JP2002070767A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP2002070767A
JP2002070767A JP2000266864A JP2000266864A JP2002070767A JP 2002070767 A JP2002070767 A JP 2002070767A JP 2000266864 A JP2000266864 A JP 2000266864A JP 2000266864 A JP2000266864 A JP 2000266864A JP 2002070767 A JP2002070767 A JP 2002070767A
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spiral blade
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JP2000266864A
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Katsuhiro Fujita
勝博 藤田
Tetsuzo Ukai
徹三 鵜飼
Tokuo Hioki
徳男 日置
Masayuki Hayakawa
正幸 早川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 翼厚段付き構造を有する渦巻翼の強度と機能
を保ったまま、渦巻翼の加工時間が短縮され、製造コス
トが低減するスクロール型圧縮機を提供する。 【解決手段】 スクロール型圧縮機を、スクロールの渦
巻翼の渦巻中央部を下段と下段より翼厚の小さい上段と
の翼厚段付き構造とし、下段と上段との間に段面が形成
されたスクロール型圧縮機において、下段の側面と段面
との間の外角部および上段の側面と上段の上端面との間
の外角部の少なくとも何れか一つに斜面を設けて形成さ
れてなるように構成し、加工部の素材余肉(取り代)を
小さくすることを可能とし、また渦巻翼の側面、上端
面、段面の加工面精度については従来と同等なので、従
来の翼厚段付き構造を有する渦巻翼の強度と機能を保っ
たまま、渦巻翼の加工時間を短縮し、製造コスト低減を
可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール型圧縮機
に関し、特にスクロールの渦巻翼の構造を改良したスク
ロール型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に基づき、従来の一般的なスクロー
ル型圧縮機を説明する。図6は従来の一般的なスクロー
ル型圧縮機の断面図である。
【0003】図6に示すように、スクロール型圧縮機に
おいてはハウジング1に固定スクロール2とフロントケ
ース3が支持固定されており、フロントケース3内には
回転軸5が軸受6に回転可能に軸支されている。回転軸
5の一端には外部より駆動力を得るための電磁クラッチ
7が設置されており、他端には偏心軸8が設けられてい
る。
【0004】偏心軸8にはブッシュ9が嵌合されてお
り、ブッシュ9外面は旋回スクロール10の背面に設け
られた筒状ボス11に、筒状ボス11内に固定された軸
受12を介し、回転可能に嵌合されている。
【0005】ハウジング1に固定される固定スクロール
2は、円柱状の端坂13と、その端坂13に立設される
渦巻翼14とを有して構成され、また旋回スクロール1
0も円柱状の端坂15と、その端坂15上に立設される
渦巻翼16とを有して構成されており、固定スクロール
2と旋回スクロール10は所定距離だけ偏心させ、か
つ、角度をずらしてそれらの渦巻翼14、16が噛み合
わされている。
【0006】フロントケース3と旋回スクロール10の
背面の間には、スラストプレート17が介装され、ま
た、旋回スクロール10の自転を防止し且つ公転を許容
する自転防止機構18が設置されている。
【0007】固定スクロール2の端坂13および渦巻翼
14と、旋回スクロール10の端板15および渦巻翼1
6との間には密閉空間である複数の圧縮室19が形成さ
れている。そして回転軸5の駆動に伴い、偏心軸8を介
し旋回スクロール10が公転することで、旋回スクロー
ル10の相対的な公転旋回運動により、圧縮室19は漸
次容積を減少しながら中央へと推移していく。
【0008】作動流体は、吸入穴20からハウジング1
内に流入し、圧縮室19に連通する吸込み室21より、
順次、圧縮室19へ流入する。また、圧縮室19を形成
する渦巻翼14、16の先端部には溝が設けられ、端坂
15、13との間で流体漏れを防止するためチップシー
ル22がその溝に沿って備えられている。
【0009】圧縮室19内で圧縮され、高圧となった作
動流体は固定スクロール2の端坂13の略中央に設けら
れている吐出穴23を通過し吐出室24へ吐出される。
なお吐出穴23には吐出弁25が設置されている。
【0010】このため、この種のスクロール型圧縮機で
は、スクロール中心に行くに従い圧縮室19内の流体圧
力は高圧になり、渦巻翼の渦巻中央部は高い圧縮反力を
繰り返し受け、疲労破損するという問題があった。
【0011】その対策をした従来の改良例として、特開
平9―68177号公報に示されるスクロール型圧縮機
があり、図7にそのスクロール型圧縮機の断面図を示
す。
【0012】図7のスクロール型圧縮機の構造は、図6
で示した従来の一般のスクロール型圧縮機の構造と各ス
クロールの渦巻翼の渦巻中心部以外は同じであり、同じ
部分には同じ符番を付して説明を省略し、異なる部分を
主に以下説明する。
【0013】図7のものにおいては、固定スクロール1
02の渦巻翼114の渦巻中央部114Tおよび旋回ス
クロール110の渦巻翼116の渦巻中央部116Tの
強度不足による破損を防止するため、固定、旋回両スク
ロール102,110ともに渦巻翼114、116の渦
巻中央部114T、116Tの断面において上段と下段
の翼厚を変え、下段が太くなるような翼厚段付き構造を
とり、渦巻翼114、116の渦巻中央部114T、1
16Tの剛性を向上させている。図8は、図7のスクロ
ール型圧縮機のスクロール噛み合い説明図である。ま
た、図9は、図7のスクロール型圧縮機の渦巻翼11
4、116の渦巻中央部114T、116Tの斜視図で
ある。
【0014】上記翼厚段付き部の形成範囲としては、渦
巻翼114、116の渦巻中央部114T、116Tの
剛性が必要な区間、例えば図8、図9に示すP、Qの間
の区間の少なくとも内方に実施すると効果的である。こ
こで上記P、Q点はその外方側渦巻が例えばインボリュ
ート曲線で形成され始める点である。
【0015】また図10は、噛み合わせた状態の渦巻翼
114、116の渦巻中央部114T、116Tの翼厚
段付き部の断面図であり、図8のA−A矢視断面であ
る。
【0016】図10に示すように、固定スクロール10
2の渦巻翼114は高さ方向で翼厚が2段階に変化し、
下段114aの翼厚が上段114bと比較し厚く構成さ
れている。旋回スクロール110の渦巻翼116につい
ても下段116a、上段116bが同様に構成されてい
る。
【0017】また図10の例においては、翼厚変更点の
高さは翼高さの略半分に設定され、固定側の渦巻翼11
4の下段114aと旋回側の渦巻翼116の上段116
b、また固定側の渦巻翼114の上段114bと旋回側
の渦巻翼116の下段116aの側面同志、および固定
側の渦巻翼114の下段114aと旋回側の渦巻翼の下
段116aの段面同志は接し合いそれぞれ実質的に噛み
合うような寸法相関を持っている。
【0018】ここでスクロール型圧縮機の機能面から上
述した「実質的な噛み合い」という点について説明す
る。スクロール型圧縮機の実質の渦巻翼最内包の最終密
閉圧縮室容積が小さいほど死容積が小さく、その結果、
再圧縮動力が小さくなることで性能面で有利になる。ま
たスクロール型圧縮機の実質的な最終密閉圧縮室容積
は、圧縮過程で接触していた旋回、固定スクロールの渦
巻中央部の渦巻翼の側面が離れる瞬間、または後述する
図3に示すように旋回スクロールの渦巻翼216(本従
来例の渦巻翼116において同じ)が固定スクロールの
端板に設置される吐出穴23に掛かり、渦巻翼の腹側の
密閉空間と渦巻翼の背側の密閉空間が連通しシールがで
きなくなる瞬間の容積である。
【0019】このため渦巻翼の渦巻中央部においてはで
きるだけ最内包の圧縮室容積を小さくすること、具体的
には吐出穴23と連通する瞬間まで旋回、固定側の両渦
巻翼を接触させ、且つ渦巻翼の側面が離れる瞬間の最内
包圧縮室容積を小さくすることで死容積を小さくするこ
とが性能面で有利となる。
【0020】しかしながら渦巻最内包で旋回、固定両ス
クロールを接触させると接触力により双方の渦巻翼11
4、116の渦巻中央部114T,116Tを倒す力が
負荷され、強度的に厳しい条件が発生する問題がある。
このため渦巻翼114、116の渦巻中央部114T,
116Tの形状については設計的に当てず、離さずとい
う寸法が必要となり、渦巻中央部114T,116Tの
寸法精度は必然的に厳しいものとなっている。
【0021】また図10に示すような翼厚段付き構造の
場合、その厳しい寸法精度は、固定側の渦巻翼114の
下段114aと旋回側の渦巻翼116の上段116bと
の横方向、また固定側の渦巻翼114の上段114bと
旋回側の渦巻翼116の下段116aの横方向、および
固定側の下段114aと旋回側の下段116aの高さ方
向の各部に適用する必要があり、製造上の課題を多く有
するものとなる。
【0022】また従来の渦巻翼の改良構造の別の例とし
て特開平10−68392号に示されたものがあり、そ
の構造の斜視図を図11に示す。
【0023】図11に示すように、この改良構造では固
定、旋回両スクロールの渦巻翼50は渦巻中央部50T
の付近において下段50aと上段50bの翼厚を変え、
下段50aが太くなるような翼厚段付き構造をとり、さ
らに下段50aの根元、上段50aと下段50bとの段
付き部に、それぞれに応力集中を緩和するフィレット5
1、52を設けている。
【0024】しかしながら図11の構造においても、渦
巻翼50の渦巻中央部50Tにフィレット51,52の
干渉を防止するような隙間を設定する必要があるため、
渦巻翼50の渦巻中央部50Tは非常に高精度に仕上げ
る必要があり、依然製造上の課題が多いものとなってい
る。
【0025】上述したような従来のスクロール型圧縮機
の翼厚段付き構造を有する渦巻翼の製造方法を、図7で
示した固定スクロール102を例に図12に基づき説明
する。
【0026】図12は、固定スクロール102の渦巻翼
114の、特に翼厚段付き構造を有するその渦巻中央部
114Tと近傍の端板113の断面である。
【0027】固定スクロール102は、鋳造または鍛造
等で製造されるアルミ合金等の素材100を、円筒状工
具(エンドミル)で切削加工することで成形される。特
に翼厚段段付き構造部は渦巻翼114の上段114bの
側面114A、段面114B、下段114aの側面11
4C、渦巻翼114の上端面114D、段の付かない側
の側面114E、端板113のスクロール側表面113
A、113Bの各部位が切削加工で創成される。
【0028】一方、上記のごとく固定スクロール102
の渦巻翼114の翼厚段付き部と旋回スクロール110
の渦巻翼116の翼厚段付き部とにおいては、相互の異
常な干渉、あるいは過大なスキマを防止するために、高
精度な加工寸法が要求される。
【0029】しかしながら図12に示すように鋳造また
は鍛造等の工法で形成された素材100の場合には、素
材形成時に段部内角近傍、特に側面114Aと段面11
4Bの接続部に余肉100aが生じることは避けられな
い。このため翼厚段付き部の切削加工による成形におい
ては、特に余肉100aを削り取る際の削り代が大き
く、加工時間が非常に長くなるため、コストが高くなる
問題が生じていた。
【0030】なお、図12においては、固定スクロール
102を例に説明したが、旋回スクロール110におい
ても同様であり、同じ問題を有している。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
のスクロール型圧縮機の問題点、ならびにその従来の改
良例の問題点を解消し、従来の翼厚段付き構造を有する
渦巻翼の強度と機能を保ったまま、渦巻翼の加工時間が
短縮され、製造コストが低減するスクロール型圧縮機を
提供することを課題とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、上記の
課題を解決するために成されたものであって、その第1
の手段として、スクロールの渦巻翼の渦巻中央部を下段
と同下段より翼厚の小さい上段との翼厚段付き構造と
し、同下段と上段との間に段面が形成されたスクロール
型圧縮機において、前記下段の側面と前記段面との間の
外角部および前記上段の側面と同上段の上端面との間の
外角部の少なくとも何れか一つに斜面を設けて形成され
てなることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する
ものである。
【0033】かかる構成により、第1の手段によれば、
渦巻翼の渦巻中央部の外角部が取れた形になるため、ス
クロールを噛み合わせた時の相手側スクロールの渦巻翼
の対応する内角部の余肉取りの厳密さが緩和され、結果
的に加工部の素材余肉(取り代)を小さくすることが可
能となり切削加工時間が短縮する。また渦巻翼の側面、
上端面、段面の加工面精度については従来と同等であり
斜面による性能の低下は非常に小さい。(2)また、第
2の手段として、第1の手段のスクロール型圧縮機にお
いて、前記スクロールは前記渦巻翼の渦巻中央部を下段
側と上段側とで翼厚を変えて翼厚段付き形状に成形され
た素材を前記下段の側面、段面、上段の側面および上段
の上端面は切削加工により形成したものであって、前記
斜面は同切削加工を施さない前記素材の未加工面である
ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
【0034】第2の手段によれば、第1の手段のスクロ
ール型圧縮機の作用に加え、スクロールの素材を鋳造、
あるいは鍛造等の多数量産に適した適宜の製法により成
形でき、斜面部分はスクロールの素材のままの未加工面
とすることにより、さらに切削加工面が減少し、加工時
間が短縮する。
【0035】
【発明の実施の形態】図1から図4に基づき本発明の実
施の第1形態に係るスクロール型圧縮機を説明する。図
1は本実施の形態のスクロール型圧縮機の要部であるス
クロールの渦巻翼の渦巻中央部の斜視図であり、図2は
本実施の形態の翼厚段付き構造を有する渦巻翼の製造方
法の説明図であり、固定スクロールの渦巻翼の、特に翼
厚段付き構造を有するその渦巻中央部と近傍の端板の断
面図である。図3は、本実施の形態のスクロール型圧縮
機のスクロール噛み合い説明図、図4は、噛み合わせた
状態の渦巻翼の渦巻中央部の翼厚段付き部の断面図であ
る。
【0036】本実施の形態のスクロール型圧縮機は、図
7で示した従来のスクロール型圧縮機に対して、固定ス
クロール202および旋回スクロール210の渦巻中央
部202T、210Tすなわち翼厚段付き部の構造を異
にする他は、同様の構造であり、スクロール型圧縮機全
体の断面は図7を参照することとし、図示省略する。ま
た各部の作用効果についても、上記相違点以外は同じで
あるので、必要に応じて図7に示す符号を引用し、説明
を省略し、相違点を主に以下説明する。
【0037】本実施の形態のスクロール型圧縮機の翼厚
段付き構造を有する渦巻翼の構造を、固定スクロール2
02を例に図1、図2に基づき説明する。
【0038】図2において、213は固定スクロール2
02の端板、214は端板213上に立設された渦巻翼
である。そして、100は鋳造、あるいは鍛造により予
め渦巻翼214の渦巻中央部214Tを下段側と上段側
とで翼厚を変えて翼厚段付き形状に成形されたスクロー
ルの素材である。固定スクロール202は、鋳造または
鍛造等で製造されるアルミ合金等の素材100を、円筒
状工具(エンドミル)で切削加工することで形成され
る。
【0039】特に固定スクロール202の渦巻翼214
の渦巻中央部214Tでは強度確保のための翼厚段付構
造を形成するため、渦巻翼214の上段214bの側面
214A、段面214B、下段214aの側面214
C、渦巻翼214の上端面214D、段の付かない側の
側面214E、端板213のスクロール側表面213
A、213Bの各部位が切削加工で創成される。
【0040】また214Fは、段付き部の段面214B
と側面214Cとの間の外角部に斜面として残るスクロ
ールの素材100の未加工面である。
【0041】図1に示すように渦巻翼214の翼厚段付
き部自体は、従来例につき図8、図9で説明したと同様
にP、Q点間に設けられている。ただし本実施の形態に
おいては、翼厚段付き部の段面214Bと側面214C
との間の外角部にスクロールの素材100の未加工面2
14Fが斜面として残るように加工されている。
【0042】未加工面214FについてはP、Qの間の
区間全域にあってもよいが、少なくともその一部に存在
すればよい。特にP、あるいはQ点付近の段部始点につ
いては加工上問題となる余肉もつきにくく、実質的には
加工面としてもよい。
【0043】未加工面214Fの設置位置に関して説明
すると、図3は、旋回スクロール210が公転し、固定
スクロール202の端坂213の略中心付近に設置され
た吐出穴23が、旋回スクロール210の渦巻翼216
の渦巻中央部216Tの背側曲線から覗く瞬間を表して
いる。
【0044】翼厚段付き部に設けた未加工面214F
は、図3に示す瞬間付近から背側圧縮室へ連通するよう
な場所に設置することも可能である。
【0045】以上、固定スクロール202を例に説明し
たが、本実施の形態において旋回スクロール210もそ
の渦巻翼216は同様に加工され、同様に段面216B
と側面216Cとの間の外角部に斜面として未加工面2
16Fが設けられている。
【0046】上述のような本実施の形態のスクロール型
圧縮機によれば、スクロールの素材100を鋳造、ある
いは鍛造等の多数量産に適した製法により成形して、固
定スクロール202および旋回スクロール210の渦巻
翼214、216の翼厚段付き部の外角部はスクロール
の素材100のままの未加工面214F、216Fの斜
面とすることにより、加工面が減少する。
【0047】また214A等の加工面形状は従来と変化
していないが、本実施の形態においては未加工面214
F、216Fを存在させることで、下段214a、21
6aの外角部が取れた形になるため、噛み合わせた時の
相手側スクロールの渦巻翼の対応する内角部、上段21
6b、214bの側壁216A、214Aと段面216
B、214Bとの間の内角部の余肉取りの厳密さが緩和
され、結果的に切削加工部の素材余肉(取り代)を小さ
くすることが可能となり、従来非常に長かった加工時間
を短縮でき、また工具寿命も長くなることから、スクロ
ール型圧縮機の製造コストが低減される。この点に関し
ては、未加工面214F、216Fを、工数のかからな
い機械加工による面取りに代えたものであってもよい。
【0048】また未加工面214F、216Fを設ける
ことで、スキマあるいは死容積増加による性能の低下が
懸念されるが、本実施の形態では、加工面精度について
は従来と同等であり、未加工面214F、216F設置
による性能の低下は非常に小さい。さらに前記のごと
く、翼厚段付き部に設けた未加工部214F、216F
が、図3に示す瞬間付近から背側圧縮室へ連通するよう
な場所に設置した場合については性能を従来と全く同等
とすることも可能である。
【0049】したがって、本実施の形態のスクロール型
圧縮機によれば、従来の翼厚段付き構造を有する渦巻翼
の強度と機能を保ったまま、渦巻翼の加工時間を短縮
し、製造コスト低減が可能となる。
【0050】本発明の実施の第2形態について図5に基
づき説明する。図5は、実施の第1形態で示した図2と
同様に、本実施の形態のスクロール型圧縮機における翼
厚段付き構造を有する渦巻翼の製造方法の説明図であ
り、固定スクロール302を例に、その渦巻翼314
の、特に翼厚段付き構造を有するその渦巻中央部314
Tと近傍の端板313の断面図である。
【0051】本実施の形態においては、固定スクロール
302の渦巻翼314の渦巻中央部314Tで強度確保
のための翼厚段付構造を形成するため、素材100に渦
巻翼314の上段314bの側面314A、段面314
B、下段314aの側面314C、渦巻翼314の上端
面314D、段の付かない側の側面314E、端板31
3のスクロール側表面313A、313Bの各部位が切
削加工で創成される。
【0052】本実施の形態は未加工面を設ける位置とし
て、段面314Bと側面314Cとの間の外角部に設け
られる未加工面314Fの他に、渦巻翼314の上段の
上端面314Dと側面314Aとの間、および上端面3
14Dと側面314Eとの間の外角部に未加工面314
G、314Hを斜面として設けている以外は、前述の実
施の第1形態と同じであり、実施の第1形態と同じ点は
説明を省略する。なお未加工面は上記314F、314
G、314Hのいずれかの位置に単独、あるいは組み合
わせて構成してもよい。
【0053】上述のような本実施の形態のスクロール型
圧縮機によれば、スクロールの素材100を鋳造、ある
いは鍛造等の多数量産に適した製法により成形して、固
定スクロール302の渦巻翼314の翼厚段付き部と上
端部の外角部はスクロールの素材100のままの未加工
面314F、314G、314Hの斜面とすることによ
り、切削加工面が減少する。
【0054】また、本実施の形態においては未加工面3
14F、314G、314Hを斜面として存在させるこ
とで、翼厚段付き部における外角部と上段314bの上
端部の外角部が取れた形になるため、噛み合わせた時の
旋回スクロール側の渦巻翼の対応する内角部の余肉取り
の厳密さが緩和され、結果的に切削加工部の素材余肉
(取り代)を小さくすることが可能となり、従来非常に
長かった加工時間を短縮でき、また工具寿命も長くなる
ことから、スクロール型圧縮機の製造コストが低減され
る。この点に関しては、未加工面314F、314G、
314Hを、工数のかからない機械加工による面取りに
代えたものであってもよい。
【0055】以上、固定スクロール302の渦巻翼31
4を例に説明したが、本実施の形態においては旋回スク
ロールの渦巻翼も同様に加工され、同様に未加工面が設
けられている。
【0056】本実施の形態のスクロール型圧縮機によれ
ば、未加工面の位置を増加し、選択することによって、
実施の第1形態より更に効果的に、従来の翼厚段付き構
造を有する渦巻翼の強度と機能を保ったまま、渦巻翼の
加工時間を短縮し、製造コストを低減することが可能と
なる。
【0057】以上本発明の実施の形態を説明したが、上
記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲
内でその具体的構造に種々の変更を加えてもよいことは
言うまでもない。
【0058】たとえば、渦巻翼の渦巻中央部の翼厚段付
き部、あるいは下段根元にフィレットも設けたスクロー
ルに本発明を適用しても良い。
【0059】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、スクロ
ール型圧縮機を、スクロールの渦巻翼の渦巻中央部を下
段と同下段より翼厚の小さい上段との翼厚段付き構造と
し、同下段と上段との間に段面が形成されたスクロール
型圧縮機において、前記下段の側面と前記段面との間の
外角部および前記上段の側面と同上段の上端面との間の
外角部の少なくとも何れか一つに斜面を設けて形成され
てなるように構成したので、渦巻翼の渦巻中央部の外角
部が取れた形になるため、スクロールを噛み合わせた時
の相手側スクロールの渦巻翼の対応する内角部の余肉取
りの厳密さが緩和され、結果的に加工部の素材余肉(取
り代)を小さくすることが可能となり、従来非常に長か
った加工時間を短縮でき、また工具寿命も長くなること
から、スクロール型圧縮機の製造コストが低減される。
【0060】また渦巻翼の側面、上端面、段面の加工面
精度については従来と同等であり斜面による性能の低下
は非常に小さく、したがって、従来の翼厚段付き構造を
有する渦巻翼の強度と機能を保ったまま、渦巻翼の加工
時間を短縮し、製造コスト低減が可能となる。 (2)請求項2の発明によれば、請求項1に記載のスク
ロール型圧縮機において、前記スクロールは前記渦巻翼
の渦巻中央部を下段側と上段側とで翼厚を変えて翼厚段
付き形状に成形された素材を前記下段の側面、段面、上
段の側面および上段の上端面は切削加工により形成した
ものであって、前記斜面は同切削加工を施さない前記素
材の未加工面であるように構成したので、請求項1の発
明の効果に加え、スクロールの素材を鋳造、あるいは鍛
造等の多数量産に適した適宜の製法により成形でき、斜
面部分はスクロールの素材のままの未加工面とすること
により、さらに切削加工面が減少し、加工時間が短縮
し、また工具寿命が延長して、製造コストのさらなる低
減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るスクロール型圧
縮機の要部であるスクロールの渦巻翼の渦巻中央部の斜
視図である。
【図2】実施の第1形態における翼厚段付き構造を有す
る渦巻翼の製造方法の説明図であり、固定スクロールの
渦巻翼の渦巻中央部と近傍の端板の断面図である。
【図3】実施の第1形態におけるスクロール噛み合い説
明図である。
【図4】実施の第1形態における噛み合わせた状態の渦
巻翼の渦巻中央部の断面図である。
【図5】本発明の実施の第2形態に係るスクロール型圧
縮機の要部であるスクロールの翼厚段付き構造を有する
渦巻翼の製造方法の説明図であり、固定スクロールの渦
巻翼の渦巻中央部と近傍の端板の断面図である。
【図6】従来の一般的なスクロール型圧縮機の断面図で
ある。
【図7】従来のスクロール型圧縮機の渦巻翼の改良例の
断面図である。
【図8】図7のスクロール型圧縮機のスクロール噛み合
い説明図である。
【図9】図7のスクロール型圧縮機の渦巻翼の渦巻中央
部の斜視図である。
【図10】図8中A−A矢視断面図であり、噛み合わせ
た状態の渦巻翼の渦巻中央部の断面図である。
【図11】従来のスクロール型圧縮機の渦巻翼の別の改
良例の斜視図である。
【図12】図7のスクロール型圧縮機における翼厚段付
き構造を有する渦巻翼の製造方法の説明図であり、固定
スクロールの渦巻翼の渦巻中央部と近傍の端板の断面図
である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2、102、202、302 固定スクロール 3 フロントケース 5 回転軸 6 軸受 7 電磁クラッチ 8 偏心軸 9 ブッシュ 10、110、210 旋回スクロール 11 筒状ボス 12 軸受 13、113、213、313 端板 14、114、214、314 渦巻翼 15、115、215 端板 16、116、216 渦巻翼 17 スラストプレー
ト 18 自転防止機構 19 圧縮室 20 吸入穴 21 吸込み室 22 チップシール 23 吐出穴 24 吐出室 114T、214T、314T 渦巻中央部 116T、216T 渦巻中央部 214F 未加工面 216F 未加工面 314F、314G、314H 未加工面
フロントページの続き (72)発明者 日置 徳男 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 (72)発明者 早川 正幸 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱 重工業株式会社名古屋研究所内 Fターム(参考) 3H039 AA02 AA12 BB07 CC04 CC05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクロールの渦巻翼の渦巻中央部を下段
    と同下段より翼厚の小さい上段との翼厚段付き構造と
    し、同下段と上段との間に段面が形成されたスクロール
    型圧縮機において、前記下段の側面と前記段面との間の
    外角部および前記上段の側面と同上段の上端面との間の
    外角部の少なくとも何れか一つに斜面を設けて形成され
    てなることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスクロール型圧縮機に
    おいて、前記スクロールは前記渦巻翼の渦巻中央部を下
    段側と上段側とで翼厚を変えて翼厚段付き形状に成形さ
    れた素材を前記下段の側面、段面、上段の側面および上
    段の上端面は切削加工により形成したものであって、前
    記斜面は同切削加工を施さない前記素材の未加工面であ
    ることを特徴とするスクロール型圧縮機。
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