JP2002071650A - 中空状コンクリート柱の超音波探傷方法 - Google Patents

中空状コンクリート柱の超音波探傷方法

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JP2002071650A JP2000262893A JP2000262893A JP2002071650A JP 2002071650 A JP2002071650 A JP 2002071650A JP 2000262893 A JP2000262893 A JP 2000262893A JP 2000262893 A JP2000262893 A JP 2000262893A JP 2002071650 A JP2002071650 A JP 2002071650A
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ultrasonic receiver
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Minoru Yashima
実 八島
Akio Mori
章雄 森
Masao Sato
昌夫 佐藤
Tomonori Horiike
友則 堀池
Tomizo Tsuda
富造 津田
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KANSAI X SEN KK
NTT ME Chugoku Corp
Original Assignee
KANSAI X SEN KK
NTT ME Chugoku Corp
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空状コンクリート柱の埋設部に生じた亀裂
等の欠陥の有無及びその位置特定を正確にできる。 【解決手段】 下方側が地中Mに埋設されて建てられた
中空状のコンクリート柱CPに対し、その埋設部Caに
生じた亀裂Kを検出するものである。コンクリート柱C
Pの地上部Cbの表面上に、該コンクリート柱CPの軸
方向で埋設部Ca側から超音波送信器1a、超音波受信
器1bの順に、互いが所定の離隔距離Lを持って配置さ
れるとともに、超音波送信器1a及び超音波受信器1b
はいずれも斜角治具2により、その超音波の出入射方向
が埋設部Caに指向される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋設部を有する中
空状コンクリート柱に関し、その埋設部における亀裂等
の欠陥を検出する中空状コンクリート柱の超音波探傷方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート建造物としてコンクリート
柱は、中空状に成形されその柱軸方向と柱周方向に骨材
が配されてなる。コンクリート柱は、その下方が地中に
埋設されて鉛直に建柱され、その上方に送電線、通信線
等が敷設される。コンクリート柱は、その表面に経時的
に生じる自然亀裂あるいは何らかの外的負荷により生じ
る外敵亀裂が発生する場合がある。この場合、その亀裂
から雨水などの浸入によりコンクリート内部の鉄筋が腐
食してくる。コンクリート内部の鉄筋の検査方法とし
て、特開2000−199755号公報に記載の方法が
知られている。本公報の記載によれば、送信コイルと受
信コイルをコンクリート柱の表面に生じた亀裂を間に挟
むように取り付け、送信コイルからスイーブ信号を発生
させた時に受信コイルで受信した磁束の応答に基づいて
鉄筋を検査する方法が説明されている。
【0003】一方、コンリート建造物の厚さ、あるいは
空洞、亀裂などの内部欠陥を検査する場合、特開平10
−62396号公報に記載の超音波探傷法が最も用いら
れている。本公報の記載によれば、被検査体となるコン
クリート建造物の表面に一対の超音波送受波器を配置
し、一方の超音波送受波器から超音波をコンクリート建
造物に放射し、コンクリート建造物の欠陥部での反射エ
コーや底面で反射した底面エコーを他方の超音波送受波
器で受波する超音波探傷装置が記載されている。また、
超音波をコンクリート建造物へ放射する送受波位置の間
隔を変化させ、これにより得られた複数の反射エコーデ
ータに基づいて、コンクリート建造物の探傷計測での不
要な雑音である表面波のエコーデータを低減して、欠陥
部での反射エコーと底面で反射した底面エコーを強調す
るという探傷法も記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンクリー
ト柱の表面に生じる亀裂はコンクリート柱の地上部のみ
ならず、コンクリート柱の埋設部にも生じてしまう。上
記特開2000−199755号公報に記載のように、
コンクリートの地上部に亀裂が生じた場合、目視等によ
り亀裂を検出することは可能である。しかしながら、コ
ンクリート柱の埋設部では、目視による確認は不可能で
あり、目視するためにはコンクリート柱周りを掘削しな
ければならず、かなりの人員及び時間が必要になる。特
にコンクリート柱の埋設部では、敷設された送電線、通
信線等の荷重が直接加わり、外的負荷によって亀裂が生
じる可能性が高く、一度亀裂が生じると雨水などの浸入
が多大となり、鉄筋の腐食が促進されるため、埋設部に
生じた亀裂を早期に検出することが要求されている。
【0005】例えば、上記特開平10−62396号公
報に記載の超音波探傷法を用いた場合、コンクリート柱
の地上部における内部欠陥を検出することは可能であっ
ても、コンクリート柱の埋設部においては不可能であ
る。したがって、未だコンクリート柱の埋設部における
亀裂の検出方法が確立されていないのが現実である。
【0006】そこで本出願人は、次に記述する3つの実
験を行った。検査対象物として板厚が40mmの中空状
コンクリート柱を使用し、その表面に柱周方向長さ13
0mm、板厚方向深さ30mmのスリットを加工した。
また、超音波送信器の出射方向及び超音波受信器の入射
方向を柱軸方向へ指向させるため、後述する偏角治具を
使用した。
【0007】第1の実験として、図7に示すように、超
音波送信器1aの出射方向及び超音波受信器1bの入射
方向(図中の矢印)をスリットSlに指向させるととも
に、超音波送信器1a及び超音波受信器1bをコンクリ
ート柱CPの周方向で当接配置した。そして、スリット
Slと超音波送信器1a及び超音波受信器1bとの距離
Lを100mm、200mm、300mm、400mm
と段階的に変化させて夫々の超音波探傷実験を行った。
この実験結果を図8に示す。図8は、縦軸を経過時間、
横軸を反射エコー強さとした時系列グラフで示したもの
で、左から1番目がL=100mm、2番目がL=20
0mm、3番目がL=300mm、4番目がL=400
mmに相当する。この結果を考察すると、距離Lの変化
に対応した反射エコーを認識できていない。これはコン
クリート柱CPの板厚方向からの反射波(以下、板厚波
と称す)と、コンクリート柱CPの表面を超音波送信器
1aから超音波受信器1bへ伝達する表面波とが入射さ
れ、スリットSlからの反射エコーがこれら板厚波と表
面波に埋もれてしまったと考えられる。
【0008】第2の実験として、図9に示すように、超
音波送信器1aの出射方向及び超音波受信器1bの入射
方向(図中の矢印)をスリットSlに指向させるととも
に、超音波送信器1a及び超音波受信器1bをコンクリ
ート柱CPの軸方向でスリットSl側から超音波送信器
1a、超音波受信器1bの順に互いを当接配置した。そ
して、スリットSlと超音波送信器1aとの距離Lを1
00mm、200mm、300mm、400mmと段階
的に変化させて夫々の超音波探傷実験を行った。この実
験結果を図10に示す。図10は、上記図8と同様、時
系列グラフで示したもので、左から1番目がL=100
mm、2番目がL=200mm、3番目がL=300m
m、4番目がL=400mmに相当する。この結果を考
察すると、上記実験1と同様、距離Lの変化に対応した
反射エコーを認識できず、スリットSlからの反射エコ
ーが板厚波と表面波に埋もれてしまったと考えられる。
【0009】第3の実験として、図11に示すように、
超音波送信器1aの出射方向及び超音波受信器1bの入
射方向(図中の矢印)をスリットSlに指向させるとと
もに、コンクリート柱CPの軸方向でスリットSlと超
音波送信器1aの距離を10mmに固定し、この超音波
送信器1aに対する超音波受信器1bの離隔距離Lを1
00mm、150mm、200mm、250mm、30
0mm、400mmと段階的に変化させて夫々の超音波
探傷実験を行った。この実験結果を図12に示す。図1
2は、上記図8,10と同様、時系列グラフで示したも
ので、左から1番目がL=100mm、2番目がL=1
50mm、3番目がL=200mm、4番目がL=25
0mm、5番目がL=300mm、6番目がL=400
mmに相当する。なお、各波形上の1点鎖線は、スリッ
トSlからの反射エコーが立ち上がる位置を示した。こ
の結果を考察すると、離隔距離Lが100mm及び15
0mmの場合、1点鎖線で示したスリットSlからの反
射エコーが立ち上がる位置以前に、上記実験1、2で見
られた板厚波及び表面波のエコーが立ち上がっていると
考えられる。また、超音波送信器1aと超音波受信器1
bとの離隔距離Lを持つことで、上記実験1、2で見ら
れた板厚波及び表面波のエコーよりも減衰していること
が判る。離隔距離Lが200mm、250mm、300
mm、400mmの場合、1点鎖線で示したスリットS
lからの反射エコーが立ち上がる位置以前には、上記実
験1、2で見られた板厚波及び表面波のエコーは立ち上
がっておらず、板厚波及び表面波のエコーは減衰し消滅
したものと考えられる。
【0010】これらの実験結果から、中空状コンクリー
ト柱CPの板厚が薄いと、板厚波のエコーが勢力的にな
り、スリットSlからの反射エコーが埋もれてしまう
点、超音波送信器1aと超音波受信器1bを当接配置す
ると、コンクリート柱CPの表面を伝達する表面波が勢
力的になり、スリットSlからの反射エコーが埋もれて
しまう点が課題として考えられる。
【0011】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、中空状コンクリート柱の埋設部に
生じた亀裂等の欠陥の有無及びその位置特定を正確にで
きる中空状コンクリート柱の超音波探傷方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に
おける中空状コンクリート柱の超音波探傷方法は、一端
側が埋設された埋設部と他端側に地上部とを有する中空
状のコンクリート柱に対し、その地上部表面から超音波
を放射し、かつ、反射した超音波の反射エコーを上記地
上部表面から受信して上記コンクリート柱の埋設部の探
傷を行う中空状コンクリート柱の超音波探傷方法におい
て、超音波発信器からの出射方向及び超音波受信器への
入射方向を共に上記埋設部に指向させるとともに、上記
超音波発信器と超音波受信器とが所定の離隔距離をもっ
て上記コンクリート柱の地上部表面に配設されることを
特徴とする。
【0013】本発明に係る請求項2における中空状コン
クリート柱の超音波探傷方法は、上記超音波発信器及び
超音波受信器が上記コンクリート柱の一端側から他端側
へ向けて、一直線上でかつ超音波発信器、超音波受信器
の順に配設されることを特徴とする。
【0014】本発明に係る請求項3における中空状コン
クリート柱の超音波探傷方法は、上記超音波発信器及び
超音波受信器が上記コンクリート柱の周方向上に配設さ
れることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下実施例を示す添付図面によっ
て詳細に説明する。図1は、本発明に係る超音波探傷装
置の構成を示すブロック図であり、図2は超音波送信器
又は超音波受信器が取付けられた斜角治具を示す斜視図
である。
【0016】図1において、被検査対象物となるコンク
リート柱CPは断面ドーナツ形状で中空状に形成されお
り、その一端側が地中Mに埋設されて鉛直方向に建てら
れている。上記コンクリート柱CPの埋設部Caには、
その表面に外的負荷あるいは経時変化による劣化によっ
て亀裂Kが発生しているものとし、本超音波探傷装置T
を用いた反射法により上記亀裂Kを検出するものであ
る。上記コンクリート柱CPの地上部Cbの表面上に
は、超音波送信器1aと超音波受信器1bが斜角治具2
を介して設置される。上記超音波探傷装置Tには、パル
ス発生器3、このパルス発生器3から発生されたパルス
波を受け、コンクリート柱CPの地上部Cbの表面に斜
角治具2を介して超音波を発信する上記超音波送信器1
a、コンクリート柱CPの内部からの反射波を斜角治具
2を介して受信しこれを電気信号に変換する超音波受信
器1b、この超音波受信器1bにより得られた電気信号
を増幅する増幅器4、この増幅器4により増幅された電
気信号を解析する解析装置5、この解析装置5による解
析結果及び上記パルス発生器3により発生されたパルス
波を表示する表示装置6、測定開始信号、測定条件等を
入力する操作装置7が設けられている。
【0017】上記パルス発生器3には、パルス波を発生
させるパルス発生回路3a、このパルス波の発生間隔を
変更するパルス間隔変更回路3b及びこれらに接続され
パルス波を上記パルス発生器3の外部に送り出すパルス
駆動回路3cが設けられている。
【0018】また、上記解析装置5には、入力された電
気信号をさらに増幅するアンプ回路5a、増幅された信
号にフィルタをかけるフィルタ回路5b、フィルタをか
けられた信号を変換するアナログ/デジタルコンバータ
(ADC)5c、ゲートアレイ5d及びCPU5eが設
けられている。上記ゲートアレイは同一点受信波の加算
平均の算出を行うものである。
【0019】さらに、上記CPU5eには、記憶装置
(図示せず)が接続されており、この記憶装置内に処理
プログラムが記憶されている。また、上記パルス発生器
3、アンプ回路5a、フィルタ回路5b及びADC5c
は上記CPU5eにより制御される。
【0020】次に図2において、上記超音波送信器1a
又は超音波受信器1bは、いずれも斜角治具2に固定さ
れている。この斜角治具2の形状は側面視して底辺の一
角を直角とする台形に形成された立方体で、底面2aと
斜面2bの成す角度が31度に形成されている。この斜
面2bには超音波送信器1a又は超音波受信器1bの外
形に対応した円柱状の凹部2cが形成され、この凹部2
c内に超音波送信器1a又は超音波受信器1bが挿入固
定される。上記底面2aにはコンクリート柱CPの表面
に密着させるため、コンクリート柱CPの表面形状に対
応した形状に形成される。また、上記斜面2bに対向す
る垂直面2dは蛇腹形状に形成され、この垂直面2dか
ら反射する超音波の超音波送信器1a又は超音波受信器
1bへの入射を防いでいる。したがって、上記斜角治具
2の垂直面2d側を超音波の指向方向とし、上記凹部2
cに挿入された超音波送信器1a又は超音波受信器1b
から底面2aを介してコンクリート柱CPの表面から超
音波を送受信することになる。実際には、超音波送信器
1a又は超音波受信器1bと凹部2cとの間及び底面2
aとコンクリート柱CPの表面との間には、水、油ある
いはグリースなどの媒質が塗布される。この斜角治具2
を用いることで超音波送信器1a又は超音波受信器1b
からコンクリート柱CPの表面への超音波の出入射角度
は31度となり、コンクリート柱CPの内部での屈折角
は60度となる。
【0021】ここで、上記超音波送信器1aと超音波受
信器1bの配置について説明する。図1に示すように、
超音波送信器1a及び超音波受信器1bは上記コンクリ
ート柱CPの地上部Cbの表面上に、コンクリート柱C
Pの軸方向で埋設部Ca側から超音波送信器1a、超音
波受信器1bの順に配置される。超音波送信器1a及び
超音波受信器1bはいずれも上記斜角治具2の垂直面2
dを埋設部Ca側へ配向させて設置し、超音波送信器1
aを埋設部Ca近傍に配置するとともに、超音波受信器
1bを超音波送信器1aに対しコンクリート柱CPの軸
方向で所定の離隔距離をもって配置する。
【0022】ここで、上記コンクリート柱CPの埋設部
Caの亀裂Kを検査する動作について説明する。検査員
はまず、被検査対象物の名称、板厚、予め測定された超
音波の音速値、加算平均回数、超音波送信器1aと超音
波受信器1bとの離隔距離、測定範囲等の検査条件を上
記操作装置7により入力する。この入力により上記検査
条件が上記解析装置5内の記憶装置に記憶される。検査
員が操作装置7の任意のキーを押下することで検査が開
始される。これにより、超音波送信器1aからコンクリ
ート柱CPの内部に超音波が送信されるとともに、超音
波受信器1bにてコンクリートCPの内部から反射され
た反射波が受信される。この受信された反射波に基づい
て上記解析装置5により加算平均処理が行われ、スペク
トルグラフ図あるいは時系列を示すグラフ図が上記表示
装置6に表示される。
【0023】ここで、実際に図3に示す中空状のコンク
リート柱CPを被検査対象物とし、図3のA−A断面図
に示すコンクリート柱CPの周方向における4点で測定
を行った。被検査対象物としてのコンクリート柱CPの
板厚は70mm、本コンクリート柱CPにて測定された
音速値は4100m/sec、加算平均回数を1000
回、超音波送信器1aを地表Cから0mm、超音波送信
器1aと超音波受信器1bとの離隔距離Lを400mm
として測定した。図4に測定結果を示す。図4は、縦軸
を経過時間、横軸を反射エコー強さとした時系列グラフ
で示したもので、左から図3のA−A断面図に示すNo
1、No2、No3、No4に相当する。この図4から
経過時間202.8μSecの位置でNo1とNo2に
強い反射エコーが立ち上がっており、亀裂Kが生じてい
ることが判る。
【0024】この測定結果より超音波送信器1aから亀
裂Kまでの距離を求める。図5に示すように、超音波送
信器1aと超音波受信器1bとの離隔距離をL(m
m)、斜角治具2の斜面2bから底面2aまでの距離を
L1(mm)、斜角治具2の底面2aにおける超音波送
信器1aからの出射点Sから垂直面2dまでの距離をL
2(mm)、斜角治具2の垂直面2dから亀裂Kまでの
距離をL3(mm)とし、経過時間をt(μsec)、
コンクリート柱内の音速値をVc(km/sec)、斜
角治具内の音速値をVs(km/sec)とすると、経
過時間tは、下記数式1で示される。
【0025】
【数1】 上記数式1を変換し、L3を求めると、下記数式2で示
される。
【0026】
【数2】
【0027】上記数式2に各数値t=202.8、L=
400、L1=20、L2=35、Vc=4.1、Vs
=2.7を代入して、L3を求めるとL3=150.5
が算出される。つまり、上記斜角治具2の垂直面2dか
ら亀裂Kまでの距離が150.5mmであり、地表Cか
ら150.5mmとなる埋設部Caに亀裂Kが発生して
いると考えられる。本測定終了後、実証確認を行ったと
ころ図3のA−A断面図に示すNo1とNo2との間
で、地表Cから約145mmとなる位置に亀裂Kが発生
していることが判った。
【0028】上記測定では、超音波送信器1aと超音波
受信器1bとをコンクリート柱CPの軸方向に配設した
が、周方向へ所定の離隔距離Lをもって配設した場合も
可能であり、この場合における地表Cから亀裂Kまでの
距離の算出方法を説明する。図6に示すように、亀裂K
が超音波送信器1a及び超音波受信器1bから等距離に
あるものとして考える。超音波送信器1aと超音波受信
器1bとの離隔距離をL(mm)、斜角治具2の斜面2
bから底面2aまでの距離をL1(mm)、斜角治具2
の底面2aにおける超音波送信器1aからの出射点Sか
ら垂直面2dまでの距離をL2(mm)、斜角治具2の
垂直面2dから亀裂Kまで の距離をL3(mm)、地
表Cから亀裂Kまでの距離をL4(mm)とし、経過時
間をt(μsec)、コンクリート柱内の音速値をVc
(km/sec)、斜角治具内の音速値をVs(km/
sec)とすると、経過時間tは、下記数式3で示され
る。
【0029】
【数3】 上記数式3を変換し、L3を求めると、下記数式4で示
される。
【0030】
【数4】 上記数式4により求められるL3を用い、下記数式5よ
り地表Cから亀裂Kまでの距離L4を算出する。
【0031】
【数5】
【0032】上述の実施形態では、上記超音波送信器1
a又は超音波受信器1bが固定される斜角治具2を別個
に形成したが、超音波送信器1aまたは超音波受信器1
bと一体形成してもよい。
【0033】また、超音波の出入射角度を31度に設定
したが、コンクリート柱CPの板厚等により適宜変更す
ることが望ましい。
【0034】更に、上記測定では、被検査対象物として
板厚が70mmのコンクリート柱CPに対し、超音波送
信器1aと超音波受信器1bとの離隔距離Lを400m
mとして測定したが、コンクリート柱CPの板厚方向か
らの板厚波と、コンクリート柱CPの表面を超音波送信
器1aから超音波受信器1bへ伝達する表面波との勢力
に対し、亀裂Kからの反射エコーが上回る離隔距離Lで
あれば問題ない。また、コンクリート柱CPの板厚と板
厚波及び表面波の減衰率とは、密接に関係していること
が考えられ、本発明では、超音波送信器1aと超音波受
信器1bとの離隔距離Lをコンクリート柱CPの板厚に
対して、少なくとも5倍以上とれば、亀裂Kからの反射
エコーを明確に判別できることが判った。
【0035】また、超音波送信器1aから出射される超
音波の指向方向を考えると、超音波送信器1a及び超音
波受信器1bの配置をコンクリート柱CPの周方向で配
列するよりも軸方向の方が、超音波受信器1bが受信す
る板厚波及び表面波の影響を受け難く、亀裂Kからの反
射エコーがより明確に現れる。
【0036】さらに、超音波送信器1a及び超音波受信
器1bの配置をコンクリート柱CPの周方向に配列して
測定する場合、コンクリート柱CPの表面に何らかの障
害物が存在した場合でも、コンクリート柱CPの地表C
からわずかのスペースに超音波送信器1a及び超音波受
信器1bを設置でき、測定が可能となる。
【0037】
【発明の効果】本発明による請求項1の中空状コンクリ
ート柱の探傷検査方法によれば、コンクリート柱の埋設
部に生じた亀裂等の欠陥の有無及びその位置特定を正確
にできる。
【0038】本発明による請求項2の中空状コンクリー
ト柱の探傷検査方法によれば、請求項1の効果に加え、
超音波受信器が受信する板厚波及び表面波の影響を受け
難く、亀裂からの反射エコーがより明確に現れる。
【0039】本発明による請求項3の中空状コンクリー
ト柱の探傷検査方法によれば、請求項1の効果に加え、
コンクリート柱の地表からわずかのスペースに超音波送
信器及び超音波受信器を設置でき、測定が可能となる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波探傷装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明に係る超音波送信器又は超音波受信器が
取付けられた斜角治具を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る超音波送信器と超音波受信器の配
置を説明するための図である。
【図4】測定結果として得られた時系列波形を示すグラ
フ図である。
【図5】超音波送信器から亀裂までの距離を算出する方
法を説明するための図である。
【図6】地表から亀裂までの距離を算出する方法を説明
するための図である。
【図7】第1の実験における、超音波送信器と超音波受
信器の配置を説明するための図である。
【図8】第1の実験結果として得られた時系列波形を示
すグラフ図である。
【図9】第2の実験における、超音波送信器と超音波受
信器の配置を説明するための図である。
【図10】第2の実験結果として得られた時系列波形を
示すグラフ図である。
【図11】第3の実験における、超音波送信器と超音波
受信器の配置を説明するための図である。
【図12】第3の実験結果として得られた時系列波形を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
1a 超音波発信器 1b 超音波受信器 2 斜角治具 CP コンクリート柱 Ca 埋設部 Cb 地上部 K 亀裂 T 超音波探傷装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昌夫 広島県広島市中区東白島町14−15 株式会 社エヌ・ティ・ティエムイー中国内 (72)発明者 堀池 友則 広島県広島市中区東白島町14−15 株式会 社エヌ・ティ・ティエムイー中国内 (72)発明者 津田 富造 広島県広島市中区東白島町14−15 株式会 社エヌ・ティ・ティエムイー中国内 Fターム(参考) 2G047 AA10 AB01 BA03 BB02 BC07 CB03 EA10 GA13 GB02 GG09 GG17 GG38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側が埋設された埋設部と他端側に地
    上部とを有する中空状のコンクリート柱に対し、その地
    上部表面から超音波を放射し、かつ、反射した超音波の
    反射エコーを上記地上部表面から受信して上記コンクリ
    ート柱の埋設部の探傷を行う中空状コンクリート柱の超
    音波探傷方法において、超音波発信器からの出射方向及
    び超音波受信器への入射方向を共に上記埋設部に指向さ
    せるとともに、上記超音波発信器と超音波受信器とが所
    定の離隔距離をもって上記コンクリート柱の地上部表面
    に配設されることを特徴とする中空状コンクリート柱の
    超音波探傷方法。
  2. 【請求項2】 上記超音波発信器及び超音波受信器が上
    記コンクリート柱の一端側から他端側へ向けて、一直線
    上でかつ超音波発信器、超音波受信器の順に配設される
    ことを特徴とする請求項1記載の中空状コンクリート柱
    の超音波探傷方法。
  3. 【請求項3】 上記超音波発信器及び超音波受信器が上
    記コンクリート柱の周方向上に配設されることを特徴と
    する請求項1記載の中空状コンクリート柱の超音波探傷
    方法。
JP2000262893A 2000-08-31 2000-08-31 中空状コンクリート柱の超音波探傷方法 Withdrawn JP2002071650A (ja)

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