JP2002071631A - ガスセンサおよびその製造方法 - Google Patents

ガスセンサおよびその製造方法

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JP2002071631A
JP2002071631A JP2000268247A JP2000268247A JP2002071631A JP 2002071631 A JP2002071631 A JP 2002071631A JP 2000268247 A JP2000268247 A JP 2000268247A JP 2000268247 A JP2000268247 A JP 2000268247A JP 2002071631 A JP2002071631 A JP 2002071631A
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porous
film
electrode
electrodes
catalyst
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JP2000268247A
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English (en)
Inventor
Takahiro Umeda
孝裕 梅田
Masao Maki
正雄 牧
Katsuhiko Uno
克彦 宇野
Takashi Niwa
孝 丹羽
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
Makoto Shibuya
誠 渋谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中あるいは燃焼機器や内燃機関の排ガス
中に含まれる可燃性ガス、特に一酸化炭素を精度良く検
出するガスセンサおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 固体電解質1と、加熱手段4と、第一お
よび第二電極2aおよび2bと、多孔性触媒膜3と、多
孔質膜6と、電位差検出手段5を備え、第一および第二
電極2aおよび2bに到達するガスの拡散量が等しくな
るので、多孔性触媒膜3や多孔質膜6が劣化するなどし
てそれらの多孔度が変化しても、相対的なガスの拡散量
はほとんど変化せず、正確な一酸化炭素濃度を安定して
検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大気中あるいは燃焼
機器や内燃機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特に
一酸化炭素を精度良く安定して検出するガスセンサおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種のガスセンサは特開平10−
31003号公報などに記載されているようなものが一
般的であった。
【0003】このガスセンサは図4に示すようにイット
リア安定化ジルコニアなどから成る酸素イオン導電性を
有する固体電解質1の一方の表面に形成した白金などの
貴金属から成る面積の互いに等しい第一および第二電極
2aおよび2bと、第一電極2aを覆うように形成した
可燃性ガスを酸化する多孔性触媒膜3と、固体電解質1
を動作温度に加熱保持する加熱手段4を備えていた。
【0004】上記構成のガスセンサを一酸化炭素などの
可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、加熱手段
4により固体電解質1を所定の動作温度に加熱したと
き、第一および第二電極2aおよび2bに到達する酸素
の量はそれぞれ等しいので、第一および第二電極2a−
2b間に電位差は生じない。このとき第一および第二電
極2aおよび2b上ではそれぞれ式(1)で示した電極
反応が生じ、平衡を保っている。
【0005】Oad+2e−←→O2−・・・(1) ここでOadは第一および第二電極2aおよび2bの表
面に吸着した酸素原子を示す。
【0006】次に、被検出ガス中に可燃性ガスである一
酸化炭素を導入すると、多孔性触媒膜3の形成されてい
ない第二電極2b上では式(1)で示した電極反応に加
え、式(2)で示した電極反応が生じる。
【0007】CO+Oad→CO2・・・(2) 一方、多孔性触媒膜3の形成された第一電極2a上で
は、多孔性触媒膜3で一酸化炭素が二酸化炭素に酸化さ
れ、一酸化炭素が第一電極2aの表面まで到達すること
ができず、式(1)で示した電極反応のみが生じる。し
たがって第一および第二電極2aおよび2bの間で吸着
する酸素量のバランスが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生
じ、第一電極2aから第二電極2bへ吸着酸素が酸素イ
オンとなり酸素イオン導電体である固体電解質1中を移
動し、第一および第二電極2a−2b間に電位差が発生
する。この電位差と一酸化炭素の濃度の関係はネルンス
トの式に従い、濃度が増加すれば電位差も増加する。し
たがって、この第一および第二電極2a−2b間の電位
差を測定することにより被検出気体中の一酸化炭素の濃
度を求めていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ような構成では、片側第一電極2aのみに多孔性触媒膜
3が形成されており、第一電極2aへ到達するガスの拡
散量は第二電極2bへ到達するガスの拡散量に比べて少
なくなるので、多孔性触媒膜3が劣化するなどして多孔
度が変化した場合、ガスの拡散量も変化してしまい、正
確な一酸化炭素の濃度を安定して検出できないという課
題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、固体電解質と、加熱手段と、第一および第
二電極と、前記第一電極を覆うように形成した多孔性触
媒膜と、前記第二電極を覆うように形成した多孔質膜
と、電位差検出手段を備えたものである。
【0010】上記構成によれば、多孔性触媒膜と多孔質
膜を備え、第一および第二電極に到達するガスの拡散量
が等しくなるので、多孔性触媒膜や多孔質膜が劣化する
などしてそれらの多孔度が変化しても、相対的なガスの
拡散量はほとんど変化せず、正確な一酸化炭素濃度を安
定して検出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、請求項1記載の発明の
ように酸素イオン導電性を有する固体電解質と、前記固
体電解質を加熱する加熱手段と、前記固体電解質の表面
に形成した第一および第二電極と、前記第一電極を覆う
ように形成した可燃性ガスを酸化する多孔性触媒膜と、
前記第二電極を覆うように形成したガスの拡散を制限す
る多孔質膜と、前記第一および第二電極間の電位差を検
出する電位差検出手段を備えたものである。
【0012】そして、多孔性触媒膜と多孔質膜を備え、
第一および第二電極に到達するガスの拡散量が等しくな
るので、多孔性触媒膜や多孔質膜が劣化するなどしてそ
れらの多孔度が変化しても、相対的なガスの拡散量はほ
とんど変化せず、正確な一酸化炭素濃度を安定して検出
することができる。
【0013】また、請求項2記載の発明のように多孔質
膜は、第一および第二電極を覆うように形成され、多孔
性触媒膜は、前記第一電極を覆うように前記多孔質膜の
上に積層して形成されるものである。
【0014】そして、多孔性触媒膜に含まれる触媒に貴
金属などの導電性物質を用い、多孔性触媒膜を第一電極
の上に直接積層して形成すると、導電性物質の濃度によ
り多孔性触媒膜に覆われた第一電極の電位が影響を受け
る場合があるが、多孔質膜が第二電極だけでなく、第一
電極も覆い、その多孔質膜の上に多孔性触媒膜を積層し
て形成するので、第一電極の電位が影響を受けることな
く、安定して正確な一酸化炭素の濃度を検出することが
できる。
【0015】そして、ガスの拡散を制限する多孔質膜
は、ガス分子に比べてサイズの大きいシリコーン化合物
や煤、塵埃などの汚染物質から第一および第二電極を保
護するので、汚染物質が共存する厳しい環境下において
も正確な一酸化炭素の濃度を安定して検出することがで
きる。
【0016】また、請求項3記載の発明のように固体電
解質の表面に第一および第二電極を形成し、前記第二電
極を覆うように触媒が担持されていないセラミックス粉
末および樹脂粉末を含んだペーストを印刷、乾燥し、前
記第一電極を覆うように触媒が担持されたセラミックス
粉末および樹脂粉末を含んだペーストを印刷、乾燥し、
それぞれ形成した厚膜を同時に焼成して多孔質膜および
多孔性触媒膜を得るものである。
【0017】また、請求項4記載の発明のように固体電
解質の表面に第一および第二電極を形成し、前記第一お
よび第二電極を覆うように触媒が担持されていないセラ
ミックス粉末および樹脂粉末を含んだペーストを印刷、
乾燥し、前記第一電極を覆うように触媒が担持されたセ
ラミックス粉末および樹脂粉末を含んだペーストを印
刷、乾燥し、それぞれ形成した厚膜を同時に焼成して多
孔質膜および多孔性触媒膜を得るものである。
【0018】そして、多孔性触媒膜および多孔質膜の形
成に用いるペーストはそれぞれ樹脂を含み、それを印
刷、乾燥し、焼成すれば有機物である樹脂は酸化除去さ
れ、樹脂が抜けた後は空孔となり、膜全体が多孔質とな
るので、第一および第二電極に到達するガスの拡散量が
安定し、正確な一酸化炭素の濃度を安定して検出するこ
とができる。
【0019】そして、多孔性触媒膜および多孔質膜を一
度で焼成するので、手間が省けるだけでなく、焼成工程
で消費される電力を減らすことができ、経済的である。
【0020】また、請求項5記載の発明のように多孔性
触媒膜および多孔質膜の形成に用いるペーストは、それ
ぞれセラミックス粉末と同元素を有するコロイド溶液
と、固体電解質と同元素を有するコロイド溶液を含むも
のである。
【0021】そして、バインダーとしてセラミックス粉
末と同元素を有するコロイド溶液を用いてセラミックス
粉末同士の結合力を高め、また固体電解質と同元素を有
するコロイド溶液を用いてセラミックス粉末と固体電解
質間の結合力を高めるので、構造が安定した多孔性の膜
を得ることができる。
【0022】また、請求項6記載の発明のように多孔性
触媒膜および多孔質膜の形成に用いるペーストは、それ
ぞれガラス粉末および界面活性剤を含み、溶剤に前記界
面活性剤を添加した後、セラミックス粉末と樹脂粉末お
よびガラス粉末を混合攪拌するものである。
【0023】そして、界面活性剤が疎水性のセラミック
ス粉末と親水性のガラス粉末を均一に分散させるので、
多孔性触媒膜および多孔質膜と固体電解質の接着強度が
増し、耐久性のある膜を得ることができる。
【0024】そして、界面活性剤を添加した後にセラミ
ックス粉末と樹脂粉末およびガラス粉末を混合攪拌する
ので、ペーストの固形分濃度を高濃度にすることがで
き、ひび割れなどが発生せず、構造の安定した膜を得る
ことができる。
【0025】また、請求項7記載の発明のように印刷に
より形成した厚膜を80〜120℃で8〜24時間かけ
て乾燥する工程と、400〜600℃で30分〜2時間
焼成する工程と、800〜1,000℃で5〜30分間
焼成する工程と、さらに400〜600℃で24〜12
0時間エージングする工程を含むものである。
【0026】そして、印刷した厚膜を80〜120℃で
8〜24時間ゆっくり時間をかけて乾燥し、ペーストに
含まれる溶剤や水分を除去し、樹脂やゲル化したコロイ
ド粒子を十分に乾燥するので、焼成後の膜が多孔質とな
り、第一および第二電極に到達するガスの拡散量が安定
し、正確な一酸化炭素の濃度を検出することができる。
【0027】そして、400〜600℃で30分〜2時
間かけて焼成し、形成した厚膜中に含まれる樹脂や有機
物を酸化除去するので、膜が多孔質となり、第一および
第二電極に安定した拡散量のガスを供給することがで
き、正確な一酸化炭素の濃度を検出することができる。
【0028】そして、800〜1,000℃で5〜30
分間焼成し、厚膜中に含まれるガラス粉末を溶融し、セ
ラミックス粉末と固体電解質を十分に固着するので、接
着強度の高い膜が得られ、加工性および耐久性に優れた
ガスセンサを得ることができる。
【0029】そして、400〜600℃で24〜120
時間エージングし、厚膜中に含まれる樹脂や有機物の残
さなどを完全に酸化除去するので、初期安定性の優れた
ガスセンサを得ることができる。
【0030】また、請求項8記載の発明のように第一お
よび第二電極を覆うように形成する多孔性触媒膜および
多孔質膜の面積は、それぞれ前記第一および第二電極の
面積よりも大きく、少なくとも前記多孔性触媒膜および
前記多孔質膜の一部を固体電解質に固定するものであ
る。
【0031】そして、多孔性触媒膜および多孔質膜の面
積は、熱膨張係数の大きく異なる貴金属などから成る第
一および第二電極の面積よりも大きく、固体電解質と強
固に固定して形成されるので、接着強度の高い膜を得る
ことができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。なお、従来例と同一符号のものは同一構造を
有し、一部説明を省略する。
【0033】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
けるガスセンサの構成図である。加熱手段4で適温に加
熱された固体電解質1の表面に形成された第一および第
二電極2aおよび2b間には電位差検出手段5が接続さ
れている。また、第一電極2aを覆うように多孔性触媒
膜3が形成されており、さらに第二電極2bを覆うよう
に多孔質膜6が形成されている。
【0034】次に、実施例1のガスセンサ素子の製造工
程について簡単に説明する。
【0035】最初に、加熱手段4の形成方法について説
明する。表面を研磨したアルミナ基板から成る絶縁体を
十分に脱脂した後、白金から成るヒーター膜をスクリー
ン印刷し、乾燥後、電気炉で焼成した。ヒーター膜はス
クリーン印刷以外にスパッタリングや真空蒸着などの方
法でも同様に形成することができ、また、ヒーター膜を
形成した後、フォトリソグラフやエッチングを用いてト
リミングし、細密なヒーターパターンを形成することが
できる。
【0036】そして、ヒーター膜のリード部以外の部分
を覆うようにメタルマスクを当てアルミナから成る絶縁
膜をスパッタリングにより形成した。絶縁膜はスパッタ
リング以外に絶縁ペーストをスクリーン印刷する方法
や、真空蒸着、めっきなどの方法でも同様に形成するこ
とができる。
【0037】以上のようにして得た加熱手段4の表面に
メタルマスクを用いてスパッタリングによりイットリア
を8モル%添加した安定化ジルコニアから成る固体電解
質1を形成し、酸素イオン導電性が得られるように高温
で焼結した。
【0038】そして、固体電解質1の表面にメタルマス
クを用いて白金から成る第一および第二電極2aおよび
2bをスパッタリングにより形成した。第一および第二
電極膜2aおよび2bはスパッタリング以外にスクリー
ン印刷、真空蒸着、めっき、CVDなどの方法を用いて
も同様にして形成することができる。
【0039】次に、第一および第二電極2aおよび2b
それぞれの表面に形成する多孔性触媒膜3および多孔質
膜6の形成方法について説明する。
【0040】まず、セラミックス粉末としてアルミナの
微粉末を用い、貴金属である白金およびパラジウムの硝
酸溶液により触媒を担持したアルミナ触媒粉末を調製し
た。触媒には白金やパラジウム以外にロジウムやイリジ
ウムなど他の貴金属を用いてもよく、担持量は担持する
セラミック粉末に対して合計約1wt%とした。そし
て、得られたアルミナ触媒粉末をペーストにするため、
まず溶剤を含むビヒクルに界面活性剤を数滴々下し、そ
こにアルミナ触媒粉末と、セルロース系の樹脂粉末およ
びガラス粉末を添加し、混合攪拌した。界面活性剤を加
えることにより、セラミックス粉末などの疎水性の物質
中にガラス粉末などの親水性の物質を均一に分散させる
ことができ、ガラスによる固体電解質との接着強度が増
し、耐久性のある膜を得ることができる。また、界面活
性剤を添加した後にセラミックス粉末と樹脂粉末および
ガラス粉末を混合攪拌するので、ペーストの固形分濃度
を高濃度にすることができ、ひび割れなどが発生せず、
構造の安定した膜を得ることができる。そして、さらに
ビヒクルにアルミナ粉末同士の結合力を増すためのアル
ミナゾルと、アルミナ粉末とジルコニアを主成分とする
固体電解質1の結合力を増すためのジルコニアゾルを加
え、混合攪拌し、アルミナ触媒ペーストを得た。
【0041】また、アルミナ触媒ペーストと同じ原料の
アルミナ微粉末を用い、同様にして触媒を担持しないア
ルミナペーストを調製した。
【0042】以上のようにして得られたアルミナ触媒ペ
ーストおよびアルミナペーストをそれぞれ第一および第
二電極2aおよび2bの上に印刷し、100℃で24時
間乾燥した。印刷した厚膜を80〜120℃で8〜24
時間ゆっくり時間をかけて乾燥することにより、ペース
トに含まれる溶剤や水分を除去し、樹脂やゲル化したコ
ロイド粒子を十分に乾燥するので、焼成後の膜が多孔質
となる。温度および乾燥時間がこの範囲から外れると、
十分に乾燥できないため、焼成後の膜の多孔度が不十分
であり、良好なセンサ特性が得られなかった。
【0043】そしてさらに、600℃で2時間、850
℃で10分焼成し、続けて400〜600℃で120時
間エージングを行った。形成した厚膜を400〜600
℃で30分〜2時間かけて焼成することにより、樹脂や
有機物が酸化除去され、膜が多孔質となり、第一および
第二電極2aおよび2bに安定した拡散量のガスを供給
することができ、正確な一酸化炭素の濃度を検出するこ
とができる。また、800〜1,000℃で5〜30分
間焼成することにより、ガラス粉末が溶融し、セラミッ
クス粉末と固体電解質1を十分に固着するので、接着強
度の高い膜が得られ、加工性および耐久性に優れたガス
センサを得ることができる。そして、400〜600℃
で24〜120時間エージングすることにより、有機物
の残さなどを完全に酸化除去するので、初期安定性の優
れたガスセンサを得ることができる。
【0044】そして、多孔性触媒膜3および多孔質膜6
の形成に用いるペーストはそれぞれ樹脂を含み、それを
印刷、乾燥し、焼成すれば有機物である樹脂は酸化除去
され、樹脂が抜けた後は空孔となり、膜全体が多孔質と
なるので、第一および第二電極2aおよび2bに到達す
るガスの拡散量が安定し、正確な一酸化炭素の濃度を検
出することができる。
【0045】そして、多孔性触媒膜3および多孔質膜6
を一度で焼成するので、手間が省けるだけでなく、焼成
工程で消費される電力を減らすことができ、経済的であ
る。
【0046】最後に、ヒーター膜および第一および第二
電極2aおよび2bに金ペーストを用いてリード線を取
り付け、乾燥後、さらに焼成し、ヒーターに電圧を供給
する直流電源と、第一および第二電極2aおよび2b間
に電位差検出手段5を接続した。
【0047】本発明の実施例1のガスセンサによれば、
多孔性触媒膜3と多孔質膜6を備え、第一および第二電
極2aおよび2bに到達するガスの拡散量が等しくなる
ので、多孔性触媒膜3や多孔質膜6が劣化するなどして
それらの多孔度が変化しても、相対的なガスの拡散量は
ほとんど変化せず、正確な一酸化炭素濃度を安定して検
出することができる。
【0048】次に、本発明の実施例1のガスセンサの一
酸化炭素検知特性について調べた。まず、加熱手段4に
電圧を印加して、固体電解質1が動作温度(350℃〜
450℃)になるよう加熱し、各種濃度の一酸化炭素を
含むテストガスを10リットル毎分で供給した。このと
きの電位差検出手段5により測定した電位差の一酸化炭
素濃度特性を図2に示す。図2より、本発明の実施例1
のガスセンサはネルンストの式従い、一酸化炭素の濃度
を正確に検出できることが判った。なお、一酸化炭素に
対する出力の応答性は90%応答で1分以内であった。
【0049】(実施例2)図3は本発明の実施例2にお
けるガスセンサの構成図である。図3において実施例1
のガスセンサと異なる点は、多孔質膜6が、第一および
第二電極2aおよび2bの両方を覆うように形成され、
多孔性触媒膜3が、第一電極2aを覆うように多孔質膜
6の上に積層して形成されるところである。それ以外で
同一符号のものは実施例1と同様の構成であり、説明を
省略する。
【0050】本発明の実施例2のガスセンサによれば、
多孔質膜6が第二電極2bだけでなく、第一電極2aも
覆い、その多孔質膜6の上に多孔性触媒膜3を積層して
形成するので、第一電極2aの電位が影響を受けること
なく、安定して正確な一酸化炭素の濃度を検出すること
ができる。
【0051】そして、ガスの拡散を制限する多孔質膜6
は、ガス分子に比べてサイズの大きいシリコーン化合物
や煤、塵埃などの汚染物質から第一および第二電極2a
および2bを保護するので、汚染物質が共存する厳しい
環境下においても正確な一酸化炭素の濃度を安定して検
出することができる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
ガスセンサ及びその製造方によれば、多孔性触媒膜や多
孔質膜が劣化するなどしてそれらの多孔度が変化して
も、相対的なガスの拡散量はほとんど変化せず、正確な
一酸化炭素濃度を安定して検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるガスセンサの構成図
【図2】同ガスセンサの一酸化炭素濃度特性図
【図3】本発明の実施例2におけるガスセンサの構成図
【図4】従来のガスセンサの概略構成図
【符号の説明】
1 固体電解質 2a、2b 第一および第二電極 3 多孔性触媒膜 4 加熱手段 5 電位差検出手段 6 多孔質膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渋谷 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BF04 BF05 BF07 BF08 BJ03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン導電性を有する固体電解質と、
    前記固体電解質を加熱する加熱手段と、前記固体電解質
    の表面に形成した第一および第二電極と、前記第一電極
    を覆うように形成した可燃性ガスを酸化する多孔性触媒
    膜と、前記第二電極を覆うように形成したガスの拡散を
    制限する多孔質膜と、前記第一および第二電極間の電位
    差を検出する電位差検出手段を備えたガスセンサ。
  2. 【請求項2】多孔質膜は、第一および第二電極を覆うよ
    うに形成され、多孔性触媒膜は、前記第一電極を覆うよ
    うに前記多孔質膜の上に積層して形成される請求項1記
    載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】固体電解質の表面に第一および第二電極を
    形成し、前記第二電極を覆うように触媒が担持されてい
    ないセラミックス粉末および樹脂粉末を含んだペースト
    を印刷、乾燥し、前記第一電極を覆うように触媒が担持
    されたセラミックス粉末および樹脂粉末を含んだペース
    トを印刷、乾燥し、それぞれ形成した厚膜を同時に焼成
    して多孔質膜および多孔性触媒膜を得るガスセンサの製
    造方法。
  4. 【請求項4】固体電解質の表面に第一および第二電極を
    形成し、前記第一および第二電極を覆うように触媒が担
    持されていないセラミックス粉末および樹脂粉末を含ん
    だペーストを印刷、乾燥し、前記第一電極を覆うように
    触媒が担持されたセラミックス粉末および樹脂粉末を含
    んだペーストを印刷、乾燥し、それぞれ形成した厚膜を
    同時に焼成して多孔質膜および多孔性触媒膜を得るガス
    センサの製造方法。
  5. 【請求項5】多孔性触媒膜および多孔質膜の形成に用い
    るペーストは、それぞれセラミックス粉末と同元素を有
    するコロイド溶液と、固体電解質と同元素を有するコロ
    イド溶液を含む請求項3または4記載のガスセンサの製
    造方法。
  6. 【請求項6】多孔性触媒膜および多孔質膜の形成に用い
    るペーストは、それぞれガラス粉末および界面活性剤を
    含み、溶剤に前記界面活性剤を添加した後、セラミック
    ス粉末と樹脂粉末およびガラス粉末を混合攪拌する請求
    項3または4記載のガスセンサの製造方法。
  7. 【請求項7】印刷により形成した厚膜を80〜120℃
    で8〜24時間かけて乾燥する工程と、400〜600
    ℃で30分〜2時間焼成する工程と、800〜1,00
    0℃で5〜30分間焼成する工程と、さらに400〜6
    00℃で24〜120時間エージングする工程を含む請
    求項3または4記載のガスセンサの製造方法。
  8. 【請求項8】第一および第二電極を覆うように形成する
    多孔性触媒膜および多孔質膜の面積は、それぞれ前記第
    一および第二電極の面積よりも大きく、少なくとも前記
    多孔性触媒膜および前記多孔質膜の一部を固体電解質に
    固定する請求項3または4記載のガスセンサの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013096888A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Ngk Spark Plug Co Ltd スクリーン印刷用電極ペースト及びそれを用いた電極の製造方法

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