙機構50により給紙された後、用紙搬送
機構60によりプロセスユニット40a〜40dへと順
次搬送され、定着器70へと送られた後、排紙機構80
により排紙トレイ31へと排紙される。本体装置10の
内部には、さらに、用紙カセット20と用紙搬送機構6
0との間に電装部90が配設されている。電装部90は
制御装置を搭載しており、この制御装置により各種制御
駆動が行われる。
【0029】給紙機構50は、給紙コロ51、給送ロー
ル対52が配設された給紙案内路53、及び待機ロール
対54等で構成されており、これらは、用紙カセット2
0の右端上部から用紙搬送機構60の右端上部までの間
に順次配置されている。給紙機構50は、給紙コロ51
等を駆動することにより、用紙カセット20内に載置・
収容された用紙を一枚づつ用紙搬送機構60へと給紙す
る。
【0030】用紙搬送機構60は、扁平なループ状の用
紙搬送ベルト61、ベルト61の水平方向両端部を支持
する駆動ローラ62及び従動ローラ63、並びにベルト
61を介して従動ローラ63に圧接する吸着ローラ64
等で構成されている。このベルト61は、駆動ローラ6
2により駆動され、矢印Rで示すように反時計回りに循
環移動する。給紙機構50からベルト61の上循環部右
端に給紙された用紙は、吸着ローラ64から吸着バイア
スを印加されるのとともにベルト61に押圧されて、ベ
ルト61の上循環部上面に静電的に吸着する。ベルト6
1の上循環部上面に静電吸着した用紙は、プロセスユニ
ット40a〜40dに順次搬送された後、ベルト61の
上循環部左端から定着器70へと送られる。
【0031】プロセスユニット40a〜40dは、ベル
ト61の上循環部に沿って図中右側から左側に向けて配
列されている。なお、これらプロセスユニット40a〜
40dは互いにほぼ同一の構造を有しているので、ここ
ではプロセスユニット40dについてのみ各構成部材に
参照符号を付して説明する。
【0032】プロセスユニット40a〜40dは、ベル
ト61の上循環部の上部に、その矢印Rで示す方向への
循環移動に応じて図中時計回りに回転可能な感光体ドラ
ム41を備えている。像担持体である感光体ドラム41
の周囲には、ベルト61の上循環部上方に、クリーナ4
2、初期化帯電ローラ43、書込みヘッド44、及び現
像器45等が図中時計回りに順次配置されている。ま
た、感光体ドラム41の下方には、接触型のシート転写
器46が、ベルト61を介して感光体ドラム41に圧接
するように配置されており、そこに転写部を形成してい
る。
【0033】感光体ドラム41は、上述のように図中時
計回りに回転し、それにより、感光体ドラム41の像担
持面は、クリーナ42、初期化帯電ローラ43、書込み
ヘッド44、現像器45、及びシート転写器46等に対
して相対移動する。
【0034】感光体ドラム41は、導電性表面を有する
基体とその導電性表面上に形成された感光体層とを有し
ている。感光体層は像担持面を構成しており、光照射に
より帯電状態等に変化を生ずる感光性材料を含有してい
る。初期化帯電ローラ43は、この感光体層に一様な高
マイナス電荷を付与する。
【0035】書込みヘッド44は、初期化帯電ローラ4
3によって負の極性に帯電した感光体ドラム40の像担
持面に、画像信号に対応してレーザ光やLED光等の光
を照射する。それにより、像担持面の照射部は非照射部
に比べて低電位となり、上記初期化による高マイナス電
位部と露光による低マイナス電位部とからなる静電潜像
が形成される。
【0036】現像器45は、下部に開口が設けられた容
器451を有しており、その開口に現像ローラ452を
回転可能に支持している。現像器45は、この現像ロー
ラ452を感光体ドラム41の像担持面に当接させ、こ
こに現像部を形成している。容器451内にはトナーが
収容されており、さらに、トナーに埋没するようにして
攪拌部材、ドクターブレード、及び供給ローラが配設さ
れている。なお、この現像器45は、装置本体10に対
して着脱自在である。
【0037】攪拌部材は回転することによりトナーを攪
拌するのとともに供給ローラへと送り込む。供給ローラ
は、現像ローラ452に圧接しており、攪拌部材から送
られたトナーを擦り付けるようにして現像ローラ452
の周面に供給する。また、現像ローラ452の周面に当
接するドクターブレードは、トナーに摩擦電荷を与えて
現像ローラ452への付着を助勢するとともに、付着す
るトナー層を一定の厚さに規定する。
【0038】以上のように構成される現像器45は、攪
拌部材を回転させるのとともに、感光体ドラム41の図
中時計回りの方向への回転に応じて、現像ローラ452
を図中反時計周りの方向に及び供給ローラを図中時計周
りの方向にそれぞれ回転させることで、低電位部にトナ
ーを転移させる。すなわち、反転現像法により感光体ド
ラム41の像担持面にその静電潜像に対応したトナー像
を形成する。
【0039】シート転写器46は、転写バイアス電源か
ら出力される所定の電圧をベルト61を介して用紙に印
加する。それにより、感光体ドラム41の像担持面上の
トナー像は用紙の上面に転写される。
【0040】ベルト61の上循環部上面に静電吸着され
た用紙は、以上のようにして、図中右側から左側へと搬
送されるのに応じて、プロセスユニット40a〜40d
により、互いに色が異なるトナー像を順次転写される。
この4種のトナー像を転写された用紙は、ベルト61か
ら分離された後、定着器70に搬入される。
【0041】プロセスユニット40dの下流側に配置さ
れた定着器70は、断熱性の容器内に組み付けられた圧
接ローラ、定着ローラ、発熱ローラ、分離爪、周面清掃
器、オイル塗布部材、及びサーミスタ等で構成されてい
る。用紙上に転写された各トナー像は、圧接ローラ及び
定着ローラから印加される熱及び圧力によって用紙上に
定着される。
【0042】定着器70の下流側に配置された排紙機構
80は、搬出ロール対81、搬出路82、及び排紙ロー
ル対83等で構成されており、プロセスユニット40a
〜40d及び定着器70で順次処理された用紙を上蓋3
0の上面に設けられた排紙トレイ31へと排紙する。
【0043】以上説明した電子写真装置10において、
上述した透明トナーは、例えば、プロセスユニット40
dの現像器45内に収容される。なお、プロセスユニッ
ト40a〜40cの現像器45内には、マゼンタ、シア
ン、及びイエローのトナーがそれぞれ収容されている。
【0044】このような構成の電子写真装置10では、
プロセスユニット40a〜40cによって用紙上にフル
カラーの画像を形成することができるだけでなく、プロ
セスユニット40dによって用紙上に潜像を形成するこ
とができる。すなわち、図1に示す電子写真装置10で
上記透明トナーを使用することにより、常態で視認可能
な画像に加え、真偽判定に利用することができ且つ偽造
防止に有効な透明マークを用紙上に形成することができ
る。したがって、この偽造防止技術によると、電子写真
装置10のみで偽造防止対策が施された各種有価証券の
発行等が可能となる。
【0045】また、上述した偽造防止技術では偽造防止
性の付与に透明トナーを利用しているため、既存の装置
の構成を殆ど変更することなく上記偽造防止技術を実施
することができる。すなわち、通常はブラックのトナー
を収容しているプロセスユニット40dの現像器45を
透明トナーを収容した現像器45で置き換え、電装部9
0に搭載された制御装置の設定を適宜変更するだけで、
上記偽造防止技術を実施することができる。
【0046】なお、上述した実施形態では、4つのプロ
セスユニットを備えたフルカラータイプの電子写真式ペ
ージプリンタで上記透明トナーを使用したが、その透明
トナーを使用する電子写真装置の構造に特に制限はな
い。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ま
ず、以下に示す割合で、軟化点が120℃である不飽和
ポリエステル樹脂と、帯電制御剤である日本カーリット
社製のLR−147と、蛍光物質である酸化亜鉛微粉末
と、ポリプロピレン樹脂とをヘンシェルミキサを用いて
混合した。 不飽和ポリエステル樹脂 100質量部 帯電制御剤 1.5質量部 酸化亜鉛微粉末 5質量部 ポリプロピレン樹脂 2質量部 次に、得られた混合物を熱ロールミルで溶融混練し、さ
らに冷却することにより固化させた。次いで、この固形
物をハンマーミルを用いて粗粉砕し、続いて、エアージ
ェット方式による微粉砕機で微粉砕した。その後、微粉
砕物を分散式分級機を用いて分級して、粒径が5〜20
μmの分級物を得た。この分級物に、DNAインクを含
有するシリコーンオイル0.2質量部と疎水性シリカ
1.5質量部とを添加し、ヘンシェルミキサを用いて分
散させることにより透明トナーを得た。
【0048】次に、以上のようにして得られた透明トナ
ーを非磁性一成分現像方式のカラープリンタの現像容器
に入れて用紙上への印字を行った。透明トナーを用いて
形成した印字部は、可視光線下では透明であったが、紫
外線照射時には、青緑色に発光して鮮明な印字パターン
が現れた。
【0049】また、その印字部からトナーを掻き取って
DNAを抽出し、純化を行い、PCR法を用いてDNA
を増幅した。この増幅したDNAについて分析を行った
ところ、このDNAの塩基配列は、シリコーンオイルに
添加したDNAの塩基配列と同一であることが判明し
た。以上から、上記透明トナーは偽造防止に有効である
ことが確認された。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、結着
樹脂と蛍光物質とDNAとを含有する透明トナーを使用
することにより、真偽が不明な被検物についての真偽判
定を行うこと、並びに、トナーの出所やその所有者等を
特定するのに有用な情報を得ることを可能としている。
すなわち、本発明によると、電子写真装置を用いた偽造
を従来に比べてより有効に防止し得る偽造防止技術が提
供される。また、本発明によると、電子写真装置を用い
た偽造を従来に比べてより有効に防止し得るトナーが提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る透明トナーを用いた
電子写真装置を概略的に示す側断面図。
【符号の説明】
10…電子写真装置 ; 20…用紙カセット ; 3
0…上蓋 31…排紙トレイ ; 40a〜40d…プロセスユニ
ット 41…感光体ドラム ; 42…クリーナ ; 43…
初期化帯電ローラ 44…書込みヘッド ; 45…現像器 ; 46…シ
ート転写器 50…給紙機構 ; 51…給紙コロ ; 52…給送
ロール対 53…給紙案内路 ; 54…待機ロール対 ; 60
…用紙搬送機構 61…用紙搬送ベルト ; 62…駆動ローラ ; 6
3…従動ローラ 64…吸着ローラ ; 70…定着器 ; 80…排紙
機構 81…搬出ロール対 ; 82…搬出路 ; 83…排
紙ロール対 90…電装部 ; 451…容器 ; 452…現像ロ
ーラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三井 郷史 埼玉県入間市宮寺4084番地 カシオ電子工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 CA08 CA30 CB07 EA03 EA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と蛍光物質とデオキシリボ核酸
    とを含有し且つ透明であることを特徴とする透明トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記蛍光物質の少なくとも一部として亜
    鉛を含む酸化物を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の透明トナー。
  3. 【請求項3】 前記蛍光物質の少なくとも一部として酸
    化亜鉛を含有することを特徴とする請求項1に記載の透
    明トナー。
  4. 【請求項4】 前記蛍光物質の含有量は前記結着樹脂1
    00質量部に対して0.5質量部〜7質量部の範囲内に
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    か1項に記載の透明トナー。
  5. 【請求項5】 前記結着樹脂として軟化点が70℃〜1
    50℃の範囲内にあるポリエステル樹脂を含有すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
    記載の透明トナー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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