JP2002069561A - ダイカスト機用の鋳抜きピン - Google Patents

ダイカスト機用の鋳抜きピン

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JP2002069561A
JP2002069561A JP2000256088A JP2000256088A JP2002069561A JP 2002069561 A JP2002069561 A JP 2002069561A JP 2000256088 A JP2000256088 A JP 2000256088A JP 2000256088 A JP2000256088 A JP 2000256088A JP 2002069561 A JP2002069561 A JP 2002069561A
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Takaharu Tashiro
代 貴 晴 田
Yasushi Fukase
瀬 泰 志 深
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Shibaura Machine Co Ltd
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Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して長寿命を確保することができるダイ
カスト機用の鋳抜きピンを提供すること。 【解決手段】 鉄鋼材料からなる心材1と、心材1の表
面に被覆されたNi基サーメット層4aとにより鋳抜き
ピン5を構成する。Ni基サーメット層4aは、重量%
で、B:0.6〜3.2%、Mo:10〜37%、Si:
0.5〜8%、残部Niおよび不可避的不純物からなる
組成とし、Ni基サーメット層4aの厚さは、0.05
〜1.0mmとする。心材1とNi基サーメット層4a
とが金属結合される。心材1とNi基サーメット層4a
との結合は、原料粉末を焼結してNi基サーメット層を
形成する際に同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイカスト機用の金
型に用いられる鋳抜きピンに係り、とりわけアルミニウ
ム,マグネシウムおよびその合金をダイカストする際に
好適に用いることができる鋳抜きピンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ダイカスト機用の鋳抜きピン
は、主としてJIS鋼種SKD61にタフトライドなど
の窒化処理、あるいはCVDやPVDによりTiCやT
iNなどのTi系のセラミックコーティングを施工した
ものが使用されている。
【0003】しかし、上記の表面処理を施した鋳抜きピ
ンの耐久性は必ずしも十分なものではなく、焼き付き、
カジリ、腐食等の発生により比較的短時間で寿命がく
る。鋳抜きピンの交換作業は多大な工数を要するため、
頻繁に鋳抜きピンのトラブルが発生すると、生産性を低
下させるだけでなく、製品の品質も不安定となる。更
に、上記の鋳抜きピンは、寿命のバラツキが大きいため
定期交換等の管理が難しいという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するために成されたものであり、安定して長寿命を
確保することができるダイカスト機用の鋳抜きピンを提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、鉄鋼材料からなる心材と、前記心材の表
面に被覆されたNi基サーメット層と、を備えたダイカ
スト用鋳抜きピンであって、前記Ni基サーメット層
は、重量%で、B:0.6〜3.2%、Mo:10〜37
%、Si:0.5〜8%、残部Niおよび不可避的不純
物からなる組成を有しており、前記Ni基サーメット層
の厚さは0.05〜1.0mmであり、前記心材と前記N
i基サーメット層とが金属結合されていることを特徴と
するダイカスト機用の鋳抜きピンを提供する。なお、以
下、本明細書において標記された組成比を示すパーセン
テージは、特に断り書きがない限り全て重量%を意味す
る。
【0006】本発明の鋳抜きピンに用いられるNi基サ
ーメット、すなわちB:0.6〜3.2%、Mo:10〜
37%、Si:0.5〜8%、残部Niおよび不可避的
不純物からなる組成を有するNi基サーメットは、耐摩
耗性、耐ヒートクラック性に優れしかも溶融Alに対す
る耐食性にも優れるという、アルミニウムダイカスト用
鋳抜きピンのコーティング材として極めて有利な性質を
持ち合わせている。すなわち本Ni基サーメットは、A
lとの間で固着が起こりにくいため、焼き付き、カジリ
を効果的に防止することができる。むろん、上記のNi
基サーメットは、その優れた耐摩耗性及び耐ヒートラッ
ク性により、Al以外の金属、例えばMgやZn等の金
属用金型の鋳抜きピンにも好適に用いることができる。
【0007】しかしながら、Ni−B−Mo−Si系合
金は鉄鋼材料と比較して靭性が劣るため鋳抜きピン全体
をNi基サーメットにより製造することは好ましくな
い。そこで、本発明では、鋳抜きピンの心材として適度
な靭性を持つ鉄鋼材料を用いることとした。心材用の鉄
鋼材料としては、シャルピー衝撃値が10J/cm
上のもの例えば、S48C、SCM445、SKD1
1、SKD61等を用いることが好適である。また、鋳
抜きピンには熱間強度も要求されるため、前述したシャ
ルピー衝撃値が10J/cm以上の鉄鋼材料として
は、例えばSKD61、SKD11等を用いることが特
に好適である。
【0008】Ni基サーメット層の厚さは0.05〜1.
0mmとした理由は以下の通りである。まず、Ni基サ
ーメット層すなわちコーティング層の厚さが薄くてはA
lに対する耐食性が十分に確保できない。この耐食性効
果は、Ni基サーメット層の厚さが0.05mm以上に
て現れるため、これをNi基サーメット層の下限厚さと
した。一方、鋳造時の繰り返しの熱衝撃によりNi基サ
ーメット層にクラックが生じた場合、Ni基サーメット
層は靭性が低いためクラックが進展しやすい。そして、
本発明の鋳抜きピンにおいては、鉄鋼材料からなる心材
とNi基サーメット層とが金属結合されているため、N
i基サーメットに大きくクラックが進展した後に、当該
クラックが心材に到達すると、心材の破損を招くおそれ
がある。従って、Ni基サーメット層を厚くしすぎるこ
とは好ましくない。すなわち、熱衝撃によりNi基サー
メット層にクラックが生じた場合には、そのクラックが
大きくならないうちに心材に到達するようになっている
ことが好ましい。このようにすれば、クラックは心材に
到達した段階でその進行が停止するため、心材の破損を
防止できる。このことを考慮して、Ni基サーメット層
の厚さの上限は1.0mmとした。
【0009】Ni基サーメットと心材との結合は、Ni
基サーメットを焼結した後に、このNi基サーメットの
焼結体と心材とを拡散接合することによっても可能であ
るが、Ni基サーメットの焼結時にHIP、HP、真空
焼結などの焼結接合法を適用して焼結と同時にNi基サ
ーメットと心材とを結合するのが好適である。このよう
にすれば、Ni基サーメットと心材とがより強固に金属
結合した鋳抜きピンを得ることができる。
【0010】本発明に係るNi基サーメットの組成は、
基本的には、本件出願人による特開平8−134569
号公報に記載されたものと同じ考えに基づいて決定され
ており、組成を決定した理由は以下の通りである。
【0011】まず、Bは、焼結温度を低下させると共
に、NiおよびMoと硼化物を形成し、合金の耐摩耗性
を高める。B含有量は高くても低くても抗折力を低下さ
せるので、0.6〜3.2%とした。なお、B含有量
は、1.0〜3.1%とすることがより好ましい。次
に、Siは、Bと同様、焼結温度を低下させるので、鉄
鋼材との複合化を焼結と同時に行うことに効果がある。
焼結温度が低いと鋼材を劣化させずに焼結と複合化を同
時に行うことが出来るので経済的に有利である。Si量
の増加と共に焼結温度は低下するが、8%を超えると急
激に抗折力が低下する。Si量が少ない場合も抗折力の
低下と焼結温度の上昇をきたすので、下限を0.5%と
する。従って、Si含有量は0.5〜8%とした。な
お、Si含有量は2.5〜7%とすることがより好まし
い。次に、Moは、Bと硼化物を形成し、耐摩耗性を高
めると共にNiを主とする結合相の耐食性を改善する効
果がある。また、合金の結晶粒を微細化し、かつ強度、
抗折力を著しく高める効果を有する。このような効果は
Moが5%から生じ、40%超では逆に抗折力が低下す
る。この抗折力の低下は、Moの増加により焼結温度が
高くなり、その結果高温焼結により結晶粒が粗大化する
ためと考えられる。なお、本発明においては、ダイカス
ト鋳抜きピンとして使用することを考慮し、より耐食性
および溶湯に対する耐久性を高める観点から、Moを1
0%以上含有させることとした。また、MoはBと硼化
物を形成するが、Mo量が少いと余剰のBが発生するた
め、上記のB量に対してはMoを10%以上含有させる
こととした。従って、Moの含有量は10〜37%とし
た。なお、Mo含有量は、15〜32%とすることがよ
り好ましい。なお、最も優れた耐食性、耐摩耗性および
強度並びに鉄鋼材料と複合化するのに好ましい焼結温度
を示すB、SiおよびMoの含有量は、それぞれB1.
0〜2.8%、Si3.5〜6.0%、Mo20〜30
%である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0013】SKD61(JIS)を図1(a)のよう
に機械加工して心材1を、S48C(JIS)を図1
(b)のように機械加工して成形用スリーブ2をそれぞ
れ作成した。
【0014】次に、心材1と、スリーブ2と、S48C
(JIS)からなる板材3を図1(c)に示すように配
置した。このとき、スリーブ2の内面すべてと、心材1
と板材3とが接触する部分と、スリーブ2と板材3とが
接触する部分にはあらかじめ離型材を塗布しておいた。
【0015】次に、Si:4.6%、B:3.1%、M
o:20%、残部Niの組成の材料を溶解し、その溶湯
をアトマイズして原料粉末4(粒径50〜150μm)
を製作した。
【0016】次に原料粉末4を図1(c)に示すスリー
ブ2と心材1との間の隙間に充填した。
【0017】次に、真空炉にて1000℃に加熱し、原
料粉末4を焼結してNi基サーメット層4aを形成する
とともに、心材1とNi基サーメット層4aとを一体に
結合した。これにより図1(d)のようにNi基サーメ
ット層4aがコーティングされた鋳抜きピン5が得られ
た。そして、この鋳抜きピン5を、機械加工により、図
1(e)の形状に仕上げた。
【0018】以上の方法で作成した鋳抜きピン5を切断
して、その切断面を観察したものが図2に示す写真であ
る。上記製造方法により、心材1とNi基サーメット層
4aとが完全に金属結合し、かつ厚いコーティング層を
有する鋳抜きピン6が得られることが確認された。
【0019】上記製法により作成した鋳抜きピン(実施
例)をコールドチャンバ方式のダイカスト機に取り付け
て鋳造を行った。鋳造条件は、溶湯種類はADC12、
溶湯温度は700℃、金型の離型材は水溶性タイプとし
た。なお、比較例として従来仕様の鋳抜きピン(SKD
61に窒化処理を行ったもの)を用いて実施例と同一条
件で鋳造を行った。
【0020】2000ショット後のピンを観察した結
果、比較例の鋳抜きピンには10本中3本にカジリ傷が
発生していたが、実施例の鋳抜きピンには、10本とも
特に問題は見られなかった。また、実施例の鋳抜きピン
は平均12000ショットの使用に耐えたが、比較例の
鋳抜きピンは平均8000ショットであった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐久性に優れた鋳抜きピンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鋳抜きピンの製造工程を示す図。
【図2】本発明による鋳抜きピンの心材とNi基サーメ
ット層との界面の顕微鏡写真を示す図。
【符号の説明】
1 心材 4a Ni基サーメット層 5 鋳抜きピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄鋼材料からなる心材と、前記心材の表面
    に被覆されたNi基サーメット層と、を備えたダイカス
    ト用鋳抜きピンであって、 前記Ni基サーメット層は、重量%で、B:0.6〜3.
    2%、Mo:10〜37%、Si:0.5〜8%、残部
    Niおよび不可避的不純物からなる組成を有しており、 前記Ni基サーメット層の厚さは、0.05〜1.0mm
    であり、 前記心材と前記Ni基サーメット層とが金属結合されて
    いることを特徴とする、ダイカスト機用の鋳抜きピン。
  2. 【請求項2】前記Ni基サーメット層を焼結する際に、
    前記心材と前記Ni基サーメット層とを金属結合させた
    ことを特徴とする、請求項1に記載のダイカスト機用の
    鋳抜きピン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012110909A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Toyota Motor Corp 鋳抜きピン及び金型
CN108555241A (zh) * 2017-04-14 2018-09-21 新兴重工湖北三六机械有限公司 一种顶料杆

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