JP2002071874A - 沸騰水型原子力発電プラントとイオン交換樹脂劣化高分子不純物測定方法 - Google Patents

沸騰水型原子力発電プラントとイオン交換樹脂劣化高分子不純物測定方法

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JP2002071874A
JP2002071874A JP2000257512A JP2000257512A JP2002071874A JP 2002071874 A JP2002071874 A JP 2002071874A JP 2000257512 A JP2000257512 A JP 2000257512A JP 2000257512 A JP2000257512 A JP 2000257512A JP 2002071874 A JP2002071874 A JP 2002071874A
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condensate
reactor
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boiling water
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JP2000257512A
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Motohiro Aizawa
元浩 会沢
Naoshi Usui
直志 碓井
Seiji Nemoto
清司 根本
Yamato Asakura
大和 朝倉
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 復水器冷却水温度が上昇する時期の前に、復
水脱塩塔のイオン交換樹脂の劣化の程度を精度良く判定
する。 【解決手段】 夏季を迎える前に、復水器空気抽出器空
気入口弁24の開度を絞り込むことにより復水温度を一
時的に夏季の温度に調整する。復水温度調整後、所定時
間経過してから炉水サンプリングを行い、炉水中の不純
物濃度を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】沸騰水型原子力発電プラント
の水質を清浄に保つための復水脱塩装置イオン交換樹脂
の劣化程度監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電プラントの冷却材
(水)は、次ぎのようにシステム内を循環する。まず、
原子炉内に満たされた水は、炉心に装荷された燃料の核
分裂反応により生成する熱によって加熱され、沸騰して
蒸気が発生する。発生した蒸気は、主蒸気配管を通って
高圧タービンおよび低圧タービンに導かれ、両タービン
を駆動したのち、冷却管を内装した復水器に流入する。
この際、燃料の核分裂反応により生成する中性子によ
り、冷却材である水が分解されて酸素および水素ガスが
生成され、この酸素および水素ガスも主蒸気とともに復
水器に流入する。復水器に流入した蒸気は、冷却管内を
流れる冷却水(日本では海水)で冷却され、凝縮して復
水となる。復水器で生成された復水は、復水ポンプ、復
水ろ過装置、及び復水脱塩装置を経由し、復水昇圧ポン
プで昇圧されて給水系に導かれる。
【0003】一方、主蒸気中の酸素ガス、水素ガスおよ
び微量の気体状放射性物質は、復水器より気体廃棄物処
理系配管および蒸気式エゼクタにより蒸気式空気抽出器
に吸引され、気体廃棄物処理設備で処理される。
【0004】給水系に導かれた復水は、給水と呼び名を
変えて給水ポンプでさらに昇圧され、給水ヒータで昇温
された後、再び原子炉に戻る。
【0005】また、原子炉の炉水は、再循環ポンプおよ
び再循環配管で構成される複数系列の再循環系により駆
動され、炉心部を下から上に向かって流れる循環流を形
成する。炉水の一部は、再循環配管から抜き出され、原
子炉浄化系ポンプおよび原子炉冷却材浄化系配管を通っ
て原子炉水浄化設備に導かれ浄化される。浄化された炉
水は、給水系配管に合流して原子炉に戻る。また、給水
とともに原子炉に流入した不純物は、原子炉内で沸騰濃
縮され、その一部が原子炉水浄化設備のろ過脱塩装置で
除去され、炉水が清浄に保たれる。
【0006】沸騰水型原子力発電プラントは、上述のよ
うに、生成した蒸気で蒸気タービンを駆動し、蒸気ター
ビンを駆動した後の蒸気を海水等で冷却して復水とし、
この復水を再び加熱して得た蒸気で蒸気タービンを駆動
する。この循環する水/蒸気中には、各種の不純物イオ
ンや酸化鉄粒子等が混入している。また、蒸気タービン
を出た蒸気を冷却し凝縮水(復水)とする復水器では、
外部から取りこんだ河川水や海水が冷却水として用いら
れている。これらの冷却水は、復水器内の冷却管の損傷
等により復水中に混入する可能性を持っており、冷却水
中に含まれる不純物が復水中に混入する惧れがある。前
記復水系の復水ろ過装置、 復水脱塩装置は、これらの
不純物の除去を目的に設けられたもので、特に、復水脱
塩装置は、海水が復水中に混入した場合においても、海
水中の各イオンを除去できるようイオン成分の除去性能
にすぐれ、吸着容量が大きいものとしてある。
【0007】この復水脱塩装置は、一般的には、アニオ
ン樹脂とカチオン樹脂を混合して充填した複数の混床式
脱塩塔(以下脱塩塔)を備えている。脱塩塔に使用され
ているイオン交換樹脂はポリスチレンを基材とする高分
子化合物であり、使用期間が長くなるにつれて徐々に劣
化が進み、イオン交換樹脂の一部が復水中に流出する。
カチオン樹脂およびアニオン樹脂はそれぞれ官能基とし
てスルホン基(−SO H)およびトリメチルアミン基
(−CHN(CHOH)を有している。これら
の劣化高分子物質が原子炉1に流入すると、原子炉内の
熱(280℃)と放射線の作用により分解・消滅する。
劣化高分子物質中の炭素(C)は二酸化炭素となり、水
素(H)とともに復水器5、蒸気式空気抽出器13を経
由して気体廃棄物処理設備14に送られ処理される。し
かし、イオウ(S)および窒素(N)は、原子炉内でH
SOおよびHNO等の不揮発性の化合物となり、
炉水中に残留するため、水質の悪化を招く。沸騰水型原
子力発電プラントの原子炉水中の不純物濃度は極めて低
濃度で管理されている。例えば、硫酸イオン濃度は原子
炉水1m中に10mg(10ppb)以下の濃度とな
るように管理されている。したがって、イオン交換樹脂
からの劣化高分子物質の溶出量が増加した場合には、水
質の悪化を避けるため、イオン交換樹脂を取り替える必
要がある。
【0008】このため、原子力発電所では定期検査期間
中に脱塩塔のイオン交換樹脂をサンプリングし、イオン
交換樹脂の劣化程度を測定する。このイオン交換樹脂の
劣化程度を測定する方法が、特開平10−2890号公
報、特開平7−159587号公報、特開平11−29
5295号公報および特開平12−2890号公報等に
提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまで提案
された測定方法はいずれもイオン交換樹脂をサンプリン
グして測定する方法であるため、劣化高分子溶出速度の
相対的な違いを確認することはできるが、測定結果から
直接原子炉水中不純物濃度の絶対値を求めることが難し
かった。例えば、硫酸イオン濃度は、先に述べたよう
に、原子炉水1m中に10mg(10ppb)以下の
濃度となるように管理されている。原子炉浄化系流量が
給水流量の2%であるプラントでは、復水中の不純物が
炉水では約50倍に沸騰濃縮される。このため、炉水の
硫酸イオン濃度10ppbは、脱塩塔出口水中の硫酸イ
オン濃度約0.2ppbに相当する。現状の発電所にお
ける水質測定技術では、0.2ppbの濃度を直接測定
することはできない。同様に、数ppbの濃度で溶出す
るイオン交換樹脂からの劣化高分子量を直接測定するこ
とも困難である。
【0010】したがって、前述のように、劣化高分子溶
出速度の相対的な違いを確認することでイオン交換樹脂
の劣化の程度を判断せざるを得なかった。しかし、劣化
高分子溶出速度の相対的な違いに基づく劣化程度の判断
は、劣化高分子量濃度の直接的測定に基づく判断に比
べ、信頼性が十分でなく、そのため、安全側の判断をせ
ざるを得ず、イオン交換樹脂の早期交換、すなわち、放
射性廃棄物の増加を招いていた。
【0011】このように、現状の分析技術を駆使しても
精度良く測定することが難しい濃度範囲におけるイオン
交換樹脂からの劣化高分子溶出量に基づいて劣化具合を
判断することが要求される点に、イオン交換樹脂の劣化
程度の判断が困難な理由がある。
【0012】さらに、イオン交換樹脂からの劣化高分子
溶出速度は、図2に示すように、復水温度の増加に伴い
加速的に大きくなる。発電プラントの復水は、上述した
ように復水器5で海水により冷却される場合が多く、こ
のため復水温度が海水温度の季節変化に影響され、夏季
に復水温度が上昇する。したがって、復水脱塩塔イオン
交換樹脂の劣化が進むと、夏季には、復水温度の上昇が
イオン交換樹脂からの劣化高分子溶出速度を高めること
もあって、原子炉水の水質が悪化する。したがって、海
水温度が上昇する夏季になる前に脱塩塔のイオン交換樹
脂から溶出してくる劣化高分子の量を確認し、プラント
の運転に支障を与えないことを確認する必要が生じてく
る。万一、海水温度が上昇した場合の劣化高分子の溶出
量が多く、復水の水質悪化が懸念される場合は、夏季に
なる前に新しいイオン交換樹脂に交換することにより、
安定した運転を維持する必要がある。
【0013】本発明の課題は、冷却水温度が上昇する時
期の前に、復水脱塩塔のイオン交換樹脂の劣化の程度を
精度良く判定することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】復水脱塩塔のイオン交換
樹脂の劣化によって該イオン交換樹脂から溶出する劣化
高分子に起因する不純物濃度の測定精度を上げるには、
それら不純物が濃縮されている炉水の不純物濃度を検出
することが有効である。さらに、イオン交換樹脂からの
不純物の発生は、復水温度が高くなるほど多くなるか
ら、復水温度が高くなる状態を一時的に設定すること
で、復水温度が季節的に高くなるときの不純物の濃度を
予め測定できる。
【0015】復水の温度の調整は、復水器の冷却水の流
量を調整すること、あるいは復水器の真空度を調整する
ことにより可能となる。しかし、復水の温度を高めるよ
う冷却水の流量を調整すると、原子炉の出力が一定の場
合、復水器で除熱する熱量が変化しないのに冷却水量が
減少するため、復水器出口の冷却水温度が増加する。冷
却水温度の増加は、発電所周辺の環境に影響を及ぼす可
能性があるため好ましくない。
【0016】復水器の真空度を調整して復水の温度を変
化させる方法は、図3に示す水の温度と飽和蒸気圧の関
係を利用する。図3に示されるように、蒸気は、復水器
内の真空度(飽和蒸気圧)に相当する温度で凝縮し復水
となる。復水温度を上昇させるには、復水器の内圧を上
昇させればよい。すなわち、復水器と蒸気式空気抽出器
などの復水器真空度維持設備間の圧損を高める等の調整
により可能となる。これには、復水器と復水器真空度維
持設備間の配管に開度調整可能な弁を介装し、この弁の
開度を調整するようにすればよい。
【0017】一般的な沸騰水型原子力発電プラントの復
水温度は、冬季約30℃、夏季約45℃であるため、復
水器内の内圧を9.8×10Pa(=約0.10kg
/cm 2)を上限として調整することにより復水温度の調
整が可能となる。
【0018】すなわち、上記目的を達成する本発明の手
段は、具体的には、沸騰水型原子炉で炉水から生成され
る蒸気で駆動されるタービンと、該タービンに付設され
前記蒸気を凝縮させて復水とする復水器と、該復水器で
生成された復水を内装されたイオン交換樹脂で脱塩処理
する復水脱塩装置と、を有してなる沸騰水型原子力発電
プラントの、前記イオン交換樹脂から発生する劣化高分
子不純物の量を測定するイオン交換樹脂劣化高分子不純
物測定方法において、プラント運転中に前記復水器の内
圧を高めて復水温度を上昇させ、復水温度が所望の温度
に到達したのち、炉水中の不純物濃度を測定することを
特徴とする。
【0019】測定する炉水中の不純物は、硫酸イオンを
含むこととすればよい。また、復水器の内圧を高めるに
は、復水器と復水器に接続して設けられた蒸気式空気抽
出器などの復水器真空度維持設備間に設けた入口弁の開
度を調整することにより行なえばよい。
【0020】上記の目的はまた、沸騰水型原子炉で炉水
から生成される蒸気で駆動されるタービンと、該タービ
ンに付設され前記蒸気を凝縮して復水とする復水器と、
該復水器で生成された復水を脱塩処理する復水脱塩装置
と、前記復水器に接続され、復水器の真空度を調整する
復水器真空度維持設備と、炉水を取出す原子炉水サンプ
リング手段と、を有してなる沸騰水型原子力発電プラン
トにおいて、前記復水器真空度維持設備は、前記復水器
に開度調整可能な入口弁を介して吸込み口を接続したエ
ゼクタを含んで構成することによっても達成される。
【0021】前記入口弁には開度表示手段を備えること
が望ましい。また、前記入口弁の入り側と出側を接続す
るバイパス配管を設け、このバイパス配管に開度調整可
能なバイパス制御弁を介装してもよい。前記バイパス制
御弁には開度表示手段を設けるのが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を、図
1に示すフローチャートと図4に示す系統図を用いて説
明する。図1のフローチャートは、夏季の復水温度に調
整するために行う復水器内圧力の調整方法を示す。図4
の系統図は、本発明が適用される沸騰水型原子力発電プ
ラントの要部構成を示す。
【0023】図4に示す沸騰水型原子力発電プラント
は、原子炉1と、原子炉1に主蒸気配管2で接続された
高圧タービン3及び低圧タービン4と、低圧タービン4
に結合され冷却水管6を内装した復水器5と、を含んで
いる。復水器5に吸い込み側を接続して復水ポンプ7が
設けられ、復水ポンプ7の出側に復水ろ過装置8、復水
脱塩装置9が順に接続されている。復水脱塩装置9の出
側に復水昇圧ポンプ10が接続され、復水昇圧ポンプ1
0の出側に、給水ヒータ16、給水ポンプ15が順に接
続されている。給水ポンプ15の出側は、給水ヒータ1
6を介して原子炉1に接続されている。原子炉1には、
再循環ポンプ17を介装した再循環配管18が、原子炉
1をその一部とする循環路を形成するように設けられ、
再循環ポンプ17入り側の再循環配管18に分岐して原
子炉冷却材浄化系配管20が設けられている。原子炉冷
却材浄化系配管20には、熱交換器22、原子炉浄化系
ポンプ19、原子炉水浄化設備21が順に介装され、原
子炉水浄化設備21の出側は、給水ヒータ16と原子炉
1を接続する給水系配管に接続されている。原子炉浄化
系ポンプ19と原子炉水浄化設備21を接続する原子炉
冷却材浄化系配管20に分岐して、原子炉水サンプリン
グ手段として、弁を介装した原子炉水サンプリングライ
ン23が設けられている。復水器5と復水ポンプ7を接
続する復水系配管には、復水温度を検出する復水温度計
26が設置されている。復水器5には、開度調整可能な
空気抽出器空気入口弁24を介装した気体廃棄物処理系
配管11が接続されている。空気抽出器空気入口弁24
には開度表示手段として弁開度計25が付設され、空気
抽出器空気入口弁24出側の気体廃棄物処理系配管11
に吸込み口を接続して蒸気式エゼクタ12が設けられて
いる。蒸気式エゼクタ12の出側は、蒸気式空気抽出器
13を介して気体廃棄物処理設備14に接続されてい
る。蒸気式エゼクタ12、蒸気式空気抽出器13が、復
水器真空度維持設備を構成する。
【0024】上記構成のプラントにおいて、復水器5内
の圧力を増加させるためには、復水器内ガスの排出速度
をわずかづつ低下させる必要がある。ガスの排出速度を
低下させるには、蒸気式エゼクタ12に供給する駆動蒸
気の量を低減する方法、空気抽出器空気入口弁24を絞
り込む方法が想定できる。駆動蒸気の量を低減する方法
は制御性の面で困難を伴うので、ガスの排出速度の微妙
な制御を行うには、空気抽出器空気入口弁24を絞り込
む方法が安定している。さらに、空気抽出器空気入口弁
24に弁開度計25を設けることにより、ガス流量の制
御がさらに容易になる。
【0025】空気抽出器空気入口弁24を絞り込む方法
により復水器内圧、復水温度を調整する手順を図1によ
り、説明する。ここでは、復水温度を45℃に上昇させ
る場合について説明する。最初に弁開度計25の指示値
を確認する(手順101)。その後弁開度計25の指示
値を見ながらの空気抽出器空気入口弁24の開度を徐々
に絞り込む(手順102)。その後、復水温度計26の
指示値を確認する(手順104)。その際、復水器内圧
変化も確認する(手順103)ことにより機器の健全を
確認することが好ましい。復水温度が夏季に相当する温
度45℃まで上昇しているかどうかを確認し(手順10
5)、45℃まで上昇していない場合は、再度手順10
2に戻って空気抽出器空気入口弁24を絞り込む。前記
の操作を、復水温度が45℃に達するまで繰り返す。
【0026】復水温度の調整が完了したら、空気抽出器
空気入口弁24の開度をその状態に保持し、原子炉水サ
ンプリングライン23から原子炉水のサンプリングを行
う(手順106)。復水温度の調整が完了してから約2
時間以上経過後にサンプリングを行うことにより、炉水
の水質変化の確認が可能となる。
【0027】サンプリングした炉水の分析は、イオン交
換樹脂から発生した劣化高分子が分解し、炉水に残留す
る可能性を持つ硫酸イオン、硝酸イオン等について行
う。なお、これまでの経験から、復水脱塩装置イオン交
換樹脂の劣化は、カチオン樹脂の方が大きく、カチオン
樹脂劣化高分子分解後の在留物である硫酸イオン濃度を
測定することにより、イオン交換樹脂の劣化の程度判定
という目的は十分達成できる。
【0028】炉水分析完了後、弁開度計25を見ながら
(手順107)、空気抽出器空気入口弁24を、その開
度が元の開度になるまで開く(手順108)。開度を元
の開度に戻したら、復水器5の内圧が調整前の状態に戻
っていることを確認し(手順109)、一連の操作を完
了する(手順110)。
【0029】本実施の形態によれば、復水の温度を夏季
に予想される温度にまで上昇させ、その状態における硫
酸イオン、硝酸イオンの濃度を、炉水をサンプリングし
て測定するので、復水温度が高まる夏季の炉水水質を予
め確認することができる。したがって、イオン交換樹脂
の交換の要否を予め知ることができ、イオン交換樹脂の
劣化に起因するプラントの運転のトラブルを回避でき
る。
【0030】なお、上記実施の形態では、空気抽出器空
気入口弁24の開度を表示する弁開度計25が設けられ
ているが、弁開度計25が設けられていない場合でも、
上記の効果を得ることができる。
【0031】次ぎに本発明の第2の実施の形態を、図5
を参照して説明する。本実施の形態が前記図4に示す第
1の実施の形態と異なるのは、空気抽出器空気入口弁2
4の出側と入り側をバイパス制御弁28を介して接続す
るバイパス配管27を設け、空気抽出器空気入口弁24
の弁開度計25に代えてバイパス制御弁28に弁開度計
25を設けた点である。他の構成は前記第1の実施の形
態と同じなので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】一般的に、プラントの規模が大きくなると
気体廃棄物処理系配管11の口径も大きくなる。したが
って、空気抽出器空気入口弁24のみの開度調整では十
分な調整ができない場合が生じる。本実施の形態はその
ような場合に対応するもので、図5に示したように空気
抽出器空気入口弁24に口径の小さいバイパス配管27
を設け、前記バイパス配管27に弁開度計25を備えた
バイパス制御弁28を設けてある。まず空気抽出器空気
入口弁24の開度を低下させ、次ぎにバイパス制御弁2
8の開度を弁開度計25を見ながら調整することによ
り、安定した復水温度の調整が可能となる。
【0033】バイパス配管27の径を、空気抽出器空気
入口弁24の口径よりもどのくらい小さくするかは、空
気抽出器空気入口弁24の口径に応じて適宜設定すれば
よい。また、上記第2の実施の形態では、バイパス制御
弁28に弁開度計25が設けられているが、弁開度計2
5がなくても、同様に制御することは可能である。つま
り、空気抽出器空気入口弁24とバイパス制御弁28の
いずれか、もしくは双方に弁開度計を設けるようにして
もよいし、いずれにも設けないようにしてもよい。
【0034】本実施の形態によれば、前記第1の実施の
形態と同様の効果が得られるとともに、気体廃棄物処理
系配管11の口径が大きくて、空気抽出器空気入口弁2
4の開度調整では復水器内圧を所望の圧力に設定するの
が困難な場合でも、復水器内圧を所望の圧力にせってい
するのが容易になる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、復水温度が上昇した場
合の、復水脱塩装置のイオン交換樹脂から発生する劣化
高分子不純物の流入に伴う炉水の水質変化を事前に確認
することが可能となる。このため、復水脱塩装置イオン
交換樹脂の適切な交換時期を容易に判断できるととも
に、夏季の復水温度の上昇に伴い水質悪化する現象を未
然に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す手順図であ
る。
【図2】復水温度の変化に伴うイオン交換樹脂劣化高分
子の溶出速度変化を示すグラフである。
【図3】水の温度と飽和蒸気圧の関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態が適用される沸騰水
型原子力発電所を示す系統図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す系統図であ
る。
【符号の説明】
1 原子炉 2 主蒸気配管 3 高圧タービン 4 低圧タービン 5 復水器 6 冷却管 7 復水ポンプ 8 復水ろ過装置 9 復水脱塩装置 10 復水昇圧ポンプ 11 気体廃棄物処理系配管 12 蒸気式エゼクタ 13 蒸気式空気抽出器 14 気体廃棄物処理設備 15 給水ポンプ 16 給水ヒータ 17 再循環ポンプ 18 再循環配管 19 原子炉浄化系ポンプ 20 原子炉冷却材浄化系配管 21 原子炉水浄化設備 22 熱交換器 23 原子炉水サンプリングライン 24 空気抽出器空気入口弁 25 弁開度計 26 復水温度計 27 バイパス配管 28 バイパス制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21D 1/02 G21C 17/02 F // G01N 30/96 19/30 GDBC (72)発明者 碓井 直志 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 根本 清司 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 朝倉 大和 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 Fターム(参考) 2G075 AA03 BA03 CA21 CA40 DA07 DA09 DA18 EA03 FA03 GA21 4D025 AA07 AB14 BA08 BA13 BB04 BB07 CA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸騰水型原子炉で炉水から生成される蒸
    気で駆動されるタービンと、該タービンに付設され前記
    蒸気を凝縮させて復水とする復水器と、該復水器で生成
    された復水を内装されたイオン交換樹脂で脱塩処理した
    のち前記原子炉へ還流させる復水脱塩装置と、を有して
    なる沸騰水型原子力発電プラントで、前記イオン交換樹
    脂から発生する劣化高分子不純物の量を測定するイオン
    交換樹脂劣化高分子不純物測定方法において、プラント
    運転中に前記復水器の内圧を高めて復水温度を上昇さ
    せ、復水温度が所望の温度に到達したのち、炉水中の不
    純物濃度を測定することを特徴とするイオン交換樹脂劣
    化高分子不純物測定方法
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイオン交換樹脂劣化高分
    子不純物測定方法において、測定される炉水中の不純物
    は、硫酸イオンを含むことを特徴とするイオン交換樹脂
    劣化高分子不純物測定方法
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のイオン交換樹脂
    劣化高分子不純物測定方法において、復水器に入口弁を
    介して復水器内圧調整のための復水器真空度維持設備が
    接続されており、前記入口弁の開度を調整することによ
    り復水器の内圧を高めることを特徴とするイオン交換樹
    脂劣化高分子不純物測定方法
  4. 【請求項4】 沸騰水型原子炉で生成される蒸気で駆動
    されるタービンと、該タービンに付設された復水器と、
    該復水器で生成された復水を処理する復水脱塩装置と、
    前記復水器に接続され、復水器の真空度を調整する復水
    器真空度維持設備と、炉水を取出す原子炉水サンプリン
    グ手段と、を有してなる沸騰水型原子力発電プラントに
    おいて、前記復水器真空度維持設備は、前記復水器に開
    度調整可能な入口弁を介して吸込み口を接続したエゼク
    タを含んでなることを特徴とする沸騰水型原子力発電プ
    ラント。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の沸騰水型原子力発電プラ
    ントにおいて、前記入口弁は開度表示手段を備えている
    ことを特徴とする沸騰水型原子力発電プラント。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の沸騰水型原子力
    発電プラントにおいて、前記入口弁の入り側と出側を接
    続するバイパス配管と、このバイパス配管に介装された
    開度調整可能なバイパス制御弁とを有してることを特徴
    とする沸騰水型原子力発電プラント。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の沸騰水型原子力発電プラ
    ントにおいて、前記バイパス制御弁は開度表示手段を備
    えていることを特徴とする沸騰水型原子力発電プラン
    ト。
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