JP2002071667A - 種晶の活性測定方法 - Google Patents

種晶の活性測定方法

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JP2002071667A JP2000263790A JP2000263790A JP2002071667A JP 2002071667 A JP2002071667 A JP 2002071667A JP 2000263790 A JP2000263790 A JP 2000263790A JP 2000263790 A JP2000263790 A JP 2000263790A JP 2002071667 A JP2002071667 A JP 2002071667A
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Shigeru Sato
茂 佐藤
Kiyoshi Sawada
清 澤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水系のスケール成分と接触させ、配管、塔槽、
熱交換器等の装置壁面に付着する無機スケールを防止す
る種晶の活性を、種晶を水系と接触する前に、又は、水
系に接触させて使用中の種晶について、簡単な操作によ
り正確かつ容易に評価し、有効な品質管理項目とするこ
とができる種晶の活性測定方法を提供する。 【解決手段】水系に析出する無機スケール成分の種晶の
活性測定方法であって、種晶の飽和水溶液に、該種晶並
びにリン酸、重合リン酸、ホスホン酸及びこれらの塩か
らなる群から選ばれるリン系化合物を添加して撹拌混合
し、混合液をろ過してろ液中に含まれるリン系化合物の
濃度を測定することを特徴とする種晶の活性測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種晶の活性測定方
法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水系のスケー
ル成分と接触させ、配管、塔槽、熱交換器等の装置壁面
に付着する無機スケールを防止する種晶の活性を、種晶
を水系と接触する前に、又は、水系に接触させて使用中
の種晶について、簡単な操作により正確かつ容易に評価
することができる種晶の活性測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却水系、ボイラ水系などの水と接触す
る伝熱面、配管内ではスケール障害が発生する。特に、
省資源、省エネルギーの立場から、冷却水の系外への排
棄(ブロー)を少なくして高濃縮運転を行う場合、溶解
している塩類が濃縮されて、伝熱面が腐食しやすくなる
とともに、難溶性の塩となってスケール化する。生成し
たスケールは、熱効率の低下、配管の閉塞など、ボイラ
ーや熱交換器などの運転に重大な障害を引き起こす。生
成するスケール種としては、炭酸カルシウム、硫酸カル
シウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛などがあ
る。紙の原料であるパルプには、カルシウム塩やバリウ
ム塩などが含まれる。特に、回収古紙を原料にしたパル
プの場合は、古紙中に無機系の填料が多量に存在し、カ
ルシウムイオンの溶出が多い。また、紙パルプ工場の抄
紙工程では、紙の定着、pH調整を目的として、硫酸バン
ドや硫酸が広く用いられている。これらに由来する硫酸
イオンと、パルプ原料に由来するカルシウムイオン、バ
リウムイオンなどが結合して、水に極めて難溶性の硫酸
カルシウムや硫酸バリウムなどがスケールとして生成す
る。これらのスケールは、製紙工程の諸機器に付着して
機器が有する本来の性能を低下させるのみならず、壁面
で付着成長したスケールの一部が脱落して紙切れを生じ
させたり、紙製品に斑点を生じさせて品質を損なうな
ど、生産に大きな損失をもたらす場合がある。また、紙
の原料であるパルプは、木材チップを苛性ソーダで蒸解
することにより得られるが、多量の苛性ソーダと水を使
用するために、一般的にアルカリ回収工程によって、苛
性ソーダを回収し、水の有効利用が図られている。アル
カリ回収工程を流れる水は、高pH、高温で、炭酸カルシ
ウムが高過飽和状態になっているために、装置や配管内
壁には炭酸カルシウムを主成分とするスケールの付着が
恒常的に起こっている。これまで、カルシウムやマグネ
シウム系スケールに対しては、マレイン酸、アクリル
酸、イタコン酸などのカルボキシル基が有効であり、必
要に応じてこれらのモノマーと、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー
や、アクリルアミドなどのノニオン性ビニルモノマー
を、対象とする水質に応じて組み合わせたコポリマーが
スケール防止剤として一般的に使用されている。また、
カルシウム系スケールを対象とする場合、へキサメタリ
ン酸ソーダやトリポリリン酸ソーダなどの無機ポリリン
酸類、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸やホスホノブ
タントリカルボン酸などのホスホン酸類も一般的に使用
されている。しかし、これらのスケール防止剤は、冷却
水中に溶解するスケール種(イオン)をスケールとして
析出しないように水中に押さえ込む析出抑制機能を有す
るものであり、更なる高濃縮運転の場合には、スケール
の析出を抑制するには限界がある。今後更に冷却水の高
濃縮運転が広まる中で、現状のスケール防止剤に代わる
高性能のスケール防止技術の開発が望まれている。上記
のような配管やタンクなどで生じるスケール障害を防止
するために、本発明者らは、先に特開2000−709
93号公報において、当該無機スケール物質と同一また
は類似の種晶を対象水系に添和するスケール防止方法を
提案した。この方法は、種晶を核として、バルク水中で
スケール成分の結晶成長を起こし、配管やタンク壁面な
どに生成するスケールを抑制するものである。したがっ
て、このスケール防止方法を実際に適用する場合には、
核となる種晶の活性が重要な品質管理項目になる。しか
しながら、現状において品質管理項目をしいて挙げる
と、比表面積、平均粒子径であり、安定したスケール防
止効果を得るために適した品質管理方法が強く求められ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水系のスケ
ール成分と接触させ、配管、塔槽、熱交換器等の装置壁
面に付着する無機スケールを防止する種晶の活性を、種
晶を水系と接触する前に、又は、水系に接触させて使用
中の種晶について、簡単な操作により正確かつ容易に評
価し、有効な品質管理項目とすることができる種晶の活
性測定方法を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、種晶の飽和水溶
液中において、該種晶に吸着される特定のリン系化合物
の量が、種晶の活性と高い正の相関を有することを見い
だし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)水系に析出する無機スケー
ル成分の種晶の活性測定方法であって、種晶の飽和水溶
液に、該種晶並びにリン酸、重合リン酸、ホスホン酸及
びこれらの塩からなる群から選ばれるリン系化合物を添
加して撹拌混合し、混合液をろ過してろ液中に含まれる
リン系化合物の濃度を測定することを特徴とする種晶の
活性測定方法、及び、(2)種晶は、カラムに充填して
水系の水と接触させるものであり、その種晶を取り出し
て、その活性を測定する第1項記載の種晶の活性測定方
法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の種晶の活性測定方法は、
水系に析出する無機スケール成分の種晶の活性測定方法
であって、種晶の飽和水溶液に、該種晶並びにリン酸、
重合リン酸、ホスホン酸及びこれらの塩からなる群から
選ばれるリン系化合物を添加して撹拌混合し、混合液を
ろ過してろ液中に含まれるリン系化合物の濃度を測定す
る。水系に析出する無機スケールとしては、例えば、ボ
イラ水系、冷却水系などに発生する炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、
ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛など
のスケール、鉄鋼集塵水系に発生する炭酸カルシウムな
どのスケール、紙パルプ工場の抄紙工程、原料調製工
程、パルプ製造工程、アルカリ回収工程に発生する硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどのスケ
ールなどがある。本発明方法の適用の対象となる種晶
は、水系と接触したとき、スケール成分が装置壁面で結
晶成長を起こす前に核となってこれらのスケール物質の
結晶化を開始させ、スケール物質の析出を速める結晶で
ある。スケール物質が既知の場合は、種晶としてスケー
ル物質と同一又は類似の結晶を用いることができる。ス
ケール物質と類似の結晶としては、スケール物質と結晶
格子構造が近い結晶を挙げることができる。スケール物
質と類似の結晶の種晶としての有効性は、適用する工程
水を濃縮又は冷却することにより過飽和状態とし、スケ
ール物質と類似の結晶を添加し、スケール物質の結晶が
析出する状態を観察することにより確認することができ
る。スケール物質が未知の場合は、適用する工程水を濃
縮し、析出する結晶を微粉砕して、スケール物質と同一
の種晶として利用することができる。多くの場合、種晶
として、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム又は硫酸バリ
ウムが有用である。種晶の粒径に特に制限はないが、5
0%平均粒径が0.01〜100μmであることが好ま
しく、5〜50μmであることがより好ましい。50%
平均粒径が0.01μm未満であると、種晶としての取
り扱いが困難になるおそれがある。50%平均粒径が1
00μmを超えると、スケール防止効果が不十分となる
おそれがある。
【0006】本発明方法において、種晶の飽和水溶液の
調製方法に特に制限はなく、例えば、純水を撹拌しなが
ら対象となる種晶を大過剰に添加し、室温で24時間程
度撹拌したのち、孔径0.1μm程度のフィルターを用
いてろ過し、ろ液を種晶の飽和水溶液とすることができ
る。本発明方法に用いるリン酸、重合リン酸及びその塩
に特に制限はなく、例えば、オルトリン酸及びそのナト
リウム塩、カリウム塩など、ピロリン酸、トリポリリン
酸などのポリリン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウ
ム塩など、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサ
メタリン酸などのメタリン酸及びこれらのナトリウム
塩、カリウム塩などを挙げることができる。本発明方法
に用いるホスホン酸及びその塩に特に制限はなく、例え
ば、ホスホン酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩な
ど、ヒドロキシエチリデンホスホン酸、ヒドロキシエチ
リデンホスホン酸四ナトリウム塩、ニトリロトリメチレ
ンホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスン酸五ナトリ
ウム塩、エチレンジアミンテトラメテレンホスホン酸ナ
トリウム塩、ホスホノブタントリカルボン酸などを挙げ
ることができる。これらのリン系化合物は、1種を単独
で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせ
て用いることもできる。本発明方法において、種晶の飽
和水溶液への該種晶及びリン系化合物の添加順序に特に
制限はなく、例えば、種晶の飽和水溶液へ該種晶を添加
したのちリン系化合物を添加することができ、種晶の飽
和水溶液へリン系化合物を添加したのち該種晶を添加す
ることもでき、あるいは、種晶の飽和水溶液へ該種晶と
リン系化合物を同時に添加することもできる。
【0007】本発明方法において、種晶の飽和水溶液へ
添加する該種晶の量に特に制限はないが、種晶の飽和水
溶液1Lに対して5〜100gであることが好ましく、
20〜80gであることがより好ましい。種晶の添加量
が該種晶の飽和水溶液1Lに対して5g未満であると、
測定精度が低下するおそれがある。種晶の添加量が該種
晶の飽和水溶液1Lに対して100gを超えると、測定
操作が困難となるおそれがある。本発明方法において、
種晶の飽和水溶液に添加するリン系化合物の量は、種晶
の飽和水溶液に添加する該種晶の量を定めたのち、該種
晶の該リン系化合物に対する吸着量を求めて、実験的に
選択することができる。通常は、測定範囲において、種
晶の飽和水溶液に添加したリン系化合物のほぼ半量が、
添加した該種晶に吸着される程度の量を選択することが
好ましい。リン系化合物の添加量が少なすぎると、リン
系化合物の大部分が種晶に吸着され、種晶の活性の差を
判定することが困難となるおそれがある。リン系化合物
の添加量が多すぎると、吸着されずに液中に残存するリ
ン系化合物の量の相違が相対的に小さくなり、測定精度
が低下するおそれがある。本発明方法において、種晶の
飽和水溶液に該種晶及びリン系化合物を添加したのちの
撹拌混合条件に特に制限はなく、通常は室温において2
0〜60分間撹拌混合することにより、ほぼ吸着平衡に
達するので、混合液をろ過してろ液中に含まれるリン系
化合物の濃度を測定することができる。また、種晶の飽
和水溶液に該種晶及びリン系化合物を添加したのちの撹
拌混合条件を一定にすることにより、厳密な吸着平衡に
達していなくても、種晶の活性を評価することができ
る。本発明方法において、種晶の飽和水溶液と該種晶と
リン系化合物の混合液のろ過方法に特に制限はなく、例
えば、添加した該種晶の粒径よりも十分に小さい孔径を
有するフィルターを用いて、重力ろ過、吸引ろ過などを
行ってろ液を得ることができる。
【0008】本発明方法において、ろ液中に含まれるリ
ン系化合物の濃度の測定方法に特に制限はなく、例え
ば、モリブデン青吸光光度法、イオンクロマトグラフィ
ー、ICP発光分光分析などにより測定することができ
る。同一条件で試験を行ったとき、ろ液中に含まれるリ
ン系化合物の濃度が低いほど、種晶の飽和水溶液に添加
された該種晶のリン系化合物に対する吸着量が多く、種
晶としての活性が大であると判定することができる。種
晶の活性は、ろ液中に含まれるリン系化合物の濃度から
判定することができるが、さらに、種晶の飽和水溶液に
添加された該種晶の単位重量当たりのリン系化合物の吸
着量を算出することにより、より簡明に種晶の活性を表
すことができる。本発明方法において、種晶の単位重量
当たりのリン系化合物の吸着量は、種晶の飽和水溶液に
添加したリン系化合物の濃度と、ろ液中に含まれるリン
系化合物の濃度の差から求めることもできるが、種晶の
飽和水溶液にリン系化合物のみを添加した対照試験を並
行して行い、種晶の飽和水溶液に該種晶とリン系化合物
を添加したときのろ液中のリン系化合物の濃度と、対照
試験のろ液中のリン系化合物の濃度を対比することによ
り、より正確に求めることができる。本発明方法によれ
ば、ボイラ水系、冷却水系、鉄鋼集塵水系、紙パルプ工
場の抄紙工程、原料調製工程、パルプ製造工程、アルカ
リ回収工程などにおいて、配管やタンクなどに付着する
無機スケール成分の種晶を、対象とする水系に添加して
スケールの発生を防止するに際して、種晶を水系に添加
する前に、簡単な操作により正確かつ容易にその活性を
測定して評価し、品質管理に有効に役立てることができ
る。無機スケール成分の種晶は、水系に添加するばかり
でなく、例えば、無機スケール成分の種晶を充填したカ
ラムに工程水を通水することにより、水中に含まれるス
ケール成分を種晶の表面に析出させ、水中のスケール成
分の濃度を低下して、スケールの発生しにくい水質に変
えることもできる。この場合も、カラムに充填する前の
種晶について活性を測定することができ、あるいは、カ
ラムに通水中又は通水後にカラムから種晶を取り出し
て、その活性を測定することもできる。使用して活性が
低下した種晶は、粉砕して新しい表面を露出させること
により、活性を回復させることができる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 50%平均粒径8.2μmの重質炭酸カルシウム粉末
A、50%平均粒径45.0μmの重質炭酸カルシウム
粉末B及び重質炭酸カルシウム粉末Bをボールミルを用
いて30分粉砕し、50%平均粒径を9.8μmとした
重質炭酸カルシウム粉末Cについて、種晶としての活性
を測定した。重質炭酸カルシウム粉末B5gを、純水2
Lに添加し、30℃で24時間撹拌したのち、孔径0.
1μmのフィルターを用いてろ過し、炭酸カルシウムの
飽和水溶液を調製した。この炭酸カルシウムの飽和水溶
液1,000mLに、ヘキサメタリン酸0.645gを溶解
し、リン酸イオン濃度600mg/L相当の水溶液を調製
した。300mLトールビーカー4個に、このリン酸イオ
ン濃度600mg/Lの水溶液200mLずつを入れ、マグ
ネティックスターラーで撹拌しながら、恒温水槽中で3
0℃に調整した。撹拌しながら、3個のビーカーに、重
質炭酸カルシウム粉末A、B又はCをそれぞれ10gず
つ添加し、残り1個のビーカーは、そのまま撹拌を続け
て対照試料とした。30℃で30分間撹拌を続けたの
ち、ビーカーを恒温水槽から取り出し、直ちに孔径0.
1μmのろ紙を用いて吸引ろ過した。次いで、100容
量倍に希釈したろ液20mLを比色管に入れ、(2+5)硝
酸1mLを添加し、直ちに3回振って撹拌混合した。ま
た、空試験として、純水20mLを比色管に入れ、(2+
5)硝酸1mLを添加し、直ちに3回振って撹拌混合し、
以後の操作を並行して行った。比色管を水浴に浸漬し、
100℃で60分間加熱したのち、室温まで冷却し、純
水を加えて全量を40mLとし、モリブデン酸アンモニウ
ム溶液5mLを添加し、3回振って撹拌混合した。続い
て、5重量%L−アスコルビン酸溶液を1mL添加し、3
回振って撹拌混合したのち、15分間静置した。直ち
に、10mm石英セルに移し、880nmにおける吸光度
を測定した。重質炭酸カルシウムA、B又はCを添加し
た試料、重質炭酸カルシウムを添加しない対照試料につ
いて測定した吸光度Aと、空試験の吸光度A0の値か
ら、次式によりろ液中のリン酸イオン濃度を算出した。 PO4 3-(mg/L)= 929(A−A0) ろ液中のリン酸イオン濃度は、重質炭酸カルシウム粉末
Aを添加したとき334mg/L、重質炭酸カルシウム粉
末Bを添加したとき410mg/L、重質炭酸カルシウム
粉末Cを添加したとき285mg/L、重質炭酸カルシウ
ム粉末を添加しない対照試験においては576mg/Lで
あった。したがって、重質炭酸カルシウム1g当たりの
リン酸イオン吸着量は、粉末Aが4.8mg/g、粉末B
が3.3mg/g、粉末Cが5.8mg/gであった。各試験
における吸光度A及びA0の値、ろ液中のリン酸イオン
濃度及び種晶1g当たりのリン酸イオン吸着量を、第1
表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】第1表に見られるように、単純に平均粒子
径のちがいだけでは判断できない活性のちがいを測定す
ることができた。 実施例2 紙パルプ工場の漂白塔出口スラリーと希釈水が混合され
る工程を想定して、スケール成分の種晶表面への析出試
験を行った。工場の実機水と、pH、カルシウムイオン濃
度、Mアルカリ度、硫酸イオン濃度及びシリカ濃度がほ
ぼ近似する水質の想定合成水(A)及び(B)を調製し、想
定合成水を用いて試験を行った。実機水及び想定合成水
の水質を、第2表に示す。
【0012】
【表2】
【0013】漂白塔出口スラリー想定合成水(A)100
mLを500mLビーカーに入れ、50%平均粒径8.2μ
mの重質炭酸カルシウム粉末A10mgを種晶として添加
し、40℃の恒温水槽中でスターラーを用いて撹拌し
た。液温が40℃になったとき、あらかじめ校正したカ
ルシウムイオン電極を浸漬し、続いて40℃に加温して
おいた希釈水想定合成水(B)400mLを一気に添加し、
10秒ごとに混合液中のカルシウムイオン濃度を測定し
た。カルシウムイオン濃度は、10秒後25mg/L、2
0秒後14mg/L、30秒後10mg/L、40秒後8mg
/L、50秒後6mg/L、60秒後3mg/L、70秒後
1.2mg/L、80秒後0.8mg/L、90秒後0.4mg
/L、100秒後0.3mg/L、110秒後0.2mg/
L、120秒後0.2mg/Lであった。重質炭酸カルシ
ウム粉末A10mgの代わりに、50%平均粒径45.0
μmの重質炭酸カルシウム粉末B10mgを種晶として添
加した試験、粉末Bをボールミルを用いて粉砕した50
%平均粒径9.8μmの重質炭酸カルシウム粉末C10m
gを種晶として添加した試験及び種晶を添加しない試験
を同様にして行い、希釈水想定合成水(B)添加後10秒
ごとの混合液中のカルシウムイオン濃度を測定した。測
定結果を、第3表に示す。
【0014】
【表3】
【0015】第3表に見られるように、種晶を添加しな
い場合は、混合液中のカルシウムイオン濃度の低下速度
が遅く、合成水(B)添加120秒後もカルシウムイオン
濃度は21mg/Lである。これに対して、重質炭酸カル
シウム粉末を種晶として添加した場合は、混合液中のカ
ルシウムイオン濃度の低下が速く、種晶の表面に炭酸カ
ルシウムが析出して、液中のカルシウムイオンが減少
し、装置壁面へのスケールの付着が起こりにくい水質に
なることが裏付けられた。また、重質炭酸カルシウム粉
末A、粉末B及び粉末Cを添加した場合を比較すると、
種晶の活性の測定において、リン酸イオン吸着量の最も
大きい粉末Cを添加した場合が混合液中のカルシウムイ
オン濃度の低下速度が最も速く、以下リン酸イオン吸着
量の順に、カルシウムイオン濃度の低下速度は、粉末A
を添加した場合、粉末Bを添加した場合と小さくなって
いることから、重質炭酸カルシウム粉末のリン酸イオン
吸着量が種晶の活性の指標であり、リン酸イオン吸着量
を測定することにより、重質炭酸カルシウム粉末の種晶
としての活性を評価し、品質管理項目として利用し得る
ことが分かる。
【0016】
【発明の効果】本発明方法によれば、水系に添加して無
機スケールの析出を防止する種晶の活性を、種晶を水系
に添加する前に、又は、水系に添加された使用中の種晶
を取り出して、簡単な操作により正確かつ容易に評価
し、有用な品質管理項目として利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 21/27 G01N 21/73 21/73 1/28 Y

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水系に析出する無機スケール成分の種晶の
    活性測定方法であって、種晶の飽和水溶液に、該種晶並
    びにリン酸、重合リン酸、ホスホン酸及びこれらの塩か
    らなる群から選ばれるリン系化合物を添加して撹拌混合
    し、混合液をろ過してろ液中に含まれるリン系化合物の
    濃度を測定することを特徴とする種晶の活性測定方法。
  2. 【請求項2】種晶は、カラムに充填して水系の水と接触
    させるものであり、その種晶を取り出して、その活性を
    測定する請求項1記載の種晶の活性測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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