JP2002071009A - 自動車用自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動車用自動変速機の制御装置

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JP2002071009A
JP2002071009A JP2000262148A JP2000262148A JP2002071009A JP 2002071009 A JP2002071009 A JP 2002071009A JP 2000262148 A JP2000262148 A JP 2000262148A JP 2000262148 A JP2000262148 A JP 2000262148A JP 2002071009 A JP2002071009 A JP 2002071009A
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brake operation
vehicle
shift map
value
acceleration
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Minoru Murakami
実 村上
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ操作の実行中においてもブレーキ操
作の終了直後においても路面の勾配状況の判定誤りを確
実に防止することのできる自動車用自動変速機の制御装
置を提供すること。 【解決手段】 自動車に対するブレーキ操作の実行中と
ブレーキ操作終了後の一定時間Tに亘って勾配判定手段
15の作動を禁止する勾配判定機能制限手段14(選択
切換禁止手段)を設ける。これにより、予測加速度As
と実加速度Arとの間の偏差Dの値の大小に関わりな
く、ブレーキ操作前の段階で変速マップ選択手段16に
よって選択されていた変速マップがそのまま使用され続
けることになるので、ブレーキ操作の実行中およびブレ
ーキ操作の終了直後に生じる実加速度演算手段12の不
都合に起因する路面の勾配状況の判定誤りが未然に防止
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用自動変速
機の制御装置の改良、特に、ブレーキ操作時に生じる路
面の勾配状況の判定誤りを防止するための改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車速センサにより得られる自動車の実速
度を微分して求められた自動車の実加速度とエンジン出
力トルク等から予測される予測加速度とを比較し、その
差に基いて路面の勾配状況を推定して変速制御を行うよ
うにした自動車用自動変速機の制御装置が例えば特公平
1−55346号等として既に公知である。
【0003】この種の制御装置は、エンジン出力トルク
等に基いて所定の演算処理を実施することによって平坦
路を対象とする理論上の予測加速度を求め、この予測加
速度と実加速度とを比較して路面の勾配状況を推定する
ことで路面の勾配状況に応じた変速マップを選択するよ
うにしたものである。
【0004】具体的には、登坂路を走行する際には平坦
路を走行する場合に比べて同一エンジン出力トルク下で
の加速度が小さくなるので、前述した予測加速度が実加
速度を上回ることを以って登坂路走行中であると推定す
ることができ、また、これとは逆に、実加速度が予測加
速度を上回ることを以って降坂路走行中であると推定す
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際には、車
速センサによって求められる自動車の実速度を数学的に
適切な方法で微分して実加速度を算出することは技術的
に困難であるため、所定周期毎に自動車の実速度をサン
プリングして、所定時間の間に生じる実速度の変化量を
求め、この変化量と所定時間との関係から便宜上の実加
速度を求めるといった処理を実施するのが一般的であ
る。
【0006】このような処理を行った場合、前述した所
定時間に相当する時間の遅れが実加速度の計算に影響を
与えるため、自動車に対するブレーキ操作を行った場合
には、演算によって求められた実加速度と予測加速度と
の間に大きな違いが生じる可能性がある。その一例を図
8に示す。
【0007】図8は自動車の予測加速度Asの変化と車
速センサによって求められる自動車の実速度Vsの変化
および前述したサンプリングを利用した処理によって求
められる実加速度Arの変化の相関関係の一例を示した
グラフであり、ここでは、自動車が平坦路を走行してい
るときに運転者が一定の力でブレーキ操作を実行し、そ
の後、Tの時点でブレーキ操作を終了した場合につい
て示している。
【0008】但し、自動車の実速度Vsは所定周期T/
n秒毎にサンプリングされ、予測加速度Asおよび実加
速度Arも所定周期T/n秒毎に演算されるものとし、
サンプリングされた実速度Vsを利用して実加速度Ar
を求める処理においては、現時点における実速度Vsの
値から所定時間T秒前の実速度Vsの値を減じて実加速
度Arを算出しているものとする。
【0009】ここで、予測加速度Asはエンジン出力ト
ルク等に基く演算処理によって理論的に求められる値で
あるため、パワートレイン系の遅れ等を考慮したとして
も実質的に真の実加速度と同等の値が算出されることに
なり、図8に示されるように、T時点以前のブレーキ
操作実行中の段階では略一定の負の値を取り、また、ブ
レーキ操作が終了したTの時点で直ちに加速度0(a
=0)の状態へとステップ状に変化する。
【0010】これに対し、T時点における実加速度A
rの値は、Tの時点に対応する実速度Vsの値からT
秒前の時点つまりT-n(n=4)の時点に対応する実速
度Vsの値を減じることによって求められるので、図8
のグラフからも明らかなように相当に小さな負の値とな
ってしまい、その値が略0と一致する予測加速度Asと
の間に大きな相違が生じてしまう。
【0011】その後、実加速度Arの値は徐々に増大し
ていき、その時点における実速度Vsの値とT秒前の実
速度Vsの値とが略一致するTnの時点で略0となり、
はじめて予測加速度Asの値と略一致することになる
が、実速度Vsの値と予測加速度Asの値とが略一致す
るまでに必要とされるT秒の間は実加速度Arが正しい
値を示さず、予測加速度Asの値に対して相対的に低め
の値として算出される問題がある。
【0012】前述した通り、路面の勾配状況は予測加速
度Asと実加速度Arとの間の偏差に基いて判定される
ので、運転者がブレーキ操作を実行すると、自動車が平
坦路を走行しているにも関わらず実加速度Arの値が予
測加速度Asの値を下回り、誤って登坂路用の変速マッ
プが選択されて円滑な自動変速処理やブレーキングが阻
害されてしまうといった可能性がある。
【0013】このような問題を解消するための手段とし
て、ブレーキ操作の実行中における勾配状況の判定処理
を禁止し、ブレーキ操作以前に選択されていた変速マッ
プをそのまま利用するようにした自動車用自動変速機の
制御装置が既に提案されているが、このものは、飽くま
でもブレーキ操作中に生じる勾配状況の判定誤りを防止
するためのものに過ぎず、ブレーキ操作の終了直後に生
じる勾配状況の判定誤りを防止する意図も、また、その
機能も備えてはいない。
【0014】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、ブレーキ操作の実行中のみならず、ブ
レーキ操作の終了直後においても路面の勾配状況の判定
誤りを確実に防止することのできる自動車用自動変速機
の制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジン出力
トルクを含む自動車の運転操作状況に基いて所定周期毎
に自動車の加速度を予測する加速度予測手段と、現時点
における自動車の実速度と前記所定周期よりも長い所定
時間前の自動車の実速度との差分に基いて自動車の実加
速度を求める実加速度演算手段と、前記加速度予測手段
によって求められた予測加速度と前記実加速度演算手段
によって求められた実加速度との偏差に基いて路面の勾
配状況を判定する勾配判定手段と、前記勾配判定手段に
よる判定結果に基いて変速マップを選択する変速マップ
選択手段とを備えた自動車用自動変速機の制御装置であ
り、前記目的を達成するため、特に、前記自動車に対す
るブレーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一定時
間に亘って前記変速マップの選択状態の切り換えを禁止
する選択切換禁止手段を備えたことを特徴とする構成を
有する。このような構成により、自動車に対するブレー
キ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一定時間に亘っ
て変速マップの選択状態の切り換えが禁止され、予測加
速度と実加速度との間の偏差の大小に関わりなく、ブレ
ーキ操作前の段階で変速マップ選択手段によって選択さ
れていた変速マップがそのまま使用され続けることにな
るので、ブレーキ操作の実行中およびブレーキ操作の終
了直後に生じる実加速度演算手段の不都合に起因した路
面の勾配状況の判定誤りが未然に防止される。特に、ブ
レーキ操作終了後の一定時間に亘って変速マップの選択
状態の切り換えが禁止されることにより、従来技術では
不可能であったブレーキ操作終了直後に生じる路面の勾
配状況の判定誤りを確実に防止することができ、また、
ポンピングブレーキ等で頻繁にブレーキがON/OFF
される場合の勾配状況の判定誤りも確実に防止できるよ
うになる。
【0016】ここで、ブレーキ操作終了後に変速マップ
の選択状態の切り換えを禁止する一定時間は、実加速度
演算手段が自動車の実加速度を算出する際に利用する所
定時間と同等以上の長さに設定しておくことが望まし
い。実加速度演算手段によって求められる実加速度が加
速度予測手段によって求められる予測加速度と一致する
までには前記所定時間が必要とされるので、この所定時
間と同等、あるいは、それよりも多少長めの一定時間に
亘って変速マップの選択状態の切り換えを禁止すること
により、ブレーキ操作の終了直後に生じる路面の勾配状
況の判定誤りを的確に防止することができる。
【0017】選択切換禁止手段に必要とされるのは、最
終的に、変速マップの選択状態の切り換えを禁止する機
能である。従って、この選択切換禁止手段は、前記自動
車に対するブレーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後
の一定時間に亘って前記勾配判定手段の作動を禁止する
勾配判定機能制限手段、または、前記自動車に対するブ
レーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一定時間に
亘って前記偏差の値をクランプする偏差値保持手段、あ
るいは、前記自動車に対するブレーキ操作の実行中とブ
レーキ操作終了後の一定時間に亘って前記変速マップ選
択手段の作動を禁止するマップ選択機能制限手段によっ
て構成することが可能である。勾配判定手段あるいは変
速マップ選択手段の作動を禁止した場合においても、ま
た、実加速度と予測加速度との間の偏差の値をクランプ
した場合においても、その結果として変速マップの選択
状態の切り換えを禁止することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について詳細に説明する。図1は本発明を適用し
た一実施形態の自動車用自動変速機1およびその制御装
置2の要部を簡略化して示したブロック図である。
【0019】自動車用自動変速機1の制御装置2には、
エンジン3の負荷を検出するスロットル開度センサ4,
エンジン3の回転速度を検出するエンジン回転センサ
5,車速を検出するための車速センサ6,自動車用自動
変速機1における入力軸の回転速度を検出する入力軸回
転センサ7,シフト位置を検出するシフト位置スイッチ
8、および、ブレーキの作動状態を検出するブレーキス
イッチ9の各々が接続されている。
【0020】そして、制御装置2は、これらのセンサお
よびスイッチ類によって検出される自動車の運転状態に
基いて適切な変速比を演算処理によって求め、シフトソ
レノイド10,11を駆動制御することで、自動車用自
動変速機1の変速比を自動制御するようになっている。
【0021】以上の点に関しては、CVT等を始めとす
る通常の自動車用自動変速機の分野において既に公知な
事項となっているので、構造や作用原理に関する詳細な
説明は省略する。
【0022】この実施形態の制御装置2は、演算処理用
のCPUと、その制御プログラムを格納したROM、お
よび、演算処理用のデータを一時記憶するためのRAM
等によって構成される。
【0023】図2は制御装置2のCPUによって実施さ
れる演算機能の概略を示した機能ブロック図である。
【0024】実加速度演算手段12は、前述した車速セ
ンサ6と制御装置2のCPUの演算機能とによって構成
される。具体的には、車速センサ6から出力される速度
検出信号を所定のサンプリング周期毎にCPUが読み込
み、そのサンプリング周期で検出された自動車の速度V
sから所定時間T秒前の自動車の速度Vsを減じ、その
値を所定時間Tで除すことによって実加速度Arが求め
られる。このサンプリング周期は所定時間Tに比べて十
分に短い。
【0025】加速度予測手段13は、主に、前述したス
ロットル開度センサ4およびシフト位置スイッチ8と制
御装置2のCPUの演算機能とによって構成される。
【0026】予測加速度Asは、理論的に、〔(エンジ
ン出力トルク×トルクコンバータトルク比×変速比/タ
イヤ径−走行抵抗)/車両重量〕の演算式によって求め
ることができる。このうち、エンジン出力トルクはエン
ジンに送り込まれる空気量、つまり、スロットル開度セ
ンサ4からの信号によって推定することが可能であり、
トルクコンバータトルク比はエンジン回転数と自動車用
自動変速機1における入力軸の回転速度の比によって決
まり、変速比はシフト位置スイッチ8等からの信号に基
いて求められる。タイヤ径と車両重量は定数である。ま
た、走行抵抗は車速との関係によって特定できるので、
車速と走行抵抗との関係を記憶したデータファイル等を
ROMに記憶させておき、車速に応じてこのデータファ
イルを参照することにより容易に予測加速度Asを求め
ることができる。つまり、制御装置2のCPUの演算処
理によって、平坦路の走行を前提とした場合の予測加速
度Asを求めることが可能である。
【0027】勾配判定手段15は、実加速度演算手段1
2によって求められた実加速度Arの値から加速度予測
手段13によって求められた予測加速度Asの値を減じ
て両者間の偏差Dを求め、この偏差Dの値が平坦路と降
坂路との境界を示す判定値Ddを越えた場合には降坂路
走行中であると判定する一方、偏差Dの値が平坦路と登
坂路との境界を示す判定値Duを下回った場合には、登
坂路走行中であると判定する。また、偏差Dの値が判定
値Ddと判定値Duとの間にある場合には、平坦路走行
中であると判定することになる。
【0028】そして、変速マップ選択手段16は、勾配
判定手段15の判定結果が降坂路走行である場合には制
御装置2のROMに準備された複数の変速マップ17の
内から降坂路用変速マップ17a(エンジンブレーキに
よる減速要求等に的確に応えるためにシフトダウンのタ
イミングを早めに設定された変速マップ)を選択する一
方、勾配判定手段15の判定結果が登坂路走行である場
合には、制御装置2のROMに準備された複数の変速マ
ップ17の内から登坂路用変速マップ17b(登坂路に
おける十分な加速を行うためにシフトアップのタイミン
グを遅めに設定された変速マップ)を選択する。また、
勾配判定手段15の判定結果が平坦路走行である場合に
は制御装置2のROMに準備された複数の変速マップ1
7の内から平坦路用変速マップ17c(降坂路用変速マ
ップ17aと登坂路用変速マップ17bとの中間的な特
性を設定した変速マップ)を選択することになる。
【0029】更に、本実施形態においては、偏差Dの値
が微小に変動することによって頻繁に変速マップの選択
状態が切り替わって走行状態が不安定になるのを防止す
るため、前述した判定値Ddよりも僅かに小さな値を有
する判定値Dd’と、判定値Duよりも僅かに大きな値
を有する判定値Du’の値が予め制御装置2のROMに
設定されている。
【0030】そして、偏差Dの値が判定値Ddと判定値
Dd’との間にある場合には、降坂路用変速マップ17
aと平坦路用変速マップ17cとの間での選択操作の切
り換えを行わず、それまで使用していた降坂路用変速マ
ップ17aあるいは平坦路用変速マップ17cをそのま
ま選択し続けるようにし、また、偏差Dの値が判定値D
uと判定値Du’との間にある場合には、登坂路用変速
マップ17bと平坦路用変速マップ17cとの間での選
択操作の切り換えを行わずに、それまで使用していた登
坂路用変速マップ17bあるいは平坦路用変速マップ1
7cをそのまま選択し続けるようにしている。判定値の
大小関係はDd>Dd’>Du’>Duである。
【0031】自動変速制御手段18は、制御装置2のC
PUによって主要部を構成され、変速マップ選択手段1
6によってその時点で選択されている変速マップの特性
に基いて、従来と同様にして自動車用自動変速機1のシ
フトソレノイド10,11を制御し、自動車用自動変速
機1の変速比を調整する。
【0032】また、勾配判定機能制限手段14は本実施
形態に固有の選択切換禁止手段であり、ブレーキ操作の
実行中とブレーキ操作終了後の一定時間Tに亘って勾配
判定手段15の作動を禁止する機能を備える。
【0033】この結果、ブレーキ操作の実行中とブレー
キ操作終了後の一定時間Tに亘って変速マップ17の選
択状態の切り換えが禁止され、予測加速度Asと実加速
度Arとの間の偏差Dの値の変化に関わりなく、ブレー
キ操作前の段階で変速マップ選択手段16によって選択
されていた変速マップがそのまま使用され続けることに
なる。これにより、ブレーキ操作の実行中およびブレー
キ操作の終了直後に生じる実加速度演算手段12の不都
合、つまり、実加速度Arの値が予測加速度Asの値に
比べて低めに算出されるといった問題に起因して生じる
路面の勾配状況の判定誤り、具体的には、平坦路あるい
は降坂路の走行中のブレーキ操作により誤って登坂路用
変速マップ17bが選択されるといった問題が解消され
る。
【0034】この勾配判定機能制限手段14は、実質的
に、前述したブレーキスイッチ9と、制御装置2のCP
Uが備えるタイマ機能、および、このCPUが勾配判定
手段15の作動を禁止するための内部処理プログラムに
よって構成されている。
【0035】なお、この実施形態では、ブレーキ操作終
了後に変速マップ17の選択状態の切り換えを禁止する
一定時間を、実加速度演算手段12が自動車の実加速度
Arを算出する際に使用する所定時間Tと同じ値に設定
しているが、この一定時間を前記の所定時間Tよりも多
少長めに設定しても問題はない。
【0036】以下、制御装置2におけるCPUの処理動
作を具体的に示した図3〜図4の変速マップ選択処理お
よび図5の勾配判定処理のフローチャートを参照して、
図2に示した各手段の実質的な動作を詳細に説明する。
この変速マップ選択処理は制御装置2のCPUによって
例えばT/n秒の所定周期で繰り返し実行される。この
実施形態ではT/n=0.125秒、T=0.5秒、従
って、n=4の設定値を採用しているが、他の設定値を
適用することも可能である。また、図3〜図5では勾配
判定機能制限手段14の動作や変速マップの選択処理等
に関わる部分の処理のみを示すものとし、CPUによる
他の自動制御に関しては説明を省略している。
【0037】所定周期T/n秒(0.125秒)毎の変
速マップ選択処理を開始した加速度予測手段13として
のCPUは、まず最初に、スロットル開度センサ4の検
出信号つまりエンジン出力トルクの値を読み込み、前述
した〔(エンジン出力トルク×トルクコンバータトルク
比×変速比/タイヤ径−走行抵抗)/車両重量〕の演算
式に基いて当該処理周期に対応する予測加速度Asの値
を算出し、この値を一時記憶する(ステップS1)。
【0038】次いで、CPUは過去n=4周期の各サン
プリング時点における実測度Vsの値を記憶したレジス
タV(0)〜V(4)内のデータのシフト処理を実行す
ることになる(ステップS2)。
【0039】ここで、レジスタV(4)は1周期前に実
施された変速マップ選択処理を基準として4周期前の実
速度Vsのデータを記憶したレジスタ、レジスタV
(3)は1周期前に実施された変速マップ選択処理を基
準として3周期前の実速度Vsのデータを記憶したレジ
スタ、レジスタV(2)は1周期前に実施された変速マ
ップ選択処理を基準として2周期前の実速度Vsのデー
タを記憶したレジスタ、レジスタV(1)は1周期前に
実施された変速マップ選択処理を基準として1周期前の
実速度Vsのデータを記憶したレジスタ、レジスタV
(0)は1周期前に実施された変速マップ選択処理で求
められた実速度Vsのデータを記憶したレジスタであ
る。
【0040】従って、ステップS2の処理で各レジスタ
内のデータをシフトすることにより、ステップS2の実
行前にレジスタV(4)に記憶されていたデータは失わ
れ、改めて、レジスタV(4)には現在の変速マップ選
択処理を基準として4周期前の実速度Vsのデータが記
憶され、レジスタV(3)には現在の変速マップ選択処
理を基準として3周期前の実速度Vsのデータが記憶さ
れ、レジスタV(2)には現在の変速マップ選択処理を
基準として2周期前の実速度Vsのデータが記憶され、
レジスタV(1)には現在の変速マップ選択処理を基準
として1周期前の実速度Vsのデータが記憶されること
になる。
【0041】次いで、実加速度演算手段12としてのC
PUは、車速センサ6からの信号つまり現時点における
自動車の実速度Vsを読み込み(ステップS3)、この
値からレジスタV(4)の値、要するに、所定時間T秒
前(0.5秒前)に相当するn=4周期前の変速マップ
選択処理で求められた実速度Vsの値を減じることによ
って実加速度Arの値を算出し(ステップS4)、今回
の処理周期におけるステップS3の処理で新たに求めら
れた実速度Vsの値をレジスタV(0)に一時記憶する
(ステップS5)。なお、この実速度Vs=V(0)は
次周期の変速マップ選択処理でレジスタV(1)に読み
込まれるデータであり、また、最終的には、n=4周期
後の変速マップ選択処理でレジスタV(4)に読み込ま
れるデータである。
【0042】そして、CPUは、ステップS4の処理で
求められた実加速度Arの値からステップS1の処理で
求められた予測加速度Asの値を減じ、勾配判定に用い
るための偏差Dを算出する(ステップs6)。
【0043】次いで、勾配判定機能制限手段14として
のCPUは、現時点でブレーキスイッチ9がONとなっ
ているか否か、つまり、運転者によるブレーキ操作が行
われているか否かを判別し(ステップS7)、ブレーキ
操作が行われていなければ、更に、ブレーキ操作検出フ
ラグFに初期値0がセットされているか否かを判別する
(ステップS8)。
【0044】このブレーキ操作検出フラグFの取り得る
値は0(初期値),1,2の3種であり、その値が0の
場合には、過去に全くブレーキ操作が行われた形跡がな
いか、或いは、最終的なブレーキ操作の終了後に一定時
間T秒以上が経過している状態を意味する。また、ブレ
ーキ操作検出フラグFの値が1の場合には最終的なブレ
ーキ操作の終了直後の状態を意味し、更に、ブレーキ操
作検出フラグFの値が2の場合には、最終的なブレーキ
操作の終了後であってこのブレーキ操作の終了から一定
時間T秒が経過していない状態を意味する。ブレーキ操
作検出フラグFの設定に関連する処理については後に詳
述するものとし、ここでは説明を省略して、結果を述べ
るにとどめた。
【0045】そこで、ステップS8の判別結果が真とな
った場合、つまり、過去に全くブレーキ操作が行われた
形跡がないか或いは最終的なブレーキ操作の終了後に一
定時間T秒以上が経過していると判定された場合には、
勾配判定機能制限手段14としてのCPUは、勾配判定
手段15の作動を許容し、この勾配判定手段15によっ
て従来と同様の勾配判定処理(ステップS9)を実施さ
せる。
【0046】勾配判定手段15としてのCPUによって
実施される勾配判定処理の概略を図5に示す。
【0047】図5に示すように、勾配判定手段15とし
てのCPUは、まず、ステップS6の処理で算出された
偏差Dの値が判定値Ddの値を超えているのか(ステッ
プS9a)、偏差Dの値が判定値Duの値を下回ってい
るのか(ステップS9b)、偏差Dの値が判定値Dd’
と判定値Du’の範囲内にあるのか、あるいは、判定値
Ddと判定値Dd’との間または判定値Duと判定値D
u’との間にあるのかを判定する(ステップS9c)。
【0048】ここで、偏差Dの値が判定値Ddの値を超
えていれば自動車が明らかに降坂路を走行していること
を意味し、また、偏差Dの値が判定値Duの値を下回っ
ていれば自動車が明らかに登坂路を走行していることを
意味する。また、偏差Dの値が判定値Dd’と判定値D
u’の範囲内にあれば、自動車が平坦路を走行中である
ことを意味する。
【0049】一方、偏差Dの値が判定値Ddと判定値D
d’との間、または、判定値Duと判定値Du’との間
にある場合には、降坂路,平坦路,登坂路の何れの勾配
を走行しているかを的確に判定するこが難しい不感帯の
範囲にあることを意味し、このような状況下で不用意に
変速マップの選択状態を切り換えると、過剰な回数の切
り換え操作が行われて、いわゆるシフトビジーの問題が
生じる可能性がある。
【0050】そこで、変速マップ選択手段16としての
CPUは、ステップS9aの判別結果が真となった場
合、つまり、自動車が明らかに降坂路を走行している場
合に限り、ROMに記憶された複数の変速マップ17の
内から降坂路用変速マップ17aを選択し(ステップS
9e)、また、ステップs9bの判別結果が真となった
場合、つまり、自動車が明らかに登坂路を走行している
場合に限って、登坂路用変速マップ17bを選択する
(ステップS9f)。また、ステップS9cの判別結果
が真となった場合、つまり、自動車が明らかに平坦路を
走行している場合に限って平坦路用変速マップ17cを
選択することになる(ステップS9d)。
【0051】これに対し、ステップS9a〜ステップS
9cの判別結果が全て偽となった場合、要するに、偏差
Dの値が判定値Ddと判定値Dd’との間、あるいは、
判定値Duと判定値Du’との間にある場合には、偏差
Dの微小な変化に伴う過剰なマップ切り換えによって生
じるビジーシフトを防止するため、変速マップ選択手段
16としてのCPUは、変速マップの選択状態の切り換
えは行わず、それまで使用していた変速マップの選択状
態をそのまま維持することになる。
【0052】以上が、勾配判定手段15および変速マッ
プ選択手段16によって実施される勾配判定処理と変速
マップの選択状態の切り換えの概略である。
【0053】図5の勾配判定処理が終了した後、自動変
速制御手段18としてのCPUは、現時点で選択されて
いる変速マップの特性に基き、従来と同様にしてシフト
ソレノイド10,11を駆動制御し、自動車用自動変速
機1の変速比を調整して(ステップS10)、この周期
の変速マップ選択処理を終了する。
【0054】一方、当該処理周期の変速マップ選択処理
におけるステップS7の判別結果が偽となって現時点で
ブレーキ操作が実施されていると判定された場合には、
CPUは、更に、ブレーキ操作検出フラグFに0がセッ
トされているか否か、要するに、運転者によるブレーキ
操作が当該処理周期の変速マップ選択処理によって初め
て検出されたものであるか否かを判別する(ステップS
16)。
【0055】そして、ブレーキ操作検出フラグFに0が
セットされていてステップS16の判別結果が真となっ
た場合には、運転者によるブレーキ操作が当該処理周期
の変速マップ選択処理によって初めて検出されたもので
あることを意味するので、CPUは、ブレーキ操作検出
フラグFに1をセットし、改めて、新たなブレーキ操作
の開始を記憶する(ステップS18)。
【0056】また、ブレーキ操作検出フラグFに0以外
の値がセットされていてステップS16の判別結果が偽
となった場合には、CPUは、更に、ブレーキ操作検出
フラグFの値が2であるか否かを判別する(ステップS
17)。
【0057】ブレーキ操作検出フラグFの値が2である
場合には、当該処理周期の変速マップ選択処理で検出さ
れたブレーキ操作の以前に既にブレーキ操作が実行され
ており、前回のブレーキ操作終了後の経過時間が一定時
間Tに達する前の段階で今回のブレーキ操作が重複して
検出されたことを意味する。
【0058】この場合、タイマTr(後述)による前回
のブレーキ操作終了後の経過時間の計測をこのまま続け
ていくと、今回のブレーキ操作終了後の一定時間Tに亘
って勾配判定手段15の作動を禁止することはできなく
なるので(今回のブレーキ操作の終了前に既にタイマT
rが起動されているため)、CPUは、前記と同様にし
てブレーキ操作検出フラグFに1をセットすることによ
って今回のブレーキ操作を最終的なブレーキ操作として
記憶し(ステップS18)、今回のブレーキ操作の終了
直後に一定時間Tを計測するためのタイマTrの作動が
開始されるようにする。
【0059】また、ステップS16およびステップS1
7の判別結果が共に偽となった場合にはブレーキ操作検
出フラグFの現在値は1であり、所定周期毎に繰り返し
実行されるステップS7の判別処理によって同一のブレ
ーキ操作の継続が繰り返し検出されていることを意味す
るので、CPUは、このブレーキ操作が最初に検出され
た時点でブレーキ操作検出フラグFにセットされた1の
値をそのまま保持することになる。
【0060】このように、ステップS7の判別結果が真
となる状況下、つまり、ブレーキ操作中の状況下ではス
テップS9の勾配判定処理は実行されず、従って、変速
マップの選択状態の切り換えも行われない。
【0061】一方、当該処理周期の変速マップ選択処理
におけるステップS7の判別結果が真となって現時点で
ブレーキ操作が実施されていないことが確認され、同時
に、ステップS8の判別処理でブレーキ操作検出フラグ
Fに0以外の値がセットされていると判定された場合に
は、CPUは、更に、ブレーキ操作検出フラグFに1が
セットされているか否か、つまり、当該処理周期の変速
マップ選択処理におけるステップS7の判別処理によっ
てブレーキ操作のONからOFFへの切り換えが初めて
検出されたのかどうかを判別する(ステップS11)。
【0062】ブレーキ操作検出フラグFに1がセットさ
れていてステップS11の判別結果が真となった場合に
は当該処理周期の変速マップ選択処理におけるステップ
S7の判別処理によってブレーキ操作のONからOFF
への切り換えが検出されたことを意味するので、勾配判
定機能制限手段14としてのCPUは、タイマTrをリ
セットして再スタートさせることによりブレーキ操作終
了後の経過時間の計測を開始し(ステップS12)、ブ
レーキ操作検出フラグFに2をセットして、タイマTr
を起動したこと、即ち、最終的なブレーキ操作の終了後
であってこのブレーキ操作の終了から一定時間T秒が経
過していない状態に入ったことを記憶する(ステップS
13)。
【0063】そして、勾配判定機能制限手段14として
のCPUは、前述したステップS9の勾配判定処理を非
実行として勾配判定手段15の作動を禁止し、現時点で
選択されている変速マップ、つまり、ブレーキ操作の開
始前に選択されていた変速マップに従ってシフトソレノ
イド10,11を駆動制御し、自動車用自動変速機1の
変速比を調整して(ステップS10)、この周期の変速
マップ選択処理を終了する。
【0064】従って、ブレーキ操作の終了直後の段階で
はステップS9の勾配判定処理は実行されず、よって、
変速マップの選択状態の切り換えも行われない。
【0065】また、ステップS11の判別結果が偽とな
ってブレーキ操作検出フラグFに2がセットされている
ことが確認された場合には、タイマTrが作動中である
こと、つまり、この処理周期が最終的なブレーキ操作の
終了後であってこのブレーキ操作の終了から一定時間T
秒が経過していない時間帯のものであることを意味する
ので、勾配判定機能制限手段14としてのCPUは、更
に、タイマTrの計測時間が一定時間Tに達しているか
否かを判別し(ステップS14)、一定時間Tに達して
いなければ、前記と同様にして、前述したステップS9
の勾配判定処理を非実行として勾配判定手段15の作動
を禁止し、現時点で選択されている変速マップ、つま
り、ブレーキ操作の開始前に選択されていた変速マップ
に従ってシフトソレノイド10,11を駆動制御し、自
動車用自動変速機1の変速比を調整して(ステップs1
0)、この周期の変速マップ選択処理を終了する。
【0066】従って、ブレーキ操作の終了後の一定時間
Tが経過するまではステップS9の勾配判定処理は実行
されず、よって、変速マップの選択状態の切り換えも行
われない。
【0067】そして、所定周期毎の変速マップ選択処理
でステップS1〜ステップS8およびステップS11,
ステップS14,ステップS10の処理を繰り返し実行
する間に、最終的に、ステップS14の判別結果が真と
なって、ブレーキ操作の終了後の一定時間Tが経過した
ことが確認されると、勾配判定機能制限手段14として
のCPUは、ブレーキ操作検出フラグFに初期値0をセ
ットして(ステップS15)、勾配判定手段15の作動
を許容してステップS9の勾配判定処理を実行し、この
勾配判定処理で選択された変速マップに従ってシフトソ
レノイド10,11を駆動制御し、自動車用自動変速機
1の変速比を調整して(ステップS10)、この周期の
変速マップ選択処理を終了する。
【0068】このようにしてブレーキ操作検出フラグF
に初期値0が改めてセットされる結果、ブレーキ操作の
終了から一定時間Tが経過した後の変速マップの切り換
えに関しては従来と同様にして許容されることになる。
【0069】なお、いわゆるポンピングブレーキの場合
のように一定時間Tよりも短い周期で頻繁にブレーキが
ON/OFFされた場合には、前述した説明から明らか
なように、ポンピング継続中の勾配判定手段15の作動
がブレーキのON/OFF状態に関わりなく禁止され
(ブレーキスイッチ9とタイマTrの作用)、更に、最
後のポンピングが終了した時点から一定時間Tが経過す
るまでの勾配判定手段15の作動が禁止されることにな
る(タイマTrの作用)。
【0070】以上、ブレーキ操作の実行中とブレーキ操
作終了後の一定時間Tに亘って変速マップの選択状態の
切り換えを禁止する選択切換禁止手段として、勾配判定
手段15の作動を禁止する勾配判定機能制限手段14を
利用した場合の実施形態について述べたが、選択切換禁
止手段としては、この他にも、ブレーキ操作の実行中と
ブレーキ操作終了後の一定時間Tに亘って偏差Dの値を
クランプする偏差値保持手段19(図6参照)や、ブレ
ーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一定時間Tに
亘って変速マップ選択手段16の作動を禁止するマップ
選択機能制限手段20(図7参照)を利用することがで
きる。
【0071】ここで、選択切換禁止手段として偏差値保
持手段19を利用する場合には、図4のフローチャート
で示されるステップS9の処理を図4のAの位置に移動
させ、図4のフローチャートで示されるステップS9の
位置で図4のステップs6の処理を実行させるように処
理動作のアルゴリズムを変更すればよい。
【0072】この場合、ステップS9の勾配判定処理は
ブレーキのON/OFFやその後の経過時間に関わりな
く所定周期毎に繰り返し実行されることになるが、偏差
Dを算出するためのステップS6の処理が前記と同じ条
件下(ブレーキ操作中またはブレーキ操作終了後の経過
時間が一定時間T秒未満)で非実行とされ、ブレーキ操
作の実行中とその後一定時間Tが経過するまでの間は偏
差Dの値がブレーキ操作実行前と同じ値にクランプされ
ることになるので、ステップS9の勾配判定処理の結果
は常にブレーキ操作実行前と同じ状態となり、その結果
として、変速マップ選択手段16による変速マップの選
択状態の切り換えが禁止されることになる。
【0073】また、選択切換禁止手段としてマップ選択
機能制限手段20を利用する場合には、図4のフローチ
ャートで示されるステップS7〜ステップS8およびス
テップS11〜ステップS18の処理を削除し、図5に
示されるステップS9の勾配判定処理におけるステップ
S9e,ステップS9f,ステップS9dの各々の上流
側に図4のフローチャートで示されるステップS7〜ス
テップS8およびステップS11〜ステップS18の処
理を設置し、ブレーキ操作の実行中とその後一定時間T
が経過するまでの間ステップS9e,ステップS9f,
ステップS9dの選択処理を禁止するように処理動作の
アルゴリズムを変更すればよい。
【0074】この場合、勾配判定手段15による勾配判
定処理自体は実行され、また、その判定結果も様々に変
化することになるが、変速マップ選択手段16による変
速マップの選択切り換え操作が前述した状況下(ブレー
キ操作中またはブレーキ操作終了後の経過時間が一定時
間T秒未満)で強制的に禁止されるので、結果的に、ブ
レーキ操作の実行前に選択されていた変速マップがその
まま使用され続けることになる。
【0075】何れの場合も、作用および効果の点に関し
ては、最初に述べた実施形態の場合と全く同様である。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、自動車に対するブレー
キ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一定時間に亘っ
て変速マップの選択状態の切り換えが禁止され、予測加
速度と実加速度との間の偏差の大小に関わりなく、ブレ
ーキ操作前の段階で変速マップ選択手段によって選択さ
れていた変速マップがそのまま使用され続けるようにな
る。従って、ブレーキ操作の実行中およびブレーキ操作
の終了直後に生じる実加速度演算手段の不都合、つま
り、実加速度の値を実際の加速度よりも低めに算出する
といった問題に起因する路面の勾配状況の判定誤りが未
然に防止され、平坦路や降坂路を走行する際のブレーキ
操作によって登坂路用の変速マップが選択されるといっ
た自動制御上のミスを確実に防止することができる。
【0077】特に、ブレーキ操作終了後に変速マップの
選択状態の切り換えを禁止する一定時間は、実加速度演
算手段が自動車の実加速度を算出する際に利用する所定
時間と同等以上の長さに設定するようにしているので、
実加速度演算手段によって算出される実加速度の値が予
測加速度演算手段によって求められる予測加速度と略一
致するようになるまでの全ての時間帯に亘り、変速マッ
プの選択状態の切り換えを確実に禁止して、ブレーキ操
作の終了直後に生じる路面の勾配状況の判定誤りを的確
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の自動車用自動変
速機およびその制御装置の要部を簡略化して示したブロ
ック図である。
【図2】制御装置のCPUによって実施される演算機能
の概略を示した機能ブロック図である。
【図3】制御装置のCPUが実施する処理動作を具体的
に示したフローチャートである。
【図4】制御装置のCPUの処理動作を具体的に示した
フローチャートの続きである。
【図5】勾配判定手段としてのCPUによって実施され
る勾配判定処理の概略を示したフローチャートである。
【図6】本発明の別の実施形態について簡単に示した機
能ブロック図である。
【図7】本発明の更に別の実施形態について簡単に示し
た機能ブロック図である。
【図8】自動車に対するブレーキ操作によって生じるマ
ップ選択の問題点を示したグラフである。
【符号の説明】
1 自動車用自動変速機 2 自動車用自動変速機の制御装置 3 エンジン 4 スロットル開度センサ 5 エンジン回転センサ 6 車速センサ 7 入力軸回転センサ 8 シフト位置スイッチ 9 ブレーキスイッチ 10 シフトソレノイド 11 シフトソレノイド 12 実加速度演算手段 13 加速度予測手段 14 勾配判定機能制限手段(選択切換禁止手段) 15 勾配判定手段 16 変速マップ選択手段 17 変速マップ 17a 降坂路用変速マップ 17b 登坂路用変速マップ 17c 平坦路用変速マップ 18 自動変速制御手段 19 偏差値保持手段(選択切換禁止手段) 20 マップ選択機能制限手段(選択切換禁止手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:66 F16H 59:66

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力トルクを含む自動車の運転
    操作状況に基いて所定周期毎に自動車の加速度を予測す
    る加速度予測手段と、現時点における自動車の実速度と
    前記所定周期よりも長い所定時間前の自動車の実速度と
    の差分に基いて自動車の実加速度を求める実加速度演算
    手段と、前記加速度予測手段によって求められた予測加
    速度と前記実加速度演算手段によって求められた実加速
    度との偏差に基いて路面の勾配状況を判定する勾配判定
    手段と、前記勾配判定手段による判定結果に基いて変速
    マップを選択する変速マップ選択手段と、前記自動車に
    対するブレーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一
    定時間に亘って前記変速マップの選択状態の切り換えを
    禁止する選択切換禁止手段とを備えたことを特徴とする
    自動車用自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記一定時間が前記所定時間と同等以上
    の長さに設定されていることを特徴とする請求項1記載
    の自動車用自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記選択切換禁止手段が、前記自動車に
    対するブレーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一
    定時間に亘って前記勾配判定手段の作動を禁止する勾配
    判定機能制限手段によって構成されていることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の自動車用自動変速機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記選択切換禁止手段が、前記自動車に
    対するブレーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一
    定時間に亘って前記偏差の値をクランプする偏差値保持
    手段によって構成されていることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の自動車用自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記選択切換禁止手段が、前記自動車に
    対するブレーキ操作の実行中とブレーキ操作終了後の一
    定時間に亘って前記変速マップ選択手段の作動を禁止す
    るマップ選択機能制限手段によって構成されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の自動車用自
    動変速機の制御装置。
JP2000262148A 2000-08-31 2000-08-31 自動車用自動変速機の制御装置 Withdrawn JP2002071009A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013151104A1 (ja) * 2012-04-06 2013-10-10 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP2016183757A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 本田技研工業株式会社 車両の制御装置

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WO2013151104A1 (ja) * 2012-04-06 2013-10-10 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
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